特許第5959223号(P5959223)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5959223
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】ふくらはぎ用サポータ
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/02 20060101AFI20160719BHJP
   A41D 13/06 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   A61F5/02 N
   A41D13/06
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-31838(P2012-31838)
(22)【出願日】2012年2月16日
(65)【公開番号】特開2013-165889(P2013-165889A)
(43)【公開日】2013年8月29日
【審査請求日】2015年1月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】592145028
【氏名又は名称】中山式産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074192
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100121496
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 重雄
(72)【発明者】
【氏名】樋口 博夫
【審査官】 山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−266125(JP,A)
【文献】 特開2001−029372(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3151008(JP,U)
【文献】 特開平11−131303(JP,A)
【文献】 特開2002−017937(JP,A)
【文献】 特開2007−186803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/02
A41D 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
膝下から足首間の下脚部の表面に密接させる、弾性変形して自在に伸縮する布地から成る、筒状のサポータ本体と、該サポータ本体を取り囲む補助ベルト体で成り、
補助ベルト体は、前記サポータ本体のふくらはぎ側中央の上部に基端を止着してサポータ本体を介して相対設した、一対の、略水平方向に配した第一ベルト片の自由端部と、前記サポータ本体のふくらはぎ側中央の、前記第一ベルト片の基端部より下部に基端を止着して前記サポータ本体を介して相対設した、一対の、傾斜状の第二ベルト片の自由端部を弾性変形して伸縮する仲介片を介して互いに接続して構成し、
該補助ベルト体の一方の前記自由端部の表面に基部を止着した舌状片を前記仲介片に重ね合わせ、該舌状片の裏面に、前記仲介片と他方の前記自由端部側に設けた雌材を接離する面状ファスナの雄材を設けた、ふくらはぎ用サポータであって、
前記一対の第一ベルト片はそれぞれの基端部が共通で、かつ、連続している一方、前記一対の第二ベルト片はそれぞれの基端部が共通で、かつ、連続しており、
前記一対の第一ベルト片の共通の前記基端部は、前記サポータ本体のふくらはぎ側中央の上部に止着される一方、前記一対の第二ベルト片の共通の前記基端部は、前記サポータ本体のふくらはぎ側中央の下部に、前記一対の第一ベルト片の共通の前記基端部の止着位置とは離間して止着され、前記一対の第一ベルト片および前記一対の第二ベルト片は、それぞれの共通の前記基端部以外では、前記サポータ本体に止着されてなく、かつ、前記一対の第一ベルト片と前記一対の第二ベルト片とは前記仲介片によって連結されて一体に構成され、着用者の脛の前側となるむこうずね側で前記舌状片と前記仲介片との止着位置を変えることによってふくらはぎに対する圧迫力を変えるように構成されており
当該ふくらはぎ用サポータが脚のふくらはぎに装着された際には、前記舌状片と前記仲介片とがむこうずね側の上方に位置する一方、前記一対の第一ベルト片および前記一対の第二ベルト片の基端部側がそれぞれふくらはぎ側の上方と下方とに回って腓腹筋中央部から前脛骨筋をサポートすることを特徴とするふくらはぎ用サポータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ふくらはぎに被せるようにして取付けて、該ふくらはぎのむくみやだるさを解消するために用いるふくらはぎ用サポータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
伸縮性の在る弾性布地で構成した筒状のサポータ主体で成り、該サポータ主体をふくらはぎ部の外側にその弾性を利用して嵌めて用いるもの(例えば、特許文献1)や、前記弾性布地で逆梯形状のサポータ主体の側縁に、複数本の締付け部片を突設し、該締付け部片の先端に設けた面状ファスナの雄材を接離可能に接着する面状ファスナの雌材を、前記サポータ主体に設けて、サポータ主体と締付け部片とでふくらはぎ部を取り囲んで用いるようにした構造のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−264377号公報
【特許文献2】特開平10−225472号公法
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来構造のものは、ふくらはぎ部をサポータ主体を成す布地の伸縮性によって圧迫し、その圧迫によってむくみやだるさを解消するだけで、ふくらはぎのつりやこむら返りの発生に対処する術を持ち合わせていない。
【0005】
本発明は、ふくらはぎのつりやこむら返りの発生に対応でき、しかも、従前例と同様にむくみやだるさを解消し、当初の身に付けた(取付けた)状態を確実に維持できるふくらはぎ用サポータを提供することを目的として創案したものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
膝下から足首間の下脚部の表面に密接させる、弾性変形して自在に伸縮する布地から成る、筒状のサポータ本体と、該サポータ本体を取り囲む補助ベルト体で成り、補助ベルト体は、前記サポータ本体のふくらはぎ側中央の上部に基端を止着してサポータ本体を介して相対設した、一対の、略水平方向に配した第一ベルト片の自由端部と、前記サポータ本体のふくらはぎ側中央の、前記第一ベルト片の基端部より下部に基端を止着して前記サポータ本体を介して相対設した、一対の、傾斜状の第二ベルト片の自由端部を弾性変形して伸縮する仲介片を介して互いに接続して構成し、該補助ベルト体の一方の前記自由端部の表面に基部を止着した舌状片を前記仲介片に重ね合わせ、該舌状片の裏面に、前記仲介片と他方の前記自由端部側に設けた雌材を接離する面状ファスナの雄材を設けた、ふくらはぎ用サポータであって、前記一対の第一ベルト片はそれぞれの基端部が共通で、かつ、連続している一方、前記一対の第二ベルト片はそれぞれの基端部が共通で、かつ、連続しており、前記一対の第一ベルト片の共通の前記基端部は、前記サポータ本体のふくらはぎ側中央の上部に止着される一方、前記一対の第二ベルト片の共通の前記基端部は、前記サポータ本体のふくらはぎ側中央の下部に、前記一対の第一ベルト片の共通の前記基端部の止着位置とは離間して止着され、前記一対の第一ベルト片および前記一対の第二ベルト片は、それぞれの共通の前記基端部以外では、前記サポータ本体に止着されてなく、かつ、前記一対の第一ベルト片と前記一対の第二ベルト片とは前記仲介片によって連結されて一体に構成され、着用者の脛の前側となるむこうずね側で前記舌状片と前記仲介片との止着位置を変えることによってふくらはぎに対する圧迫力を変えるように構成されており、当該ふくらはぎ用サポータが脚のふくらはぎに装着された際には、前記舌状片と前記仲介片とがむこうずね側の上方に位置する一方、前記一対の第一ベルト片および前記一対の第二ベルト片の基端部側がそれぞれふくらはぎ側の上方と下方とに回って腓腹筋中央部から前脛骨筋をサポートするものである。
【発明の効果】
【0007】
ふくらはぎの痛みには、軽く温めることとストレッチが有効とされ、また、足がつる対処法として、テーピングと適度な圧迫が良いと言われている。本発明によれば、すね側の上方にV字状に伸びる補助ベルト体の伸縮性によるテーピング効果とふくらはぎ側を覆う補助ベルト体の圧迫で痛みの軽減を期待できる。また、ふくらはぎに対する圧迫力は自分でコントロールできるため締めすぎることなく調整も自在で、補助ベルトにより、腓腹筋中央部から前脛骨筋までを安定させることができ、ふくらはぎ全体をサポートさせ、ふくらはぎの攣りやこむら返りを予防し、足の運びや踏み出しにも考慮した、実用的なサポータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】舌状片を折り返して示した略示正面図。
図2】舌状方を折り返して示した略示左側面図。
図3】舌状方を折り返して示した略示右側面図。
図4】舌状方を折り返して示した略示背面図。
図5】使用状態を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面は、本発明に係るふくらはぎ用サポータの一実施形態を示し、図中、1はふくらはぎ用サポータAを構成するサポータ本体で、サポータ本体1は、膝下から足首までの長さを備え、ふくらはぎを被う部分を緩やかな円弧状のふくらみを施した筒状体で成り、弾性変形して自在に伸縮する布地で構成したものである。
【0010】
このサポータ本体1の背面(ふくらはぎ側)中央の上部には、該サポータ本体1を取り囲む補助ベルト体2の、略水平方向に配した一対の第一ベルト片3,3´の各一端を止着して止着部5Aし、また、該第一ベルト片3,3´の前記サポータ本体1に対する止着部5Aの、サポータ本体1の前面中央の下部には、第一ベルト片3,3´と共に前記補助ベルト体2を構成する、水平の前記第一ベルト片3,3´に対して角度を持たせて傾斜状の一対の第二ベルト片4,4´の一端を前記止着部5Aと同様に止着して止着部5Bして、前記サポータ本体1を介して一対の第一ベルト片3,3´同士と一対の第二ベルト片4,4´同士を相対するように配してある。
【0011】
そして、サポータ本体1の上下方向に互いに隣接する関係にある一方の第一ベルト片3と第二ベルト片4の自由端同士と他方の第一ベルト片3´と第二ベルト片4´の自由短同士を互いに止着してそれぞれ止着部5C,5Dし、水平方向に配した第一ベルト片3又は3´と該第一ベルト片3,3´に対して角度を持たせて配した第二ベルト片4,4´は、前記自由端の止着部5C,5D側を底部とする略横状V字形を構成する(図2図3図5)。
【0012】
図示7は、第一ベルト片3,3´と第二ベルト片4,4´の自由端部同士の前記止着部5C,5Dを接続し、弾性変形して自在に伸縮する布地で成る仲介片で、この仲介片7の表面側には第一ベルト片3,3´と第二ベルト片4,4´の自由端部同士の、一方の止着部5Cに基部を重ね合わせて止着した舌状片8を配してある。
【0013】
舌状片8は、前記第一ベルト片3,3´の素材である帯状ゴム紐で構成させてある。因みに、実施形態の第一ベルト片3,3´と舌状片8は、第一ベルト片3,3´間に舌状片8を介在させたような形態の単一な、前記の所謂帯状ゴム紐で構成し、該帯状ゴム紐の端末が第一ベルト片3,3´の基端を成し、前記止着部5Aとしてサポータ本体1に止着されている。この第一ベルト片3,3´同士の関係と同様に図示省略してあるが、第二ベルト片4,4´も単一な帯状ゴム紐を素材とし、両端末を、前記の通り、帯状ゴム紐を素材とする前記第一ベルト片3,3´と止着する一方、長手方向の中央部を前記止着部5Bとしてサポータ本体1に止着して第二ベルト片4,4´を構成する。
【0014】
前記舌状片8は、その裏面に面状ファスナの雄材9を備えて成り、該雄材9を接離させる、面状ファスナの雌材10を、止着部5Dにおいて互いに止着した、前記一方の第一ベルト片3´と一方の第二ベルト片4´の、互いに重なり合う自由端側の表面に重ね合わせて設けてある。
【0015】
そして、サポータ本体1の内側に脚、すなわち、ふくらはぎ部を嵌めるようにして身に付けると、該本体1の素材である弾性変形した自在に伸縮する布地によって脚部に安定的に取付けられる。この状態で第一ベルト片3,3´と第二ベルト片4,4´とが成す横状V字形部を、前記舌状片8を引張って互いに近接させると、これらベルト片3,3´.4,4´により腓腹筋中央部から前脛骨筋をサポートして、ふくらはぎを安定させ、足の運びや踏み出しを良好にさせ、この状態を舌状片8側のファスナ雄材9を補助ベルト体2側のファスナ雌材10に、サポータ本体1の円筒形の周方向の適所において(図3図5)止着させることにより維持させることができる。
【0016】
なお、各ベルト片3,3´.4,4´は、接触幅が広く、身にフィットさせるために扁平な帯状ゴム紐で構成したが、必ずしも帯状体である必要はない。また、各止着部5A,5B,5C,5Dは縫着手段を用いているが接着手段を用いても良く、仲介片7の表面は舌状片8側の面状ファスナの雄材が接離する面状ファスナ雌材構造を成している。そして、面状ファスナの雌材10は、第一ベルト片3´等の表面に重ね合わせて該第一ベルト片3´等に縫着されている。
【符号の説明】
【0017】
1 サポータ本体
2 補助ベルト体
3,3´ 第一ベルト片
4,4´ 第二ベルト片
7 仲介片
8 舌状片
図1
図2
図3
図4
図5