特許第5959283号(P5959283)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5959283歩行ロボットの反発力測定モジュール及びその測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5959283
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】歩行ロボットの反発力測定モジュール及びその測定方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/02 20060101AFI20160719BHJP
   B25J 5/00 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   B25J19/02
   B25J5/00 F
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-91837(P2012-91837)
(22)【出願日】2012年4月13日
(65)【公開番号】特開2013-116546(P2013-116546A)
(43)【公開日】2013年6月13日
【審査請求日】2015年4月6日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0128985
(32)【優先日】2011年12月5日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 碩 遠
(72)【発明者】
【氏名】梁 佑 誠
【審査官】 谷治 和文
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−255563(JP,A)
【文献】 特開2008−298486(JP,A)
【文献】 特開2005−214850(JP,A)
【文献】 特開2009−113146(JP,A)
【文献】 米国特許第08018229(US,B1)
【文献】 特開昭61−122539(JP,A)
【文献】 特開平09−285991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 19/02
B25J 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースフレーム、
前記ベースフレームに設けられ、一定角度の傾斜面を有する複数の側面と水平方向に形成された上面で構成された複数の設置部、
前記設置部の側面と上面にそれぞれ設けられた1軸フォース(Force)センサー、及び
前記1軸フォースセンサーの測定データから設置部毎にそれぞれの合力を計算し、設置部毎の合力を総合して地面反発力(GRF、Ground Reaction Force)を計算する制御部、を含む歩行ロボットの反発力測定モジュールであって、
前記ベースフレームの上方には、前記複数の設置部の前記1軸フォースセンサーとすべて面接触するように形成されたハウジングが結合されたことを特徴とする歩行ロボットの反発力測定モジュール。
【請求項2】
前記設置部は、ピラミッド状の4つの側面と1つの上面で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の歩行ロボットの反発力測定モジュール。
【請求項3】
前記1軸フォースセンサーは、FSR(Force Sensing Resister)方式の1軸センサーであることを特徴とする請求項1に記載の歩行ロボットの反発力測定モジュール。
【請求項4】
前記ベースフレームには、直角に配列された4つの設置部が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の歩行ロボットの反発力測定モジュール。
【請求項5】
前記ベースフレームは、歩行ロボット下肢の下端部に設置されたことを特徴とする請求項1に記載の歩行ロボットの反発力測定モジュール。
【請求項6】
前記制御部は、設置部上面の1軸フォースセンサーの測定データから設置部それぞれの垂直抗力を収集し、これを総合してゼロモーメントポイント(ZMP、Zero Moment Point)を計算することを特徴とする請求項1に記載の歩行ロボットの反発力測定モジュール。
【請求項7】
請求項1乃至に記載の歩行ロボットの反発力測定モジュールを利用した反発力測定方法であって、
前記1軸フォースセンサーの測定データを収集する収集段階、
前記収集された測定データから設置部それぞれの合力を計算する個別計算段階、及び
前記設置部それぞれの合力を総合して地面反発力(GRF、Ground Reaction Force)を計算する総合計算段階、を含み、
前記総合計算段階は、
前記収集された測定データから設置部上面の測定データを収集する一部収集段階、及び
前記設置部上面の測定データを総合してゼロモーメントポイント(ZMP、Zero Moment Point)を計算する一部計算段階、をさらに含むことを特徴とする歩行ロボットの反発力測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は歩行ロボットの反発力測定モジュール及びその測定方法に係り、ロボットの歩行制御に必要なゼロモーメントポイント(ZMP、Zero Moment Point)計算とバランス制御に必要な地面反発力の測定のための安価なセンサーモジュールを利用した歩行ロボットの反発力測定モジュール及びその測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
二本足で歩く二足歩行ロボット又は多足歩行ロボットの場合において、ロボットの姿勢制御、バランス制御のためにはリアルタイムで地面反発力(GRF; Ground Reaction Force)の測定及びフィードバックが必要である。
このために、既存のロボットに使用される地面反発力(GRF、Ground Reaction Force)測定センサーモジュールは、高価な6軸F/Tセンサー(Force/Torque Sensor)を利用した方法と、荷重センサー(FSR:Force Sensing Resister)及び歪みセンサー(ストレインゲージ)等を利用した方法等が大部分である(例えば、特許文献1〜3参照)。
前者のF/Tセンサーの場合、3軸の力と3軸のモーメントを同時に測定することにより地面反発力を比較的正確に測定することができるが、相当に高価なセンサーであり、実用化の可能性が少ない。
【0003】
一方、後者のFSRセンサーの場合、垂直方向の1軸の力しか測定することができないため、F/Tセンサーに比べ十分な情報が得られないという短所がある。
このため、安価なFSRセンサーを利用しながらも、F/Tセンサーを利用する場合と同様、多軸の地面反発力(Fx、Fy、Fz)を測定することができるセンサーモジュールの開発が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平06−198582号公報
【特許文献2】特開2000−176866号公報
【特許文献3】特開2009−291932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、ロボットの歩行制御に必要な地面反発力を測定するための安価な歩行ロボットの反発力測定モジュール及びその測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の歩行ロボットの反発力測定モジュールは、ベースフレーム、ベースフレームに設けられ、一定角度の傾斜面を有する複数の側面と水平方向に形成された上面で構成された複数の設置部、設置部の側面と上面にそれぞれ設けられた1軸フォース(Force)センサー、及び1軸フォースセンサーの測定データから設置部毎にそれぞれの合力を計算し、設置部毎の合力を総合して地面反発力(GRF、Ground Reaction Force)を計算する制御部、を含むことを特徴とする。
【0007】
ベースフレームの上方には、複数の設置部の1軸フォースセンサーとすべて面接触するように形成されたハウジングが結合されたことを特徴とする。
設置部は、ピラミッド状の4つの側面と1つの上面で構成されたことを特徴とする。
1軸フォースセンサーはFSR(Force Sensing Resister)方式の1軸センサーであることを特徴とする。
ベースフレームには、直角に配列された4つの設置部が設けられたことを特徴とする。
ベースフレームは、歩行ロボット下肢の下端部に設置されたことを特徴とする。
制御部は、設置部上面の1軸フォースセンサーの測定データから設置部それぞれの垂直抗力を収集し、これを総合してゼロモーメントポイント(ZMP、Zero Moment Point)を計算することを特徴とする。
【0008】
一方、請求項1乃至7に記載の歩行ロボットの反発力測定モジュールを利用した反発力測定方法は、1軸フォースセンサーの測定データを収集する収集段階、収集された測定データから設置部それぞれの合力を計算する個別計算段階、及び設置部それぞれの合力を総合して地面反発力(GRF、Ground Reaction Force)を計算する総合計算段階、を含むことを特徴とする。
総合計算段階は、収集された測定データから設置部上面の測定データを収集する一部収集段階、及び設置部上面の測定データを総合してゼロモーメントポイント(ZMP、Zero Moment Point)を計算する一部計算段階、をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の歩行ロボットの反発力測定モジュール及びその測定方法によると、安価なセンサーモジュールを利用して二足歩行ロボットの歩行時に発生する3次元の地面反発力を測定することができ、これを利用してゼロモーメントポイントを計算することができる。
また、モジュール化されたセンサーを通じて二足ロボットの歩行状態(両足支持、片足支持等)を判別することができ、地面反発力とゼロモーメントポイントを歩行ロボットにおける姿勢制御及びバランス制御に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施例による歩行ロボットの反発力測定モジュールの斜視図である。
図2図1に示した歩行ロボットの反発力測定モジュールにおいて、地面反発力を測定する過程を示す図面である。
図3図1に示した歩行ロボットの反発力測定モジュールにおいて、ゼロモーメントポイントを測定する過程を示す図面である。
図4】本発明の一実施例による歩行ロボットの反発力測定方法の順序図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付した図面を参照して本発明の望ましい実施例による歩行ロボットの反発力測定モジュール及びその測定方法について詳しく説明する。
【実施例】
【0012】
図1は、本発明の一実施例による歩行ロボットの反発力測定モジュールの斜視図である。
本発明の歩行ロボットの反発力測定モジュールは、ベースフレーム100、ベースフレーム100に設けられ、一定角度の傾斜面で構成された複数の側面320と水平方向に形成された1つの上面340で構成された複数の設置部300、設置部300の側面320と上面340にそれぞれ設けられた1軸フォース(Force)センサー500、及び1軸フォースセンサー500の測定データから各設置部300における合力を計算し、設置部300毎の合力を総合して地面反発力(GRF、Ground Reaction Force)を計算する制御部600、を含む。
【0013】
ここで、ベースフレーム100は、歩行ロボット各下肢の下端部にそれぞれ設置される。これにより歩行ロボットの足に作用する地面反発力とゼロモーメントポイントを計算することができる。ベースフレーム100にかかる地面反発力とゼロモーメントポイントを利用することによりロボットは安定的な歩行をすることができるように制御される。具体的に、ベースフレーム100を含む本発明の歩行ロボットの反発力測定モジュールは、ロボットの足の裏や足首の関節等に設置される。
【0014】
一方、ベースフレーム100は、一つのパネルで構成されるか、又は図1に示した実施例のとおり四分割されたパネルから構成され、それぞれのパネル又は地点に設置部300が設置される。
設置部300は、センサーが装着されるベースの役割をするものであり、一定角度の傾斜面で構成された複数の側面320と水平方向に形成された1つの上面340とで構成されてベースフレーム100に複数個が設けられる。
そして、設置部300の側面320と上面340にはそれぞれ1軸フォース(Force)センサー500が設けられる。
【0015】
制御部600は、複数の1軸フォースセンサー500の測定データの送信をすべて受信し、測定データから設置部300毎に合力を計算し、設置部300毎の合力を総合して地面反発力(GRF、Ground Reaction Force)を計算する。
すなわち、設置部300に設置された1軸フォースセンサー500は、1軸だけの力を測定する低廉型センサーであり、上面340又は側面320に垂直方向の力のみを測定する。
【0016】
図2図1に示した歩行ロボットの反発力測定モジュールにおいて、地面反発力を測定する過程を示す図面である。図示したとおり、設置部の上面340の1軸フォースセンサー500では上面340に垂直の力(f1)を測定し、同時に側面320では側方の力(f2)を測定する。f2は、1軸フォースセンサーの特性上、側面320に垂直な方向の力として測定される。側面320の傾いた角度は分かっているので、f1とf2の合力(f3)を知ることができる。具体的な合力(f3)を求める方式は、下の数式を利用することができる。下記数式1では、例として側面の傾き角度をπ/4として示した。
【0017】
【数1】
【0018】
数式1と図2に示したとおり、f1とf2そして側面320の傾き角度が分かっているので、f1からf2に向かうp方向の力を知ることができる。そしてp方向の力を通じてp方向の力とf1とがなす角度ξを知ることができ、角度ξを通じて角度η(=90−ξ)及び、f2からf3に向かうq方向の力を知ることができるのである。そして最終的にf2とp方向の力の合力を計算して最終合力(f3)を算出する。それぞれの設置部300で計算される合力は、このような方式の三角関数を利用して計算され、その設置部300毎の合力は再び三角関数によって統合された一つの地面反発力(GRF、Ground Reaction Force)として計算される。このようにして求められた地面反発力は、ベースフレーム全体にかかった一つの代表的な力と理解される。
【0019】
一方、ベースフレーム100の上方には複数の設置部300の1軸フォースセンサー500とすべて面接触して形成されたハウジング200が結合される。すなわち、図1は、ハウジング200が設置部300とベースフレーム100を覆った状態で内部の構成を透視した図面である。図示したとおりベースフレーム100には複数の設置部300が設置され、その上方をハウジング200が覆う。ハウジング200の内部には設置部300の外面に接してレイアウトされる窪みが形成され、ハウジング200の内面と設置部300の外面が面接触をなして構成される。
【0020】
具体的には、ハウジング200と設置部300各面の1軸フォースセンサー500が面接触をなすのであり、これによってハウジング200が受ける荷重は設置部300各面の1軸フォースセンサー500に伝達されて感知される。
また、設置部300は、ピラミッド状の4つの側面320と1つの上面340で構成される。そして、1軸フォースセンサー500はFSR(Force Sensing Resister)方式の1軸センサーで構成される。FSRセンサーは電気抵抗を利用したセンサーであり、1軸の荷重のみを感知することができ、安価に入手することができる。1軸フォースセンサー500は、本発明の構成において、低価型ロボットに最適に使用可能なため採用された。
1軸フォースセンサー500は、ベースとなる設置部300の上面340及び側面320の各々に配置される。
図1に示したとおりベースフレーム100には直角に配列された4つの設置部300を設けてベースフレーム100にかかる地面反発力を求めることができる。
【0021】
一方、制御部600は設置部上面340の1軸フォースセンサー500の測定データから設置部300それぞれの垂直抗力(N〜N)を収集し、これを総合してゼロモーメントポイント(ZMP、Zero Moment Point)を計算することができる。ここで、垂直抗力(N〜N)は各設置部300における上面340に垂直な力(f1)に相当する。図3図1に示した歩行ロボットの反発力測定モジュールにおいて、ゼロモーメントポイントを測定する過程を示す図面である。図示したとおり、設置部上面340の1軸フォースセンサー500は垂直抗力(N〜N)を感知するものであり、一定の任意の地点を原点として選定し、その原点からそれぞれの4つの垂直抗力(N〜N)に対してモーメントの和が0になる地点を計算する。モーメントの和が0になる地点がすなわちゼロモーメントポイント(ZMP、Zero Moment Point)である。よって、本発明の歩行ロボットの反発力測定モジュールによると、地面反発力とゼロモーメントポイントを求めることができ、このような数値はロボット歩行の安全性を制御するのに有効に使用される。
【0022】
図4は、本発明の一実施例による歩行ロボットの反発力測定方法の順序図である。
本発明の歩行ロボットの反発力測定モジュールを利用した反発力測定方法は、1軸フォースセンサーの測定データを収集する収集段階(S100)、収集された測定データから設置部それぞれの合力を計算する個別計算段階(S200)、及び設置部それぞれの合力を総合して地面反発力(GRF、Ground Reaction Force)を計算する総合計算段階(S300)を含む。
そして、総合計算段階(S300)は、収集された測定データから設置部上面の測定データを収集する一部収集段階(S400)及び設置部上面の測定データを総合してゼロモーメントポイント(ZMP、Zero Moment Point)を計算する一部計算段階(S500)をさらに含んでゼロモーメントポイントもまた計算することができるのである。
【0023】
上記の歩行ロボットの反発力測定モジュール及びその測定方法によると、安価なセンサーモジュールを利用して二足歩行ロボットの歩行時に発生する3次元の地面反発力を獲得することができ、これを利用してゼロモーメントポイントを計算することができる。
また、モジュール化されたセンサーを通じて二足ロボットの歩行状態(両足支持、片足支持等)を判別することができる。また、この地面反発力とゼロモーメントポイントは歩行ロボットにおける姿勢制御及びバランス制御に活用が可能である。
【0024】
本発明の権利は、上述した実施例に限定されず、請求の範囲に記載の内容によって定義され、本発明の分野における通常の知識を有する者が、請求の範囲に記載された権利範囲内で様々な変形と改作を行うことができることは自明である。
【符号の説明】
【0025】
100: ベースフレーム
200: ハウジング
300: 設置部
320: 側面
340: 上面
500: 1軸フォースセンサー
600: 制御部
f1: 上面に垂直な力
f2: 側面に垂直な力
f3: f1とf2の合力
〜N:垂直抗力
p: f1からf2に向かう力
q: f2からf3に向かう力
ξ: (f1とp方向がなす)角度
η: (水平面とp方向がなす)角度
X,Y,Z: 軸
ZMP: ゼロモーメントポイント
図1
図2
図3
図4