(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1A及び
図1Bは撮像装置の構成図を示し、
図1Aは同装置の機能ブロック図、
図1Bは同装置背面のEVF用接眼部及びタッチパネル付LCDへの表示例を示す。
この撮像装置は、カメラ本体10と、交換レンズ部20と、第1の表示部として接眼式の電子ビューファインダ(EVF)用の接眼部30とを有する。この撮像装置は、交換レンズ方式の構成を有するもので、交換レンズ部20は、カメラ本体10に対して交換可能であり、EVF用接眼部30もカメラ本体10に対して交換可能な構成としてもよい。この撮像装置は、交換レンズ方式に限らず、例えばコンパクトカメラや、撮像機能付きの携帯機器等に適用可能である。
【0013】
交換レンズ部20は、レンズCPUを有するレンズ制御部21を搭載する。このレンズ制御部21には、操作部23と、各駆動部24a、24bと、各位置検出部25a、25bと、レンズ系26と、記録部27と、通信部28とが接続されている。
操作部23は、マニュアルでレンズ系26に対するズーム操作や、被写体に対するピント調整、被写体の明るさを調整する絞り26cの操作等を行うための操作部材としてレンズリング等を備える。
各駆動部24a、24bは、それぞれモータを備える。このうち駆動部24aは、レンズ系26におけるズームレンズを駆動する。駆動部24bは、レンズ系26におけるピント調整用レンズを駆動する。位置検出部25aは、ズームレンズの光軸方向における位置を検出する。位置検出部25bは、ピント調整用レンズの光軸方向における位置を検出する。
【0014】
レンズ系26は、ズームレンズやピント調整用レンズ、絞り26cを有すると共に、ズーム部26aと、ピント部26bとを有する。ズーム部26aは、駆動部24aの駆動を受けてズームレンズを駆動する。ピント部26bは、駆動部24bの駆動を受けてピント調整用レンズを駆動する。
【0015】
記録部27は、本撮像装置を動作制御するための制御パラメータ及び制御プログラムを予め記憶する。
レンズ制御部21は、記録部27に記憶されている制御パラメータ及びレンズ制御プログラムを実行することにより、レンズ系26におけるズームレンズやピント調整用レンズ、絞り26c等を駆動する各駆動部24a、24bを駆動制御する。
レンズ制御部21は、位置検出部25aにより検出されたズームレンズの位置情報に基づいて駆動部24aを駆動し、所望倍率のズーム像が得られるようにレンズ系26におけるズームレンズの位置を制御する。このレンズ制御部21は、位置検出部25bにより検出されたピント調整用レンズの位置情報に基づいて駆動部24bを駆動し、被写体に対してピントが合うようにピント調整用レンズの位置を制御する。
【0016】
レンズ制御部21は、通信部28とカメラ本体10の通信部14とを通して当該カメラ本体10の信号処理・制御部1との間でデータ通信を行う。
一方、カメラ本体10は、コンピュータから成る信号処理・制御部(カメラ制御部)1を搭載する。この信号処理・制御部1には、撮像素子2と、接眼センサ3と、記録部4と、操作判定部6と、第2の表示部として表示部(背面モニタ)8と、タッチパネル8aと、操作部9と、各通信部12、14とが接続されている。
撮像素子2は、交換レンズ部20のレンズ系26を介して入射する被写体像を受光し、この被写体像に応じた画像信号を出力する。すなわち、撮像素子2は、受光面を有し、この受光面にレンズ系26を介して集光された被写体からの光束が結像される。この撮像素子2の受光面は、複数の画素を2次元状に配置して成る。この撮像素子2の受光面の光入射側には、カラーフィルタが設けられている。この撮像素子2は、受光面に結像された光束に対応した被写体像をその光量に応じた電気信号に変換する。この撮像素子2は、例えばCCD方式又はCMOS方式等の種々の構成のものが知られている。カラーフィルタの色配列は、例えばベイヤ配列等の種々の配列が知られている。この撮像素子2は、その構成が特定の構成に限定されるものではなく、種々の構成の撮像素子を用いることが可能である。ここで、撮像素子2は、露出時間を電子的に制御する電子シャッタ機能を有している。カメラ本体10に機械式のシャッタを持たせれば、この機械式のシャッタを用いて撮像素子2の露出時間を制御することもできる。
【0017】
なお、レンズ系26及び撮像素子2は、被写体を撮像して静止画又は動画を取得する撮像部を構成すると共に、被写体の静止画を取得する前に被写体の動画を取得する画像取得部を構成する。
【0018】
接眼センサ3は、
図1Bに示すように本装置の背面に設けられ、EVF用の接眼部30に対してユーザがファインダを覗いているか否かを判定する。この接眼センサ3は、EVF用の接眼部30に対してユーザの眼部が接近していることを検出する。
【0019】
記録部4は、例えば、FlashROM、RAM、又は例えばメモリカードを有する。Flash ROMには、書き換え可能な不揮発性メモリで、例えば撮像、再生、操作、表示などのカメラ動作全般を司るプログラムが予め格納されている。なお、Flash ROMには、ユーザ設定内容も記憶されている。また、Flash ROMには、画像データが記憶され、このFlash ROMから画像データを読み出して再生表示が行われるようにしてもよい。
又、FlashROMには、被写体を撮像するための画質を調整するための画質調整プログラムを有する。この画質調整プログラムは、コンピュータから成る信号処理・制御部1に、撮像素子2及びレンズ系26を含む撮像部により被写体を撮像し、撮像素子2から出力される画像信号を画像処理して生成されるライブビュー画像を、EVF用の接眼部30と液晶ディスプレイ(以下、LCDと称する)を有する直視型の表示部8(以下、表示部8を背面LCD8と称する)とにそれぞれ表示させ、かつ撮像に係る画質調整用の表示をそれぞれライブビュー表示に重畳して表示させ、かつ画質調整用の表示態様をEVF用の接眼部30と背面LCD8とに対してそれぞれ調整させる。
すなわち、EVF用の接眼部30と背面LCD8とでは、同じ画像を表示しても見えはまったく異なる。EVF用の接眼部30は、ユーザの覗き込み状態で使用されるので周辺光の影響を受けにくい。また、ユーザは、EVF用の接眼部30を覗きこむことでライブビュー画像に意識を集中させることができる。従って、EVF用の接眼部30での表示と背面LCD8での表示とでは、それぞれに適した態様で操作画面を表示することで、操作性が向上する。これにより、ライブビュー重畳表示は、EVF用の接眼部30と背面LCD8とでそれぞれで表示態様を変更できるようになっている。表示態様は、例えば明るさであり、描画線の太さや色であり、透過度等である。
又、FlashROMには、後述する被写体を撮像するときの画質調整用のデータが記憶されている。
【0020】
又、記録部4のRAMは、揮発メモリであり、画像データの一時的格納や、画像処理のワーク領域として用いられる。記録部4のメモリカードには、撮影後の画像データ(JPEG等)や動画データが記録される。また、メモリカードには、画像データが記憶され、このメモリカードから画像データを読み出して再生表示が行われる。
さらに、記録部4のRAMは、Flash ROMなどから読み込んだデータを展開するために使用される。
上記画質調整用のデータは、例えば、画像データの明るさを調整するためのトーンカーブの調整用データ、ホワイトバランスを調整するための調整用データ、露出を調整するための調整用データ、色調整を行うための調整用データ等である。この画質調整用のデータは、例えば2次元のグラフにより表されている。
【0021】
図2はトーンカーブの調整用データTの模式図を示す。このトーンカーブ調整用データTは、明るさ(階調)の入力に対する明るさ(階調)の出力の関係を示す。このトーンカーブ調整用データTは、複数の調整用データT1、T2、…、Tnを有する。これら調整用データT1、T2、…、Tnは、それぞれ明るさの入出力関係(ガンマ値)が異なり、直線(γ=1)の調整用データT1に対してガンマ値の大きい又は小さい調整用データになっている。これら調整用データT2、…、Tnは、調整用データT1に対して所定の明るさだけ明るく又は暗くなるように設定されている。画像データの明るさを調整するときには、複数の調整用データT1、T2、…、Tnのうちいずれか1つの調整用データが選択される。
【0022】
トーンカーブの調整用データTの変更による画像データの画質の違いを
図3(a)(b)及び
図4(a)(b)に示す。
図3(a)(b)は画像データにおける暗い領域を一層暗くした例を示すもので、同図(a)は暗い領域Dを一層暗く調整するためのトーンカーブ調整用データTを示し、同図(b)は同トーンカーブにより暗い領域を一層暗く調整した画像データSdを示す。
図4(a)(b)は画像データにおける明るい領域を一層明るくした例を示すもので、同図(a)は明るい領域Lを一層明るく調整するためのトーンカーブ調整用データTを示し、同図(b)は同トーンカーブにより明るい領域を一層明るく調整した画像データSlを示す。
図1Bに示すように、トーンカーブ調整用表示はライブビュー画像に重畳して表示される。ユーザは、操作部9における調整ダイヤルや十字キー、タッチパネル等を操作することで、ライブビュー画像とトーンカーブとの双方を視線を変えることなく確認しながら調整用データTを変更することができる。
このとき、調整用表示がライブビュー画像の見えを阻害しないように配慮されている。具体的には、調整用表示の明るさ、線の太さ、色、透過度等を最適に調整して表示する。但し、EVF用の接眼部30と背面LCD8とでは最適な表示態様は同じものではない。
すなわち、環境に左右されず撮影に没頭しやすいEVF用の接眼部30での撮影時には、背面LCD8での撮影時よりも、ライブビュー画像の表示を優先させるために、重畳される調整用表示を目立たない方向に調整する。例えば、描画線は彩度の低いグレーで細く描き、かつライブビューを隠してしまう面表示については、透過度を上げる等の調整である。
ここで、ライブビューの画像を解析し、被写体の色と同色系の線で描画したり、被写体の明るさに応じて透過度や明るさを調整するのも有効である。
背面LCD8での撮影の場合は、EVF用の接眼部30とは逆に周辺環境の影響度があがるので、調整用表示の視認性を上げる方向で調整する。例えば、透過度を低くしたり、描画線を太くかつ高彩度色で描画する。
【0023】
図5(a)〜(d)はトーンカーブ調整用データTにより調整したときの画像データの輝度レベル変化を示す。同図(a)は調整前の画像データSoの輝度レベル変化を示す。
同図(b)は調整前の画像データに対して
図3(a)(b)に示すようにトーンカーブ調整用データTによって暗い領域Dを一層暗く調整した画像データSdの輝度レベル変化を示す。暗い領域Dに対応する画像データSdの輝度レベルがさらに低くなっている。
同図(c)は調整前の画像データに対して
図4(a)(b)に示すようにトーンカーブ調整用データTによって明るい領域Dを一層明るく調整した画像データSlの輝度レベル変化を示す。明るい領域Lに対応する画像データSdの輝度レベルがさらに高くなっている。
同図(d)は(a)〜(c)の対比として露出補正の場合の各輝度レベル変化を示す。露出補正の場合、輝度レベルが一律に変化する。
【0024】
図6はホワイトバランスを調整するための調整用データWの模式図を示す。このホワイトバランスでは、アンバー(A)、ブルー(B)、グリーン(G)、マゼンタ(M)の色の混合率を調整する。例えば、ABGM色の中心位置では、ABGM色のそれぞれが均等の混合率で混合される。
【0025】
図7は露出を調整するための調整用データEの模式図を示す。この露出の調整では、絞りAVとシャッタースピードSSとの関係を調整する。例えば、絞り26cを変更することで、背景のぼかし量をコントロールしたり、シャッタースピードを変更することで、動きのある被写体の静動表現を変えることができる。また、露出のオーバー、アンダーもライブビューを見ながら自在に調節することができる。
なお、画質調整用のデータは、トーンカーブの調整用データ、ホワイトバランスの調整用データ、露出の調整用データ、色調整の調整用データに限ることがない。
【0026】
操作判定部6は、ユーザによって手動操作される各種の操作部9の操作状態を判定する。この操作部9は、例えば、レリーズボタン、動画釦、モードダイヤル、選択キー、電源釦等を備える。レリーズボタンは、1stレリーズスイッチと、2ndレリーズスイッチとを有する。1stレリーズスイッチは、ユーザがレリーズ釦を半押しするとオンする。1stレリーズスイッチがオンすることにより、信号処理・制御部1は、AF処理等の撮影準備動作を行う。2ndレリーズスイッチは、ユーザがレリーズ釦を全押しするとオンする。2ndレリーズスイッチがオンすることにより、信号処理・制御部1は、静止画撮影用の露光動作を行う。
【0027】
動画釦は、動画撮影の開始又は終了を指示するための操作部材である。ユーザによって動画釦が押されると動画撮影処理が開始される。また、動画撮影処理の実行中に動画釦が押されると、動画撮影処理が終了される。
モードダイヤルは、撮像装置の撮影設定を選択するための操作部材である。本実施形態では、撮像装置の撮影設定として、例えば、静止画撮影モードと動画撮影モードを選択できる。静止画撮影モードは、静止画像を撮影するための撮影設定である。また、動画撮影モードは、動画像を撮影するための撮影設定である。
選択キーは、例えばメニュー画面上での項目の選択や決定をするための操作部材である。ユーザによって選択キーが操作されるとメニュー画面上での項目の選択や決定が行われる。
電源釦は、撮像装置の電源をオン又はオフするための操作部材である。ユーザによって電源釦が操作されると、本装置が起動して動作可能な状態となる。本装置が起動している間に電源釦が操作されると、本装置が省電力待機状態となる。
【0028】
背面LCD8は、本装置の背面に設けられ、例えばそのLCD駆動部を有する。この背面LCD8は、ライブビュー表示用の画像及び記録部4に記録された静止画や動画を表示する。この背面LCD8の表示画面上には、タッチパネル8aが一体的に設けられている。いわゆる背面LCD8は、タッチパネル付背面LCD8である。
このタッチパネル8aは、ユーザの指等の接触(タッチ)を検出し、このタッチ位置を示す座標を含む接触信号を出力する。信号処理・制御部1は、タッチパネル8aを駆動すると共に、タッチパネル8aからの接触信号を入力し、この接触信号からユーザのタッチパネル付背面LCD8に対するタッチを検出し、そのタッチに応じた処理を実行する。
タッチパネル操作は、上述のトーンカーブ、ホワイトバランス、露出調整に代表される2次元入力装置として最適で、特に、タッチパネル付背面LCD8での撮影時に有効である。タッチパネル付背面LCD8での撮影時は、タッチパネル8aによる入力操作性を向上させるために、調整用画面がはっきりと表示されている方がよい。
一方、EVF用の接眼部30での撮影の場合には、ユーザが背面LCD8の表示を見ることが困難であり、このためタッチパネル8aの操作性は良好ではないので、EVF用の接眼部30を覗きながら操作部9(ダイヤルや十字キーなど)の操作で2次元入力を行えるようにする。
【0029】
通信部12は、EVF用接眼部30の通信部32との間でデータ通信を行う。
通信部14は、上記の通り、交換レンズ部20の通信部28との間でデータ通信を行う。
信号処理・制御部1は、静止又は動画の撮像時に、撮像素子2から出力される画像信号を入力し、この画像信号に対して画像処理を行い、静止画又は動画の画像データを取得する。この信号処理・制御部1は、静止画又は動画を撮像する際に、コントラストAF処理や、AE処理を行う。
コントラストAF処理は、撮像素子2の撮像により得られた画像データの高周波成分を抽出し、この抽出した高周波成分を積算することによりAF用の合焦評価値を取得し、この合焦評価値に従って画像データのコントラストを評価しながら交換レンズ部20のレンズ系26のピント調整用レンズを合焦状態となる位置に調整する。
AE処理は、撮像素子2の撮像により得られた画像データを用いて被写体の輝度を算出し、この被写体の輝度に従って露光時の絞り26cの開口量(絞り値)、撮像素子2の露出時間(電子シャッタスピード)又は機械式シャッタのシャッタスピードを算出する。
【0030】
信号処理・制御部1は、撮像素子2の撮像により得られた画像データに対する各種の画像処理、例えば色補正処理、ガンマ(γ)補正処理、圧縮処理、この圧縮されている画像データに対する伸張処理などを行う。
この信号処理・制御部1は、通常の撮影モード、再生モード、画質調節モードなどを選択可能とし、画像調節表示制御モードが選択されると、記録部4のFlashROMに記憶されている画質調整プログラムを実行することにより、撮像素子2及びレンズ系26を含む撮像部により被写体を撮像し、撮像素子2から出力される画像信号を画像処理して生成されたライブビュー表示をEVF用の接眼部30とタッチパネル付背面LCD8とにそれぞれ表示し、かつ画質調整用の表示態様をEVF用の接眼部30と背面LCD8とに対してそれぞれ調整可能とする。この信号処理・制御部1は、画質調整部101と、タッチ検出部102と、表示制御部103とを有する。
【0031】
画質調整部101は、ライブビュー表示しているEVF用の接眼部30とタッチパネル付背面LCD8とにそれぞれ撮像に係る画質調整用の情報、ここでは画質調整用表示として例えば
図2に示すようなトーンカーブの調整用データT、
図6に示すようなホワイトバランスを調整するための調整用データW、
図7に示すような露出を調整するための調整用データE等をそれぞれ重畳して表示し、かつ画質調整用の表示態様、例えば画質調整用表示の明るさをEVF用の接眼部30とタッチパネル付背面LCD8とに対してそれぞれ調整可能とする。なお、表示態様は、上記の通り明るさに限らず、例えば描画線の太さや色、透過度等でもよい。
画質調整部101は、EVF用の接眼部30に画質調整用表示を表示するときの表示態様をライブビュー表示に比較して目立たなく設定し、タッチパネル付背面LCD8に画質調整用表示を表示するときの表示態様をライブビュー表示に比較して目立つように設定する。
言い換えれば、画質調整部101は、撮像時にEVF用の接眼部30に画質調整用表示を表示するときの視認度をライブビュー表示に比較して小さく設定し、画質調整時にタッチパネル付背面LCD8に画質調整用表示を表示するときの視認度をライブビュー表示に比較して大きく設定する。
【0032】
ここで、表示形態の視認度の設定の例として明るさの設定について説明すると、画質調整部101は、
図1Bに示すように、撮像時に、EVF用の接眼部30に画質調整用表示を表示するときの明るさをライブビュー表示よりも小さく設定し、画質調整時に、タッチパネル付背面LCD8に画質調整用表示を表示するときの明るさをライブビュー表示よりも設定する。
具体的に、画質調整部101は、接眼センサ3の検出によりユーザの眼部がEVF用の接眼部30を覗いていることを検出すると、撮像時に、EVF用の接眼部30に表示する画質調整用表示の明るさを小さく設定する。画質調整用表示の明るさは、例えば通常のライブビュー表示の明るさよりも予め設定された値だけ小さく設定されている。この画質調整用表示の明るさは、それぞれ異なる各段毎に明るさが暗くなる複数段の明るさが予め用意され、これら各段の明るさからユーザが選択して設定してもよい。
【0033】
画質調整部101は、接眼センサ3の検出によりユーザの眼部がEVF用の接眼部30を覗いていなければ、画質調整時に、タッチパネル付背面LCD8に表示する画質調整用表示の明るさを大きく設定する。この画質調整用表示の明るさは、例えば通常のライブビュー表示の明るさよりも予め設定された値だけ大きく設定されている。この画質調整用表示の明るさは、それぞれ異なる各段毎に明るさが明るくなる複数段の明るさが予め用意され、これら各段の明るさからユーザが選択して設定してもよい。
画質調整部101は、画質調整時に、画質調整用表示の明るさをライブビュー表示の明るさよりも大きくすることにより、画質調整用表示をライブビュー表示よりも鮮明で、認識性高く表示できるものとなるが、さらにタッチパネル付背面LCD8に表示する画質調整表示の明るさを大きく設定すると共に、ライブビュー表示を消すように設定してもよい。
なお、表示態様が描画線の太さであれば、画質調整部101は、撮像時に、EVF用の接眼部30に画質調整用表示を表示するときの描画線の太さを細く設定し、画質調整時に、タッチパネル付背面LCD8に画質調整用表示を表示するときの描画線の太さを太く設定する。
表示態様が描画線の色であれば、画質調整部101は、撮像時に、EVF用の接眼部30に画質調整用表示を表示するときの描画線の色を低彩度色(例えばグレー)に設定し、画質調整時に、タッチパネル付背面LCD8に画質調整用表示を表示するときの描画線の色を高彩度色に設定する。
表示態様が描画線の透過度であれば、画質調整部101は、撮像時に、EVF用の接眼部30に画質調整用表示を表示するときの透過度を高く設定し、画質調整時に、タッチパネル付背面LCD8に画質調整用の操作画面を表示するときの透過度を低く設定する。
【0034】
タッチ検出部102は、タッチパネル8aに対するユーザの指等のタッチを検出する。
画質調整部101は、タッチ検出部102から出力されるタッチ検出信号を受けて画質調整用表示に対する操作に応じた画質調整を行う。例えば、画質調整部101は、トーンカーブの調整を行う場合、タッチパネル8aに対するタッチを検出する毎に、EVF用の接眼部30及びタッチパネル付背面LCD8に表示するトーンカーブ調整用データTを、例えば調整用データT1、T2、…、Tnの順序に切り替える。この画質調整部101は、切り替えられた各調整用データT1、T2、…、Tnに従ってライブビュー表示される画像の明るさを調整する。
【0035】
表示制御部106は、例えば、通常の撮影モード時に、信号処理・制御部1によって各種の画像処理された画像データや、画質調整部101により画質調整された画像データをタッチパネル付背面LCD8に再生する。又、表示制御部106は、例えば記録部4に記憶されている画質調整された画像データをタッチパネル付背面LCD8に再生する。
【0036】
次に、上記の如く構成された装置の動作について
図8に示す表示制御フローチャートに従って説明する。
信号処理・制御部1は、ステップS101において、本装置の電源が投入(ON)されたか否かを判定する。この判定の結果、電源が投入されていなければ、信号処理・制御部1は、スタンバイ状態になる。
電源が投入されると、信号処理・制御部1は、ステップS102において、撮影モードに設定されたか否かを判定する。この判定の結果、撮影モードに設定されていると、信号処理・制御部1は、ステップS103において、各通信部14、28を介して交換レンズ部20のレンズ制御部21との間でデータ通信を開始し、ステップS104において、コントラストAF処理、AE処理の制御を行う。コントラストAF処理では、撮像素子2の撮像により得られた画像データの高周波成分を抽出し、この抽出した高周波成分を積算してAF用の合焦評価値を取得し、この合焦評価値に従って画像データのコントラストを評価しながら交換レンズ部20のレンズ系26のピント調整用レンズを合焦状態となる位置に調整する。AE処理では、撮像素子2の撮像により得られた画像データを用いて被写体の輝度を算出し、この被写体の輝度に従って露光時の絞り26cの開口量(絞り値)、電子シャッタースピードを算出する。
【0037】
信号処理・制御部1は、ステップS111において、接眼センサ3から出力される検出信号を入力し、接眼センサ3によりユーザがEVF用の接眼部30を覗いているか否かを判定する。ここで、ユーザがEVF用の接眼部30を覗いているのは、ユーザがEVF用の接眼部30内の被写体像やその構図がベストになるように撮像装置本体の姿勢を変えたりしてEVF用の接眼部30内の被写体に意識を集中し、被写体の撮像を行っているときである。
【0038】
この判定の結果、ユーザがEVF用の接眼部30を覗いていると、信号処理・制御部1は、ステップS112において、レンズ系26を通して撮像素子2により被写体を撮像し、この撮像素子2から出力される画像信号を画像処理し、ライブビュー表示をEVF用の接眼部30に行う。
【0039】
信号処理・制御部1は、ステップS113において、例えばトーンカーブの調整等の画質調整を行うか否かを判定する。この画質調整を行うか否かの判定は、例えば、操作9に備えられている釦をユーザが操作することにより選択するか、又は画質調整を行うか否かを選択するための選択表示をタッチパネル付背面LCD8に表示し、このタッチパネル付背面LCD8に対するユーザの指のタッチにより選択してもよい。
【0040】
この判定の結果、画質調整を行うのであれば、画質調整部101は、ステップS114において、EVF用の接眼部30に画質調整用表示、例えば
図2に示すようなトーンカーブの調整用データT、
図6に示すようなホワイトバランスを調整するための調整用データW、又は
図7に示すような露出を調整するための調整用データE等をライブビュー表示に重畳して表示する。
図9はEVF用の接眼部30に表示されるライブビューの被写体像Kと、このライブビュー表示に重畳されるトーンカーブの調整用データTとを示す。このトーンカーブの調整用データTは、
図2に示すように複数の調整用データT1、T2、…、Tnを有するので、これら調整用データT1、T2、…、Tnのうちいずれか1つの調整用データが選択されることにより、この選択された調整用データT1、T2、…、又はTnによって被写体像Kを含むライブビュー表示の明るさが調整される。この調整用データT1、T2、…、Tnの選択は、例えば操作部9に備えられている釦をユーザが操作することにより行われる。
【0041】
画質調整部101は、ステップS115において、トーンカーブ等の画質調整を終了するか否かを判定する。この画質調整の終了は、例えば、操作部9備えられている終了の釦に対するユーザの操作を検出することにより判定される。
この判定の結果、終了の釦をユーザが操作しなければ、画質調整部101は、ステップS131を通してステップS101に戻り、画質調整を続ける。終了の釦をユーザが操作すると、信号処理・制御部1は、ステップS116において、EVF用の接眼部30に表示している画質調整用表示、例えば
図2に示すようなトーンカーブの調整用データT、
図6に示すようなホワイトバランスを調整するための調整用データW、又は
図7に示すような露出を調整するための調整用データE等の表示を終了する。
【0042】
信号処理・制御部1は、ステップS131において、静止画の撮像動作を行うのか否かを判定する。この静止画の撮像は、操作部9におけるレリーズボタンの1stレリーズスイッチが半押しされ、続いて2ndレリーズスイッチが全押しされたか否かを判定する。この判定の結果、1stレリーズスイッチが半押されると、信号処理・制御部1は、AF処理等の撮影準備動作を行い、続いて2ndレリーズスイッチが全押されると、静止画撮影用のAE動作を行い、撮像素子2を介して得られた静止画の画像データを画像処理する。
信号処理・制御部1は、ステップS132において、撮像素子2を介して得られた静止画の画像データを画像処理するときに、画質調整用表示において選択された例えばトーンカーブの調整用データTに基いて静止画の画像データの画質を調整する。
信号処理・制御部1は、ステップS133において、画質調整された静止画の画像データにヘッダを付与して静止画像ファイルを生成し、この静止画像ファイルを記録部4に記憶する。
【0043】
一方、EVF用の接眼部30に対してユーザが覗いているか否かの判定の結果(ステップS111)、ユーザがEVF用の接眼部30を覗いていなければ、信号処理・制御部1は、ステップS121において、レンズ系26を通して撮像素子2により被写体を撮像し、この撮像素子2から出力される画像信号を画像処理し、そのライブビュー表示をタッチパネル付背面LCD8に行う。
ここで、ユーザがEVF用の接眼部30に接近せずに覗いていないのは、ユーザがタッチパネル付背面LCD8に表示されている被写体像を含むライブビュー表示を観察し、被写体の撮像を行おうとするときである。
【0044】
信号処理・制御部1は、ステップS122において、例えばトーンカーブの調整等の画質調整を行うか否かを判定する。この画質調整を行うか否かの判定は、例えば、上記同様に、操作部9に備えられている釦をユーザが操作することにより選択するか、又は画質調整を行うか否かを選択するための選択表示をタッチパネル付背面LCD8に表示し、このタッチパネル付背面LCD8に対するユーザの指のタッチにより選択してもよい。
【0045】
この判定の結果、画質調整を行うのであれば、信号処理・制御部1は、ステップS123において、タッチパネル付背面LCD8に画質調整用表示、例えば
図2に示すようなトーンカーブの調整用データT、
図6に示すようなホワイトバランスを調整するための調整用データW、又は
図7に示すような露出を調整するための調整用データE等をライブビュー表示に重畳して表示する。
この場合、画質調整部101は、タッチパネル付背面LCD8に表示する画質調整用表示の例えば明るさを予め設定された値だけ大きく設定する。この画質調整用の操作画面の明るさは、それぞれ異なる各段毎に明るさが明るくなる複数段の明るさが予め用意され、これら各段の明るさからユーザが選択して設定してもよい。画質調整用表示の明るさをライブビュー表示の明るさよりも大きくすることにより、画質調整用表示は、ライブビュー表示よりも鮮明で、認識性高く表示できるものとなる。さらにはライブビュー表示を消すようにしてもよい。
図10はタッチパネル付背面LCD8に表示される画質調整用表示として例えばトーンカーブの調整用データTを示す。この画質調整用表示は、被写体像のライブビュー表示を消している状態を示す。ライブビュー表示を消している状態では、例えばトーンカーブの調整用データT等の画質調整用表示が鮮明で、認識性高く表示される。
【0046】
トーンカーブの調整用データTの選択では、画質調整部101は、タッチパネル8aに対するユーザの指等のタッチを検出する毎に、タッチパネル付背面LCD8に表示するトーンカーブ調整用データTを、例えば
図2に示すように調整用データT1、T2、…、Tnの順序に切り替える。この画質調整部101は、切り替えられた各調整用データT1、T2、…、Tnに従ってライブビュー表示する画像の明るさをそれぞれ調整する。
【0047】
信号処理・制御部1は、ステップS124において、トーンカーブ等の画質調整を終了するか否かを判定する。この画質調整の終了は、例えば、操作部9に備えられている終了の釦に対するユーザの操作を検出することにより判定される。
この判定の結果、終了の釦をユーザが操作しなければ、画質調整部101は、上記同様に、ステップS131を通してステップS101に戻り、画質調整を続ける。終了の釦をユーザが操作すると、信号処理・制御部1は、ステップS125において、タッチパネル付背面LCD8に表示している画質調整用表示、例えば
図2に示すようなトーンカーブの調整用データT、
図6に示すようなホワイトバランスを調整するための調整用データW、又は
図7に示すような露出を調整するための調整用データE等の表示を終了する。
これと共に信号処理・制御部1は、レンズ系26を通して撮像素子2により被写体を撮像し、この撮像素子2から出力される画像信号を画像処理してそのライブビュー表示をタッチパネル付背面LCD8に行う。
【0048】
これ以降、上記同様に、信号処理・制御部1は、ステップS131において、静止画の撮像動作を行うのか否かを判定し、静止画の撮像を行うのであれば、AF処理等の撮影準備動作を行い、続いてAE動作を行い、撮像素子2を介して得られた静止画の画像データを画像処理する。
信号処理・制御部1は、ステップS132において、撮像素子2を介して得られた静止画の画像データを画像処理するときに、画質調整用表示において選択された例えばトーンカーブの調整用データTを基づいて静止画の画像データの画質を調整し、ステップS133において、画質調整された静止画の画像データを静止画像ファイルとして記録部4に記憶する。
【0049】
一方、撮像モードに設定されていなければ、信号処理・制御部1は、ステップS102からステップS103に移り、再生モードに設定されているか否かを判定する。この判定の結果、再生モードに設定されていると、信号処理・制御部1は、ステップS142において、記録部4のROMに記憶されている再生プログラムを実行し、当該ROMに記憶されている静止画又は動画のデータを読み出し、当該静止画又は動画のデータを表示制御部103を介してタッチパネル付背面LCD8に表示する。
【0050】
信号処理・制御部1は、ステップS143において、タッチパネル付背面LCD8に表示する静止画又は動画のデータを変更するか否かを判定し、別の静止画又は動画のデータに変更するのであれば、ステップS144において、例えばFlashROMに記憶されている別の静止画又は動画のデータを読み出し、当該静止画又は動画のデータを表示制御部103を介してタッチパネル付背面LCD8に表示する。
再生モードに設定されていなければ、信号処理・制御部1は、ステップS141からステップS145に移り、外部機器の間でデータ通信を行い、例えばFlashROMに記憶されている静止画又は動画のデータを外部機器に送る。
【0051】
次に、画質調整の動作(ステップS114、S123)について
図11に示す画質調整フローチャートに従って説明する。
画質調整部101は、ステップS201において、トーンカーブの調整を行うか否かを判定する。この判定では、画質調整部101は、画質調整の項目選択用の画面をタッチパネル付背面LCD8に表示し、当該画面上からトーンカーブの調整、ホワイトバランスの調整、又は露出の調整を選択するようにすればよい。
この判定の結果、トーンカーブの調整であれば、画質調整部101は、ステップS202において、記録部4に記憶されている
図2に示すトーンカーブ調整用データTのうち例えば調整用データT1を読み出し、この調整用データT1をライブビュー表示に重畳させてEVF用の接眼部30及びタッチパネル付背面LCD8に表示する。
【0052】
ユーザは、被写体を撮像するときの明るさを調整するために、すなわちライブビュー表示の明るさを調整するためにタッチパネル付背面LCD8のタッチパネル8aに対してタッチを行い、このタッチ毎に各調整用データT1、T2、…、Tnを切り替える。
画質調整部101は、ステップS203において、切り替えられた調整用データT1、T2、…、又はTnが画像データ中の暗い部分を暗く調整するか否か、すなわち画像データ中の黒部分を強調するか否かを判定する。
この判定の結果、調整用データT1、T2、…、又はTnが切り替わる毎に画像データ中の暗い部分を暗く調整するものであれば、画質調整部101は、ステップS204において、例えば
図3(a)(b)に示すように画像データの暗い部分を所定の明るさだけ暗くしてライブビュー表示に重畳させてEVF用の接眼部30及びタッチパネル付背面LCD8に表示する。
【0053】
一方、調整用データTn、…、T2、又はT1が切り替わる毎に画像データ中の明るい部分を明るく調整するものであれば、画質調整部101は、ステップS205からステップS206に移り、例えば
図4(a)(b)に示すように画像データの明るい部分を所定の明るさだけ明るくしてライブビュー表示に重畳させてEVF用の接眼部30及びタッチパネル付背面LCD8に表示する。
なお、トーンカーブ調整用データT(T1、T2、…、又はTn)を選択してトーンカーブを調整したときの画像データの輝度レベル変化は、
図5(a)〜(d)に示す。
【0054】
このようなトーンカーブの調整時、接眼センサ3の検出によりユーザの眼部がEVF用の接眼部30に近付いている場合、画質調整部101は、撮像時に、EVF用の接眼部30に表示する画質調整用表示の明るさを予め設定された値だけ小さく設定する。なお、画質調整用表示の明るさは、それぞれ異なる各段毎に明るさからユーザが選択して設定してもよい。
【0055】
又、画質調整部101は、接眼センサ3の検出によりユーザがEVF用の接眼部30を覗いていなければ、タッチパネル付背面LCD8に表示するトーンカーブ調整用表示の例えば明るさを大きく設定する。このトーンカーブの調整用表示の明るさは、例えば通常のライブビュー表示の明るさよりも予め設定された値だけ大きく設定されている。このトーンカーブの調整用表示の明るさは、それぞれ異なる各段毎に明るさが明るくなる複数段の明るさが予め用意され、これら各段の明るさからユーザが選択して設定してもよい。さらに、画質調整部101は、タッチパネル付背面LCD8に表示するトーンカーブ調整用表示の明るさを大きく設定すると共に、ライブビュー表示を消すように設定してもよい。
【0056】
画質調整がトーンカーブでなければ、画質調整部101は、ステップS201からステップS211に移り、ホワイトバランスの調整であるか否かを判定する。この判定の結果、ホワイトバランスの調整であれば、画質調整部101は、ステップS212において、
図6に示すようなホワイトバランスを調整するための調整用データWの表示をライブビュー表示に重畳してタッチパネル付背面LCD8に表示する。
【0057】
このホワイトバランスの調整時、接眼センサ3の検出によりユーザがEVF用の接眼部30を覗いている場合、画質調整部101は、上記同様に、EVF用の接眼部30に表示するホワイトバランス調整用表示の明るさを予め設定された値だけ小さく設定する。
又、画質調整部101は、接眼センサ3の検出によりユーザがEVF用の接眼部30を覗いていなければ、ホワイトバランス調整時に、タッチパネル付背面LCD8に表示するホワイトバランス調整用表示の明るさを大きく設定する。
【0058】
ユーザは、被写体を撮像するときのホワイトバランスを調整するために、タッチパネル付背面LCD8に表示されている
図6に示すようなホワイトバランス調整用表示上に対してABGMの色の所定の混合率になる部分をタッチする。タッチパネル8aは、ユーザの指等のタッチ位置を示す座標を含む接触信号を出力するので、画質調整部101は、タッチパネル8aからの接触信号に含む座標からホワイトバランス調整用表示上のタッチ位置を判定し、このタッチ位置からホワイトバランス調整におけるABGM色の混合率を判定する。
【0059】
すなわち、画質調整部101は、ステップS213において、ホワイトバランス調整用表示上のタッチ位置に基づいてABGM色の混合率がA又はB色側であるか否かを判定し、A又はB色側であれば、ステップS214において、A又はB色系の調整としてABGM色の混合率を設定する。
A又はB色側でなければ、画質調整部101は、ステップS213からステップS215に移り、ホワイトバランス調整用表示上のタッチ位置に基づいてABGM色の混合率がG又はM色側であるか否かを判定し、G又はM色側であれば、ステップS2164において、G又はM色系の調整としてABGM色の混合率を設定する。
【0060】
画質調整がホワイトバランスでなければ、画質調整部101は、ステップS211から他のステップに移り、露出又は色調整等であるか否かを判定する。この判定の結果、露出の調整であれば、画質調整部101は、
図7に示すような露出調整用表示をライブビュー表示に重畳してタッチパネル付背面LCD8に表示する。
この露出調整時も、接眼センサ3の検出によりユーザがEVF用の接眼部30を覗いている場合、画質調整部101は、上記同様に、EVF用の接眼部30に表示する露出調整用表示の明るさを予め設定された値だけ小さく設定する。
又、画質調整部101は、接眼センサ3の検出によりユーザがEVF用の接眼部30を覗いていなければ、露出調整時に、タッチパネル付背面LCD8に表示する露出調整用表示の明るさを大きく設定する。
【0061】
ユーザは、被写体を撮像するときの露出を調整するために、タッチパネル付背面LCD8に表示されている
図7に示すような露出調整用表示上に対して所望の絞りAVとシャッタースピードSSとの関係になる部分をタッチする。タッチパネル8aは、ユーザの指等のタッチ位置を示す座標を含む接触信号を出力するので、画質調整部101は、タッチパネル8aからの接触信号に含む座標から露出調整用表示上のタッチ位置を判定し、このタッチ位置から露出調整における絞りAVとシャッタースピードSSとを判定する。
【0062】
このように上記第1の実施の形態によれば、EVF用の接眼部30とタッチパネル付背面LCD8とにそれぞれ例えば
図2に示すようなトーンカーブ等の画質調整用表示等をそれぞれライブビュー表示に重畳して表示し、かつ画質調整用の表示態様をEVF用の接眼部30と背面LCD8とに対してそれぞれ調整可能とする。
具体的に、画質調整用表示の表示態様、例えば明るさや、描画線の太さや色、透過度等をそれぞれ調整可能、ここでは、例えば撮像時に、EVF用の接眼部30に画質調整用表示の明るさを小さく設定し、画質調整時に、タッチパネル付背面LCD8に画質調整用表示の明るさを大きく設定するので、トーンカーブ等の画質調整用表示をライブビュー表示よりも鮮明で、認識性高く表示できる。さらにタッチパネル付背面LCD8に表示する画質調整用表示の明るさを大きく設定すると共に、ライブビュー表示を消すことにより、トーンカーブ等の画質調整用表示をより鮮明で、認識性高く表示できる。
【0063】
被写体を撮像するときにユーザは、EVF用の接眼部30内の被写体に意識を集中して被写体像やその構図を決めるので、EVF用の接眼部30内には、認識性の良い被写体像を表示することができ、かつ画質調整時には、タッチパネル付背面LCD8にトーンカーブ等の画質調整用表示を鮮明で認識性高く表示してトーンカーブ等の画質調整を操作し易くできる。これにより、被写体の撮像や被写体を撮像するときの画質調整の操作性を向上することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。
図12はリトラクタブルのタッチパネル付背面LCD8を備えた撮像装置の構成図を示す。この装置におけるタッチパネル付背面LCD8は、カメラ本体10に対してリトラクタブルで、
図12はリトラクタブルのタッチパネル付背面LCD8をカメラ本体10から引き出した状態を示す。このタッチパネル付背面LCD8を引き出した状態は、ユーザがタッチパネル付背面LCD8に表示される被写体像の画像を観察したいである。
【0064】
図13は撮像装置の構成図を示す。なお、同図では
図1と同一部分に同一符号を付してその詳しい説明は省略する。信号処理・制御部1は、引出判定部104を有する。この引出判定部104は、タッチパネル付背面LCD8がカメラ本体10から引き出されたか否かを判定する。
画質調整部101は、タッチパネル付背面LCD8とEVF用の接眼部30とにそれぞれトーンカーブ等の画質調整用表示を表示し、かつ接眼センサ3の検出結果と引出判定部104の判定結果とに応じてタッチパネル付背面LCD8に表示されるトーンカーブ等の画質調整用画質調整用表示の表示態様、例えば明るさや、描画線の太さや色、透過度等をそれぞれ調整とする。
【0065】
タッチパネル付背面LCD8がカメラ本体10から引き出されることが引出判定部104により判定されると、画質調整部101は、タッチパネル付背面LCD8にライブビューを優先表示する。
接眼センサ3の検出によりユーザがEVF用の接眼部30を覗いておらず、かつ引出判定部104の判定によりタッチパネル付背面LCD8が引き出されていない場合、画質調整を行うと、画質調整部101は、タッチパネル付背面LCD8にトーンカーブ等の画質調整用表示を表示すると共に、当該タッチパネル付背面LCD8のライブビュー表示の例えば明るさを小さく設定する。この画質調整部101は、ライブビュー表示を消してもよい。
【0066】
接眼センサ3の検出によりユーザがEVF用の接眼部30を覗いておらず、かつ引出判定部104の判定によりタッチパネル付背面LCD8が
図12に示すようにカメラ本体10から引き出されている場合、画質調整を行うと、画質調整部101は、タッチパネル付背面LCD8に表示されているライブビュー表示にトーンカーブ等の画質調整用表示を重畳する。
【0067】
次に、上記の如く構成された装置の動作について
図14に示す表示制御フローチャートに従って説明する。なお、
図8と同一ステップはその動作説明を省略する。
ユーザがEVF用の接眼部30を覗いているか否かの判定の結果(ステップS111)、ユーザがEVF用の接眼部30を覗いていなければ、信号処理・制御部1は、ステップS121aに移り、引出判定部104によりタッチパネル付背面LCD8が
図12に示すようにカメラ本体10から引き出されているか否かを判定する。
【0068】
この判定の結果、タッチパネル付背面LCD8がカメラ本体10から引き出されていなければ、信号処理・制御部1は、上記同様に、ステップS121において、ライブビュー表示をタッチパネル付背面LCD8に行う。
これ以降、信号処理・制御部1は、上記同様に、ステップS122において、例えばトーンカーブの調整等の画質調整を行うか否かを判定し、画質調整を行うのであれば、ステップS123において、タッチパネル付背面LCD8に画質調整用画質調整用表示、例えば
図2に示すようなトーンカーブの調整用データT、
図6に示すようなホワイトバランスを調整するための調整用データW、又は
図7に示すような露出を調整するための調整用データE等を表示し、かつライブビュー表示を消す。
【0069】
タッチパネル付背面LCD8をカメラ本体10から引き出していなければ、ユーザは、タッチパネル付背面LCD8に表示されているトーンカーブの調整等の画質調整用表示を見て画質を調整していることが多く、ライブビュー表示を消してあれば、トーンカーブの調整等の画質調整用表示のみがタッチパネル付背面LCD8に表示され、トーンカーブの調整等の画質調整の操作がし易くなる。
【0070】
この後、信号処理・制御部1は、ステップS124において、トーンカーブ等の画質調整を終了するか否かを判定し、終了であれば、ステップS125において、タッチパネル付背面LCD8に表示しているトーンカーブ等の画質調整用表示を終了し、これと同時に、ライブビューをタッチパネル付背面LCD8に表示する。
【0071】
一方、タッチパネル付背面LCD8がカメラ本体10から引き出されていれば、信号処理・制御部1は、ステップS121aからステップS151に移り、ライブビュー表示をタッチパネル付背面LCD8に行う。
信号処理・制御部1は、ステップS152において、例えばトーンカーブの調整等の画質調整を行うか否かを判定し、画質調整を行うのであれば、ステップS153において、タッチパネル付背面LCD8に画質調整用表示、例えば
図2に示すようなトーンカーブの調整用データT、
図6に示すようなホワイトバランスを調整するための調整用データW、又は
図7に示すような露出を調整するための調整用データE等をライブビュー表示に重畳して表示する。この場合、画質調整部101は、タッチパネル付背面LCD8に表示する画質調整用表示の例えば明るさを予め設定された値だけ大きく設定する。
【0072】
タッチパネル付背面LCD8をカメラ本体10から引き出していれば、ユーザは、タッチパネル付背面LCD8に表示されているライブビュー表示を観察しながら被写体の静止画又は動画を撮像することが多い。この場合、トーンカーブの調整等の画質調整用表示をライブビュー表示に重畳して表示することにより、ライブビュー表示を観察しながら被写体の静止画又は動画の撮像を行い、かつこの撮像時にトーンカーブの調整等の画質調整用表示を見て画質を調整することができる。
【0073】
信号処理・制御部1は、ステップS154において、トーンカーブ等の画質調整を終了するか否かを判定し、終了であれば、ステップS155において、タッチパネル付背面LCD8に表示しているトーンカーブ等の画質調整用表示の表示を終了する。
なお、信号処理・制御部1は、タッチパネル付背面LCD8にライブビュー表示を行っている状態に(ステップS151)、例えばトーンカーブの調整等の画質調整を行わず、ステップS156において、タッチパネル付背面LCD8にタッチ操作が行われると、信号処理・制御部1は、ステップS131に移り、上記同様に、静止画の撮像動作を行うのか否かを判定し、静止画の撮像を行うのであれば、AF処理等の撮影準備動作を行い、続いてAE動作を行い、撮像素子2を介して得られた静止画の画像データを画像処理し、ステップS132において、画質調整用表示において選択された例えばトーンカーブの調整用データTに基いて静止画の画像データの画質を調整し、ステップS133において、画質調整された静止画の画像データにヘッダを付与して静止画像ファイルを生成し、この静止画像ファイルを記録部4に記憶する。
【0074】
このように上記第2の実施の形態によれば、タッチパネル付背面LCD8がカメラ本体10から引き出されたか否かを判定し、タッチパネル付背面LCD8が引き出されると、タッチパネル付背面LCD8にライブビューを優先表示する。この場合、ユーザがEVF用の接眼部30を覗いておらず、かつタッチパネル付背面LCD8が
図12に示すようにカメラ本体10から引き出されていると、タッチパネル付背面LCD8に表示されているライブビュー表示にトーンカーブ等の操作画面を重畳する。
又、ユーザがEVF用の接眼部30を覗いておらず、かつタッチパネル付背面LCD8が引き出されていない場合、タッチパネル付背面LCD8にトーンカーブ等の画質調整用表示と共に、当該タッチパネル付背面LCD8のライブビュー表示の明るさを小さく設定し、例えばライブビュー表示を消してもよい。
【0075】
このようにタッチパネル付背面LCD8をカメラ本体10から引き出していなければ、ユーザは、タッチパネル付背面LCD8に表示されているトーンカーブの調整等の画質調整用表示を見て画質を調整することができ、ライブビュー表示を消せば、トーンカーブの調整等の画質調整用表示のみがタッチパネル付背面LCD8に表示され、トーンカーブの調整等の画質調整の操作がし易くなる。
【0076】
タッチパネル付背面LCD8をカメラ本体10から引き出していれば、ユーザは、タッチパネル付背面LCD8に表示されているライブビュー表示を観察しながら被写体の静止画又は動画を撮像することができ、トーンカーブの調整等の画質調整用表示をライブビュー表示に重畳して表示することにより、ライブビュー表示を観察しながら被写体の静止画又は動画の撮像を行い、かつこの撮像時にトーンカーブの調整等の画質調整用表示を見て画質を調整することができる。
【0077】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものでなく、例えば信号処理・制御部1を次の通り変形してもよい。
例えば、信号処理・制御部1は、撮像素子2から出力される画像信号を画像処理してEVF用の接眼部30とタッチパネル付背面LCD8とにそれぞれライブビュー表示し、タッチパネル8Aに対するタッチにより撮像動作を実行し、かつトーンカーブ等の画質調整用表示をライブビュー表示に重畳し、トーンカーブ等の画質調整用表示の明るさをEVF用の接眼部30とタッチパネル付背面LCD8とに対してそれぞれ調整可能とし、トーンカーブ等の画質調整用表示を表示中にタッチパネル8aがタッチされても撮像動作の実行をしないように構成してもよい。
このような構成においても、信号処理・制御部1の画質調整部101は、撮像時にトーンカーブ等の画質調整用表示の明るさを小さく設定し、画質調整時にトーンカーブ等の画質調整用表示の明るさを大きく設定する。
上記各実施の形態では、画質調整用表示を、単純なグラフの線やスーパーインポーズ表示の文字、記号などでも重畳表示ならよく、明るさと書いたが、被写体像に対して比較的目立つように表示したり、比較的目立たないように表示したりする表示態様の変更であるならば、線や文字や記号の濃さや、太さ、色、透過度、点線、実線等、表示の強調具合、目立ち具合(視認度)を切り換えられるものであれば何でもよい。もちろんこれらは被写体像に依存するので、これを反映してもよい。