【実施例】
【0018】
本発明による歯磨き粉の組成物は組成物の全体の重量に対して水溶性ケイ酸塩(Na
2SiO
3-10H
2O)24〜55重量%、粉末形態の二酸化珪素12〜25重量%、液状のD-ソルビトール14〜17重量%、粉末形態のトウモロコシのでんぷん8〜12重量%、液状の濃グリセリン4〜5重量%、液状の甘草2〜3重量%、液状の山椒1〜2重量%、液状の緑茶抽出物0.4〜2重量%、液状の当帰0.6〜1重量%、液状の生ジオウ0.4〜1重量%、液状のクララ0.4〜1重量%、液状のキキョウ0.4〜1重量%、液状の烏梅0.4〜1重量%、粉末形態のリン酸一水素カルシウム0.4〜1重量%、液状のペパーミント油0.2〜2重量%、液状のDL-メントール0.2〜2重量%とからなる。
【0019】
望ましくは歯磨き粉組成物全体重量に対してNa
2SiO
3-10H
2Oが45重量%、二酸化ケイ素が15重量%、D-ソルビトールが15重量%、トウモロコシのでんぷんが10重量%、濃グリセリンが4.5重量%、甘草2.5が重量%、緑茶抽出物が1.2重量%、山椒が1.2重量%、当帰が0.9重量%、生ジオウが0.8重量%、クララが0.6重量%、キキョウが0.6重量%、烏梅が0.6重量%、リン酸一水素カルシウムが0.6重量%、ペパーミント油が0.8重量%、DL-メントールが0.8重量%からなる。
Na
2SiO
3-10H
2Oはウモ(UMO)と呼ばれる新物質として、食品添加物、飲料水の機能強化添加物などで製造を許可されたのを歯磨き粉に合わせて機能を改善強化し、既存の食添のウモ(UMO)の機能を強化させて製造した水溶性の複合ミネラルである。これは、天然鉱物であるシリカから主要な成分であるケイ素(Si99%)を高温で液体の状態に溶融させてクリスタルの形態で生産した後、水に溶解させて作ったものをいう。これを基に、本発明の歯磨き粉の組成物は、さらに歯と歯茎など口腔内のすべての常在の有害菌を強力に抗菌するようにSi、Ca、Na、Ma、Feなどを強化し、Na
2SiO
3-10H
2Oの中で、特にSiO
3を75%以上含有させた歯磨き粉固有の組成物として開発したものである。
【0020】
Na
2SiO
3-10H
2Oは韓国飲用水管理法18条2項の規格に合格した製品で、SiO
3成分が63%以上含まれて、カルシウム、鉄、ナトリウム、マグネシウムなどの天然ミネラルが含まれており、細胞活性、浸透性、殺菌性、消炎性、浄化能力、神経安定能力を持っている。
【0021】
水溶性ミネラルは、生体を構成するタンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミンと共に5大栄養素の一つで、人体組織、血液、細胞等が正常的に機能するように適正な弱アルカリ性PH7.35〜7.45を維持させ、免疫力を備えるように助け、身体内で発生する活性酸素や金属、煤煙、環境ホルモンなど、各種外部毒素を解毒し、代謝反応に必要な酸度あるいは塩基度を正常に維持するように調節し、体内で水のバランスを調整して、さまざまな身体反応で触媒の機能をする。
【0022】
水溶性ケイ素は、血管、骨格、毛髪の主要な構成成分で、精神力と忍耐力を補充してくれるミネラルで、ケイ素を除いた各種他のミネラルが体に重要であるとすればケイ素は精神的な面で必要なミネラルである。玄米や麦に含まれているし、その中でも、普通には食べない繊維質成分の部分に含まれているため、全粒食品を主食とする現代人はケイ素が欠乏しやすい。ケイ素が不足すると、老化現象、物忘れ、忍耐力不足、骨粗鬆症などが現れる。
【0023】
水溶性カルシウムは、体液の酸性化を防止するミネラルであり、生命維持に最も重要で、インスリンの分泌を活性化して、神経や精神を安定させ、ストレスに対しての適応力を増進させる。肉体の構成成分の中で炭素、水素、酸素の次の成分としての量で、約1kg程度がタンパク質と一緒に構成されてあるのとイオンの状態で体液の中に含まれてあるのも存在する。特に水溶性カルシウムは、骨や歯の形成を助け、血液の正常な凝固と、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンDおよびビタミンPの吸収を助け、酸素の形成と母乳の形成に関与するため、妊娠中の女性には欠かせないミネラルである。
【0024】
水溶性鉄は血を作るミネラルとして、血を作るのに絶対的な要素で、肺を介して酸素をすべての臓器に運んでくれるヘモグロビンの生成に絶対に必要なミネラルである。鉄が不足すると貧血、抵抗力低下、頭痛、顔面蒼白、性欲低下などが現れる。
水溶性ナトリウムは、殺菌消毒ミネラルとして電解質のバランスを調節し体液の酸度とアルカリ度を調節して、胃臓内の消化液の分泌にも関与し、栄養物質の血液中への進入のために浸透圧調整にも関与する。ナトリウムが不足すると、熱中症、嘔吐、呼吸困難、無気力症が現れ、過大摂取すると高血圧、浮腫、胃腸病、胃がん、心臓病、動脈硬化などが現れる。
【0025】
水溶性マグネシウムは精神安定ミネラルとして、神経と気分を安定させ、ストレスに対する防御力を増進させる。体重の約0.02%で、そのうち70%は骨や歯に含まれており、酵素の活性化とエネルギーの生産活動に触媒の役割をし、ビタミンB、ビタミンE、脂肪、カルシウムなどの吸収を助ける。マグネシウムが不足すると、血管拡張、物忘れ、けいれん性疾患、たんぱく質代謝障害、不整脈、心臓発作などが現れる。
甘草(Glycyrrhiza uralensis FISCH)は、マメ科に属する多年性草本植物で根は乾燥させて漢方薬として使用し、虫歯や歯周病を誘発する細菌を退治に効果的である(東医宝鑑:朝鮮時代医官であるホジュンが1610年編纂した医書で、アジアで最も優れた医学書の一つとして評価され、2009年ユネスコ世界遺産に登録された。)。
【0026】
山椒はミカン科の椒皮(Zanthoxylum piperitum De Candolle)または同属植物の果皮で、種を最大限除去して作った薬剤であり、風歯と歯痛に効果的である(東医宝鑑)。
緑茶(Green Tea)は、発酵させていない茶葉を使用して作った茶であり、虫歯と口臭を除去するのに効果的である(東医宝鑑)。
【0027】
当帰は傘形科に属する真当帰の根を乾燥させた薬剤であり、薬性は穏やかで味は甘くて苦い、方向性精油とスクロース・ビタミンEなどが配合されており、婦人の生理不順、閉経、月経痛、出産前後のすべての病に使う(東医宝鑑)。
【0028】
生ジオウ(Rehmannia glutinosa var. purpurea)は多年性草薬用植物であり、滋陰、生血、清熱、凉血、生津、消?、殺虫する薬剤として使用されている(東医宝鑑)。
【0029】
クララ(Sophora flavescens AIT)は、マメ科に属する多年性草本植物。「泥棒の杖」とも呼ばれる。クララ(苦参)という名前は、味が非常に苦いため付けられた名前であり、「泥棒の杖」という名前は、根の形が恐ろしく曲がったため付けられた名前である。高さは1mに達し、緑色だが幼い頃は黒い。葉は交差し、葉柄が長く、奇數羽状複葉である。6〜8月に淡い黄色の花が咲いて、元の幹の末端と枝の末端の總状花序には多くの花が咲く。根は漢方薬として使われる。薬効成分としては、マトリンが含有されており、動物実験では、解熱作用と利尿効果が認められた。健胃作用があり、胃腸炎・腸炎・細菌性赤痢には木香と甘草を一緒に煎じて服用すると治療される(東医宝鑑)。
【0030】
キキョウはキキョウ科のキキョウ(Platycodon grandiflorum A. De Candolle)の根または珠皮を削除して作られた薬剤として、喉の痛み、風邪による咳、痰、鼻づまり、喘息、気管支の炎症、胸膜炎、頭痛、悪寒、扁桃炎などに使用する。薬理作用として去痰作用、血糖降下作用、コレステロール降下作用、改善菌抑制作用が報告された(東医宝鑑)。
烏梅はバラ科の梅木(Prunus mume Sieb. et Zucc.)の熟していない果実を煙で燻蒸した薬剤である。烏梅は肺氣を収斂させ、咳や咳嗽を止めて下痢を止め、体液不足による喉の渇きにも使用し、回虫による嘔吐と腹痛を治療する。消化不良と食欲不振にも効果がある。梅の木の花の梅花は神経過敏で胸が苦しくて消化ができず首の中に異物が詰まっているような症状、瘰癧瘡毒などに効果がある。烏梅の薬理作用では免疫増強作用、抗菌作用、子宮頸がん抑制作用がある(東医宝鑑)。
【0031】
以下、本発明に係る口腔痛みの改善と口腔抗菌および神経安定効果を持つ天然抗菌歯磨き粉組成物の実験例を説明すると下記の通りである。これらの実験は、忠南大学校農業科学研究所に実験を依頼して行われた。
【0032】
《抗菌 実験》
歯磨き粉組成物の全体重量に対してNa
2SiO
3-10H
2O 45重量%,二酸化ケイ素15重量%,D-ソルビトール15重量%,トウモロコシのでんぷん10重量%,濃グリセリン4.5重量%,甘草2.5重量%,緑茶抽出物1.2重量%,山椒1.2重量%,当帰0.9重量%,生ジオウ0.8重量%,クララ0.6重量%,キキョウ0.6重量%,烏梅0.6重量%,リン酸一水素カルシウム0.6重量%,ペパーミント油0.8重量%,DL-メントール0.8重量%を材料として歯磨き粉の組成物を製造し、製造された試料の有害菌に対する抗菌力を評価した。
【0033】
試験用菌株としては、ストレプトコッカスミュタンスギュン(Streptococcus mutans)、ストレプトコッカスミティス菌(Streptococcus Mitis)、ストレプトコッカスサリバリウス菌(Streptococcus salivarius)、アクティーノマイセス菌(Actinomyces sp.)、ナイセリア菌(Neisseria sp.)、バクテロイデスブルガトゥース菌(Bacteroides vulgatus)、ベイーロネルラ菌(Veillonella sp.)、フーソバクテリュムヌクレアツム菌(Fusobacterium nucleatum)をKS K0693の方法により試験した。
【0034】
それぞれの試験群と対照群を0.4g用意し、ネジ式ふたが付いている30ml入りのガラス容器の中に試験群を入れ、増菌培養した試験菌株0.2mlを取り、各ガラス容器の試験群および対照群の上にまんべんなく散布されるように注意しながら接種した。接種した後、ふたをし、37±1℃で18時間培養した後、生菌数を計数し、菌の減少率を計算した。対照群の試験群の菌減少率を下記の式で計算した。
【0035】
【数1】
ここで、Aは 対照群 の菌数、Bは 試験群 の菌数である。
実験の結果は下記の表1のようであった。
【0036】
【表1】
【0037】
ソウル大学歯科大学歯周科は、前記の8つの細菌が口腔内の常在菌の中で 代表的な口腔疾患である虫歯と歯周風歯(歯周病)を誘発する菌株であり、誘発疾患は、下の表の通りだと定義した。
【0038】
【表2】
【0039】
上記の結果より、本発明に関する歯磨き粉組成物は、虫歯を誘発する代表菌であるストレプトコッカスミュタンス菌を含む各種の口腔内の常在有害菌を99.95%〜99.99%程度抗菌して、弱くなった歯の強化、歯のコーティング、象牙細管の密封などにより虫歯、歯の痛み、および歯がしみることなどを予防治療し、歯の改善に効果的で、口腔疾患、歯周病(風歯)の常在原因菌の8種を全体的に抗菌(抗菌力99.95〜99.99%)し、口腔内の痛みの緩和および予防治療、口臭の除去をすることができ、水溶性ケイ酸塩のケイ素、ミネラルなどの口腔吸収で神経安定とストレス緩和などに効果的である。
【0040】
《歯表面コーティング実験》
まず、歯磨き粉組成物の全体重量に対して Na
2SiO
3-10H
2O 45重量%, 二酸化ケイ素 15重量%, D-ソルビトール15重量%, トウモロコシのでんぷん10重量%, 濃グリセリン 4.5重量%, 甘草 2.5重量%, 緑茶抽出物 1.2重量%, 山椒 1.2重量%, 当帰 0.9重量%, 生ジオウ 0.8重量%, クララ 0.6 重量%, キキョウ0.6重量%, 烏梅 0.6重量%, リン酸一水素カルシウム0.6重量%, ペパーミント油 0.8 重量%, DL-メントール0.8重量%からなった歯磨き分組成物を製造し、製造された試料の歯表面コーティング効果を評価した。
【0041】
上記のように製造した歯磨き粉組成物のはコーティング(皮膜)の形成可否を調査するために、ゴールデンハムスターに実験を行った。ハムスターは口腔に飼料を保存することができるほおぶくろ(頬袋)があって歯磨き粉をほおぶくろに投与することにより、一定時間の間、歯磨き粉をハムスターの歯に適用させることができる。
3時間絶食させたゴールデンハムスターのほおぶくろに本発明による歯磨き粉組成物を1mlを入れ、1、2、3、7時間の経過した後、抜歯してから その歯の表面を電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)で コーティング(被膜)が形成したか可否を調査した。
【0042】
図1は、3時間の絶食させたゴールデンハムスターの歯の表面を示した写真(x200)である。
図1により、歯磨き粉を適用する前のゴールデンハムスターの歯の表面にはどのような皮膜も形成されていない事が確認できた。
【0043】
図2は、本発明の実施形態に係る歯磨き粉組成物をゴールデンハムスターのほおぶくろに1mlずつ投与して1時間後、その歯の表面の状態を示す写真(×200)である。
図2により、ゴールデンハムスターの歯の表面がコーティング(被膜)されたことが確認できた。
【0044】
図3〜
図5は、本発明の実施形態に係る歯磨き組成物をゴールデンハムスターのほおぶくろに1mlずつ投与してから、それぞれ2、3、7時間後の歯の表面の状態を示す写真(×200)である。
図3〜
図5により、ゴールデンハムスターの歯の表面にコーティング(被膜)が持続されていることが確認できた。
【0045】
次に、本発明に係る歯磨き粉組成物の1mlをハムスターのほおぶくろに投与し、一定時間経過した後のハムスターの歯の表面を表面分析装置(Energy despersive X-ray analysis system、EDX)を使用して成分を分析した。
図6及び
図7は、本発明の実施例による歯磨き粉組成物をゴールデンハムスターのほおぶくろに1mlずつ投与した後、それぞれ3時間と7時間が経過した歯の表面の状態を表面分析装置で分析したグラフである。
図6及び
図7により、歯の表面にコーティングされたケイ素(Si)が表示されるのが確認できた。
【0046】
次に、実験前処理として、ゴールデンハムスターのほおぶくろを空けるために飲料水を提供して、飼料を5時間あげなく、歯磨き粉組成物の1mlをゴールデンハムスターのほおぶくろに投与し、3時間経過した後に4時間をかけて飼料を提供した。飼料提供した後ゴールデンハムスターの歯を抜歯して、電子顕微鏡で歯の表面のコーティング(被膜)の維持レベルを調査して、歯の表面を表面分析装置(EDX)で成分の分析を行った。
【0047】
図8は、本発明の実施例に基づいて給餌してから4時間が経過した後のゴールデンハムスターの歯を示す写真であり、
図9は、本発明の実施例に基づいて給餌してから4時間が経過した後のゴールデンハムスターの歯の表面の成分分析を示すグラフである。
【0048】
図8及び
図9により、飼料を供給してから4時間が経過した後でも、歯の表面にコーティングが維持され、歯の表面にケイ素(Si)成分が検出されることが確認できた。
試験結果、本発明の実施例による歯磨き粉組成物は、水溶性の歯磨き粉組成物が7時間以上歯の表面に皮膜を形成し、この皮膜形成効果により歯が保護され、長い間、歯がなめらかなになる効果を持つ。
【0049】
《象牙細管密封 実験》
まず、歯磨き粉組成物の全体重量に対して Na
2SiO
3-10H
2O 45重量%, 二酸化ケイ素 15重量%, D-ソルビトール15重量%, トウモロコシのでんぷん10重量%, 濃グリセリン 4.5重量%, 甘草 2.5重量%, 緑茶抽出物 1.2重量%, 山椒 1.2重量%, 当帰 0.9重量%, 生ジオウ 0.8重量%, クララ 0.6 重量%, キキョウ0.6重量%, 烏梅 0.6重量%, リン酸一水素カルシウム0.6重量%, ペパーミント油 0.8 重量%, DL-メントール0.8重量%からなった歯磨き分組成物を製造し、製造された試料の象牙細管の密封効果を評価した。
【0050】
図10及び
図11は、本発明の実施例による歯磨き粉組成物の象牙細管の密封する前と後の写真である。
図10及び
図11により、露出された象牙細管に本発明の歯磨き粉を使用した結果、3週間後に象牙細管が密封されていることを確認した。つまり、歯がしみる原因である象牙細管が詰まって歯がしみる症状が緩和し予防される。本発明は、多様に変形することができ、いくつかの形態をとることができ、上記の発明の詳細な説明では、それに伴う特別な実施例にだけ記述した。しかし、本発明は、詳細な説明で記載されている特殊な形式に限定されるものではないことを理解する必要があり、むしろ、添付された請求の範囲によって定義される本発明の精神と範囲内にあるすべての変形物と均等物および代替物を含むものと理解されなければならない。