(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5959282
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
H01R 13/639 20060101AFI20160719BHJP
H01R 12/79 20110101ALI20160719BHJP
【FI】
H01R13/639 Z
H01R12/79
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-90608(P2012-90608)
(22)【出願日】2012年4月11日
(65)【公開番号】特開2013-218969(P2013-218969A)
(43)【公開日】2013年10月24日
【審査請求日】2015年3月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098017
【弁理士】
【氏名又は名称】吉岡 宏嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100120053
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 哲明
(72)【発明者】
【氏名】三浦 一乗
【審査官】
竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−204509(JP,A)
【文献】
特開2012−059535(JP,A)
【文献】
特開2011−108500(JP,A)
【文献】
特開2011−108501(JP,A)
【文献】
特開2013−008544(JP,A)
【文献】
特開2012−199187(JP,A)
【文献】
特表平11−512222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/639
H01R 12/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルケーブルを含む板状部が差し込まれる差込部と、
前記板状部が前記差込部に差し込まれた状態で、前記板状部に設けられた係止部を内部に露出させる凹部と、
前記凹部に配置され、前記凹部の内部に露出した前記係止部に係入して、前記板状部を保持する固定部品と
を備え、
前記凹部は、前記差込部と交差する方向に前記差込部を貫通して設けられ、
前記固定部品は、前記板状部の前記係止部に係入される保持部を有し、
前記保持部は、前記差込部を貫通する前後の前記凹部に亘って配置され、前記凹部の内部に露出した前記係止部の差込方向の前方の面と面接触するように形成されることを特徴とするコネクタ装置。
【請求項2】
前記保持部は、前記差込部を貫通する前後の前記凹部に亘って延びる平面部と、前記平面部の端部から前記差込方向と反対側に湾曲して延びる曲面部とを含み、
前記保持部が前記係止部に係入されたとき、前記平面部及び前記曲面部が前記係止部と接触することを特徴とする請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項3】
前記固定部品は、
前記曲面部の端部から前記凹部の外側へ延びて前記凹部から突出した部分を押圧することにより前記固定部品を撓ませるアーム部を備え、
前記保持部は、前記アーム部が前記固定部品を撓ませることにより、前記係止部に係入出可能であること
を特徴とする請求項2に記載のコネクタ装置。
【請求項4】
複数の前記凹部と、
前記複数の凹部にそれぞれ圧入される複数の前記固定部品と、
前記複数の固定部品の前記アーム部を接続する接続部とを備え、
前記接続部を押圧することにより、前記複数の固定部品が略同一方向に撓み、前記保持部が前記係止部に略同時に係入出可能であることを特徴とする請求項3に記載のコネクタ装置。
【請求項5】
前記係止部は、穴部及び切欠部の少なくとも1つであって、
前記係止部が前記穴部である場合は、前記保持部が、前記穴部を貫通して、前記板状部を保持し、
前記係止部が前記切欠部である場合は、前記保持部が、前記切欠部に係合して、前記板状部を保持することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルケーブルを端子部に装着するコネクタ装置に関し、特に、フレキシブル印刷配線基板(FPC)やフレキシブル平板状ケーブル(FFC)などの板状部が端子部に電気的に接続された状態を保持するコネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコネクタ装置は、
図11〜
図14に示すように、板状部材差込み部(A)が設けられるとともに複数のコンタクトが配列配置されたハウジング(B)と、ハウジングに配された実装用補強金具(C)とを備え、実装用補強金具に設けられたロック部(D)が板状部材差込み部を通じてハウジングに差し込まれたフレキシブル平板状ケーブル(E)を係止したもとで、ハウジングに一体的に設けられたロック解除部(F)の一端部(G)にハウジング内に向かう方向の押圧力が加えられるとき、ロック解除部が移動して、その他端部がロック部にフレキシブル平板状ケーブルに対する係止を解除させる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−119162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のコネクタ装置では、ハウジング、実装用補強金具(ロック部を含む)、及びロック解除部などの部品から構成され、部品点数が多く、これらを組み立てるアッセンブリ工数も多い。また、実装用補強金具がロック部と一体的に形成されるため、複雑な形状となり、実装用補強金具を成形するプレス金型も複雑なものとなる。さらに、従来のコネクタ装置では、フレキシブル平板状ケーブルが、ロック部のせん断面に保持されるため、傷付いたり切断したりする危険性がある。
【0005】
本発明の目的は、簡易な構成によりフレキシブルケーブルの保持及び解除を容易に行うことができ、フレキシブルケーブルを傷付けにくいコネクタ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコネクタ装置は、フレキシブルケーブルを含む板状部が差し込まれる差込部と、前記板状部が前記差込部に差し込まれた状態で、前記板状部に設けられた係止部を内部に露出させる凹部と、前記凹部に配置され、前記凹部の内部に露出した前記係止部に係入して、前記板状部を保持す
る固定部品とを備え
、前記凹部は、前記差込部と交差する方向に前記差込部を貫通して設けられ、前記固定部品は、前記板状部の前記係止部に係入される保持部を有し、前記保持部は、前記差込部を貫通する前後の前記凹部に亘って配置され、前記凹部の内部に露出した前記係止部の差込方向の前方の面と面接触するように形成される。この場合において、前記保持部は、前記差込部を貫通する前後の前記凹部に亘って延びる平面部と、前記平面部の端部から前記差込方向と反対側に湾曲して延びる曲面部とを含み、前記保持部が前記係止部に係入されたとき、前記平面部及び前記曲面部が前記係止部と接触することが好ましい。
【0007】
この構成によれば、基板固定部品が凹部に配置されることで、板状部の係止部に係入して、面接触で板状部を保持するので、簡易な構成によりフレキシブルケーブルの保持及び解除を容易に行うことができ、フレキシブルケーブルを傷付けにくいコネクタ装置を提供することである。
【0008】
本発明のコネクタ装置では、前
記固定部品は、
前記曲面部の端部から前記凹部の外側へ延びて前記凹部から突出した部分を押圧することにより前
記固定部品を撓ませるアーム部
を備え、前記保持部は、前記アーム部が前
記固定部品を撓ませることにより、前記係止部に係入出可能である
ことが好ましい。
【0009】
この構成によれば、アーム部を押圧して、基板固定部品を撓ませることで、保持部が係止部に係入出可能となるので、簡易な構成によりフレキシブルケーブルの保持及び解除を容易に行うことができる。
【0010】
本発明のコネクタ装置は、複数の前記凹部と、前記複数の凹部にそれぞれ圧入される複数の前記基板固定部品と、前記複数の基板固定部品の前記アーム部を接続する接続部とを備え、前記接続部に印圧することにより、前記複数の基板固定部品が略同一方向に撓み、前記保持部が前記係止部に略同時に係入出可能である。
【0011】
この構成によれば、複数のアーム部が接続され、接続部に印圧することで、複数の保持部が略同時に係止部に係入出可能となるので、簡易な構成によりフレキシブルケーブルの保持及び解除を容易に行うことができる。
【0012】
本発明のコネクタ装置では、前記係止部は、穴部及び切欠部の少なくとも1つであって、前記係止部が前記穴部である場合は、前記保持部が、前記穴部に貫通して、前記板状部を保持し、前記係止部が前記切欠部である場合は、前記保持部が、前記切欠部に係合して、前記板状部を保持する。
【0013】
この構成によれば、係止部の様々な形状及び構造が許容されるので、簡易な構成によりフレキシブルケーブルの保持及び解除を容易に行うことができ、フレキシブルケーブルを傷付けにくいコネクタ装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、簡易な構成によりフレキシブルケーブルの保持及び解除を容易に行うことができ、フレキシブルケーブルを傷付けにくいコネクタ装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施の形態のコネクタ装置の一例を含む図である。
【
図2】本実施の形態のコネクタ装置の構成を示した図である。
【
図4】
図1の線B−Bの断面図を矢印方向から見た図であり、フラットケーブルが差込部に差し込まれていない状態で、ハウジングに圧入された基板固定部品を示した図である。
【
図5】
図1の線B−Bの断面図を矢印方向から見た図であり、フラットケーブルが差込部に差し込まれた状態で、ハウジングに圧入された基板固定部品を示した図である。
【
図6】保持部が穴部(係止部)に係入出する状態を示した図である。
【
図7】基板固定部品が凹部に圧入された状態のハウジングを示した斜視図である。
【
図8】
図7の一部を拡大し、主要な構成部を示した図である。
【
図9】複数の凹部に圧入された複数の基板固定部品が接続部で接続されていることを示した図である。
【
図10】複数の基板固定部品が接続部と一体的に形成され、複数の凹部から分離している状態を示した図である。
【
図11】係止部が切欠部であることを示した図である。
【
図12】従来のコネクタ装置のハウジングを示した図である。
【
図13】従来のコネクタ装置の実装用補助(補強)金具を示した図である。
【
図14】従来のコネクタ装置のロック時における実装用補助(補強)金具の構造を示した図である。
【
図15】従来のコネクタ装置のロック解除時における実装用補助(補強)金具の構造を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態のコネクタ装置について、図面を用いて説明する。
図1は、本実施の形態のコネクタ装置の一例を含む図である。
図1に示すように、PCBコネクタ(コネクタ装置)1は、ハウジング2及び基板固定部品3を含む。基板固定部品3は、ハウジング2に配置(圧入)される。なお、配置には、圧入が含まれる。
【0017】
図2は、本実施の形態のコネクタ装置の構成を示した図である。
図2に示すように、フラットケーブル(フレキシブルケーブル)6を含む板状部16が、PCBコネクタ1の差込部5に差し込まれる。板状部16は、穴部(係止部)11を備える。ハウジング2は凹部13を備え、基板固定部品3が凹部13に配置(圧入)される。PCBコネクタ(コネクタ装置)1は、端子4を内部に備える。端子4は、ハウジング2の内部に装着され、差込部5に差し込まれたフラットケーブル(フレキシブルケーブル)6とコンタクト(接触部)を介して電気的に接続されて導通する。
【0018】
図3は、基板固定部品3の拡大図である。基板固定部品3は、保持部7、アーム部8、固定部9、圧入部10、及び平面部12を備える。
図4は、
図1の線B−Bの断面図を矢印方向から見た図であり、フラットケーブル6が差込部5に差し込まれていない状態で、ハウジング2に圧入された基板固定部品3を示した図である。
【0019】
基板固定部品3のアーム部8は、ハウジング2の凹部13の第1の側面(凹部側面部)23に圧接する。アーム部8のアーム突出部18が、凹部から突出し、突出した部分を押圧することにより基板固定部品を撓ませる。
【0020】
差込部5は、凹部13の第1の側面23と第2の側面33に設けられる。保持部7は、アーム部8が基板固定部品3を撓ませることにより、凹部13の側面23,33に設けられた差込部5を貫通するように、凹部13に配置(圧入)される。
図4に示すように、保持部7の一部は、凹部13に配置(圧入)された状態で、凹部13の第2の側面(凹部側面部)33に圧接する。基板固定部品3の撓みによる反力で、アーム部8が第1の側面23に圧接され、保持部7が第2の側面33に圧接される。このように、基板固定部品3は、凹部13に配置(圧入)された状態で、凹部13の第1の側面23及び第2の側面33を付勢することで、凹部13内に係止される。平面部12が平面凹部22に固定されている場合は、第1の側面23及び第2の側面33を付勢する必要はない。
【0021】
図3に示すように、平面部12は、保持部7と圧入部10を接続し、保持部7、アーム部8、固定部9、及び圧入部10とともに一体に形成されている。
図4に示すように、平面部12は、凹部13に配置(圧入)された状態で、ハウジング2の平面凹部22に接し、保持部7と反対側の端部を平面凹部22の第3の側面(凹部側面部)43に圧接させる。平面部12の端部が平面凹部22の角部(第3の側面43)に圧接することにより、基板固定部品3を撓ませるときの反力を得られる。平面部12が平面凹部22に固定されている場合は、平面部12の端部が平面凹部22の角部(第3の側面43)に圧接する必要はない。
【0022】
ここで、ハウジング2は、凹部13と平面凹部22とを備える。凹部13は、平面凹部22内に設けられ、平面凹部22よりも深度が深い。平面凹部22は、凹部13に設けられた差込部5よりも深度が浅い位置に位置する。本実施の形態では、凹部13と平面凹部22は階段状に設けられている。基板固定部品3は、凹部13に配置(圧入)された状態で、第1の側面23、第2の側面33、及び第3の側面43を付勢することで、凹部13内に係止される。この場合、基板固定部品3は、第2の側面33及び第3の側面43の少なくとも1つと第1の側面23とを付勢すればよい。平面部12が平面凹部22に固定されている場合は、側面23,33,34を付勢する必要はない。
【0023】
また、本実施の形態では、保持部7と平面部12の接合部が角部になっており、この接合部が、凹部13と平面凹部22の接合部(角部)に係止される。
【0024】
図5は、
図1の線B−Bの断面図を矢印方向から見た図であり、フラットケーブル6が差込部5に差し込まれた状態で、ハウジング2に配置(圧入)された基板固定部品3を示した図である。板状部16が差込部5に差し込まれた状態で、板状部16に設けられた穴部(係止部)11が凹部13の内部に露出する。板状部16が凹部13の第2の側面33に挿入され、第2の側面33の終端に達した状態で、穴部(係止部)11が凹部13の内部に露出するように、第2の側面33に設けられた差込部5の長さが設定される。
【0025】
基板固定部品3は、凹部13に配置(圧入)され、凹部13の内部に露出した穴部(係止部)11に係入(貫通)して、板状部16を保持する。この場合、アーム部8が基板固定部品3を撓ませることにより、保持部7が穴部(係止部)11に係入出可能となる。
【0026】
図6は、保持部7が穴部(係止部)11に係入出する状態を示した図である。
図6に示すように、アーム部8が、凹部13から突出し、突出した部分(アーム突出部18)を押圧することにより基板固定部品3を撓ませる。アーム突出部18が、差込部5と略平行に押圧されると、平面部12の端部が平面凹部22の角部(第3の側面43)に圧接し、平面部12が平面凹部22に圧接し、保持部7と平面部12の接合部が支点となって、基板固定部品3が押圧方向に撓む。
【0027】
ここで、保持部7は、曲面部と平面部とを備える。保持部7の曲面部は、アーム部8と接合され、一体的に形成されている。保持部7の平面部は、平面部12と略直角に接合され、一体的に形成されている。保持部7の曲面部は、アーム突出部18が押圧されると、第1の側面23を滑動し、又は第1の側面23から離脱し、保持部7の平面部が第2の側面33から離脱するように基板固定部品3を撓ませる。このように、保持部7の平面部が第2の側面33から離脱することで、保持部7が持ち上がり、保持部7が凹部13又は穴部(係止部)11に係入出可能となる。保持部7は、穴部(係止部)11に係入出可能となることで、差込部5に差し込まれたフラットケーブル(フレキシブルケーブル)6と端子4との電気的接続を保持したり、電気的接続を解除したりする。本実施の形態によれば、簡易な構成によりフラットケーブル(フレキシブルケーブル)6の保持及び解除を容易に行うことができる。
【0028】
図7は、基板固定部品3が凹部13に圧入された状態のハウジング2を示した斜視図である。
図3に示すように、平面部12は、L字型に形成され、保持部7と圧入部10が略直角に位置するように、保持部7と圧入部10を接続する。圧入部10は、突起状に形成され、
図7に示す溝部50に圧入(挿入)されることで、基板固定部品3を係止する。また、
図3に示すように、圧入部10は、圧入(挿入)方向に向かって幅が小さくなるような三角形状の突起部を含み、この突起部が溝部50に圧接して、基板固定部品3を係止する。
【0029】
図3に示すように、固定部9は、圧入部10と略直角に接合され、一体的に形成されている。
図7に示すように、基板固定部品3が凹部13に圧入された状態で、固定部9は、ハウジング2の底面に露出し、ハウジング2の底面に設けられる基板(図示せず)に固定される。この結果、PCBコネクタ(コネクタ装置)1が、基板に固定される。
【0030】
図7に示すように、アーム部8が押圧されると、基板固定部品3が押圧方向に撓み、保持部7が持ち上がる。この結果、保持部7が穴部(係止部)11から係出し、板状部16の保持が解除され、板状部16が差込部5から引き抜かれることを可能とする。
【0031】
図8は、
図7の一部を拡大し、主要な構成部を示した図である。
図8に示すように、基板固定部品3は、穴部(係止部)11が凹部13の内部に露出した状態で、穴部(係止部)11に係入し、保持部7の曲面部及び平面部が穴部(係止部)11に接して板状部16を保持するので、保持部7がフラットケーブルに面接触し、フラットケーブル(フレキシブルケーブル)6を傷つけにくい。
【0032】
以上、本発明にかかる実施の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において変更・変形することが可能である。
【0033】
例えば、
図9及び
図10に示すように、ハウジング2の両側に、凹部13及び基板固定部品3などが対称的に設けられてもよい。これらの構造は、本実施の形態と同様である。この場合、PCBコネクタ(コネクタ装置)1は、複数の凹部13と、複数の凹部13にそれぞれ圧入される複数の基板固定部品3と、複数の基板固定部品3のアーム部8を接続する接続部28とを備える。接続部28は、ハウジング2の両側に圧入される基板固定部品3のアーム部8を接続し、複数の基板固定部品3が一体的に形成される。接続部28は、アーム部8の押圧方向に略直角に延伸して、アーム部8を接続する。接続部28に印圧(押圧)することにより、複数の基板固定部品3が略同一方向(押圧方向)に撓み、保持部7が板状部16の穴部(係止部)11に略同時に係入出可能となる。例えば、接続部28を上方向に持ち上げると、複数の保持部7が略同時に持ち上がり、保持部7が凹部13又は穴部(係止部)11に略同時に係入出可能となる。この結果、基板固定部品3が複数ある場合に、それぞれを押圧しなくても、接続部28を印圧(押圧)することで、複数の基板固定部品3が略同時に凹部13に着脱可能となる。
【0034】
また、
図11に示すように、フラットケーブル(フレキシブルケーブル)6を含む板状部16は、穴部11の代わりに、切欠部(係止部)21を備えてもよい。係止部が穴部11である場合は、保持部7が、穴部11に貫通して、板状部16を保持し、係止部が切欠部21である場合は、保持部7が、切欠部21に係合して、板状部16を保持する。この他にも、係止部は、基板固定部品3の保持部7が凹部13に着脱して、板状部16を係止するものであれば、様々な形状や構造が考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係るコネクタ装置は、基板固定部品が凹部に圧入されることで、板状部の係止部に係入して、面接触で板状部を保持するので、簡易な構成によりフレキシブルケーブルの保持及び解除を容易に行うことができ、フレキシブルケーブルを傷付けにくくすることができ、フレキシブルケーブルを端子部に装着するコネクタ装置などとして有用である。
【符号の説明】
【0036】
1 PCBコネクタ
2 ハウジング
3 基板固定部品
4 端子
5 差込部
6 フラットケーブル(フレキシブルケーブル)
7 保持部
8 アーム部
9 固定部
10 圧入部
11 穴部
12 平面部
13 凹部
16 板状部
18 アーム突出部
21 切欠部
22 平面凹部
28 接続部
50 溝部