(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらに、前記情報通信端末装置が前記アプリケーションプログラムを実行することにより求まるキャラクターを用いたゲームを、前記情報通信端末装置に提供するゲーム提供手段を備える、請求項1に記載のサーバシステム。
前記情報収集手段の入力側に又は前記情報収集手段それ自体に、前記車載ネットワークから送信された車載センサ情報のうち必要な情報だけを受信するためのフィルタリング機能を有する、請求項1乃至3の何れかに記載のサーバシステム。
前記分析手段は、前記アプリケーションプログラムの提供を受けた前記情報通信端末装置からのWebサイトの利用状況に関する情報に基づいて、ドライバーの行動分析を行い、その分析の結果に応じて、前記情報通信端末装置が前記アプリケーションプログラムを実行することにより求まるキャラクターにツールを付与する、請求項1乃至4の何れかに記載のサーバシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述のような玩具ではスイッチの操作履歴により育成されるので、ユーザが自分の個性に合わせてスイッチ操作がされなければユーザの個性に沿ってキャラクターを育成することが難しい。また、アプリケーションプログラムを情報通信端末装置で実行しても、ユーザの個性に沿って育成するとは限らない。
【0004】
そこで、本発明では、情報通信端末装置においてユーザの個性に沿ってキャラクターを育成することができるサーバシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的を達成するために、本発明は、ドライバーが使用する情報通信端末装置と、ドライバーが運転する車に配備されている車載ネットワークと、に接続されるサーバシステムであって、
車載ネットワークから送信された車載センサ情報の項目を車種に応じて特定するための変換部を備えており、車載ネットワークから送信された車載センサ情報その他の各種情報を収集
し、車両の製造会社、型式に応じて割り当てられているID番号、各データ項目の定義付けの一方又は双方の違いを変換部により吸収する情報収集手段と、情報収集手段に収集したドライバー毎の情報から、ドライバーの運転に関する属性を求める分析手段と、分析手段から情報通信端末装置に対して分析結果を提供する分析結果提供手段と、分析結果提供手段による提供結果のうち運転に関する属性に基づいて、情報通信端末装置においてキャラクターを育成するよう実行させるためのアプリケーションプログラムを、情報通信端末装置に提供するアプリケーションプログラム提供手段と、情報収集手段が収集した情報通信端末装置からの位置情報の入力を受け、情報通信端末装置が存在するエリア内の他の情報通信端末装置が存在するか否かを判定し、他の情報通信端末装置の存否に関する情報通信端末装置に行うコミュニケーション接続手段と、を備える。
【0006】
上記構成において、好ましくは、情報収集手段は、情報通信端末装置に格納されているセンサ情報、ドライバー個人の履歴情報の何れか一方又は双方を収集し、分析手段は、情報収集手段が収集したセンサ情報、ドライバーの個人の履歴情報の何れか一方又は双方と合わせて車載センサ情報を分析し、
情報通信端末装置がアプリケーションプログラム
を実行する際に用いられるパラメータを求める。
【0007】
上記構成において、好ましくは、さらに、情報通信端末装置がアプリケーションプログラムを実行することにより求まるキャラクターを用いたゲームを、情報通信端末装置に提供するゲーム提供手段を備える。
上記構成において、好ましくは、情報収集手段の入力側に又は情報収集手段それ自体に、車載ネットワークから送信された車載センサ情報のうち必要な情報だけを受信するためのフィルタリング機能を有
する。
上記構成において、好ましくは、分析手段は、アプリケーションプログラムの提供を受けた情報通信端末装置からのWebサイトの利用状況に関する情報に基づいて、ドライバーの行動分析を行い、その分析の結果に応じて、情報通信端末装置がアプリケーションプログラムを実行することにより求まるキャラクターにツールを付与する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、情報収集手段が車載ネットワークから車載センサ情報その他の情報を収集し、分析手段がドライバー毎の情報からドライバーの運転に関する属性を求め、分析結果提供手段が情報通信端末装置に対してその求めた結果を送信する。すると、予めアプリケーションプログラム提供手段からアプリケーションプログラムをダウンロードした情報通信端末装置において、サーバシステムから受けた分析結果に基づいてアプリケーションプログラムにより、キャラクターを育成することができる。車の運転にはドライバーの個性が表れるため、ドライバーの個性に沿ってキャラクターを育成することができる。ドライバーは育成中のキャラクターを見ることによって、影響を受け、自ら目指すキャラクター像を得る為に運転の仕方、走行するルート、給油や充電ステーション、カー用品や日常のショッピング、飲食店に立ち寄るなど消費を喚起させることができる。安全やエコ運転に重点を置いたキャラクターを目指す場合は、運転に気を付け、安全運転教育やCO
2排出を抑制する効果も期待できる。
【0009】
サーバシステムにおいて、情報収集手段は情報通信端末装置に格納されているセンサ情報やドライバーの履歴情報を収集し、分析手段はセンサ情報、ドライバーの履歴情報の少なくとも何れかと合わせて車載センサ情報を分析し、情報通信端末装置にその分析結果を提供する。よって、キャラクター用の育成プログラムへキャラクター育成の指標を提供することができる。
【0010】
サーバシステムにゲーム提供手段を備えている場合には、アプリケーションプログラムで育成したキャラクターを用いてサーキットゲームやロールプレイングゲーム等の、一人用又は複数人用の各種のゲームを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【0013】
〔本発明のコンセプト〕
最初に、本発明のコンセプトを説明する。
図1は本発明のコンセプトを説明した図である。サーバシステムには、ドライバーが使用する情報通信端末装置と、ドライバーが運転する車に配備されている車載ネットワークとを、ネットワーク接続手段を経由して、各種情報が入力される。ここで、ネットワーク接続手段は、モバイルネットワークとして3GやLTE(Long Term Evolution)などの公衆のネットワーク(例えばインターネット)にアクセスできる手段であればよい。
【0014】
例えば、車両に配備された車載ネットワークであるCAN(Controller Area Network)から車載センサ情報がサーバシステムに入力される。車載センサ情報は、車載ネットワーク上に流れる情報であり、自動車に取り付けられているスイッチを含む各種センサから出力される情報を含んでいる。車載センサとしてはエンジン、車輪、アクセルペダル、ブレーキペダルなどに取り付けられている各種センサ、ドライブモードの切換えやドア開閉のスイッチなどが挙げられる。車載センサ情報の一例としては、車速、走行距離、ドライブモード、燃費のほか、アクセル操作、ブレーキ操作、ステアリング操作などに関する各種情報である。これらの各種情報は、OBDII端子などの外部接続端子といった接続部から取り出して情報通信端末装置を用いて転送されればよい。
【0015】
ドライバーが使用する情報通信端末装置としては、スマートフォン、タブレット等の各種携帯情報通信端末装置が挙げられ、インターネットにアクセス可能な状況にあればよい。情報通信端末装置にはGPS機能、加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサが搭載されているため、緯度、経度、高度といった位置情報及び時間、加速度情報、角速度情報、地磁気情報などのセンサ情報をネットワーク上にアップロードすることができる。このアップロード処理は使用者の意思により行ってもよいし、またアプリケーションにより自動化してもよい。
【0016】
ここで、車載センサ情報は多種かつ多量であるため、転送装置、ドライバー用の情報通信端末装置にフィルタリング機能を持たせ、当該フィルタリング機能が必要な情報だけをサーバシステムにアップロードするようにすることが望ましい。これにより、膨大な車載センサ情報のうち、不必要なものまでをアップロードしないで済む。
【0017】
また、車種等に応じて、車載センサ情報の項目を特定するIDが異なる。そこで、転送装置又はドライバー用の情報通信端末装置の何れかに変換部を備え、この変換部にIDと項目とを対応させるための情報、例えば参照テーブルを配備することにより、変換後の情報を、サーバシステムにアップロードすることが望ましい。変換部は、デバイス的なものに限らず、アプリケーションソフトウェアでもよい。このようなソフトウェアはサーバシステムからダウンロード可能とし、又は転送装置、情報通信端末装置に予め内蔵させていてもよい。これにより、車載センサ情報をシステム側から特定することができ、特定した一又は複数の項目を、サーバシステムにアップロードすることができる。このような構成を採用することにより、車種が異なってもサーバシステムにおいて、後述するようなデータマイニングの処理が可能となる。なお、車種等によるID等の相違を吸収する処理については、クラウド側で行ってもよい。
【0018】
サーバシステムには、このような車両及びドライバーからの情報の入力の他に、Web上の各種Web情報が入力される。Web情報としては、公共交通情報、天気情報、飲食店情報、観光情報、催し情報(イベント情報)などがある。
【0019】
サーバシステムがネットワーク中に構築されていることにより、データ通信を用いて、例えば公衆回線を経由して、サーバシステムにアップロードすることができる。
【0020】
このように、自動車等の車両から情報発信される車載センサ情報がサーバシステム、つまり、インターネット上のサーバによる処理を用いて集約され、分析を行うことにより、ドライバーの個性を統計的に分析することができる。このようなサーバによる処理は近年クラウド処理と呼ばれている。
【0021】
インターネット上のサーバ、所謂クラウドにおいて、情報収集プラットフォームと分析プラットフォームにより、ドライバーの運転に関する属性を求める。さらに、各種情報通信端末装置から入手されるドライバーのプロフィール及び各種の履歴情報、さらに各種のWeb情報をも加味して分析することにより、ドライバーの個性を詳細に分析することができる。そのため、サーバでは、例えばセンサからの検出信号のようなデータのみでなく、本サービスのシステムの運用を重ねるたびに多種多量に蓄積されたデータを統計分析やパターン認識、機械学習、人工知能などの技術を用いることによって、そのデータ中に潜んでいる価値ある情報や知識を掘り出すデータ処理技術(一般に、データマイニングと呼ばれている。)を用い、解析・評価を行う。
【0022】
このようにして求まった結果がドライバーの情報通信端末装置に送信されることにより、情報通信端末装置にダウンロード済みのアプリケーションプログラムを用いてキャラクターが育成される。
【0023】
〔システム構成〕
図2は、本発明の実施形態に係るサーバシステムを用いたシステム構成図である。サーバシステム(以下、単に「システム」という。)1は、自動車等の車両に配備されている車載ネットワーク10と、ドライバー、個人ユーザがそれぞれ使用する各情報通信端末装置21,25と、に接続され、ドライバー及び個人ユーザと各種情報を送受信する。
【0024】
車載ネットワーク10は、システム1に対して、車載ネットワーク10に接続される外部接続端子11と、外部接続端子11に接続される転送装置12と、情報通信端末装置21とを経由して接続される。外部接続端子11には、例えばOBD(On Board Diagnosis System)II端子が挙げられるが、車載ネットワーク10上の車載センサ情報を外部に取り出すことができれば別の端子でもよい。また、転送装置12は、無線でも有線でもその組み合わせでもよい。ここで、外部接続端子11から無線で情報通信端末装置21に送信する形態のみならず、外部接続端子11からUSBケーブルなどを用いて情報通信端末装置21に接続することにより有線で情報通信端末装置21に送信する形態であってもよい。このように有線で接続することにより、データの送受信のみならず給電も可能となる。その際、情報通信端末装置21のクレードルを用いてもよい。クレードルとは、タブレットなどの端末を固定すると共に充電、データ通信を行う手段である。
【0025】
車載ネットワーク10は、自動車の組立製造時に構築されるネットだけでなく、ドライバーの意向で後付けしたネットと組み合わせてもよい。また、車両インストルメントパネル等に設置されているカーナビゲーションシステムからのデータについてもシステム1に対して接続するようにしてもよい。
【0026】
このようにシステム1が外部と接続されることにより、自動車及びドライバーは車載センサ情報をシステム1にリアルタイムにアップロードすることができる。ドライバーは、情報通信端末装置21から各種データや情報を入力することにより、システム1にアップロードすることができる。一方、ドライバーは、情報通信端末装置21を用いてシステム1からデータや情報を入手することができる。
【0027】
図3は、サーバシステム1の構成図である。サーバシステム1は、公衆のネットワークに接続可能であって、各種の機能が分散して配備されて構築される。サーバシステム1は、情報収集手段31、分析手段32、分析結果提供手段33及びアプリケーションプログラム提供手段34を備え、さらに、ゲーム提供手段35を備えていることが好ましい。
【0028】
情報収集手段31は、車載ネットワーク10から車載センサ情報その他の各種情報を収集する。収集される情報としては、第1に、自動車に装着された各種センサからのセンサデータがあり、ドライブやパーキングなどのドライブモード、ドアの開閉、速度、方向指示器、アクセル操作、ブレーキ操作、ワイパー動作、四輪のそれぞれの回転数などが挙げられる。第2に、ドライバーが使用する情報通信端末装置21で取得した情報それ自体であって、GPSセンサから取得した位置情報、地磁気センサから取得した方位などが挙げられる。情報収集手段31は、車載ネットワーク10から外部接続端子11を経由して有線や無線で転送される車載センサ情報を収集する。
【0029】
情報収集手段31には、ドライバー毎又は車両毎に、ID番号、車両又はドライバーの位置情報など各種データがアップロードされるため、車載センサ情報から車両の状況を把握することができる。既に述べたように、情報通信端末装置21にアプリケーションとしてダウンロードされている参照テーブルやフィルタリング機能などを用いて必要な車載センサ情報だけがアップロードされるようにすることが望ましい。
【0030】
このような参照テーブルなどが情報通信端末装置21にダウンロードされていない場合には、変換データベースを有した変換部31aが、情報収集手段31の入力側に設けられてもよいし、情報収集手段31が参照可能に設けられてもよい。これにより、車両の製造会社、型式等による違いを吸収できる。なぜなら、車両の製造会社、型式に応じて、割り当てのID番号、入力される各データ項目の定義付けの一方又は双方が異なっていることが多いからである。フィルタリング機能についても、車両側や情報通信端末装置21側ではなく、システム1側に設けてもよい。
【0031】
車載ネットワーク10上の車載センサ情報は、外部接続端子11から転送装置12を経由して、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fiなどの近距離無線通信技術によりタブレット、スマートフォンなどの情報通信端末装置21をさらに経由して情報収集手段31に送信される。
【0032】
情報収集手段31にデータを含めた情報を収集する際、予め転送装置12又は情報通信端末装置21にダウンロードしたプログラムが実行されたり、変換部31aにて変換処理されたりすることにより、車両毎に異なるCANのIDアサインデータベースをデータ変換する。このような事前処理を行うことでデータマイニングをすることが可能となる。
【0033】
分析手段32は、情報収集手段31に収集したドライバー毎の情報から、ドライバーの運転に関する属性を求める。情報収集手段31には、ドライバー毎に、車両の運転状況がリアルタイムで通知される。車両の運転状況としては、アクセルとブレーキの踏み込み具合、車速、方向指示の変更、ステアリング操作、燃費などの車載センサ情報から、ドライバーとしての属性を幾つかの階層に分けて分類することができる。よって、ブレーキとアクセルの時間的比率、車速の時間的変化率、ステアリング操作の安定性、加速度、角速度の緩急の度合い、燃費の善し悪しから、ドライバー全体の統計処理を行い、各ドライバーの個性を求めることができる。個性としては、ドライバーが生来備える個性だけでなく、時々刻々変化する属性も加味して複数の個性として分類することができる。
【0034】
ドライバーは育成中のキャラクターを見ることによって、影響を受け、自ら目指すキャラクター像を得る為に運転の仕方、走行するルート、給油や充電ステーション、カー用品や日常のショッピング、飲食店に立ち寄るなど消費を喚起させることができる。安全やエコ運転に重点を置いたキャラクターを目指す場合は、運転に気を付け、安全運転教育やCO
2排出を抑制する効果も期待できる。
【0035】
さらに、情報収集手段31は、情報通信端末装置10に格納されている各種のセンサ情報、ドライバー個人の履歴情報の何れか一方又は双方を入手すれば、分析手段32で、情報収集手段31が入手した情報と合わせて車載情報を分析することができる。
【0036】
ドライバーのプロフィールとして、性別、年齢、趣味などの情報も情報収集手段31で予め収集しておき、ドライバーの運転状況とプロフィールとを対応させることにより、分析手段32はより精度の高い分析を行ってもよい。また、情報通信端末装置10に購入履歴、交通機関の利用履歴など各種履歴情報が格納されている場合には、分析手段32はこれらの情報を収集してより高精度の分析を行い、そのドライバーに合った属性を求めることができる。
【0037】
サーバシステム1は情報収集手段31とは別にWeb情報収集手段36を備えて、各種Web情報を収集してもよい。分析手段32は、情報収集手段31とWeb情報収集手段36とから各種情報を取り込み、必要に応じて前処理を行ってデータ変換を行って、データマイニングを行う。そして、ドライバーのプロフィール情報や履歴情報と、車両運行状況との因果関係にある項目で解析を行う。このようにして、ドライバーの運転状況を予測して、各種情報とのマッチングを評価し、ドライバーの属性を求める。なお、Web情報収集手段36を別途設けることなく、情報収集手段31が統括してもよい。
【0038】
このような解析を行う際には、オープンソース、市販のデータ解析ソフト、データマイニング専用のソフトウェアを利用して、データマイニングの機械学習など様々なアルゴリズムを用いることができる。
【0039】
アプリケーションプログラム提供手段34は、情報通信端末装置21にアプリケーションプログラムを提供する。そのアプリケーションプログラムは、分析結果提供手段33による提供結果のうち運転に関する属性に基づいてキャラクターを育成する。アプリケーションプログラムは、例えばキャラクターの性質を示す各種のパラメータを初期値として誕生させることにより当該キャラクターが何の性質も有していないようにし、その後分析結果により、キャラクターの性質を決定する各種パラメータの値が求められ、各パラメータの値を逐次加算してキャラクターの性質を決定する関数の値を決める。ここで、関数は一つではなく複数の関数の値を求め、関数の値の大小でキャラクターの性質をきめるようにしてもよい。
【0040】
情報収集手段31は、情報通信端末装置10に格納されている各種のセンサ情報、ドライバー個人の履歴情報、プロフィール情報の少なくとも何れかを収集することも可能であり、分析手段32は、情報収集手段31が入手した情報と合わせて車載情報を分析し、アプリケーションプログラムによるキャラクターの育成のためのパラメータを求めることができる。
【0041】
本発明の実施形態によれば、自動車のCANなどの車載センサ情報が情報収集手段31により収集され、分析手段32によりその収集した情報が感性的な評価及び/又はモデル化という手法により分析され、分析結果提供手段33が分析結果を情報通信端末装置21に戻す。情報通信端末装置21内のキャラクター育成用のアプリケーションプログラムがその分析結果に基づいてキャラクターを育成する。
【0042】
育成用のアプリケーションプログラムは、既存のキャラクター育成プログラムを車載センサ情報の分析結果を適用できるように改変してもよい。プログラム実行開始時からの運転時間の総計に応じて多段階に分け、各段階においてツリーのような分岐構造として、各分岐点において分析結果に基づいて或る個性に収束するようにして逐次キャラクターを育成してもよい。分析手段32では、性格分析、行動分析、心理分析などの各種分析を参考に、例えば因子分析をし、各因子をパラメータ化して重み付けして、各段階において一つの属性に収束するようにしてもよい。
【0043】
情報収集手段31には、各ドライバーの車における車検番号などの型式、仕様情報や車載センサ情報のみならず、その他の情報として、第1にドライバー個人に由来する情報、例えば、性別、年齢、職業、出身地、勤務地、住まいの地域など、第2に情報通信端末装置内のGPS,加速度、角速度などの各種情報、第3に情報通信端末装置同士のやり取りの頻度、日時などに関する情報、第4にドライバー同士、ドライバーでない者とドライバーとのメール、メッセージのやり取りの頻度、やり取りの日時などの各種情報、第5に情報通信端末装置内に格納されているショッピング履歴、旅行履歴などの各種履歴情報、第6に情報通信端末装置やドライバーが所有する他の通信端末を用いて、インターネット上の各種Webサイトにアクセスして閲覧、ログインなどした日時、回数等の閲覧履歴情報のうち一又は複数の情報群を収集する。
【0044】
ドライバーの性格を逐次決定する手法としては種々考えられる。ドライバーの性格を決定する際、例えば攻撃性、情緒薄弱性、衝動性、神経過敏性、自己中心性など複数の要素、つまりパラメータに分解され、各パラメータに対してスコアを付与してどのような性質が顕著に表れるかを数値化することで行うことができる。その際、車載センサ情報とそれ以外の任意の情報群から選択した情報とでは重み付けをする。重み付けをする際には、行動分析、心理学等の統計を参考にするとよい。例えば車の運転の仕方として、高速道路で頻繁にウインカーを出してレーンチェンジを行うようであれば、車速、ハンドルの操舵角、ウインカーの操作、加速度等のセンサ情報の時間的推移をモニターすれば、自己中心性、攻撃性が強いことなどが分かる。
【0045】
そして、育成用のアプリケーションプログラムが、分析手段32での分析結果を反映してキャラクターの性格を変化させることができるようにする。例えば、プログラム実行開始時から運転時間の総計に応じて
図4に示すように分岐され、各分岐点つまりトータル時間がt1,t2,t3,・・・毎に、各要素のスコアの分布等に応じてどの性格に進化させるかを判断させて、時間推移でキャラクターの属性を決定することができる。
【0046】
キャラクターの性格などを逐次決めるパラメータとしては、前述したようにクルマの運転の仕方を車載センサ情報と情報通信端末装置21内の各種センサ情報として、加速度、角速度の各情報を用いるだけではなく、次のような情報を用いてもよい。
【0047】
例えば、走行ルートの状況を情報通信端末装置21内のGPSの値とWeb情報としてのマップ情報から、通勤ルート、ドライブルート、ショッピングルート、ガソリンスタンド又は充電ステーションによる燃料補給ルート、レストランや旅行などの娯楽施設ルートであるかを判断し、ドライバーの走行ルートの頻度分布の各種統計値をパラメータとしてもよい。また、店舗や電子ショッピングサイト運営会社などと共同して販売促進活動の一環として、利用者にポイントを付与し、利用者が保有するポイントの値、ポイントの増減率などに基づいて、キャラクターを育成したり、ゲームなどにおいて使用されるツール類を提供したりするようにしてもよい。
【0048】
例えば、付近のクルマ内の情報通信端末装置21との情報交換の頻度分布の各種統計値をパラメータとしてもよい。その際、自己の情報通信端末装置21が受信した電波強度の値の結果から装置間の距離を決定し、例えば「挨拶カード」といったメッセージの交換頻度の統計値をパラメータとしてもよい。
【0049】
例えば、情報通信端末装置21内にある決済履歴や支払履歴などをパラメータとし、そのような履歴を数値化してもよい。
【0050】
例えば、家族や友達を乗車させる回数をパラメータとしてもよい。車載センサ情報として助手席や後部座席のドアの開閉数により数値化することができる。
【0051】
例えば、クルマ内でよく聞く音楽の履歴情報をパラメータとしてもよい。その際、情報通信端末装置21内に搭載された音楽プレーヤーソフトから抽出、ジャンル、聞く頻度により数値化することができる。
【0052】
例えば、ドライバーなどがインターネット上の広告、宣伝などの各サイトを閲覧した履歴を分析し、閲覧されるサイトの属性、日時、回数などから、一又は複数の種類のポイントをそのドライバーに付与する。ここで、ドライバーが閲覧するため使用する機器類は、ドライバーが現に占有している情報通信端末装置のみならず、家庭などに置いている各種通信端末装置であってもよい。付与されたポイントの種類、値などにより一又は多変数で数値化することができる。
【0053】
このようなパタメータの設定は、
図3における分析手段32が主として行う。情報収集手段31やWeb情報収集手段36がキャラクター育成用のプログラムを利用する者の各種行動履歴、例えば車の使用に関する情報、情報通信端末装置その他の通信手段の利用状況、Webサイト上の利用状況に関する情報を収集する。分析手段32がその収集された情報に基づいて、行動分析を行う。よって、育成用プログラムにおいて、分析手段32の分析結果に基づいてキャラクターを育成するだけでなく、そのキャラクターに各種のツールを付与するようにしてもよい。ここで、ツールとしては、分析手段32が行動分析することにより、例えばインターネット上の広告をみるだけでキャラクター育成用の栄養剤を付与してもよいし、キャラクターに特別な教育を行ってキャラクターにスキルを付与してもよいし、キャラクターを用いてゲーム提供手段35によりゲームを行う際キャラクターを特別に強くしてもよいし、アドバンテージとなるような各種武器を付与するようにしてもよい。
【0054】
次に、このように育成したキャラクターによる遊び方について説明する。
ドライバーが自分の分身としてキャラクターを育成することにより、ドライバーの情報通信端末装置21内には、キャラクターの属性情報が含まれる。よって、
図3に示すように、サーバシステム1がゲーム提供手段35を備えていることにより、各ドライバーが育てた例えば車のキャラクターを用いてゲームを行うことができる。
【0055】
図5(A)(B)はそれぞれキャラクターの利用イメージを示す図である。
図5(A)に示すように、信号待ち、渋滞、ロータリー、駐車場などでドライバー同士が情報通信端末装置21の近距離無線通信が届く範囲にいるとき、各自の情報通信端末装置21,21同士で二者間自動通信を行ってキャラクター同士が会話をしてもよい。
図5(B)に示すように、ドライバーとドライバー以外の者とが各自の情報通信端末装置21,25を所有しているとき、情報通信端末装置21,25が近くなると、二者間通信を行って交流を深めてもよい。仲良くなれば、ソーシャルネットワークを形成することができる。二者間通信はWi-Fi等の、ネットワークを介在させない近距離通信を用いるとよい。
【0056】
情報通信端末装置21,21同士、又は情報通信端末装置21と情報通信端末装置25との間においてWi-Fi等の近距離通信手段を用い、一対一の通信を行うことができる。
【0057】
また、
図3に示すサーバシステム1にコミュニケーション接続手段37を備えることで実現してもよい。
図6は
図3に示すシステムの改良版のシステム構成図である。サーバシステム1Aは
図3のシステム1に対してコミュニケーション接続手段37を追加して構成される。情報収集手段31は、各情報通信端末装置21,25から位置情報を収集する。そして、情報収集手段31が複数の情報通信端末装置21,25の位置情報をコミュニケーション接続手段37に出力し、コミュニケーション接続手段37は、マップ情報を参照しながら任意の情報通信端末装置21,25が現在存在するエリアに他の情報通信端末装置21,25が存在するか否かを判定し、その任意の情報通信端末装置21,25から近くに情報通信端末装置21,25の存否を通知する。すると、情報通信端末装置21,25がその通知を受けると、近くの他の情報通信端末装置21,25に対してネットワークを介在させずに、Wi-Fiなどによる近距離通信を行い、メッセージの送信を行ったり、キャラクターを分身としてアバターとして送り込んでアバター同士でコミュニケーションをとったり、又はドライバー同士若しくはドライバーと通行人との間でコミュニケーションをとることができる。
【0058】
このようなソーシャルネットワークは、ドライバーが自分の車を自慢するためのツールとして用いることができる。
【0059】
本発明の実施形態によれば、サーバシステム1が車載センサ情報その他の各種情報を分析するためのツールとして、Car Communication Platform(単にCCPと呼ぶ。)を提供し、これにより、車のユーザ同士の交流を促進する。その上、車の楽しさ、車の活用の仕方、車を通じたライフスタイルなどに関する情報を発信したり、情報を交換したり、コミュニティを形成したり、価値観を創出したりすることができる。さらに、CCPは、情報の収集及び分析を行うことで、自動車メーカー、部品メーカーに車のニーズ、嗜好性に関する各種のマーケティング情報を提供することができ、車の性能改善、利便性や顧客満足度を向上させることができる。また、CCPは、スマートフォン、タブレットなどの情報通信端末装置とSocial Networking Systemなどのコミュニケーションツールと融合することにより、新たに創造されるクルマを媒介としたコミュニケーションプラットフォームサービスを提供することができる。
【0060】
次に、このようなCCPを用いた人と人との交流スタイルについて説明する。
一つの交流スタイルには、ドライバーがマイカーを自慢する場として提供される。ユーザの車の仕様や、例えばタイヤ、ホイール、スポイラー、カーナビ、シートなどオプションで追加改変した自慢の装備や、例えばオイルやワックスなどのメインテナンスグッズを車仲間に浸透させることができる。
【0061】
一つの交流スタイルとしては、車載ネットワーク10上の車載センサ情報、情報通信端末装置21内の各種センサ情報が、ユーザのプロフィールに基づいてキャラクターの育成に用いられ、ユーザの分身であるキャラクターにより新たなコミュニティが形成される。各情報通信端末装置21,25に、キャラクター同士を交換したりキャラクター同士でメッセージを交換したりするためのアプリケーションプログラムをサーバシステム1のアプリケーションプログラム提供手段34からダウンロードしておけば、Wi-Fiやピアツーピア等の近距離通信を行える。これにより、人的交流のみならず、キャラクター同士の交流も行え、キャラクターの交流により一方のキャラクターが他のキャラクターの影響を受けて育成するようなことも実現される。
【0062】
一つの交流スタイルとしては、信号待ち、駐車場、ロータリーなどの場所において短時間、ドライバーが停車していることにより他のドライバーの車や顔を確認できる状態にあっては、情報通信端末装置21を用いて近距離通信を行い、他のドライバーにメッセージを送信することができる。徐々に情報をシェアし合うことができるようになると、ドライバーは他のドライバーと親交を形成することができる。このようなことは、ドライバーのみならず歩行者と情報を共有しひいては親交を形成することもできる。