【実施例】
【0068】
本発明を以下の実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、これにより本発明の範囲が限定されるものではない。実施例の各工程で得られた化合物を以下の機器および条件で分析して同定し、またそれらの物性を評価した。
【0069】
(
1H−NMRおよび
13C−NMR)
1H−NMRおよび
13C−NMRスペクトルを核磁気共鳴分析装置(日本電子社製、型式:LAMBDA400)を用いて測定した。テトラメチルシランを0.05質量%含む重クロロホルムに試料を溶解し、室温で測定した。
【0070】
(IR)
IRスペクトルを赤外分光光度計(日本分光社製、型式:FT/IR−420)を用いて測定した。油状の試料はそのまま塩化ナトリウム板に挟んで測定し、粉末試料は臭化カリウムと混合してペレットを作成し、測定した。
【0071】
(FAB−MS)
MSスペクトルを質量分析計(日本電子社製、型式:Tandem MStation JMS―700/700S)を用いて測定した。試料を3−ニトロベンジルアルコール(NBA)と混合して、FABイオン化法により正イオンモードで測定した。
【0072】
(発光性金属錯体の固体発光スペクトル測定(蛍光・燐光分光光度計測定)
発光スペクトル測定を蛍光・燐光分光光度計(Ocean Photpnics社製、型式:QE65000)を用いて測定した。スペクトルは、サンプルステージに厚さ2mmに固体粉末を敷き詰め、積分球を被せて測定した。
【0073】
(X線構造解析)
X線構造解析を(リガク社製、型式:RAXIS―RAPID)を用いて行った。
【0074】
製造例1(1,3,5−トリス(ブロモメチル)−2,4,6−トリメトキシベンゼンの製造)
【化5】
【0075】
100mL 2口フラスコに回転子を入れ、亜鉛(0.51g,7.9ミリモル)、パラホルムアルデヒド(1.52g)、酢酸4mLを入れ、還流冷却管を取り付けて撹拌した。臭化水素酢酸溶液(25%)12mLを加えて撹拌しながら油浴で溶液が60℃になるまで加熱した。パラホルムアルデヒドが溶けたことを確認した後、1,3,5−トリメトキシベンゼン(1.01g,6.005ミリモル)を加えた、酢酸1mLで器壁に付着した1,3,5−トリメトキシベンゼンを落とした。油浴で60℃に保ちつつ5時間撹拌した。反応溶液は黄色から紫色、茶色へと変化した。TLC(シリカゲル,展開溶媒クロロホルムCHCl
3)でRf値0.8に1,3,5−トリメトキシベンゼン、0.9に生成物のスポットがあることで反応の進行具合を確認した。反応溶液を室温程度まで放冷し、蒸留水40mLを加えると白色固体が析出した。濾過によって固体を集め、クロロホルム30mLに溶かした。この溶液に蒸留水30mLを入れ、撹拌しながら炭酸水素ナトリウムを加えていき、溶液中に残る酢酸を中和した。100mL分液漏斗に溶液を移し、クロロホルム(30mL×3回)によって抽出を行い、有機層を集め、エバポレーターで濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで分離した(Rf=0.9,シリカゲル,展開溶媒:CHCl
3:ヘキサン=3:1)。得られた有機層をエバポレーターで濃縮し、白色の固体を得た(収量:1.45g、収率:55%)。
【0076】
Data for 2: IR (KBr): 3049(m, sp
2C-H), 2944(m, sp
3C-H), 2843, 1575, 1458, 1412, 1217, 1196, 1155, 1095, 1000;
1H NMR (400.1 MHz, CDCl
3): δ 4.15 (s, 9H, O-CH
3), 4.60 (s, 6H, CH
2Br).
【0077】
製造例2(配位子1,3,5−トリメトキシ−2,4,6−トリス(ピリジン−2−イルエチル)ベンゼン(
HL2
Py)の製造)
【化6】
【0078】
100mL 2口フラスコに回転子を入れ、三方コックを接続し、もう一方の口をセプタムで封をし、フラスコ内をN
2ガスで置換した。THF(dry)10mLを入れ、2−メチルピリジン(0.37mL,3.8ミリモル)を入れた。−80℃まで冷やしたアセトン浴中でn−BuLi−ヘキサン溶液(1.6M)(2.6mL)を滴下し、そのまま2時間放置した。溶液は黄色から濃赤色に変化した。別の100mL 2口フラスコに回転子を入れ、三方コックを接続し、化合物(2)(0.50g,1.1ミリモル)を入れ、もう一方の口をセプタムで封をし、フラスコ内をN
2ガスで置換した。THF(dry)10mLを入れ、2が溶けた後、キャヌラーを用いて先ほど調製した2−メチルピリジン溶液を−80℃まで冷やしたアセトン浴中で滴下し、そのまま一夜放置した。蒸留水20mLを入れてn−BuLiをクエンチし、100mLナス型フラスコに溶液を移し、エバポレーターで濃縮した。クロロホルム20mLと蒸留水10mLを加え、撹拌しつつアンモニア水(25%)20mLを入れた。100mL分液漏斗に溶液を移し、クロロホルム(30mL×3回)によって抽出を行い、有機層を集め、エバポレーターで濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで分離した(Rf=0.3〜0.4,シリカゲル,展開溶媒:酢酸エチル)。得られた有機層をエバポレーターで濃縮し、薄黄色の固体を得た(収量:0.52g、収率:96%)。
【0079】
Data for
HL2
Py: IR (KBr): 3074 , 3046 , 3006 , 2971 , 2935 , 1589 , 1567 , 1473 , 1455 , 1432 , 1413 , 1216 , 1101 , 991;
1H NMR (400.1 MHz, CDCl
3): δ 3.00-3.12 (m, 12H, CH
2CH
2), 3.77 (s, 9H, O-CH
3), 7.08-7.17 (m, 6H, 3-Py-CH, 5-Py-CH), 7.57 (ddd, 3H,
3J
HH = 5.6, 5.9 Hz,
4J
HH = 1.9 Hz, 4-Py-CH), 8.57 (d, 3H,
3J
HH = 4.8 Hz, 6-Py-CH);
13C・NMR (100.6 MHz, CDCl
3): δ 25.15, 38.68, 61.56, 120.91, 122.73, 124.46, 136.08, 149.20, 156.84, 162.13; FAB-MS: m/z = 484 ([M+H]
+), HRMS (FAB): m/z = 484.2603 ([M+H]
+), calcd. for C
30H
33N
3O
3 483.2522.
【0080】
製造例3(配位子1,3,5−トリメトキシ−2,4,6−トリス(6−メチルピリジン−2−イルエチル)ベンゼン(
MeL2
Py)の製造)
【化7】
【0081】
100mL 2口フラスコに回転子を入れ、三方コックを接続し、もう一方の口をセプタムで封をし、フラスコ内をN
2ガスで置換した。THF(dry)10mLを入れ、2,6−ジメチルピリジン(1.54mL,13.2ミリモル)を入れた。−80℃まで冷やしたアセトン浴中でn−BuLi−ヘキサン溶液(1.6M)(8.5mL)を滴下し、そのまま2時間放置した。溶液は黄色から橙色に変化した。別の100mL 2口フラスコに回転子を入れ、三方コックを接続し、化合物(2)(1.788g,4.0ミリモル)を入れ、もう一方の口をセプタムで封をし、フラスコ内をN
2ガスで置換した。THF(dry)10mLを入れ、2が溶けた後、キャヌラーを用いて先ほど調製した2,6−ジメチルピリジン溶液を−80℃まで冷やしたアセトン浴中で滴下し、そのまま一夜放置すると溶液は赤色に変化した。蒸留水20mLを入れてn−BuLiをクエンチし、100mLナス型フラスコに溶液を移し、エバポレーターで濃縮した。クロロホルム20mLと蒸留水10mLを加え、撹拌しつつアンモニア水(25%)20mLを入れた。100mL分液漏斗に溶液を移し、クロロホルム(30mL×3回)によって抽出を行い、有機層を集め、エバポレーターで濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで分離した(Rf=0.4〜0.5,シリカゲル,展開溶媒:酢酸エチル)。得られた有機層をエバポレーターで濃縮し、黄色の油状物質を得た(収量:2.07g、収率:98%)。
【0082】
Data for
MeL2
Py;
1H NMR (400.1 MHz, CDCl
3): δ 2.55 (s, 9H, 6-Py-C-CH
3), 2.96-3.05 (m, 12H, CH
2CH
2), 3.74 (s, 9H, O-CH
3), 6.90 (d, 3H,
3J
HH = 7.7 Hz, 5-Py-CH), 6.96 (d, 3H,
3J
HH = 7.6, 3-Py-CH), 7.45 (t, 3H,
3J
HH = 7.6 Hz, 4-Py-CH);
13C・NMR (100.6 MHz, CDCl
3): δ 24.54, 25.31, 38.65, 61.41, 119.42, 120.30, 124.40, 136.21, 156.84, 157.59, 161.50; FAB-MS: m/z = 526 ([M+H]
+), HRMS (FAB): m/z = 526.3065 ([M+H]
+), calcd. for C
33H
39N
3O
3 525.2991.
【0083】
製造例4(配位子1,3,5−トリメトキシ−2,4,6−トリス(1−メチルイミダゾール−2−イルエチル)ベンゼン(
HL2
Im)の製造)
【化8】
【0084】
100mL 2口フラスコに回転子を入れ、三方コックを接続し、もう一方の口をセプタムで封をし、フラスコ内をN
2ガスで置換した。THF(dry)10mLを入れ、1,2−ジメチルイミダゾール (0.952g,9.9ミリモル)を入れた。−80℃まで冷やしたアセトン浴中でn−BuLi−ヘキサン溶液(1.6M)(6.4mL)を滴下し、そのまま2時間放置した。溶液は黄色から橙色に変化した。別の100mL 2口フラスコに回転子を入れ、三方コックを接続し、化合物(2)(1.341g,3.0ミリモル)を入れ、もう一方の口をセプタムで封をし、フラスコ内をN
2ガスで置換した。THF(dry)10mLを入れ、2が溶けた後、キャヌラーを用いて先ほど調製した1,2−ジメチルイミダゾール溶液を−80℃まで冷やしたアセトン浴中で滴下し、そのまま一夜放置した。蒸留水20mLを入れてn−BuLiをクエンチし、100mLナス型フラスコに溶液を移し、エバポレーターで濃縮した。クロロホルム20mLと蒸留水10mLを加え、撹拌しつつアンモニア水(25%)20mLを入れた。100mL分液漏斗に溶液を移し、クロロホルム(30mL×3回)によって抽出を行い、有機層を集め、エバポレーターで濃縮した後、カラムクロマトグラフィーで分離した(Rf=0.4〜0.5,シリカゲル,展開溶媒:酢酸エチル)。得られた有機層をエバポレーターで濃縮し、黄色の油状物質を得た(収量:0.488g、収率:33%)。
【0085】
Data for
HL2
Im;
1H NMR (400.1 MHz, CDCl
3): δ 2.82-3.14 (m, 12H, CH
2CH
2), 3.56 (s, 9H, 1-Im-N-CH
3), 3.77 (s, 9H, O-CH
3), 6.80 (d, 3H,
3J
HH = 1.2,3-Im-CH), 6.96 (d, 3H,
3J
HH = 1.2 Hz, 4-Im-CH);
13C・NMR (100.6 MHz, CDCl
3): δ 23.37, 27.37, 32.29, 61.81, 120.29, 124.34, 127.05, 148.26, 157.03; FAB-MS: m/z = 493.5 ([M+H]
+), HRMS (FAB): m/z = 493.2947 ([M+H]
+), calcd. for C
27H
36N
6O
3 492.2849.
【0086】
(配位子)
以下に実施例で実際に使用した配位子を示す。
【化9】
【0087】
実施例1(Zn
IICl
2錯体(
HL1
Py))
塩化亜鉛27.3mgのアセトン溶液に
HL1
Py95.5mgのアセトン溶液を添加し、12時間室温にて撹拌した。生じた白色固体を濾別して錯体を111.0mg得た。
図1は実施例1で得られた錯体のX線構造解析を示す図である。
【0088】
実施例2(Zn
IICl
2錯体(
MeL2
Py))
塩化亜鉛27.3mgのアセトン溶液に
MeL2
Py103.9mgのアセトン溶液を添加し、12時間室温にて撹拌した。生じた白色固体を濾別して錯体を55.8mg得た。
【0089】
実施例3(Zn
IICl
2錯体(
HL1
Im))
塩化亜鉛40.9mgのアセトン溶液に
HL1
Im146.0mgのアセトン溶液を添加し、12時間室温にて撹拌した。生じた白色固体を濾別して錯体を126.4mg得た。
【0090】
実施例4(Zn
IIBr
2錯体(
HL1
Py))
臭化亜鉛45.0mgのアセトン溶液に
HL1
Py95.5mgのアセトン溶液を添加し、12時間室温にて撹拌した。生じた白色固体を濾別して錯体を98.1mg得た。
図2は実施例4で得られた錯体のX線構造解析を示す図である。
【0091】
実施例5(Zn
IIBr
2錯体(
MeL1
Py))
臭化亜鉛45.0mgのアセトン溶液に
HL1
Py103.9mgのアセトン溶液を添加し、12時間室温にて撹拌した。生じた白色固体を濾別して錯体を76.3mg得た。
【0092】
実施例6(Zn
IIBr
2錯体(
HL1
Im))
臭化亜鉛67.6mgのアセトン溶液に
MeL1
Im146.0mgのアセトン溶液を添加し、12時間室温にて撹拌した。生じた白色固体を濾別して錯体を161.2mg得た。
【0093】
実施例7(Zn
IICl
2錯体(
HL2
Py))
HL2
Py(40mg,0.083ミリモル)をサンプル瓶に秤り取り、アセトン(2mL)を加えて撹拌した。ZnCl
2(11mg,0.083ミリモル)を別のサンプル瓶に秤り取り、アセトン(1mL)を加えて撹拌すると溶液は白色になった。ZnCl
2溶液を
HL2
Py溶液に撹拌しながら滴下した。一夜放置した後、反応溶液をろ過し白色固体を36mg得た。
図3は実施例7で得られた錯体のX線構造解析を示す図である。
【0094】
実施例8(Zn
IICl
2錯体(
MeL2
Py))
MeL2
Py(150mg,0.2ミリモル)をサンプル瓶に秤り取り、アセトン(3mL)を加えて撹拌した。ZnCl
2(27mg,0.2ミリモル)を別のサンプル瓶に秤り取り、アセトン(3mL)を加えて撹拌した。ZnCl
2溶液を
MeL2
Py溶液に撹拌しながら滴下した。一夜放置した後、反応溶液をろ過し白色固体55mgを得た。
【0095】
実施例9(Zn
IICl
2錯体(
HL2
Im))
MeL2
Im(99mg,0.2ミリモル)をサンプル瓶に秤り取り、アセトン(3mL)を加えて撹拌した。ZnCl
2(27mg,0.2ミリモル)を別のサンプル瓶に秤り取り、アセトン(3mL)を加えて撹拌した。ZnCl
2溶液を
HL2
Im溶液に撹拌しながら滴下した。一夜放置した後、反応溶液をろ過し白色固体122mgを得た。
【0096】
実施例10(Zn
IIBr
2錯体(
HL2
Py))
HL2
Py(97mg,0.2ミリモル)をサンプル瓶に秤り取り、アセトン(3mL)を加えて撹拌した。ZnBr
2(45mg,0.2ミリモル)を別のサンプル瓶に秤り取り、アセトン(3mL)を加えて撹拌した。ZnBr
2溶液を
HL2
Py溶液に撹拌しながら滴下した。一夜放置した後、反応溶液をろ過し白色固体を121mg得た。
【0097】
実施例11(Zn
IIBr
2錯体(
MeL2
Py))
MeL2
Py(105mg,0.2ミリモル)をサンプル瓶に秤り取り、アセトン(3mL)を加えて撹拌した。ZnBr
2(45mg,0.2ミリモル)を別のサンプル瓶に秤り取り、アセトン(3mL)を加えて撹拌した。ZnBr
2溶液を
MeL2
Py溶液に撹拌しながら滴下した。一夜放置した後、反応溶液をろ過し白色固体を62mg得た。
【0098】
実施例12(Zn
IIBr
2錯体(
HL2
Im))
HL2
Im,(99mg,0.2ミリモル)をサンプル瓶に秤り取り、アセトン(3mL)を加えて撹拌した。ZnBr
2(45mg,0.2ミリモル)を別のサンプル瓶に秤り取り、アセトン(3mL)を加えて撹拌した。ZnBr
2溶液を
HL2
Im溶液に撹拌しながら滴下した。一夜放置した後、反応溶液をろ過し白色固体を105mg得た。
【0099】
(発光量子収率)
270nm(サンドハウスデザイン社製、型式:LLS−270)、310nm(サンドハウスデザイン社製、型式:LLS−310)および365nm(サンドハウスデザイン社製、型式:LLS−365)のレーザーを励起光源としたときの発光波長は下表の通りである((サリチル酸ナトリウムで補正、270nmおよび310nm励起光源で96%、365nm励起光源で76%))。
得られた励起光源に対する発光量子収率を、配位子および金属源と共に表1に示す。
【0100】
【表1】
【0101】
表1の発光量子収率の結果より、本発明の金属錯体は固体状態で高い発光特性を示していることが分かる。したがって、本発明によれば、安価で発光特性に優れた発光材料を提供することができ、本発明の発光性金属錯体は、LED用発光材料としての応用が期待できる。
【0102】
実施例13(トリフェニルホスフィンオキシドを含むZn
IICl
2錯体(
HL1
Py))
撹拌子を入れた容量10mLのサンプル瓶に、実施例1と同様にして得られたZn
IICl
2錯体(
HL1
Py)(または
HL1
Py−ZnCl
2錯体)55mgおよびトリフェニルホスフィンオキシド22mg(亜鉛塩1モルに対して1.0モル)を加え、テトラヒドロフラン(THF)5mLを加え、12時間撹拌を行った。反応終了後、溶媒を留去して、CH
2Cl
2/n−ヘキサンで再沈殿を行い、白色固体59mgを得た。
【0103】
実施例14(トリフェニルホスフィンオキシドを含むZn
IICl
2錯体(
HL1
Im))
撹拌子を入れた容量10mLのサンプル瓶に、実施例3と同様にして得られたZn
IICl
2錯体(
HL1
Im)(または
HL1
Im−ZnCl
2錯体)55mgおよびトリフェニルホスフィンオキシド22mg(亜鉛塩1モルに対して1.0モル)を加え、テトラヒドロフラン(THF)5mLを加え、12時間撹拌を行った。反応終了後、白色固体を濾別し、白色固体61mgを得た。
【0104】
実施例15(1、2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンジオキシドを含むZn
IICl
2錯体(
HL1
Py))
撹拌子を入れた容量10mLのサンプル瓶に、実施例1と同様にして得られたZn
IICl
2錯体(
HL1
Py)(または
HL1
Py−ZnCl
2錯体)40mgおよび1、2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンジオキシド52mg(亜鉛塩1モルに対して1.0モル)を加え、テトラヒドロフラン(THF)5mLを加え、12時間撹拌を行った。反応終了後、溶媒を留去して、CH
2Cl
2/n−ヘキサンで再沈殿を行い、白色固体97mgを得た。
【0105】
実施例16(1、2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンジオキシドを含むZn
IICl
2錯体(
HL1
Im))
撹拌子を入れた容量10mLのサンプル瓶に、実施例3と同様にして得られたZn
IICl
2錯体(
HL1
Im)(または
HL1
Im−ZnCl
2錯体)55mgおよび1、2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンジオキシド52mg(亜鉛塩1モルに対して1.0モル)を加え、テトラヒドロフラン(THF)5mLを加え、12時間撹拌を行った。反応終了後、反応終了後、溶媒を留去して、CH
2Cl
2/n−ヘキサンで再沈殿を行い、白色固体48mgを得た。
【0106】
実施例17(ジフェニルスルフィドを含むZn
IICl
2錯体(
HL1
Py))
撹拌子を入れた容量10mLのサンプル瓶に、実施例1と同様にして得られたZn
IICl
2錯体(
HL1
Py)(または
HL1
Im−ZnCl
2錯体)54mgおよびジフェニルスルフィド44mg(亜鉛塩1モルに対して2.0モル)を加え、テトラヒドロフラン(THF)5mLを加え、24時間撹拌を行った。反応終了後、反応終了後、溶媒を留去して、CH
2Cl
2/ジエチルエーテルで再沈殿を行い、白色固体48mgを得た。
【0107】
実施例18(ジフェニルスルフィドを含むZn
IICl
2錯体(
HL1
Im))
撹拌子を入れた容量10mLのサンプル瓶に、実施例3と同様にして得られたZn
IICl
2錯体(
HL1
Im)(または
HL1
Im−ZnCl
2錯体)55mgおよびジフェニルスルフィド44mg(亜鉛塩1モルに対して2.0モル)を加え、テトラヒドロフラン(THF)5mLを加え、24時間撹拌を行った。反応終了後、反応終了後、溶媒を留去して、CH
2Cl
2/ジエチルエーテルで再沈殿を行い、白色固体48mgを得た。
【0108】
実施例19(ジフェニルスルホキシドを含むZn
IICl
2錯体(
HL1
Py))
撹拌子を入れた容量10mLのサンプル瓶に、実施例1と同様にして得られたZn
IICl
2錯体(
HL1
Py)(または
HL1
Im−ZnCl
2錯体)55mgおよびジフェニルスルホキシド48mg(亜鉛塩1モルに対して2.0モル)を加え、テトラヒドロフラン(THF)5mLを加え、24時間撹拌を行った。反応終了後、反応終了後、溶媒を留去して、CH
2Cl
2/ジエチルエーテルで再沈殿を行い、白色固体62mgを得た。
【0109】
実施例20(ジフェニルスルホキシドを含むZn
IICl
2錯体(
HL1
Im))
撹拌子を入れた容量10mLのサンプル瓶に、実施例3と同様にして得られたZn
IICl
2錯体(
HL1
Im)(または
HL1
Im−ZnCl
2錯体)55mgおよびジフェニルスルホキシド48mg(亜鉛塩1モルに対して2.0モル)を加え、テトラヒドロフラン(THF)5mLを加え、24時間撹拌を行った。反応終了後、反応終了後、溶媒を留去して、CH
2Cl
2/ジエチルエーテルで再沈殿を行い、白色固体61mgを得た。
【0110】
実施例21(ベンゾフェノンを含むZn
IICl
2錯体(
HL1
Py))
撹拌子を入れた容量10mLのサンプル瓶に、実施例1と同様にして得られたZn
IICl
2錯体(
HL1
Py)(または
HL1
Im−ZnCl
2錯体)55mgおよびベンゾフェノン44mg(亜鉛塩1モルに対して2.0モル)を加え、テトラヒドロフラン(THF)5mLを加え、24時間撹拌を行った。反応終了後、反応終了後、溶媒を留去して、CH
2Cl
2/ジエチルエーテルで再沈殿を行い、白色固体54mgを得た。
【0111】
実施例22(ジフェニルスルホキシドを含むZn
IICl
2錯体(
HL1
Im))
撹拌子を入れた容量10mLのサンプル瓶に、実施例3と同様にして得られたZn
IICl
2錯体(
HL1
Im)(または
HL1
Im−ZnCl
2錯体)55mgおよびベンゾフェノン44mg(亜鉛塩1モルに対して2.0モル)を加え、テトラヒドロフラン(THF)5mLを加え、24時間撹拌を行った。反応終了後、反応終了後、溶媒を留去して、CH
2Cl
2/ジエチルエーテルで再沈殿を行い、白色固体55mgを得た。
【0112】
(発光量子収率)
270nm(サンドハウスデザイン社製、型式:LLS−270)および365nm(サンドハウスデザイン社製、型式:LLS−365)のレーザーを励起光源としたときの発光波長は下表の通りである((サリチル酸ナトリウムで補正、270nm励起光源で96%、365nm励起光源で76%))。
トリフェニルホスフィンオキシド有でかつ365nm励起光源の場合のみ、パルス光源(オーシャンオプティクス社製、型式:PX−2)、波長フィルター(オーシャンオプティクス社製、型式:LVF−UV−HL)を使用した。
得られた励起光源に対する発光量子収率を、配位子、金属源および添加剤(添加剤の有無)と共に表2に示す。なお、添加剤無は、実施例1および3に対応する。
【0113】
【表2】
【0114】
表2の発光量子収率の結果より、本発明の金属錯体は、式(II)で表される配位性化合物を添加した場合に、固体状態でさらに高い発光特性を示していることが分かる。したがって、本発明によれば、安価で発光特性に優れた発光材料を提供することができ、本発明の発光性金属錯体は、LED用発光材料としての応用が期待できる。