特許第5959096号(P5959096)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5959096既設管ライニング用グラウト材粉粒体組成物およびその硬化物および既設管のライニング施工法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5959096
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】既設管ライニング用グラウト材粉粒体組成物およびその硬化物および既設管のライニング施工法
(51)【国際特許分類】
   C04B 28/02 20060101AFI20160719BHJP
   C04B 14/02 20060101ALI20160719BHJP
   C04B 14/18 20060101ALI20160719BHJP
   C04B 18/08 20060101ALI20160719BHJP
   E21D 11/00 20060101ALI20160719BHJP
   F16L 1/00 20060101ALI20160719BHJP
   C04B 111/70 20060101ALN20160719BHJP
【FI】
   C04B28/02
   C04B14/02 B
   C04B14/18
   C04B18/08 Z
   E21D11/00 Z
   F16L1/00 P
   C04B111:70
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-135067(P2012-135067)
(22)【出願日】2012年6月14日
(65)【公開番号】特開2013-256433(P2013-256433A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2015年5月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220675
【氏名又は名称】東京都下水道サービス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592012650
【氏名又は名称】足立建設工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591172526
【氏名又は名称】昭和KDE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
(72)【発明者】
【氏名】田代 勲
(72)【発明者】
【氏名】槇 宏二
(72)【発明者】
【氏名】森脇 雅文
【審査官】 伊藤 真明
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−343157(JP,A)
【文献】 特開2002−338320(JP,A)
【文献】 特開平02−175678(JP,A)
【文献】 特開2001−019528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 7/00− 32/02
C04B 40/00− 40/06
C04B 103/00− 111/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント、軽量骨材および人工軽量骨材を含む混合骨材、混和材を必須成分とする粉粒体からなるグラウト材粉粒体組成物であって、前記軽量骨材が下記の特性1.〜2.を有するとともに、セメント100質量部に対して5〜150質量部配合されており、前記人工軽量骨材が下記の特性1.〜3.を有するとともに、セメント100質量部に対して1〜15質量部配合されていることを特徴とする既設管ライニング用グラウト材粉粒体組成物。
軽量骨材の特性)
1.嵩比重:0.1〜0.7g/cm
2.粒度(JIS A 1102 骨材のふるい分け試験方法):篩サイズが0.3mm未満の粒子を50〜100質量%含有する。
(人工軽量骨材の特性)
1.嵩比重:0.3〜1.2g/cm
2.粒度(JIS A 1102 骨材のふるい分け試験方法):篩サイズが0.5〜2mmの範囲の粒子を85〜100質量%含有する。
3.硬度(木屋式硬度計):0.5〜10kg
【請求項2】
前記混合骨材の粒度分布を横軸が篩サイズ(mm)、縦軸が各篩サイズに対応する粒子含有量(質量部)で表した粒度分布において、主たるピークが篩サイズ0.3mm未満の位置に存在し、副ピークが篩サイズ0.5〜2mmの範囲内の位置に存在するとともに、主たるピークと副ピークの面積から算出される質量比が5〜10:1の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の既設管ライニング用グラウト材粉粒体組成物。
【請求項3】
前記混合骨材をセメント100質量部に対して6〜165質量部配合することを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の既設管ライニング用グラウト材粉粒体組成物。
【請求項4】
請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の既設管ライニング用グラウト材粉粒体組成物の下記の特性1.〜3.を有する水スラリーの硬化物であって、圧縮強度(JSCE−G 521−2007に準じて成形、養生を行ない、材齢28日で測定した圧縮強度)が21〜60N/mmの範囲にあることを特徴とする硬化物。
(特性)
1.単位容積当たりの質量:1.0〜2.0kg/L
2.フロー試験:(JIS R 5201)に準じ、下記試験法で引抜きフロー試験を行った結果、前記スラリーの広がりの直径が200〜500mmの範囲にある。
(フロー試験法)
(1)平な台座の上にたわみのない鉄板を敷き、中心部にフローコーン(JIS R 5201)を静置する。
(2)前記スラリーをフローコーン内に充填する。
(3)フローコーンを垂直に引き上げ、前記スラリーの広がりの直径を5mm単位で読む。
3.分離抵抗性:前記スラリーを下記分離抵抗性試験法で試験した際に、各成分が分離して不均一にならない。
(分離抵抗性試験法)
水平に配設した内径25mm、長さ4mの塩化ビニル管に垂直(L字)となるよう設置した内径25mm、長さ1mの塩化ビニル管の上部入口から常温、常圧下、前記スラリーを流量1L/分、入口における前記スラリーに対する注入圧0.01MPaで供給して内部を流通させ、水平に配設した塩化ビニル管の出口から流出する前記スラリーを目視で観察し、各成分の分離状態を評価する。
【請求項5】
施工現場で請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の既設管ライニング用グラウト材粉粒体組成物に所定量の水を配合して撹拌してスラリーを作成し、作成したスラリーを、既設管内部に別途の管を設置し、両者の間に生じる隙間に充填し硬化することを特徴とする既設管のライニング施工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、老朽化した既設管の補修において用いられる既設管ライニング用グラウト材粉粒体組成物およびその硬化物および施工法に関するものであり、更に詳しくは、グラウト材として必要な成分が粉粒体として全て配合されており、あとは所定量の水を添加して撹拌すれば各成分が短時間で均一に分散した流動性に優れたスラリーを作成できる一材型のグラウト材粉粒体組成物、および前記スラリーを既設管内部に別途の管を設置し、両者の間に生じる隙間に充填し硬化させれば新設管に匹敵する強度の複合管が得られるという既設管のライニング施工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
農業用水管や下水道管、上水道管等は丈夫なものではあるが、地下に埋設されて極めて長期に渡って使用されるものであるため、老朽化は避けられない。そこでひび割れや腐食等による老朽既設管を更生するために、既設管内をライニングすることがある。既設管をライニングする方法の一つとして、既設管内に別途の新たな管(以下、ライニング管と称す)を配する方策が知られている。
【0003】
すなわち従来技術の管内のライニング施工法は、製管機と称される装置を既設管内に運び込み、帯状の部材を製管機に供給し、既設管内において帯状の部材を巻いて新たなライニング管を成形していく。製管機によって新規に成形されたライニング管は、既設管の内径に比べて小さい。そのため既設管とライニング管との間には隙間があり、ライニング管の位置が不安定となるばかりでなく、ライニング管を流れる水等の圧力を既設管に負担させることができず、ライニング管の強度を確保することができない。
【0004】
そこで内部に配置したライニング管の強度を確保するため、既設配管内面と内部に新設したライニング管の外面との間に、必要な成分を配合した裏込め材注入装置を用いてセメント系充填材からなる裏込め材(グラウト材とも称す)を注入している(特許文献1−6参照)。本工法によると、既設管、充填材及びライニング管からなる三層複合管が形成され、老朽化した既設管の強度を新設管に匹敵する強度に復活させることができる。
【0005】
ところで前記した工法では、現場で、必要な成分を計量し、混合し、水を添加して撹拌してセメント系充填材スラリーを作成していたので、手間がかかりコストアップになる問題や、計量ミスが発生して、流動性が損なわれる問題や、硬化物の強度が損なわれるなどの事故が発生するという問題が想定される。
ライニング管の浮き防止のため、セメント系充填材は、単位容積質量の低いものが好まれる上、既設管と内部に配置したライニング管との間の長細い空隙へ充填材を注入する必要があるため、流動性が高いという特性も要求され、また硬化物の強度を大きくできれば空隙の大きな施工現場などでも使用が可能となるため、そのような特性を兼ね備えたセメント系充填材の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−19523号公報
【特許文献2】特開2001−19528号公報
【特許文献3】特開2002−338320号公報
【特許文献4】特開2003−42345号公報
【特許文献5】特開2007−45650号公報
【特許文献6】特開2009−132557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の第1の目的は、グラウト材として必要な成分が粉粒体として全て配合されている一材型のグラウト材粉粒体組成物であって、現場で所定量の水を添加して撹拌すれば各成分が短時間で均一に分散した流動性および分離抵抗性に優れたスラリーを作成できるので、手間がかからず、計量ミスにより流動性が損なわれる問題や、硬化物の強度が損なわれるなどの問題がない、一材型のグラウト材粉粒体組成物であって、高強度、流動性、材料分離抵抗性、ポンプ圧送性、接着性、耐久性、耐薬品性、耐温度変化性に優れ、土木建設分野で必要な強度を持った優れたグラウト材硬化物を得ることができる一材型の既設管ライニング用グラウト材粉粒体組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、本発明の既設管ライニング用グラウト材粉粒体組成物に所定量の水を配合して撹拌して作成した流動性に優れたスラリーを硬化させてなる、比重が小さく、かつ硬化物の圧縮強度が先行技術のセメント系充填材の圧縮強度より約2倍位大きい硬化物を提供することである。
本発明の第3目的は、流動性に優れた前記スラリーを、既設管内部に別途の管を設置し、両者の間に生じる隙間に容易に、かつ各成分の分離が生ぜず、充填して硬化させる既設管のライニング施工法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明者等は前記課題を解決するために鋭意研究した結果、セメント、軽量骨材および人工軽量骨材を含む混合骨材、混和材などを含むグラウト材として必要な成分が粉粒体として全て配合されている一材型のグラウト材粉粒体組成物であって、前記混合骨材として特定の性質を有する軽量骨材および特定の性質を有する人工軽量骨材を必須成分として所定量含有する既設管ライニング用グラウト材粉粒体組成物を用い、この一材型の既設管ライニング用グラウト材粉粒体組成物に所定量の水を配合して撹拌してスラリーを作成し、作成したスラリーを、例えば、既設管内部に別途の管を設置し、両者の間に生じる隙間に充填し硬化させることにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を成すに至った。
【0009】
前記課題を解消するための本発明の請求項1記載の発明は、セメント、軽量骨材および人工軽量骨材を含む混合骨材、混和材を必須成分とする粉粒体からなるグラウト材粉粒体組成物であって、前記軽量骨材が下記の特性1.〜2.を有するとともに、セメント100質量部に対して5〜150質量部配合されており、前記人工軽量骨材が下記の特性1.〜3.を有するとともに、セメント100質量部に対して1〜15質量部配合されていることを特徴とする既設管ライニング用グラウト材粉粒体組成物である。
【0010】
(軽量骨材の特性)
1.嵩比重:0.1〜0.7g/cm
2.粒度(JIS A 1102 骨材のふるい分け試験方法):篩サイズが0.3mm未満の粒子を50〜100質量%含有する。
(人工軽量骨材の特性)
1.嵩比重:0.3〜1.2g/cm
2.粒度(JIS A 1102 骨材のふるい分け試験方法):篩サイズが0.5〜2mmの範囲の粒子を85〜100質量%含有する。
3.硬度(木屋式硬度計):0.5〜10kg
【0011】
(削除)
【0012】
(削除)
【0013】
本発明の請求項記載の発明は、前記混合骨材の粒度分布を横軸が篩サイズ(mm)、縦軸が各篩サイズに対応する粒子含有量(質量部)で表した粒度分布において、主たるピークが篩サイズ0.3mm未満の位置に存在し、副ピークが篩サイズ0.5〜2mmの範囲内の位置に存在するとともに、主たるピークと副ピークの面積から算出される質量比が5〜10:1の範囲にあることを特徴とする請求項記載の既設管ライニング用グラウト材粉粒体組成物である。
【0014】
本発明の請求項記載の発明は、前記混合骨材をセメント100質量部に対して6〜165質量部配合することを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の既設管ライニング用グラウト材粉粒体組成物である。
【0015】
本発明の請求項記載の発明は、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の既設管ライニング用グラウト材粉粒体組成物の下記の特性1.〜3.を有する水スラリーの硬化物であって、圧縮強度(JSCE−G 521−2007に準じて成形、養生を行ない、材齢28日で測定した圧縮強度)が21〜60N/mmの範囲にあることを特徴とする硬化物である。
【0016】
(特性)
1.単位容積当たりの質量:1.0〜2.0kg/L
2.フロー試験:(JIS R 5201)に準じ、下記試験法で引抜きフロー試験を行った結果、前記スラリーの広がりの直径が200〜500mmの範囲にある。
(フロー試験法)
(1)平な台座の上にたわみのない鉄板を敷き、中心部にフローコーン(JIS R 5201)を静置する。
(2)前記スラリーをフローコーン内に充填する。
(3)フローコーンを垂直に引き上げ、前記スラリーの広がりの直径を5mm単位で読む。
3.分離抵抗性:前記スラリーを下記分離抵抗性試験法で試験した際に、各成分が分離して不均一にならない。
(分離抵抗性試験法)
水平に配設した内径25mm、長さ4mの塩化ビニル管に垂直(L字)となるよう設置した内径25mm、長さ1mの塩化ビニル管の上部入口から常温、常圧下、前記スラリーを流量1L/分、入口における前記スラリーに対する注入圧0.01MPaで供給して内部を流通させ、水平に配設した塩化ビニル管の出口から流出する前記スラリーを目視で観察し、各成分の分離状態を評価する。
【0017】
本発明の請求項記載の発明は、施工現場で請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の既設管ライニング用グラウト材粉粒体組成物に所定量の水を配合して撹拌してスラリーを作成し、作成したスラリーを、既設管内部に別途の管を設置し、両者の間に生じる隙間に充填し硬化することを特徴とする既設管のライニング施工法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の請求項1記載の発明は、セメント、軽量骨材および人工軽量骨材を含む混合骨材、混和材を必須成分とする粉粒体からなるグラウト材粉粒体組成物であって、前記軽量骨材が前記の特性1.〜2.を有するとともに、セメント100質量部に対して5〜150質量部配合されており、前記人工軽量骨材が前記の特性1.〜3.を有するとともに、セメント100質量部に対して1〜15質量部配合されていることを特徴とする既設管ライニング用グラウト材粉粒体組成物(以下、単にグラウト材粉粒体組成物と称す場合がある)であり、
前記人工軽量骨材が特定の嵩比重と粒度を有するとともに、高い強度を有するので、配合時や、撹拌・混練時、充填時などにおいて破壊されることがなく維持されるので、前記グラウト材粉粒体組成物の調合後であっても、あるいは既設管渠補修内周面ライニング工法などに用いた後であっても、均一分散性や分離抵抗性などの作用効果を確実に発揮でき、前記軽量骨材が特定の嵩比重と粒度を有するので軽量性、強度発現、流動性などの特性をさらに付与することができるという顕著な効果を奏する。
本発明は、グラウト材として必要な成分が粉粒体として全て配合されている一材型のグラウト材粉粒体組成物であり、現場で所定量の水を添加して撹拌すれば各成分が短時間で均一に分散した流動性および分離抵抗性に優れたスラリーを作成できるので、手間がかからず、コストダウンになるとともに、計量ミスにより流動性が損なわれる問題や、硬化物の強度が損なわれるなどの問題がないという顕著な効果を奏する。
【0019】
本発明のグラウト材粉粒体組成物は所定量の水を添加して撹拌すれば各成分が短時間で均一に分散した流動性および分離抵抗性に優れたスラリーを得ることができるので、現代の土木建設分野で使用されるグラウト材組成物に要求される性能、例えば既設管渠内周面ライニング工法やトンネル工事等土木建設構造物の裏込め用グラウト材に対応できるような長距離ポンプ圧送性を満足させるという流動性を有している。
【0020】
本発明のグラウト材粉粒体組成物を用いることによって、軽量性、高強度、流動性、材料分離抵抗性、ポンプ圧送性、接着性、耐久性、耐薬品性、耐温度変化性に優れ、土木建設分野で必要な強度を持った優れた硬化物を得ることができる。特に、既設管渠補修内周面ライニング工法などに用いる裏込め用グラウト材に好ましく使用できる。
【0021】
(削除)
【0022】
本発明の請求項記載の発明は、請求項1記載のグラウト材粉粒体組成物において、前記混合骨材の粒度分布を横軸が篩サイズ(mm)、縦軸が各篩サイズに対応する粒子含有量(質量部)で表した粒度分布において、主たるピークが篩サイズ0.3mm未満の位置に存在し、副ピークが篩サイズ0.5〜2mmの範囲内の位置に存在するとともに、主たるピークと副ピークの面積から算出される質量比が5〜10:1の範囲にあることを特徴とするものであり、
特定の粒度分布を有するので、現場で所定量の水を添加して撹拌すれば各成分が短時間で均一に分散した流動性および分離抵抗性に優れたスラリーを作成でき、手間がかからず、コストダウンになるとともに、軽量性、高強度、材料分離抵抗性、ポンプ圧送性、接着性、耐久性、耐薬品性、耐温度変化性に優れ、土木建設分野で必要な強度を持った優れた硬化物を得ることができるというさらなる顕著な効果を奏する。
【0023】
本発明の請求項記載の発明は、前記混合骨材をセメント100質量部に対して6〜165質量部配合することを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載のグラウト材粉粒体組成物であり、
軽量性、高強度、接着性、耐久性、耐薬品性、耐温度変化性などに優れ硬化物を得ることができるというさらなる顕著な効果を奏する。
【0024】
本発明の請求項記載の発明は、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の既設管ライニング用グラウト材粉粒体組成物の前記の特性1.〜3.を有する水スラリーの硬化物であって、圧縮強度(JSCE−G 521−2007に準じて成形、養生を行ない、材齢28日で測定した圧縮強度)が21〜60N/mmの範囲にあることを特徴とする硬化物であり、
前記スラリーは、単位容積当たりの質量が小さくライニング管の浮きを防止するとともに、流動性に優れるため引抜きフロー試験におけるスラリーの広がりが大きく、分散性に優れるのでグラウト材粉粒体組成物に所定量の水を配合して撹拌すると短時間で各成分を均一に分散できる上、管流路内を流動させた際に各成分が分離して不均一にならず、そしてこのような特性を有するスラリーを硬化させてなる硬化物は、圧縮強度が先行技術のセメント系充填材の圧縮強度より約2倍位大きいという顕著な効果を奏する。
【0025】
本発明の請求項記載の発明は、施工現場で請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のグラウト材粉粒体組成物に所定量の水を配合して撹拌してスラリーを作成し、作成したスラリーを、既設管内部に別途の管を設置し、両者の間に生じる隙間に充填し硬化させることを特徴とする既設管のライニング施工法であり、
既設管内部に別途の管を設置し、両者の間に生じる隙間に容易に均一に充填することができ、かつ各成分の分離が生ぜず、そのまま硬化させて、ライニング施工できるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の既設管のライニング施工法の1例を説明する説明図である。
図2】軽量骨材および人工軽量骨材を含む混合骨材の粒度分布を測定した1例を示すグラフである。
図3】人工軽量骨材のX線回折測定結果の1例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の既設管のライニング施工法の1例を説明する説明図である。
図1に示すように、既設管1内において製管機2により両側縁端部に接合部を有する長尺の帯状部材3を連続的に送り込んで螺旋状に巻回し、相接する接合部間を嵌合により接合させて管状体4に形成した後、本発明のグラウト材粉粒体組成物に現場で所定量の水を配合して撹拌してスラリーを作成し、作成したスラリーを、既設管1と管状体4の間に生じる隙間5に充填し、硬化(硬化物6)させる。7は製管機2を駆動するための動力ユニットである。
【0028】
既設管1の内部に新たなライニング管を配置する手法には、既設管4内に図示しない新たな管を挿入する方法等があるが、いずれの手法を用いてもよい。
本工法によると、既設管1、前記硬化物6およびライニング管(管状体4)からなる三層複合管が形成され、老朽化した既設管1の強度を新設管に匹敵する強度に復活させることができる。
【0029】
本発明のグラウト材粉粒体組成物は、特にセメントモルタル材として現代の土木建築分野で使用できるものであればいずれの方法でも使用可能であるが、特にポンプを使用する分野でグラウト材を長距離圧送し、打設する施工方法において有用である。
ポンプを使用する工法としては、例えば地下に埋没された水道管、下水管の既設管渠内周面ライニング工法やトンネル工事等土木建設構造物のグラウト材、シールド工法、吹き付け工法等が挙げられる。こうした工法では、ポンプ圧送性と共に材料分離抵抗性、流動性に優れることが重要である。
【0030】
本発明で使用するセメントは、硬化発現材としての必須成分であり、代表的なものの例を挙げれば普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、白色セメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント(ジェットセメント、スーパーセメント、SQセメント)などのポルトランドセメント、シリカセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント等各種混合セメント、あるいはアルミナセメント、膨張セメント等特殊セメントがある。
これらは1つあるいは2つ以上を混ぜて使用することができる。
セメントは、本発明のグラウト材粉粒体組成物中に好ましくは30〜80質量%、より好ましくは50〜80質量%用いられる。
【0031】
本発明で使用する混合骨材は、セメント100質量部に対して6〜165質量部配合することが好ましい。6質量部未満であると軽量性が損なわれる恐れがあり、165質量部を超えると圧縮強度および付着強度が損なわれる恐れがある。
【0032】
本発明で使用する前記人工軽量骨材は、特定の嵩比重、粒度、硬度を有するとともに、セメント100質量部に対して1〜15質量部配合されていることが均一分散性、材料分離抵抗性、ポンプ圧送性、耐久性など特性を付与するために肝要である。
前記人工軽量骨材が1質量部未満では分散性が低下し、均一なスラリーとするには混練時間が長くなる恐れがあり、前記人工軽量骨材が15質量部を超えると軽量性および流動性が損なわれる恐れがある。
【0033】
本発明で使用する人工軽量骨材は、1.嵩比重が0.3〜1.2g/cmであり、好ましくは0.4〜1.1g/cmであり、2.粒度(JIS A 1102 骨材のふるい分け試験方法)が、篩サイズが0.5〜2mmの範囲の粒子を85〜100質量%含有するものであり、好ましくは90〜100質量%であり、3.硬度(木屋式硬度計)が0.5〜10kg、好ましくは0.5〜5kgである。
このような特性を有している人工軽量骨材を使用しないと、現場で所定量の水を添加して撹拌して短時間で均一に分散した流動性に優れたスラリーが得られない。
前記人工軽量骨材を使用すれば、現場で所定量の水を添加して撹拌すると、各成分が短時間で均一に分散した流動性および分離抵抗性に優れたスラリーを作成できるので、手間がかからず、コストダウンになるとともに、強度に優れた硬化物を得ることができる。
嵩比重が0.3g/cm未満であると分散性の改善効果が充分に得られず、1.2g/cmを超えると分散性は期待されるものの、スラリーの単位容積当たりの質量を大きくする恐れがある。
篩サイズが0.5〜2mmの範囲の粒子が85質量%未満では、分散性が低下し、均一なスラリーとするには混練時間が長くなる恐れがある。
硬度(木屋式硬度計)が0.5kg未満であると配合時や、撹拌・混練時、充填時などにおいて破壊の恐れがあり、10kgを超えると脆性が劣る恐れがある。
【0034】
本発明で使用する前記軽量骨材は、特定の嵩比重および粒度を有するとともに、セメント100質量部に対して5〜150質量部、好ましくは10〜100質量部、配合されていることが軽量性、強度発現、流動性など特性を付与するために肝要である。
前記軽量骨材が5質量部未満では軽量性が損なわれる恐れがあり、前記軽量骨材が150質量部を超えると各成分が分離して不均一分散となるほか、流動性が損なわれる恐れがある。
前記軽量骨材の代表的なものの例を挙げれば、発泡ポリスチレン、発泡ポリスチレン減容物等の粒状プラスチック、パーライト、バーミキュライト、シラスバルーン、フライアッシュバルーン、発泡ガラス等がある。
これらは1つあるいは2つ以上を混ぜて使用することができる。
【0035】
本発明で使用する軽量骨材は、1.嵩比重が0.1〜0.7g/cm、好ましくは0.1〜0.5g/cmであり、2.粒度(JIS A 1102 骨材のふるい分け試験方法)が、篩サイズが0.3mm未満の粒子を50〜100質量%、好ましくは75〜100質量%含有することが好ましい。
このような特性を有している軽量骨材を使用しないと、スラリーを硬化させてなる、比重が小さく、かつ高強度の硬化物が得られない。前記軽量骨材を使用すれば、各成分が緻密に配され、スラリーを硬化させてなる、比重が小さく、かつ強度に優れた硬化物を得ることができる。
嵩比重が0.1g/cm未満であると各成分が分離して不均一分散となるほか、流動性が損なわれる恐れがある。0.7g/cmを超えるとスラリーの単位容積当たりの質量を大きくする恐れがある。
粒度が篩サイズで0.3mm未満の粒子が50質量%を下回ると圧縮強度の低下や流動性が損なわれる恐れがある。
【0036】
本発明で使用する混合骨材は、その粒度分布を横軸が篩サイズ(mm)、縦軸が各篩サイズに対応する粒子含有量(質量部)で表した粒度分布において、主たるピークが篩サイズ0.3mm未満の位置に存在し、副ピークが篩サイズ0.5〜2mmの範囲内の位置に存在するとともに、主たるピークと副ピークの面積から算出される質量比が5〜10:1の範囲にあることが好ましい。
本発明で使用する混合骨材が前記のような特定の粒度分布を有すると、現場で所定量の水を添加して撹拌すれば、各成分が短時間で均一に分散した流動性および分離抵抗性に優れたスラリーを作成でき、手間がかからず、コストダウンになるとともに、軽量性、高強度、材料分離抵抗性、ポンプ圧送性、接着性、耐久性、耐薬品性、耐温度変化性に優れ、土木建設分野で必要な強度を持った優れた硬化物を得ることができる。
主たるピークが篩サイズ0.3mm未満の位置に存在しないと、圧縮強度が損なわれる恐れがあり、副ピークが篩サイズ0.5〜2mmの範囲内の位置に存在しないと、0.5mm未満では分散性の改善効果が充分に得られず、2mmを超えると流動性が損なわれる恐れがある。
【0037】
本発明のグラウト材粉粒体組成物に所定量の水を配合して撹拌して下記の特性1.〜3.を有するスラリーを硬化させて圧縮強度(JSCE−G 521−2007に準じて成形、養生を行ない、材齢28日で測定した圧縮強度)が21〜60N/mmの範囲にある硬化物を得る。
1.スラリーの単位容積当たりの質量は1.0〜2.0kg/L、好ましくは1.0〜1.5であり、2.スラリーのフロー試験は(JIS R 5201)に準じ、前記試験法で引抜きフロー試験を行った結果、前記スラリーの広がりの直径が200〜500mmの範囲にあることが好ましい。
スラリーの単位容積当たりの質量が1.0kg/L未満では強度が損なわれる恐れがあり、2.0kg/Lを超えるとスラリーの単位容積当たりの質量を大きくする恐れがある。
圧縮強度が21N/mm未満では既設管と内部に配置したライニング管との間の空隙の大きな施工現場など、強度を求められる施工現場では使用し難く、60N/mmを超えるものはスラリーの単位容積当たりの質量も大きくなる恐れがある。
【0038】
本発明で使用する混和材としては、既設構造物その他接触基材に対する接着性、流動性、分離抑制などの1つあるいは2つ以上をさらに改善するためのものであり、セメント100質量部に対し好ましくは1〜30固形分質量部配合することが好ましい。
混和材の種類によっても異なるが、1質量部未満では作用効果を確実に発揮できない恐れがあり、30質量部を超えるとセメントの硬化に悪影響を及ぼすため、使用出来ない。
【0039】
本発明で使用する混和材には、既設管1や帯状部材3を連続的に送り込んで螺旋状に巻回し、相接する接合部間を嵌合により接合させた管状体4とスラリーの接着強度をさらに向上する成分であり、再乳化合成樹脂エマルジョン粉末を使用される。再乳化合成樹脂エマルジョン粉末の例としては、例えば、アクリル系、アクリル−スチレン系、SBR系、酢酸ビニル系、および酢酸ビニルの耐鹸化性をエチレン、(メタ)アクリル酸エステル、バーサチック酸ビニルエステル等を共重合して改善した変性酢酸ビニル系等の各種エマルジョンが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を併用して用いることが出来る。
【0040】
本発明で使用する混和材には、スラリーの流動性を改善するため、高分子減水剤を使用される。高分子減水剤の例としては、例えば、メラミンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、ナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、リグニンスルホン酸塩、変性リグニンスルホン酸塩系化合物、高縮合トリアジン系縮合物、ポリカルボン酸塩、ポリカルボン酸塩系誘導体、オキシカルボン酸塩、オキシカルボン酸塩系誘導体、アミノスルホン酸塩系高分子化合物、イソプレン系化合物、ポリアルキル無水カルボン酸塩等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を併用して用いることが出来る。
【0041】
本発明で使用する混和材には、スラリーの粘度を上げてスラリー中における各成分の分離を抑制するため、増粘剤を使用される。増粘剤の例としては、例えば、セルロース系、化工澱粉系蛋白質系、ラテックス系、水溶性ポリマー系、粘土鉱物系等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を併用して用いることが出来る。
【0042】
その他、ホルマイト鉱物の如きブリーディング防止剤、フライアッシュ、石膏の如き収縮低減剤、カルシウムサルホアルミネート等の膨張剤、アルミニウム粉末、過酸化水素水等の発泡剤、各種界面活性剤等の起泡剤、ポリビニルアルコール繊維や炭素繊維、スチール繊維の如き繊維、他のセメント添加剤(材)、例えば公知のAE剤(空気連行剤)、流動化剤、促進剤、早強剤、急結剤、遅延剤、消泡剤、保水剤、促進剤、セルフレベリング剤、防錆剤(例えば、リン酸塩類、アミン類、亜硝酸塩類)、着色剤、ひび割れ低減剤、水溶性高分子等本発明の長所を著しく阻害しない限り全て使用可能である。
【0043】
本発明の前記スラリーは、流動性に優れるため前記試験法で引抜きフロー試験を行った結果、前記スラリーの広がりの直径が200〜500mmの範囲にあり、スラリーの広がりが大きい。
また本発明の前記スラリーは、分離抵抗性に優れており、前記分離抵抗性試験法で試験した際に、各成分が分離して不均一にならない。それに対して、前記人工軽量骨材を配合しない以外は前記グラウト材粉粒体組成物と同じ配合のグラウト材粉粒体組成物について同様に試験すると、分散性に劣るので、各成分が分離して不均一になってしまう。
【0044】
軽量骨材および人工軽量骨材を含む混合骨材を所定量配合した本発明のグラウト材粉粒体組成物は、高強度、流動性、材料分離抵抗性、ポンプ圧送性、接着性、耐久性、耐薬品性、耐温度変化性に優れ、土木建設分野で必要な強度を持った優れた硬化物を得ることができることができる。本発明のグラウト材粉粒体組成物に所定量の水を添加して撹拌すれば各成分が短時間で均一に分散した流動性および分離抵抗性に優れたスラリーを得ることができるので、現代の土木建設分野で使用されるグラウト材組成物に要求される性能、例えば既設管渠内周面ライニング工法やトンネル工事等土木建設構造物の裏込め用グラウト材に対応できるような長距離ポンプ圧送性を満足させる程の流動性を有している。
【0045】
(軽量骨材および人工軽量骨材を含む混合骨材の配合例A)
軽量骨材 : 30質量部
人工軽量骨材 : 5質量部
【0046】
試料(1):前記配合Aの混合骨材試料(1)について粒度分布を測定した。
試料(2):前記配合Aの混合骨材を2リットル計量後、試験用のバケツに移し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600ppmにて2分間撹拌してから、撹拌後の骨材試料(2)の粒度分布を測定した。
試料(1)および試料(2)について粒度分布を測定した結果をまとめて、図2に示す。
なお、粒度分布はJIS A 1102(骨材のふるい分け試験方法)に準じて測定した。
【0047】
図2から、混合骨材試料(1)、(2)は、粒度分布を横軸が篩サイズ(mm)、縦軸が各篩サイズに対応する粒子含有量(質量部)で表した粒度分布において、主たるピーク(イ)が篩サイズ0.3mm未満の位置に存在し、副ピーク(ロ)が篩サイズ0.5〜2mmの範囲内の位置に存在することが判る。混合骨材試料(1)、(2)を対比すると、撹拌後の混合骨材試料(2)の粒度分布における副ピーク(ロ)は撹拌前の混合骨材試料(1)の粒度分布における副ピーク(ロ)と実質的に同じであり、人工軽量骨材自体は前
記撹拌により破壊されないで撹拌前の粒度を維持していることが判る。
人工軽量骨材は高い強度を有するので、配合時や、撹拌・混練時、充填時などにおいて破壊されることがなく維持されることが判る。
【0048】
本発明で用いる人工軽量骨材の一例であるポーラストン(昭和KDE社製)についてX線回折測定および蛍光X線測定を行なった結果をそれぞれ図3および表1に示す。
(X線回折の測定方法)
測定装置 : BRUKER D2 PHASER
測定方法 : X線粉末回折法による鉱物の定性分析
測定条件 : Target : Cu Kα
管電圧/管電流 : 30kv/100mA
走査速度 : 0.04°/sec
走査範囲 : 5〜70°
(蛍光X線測定方法)
測定装置 : RIGAKU RIX−2100
測定方法 : 検量線法を用いた定量分析
【0049】
【表1】
【0050】
なお、上記実施形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。又、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【実施例】
【0051】
次に実施例および比較例により本発明を詳しく説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
【0052】
(実施例1)
セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製) : 100質量部
軽量骨材:フライアッシュバルーン(東海工業社製、enosphere): 30質量部
人工軽量骨材:ポーラストン(昭和KDE社製) : 5質量部
混和材:セックエース(昭和KDE社製) : 5質量部
これを混合して本発明のグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
使用した軽量骨材について嵩比重、粒度を測定し、使用した人工軽量骨材についても嵩比重、粒度および硬度を測定し、結果をまとめて表2に示した。
本発明のグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサーで撹拌し、均一に分散するまでの時間を測定して後述する評価基準に基づいて〈なじみ性〉を評価し、そして得られたスラリーについて後述する試験法により、〈単位容積質量〉、フローを評価し後述する評価基準に基づいて〈材料分離抵抗性〉を評価した。また、得られたスラリーを硬化させた硬化物について材齢28日の圧縮強度を測定した。これらの結果をまとめて表2に示した。
【0053】
(実施例2)
セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製) : 100質量部
軽量骨材:パーライト(昭和化学工業社製、ハードライト) : 30質量部
人工軽量骨材:ポーラストン(昭和KDE社製) : 5質量部
混和材:セックエース(昭和KDE社製) : 5質量部
これを混合して本発明のグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
実施例1と同様にして使用した軽量骨材および人工軽量骨材について嵩比重などを測定するとともに、〈なじみ性〉、〈単位容積質量〉、フロー、〈材料分離抵抗性〉を評価し、硬化物について圧縮強度を測定し、これらの結果をまとめて表2に示した。
【0054】
(実施例3)
セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製) : 100質量部
軽量骨材:パーライト(昭和化学工業社製、ハードライト) : 25質量部
軽量骨材:フライアッシュバルーン(東海工業社製、Cenosphere): 5質量部
人工軽量骨材:ポーラストン(昭和KDE社製) : 1質量部
混和材:セックエース(昭和KDE社製) : 5質量部
これを混合して本発明のグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
実施例1と同様にして使用した軽量骨材および人工軽量骨材について嵩比重などを測定するとともに、〈なじみ性〉、〈単位容積質量〉、フロー、〈材料分離抵抗性〉を評価し、硬化物について圧縮強度を測定し、これらの結果をまとめて表2に示した。
【0055】
(実施例4〜6)
人工軽量骨材(ポーラストン)の使用量を表2に記載の量に変えた他は、実施例3と同様にして本発明のグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
実施例1と同様にして使用した軽量骨材および人工軽量骨材について嵩比重などを測定するとともに、〈なじみ性〉、〈単位容積質量〉、フロー、〈材料分離抵抗性〉を評価し、硬化物について圧縮強度を測定し、これらの結果をまとめて表2に示した。
【0056】
(実施例7)
セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製) :100質量部
軽量骨材:パーライト(昭和化学工業社製、ハードライト) : 25質量部
軽量骨材:フライアッシュバルーン(東海工業社製、Cenosphere): 5質量部
人工軽量骨材:メサライト(日本メサライト工業社製) : 5質量部
混和材:セックエース(昭和KDE社製) : 5質量部
これを混合して本発明のグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
実施例1と同様にして使用した軽量骨材および人工軽量骨材について嵩比重などを測定するとともに、〈なじみ性〉、〈単位容積質量〉、フロー、〈材料分離抵抗性〉を評価し、硬化物について圧縮強度を測定し、これらの結果をまとめて表2に示した。
【0057】
(実施例8)
セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製) :100質量部
軽量骨材:パーライト(昭和化学工業社製、ハードライト) : 25質量部
軽量骨材:フライアッシュバルーン(東海工業社製、Cenosphere): 5質量部
人工軽量骨材:ハロイサイト(ジェックス社製、濾過一番サンド): 5質量部
混和材:セックエース(昭和KDE社製) : 5質量部
これを混合して本発明のグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
実施例1と同様にして使用した軽量骨材および人工軽量骨材について嵩比重などを測定するとともに、〈なじみ性〉、〈単位容積質量〉、フロー、〈材料分離抵抗性〉を評価し、硬化物について圧縮強度を測定し、これらの結果をまとめて表2に示した。
【0058】
〈なじみ性〉
グラウト材粉粒体組成物に所定量の水を配合して撹拌し、均一に分散するまでの時間を以下の評価基準にて判定する。
◎ : 10秒未満で均一に分散する
○ : 10〜20秒で均一に分散する
△ : 21〜60秒で均一に分散する
× : 所定時間内で均一に分散しない
【0059】
〈単位容積質量〉
JIS A 1116「フレッシュコンクリートの単位容積質量試験方法および空気量の質量による試験方法」に準じて測定する。
【0060】
〈フロー試験〉
JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に規定されているフローコーンを用いて、コーンを引き取って、打撃を与える前のフローを測定する。底板には平滑度の良好な鉄板を使用する。
【0061】
〈材料分離抵抗性〉
水平に配設した内径25mm、長さ4mの塩化ビニル管に垂直(L字)となるよう設置した内径25mm、長さ1mの塩化ビニル管の上部入口から常温、常圧下、前記スラリーを流量1L/分、入口における前記スラリーに対する注入圧0.01MPaで供給して内部を流通させ、水平に配設した塩化ビニル管の出口から流出する前記スラリーを目視で観察し、以下の評価基準にて各成分の分離状態を判定する。
◎ : 分離が全く認められない
○ : わずかな分離が認められる
△ : ペースト層が分離して生じる
× : ひどく分離し、管内が閉塞する
【0062】
〈圧縮強度〉
JSCE−G 521−2007「プレパックドコンクリートの注入モルタルの圧縮強度試験方法」に準じて成形、養生を行ない、材齢28日の圧縮強度を測定する。
【0063】
【表2】
【0064】
(比較例1)
セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製) :100質量部
硬質骨材:珪砂7号(日瓢礦業社製) : 30質量部
人工軽量骨材:ポーラストン(昭和KDE社製) : 5質量部
混和材:セックエース(昭和KDE社製) : 5質量部
これを混合して比較のためのグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
実施例1と同様にして使用した硬質骨材および人工軽量骨材について嵩比重などを測定するとともに、〈なじみ性〉、〈単位容積質量〉、フロー、〈材料分離抵抗性〉を評価し、硬化物について圧縮強度を測定し、これらの結果をまとめて表3に示した。
【0065】
(比較例2)
人工軽量骨材(ポーラストン)使用しなかった以外は、実施例3と同様にして比較のためのグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
実施例1と同様にして使用した軽量骨材について嵩比重などを測定するとともに、〈なじみ性〉、〈単位容積質量〉、フロー、〈材料分離抵抗性〉を評価し、硬化物について圧縮強度を測定し、これらの結果をまとめて表3に示した。
【0066】
(比較例3)
人工軽量骨材(ポーラストン)の使用量を表3に記載の量に変えた他は、実施例3と同様にして比較のためのグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
実施例1と同様にして使用した軽量骨材について嵩比重などを測定するとともに、〈なじみ性〉、〈単位容積質量〉、フロー、〈材料分離抵抗性〉を評価し、硬化物について圧縮強度を測定し、これらの結果をまとめて表3に示した。
【0067】
(比較例4)
セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製) :100質量部
軽量骨材:パーライト(昭和化学工業社製、ハードライト) : 25質量部
軽量骨材:フライアッシュバルーン(東海工業社製、Cenosphere): 5質量部
人工軽量骨材:パーライト(芙蓉パーライト社製、フヨーライト1号) : 5質量部
混和材:セックエース(昭和KDE社製) : 5質量部
これを混合して比較のためのグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
実施例1と同様にして使用した軽量骨材および人工軽量骨材について嵩比重などを測定するとともに、〈なじみ性〉、〈単位容積質量〉、フロー、〈材料分離抵抗性〉を評価し、硬化物について圧縮強度を測定し、これらの結果をまとめて表3に示した。
【0068】
(比較例5)
セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製) :100質量部
軽量骨材:パーライト(昭和化学工業社製、ハードライト) : 25質量部
軽量骨材:フライアッシュバルーン(東海工業社製、Cenosphere): 5質量部
人工硬質骨材:珪砂4号(日瓢礦業社製) : 5質量部
混和材:セックエース(昭和KDE社製) : 5質量部
これを混合して比較のためのグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
実施例1と同様にして使用した軽量骨材および人工硬質骨材について嵩比重などを測定するとともに、〈なじみ性〉、〈単位容積質量〉、フロー、〈材料分離抵抗性〉を評価し、硬化物について圧縮強度を測定し、これらの結果をまとめて表3に示した。
【0069】
(比較例6)
セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製) :100質量部
軽量骨材:パーライト(昭和化学工業社製、ハードライト) : 25質量部
軽量骨材:フライアッシュバルーン(東海工業社製、Cenosphere): 5質量部
人工骨材:ゼオライト(日東粉化商事社製、日東ゼオライト3号): 5質量部
混和材:セックエース(昭和KDE社製) : 5質量部
これを混合して比較のためのグラウト材粉粒体組成物を調製した。
このグラウト材粉粒体組成物に水60質量部を配合し、ハンドミキサー(撹拌翼形状:リング付き3枚翼アルミスクリュー)を用いて回転数:600rpmにて1分間撹拌してスラリーとした。
実施例1と同様にして使用した軽量骨材および人工骨材について嵩比重などを測定するとともに、〈なじみ性〉、〈単位容積質量〉、フロー、〈材料分離抵抗性〉を評価し、硬化物について圧縮強度を測定し、これらの結果をまとめて表3に示した。
【0070】
【表3】
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明のグラウト材粉粒体組成物は、セメント、軽量骨材および人工軽量骨材を含む混合骨材、混和材を必須成分とする粉粒体からなるグラウト材粉粒体組成物であって、前記軽量骨材が前記の特性1.〜2.を有するとともに、セメント100質量部に対して5〜150質量部配合されており、前記人工軽量骨材が前記の特性1.〜3.を有するとともに、セメント100質量部に対して1〜15質量部配合されており、グラウト材として必要な成分が粉粒体として全て配合されている一材型のグラウト材粉粒体組成物であるので、現場で所定量の水を添加して撹拌すれば各成分が短時間で均一に分散した流動性および分離抵抗性に優れたスラリーを作成でき、手間がかからず、コストダウンになるとともに、計量ミスにより流動性が損なわれる問題や、硬化物の強度が損なわれるなどの問題がないという顕著な効果を奏し、また、前記人工軽量骨材が特定の粒度を有するとともに、高い圧縮強度を有するので、配合時や、撹拌・混練時、充填時などにおいて破壊されることがなく維持され、現場で所定量の水を添加して撹拌すれば各成分が短時間で均一に分散した流動性が高いスラリーを作成でき、しかもこのスラリーは各成分が分離して不均一分散にならないという分離抵抗性を有し、高強度、流動性、材料分離抵抗性、ポンプ圧送性、接着性、耐久性、耐薬品性、耐温度変化性に優れ、土木建設分野で必要な強度を持った優れたグラウト材硬化物を得ることができるという顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
【符号の説明】
【0072】
1 既設管
2 製管機
3 帯状部材
4 管状体
5 隙間
6 硬化物
7 動力ユニット
図1
図2
図3