【実施例】
【0045】
次に、本発明の実施例について説明する。
【0046】
<添加剤の作製>
まず添加剤の作製方法について説明する。
図2は、添加剤の作製手順を説明するためのフローチャートである。添加剤であるLiZnPO
4を作製するために、まず、添加剤の原料であるLi
2O、ZnOおよびP
2O
5を準備した(ステップS1)。その後、高純度アルゴンが充填されたグローブボックス内で、原料であるLi
2O、ZnOおよびP
2O
5を、LiZnPO
4の組成式で示される割合に秤量して密閉型粉砕容器に入れて混合した(ステップS2)。そして、遊星型ボールミル装置(フリッチュ・ジャパン製、P−7)に密閉型粉砕容器を取り付けて、台盤回転数450rpmで20時間、メカニカルミリング処理を行なうことで添加剤(LiZnPO
4)を作製した(ステップS3)。このとき用いた密閉型粉砕容器の材質はステンレスであり、ボールの材質はジルコニアであった。
【0047】
また、上記と異なるメカニカルミリング条件、つまり、台盤回転数550rpmで50時間、メカニカルミリング処理を行なうことで添加剤(LiZnPO
4)を作製した(実施例2)。
【0048】
このようにして作製した添加剤(LiZnPO
4)の結晶構造を、X線回折装置(Rigaku製、Mini Flex)を用いて調べた。X線回折測定用のサンプルは、X線回折装置のサンプルフォルダに、メカニカルミリング処理後の粉末を空気中で均等に詰め込むことで作製した。X線源はCuKa線であり、X線管球の電圧は30kV、電流は15mAであった。そして、回折角5°≦2θ≦80°、スキャンスピード2°/min、サンプリング幅0.01°の条件で測定を行なった。
【0049】
図3は、添加剤(LiZnPO
4)のX線回折パターンを示す図である。
図3に示すように、LiZnPO
4のX線回折パターン(450rpm、20h:実施例1)は、LiZnPO
4(クリストバライト型構造)のJCPDSカードに示されるX線回折パターン(PDF#051−1662)と一致した。同様に、異なるメカニカルミリング条件で作製したLiZnPO
4のX線回折パターン(550rpm、50h:実施例2)も、LiZnPO
4(クリストバライト型構造)のJCPDSカードに示されるX線回折パターン(PDF#051−1662)と一致した。よって、これらの添加剤(LiZnPO
4)がクリストバライト型構造を有することが確認された。
【0050】
<正極の作製>
次に、正極の作製方法について説明する。
図4は、正極の作製手順を説明するためのフローチャートである。まず、正極活物質であるLiNi
0.5Mn
1.5O
4と添加剤であるLiZnPO
4をそれぞれ99:1(重量比)の割合で混合して正極混合粉末を調製した(ステップS11)。次に、調製した正極混合粉末に導電剤であるアセチレンブラック(AB)を混合した。更にこの混合粉末に、バインダーであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)を溶解したNMP(N−メチル−2−ピロリドン)溶液を混合した(ステップS12)。そして、この溶液を2時間撹拌して混合することで、スラリーを作製した(ステップS13)。このときの正極混合粉末(正極活物質+添加剤)と導電剤(AB)とバインダー(PVdF)との混合比は、85:5:10(重量比)とした。このようにして得られたスラリーが正極合剤である。
【0051】
その後、得られた正極合剤をドクターブレード法により正極集電体であるAl箔(15μm厚)に塗布した(ステップS14)。そして、正極合剤が塗布されたAl箔を空気中において80℃で2時間乾燥してNMP溶液を除去した(ステップS15)。更に、120℃で10時間、真空乾燥を行なった(ステップS16)。真空乾燥後、正極合剤を成形してプレスすることで正極合剤を正極集電体に圧着した(ステップS17)。その後、更に120℃で10時間、真空乾燥を行なった(ステップS18)。作製した正極の面積は1.77cm
2(直径1.5cmの円形)とした。
【0052】
<リチウムイオン二次電池の作製>
上記のようにして作製した正極を用いてCR2032型の2極式コインセルを作製した。このとき、負極として金属リチウムを用いた。また、電解液として、EC(エチレンカーボン)とEMC(エチルメチルカーボネート)とを体積比率3:7で混合した混合溶媒に、支持塩である六フッ化リン酸リチウム(LiPF
6)を濃度1mol/dm
3となるように溶解したものを用いた。
【0053】
図6は、作製した各サンプルの正極活物質、添加剤、添加剤の作製条件、および正極活物質と添加剤の割合を示す表である。本実施例では、台盤回転数450rpmで20時間、メカニカルミリング処理を行なって作製した添加剤を添加したサンプルを実施例1とし、台盤回転数550rpmで50時間、メカニカルミリング処理を行なって作製した添加剤を添加したサンプルを実施例2とした。実施例1と実施例2の異なる点は、メカニカルミリング処理の条件のみであり、これ以外は同一とした。
【0054】
<比較例1>
比較例1として、添加剤にZnOを用いたサンプルを作製した。比較例1の正極を作製する際は、正極活物質であるLiNi
0.5Mn
1.5O
4と添加剤であるZnOをそれぞれ99:1(重量比)の割合で混合して正極混合粉末を調製した。これ以降の作製手順は実施例1、2の正極の作製手順(
図4のステップS12以降参照)と同様であるので、重複した説明は省略する。そして、上記と同様に、作製した正極を用いてCR2032型の2極式コインセルを作製した。このとき、負極として金属リチウムを用いた。また、電解液として、EC(エチレンカーボン)とEMC(エチルメチルカーボネート)とを体積比率3:7で混合した混合溶媒に、支持塩である六フッ化リン酸リチウム(LiPF
6)を濃度1mol/dm
3となるように溶解したものを用いた。
【0055】
<比較例2>
比較例2として、添加剤を添加しないサンプルを作製した。比較例2の正極を作製する際は、正極活物質であるLiNi
0.5Mn
1.5O
4に導電剤であるアセチレンブラック(AB)を混合した。更にこの混合粉末に、バインダーであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)を溶解したNMP(N−メチル−2−ピロリドン)溶液を混合した。このときの正極活物質とABとバインダーとの混合比は、85:5:10(重量比)とした。これ以降の作製手順は実施例1、2の正極の作製手順(
図4のステップS13以降参照)と同様であるので、重複した説明は省略する。そして、上記と同様に、作製した正極を用いてCR2032型の2極式コインセルを作製した。このとき、負極として金属リチウムを用いた。また、電解液として、EC(エチレンカーボン)とEMC(エチルメチルカーボネート)とを体積比率3:7で混合した混合溶媒に、支持塩である六フッ化リン酸リチウム(LiPF
6)を濃度1mol/dm
3となるように溶解したものを用いた。
【0056】
<比較例3>
比較例3として、添加剤にLiMgPO
4を用いたサンプルを作製した。添加剤であるLiMgPO
4の作製方法については、
図2に示した作製手順と基本的に同様である。まず、添加剤の原料であるLi
2O、MgOおよびP
2O
5を準備した。その後、高純度アルゴンが充填されたグローブボックス内で、原料であるLi
2O、MgOおよびP
2O
5を、LiMgPO
4の組成式で示される割合に秤量して密閉型粉砕容器に入れて混合した。そして、遊星型ボールミル装置(フリッチュ・ジャパン製、P−7)に密閉型粉砕容器を取り付けて、台盤回転数450rpmで20時間、メカニカルミリング処理を行なった。このとき用いた密閉型粉砕容器の材質はステンレスであり、ボールの材質はジルコニアであった。
【0057】
このようにして作製した添加剤(LiMgPO
4)の結晶構造を、X線回折装置(Rigaku製、Mini Flex)を用いて調べた。X線回折測定用のサンプルは、X線回折装置のサンプルフォルダに、メカニカルミリング処理後の粉末を空気中で均等に詰め込むことで作製した。X線源はCuKa線であり、X線管球の電圧は30kV、電流は15mAであった。そして、回折角5°≦2θ≦80°、スキャンスピード2°/min、サンプリング幅0.01°の条件で測定を行なった。
【0058】
図5は、添加剤(LiMgPO
4)のX線回折パターンを示す図である。
図5に示すように、LiMgPO
4のX線回折パターンは、LiMgPO
4(オリビン型構造)のJCPDSカードに示されるX線回折パターン(PDF#00−032−0574)と一致した。よって、この添加剤(LiMgPO
4)がオリビン型構造を有することが確認された。
【0059】
比較例3の正極を作製する際は、正極活物質であるLiNi
0.5Mn
1.5O
4と添加剤であるLiMgPO
4をそれぞれ99:1(重量比)の割合で混合して正極混合粉末を調製した。これ以降の作製手順は実施例1、2の正極の作製手順(
図4のステップS12以降参照)と同様であるので、重複した説明は省略する。そして、上記と同様に、作製した正極を用いてCR2032型の2極式コインセルを作製した。このとき、負極として金属リチウムを用いた。また、電解液として、EC(エチレンカーボン)とEMC(エチルメチルカーボネート)とを体積比率3:7で混合した混合溶媒に、支持塩である六フッ化リン酸リチウム(LiPF
6)を濃度1mol/dm
3となるように溶解したものを用いた。
【0060】
図6に、実施例1、2、および比較例1〜3にかかるサンプルの正極活物質、添加剤、添加剤の作製条件、および正極活物質と添加剤の割合を示す。
【0061】
上記のようにして作製した各サンプルについて、充放電試験、インピーダンス測定、高温保存試験をそれぞれ実施した。各試験の方法と試験結果を以下に示す。
【0062】
<充放電試験>
試験電極を正極、金属リチウムを負極とした場合、正極からリチウムイオンを脱離させる過程を「充電」とし、正極にリチウムイオンを挿入させる過程を「放電」として測定を行なった。測定装置には、充放電試験装置(北斗電工社製:HJ−1001 SM8A)を使用した。測定条件は、1サイクル目の充放電時の電流密度を0.2mA/cm
2とし、2サイクル目以降の充放電時の電流密度を0.5mA/cm
2とし、電圧範囲を3.0〜5.0(V vs.Li/Li
+)、測定温度を25℃とした。
【0063】
<インピーダンス測定>
試験電極(正極)の抵抗(交流インピーダンス)を測定するために、EIS(Electrochemical impedance Spectroscopy)測定を行なった。測定装置には、電気化学測定装置(オランダIVIUM社製:ポテンショスタット/ガルバノスタット)を使用した。測定条件は、AC振幅を10mV、周波数範囲を10mHz〜100kHzとした。
【0064】
<高温保存試験>
作製した各サンプルに対して高温保存試験を実施した。高温保存試験の流れを
図7のフローチャートに示す。まず、作製した各サンプルに対して電流密度0.2mA/cm
2(室温)で1サイクル目の充放電を行なった(ステップS21)。1サイクル目の充放電後、各サンプルを電流密度0.5mA/cm
2(室温)で充電した(2サイクル目の充電:ステップS22)。その後、各サンプルの室温でのインピーダンスを測定した(ステップS23)。このとき測定したインピーダンスは、高温保存前のインピーダンスである。
【0065】
その後、各サンプルを60℃の環境下で3日間保存して高温保存試験を実施した(ステップS24)。高温保存後、各サンプルを室温環境下に放置して、各サンプルの室温におけるインピーダンスを測定した(ステップS25)。このとき測定したインピーダンスは、高温保存後のインピーダンスである。そして、各サンプルを電流密度0.5mA/cm
2で放電(2サイクル目の放電)した後、3サイクル目以降の充放電試験を行なった(ステップS26)。
【0066】
<試験結果1(室温における充放電試験結果)>
図8Aに、実施例1、比較例1、2にかかるサンプルの充放電曲線(1サイクル目)を示す。
図8Bに、実施例1、比較例1、2にかかるサンプルの充放電曲線(180サイクル目)を示す。ここで、実施例1は正極の添加剤としてLiZnPO
4(メカニカルミリング処理条件:台盤回転数450rpmで20時間)を添加したサンプル、比較例1は正極の添加剤としてZnOを添加したサンプル、比較例2は正極に添加剤を添加していないサンプルである。
【0067】
図8Aに示すように、1サイクル目の充放電試験では、各サンプルの充放電容量および充放電電圧は同程度となった。一方、
図8Bに示すように、180サイクル目の充放電試験では、各サンプルの容量が低下した。このとき、実施例1のサンプルでは比較例1、2のサンプルと比べて、容量の低下が抑制された。つまり、正極の添加剤としてLiZnPO
4を添加した実施例1では、室温での電極特性が改善した。
【0068】
<試験結果2(高温保存試験の結果)>
図9Aに、実施例2、比較例2、3にかかるサンプルの充放電曲線(60℃で3日間保存後)を示す。
図9Aに示す充放電曲線は3サイクル目の充放電曲線である(
図7のステップS26参照)。ここで、実施例2は正極の添加剤としてLiZnPO
4(メカニカルミリング処理条件:台盤回転数550rpmで50時間)を添加したサンプル、比較例2は正極に添加剤を添加していないサンプル、比較例3は正極の添加剤としてLiMgPO
4を添加したサンプルである。
【0069】
図9Aに示すように、正極の添加剤としてLiZnPO
4を添加した実施例2では、比較例2、3よりも容量の低下を抑制することができた。また、比較例2、3を比べると、正極の添加剤としてLiMgPO
4を添加した比較例3では、正極に添加剤を添加していない比較例2よりも容量の低下を抑制することができた。よって、正極に添加剤を添加することで容量の低下を抑制することができた。特に、正極の添加剤としてLiZnPO
4を用いた場合は容量の低下を最も抑制することができた。
【0070】
図9Bに、実施例2、比較例2、3にかかるサンプルを60℃で3日間保存した後のサイクル数と放電容量との関係を示す。
図9Bに示す試験結果は、
図7のステップS26における充放電サイクル試験の結果である。
図9Bに示すように、正極の添加剤としてLiZnPO
4を添加した実施例2では優れたサイクル安定性を示した。
【0071】
<試験結果3(インピーダンス測定結果)>
図10A〜
図10Cにそれぞれ、実施例1、実施例2、比較例2にかかるサンプルの高温保存前におけるインピーダンス測定結果を示す。また、
図11A〜
図11Cにそれぞれ、実施例1、実施例2、比較例2にかかるサンプルの高温保存後におけるインピーダンス測定結果を示す。ここで、実施例1は正極の添加剤としてLiZnPO
4(メカニカルミリング処理条件:台盤回転数450rpmで20時間)を添加したサンプル、実施例2は正極の添加剤としてLiZnPO
4(メカニカルミリング処理条件:台盤回転数550rpmで50時間)を添加したサンプル、比較例2は正極に添加剤を添加していないサンプルである。
【0072】
図10A〜
図10Cに示すように、正極に添加剤(LiZnPO
4)を添加しても、インピーダンスが増加しないことがわかった。また、
図11A〜
図11Cに示すように、正極に添加剤(LiZnPO
4)を添加することで、高温保存後におけるインピーダンスの増加を抑制することができた。つまり、比較例2では高温保存後にインピーダンスが大幅に増加したが(
図10Cと
図11C参照)、実施例1、2では高温保存後のインピーダンスの増加を抑制することができた(
図10A、Bと
図11A、B参照)。これは、添加剤にリチウムを含む材料を用いることで、添加剤に含まれるリチウムがリチウムイオン伝導体として機能し、これによって、高温保存後におけるインピーダンスの増加を抑制することができたからであると考えられる。
【0073】
<試験結果4>
図12に、実施例1、比較例1、2にかかるサンプルの添加剤、充放電効率、およびサイクル安定性を示す。
なお、充放電効率(100サイクル平均)は、nサイクル目の充放電効率=(nサイクル目の放電量/nサイクル目の充電量)×100とし、この式を用いて1サイクル目から100サイクル目までの充放電効率をそれぞれ求め、求めた各サイクルの充放電効率の平均値を算出することで求めた。
【0074】
また、サイクル安定性(180サイクル後)は、各サンプルの1サイクル目の容量(
図8A参照)に対する各サンプルの180サイクル目の容量(
図8B参照)の割合(%)である。つまり、実施例1の場合は、1サイクル目の容量が137mAh/gであり、180サイクル目の容量が56mAh/gであるので、サイクル安定性(180サイクル後)は41%(=56/137×100)となる。
【0075】
図12に示すように、正極の添加剤としてLiZnPO
4を添加した実施例1では、比較例1、2よりも充放電効率およびサイクル安定性(180サイクル後)が良好であった。よって、正極の添加剤としてLiZnPO
4を添加した場合は、電極の特性が改善した。
【0076】
<試験結果5>
図13に、実施例1、比較例2、3にかかるサンプルの添加剤、充放電効率、高温保存後の容量、サイクル安定性、抵抗増加率を示す。ここで、充放電効率の算出方法は
図12の場合と同様である。高温保存後の容量は、
図9Aに示す容量に対応している。また、サイクル安定性(100サイクル後)は高温保存後のサイクル安定性であり、高温保存後の1サイクル目の容量に対する100サイクル目の容量の割合である。つまり、サイクル安定性が高いほど電池の容量が維持されていることを示している。
【0077】
抵抗増加率は各サンプルの高温保存後の抵抗値を初期抵抗値で割った値である。実施例1の初期抵抗値は18Ω(
図10A参照)、高温保存後の抵抗値は75Ω(
図11A参照)であり、抵抗増加率は4.1倍であった。比較例2の初期抵抗値は23Ω(
図10C参照)、高温保存後の抵抗値は200Ω(
図11C参照)であり、抵抗増加率は8.7倍であった。比較例3の初期抵抗値は16Ω、高温保存後の抵抗値は89Ωであり、抵抗増加率は5.5倍であった。
【0078】
図13に示すように、正極の添加剤としてLiZnPO
4を添加した実施例1では、比較例2、3よりも充放電効率およびサイクル安定性(100サイクル後)が良好であった。また、実施例1では高温保存後の容量も最も大きく、更に抵抗増加率が最も低かった。よって、正極の添加剤としてLiZnPO
4を添加した場合は、電極の特性が改善した。
【0079】
また、正極の添加剤としてLiMgPO
4を添加した比較例3では、正極に添加剤を添加していない比較例2と比べて、充放電効率およびサイクル安定性(100サイクル後)が良好であった。また、比較例3は比較例2と比べて高温保存後の容量も大きく、更に抵抗増加率が低かった。よって、正極に添加剤を添加しない場合よりも、正極にLiMgPO
4を添加したほうが電極の特性が改善した。しかし、実施例1と比較例3の試験結果を比べると、正極の添加剤としてLiZnPO
4を添加した場合に電極の特性が最も改善した。
【0080】
図14、
図15はそれぞれ、実施例1、実施例2にかかるサンプル表面の走査型電子顕微鏡写真である。
図14、
図15に示すように、正極活物質であるLiNi
0.5Mn
1.5O
4の表面の一部が、添加剤であるLiZnPO
4(円で囲った箇所)によって被覆されていることがわかる。正極活物質の20個の平均粒子径は約780nmであった(最小粒子径400nm、最大粒子径1.2μm)。
【0081】
以上、本発明を上記実施の形態および実施例に即して説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。