(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
搬送経路に沿って設けられる搬送案内手段と、この搬送案内手段に沿ってワークを搬送させながら走行する走行体と、この走行体を移動させる駆動力を伝達するための駆動伝達手段と、前記搬送経路の途中に設けられ前記ワークを洗浄するための洗浄手段とを備える搬送装置であって、
前記走行体は、
下部に転動自在な車輪を備える走行体本体と、
この走行体本体の上部に連結された支持部材によって支持され、前記ワークを積載する積載手段とを備え、
前記支持部材は、複数箇所で折り曲げられて形成され、
前記走行体本体に接続され上方向に延びた第1延設部と、
前記第1延設部の上端に接続され外側に向けて下方に下るように傾斜されて延びる水平部と、
前記水平部の先端に接続され下方向に所定の長さを有して延びる第3延設部と、
前記第3延設部の下端に接続され湾曲状に延びるとともに、その下面が外側に向けて下方に下る傾斜面とされている湾曲部と、
前記湾曲部の先端に接続され上方向に延び、その上部において前記ワークを支持するとともに、その最下端の折り曲げ部が鋭角状とされている第2延設部とを有し、
前記第1延設部と前記第2延設部とは、異なる鉛直軸上にあり、
前記水平部の上面端面には、前記搬送経路に沿って設けられた転倒防止レールに案内される転動自在な補助車輪が設けられていることを特徴とする搬送装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の走行体では、ワークは、鉛直方向に延びた支柱を介して走行体本体に支持されているため、走行体が洗浄装置内を通過すると、走行体本体や搬送レール等に対してノズルから噴出された水が掛かることになる。そのため、付着した水分によって、走行体の搬送レール上の走行に支障をきたすことがある。
【0008】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、走行体本体や搬送レール等に水が掛かるのを抑制することのできる搬送装置を提供することを、その課題とする。また、この搬送装置に適用される走行体を提供することを、その課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の側面によって提供される搬送装置は、搬送経路に沿って設けられる搬送案内手段と、この搬送案内手段に沿ってワークを搬送させながら走行する走行体と、この走行体を移動させる駆動力を伝達するための駆動伝達手段と、前記搬送経路の途中に設けられ前記ワークを洗浄するための洗浄手段とを備える搬送装置であって、前記走行体は、下部に転動自在な車輪を備える走行体本体と、この走行体本体の上部に連結された支持部材によって支持され、前記ワークを積載する積載手段とを備え、前記支持部材は、複数箇所で折り曲げられて形成され、前記走行体本体に接続され
上方向に延びた第1延設部と
、前記第1延設部の上端に接続され外側に向けて下方に下るように傾斜されて延びる水平部と、前記水平部の先端に接続され下方向に所定の長さを有して延びる第3延設部と、前記第3延設部の下端に接続され湾曲状に延びるとともに、その下面が外側に向けて下方に下る傾斜面とされている湾曲部と、前記湾曲部の先端に接続され上方向に延び、その上部において前記ワークを支持するとともに、その最下端の折り曲げ部が鋭角状とされている第2延設部とを有し、前記第1延設部と前記第2延設部とは、異なる鉛直軸上にあ
り、前記水平部の上面端面には、前記搬送経路に沿って設けられた転倒防止レールに案内される転動自在な補助車輪が設けられていることを特徴としている。
【0013】
本発明の搬送装置において、前記洗浄手段には、前記第1延設部と前記第2延設部との間を遮蔽する遮蔽部材が設けられているとよい。
【0014】
本発明の搬送装置において、前記搬送経路には、前記走行体の走行状態を安定支持するための走行状態支持手段が設けられているとよい。
【0015】
本発明の第2の側面によって提供される走行体は、搬送経路に沿って設けられる搬送案内手段と、前記搬送経路の途中に設けら
れワークを洗浄するための洗浄手段とを備える搬送装置に用いられ、前記搬送案内手段に沿って
前記ワークを搬送しながら走行する走行体であって、下部に転動自在な車輪を備える走行体本体と、この走行体本体の上部に連結された支持部材によって支持され、前記ワークを積載する積載手段とを備え、前記支持部材は、複数箇所で折り曲げられて形成され、前記走行体本体に接続され
上方向に延びた第1延設部と
、前記第1延設部の上端に接続され外側に向けて下方に下るように傾斜されて延びる水平部と、前記水平部の先端に接続され下方向に所定の長さを有して延びる第3延設部と、前記第3延設部の下端に接続され湾曲状に延びるとともに、その下面が外側に向けて下方に下る傾斜面とされている湾曲部と、前記湾曲部の先端に接続され上方向に延び、その上部において前記ワークを支持するとともに、その最下端の折り曲げ部が鋭角状とされている第2延設部とを有し、前記第1延設部と前記第2延設部とは、異なる鉛直軸上にあ
り、前記水平部の上面端面には、前記搬送経路に沿って設けられた転倒防止レールに案内される転動自在な補助車輪が設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明の搬送装置によると、ワークを搬送する走行体の支持部材が複数箇所で折り曲げられて形成され、走行体本体に接続された第1延設部とワークを積載する積載手段に接続された第2延設部とが異なる鉛直軸上にあるので、第1延設部と第2延設部との間に所定の距離を有することになる。そのため、両者間を適当に遮蔽するようにすれば、例えばワークを洗浄装置によって洗浄した場合であっても、洗浄装置からの洗浄水が走行体本体側に進行するのを抑制することができる。したがって、走行体本体や搬送レール等に水が掛かるのを抑制することのできる搬送装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0022】
図1は、本発明の第1実施形態に係る搬送装置を示す斜視図である。
図2は、
図1に示す走行体の正面図である。
図3は、
図1に示す走行体の側面図である。なお、
図2及び
図3では、ワーク積載機構15を省略している。
【0023】
本第1実施形態に係る搬送装置1は、例えば乗用車や二輪車等の部品(以下、ワークWという)を塗装する塗装ライン等に設置され、ワークWを搬送するために用いられるものである。搬送装置1は、ワークWの搬送経路に沿って設けられた搬送レール2と、この搬送レール2に沿ってワークWを搬送させながら走行する走行体3と、この走行体3を移動させるための駆動力を伝達するための駆動伝達機構4と、ワークWを洗浄するための洗浄装置5(
図5参照)とを備えている。
【0024】
搬送レール2は、無端状であって断面コ字状の一対のレール部材6,6によって構成されている。一対のレール部材6,6は、互いに開放端縁を対向させて配置されており、この配置により生じる内部空間を、後述する走行体3の走行車輪17が転動するようになっている。搬送レール2は、所定の間隔を隔てて設けられた保持部材7によって部分的に接合されて設置されている。なお、搬送レール2は、無端状でなくてもよく、例えば走行体3が往復移動可能な搬送経路に沿って設けられていてもよい。
【0025】
走行体3は、長尺状に形成された走行体本体11と、この走行体本体11の上方に配置された長尺状の水平維持体12と、走行体本体11の前後端近傍の下部に設けられ、走行体本体11を支持しつつ移動させるための車輪群13と、走行体本体11の上面に連結された支持部材14と、この支持部材14によって支持されたワーク積載機構15とによって構成されている。
【0026】
走行体本体11は、ワーク積載機構15を支持する一方、車輪群13によって支持されて搬送レール2に沿って移動するものである。走行体本体11は、駆動伝達機構4(詳細は後述)によって駆動力が伝達されることにより、搬送レール2に沿って走行される。
【0027】
車輪群13は、
図2及び
図3に示すように、走行体本体11を上下に貫通する支柱16を介して走行体本体11に支持されており、支柱16の軸心周りに回動自在とされている。車輪群13は、水平方向に延びる水平軸を中心に回動自在な走行車輪17と、水平軸と鉛直方向に直交する鉛直軸を中心に回動自在な水平車輪18とを備えている。走行車輪17は、レール部材6の内部底面の表面で転動する。また、水平車輪18は、レール部材6の上部対向端面で案内されて転動する。
【0028】
水平維持体12は、走行体3が搬送レール2に沿って移動する際、ワーク積載機構15の水平状態を維持するためのものである。水平維持体12は、その一端近傍が走行体本体11に立設された支柱20及びそれに接続された略コ字状のコ字状部材21に支持されている。
【0029】
具体的には、コ字状部材21は上側に開放されるように設けられ、その開放内側には回転軸21aが回動自在に設けられている。水平維持体12は、その一端近傍に軸支された回動軸21aを中心にして回動自在に支持されている。水平維持体12の中央上面には、上記した支持部材14が連結されている。また、水平維持体12の他端近傍には、その他端部分を水平方向に貫通する連結軸22を介して転動可能な一対の転動部材23が設けられている。
【0030】
一対の転動部材23は、搬送レール2に沿って設けられている規制レール24に案内される。規制レール24は、搬送レール2と同様に、略コ字状の一対の規制レール構成部材25が互いに対向して構成されている。なお、規制レール24は、搬送レール2が上り傾斜する箇所及び下り傾斜する箇所においてのみ設けられている。
【0031】
走行体本体11には、その中央に回転軸26を介して回動可能な回動アーム27が支持されている。回動アーム27は、湾曲した略L字状に形成され、折曲部分に回転軸26が軸支されている。回転軸26には、コイルばね28が巻回されている。このコイルばね28により、回動アーム27は後方側に付勢されている。一方、回動アーム27の他端部近傍には、水平方向に延びた回動規制片29が設けられており、回動規制片29が走行体本体11の上面に当接することにより、コイルばね28による付勢状態を規制するようになっている。
【0032】
回動アーム27の一端には、水平維持体12の連結軸22に掛止されるフック部30が形成されている。一方、回動アーム27の他端には、転動可能な転動部材31が設けられている。転動部材31は、走行体3の走行中に後述する揺動案内レール50によって上方に変位され、これにより、回動アーム27のフック部30が連結軸22から外れるようになっている。
【0033】
例えば、
図4に示すように、搬送レール2が上り傾斜になっている箇所においては、レール部材6に揺動案内レール50が形成されている。走行体3がこの上り傾斜に差し掛かると、転動部材31が揺動案内レール50に沿って上方に変位する。これにより、回動アーム27が回動され、回動アーム27のフック部30が連結軸22から外れる。そのため、水平維持体12は、回動軸21aを中心に回動自在状態となり、走行体本体11が搬送レール2に沿って傾斜しても、転動部材23が規制レール24に沿って転動されることにより水平維持体12の水平状態が維持される。したがって、ワーク積載機構15の水平状態を維持することができる。
【0034】
搬送レール2は、搬送経路で上り傾斜がなくなる箇所では、揺動案内レール50も形成されず、走行体3がこの箇所を走行すると、フック部30が連結軸22に対して外れた状態から再び掛止される状態となる。また、搬送レール2が下り傾斜になっている箇所でも揺動案内レール50が形成されており、回動アーム27は走行体3が上り傾斜を走行するときと同様の動作が行われ、ワーク積載機構15の水平状態が維持される。
【0035】
水平維持体12の前後端上面には、水平方向に回動可能な転動部材32がそれぞれ設けられている。転動部材32は、搬送レール2に沿って設けられている幅決めレール33に案内される。すなわち、走行体3が搬送レール2に沿って走行したとき、転動部材32の側面が幅決めレール33に摺動する。これにより、転動部材32が幅決めレール33に案内され、走行体3は、左右方向にふらつくことなく支持されて走行することができる。
【0036】
本第1実施形態の特徴部分である支持部材14は、複数に折り曲げられて形成されている。詳細には、支持部材14は、走行体本体11の上面に接続され、上方に向けて延びた第1鉛直部35(特許請求の範囲に記載の「第1延設部」に相当)と、第1鉛直部35の上端に接続され水平方向に延びた水平部36と、水平部36の先端に接続され下方に向けて延びた第2鉛直部37(特許請求の範囲に記載の「第3延設部」に相当)と、第2鉛直部37の下端に接続され湾曲状に形成せれた湾曲部38と、湾曲部38の先端に接続され、上方に向けて延びた第3鉛直部39(特許請求の範囲に記載の「第2延設部」に相当)とによって構成されている。
【0037】
第1鉛直部35と水平部36との接続部分であってその内側は、補強のために円弧状に形成されている。水平部36の上面端面には、支持部材40(
図2参照)を介して転動自在な補助車輪41が設けられている。この補助車輪41は、搬送レール2に沿って設けられている転倒防止レール42に案内される。すなわち、転倒防止レール42は、走行体3が走行したときに補助車輪41の側面が転倒防止レール42に摺動する。これにより、走行体3の走行中に、走行体3がワーク積載機構15側に転倒するのを防止することができる。
【0038】
第2鉛直部37は、所定の長さを有している。これは、後述するように洗浄装置5においてワークWが洗浄された際に、走行体本体11側に向けて水分が進行することをより抑制するためのものである。
【0039】
湾曲部38は、その上面が所定の曲率半径を有して湾曲されて形成されている一方、下面が外側に向けて下方に下る傾斜面とされている。また、湾曲部38の下面の先端であって第3鉛直部39の最下端は、鋭角状に形成されている。これらの構成も、後述するように洗浄装置5においてワークWが洗浄された際に、走行体本体11側に向けて水分が進行することをより抑制するためのものである。
【0040】
ワーク積載機構15は、ワークWを積載するためのものである。ワーク積載機構15は、支持部材14の第3鉛直部39に接続された支柱45と、この支柱45に設けられ搬送すべきワークWを吊り下げるための吊り下げ部材46と、支柱45の基端に設けられ、吊り下げ部材46を支柱45の軸心周りに回転させるための回転機構部47(詳細は図示せず)とによって構成されている。回転機構部47は、水が掛からないように上部が閉塞された略お椀状の遮蔽部材48によって覆われている。
【0041】
上記のように、支持部材14の第1鉛直部35は、走行体本体11の上面から上方に向けて延び、ワーク積載機構15を支持するための第3鉛直部39は、第1鉛直部35との間に所定の長さを有する水平部36を介在させて設けられているため、第1鉛直部35と第3鉛直部39とは、異なる鉛直軸上にある。そのため、ワーク積載機構15に支持されるワークWが洗浄された場合、ワークWに掛かる洗浄水は、第3鉛直部39を伝い下方に向かうあるいはその周辺に落下することになる。そして、ワークWに掛かる洗浄水を適切に遮蔽するようにすれば、第1鉛直部35側、すなわち走行体本体11側に水分が飛散したり進行したりすることを抑制することができる。
【0042】
なお、水平部36は、外側に向けて下方に下るように傾斜されて設けられてもよい。これによっても、ワークWが洗浄された際、水平部36を伝う水分は走行体本体11側とは反対側に向かうので、走行体本体11側に水分が進行することを抑制することができる。
【0043】
駆動伝達機構4は、搬送レール2の下方に沿って配設されたチェーン収納部51、チェーン収納部51に収納された連続チェーン52及び連続チェーン52に連結され、チェーン収納部51の上部開口から上方に延びた複数のペンダント53によって構成されている。ペンダント53は連続チェーン52の移動にともなって移動し、いずれかのペンダント53が走行車輪17に係合されることによって走行体3に移動力を伝達する。
【0044】
洗浄装置5は、搬送経路の途中に設けられている。洗浄装置5は、
図5に示すように、搬送レール2のうちの所定長さ部分の上方を覆うようにボックス状に形成されている。洗浄装置5の内部には、洗浄水を噴出するための噴水機構が設けられている。噴水機構は、洗浄装置5の左右内側面に設けられた複数のノズル61と、複数のノズル61へ所定の圧力を加えながら水を供給する給水部(図略)と、給水部からの水を各ノズル61へ導くための導水管62とを備えている。
【0045】
洗浄装置5の下方には、搬送レール2や走行体3等に水が掛かるのを抑制するための遮蔽板群63が設けられている。遮蔽板群63は複数の板状部材からなり、これらは走行体3の支持部材14を包み込むように配される。これらの板状部材は、長手方向(走行体3の進行方向)においてワークWが洗浄装置5を通過する距離とほぼ等しい長さを有している。
【0046】
より具体的には、遮蔽板群63は、搬送レール2の上方に傾斜して設けられた第1遮蔽板64と、支持部材14の第3鉛直部39の外側に沿う第2遮蔽板65と、第1遮蔽板64に接続され支持部材14の第3鉛直部39と第2鉛直部37との間に設けられた第3遮蔽板66と、第2鉛直部37の内側に折り曲げられて設けられた第4遮蔽板67とを有している。
【0047】
なお、走行体3が洗浄装置5内を通過する場合には、ワーク積載機構15が洗浄装置5の洗浄空間68内を通過し、第2遮蔽板65と第3遮蔽板66との間の空間を支持部材14の第3鉛直部39が通過し、第3遮蔽板66と第4遮蔽板67との間の空間を支持部材14の第2鉛直部37及び湾曲部38が通過する。そのため、洗浄装置5とワーク積載機構15とは接触せず、遮蔽板群63と走行体3の支持部材14とは接触しないようになっている。
【0048】
次に、本第1実施形態における作用を説明する。
【0049】
上記構成によると、図略の駆動装置が駆動されることにより誘導チェーン52がチェーン収納部51内を移動される。誘導チェーン52の移動にともない複数のペンダント53も移動する。いずれかのペンダント53が走行車輪17に係合されているので、走行体3も搬送レール2に沿って移動し、走行体3に積載されたワークWが搬送される。
【0050】
走行体3が洗浄装置5内に進入すると、洗浄装置5の各ノズル61からは洗浄水が噴出される。そのため、所定の時間にわたり、走行体本体11が第1遮蔽板64の下方を移動しつつ走行体3に積載されたワークWが洗浄水によって洗浄される。
【0051】
この場合、走行体3の支持部材14は折り曲げられて形成され、第1鉛直部35と第3鉛直部39とは異なる鉛直軸上にあるため、支持部材14の第1鉛直部35は、第1遮蔽板64の下方空間を通過する一方、第2鉛直部37、湾曲部38及び第3鉛直部39は、洗浄装置5の遮蔽板群63によって形成される空間内を通過する。そのため、走行体本体11には直接的に洗浄装置5で噴出される洗浄水が掛かるようなことはなく、走行体3に積載されたワークWを適切に洗浄することができる。
【0052】
より具体的には、洗浄時において走行体本体11や搬送レール2等は、それらの上方に位置する第1遮蔽板64によって洗浄水が掛かることが防止される。第1遮蔽板64は、傾斜しているため、洗浄水は、洗浄装置5の下方に形成される排出口69に向けて進行する。第2遮蔽板65及び第3遮蔽板66との間の空間では、洗浄空間68内で噴出された洗浄水は、この空間を流れ落ちて排出口69に向かう。このとき、湾曲部38及び第3鉛直部39には洗浄水が掛かることがあるが、湾曲部38の下面は傾斜されつつ、その先端は鋭角状に形成されているため、水分は傾斜部分を伝い鋭角状部分から下方に落下する。そのため、走行体本体11や搬送レール2側に水分が進行するのをより好適に抑制することができる。
【0053】
また、支持部材14は、鉛直方向に延びる第2鉛直部37を備えているため、仮に第3遮蔽板66及び第4遮蔽板67との間の空間において水分量が多くなり、第2鉛直部37に水分が付着した場合であっても、当該水分は第2鉛直部37の表面を伝って下方に進行し、湾曲部38の鋭角状部分から落下する。したがって、湾曲部38に掛かった洗浄水が走行体本体11や搬送レール2側に進行するのを抑制することができる。
【0054】
このように、本第1実施形態においては、洗浄装置5によって走行体3に積載されたワークWが洗浄される場合、走行体本体11側に向けて水分を進行させることを適切に抑制することができるので、走行体本体11や搬送レール2等には、洗浄装置5による洗浄水が掛かるようなことを防止することができる。
【0055】
次に、本発明の第2実施形態に係る搬送装置について説明する。
【0056】
図6は、第2実施形態に係る搬送装置を示す斜視図である。
図7は、
図6に示す走行体の正面図である。
図8は、
図6に示す走行体の側面図である。この第2実施形態に係る搬送装置1Aは、走行体が異なる構成とされた点、及び駆動伝達機構が異なる構成とされた点等で、第1実施形態に係る搬送装置1と異なる。その他の構成については、第1実施形態で示した構成と略同様である。なお、以下では、同機能の部材については同符号で示し、主に第1実施形態との相違点について説明する。
【0057】
第2実施形態に係る走行体3Aは、長尺状の走行体本体11Aと、車輪群13と、支持部材14と、ワーク積載機構15とによって構成され、第1実施形態の走行体3に備えられた水平維持体12が設けられていない。走行体本体11Aには、
図8に示すように、走行体3Aを走行させる、及び停止させるための揺動部材71と板状部材72とが設けられている。
【0058】
揺動部材71は、走行体3Aの進行方向の先頭部分であって走行体本体11Aの一端部上面に設けられている。揺動部材71は、この走行体3Aに走行駆動力が伝達されることを許可又は阻止するためのものである。揺動部材71は、走行体本体11Aに対して揺動軸73を中心に揺動自在とされている。
【0059】
揺動部材71の一端には、進行方向と直交する方向にかつ水平方向に延びる棒状の係止部材74が設けられている。係止部材74は、揺動部材71の揺動にともなって上下方向に移動可能とされている。揺動部材71の他端であって揺動軸73のさらに前方には、所定の重量を有する錘部材75が設けられている。また、錘部材75の先端には、ローラ状に形成されたローラ部材76が回動軸77を中心に回動自在に軸支されている。ローラ部材76の一部は、揺動部材71の先端において露出している。ローラ部材76は、後述するように、他の走行体3Aの板状部材72が衝突したときの緩衝部材として機能するものである。
【0060】
板状部材72は、走行体3Aの進行方向の後尾部分であって、走行体本体11Aの他端部上面に設けられている。板状部材72は、走行体本体11Aの他端部上面から斜め下方向に向けて延びている。
【0061】
駆動伝達機構4Aは、
図6に示すように、搬送レール2の近傍上方であって搬送レール2と平行に配設されるチェーン収納部78と、チェーン収納部78の内部を移動する無端状の連続チェーン(図略)と、この連続チェーンに接続された複数のペンダント79とによって構成されている。
【0062】
チェーン収納部78は、略筒状に形成され、長手方向の下部に開口80が形成されている。チェーン収納部78は、搬送レール2と同様に、複数の保持部材7Aによって部分的に接合されて設置されている。
【0063】
複数のペンダント79は、所定の間隔(例えば200mm)を隔てて上記連続チェーンに接続されて設けられている。ペンダント79は、チェーン収納部78の開口80を通じて下方に突出している。連続チェーンは、図略の駆動装置によってチェーン収納部78の内部を移動する。これにともなって、複数のペンダント79も移動する。
【0064】
上記の構成によれば、揺動部材71は、
図9に示すように、通常状態では錘部材75の重量により先端が下降するとともに係止部材74が所定の高さまで上昇している。そのため、この通常状態では、係止部材74が上方に移動しているので、後述する駆動伝達機構4Aのペンダント79がこの係止部材74に係止される。これにより、連続チェーンが移動するとペンダント79も移動し、走行体3Aにはペンダント79、係止部材74及び揺動部材71を介して駆動力が伝達される。したがって、走行体3Aが搬送レール2に沿って移動される。
【0065】
また、揺動部材71に、例えば他の走行体3Aの板状部材72が当接された状態では、錘部材75が上方に案内されるとともに係止部材74が下降する。これにより、係止部材74では、ペンダント79との係止状態が解除される。そのため、連続チェーンによる駆動力が走行体3Aに伝達されなくなるので、走行体3Aは停止状態となる。なお、走行体3Aを停止させる方法としては、揺動部材71を他の走行体3Aの板状部材72に当接させる方法以外の方法で行ってもよい。
【0066】
この第2実施形態の構成においても、
図10に示すように、ワークWが洗浄される場合には、洗浄装置5内に設けられた搬送レール2に沿って走行体3Aが走行され、洗浄装置5内にワークWが搬送される。この場合、走行体3Aの支持部材14は折り曲げられて形成され、第1鉛直部35と第3鉛直部39とは異なる鉛直軸上に構成されているので、支持部材14は洗浄装置5の遮蔽板群63によって形成される空間内を通過する。そのため、走行体本体11Aには洗浄水が掛かるようなことはなく、走行体3Aに積載されたワークWを適切に洗浄することができる。
【0067】
なお、本発明の範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。例えば上記実施形態では、走行体3Aの支持部材14が折り曲げられて略S字状に形成されていたが、これに限るものではない。例えば
図11に示すように、走行体3Bの支持部材14Aは略Z字状であってもよい。この場合、下端部は鋭角状に形成されることが望ましい。この構成においても、ワークWが洗浄された際、支持部材14Aの中ほどの傾斜部分を伝う水分は走行体本体11,11A側とは反対側に向かうので、走行体本体11,11A側に水分が進行することを抑制することができる。
【0068】
また、上記走行体3,3A,3B、搬送レール2,2A、駆動伝達機構4,4A、洗浄装置5及びワークW等は、上記した実施形態の形状、数量及び位置関係等に限るものではない。また、走行体3,3A,3Bに対する駆動力の伝達方法や走行体3,3A,3Bを支持する方法等は、上記した実施形態に限るものではない。