特許第5959252号(P5959252)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5959252-液圧式の制御弁装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5959252
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】液圧式の制御弁装置
(51)【国際特許分類】
   F15B 11/02 20060101AFI20160719BHJP
【FI】
   F15B11/02 J
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-63458(P2012-63458)
(22)【出願日】2012年3月21日
(65)【公開番号】特開2012-197937(P2012-197937A)
(43)【公開日】2012年10月18日
【審査請求日】2014年11月26日
(31)【優先権主張番号】10 2011 014 685.7
(32)【優先日】2011年3月22日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513139909
【氏名又は名称】リンデ ハイドロリックス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Linde Hydraulics GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング クラフト
【審査官】 加藤 一彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−031085(JP,A)
【文献】 特開2002−022054(JP,A)
【文献】 特開2001−002371(JP,A)
【文献】 特開2008−039042(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 11/00−11/02
F15B 11/08
F15B 20/00
F15B 13/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複動式の液圧シリンダ(7)を制御するための液圧式の制御弁装置(1)であって、中間位置において絞り作用を有する制御弁(2)が設けられていて、該制御弁(2)は、ポンプ(4)の搬送管路(3)、タンク(5)に通じるタンク管路(6)及び液圧シリンダ(7)に通じる消費機管路(8a,8b)と接続されており、制御弁(2)は、各1つの制御液圧(P;P)によって1つの制御位置(2b;2c)に向かって操作されるようになっており、該制御位置(2b;2c)において1つの消費機管路(8a;8b)が、搬送管路(3)に接続された供給側を形成し、かつ別の消費機管路(8b;8a)は、タンク(5)に接続された流出側を形成しており、消費機管路(8a,8b)には、弁座シール作用を有する各1つのカウンタバランス弁(15a,15b)が液圧シリンダ(7)のリークオイルのない遮断のために配置されており、該カウンタバランス弁(15a,15b)は漏れのない遮断位置(16a,16b)と貫流位置(18a,18b)とを有している形式のものにおいて、流出側に配置された弁座シール作用を有するカウンタバランス弁(15b;15a)は、制御弁(2)の制御液圧(P;P)によって貫流位置(18b;18a)に向かって操作可能であり、
負の負荷が液圧シリンダ(7)に作用した場合に、液圧シリンダ(7)の供給側における供給圧に関連して、カウンタバランス弁(15b,15a)を貫流位置へと負荷する制御液圧(P;P)に影響を及ぼすことができる、
ことを特徴とする、液圧式の制御弁装置。
【請求項2】
カウンタバランス弁(15b,15a)を操作するためにパイロット制御管路(20a;20b)が設けられていて、該パイロット制御管路(20a;20b)は、カウンタバランス弁(15b;15a)の、貫流位置(18b;18a)に向かって作用する制御面から延びて、制御弁(2)の制御液圧(P;P)を導く制御圧管路(10a;10b)へと接続されており、しかもパイロット制御管路(20a;20b)には絞り装置(21a,21b)が配置されていて、パイロット制御管路(20a;20b)は絞り装置(21a;21b)とカウンタバランス弁(15b;15a)との間において、供給側に通じる流出管路(22a;22b)と接続されており、該流出管路(22a;22b)内に別の絞り装置(23a;23b)が配置され、かつ該別の絞り装置(23a;23b)の下流に、供給側に向かって開放する遮断弁(24a;24b)が配置されている、請求項記載の制御弁装置。
【請求項3】
絞り装置(21a;21b;23a;23b)がオリフィス又はノズルとして形成されている、請求項記載の制御弁装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複動式の液圧シリンダを制御するための液圧式の制御弁装置であって、中間位置において絞り作用を有する制御弁が設けられていて、該制御弁は、ポンプの搬送管路、タンクに通じるタンク管路及び液圧シリンダに通じる消費機管路と接続されており、制御弁は、各1つの制御液圧によって1つの制御位置に向かって操作されるようになっており、該制御位置において1つの消費機管路が、搬送管路に接続された供給側を形成し、かつ別の消費機管路は、タンクに接続された流出側を形成しており、消費機管路には、弁座シール作用を有する各1つのカウンタバランス弁が液圧シリンダのリークオイルのない遮断のために配置されており、該カウンタバランス弁は漏れのない遮断位置と貫流位置とを有している形式のものに関する。
【背景技術】
【0002】
制御弁と消費機管路に配置された弁座シール作用を有するカウンタバランス弁とを備えた上記形式の制御弁装置は、DE10224731A1に基づいて傾け駆動装置を制御するために公知である。液圧シリンダの各流出側に配置されたカウンタバランス弁(オーバセンタ弁(Overcenterventil)とも呼ばれる)は、負の負荷の発生時における消費機運動の速度調整のために働き、負の負荷の発生時というのは、液圧シリンダにおいて引張り作用を及ぼし、制御弁によって制御される液圧シリンダ運動を助成する負荷が、発生した場合のことであり、この場合には消費機の流出側が制御される。さらに液圧シリンダのリークオイルのない遮断と遮断位置における負荷保持を達成するために、カウンタバランス弁は漏れのない遮断位置を有している。漏れのないカウンタバランス弁はこれによって、組み合わせられた負荷保持兼降下ブレーキ弁を形成している。
【0003】
液圧シリンダの流出側の消費機管路に配置されたカウンタバランス弁は、カウンタバランス弁を備えた消費機管路がタンクと接続されていて流出側を形成している制御位置への、制御弁の相応な操作時に、貫流位置へと開放制御されねばならない。
【0004】
DE10224731A1に基づいて公知の制御弁装置では、流出側に配置された漏れのないカウンタバランス弁は、制御弁の相応な操作時に、液圧シリンダの供給側における供給圧によって貫流位置に向かって開放制御される。そのために液圧シリンダの供給側には、パイロット制御管路が配置されており、このパイロット制御管路は、タンクに通じるタンク管路へと通じており、この場合パイロット制御管路には2つの絞り装置が配置されていて、両絞り装置の間には、流出側に配置されたカウンタバランス弁を開放制御するための制御液圧が生ぜしめられ、かつ測定される。
【0005】
流出側に配置されたカウンタバランス弁が供給側における圧力によって開放制御されるようになっている、公知の制御弁装置には、しかしながら振動の問題があり、この振動の問題は、液圧シリンダに作用する負の負荷、例えば引張り負荷を制御することを、時々不可能にし、このような振動を制御するために、負荷保持弁及び、絞り装置による該負荷保持弁の制御に関して高価な調整コストが必要である。負荷ケースの大きな帯域幅に基づいて、しかしながらいつも安定した状態を得ることができるのではなく、通常は妥協策しか得ることができない。さらに、液圧シリンダの供給側がカウンタバランス弁のパイロット制御管路とその中に配置された絞り装置とを介してタンクに接続されていることによって、効率を低下させる出力損失が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE10224731A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、冒頭に述べた形式の制御弁装置を改良して、安定した調整特性が得られ、かつカウンタバランス弁の制御時における出力損失を回避することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を解決するために本発明の構成では、流出側に配置された弁座シール作用を有するカウンタバランス弁が、制御弁の制御液圧によって貫流位置に向かって操作可能であるようにした。
【発明の効果】
【0009】
流出側に配置されたカウンタバランス弁が、制御弁を操作する制御液圧によって操作され、この制御液圧によって制御弁が、供給側をポンプと接続しかつ流出側をタンクと接続する制御位置へと操作されることによって、供給側の圧力による流出側のカウンタバランス弁の開放制御とは異なり、振動の問題を回避することができ、カウンタバランス弁の安定した調整特性を得ることができる。さらに、本発明のように流出側に配置されたカウンタバランス弁を、制御弁を操作する制御液圧によって操作することは、供給側をタンクと接続することによる出力損失を引き起こすことがないので、本発明のようにカウンタバランス弁を制御弁の制御液圧によって操作することによって、さらに改善された効率が得られる。
【0010】
本発明の有利な態様では、負の負荷が液圧シリンダに作用した場合に、液圧シリンダの供給側における供給圧に関連して、カウンタバランス弁を貫流位置へと負荷する制御液圧に影響を及ぼすことができるようになっている。流出側に配置された弁座シール作用を有するカウンタバランス弁は、制御弁の制御液圧によって貫流位置に負荷され、ひいては制御弁の制御液圧によって調整される。液圧シリンダに負の負荷が作用した場合に、カウンタバランス弁を貫流位置へと開放制御する制御液圧は、液圧の供給圧に関連して影響を受けて、変化させられる。これによって簡単に、液圧シリンダに負の負荷が作用した場合に、流出側のカウンタバランス弁の制御液圧を減じることができ、その結果、流出側に配置されたカウンタバランス弁は遮断位置に向かって負荷され、これにより流出側の横断面が減少することによって液圧シリンダに作用する負荷の速度を調整することができる。
【0011】
単純な構造に関して利点が得られる、本発明の別の有利な実施態様では、カウンタバランス弁を操作するためにパイロット制御管路が設けられていて、該パイロット制御管路は、カウンタバランス弁の、貫流位置に向かって作用する制御面から、制御弁の制御液圧を導く制御圧管路へと接続されており、しかもパイロット制御管路には絞り装置が配置されていて、パイロット制御管路は絞り装置とカウンタバランス弁との間において、供給側に通じる流出管路と接続されており、該流出管路内に別の絞り装置が配置され、かつ該別の絞り装置の下流に、供給側に向かって開放する遮断弁が配置されている。流出管路によって、カウンタバランス弁の制御液圧を導くパイロット制御管路と、液圧シリンダの供給側との接続を達成することができる。通常運転時には、供給側における圧力は、カウンタバランス弁の、パイロット制御管路における制御液圧よりも高いので、流出管路における逆止弁は閉鎖されていて、流出側に配置されたカウンタバランス弁は、制御弁の制御液圧によって貫流位置へと開放制御される。液圧シリンダに負の負荷が作用している場合には、供給側における圧力が低下する。制御液圧の値を下回るほど供給側における圧力が低下すると、流出管路における逆止弁は開放し、その結果、流出側のカウンタバランス弁の制御液圧は、両方の絞り装置と開放された遮断弁とを介して供給側へと減圧され、かつ場合によっては放圧される。これによって流出側に配置されたカウンタバランス弁は、遮断位置に向かって負荷され、降下ブレーキとしての機能をもって作動させられ、これにより流出側の横断面の減少によって、液圧シリンダに作用する負の負荷の速度を調整することができる。冒頭に述べた形式の制御弁装置とは異なり、消費機管路に配置されたカウンタバランス弁を制御するための信号案内を単に変化させるだけなので、カウンタバランス弁の本発明による制御形態は、制御弁の変更又は制御弁のハウジングの変更を不要にし、冒頭に述べた形式の制御弁装置にカウンタバランス弁の本発明による制御形態を後から簡単に備え付けることができる。
【0012】
カウンタバランス弁を操作する制御液圧を供給側へと放圧できるようにする絞り装置は、有利にはオリフィス又はノズルとして形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明による制御弁装置を備えたハイドロスタティック式の駆動系を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図1には、本発明による制御弁装置を備えたハイドロスタティック式の駆動系の回路図が示されている。
【0016】
制御弁装置1は、中間位置において絞り作用を有する、方向切換え弁として形成された制御弁2を有しており、この制御弁2は、開放した回路において運転されるポンプ4の搬送管路3と、タンク5に通じるタンク管路6とに接続されている。
【0017】
制御弁2は、複動式の液圧シリンダ7の運動方向及び運動速度を制御し、この場合制御弁2は、第1の消費機管路8aを用いて液圧シリンダ7の第1の圧力室7aと接続され、かつ第2の消費機管路8bを用いて液圧シリンダ7の第2の圧力室7bと接続されている。
【0018】
制御弁2は、中立位置として形成された遮断位置2aを有しており、この遮断位置2aにおいて消費機管路8a,8bと搬送管路3及びタンク管路6との接続は遮断されている。制御弁2の第1の制御位置2bにおいて、第1の消費機管路8aはポンプ4の搬送管路3と接続され、第2の消費機管路8bは、タンク5に通じるタンク管路6と接続されている。これにより第1の制御位置2bにおいて、第1の消費機管路8aは液圧シリンダ7の流入側を形成し、第2の消費機管路8bは液圧シリンダ7の流出側を形成する。制御弁2の第2の制御位置2cにおいて、第2の消費機管路8bはポンプ4の搬送管路3と接続され、第1の消費機管路8aは、タンク5に通じるタンク管路6と接続されている。これにより第2の制御位置2cにおいて、第2の消費機管路8bは液圧シリンダ7の流入側を形成し、第1の消費機管路8aは液圧シリンダ7の流出側を形成する。
【0019】
制御弁2はばね装置9a,9bによって、中央位置として形成された遮断位置2aへと押圧されている。制御弁2は液圧式に操作可能である。第1の制御位置2bに向かって制御弁2を操作するために、制御液圧Pを導く制御圧管路10aが、制御弁2の相応な制御面に接続されている。相応に、第2の制御位置2cに向かって制御弁2を操作するためには、制御液圧Pを導く制御圧管路10bが、制御弁2の相応な制御面へと通じている。
【0020】
制御弁装置1はさらに、弁座シール作用を有する各1つのカウンタバランス弁(Senkbremsventil)15a,15bを有しており、このカウンタバランス弁15a,15bは相応な消費機管路8a,8bに配置されている。カウンタバランス弁15a,15bは、液圧シリンダ7のリークオイルのない遮断のための漏れのない負荷保持弁の機能と、液圧シリンダ7の流出側を制御するためのカウンタバランスの機能とを有している。カウンタバランス弁15a,15bはそれぞれ、漏れのないもしくは弁座シール作用を有する遮断位置16a;16bを有しており、この遮断位置16a;16bには、液圧シリンダ7に向かう貫流方向において開放する遮断弁17a;17b、例えば逆止弁が配置されている。さらにカウンタバランス弁15a,15bは貫流位置18a;18bを有している。カウンタバランス弁15a,15bは中間位置において絞り作用を発揮する弁として形成されている。
【0021】
カウンタバランス弁15a,15bはそれぞればね装置19a;19bを用いて遮断位置16a;16bに向かって操作されている。
【0022】
本発明によれば、制御弁2の相応な操作時にそれぞれの流出側に配置されたカウンタバランス弁15b;15aは、制御弁2の制御液圧P;Pによって、貫流位置18b;18aに向かって操作可能であり、制御液圧P;Pは制御弁2を制御位置2b;2cに向かって操作し、この制御位置2b;2cにおいて、制御液圧P;Pによって貫流位置18b;18aへと開放制御されたカウンタバランス弁15b;15aが、タンク6に接続された消費機管路8b;8aに配置されている。
【0023】
そのためにカウンタバランス弁15bにはパイロット制御管路20aが設けられており、このパイロット制御管路20aは、カウンタバランス弁15bの、貫流位置18bに向かって作用する相応な制御面から延びて、制御弁2の制御液圧Pを導く制御圧管路10aへと通じており、この制御液圧Pは、制御弁2を第1の制御位置2bに向かって操作する。カウンタバランス弁15bの、制御圧管路10aから分岐するパイロット制御管路20aには、第1の絞り装置21aが配置されている。パイロット制御管路20aには、絞り装置21aとカウンタバランス弁15bの制御面との間において、流出管路22aが接続されており、この流出管路22aは、供給側を形成する消費機管路8aに接続されている。流出管路22aには第2の絞り装置23aが配置され、この絞り装置23aの下流に、消費機管路8aに向かって開放する遮断弁24a、例えばばね負荷された逆止弁が配置されている。
【0024】
カウンタバランス弁15aには相応にパイロット制御管路20bが設けられており、このパイロット制御管路20bは、カウンタバランス弁15aの、貫流位置18aに向かって作用する相応な制御面から延びて、制御弁2の制御液圧Pを導く制御圧管路10bに通じており、この制御液圧Pは、制御弁2を第2の制御位置2cに向かって操作する。カウンタバランス弁15aの、制御圧管路10bから分岐するパイロット制御管路20bには、第1の絞り装置21bが配置されている。パイロット制御管路20bには、絞り装置21bとカウンタバランス弁15aの制御面との間において、流出管路22bが接続されており、この流出管路22bは、供給側を形成する消費機管路8bに接続されている。流出管路22bには第2の絞り装置23bが配置され、この絞り装置23bの下流に、消費機管路8bに向かって開放する遮断弁24b、例えばばね負荷された逆止弁が配置されている。
【0025】
制御弁装置1は液圧シリンダ7を保護するために、圧力制限弁として形成された圧力制限装置30a,30bを有しており、この場合圧力制限弁30aは接続管路31aに配置されており、この接続管路31aは消費機管路8aに液圧シリンダ7とカウンタバランス弁15aとの間において接続されていて、タンク管路6へと通じている。相応に圧力制限弁30bが接続管路31bに配置されており、この接続管路31bは、消費機管路8bに液圧シリンダ7とカウンタバランス弁15bとの間において接続されていて、タンク管路6へと通じている。
【0026】
本発明による制御弁装置1は下記のように作動する。
【0027】
制御圧管路10aにおける制御液圧Pによる制御弁2の操作時に、制御弁2は第1の制御位置2bに向かって操作され、この制御位置2bにおいて第1の消費機管路8aは液圧シリンダ7の供給側を形成し、かつ第2の消費機管路8bは液圧シリンダ7の流出側を形成する。ポンプ4からの圧力媒体は、制御弁2を介して第1の消費機管路8aに流入し、かつ、遮断位置16aを占めている供給側に配置されたカウンタバランス弁15aの遮断弁17aを開放させて、液圧シリンダ7の圧力室7aに流入する。流出側を形成する消費機管路8bに配置されたカウンタバランス弁15bは、制御圧管路10aから分岐するパイロット制御管路20aを介して、制御弁2の制御液圧Pによって貫流位置18bに操作され、その結果圧力媒体は液圧シリンダ7の圧力室7bから、貫流位置18bに開放制御されたカウンタバランス弁15bと消費機管路8bとを介して、制御弁2にひいてはタンク5に流出することができる。
【0028】
流出側に配置された負荷保持弁15bを開放制御する制御液圧Pは、同様に流出管路22a内にも存在している。供給側の消費機管路8aにおけるフィード圧が制御液圧Pを上回っている限りは、流出管路22aの遮断弁24aは遮断位置を占めている。
【0029】
液圧シリンダ7において、該液圧シリンダ7の運動を助成する負の負荷、例えば引張り負荷が発生すると、供給側の消費機管路8aにおける圧力が低下する。供給側の圧力が制御液圧Pを下回って低下すると、流出管路22aにおける遮断弁24aは開放し、その結果パイロット制御管路20aに存在していて流出側の負荷保持弁15bを貫流位置18bに開放制御している制御液圧は、圧力降下する。パイロット制御管路20aにおけるこの圧力降下によって、流出側の負荷保持弁15bはばね装置19bによって、遮断位置16bに向かって操作され、これによってカウンタバランス弁15bは、負の負荷によって負荷された液圧シリンダ7の運動速度を調整する。従って流出側に配置されたカウンタバランス弁15bは制御弁2の制御液圧Pによって調整され、この制御液圧Pは流出管路22aを介して、供給側の消費機管路8aにおける供給圧に関連して変化させられかつ影響を受ける。
【0030】
相応に、制御圧管路10bにおける制御液圧Pによる制御弁2の操作時には、消費機管路8bが液圧シリンダ7の供給側を形成しかつ消費機管路8aが流出側を形成して、流出側8aに配置されたカウンタバランス弁15aは、制御弁2の制御液圧Pによって貫流位置18aに向かって負荷され、カウンタバランス弁15aの制御液圧は流出管路22bを介して、供給側の消費機管路8bにおける供給圧によって影響を受け、かつ変化させられる。
【0031】
これによってカウンタバランス弁15a,15bの本発明による制御時には、相応な流出側の消費機管路8a;8bに配置されたカウンタバランス弁は、流出側のカウンタバランス弁15a;15bの制御液圧P;Pが絞り箇所コンビネーション21b,23b;21a,23aと遮断弁24b;24aとを介してそれぞれの供給側へと圧力低下されることによって、負の負荷の発生時に液圧シリンダ7の運動速度を調整するための降下ブレーキとしての機能をもって作動させられる。
【0032】
絞り装置21a,21b,23a,23bはオリフィス又はノズルとして形成されていてよい。
【0033】
本発明による制御弁装置1は、遮断位置16a;16bにおける漏れのない、つまり弁座シール作用を有するカウンタバランス弁15a,15bによって、液圧シリンダ7の漏れのない遮断、ひいては漏れのない負荷保持を可能にする。制御弁2の制御液圧P,Pを用いた流出側のカウンタバランス弁15a,15bの制御によって、低速での安定した調整特性が得られる。さらに流出側のカウンタバランス弁15a;15bを本発明のように制御すると、出力損失が発生せず、高い効率を得ることができる。
【符号の説明】
【0034】
1 制御弁装置、 2 制御弁、 2a 遮断位置、 2b,2c 制御位置、 3 搬送管路、 4 ポンプ、 5 タンク、 6 タンク管路、 7 液圧シリンダ、 7a,7b 圧力室、 8a,8b 消費機管路、 10a 制御圧管路、 15a,15b カウンタバランス弁、 16a,16b 遮断位置、 17a,17b 遮断弁、 18a,18b 貫流位置、 19a,19b ばね装置、 20a,20b パイロット制御管路、 21a,21b 第1の絞り装置、 22a,22b 流出管路、 23a,23b 第2の絞り装置、 24a,24b 遮断弁、 30a,30b 圧力制限装置、 31a 接続管路、 P,P 制御液圧
図1