特許第5959286号(P5959286)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5959286
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/30 20060101AFI20160719BHJP
【FI】
   A63F9/30 502C
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-94719(P2012-94719)
(22)【出願日】2012年4月18日
(65)【公開番号】特開2013-220259(P2013-220259A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2015年3月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】310009993
【氏名又は名称】株式会社タイトー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100159651
【弁理士】
【氏名又は名称】高倉 成男
(74)【代理人】
【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100119976
【弁理士】
【氏名又は名称】幸長 保次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(74)【代理人】
【識別番号】100134290
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 将訓
(72)【発明者】
【氏名】河原 義弘
(72)【発明者】
【氏名】加藤 静治
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 敬介
(72)【発明者】
【氏名】河野 智幸
【審査官】 中村 和正
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−172299(JP,A)
【文献】 特開2009−183635(JP,A)
【文献】 特開2004−195173(JP,A)
【文献】 特開2006−223407(JP,A)
【文献】 特開2001−224838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00−9/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤの操作に応じて景品把持ユニットを制御し、前記景品把持ユニットにより筐体内に収容された景品を景品落とし口に落下させるゲーム装置において、
筐体内の景品が載置されるフィールドに配置された、前記景品落とし口とする開口部が設けられたシート状の弾性部材と、
前記開口部の位置を固定する固定部材と
を具備したことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記開口部に開口サイズが異なる複数種の筒状部材を着脱可能にしたことを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記固定部材は、前記開口部を、前記弾性部材の外縁側から引っ張る部材により構成されたことを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記固定部材は、前記開口部を、前記弾性部材の外縁側の複数箇所から支持する棒状の部材により構成されたことを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記固定部材を前記弾性部材の下面側に近接させて配設することを特徴とする請求項3または請求項4記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記弾性部材を支持する支持部材をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記景品把持ユニットを前記景品落とし口まで移動させる経路を設定する設定手段と、
前記設定手段によって設定された経路に応じて、前記景品把持ユニットを制御する制御手段とをさらに具備したことを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体内に景品等の物品が収容されるゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クレーンゲーム装置等のゲーム装置では、筐体内のゲームフィールドに複数の景品が載置される。プレーヤは、ボタンなどを操作することによりクレーンアーム(キャッチャー)の動きを制御して、景品が載置された位置まで移動させた後、景品を掴む、倒す、引き摺るといった動作をさせて景品を景品落とし口まで導くことにより、景品を獲得することができる。
【0003】
従来では、ゲーム内容を変化させて飽きがこないようにするために、景品を載置する景品載置エリアと景品を落下させる開口エリア(景品落とし口)とを含むゲームフィールドの形態を変形できる構成が考えられている。例えば、特許文献1に記載された景品獲得ゲーム装置では、景品を景品取出口に導くための景品誘導空間上において、開口エリアのレイアウトを変更可能に形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−207940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された従来技術では、景品誘導空間上に複数のパネル部材を配置するための支持部材を設け、この支持部材の梁部と枠部の位置に合わせてパネル部材がそれぞれ個別に着脱自在となるようにしている。このため、例えばゲーム運営側であるオペレータ等が、それぞれのパネル部材を所定の位置に配置したり、取り外したりする必要がある。
【0006】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、景品落とし口の位置をより簡単な作業によって変更することが可能なゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、プレーヤの操作に応じて景品把持ユニットを制御し、前記景品把持ユニットにより筐体内に収容された景品を景品落とし口に落下させるゲーム装置において、筐体内の景品が載置されるフィールドに配置された、前記景品落とし口とする開口部が設けられたシート状の弾性部材と、前記開口部の位置を固定する固定部材とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、景品落とし口の位置をより簡単な作業によって変更することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態におけるゲーム装置の外観構成を示す斜視図。
図2】本実施形態におけるゲーム装置の正面図。
図3】クレーンゲーム装置10の筐体内部の詳細な構成を示すために上部筐体12を取り除いて示す図。
図4】景品載置シートユニット17Rの構成を示す斜視図。
図5】景品載置シートユニット17Rの平面図。
図6図4に示すA−A線の断面を示す図。
図7図6に示すシート17R2の上に景品を載置した状態を示す図。
図8】支持部材32R,33Rが設けられた景品載置シートユニット17Rの構成を示す図。
図9図8に示すB−B線の断面を示す図。
図10】景品載置シートユニット17Rからシート17R2を取り除いた状態の平面図。
図11】支持部材17Ra1〜17Ra4を構成する2つの部材35,36の接合部を示す図。
図12】本実施形態におけるクレーンゲーム装置10の機能構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるゲーム装置の外観構成を示す斜視図、図2は、本実施形態におけるゲーム装置の正面図である。本実施形態のゲーム装置として、プレーヤの操作に応じてクレーンアーム(景品把持ユニット)を制御して、クレーンアームによる把持等により景品落とし口に落とされた景品を払い出すように動作するクレーンゲーム装置10を例に示す。
【0011】
図1及び図2に示すクレーンゲーム装置10は、上部筐体12と下部筐体13とから構成されている。上部筐体12は、前面と側面の一部がアクリル板などの透明板15(開閉部材)により覆われており、透明板15を通じて筐体内部の景品フィールド16L,16Rが視認できるようになっている。透明板15は、例えば正面側が開閉可能に構成されており、景品フィールド16L,16Rへの景品の入れ替えや補充、景品載置ユニット(詳細については後述する)を調整する場合等に開放することができる。
【0012】
本実施形態におけるクレーンゲーム装置10は、同時に2人のプレーヤがゲームを実施することができるように、2つのゲームユニット(左側ユニット10L、右側ユニット10R)が搭載されている。左側ユニット10Lと右側ユニット10Rとは、基本的に、中央の境界線において左右対称に構成されているものとする。2つのゲームユニットの景品フィールド16L,16Rは、仕切板(図示せず)によって区分されている。仕切板により区分された2つの景品フィールド16L,16Rには、それぞれ景品を積載することができる。
【0013】
本実施形態におけるクレーンゲーム装置10では、景品フィールド16L,16Rのそれぞれに、景品載置エリアを形成すると共に、景品を落下させる開口部(景品落とし口)を形成する景品載置シートユニット17L,17Rが設けられている。景品載置シートユニット17L,17Rは、弾性部材により形成されたシートを、景品フィールド16L,16Rに配設するためのものである。弾性部材により形成されたシートは、伸縮可能であるため、開口部(景品落とし口)の位置を変更することができる。また、景品載置シートユニット17L,17Rは、景品フィールド16L,16Rに対して脱着可能となっている。なお、景品載置シートユニット17L,17Rの詳細な構成については後述する。
【0014】
景品フィールド16Lの左側(景品載置シートユニット17Lの装着範囲)の下方部と景品フィールド16Rの右側(景品載置シートユニット17Rの装着範囲)の下方部のそれぞれには、景品フィールド16L,16Rから落下した景品を、下部筐体13の前面側に設けられた景品取出口21L,21Rに誘導するための景品誘導空間が設けられている。また、景品誘導空間には、奥側を高く、手前側を低くした傾斜面を設けている。傾斜面を設けることにより、景品落とし口から落下した景品が傾斜面に衝突し、景品取出口21L,21Rが設けられた下部筐体13の前面側に落下し易くなる。これにより、景品取出口21L,21Rから景品を取りやすくなる。
【0015】
図2に示すように、左右の景品フィールド16L,16Rの上方には、プレーヤ操作に応じて動作が制御されるクレーンアーム(キャッチャー)18L,18Rが装着されている(図1では景品フィールド16L,16Rを見やすくするために図示を省略している)。上部筐体12内の景品フィールド16L,16Rの上方には、それぞれクレーンアーム18L,18Rを、例えばX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向(上下方向)に移動させるためのクレーン機構部(図示せず)が設けられている。クレーン機構部は、例えば、コンパネ部23L,23Rに設けられた複数のボタン24L,24R(例えば、横移動ボタン、縦移動ボタン、降下ボタン)へのプレーヤ操作に応じて制御される。なお、コンパネ部23L,23Rには、ボタンだけでなく、プレーヤにより上下左右の方向を指示できるジョイスティックなどの入力デバイスを設けた構成としても良い。
【0016】
クレーンアーム18L,18Rの先端部には、景品を把持するための2本のアーム18La,18Ra(把持爪)が設けられている(なお、3本あるいは4本のアームを設けても良い)。アーム18La,18Raは、クレーンアーム18が下降されて景品に到達した位置で、閉じる(物を把持する)ように動作が制御される。
【0017】
また、上部筐体12の奥面には、景品ディスプレイ用のネットや景品を引っかけることができるフックを取り付け可能にしている。ネットやフックは、例えば奥面上部において水平方向に配設されたレールに取り付けられるようにして、レールに沿って左右方向に移動可能にする。ネットやフックを利用して景品を展示することで、ユーザにクレーンゲーム装置10の利用をアピールすることができる。
【0018】
下部筐体13の正面側には、景品取出口21L,21R、フロントメンテドア22、プレーヤによって操作が行われるコンパネ(コントロールパネル)部23L,23Rが設けられている。
景品取出口21L,21Rは、筐体内(景品フィールド)から景品を外部に取り出すためのもので、景品フィールド16L,16Rの下方部に設けられた景品誘導空間と連通している。クレーンアーム18L,18Rを操作して景品を景品落とし口に落下させることにより、景品取出口21L,21Rから景品を取り出すことができる。
【0019】
フロントメンテドア22は、下部筐体13の内部に収容された制御ユニット(制御PCB(Print Circuit Board))やその他の機構部に対して作業をするような場合に、管理者によって開放させることができる(鍵付き)。また、フロントメンテドア22の内部には、収納スペースが設けられており、補充用の景品などを収容しておくことができる。
【0020】
コンパネ部23L,23Rには、クレーンアーム18L,18Rを動作させるためにプレーヤにより操作される複数のボタン24L,24Rの他、コインが投入されるコイン投入口26L,26R、プレイ料金や投入されたコインに応じた残りプレイ回数を表示するための表示装置27L,27R(例えば7セグ表示器)等が設けられている。また、ゲーム実行中の効果音や音楽、メッセージ音声などを出力するためのスピーカ28が設けられている。
【0021】
また、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10には、管理者がクレーンゲーム装置10に対して各種設定をするための設定機器(図12に示す設定機器29)が設けられている。設定機器は、クレーンゲーム装置10の本体筐体から着脱可能な可搬型に構成されている。設定機器は、各種設定のための操作をする場合には、収納部から取り出して、クレーンゲーム装置10と近接した位置で手に保持した状態で取り扱うことができる。設定機器は、クレーンゲーム装置10の筐体内に収納された制御ユニットと、例えばケーブルや無線通信(無線LAN(Local Area Network)など)によって接続される。設定機器は、左側ユニット10Lと右側ユニット10Rのそれぞれに対する各種設定を個別にすることができるものとする。
【0022】
図3は、クレーンゲーム装置10の筐体内部の詳細な構成を示すために上部筐体12を取り除いて示す図である。
図3は、左側ユニット10Lと右側ユニット10Rの何れにも景品載置シートユニット17L,17Rを装着していない状態を示している。図3に示すように、左側ユニット10Lには、景品誘導空間36Lが設けられており、景品フィールド16L(景品載置シートユニット17L)に形成された景品落とし口から落下された景品が、景品取出口21Lまで通過可能となっている。景品誘導空間36Lには、景品フィールド16Lから落下された景品が衝突するように、クレーンゲーム装置10の前面側に傾斜した傾斜面37Lが形成されている。
【0023】
同様にして、右側ユニット10Rには、景品誘導空間36Rが設けられており、景品フィールド16R(景品載置シートユニット17R)に形成された景品落とし口から落下された景品が、景品取出口21Rまで通過可能となっている。景品誘導空間36Rには、景品フィールド16Rから落下された景品が衝突するように、クレーンゲーム装置10の前面側に傾斜した傾斜面37Rが形成されている。傾斜面37L,37Rは、例えば透明のアクリル板が脱着可能となっており、景品の落下などで傷ついたような場合に交換することができる。
【0024】
また、図3に示すように、景品フィールド16L,16Rには、景品誘導空間36L,Rの上方に景品載置シートユニット17L,17Rを脱着可能にするための装着枠が形成されている。
【0025】
なお、図1及び図3に示す構成では、景品フィールド16L,16Rとして使用される範囲の一部に景品誘導空間が設けられ、この景品誘導空間上に景品載置シート17L,17Rを設置するようにしているが、景品フィールド16L,16Rとして使用される範囲全体に景品誘導空間を設けて、景品載置シート17L,17Rを設置するようにしても良い。
【0026】
図4は、景品載置シートユニット17Rの構成を示す斜視図である。なお、景品載置シートユニット17Lは、景品載置シートユニット17Rと同一の構成を有するものとして説明を省略する。
【0027】
景品載置シートユニット17Rは、矩形枠17R0の内側にゴム等の弾性部材により形成されたシート17R2が張られている。なお、ゴム以外の弾性部材を用いることも可能である。シート17R2の中央部には、景品落とし口として用いられる、例えば円形状の開口部17R2aが設けられている。開口部17R2aには、筒状部材17R1が装着されている。開口部17R2aは、シート17R2が弾性部材により構成されているため円形状に限るものではなく、筒状部材17R1の開口部分の形状に合わせて変形させることができる。例えば、開口部17R2aの形状は、円形状の他に、楕円形、矩形、三角形などにすることも可能である。開口部17R2aには、開口サイズや形状が異なる複数種の筒状部材17R1を着脱可能である。これにより、シート17R2に載置する景品の形状やサイズに合わせて、筒状部材17R1を交換(開口部17R2aの形状を変形)することができる。
【0028】
開口部17R2aに筒状部材17R1を装着することで、シート17R2の上部に出ている部分は、シート17R2の上に載置された景品が、景品落とし口(シート17R2)に簡単に落下しないようにするための落下防止ガードとして機能し、シート17R2の下部に出ている部分は、クレーンアーム18Rの操作によって景品落とし口(シート17R2)に落下された景品を景品取出口21Rに誘導するように機能する。
【0029】
また、開口部17R2a(あるいは筒状部材17R1)には、矩形枠17R0内における位置を固定するための固定部材が装着されている。図4に示す固定部材として、開口部17R2a(筒状部材17R1)の例えば4箇所にワイヤ17R3,17R4,17R5,17R6が接続されている。ワイヤ17R3,17R4,17R5,17R6は、それぞれ一端が開口部17R2a(筒状部材17R1)の周囲に等間隔に接続され、他端が矩形枠17R0に設けられたロック機構17R7,17R8,17R9,17R10を通じて矩形枠17R0の枠外まで導出されている。
【0030】
ロック機構17R7,17R8,17R9,17R10は、図4に示す例では、矩形枠17R0の各辺の中央に設けられており、矩形枠17R0の枠内から枠外にワイヤ17R3,17R4,17R5,17R6を導出することができる貫通穴が設けられている。また、ロック機構17R7,17R8,17R9,17R10は、貫通穴を通したワイヤ17R3,17R4,17R5,17R6を固定することができる。これにより、開口部17R2a(筒状部材17R1)をシート17R2の外縁側(矩形枠17R0側)に引っ張って、位置を固定することができる。
【0031】
例えば、ワイヤ17R3は、ロック機構17R7の貫通穴に通されており、ロック機構17R7による固定を解除した状態において、クレーンゲーム装置10の管理者等が引っ張ることができる。シート17R2は、弾性部材により構成されているために、ワイヤ17R3を引っ張ることで開口部17R2a(筒状部材17R1)の位置を、ロック機構17R7が設けられた位置方向に移動させることができる。そして、開口部17R2a(筒状部材17R1)の位置が中央から移動された状態でワイヤ17R3をロック機構17R7により固定することで、開口部17R2a(筒状部材17R1)の位置が固定される。なお、ワイヤ17R3を引っ張る作業をする場合には、他のロック機構17R8,17R9,17R10によるワイヤ17R4,17R5,17R6のロックを解除しておくものとする。
【0032】
同様にして、ワイヤ17R4はロック機構17R8、ワイヤ17R5はロック機構17R9、ワイヤ17R6はロック機構17R10によって、引っ張った状態で固定することができる。
【0033】
従って、例えば2つのワイヤ17R3,17R4とを引っ張った状態にして、ロック機構17R7,17R8によってそれぞれ固定することで、矩形枠17R0のロック機構17R7,17R8に挟まれた角の方向に、開口部17R2a(筒状部材17R1)の位置を移動させることができる。
【0034】
なお、ワイヤ17R3,17R4,17R5,17R6は、シート17R2の下面側に近接(あるいは密着させても良い)させて配設されている。このため、ワイヤ17R3,17R4,17R5,17R6は、シート17R2に景品を載置する際に邪魔にならず、また美観を損なうこともない。さらに、シート17R2に景品を載置すると、シート17R2が弾性部材により構成されているため沈み込むが、シート17R2の下面側に近接されているワイヤ17R3,17R4,17R5,17R6によりシート17R2を下側より支えることができる。
【0035】
また、前述したロック機構17R7,17R8,17R9,17R10は、貫通穴を通したワイヤ17R3,17R4,17R5,17R6を固定するものとしているが、他の構成によって実現することも可能である。例えば、矩形枠17R0の枠にワイヤ17R3,17R4,17R5,17R6を係止する構造(引っ掛ける構造)を設けて、ワイヤ17R3,17R4,17R5,17R6を固定(ロック)することも可能である。
【0036】
また、図4に示す例では、開口部17R2a(筒状部材17R1)をシート17R2の中央に設けるとしているが、ワイヤ17R3,17R4,17R5,17R6の何れにも引っ張られていない状態において、開口部17R2a(筒状部材17R1)がシート17R2の中央から外れた位置となるようにしても良い。
【0037】
図5は、景品載置シートユニット17Rの平面図である。
図5に示す景品載置シートユニット17Rは、基本的に図4に示す景品載置シートユニット17Rと同様の構成をしているが、ロック機構17R7,17R8,17R9,17R10を設けた位置が異なる例を示している。図4に示す構成では、ロック機構17R7,17R8,17R9,17R10を矩形枠17R0の各辺の中央に設けているが、図5では、矩形枠17R0の角の近くにロック機構17R7,17R8,17R9,17R10を設けている。
【0038】
これにより、開口部17R2a(筒状部材17R1)の位置を角方向に容易に移動させることができる。図5に示す例では、1本のワイヤ17R3を引っ張ってロック機構17R7によって固定することで、シート17R2の中央にあった開口部17R2a(筒状部材17R1)を、図中破線で示す位置17R1a、すなわちロック機構17R7が設けられた角方向に簡単に移動させることができる。
【0039】
このように、図4に示す構成は、開口部17R2a(筒状部材17R1)を矩形枠17R0の辺方向に移動させることを容易にし、図5に示す構成は、開口部17R2a(筒状部材17R1)を矩形枠17R0の角方向に移動させることを容易にする。
【0040】
なお、図4及び図5に示す例では、4本のワイヤ17R3,17R4,17R5,17R6を設けた例を示しているが、少なくとも1本のワイヤを配設することにより、開口部17R2a(筒状部材17R1)の位置を移動させることが可能である。また、前述したように、複数本のワイヤを設けることによって、開口部17R2a(筒状部材17R1)の位置を移動可能な範囲を広げることが可能である。
【0041】
図6は、図4に示すA−A線の断面を示す図である。
図6に示すように、筒状部材17R1は、シート17R2の上下を貫通するように装着されている。図6に示す例では、ワイヤ17R3,17R5は、一端を筒状部材17R1に接続し、シート17R2の下面に近接させるように配設して、他端をそれぞれロック機構17R7,17R9から矩形枠17R0の枠外に導出させている。
【0042】
図7は、図6に示すシート17R2の上に景品を載置した状態を示す図ある。
図7に示すように、シート17R2は、弾性部材により構成されているため、景品30を載置すると下方向に撓んでしまう。しかし、ワイヤ17R3,17R5がシート17R2の下面に近接させるように配設されているため、ワイヤ17R3,17R5によってシート17R2の沈み込みを抑えることができる。
【0043】
開口部17R2aに装着された筒状部材17R1は、図7に示すように、シート17R2の上部に出ている部分が落下防止ガードとして機能するため、シート17R2が景品の重さによって沈み込んだとしても、景品の自然な落下を防止することができる。
【0044】
なお、重い景品をシート17R2に載置する場合、ワイヤ17R3,17R4,17R5,17R6のみでシート17R2の沈み込みを支えるのが困難となる可能性がある。そのため、図8に示すように、景品載置シートユニット17Rに、シート17R2を支持するための専用の支持部材32R,33Rを設けるようにしても良い。
【0045】
図8に示す景品載置シートユニット17Rは、図4と同様に構成されており、さらにシート17R2の下面側に近接させて棒状の支持部材32R,33Rが設けられている。支持部材32R,33Rは、例えば矩形枠17R0の向かい合う2辺間に、筒状部材17R1の移動可能範囲に含まれない位置に平行に配設されている。
【0046】
なお、支持部材32R,33Rは、矩形枠17R0の隣り合う2辺間に設けても良いし、1本、あるいは3本以上であっても良い。
【0047】
図9は、図8に示すB−B線の断面を示す図である。
図9に示すように、支持部材32R,33Rは、ワイヤ17R3,17R5とシート17R2との間に設けられている。これにより、シート17R2に景品を載置することでシート17R2が下方向に撓んだとしても、支持部材32R,33Rによって支えられることで沈み込みが低減され、ワイヤ17R3,17R5やロック機構17R7,17R9への負荷も軽減できる。
【0048】
なお、図8及び図9に示す例では、シート17R2の下面側に近接させて棒状の支持部材32R,33Rを設けるとしているが、棒状の部材に限るものではなく、筒状部材17R1の移動可能範囲外に、台状、紐状、ネット状などの支持部材を設けるようにしても良い。さらに、シート17R2の下面側から支持するのではなく、シート17R2の上面に紐状(ワイヤなど)や棒状の部材を取り付け、上方からシート17R2を吊り下げるようにして支持しても良い。
【0049】
また、前述した例では、ワイヤ17R3,17R4,17R5,17R6によって、開口部17R2a(筒状部材17R1)をシート17R2の外縁側より引っ張ることで位置を変更しているが、図10に示すように、剛性を有する支持部材17Ra1,17Ra2,17Ra3,17Ra4を設けることにより、開口部17R2a(筒状部材17R1)の位置を規定すると共にシート17R2の沈み込みを低減させるようにしても良い。
【0050】
図10は、景品載置シートユニット17Rからシート17R2を取り除いた状態の平面図を示している。
図10に示す支持部材17Ra1,17Ra2,17Ra3,17Ra4は、例えば金属などの剛性を有する材料を用いた、2つの部材が伸縮可能となるように連結された棒状の部材である。
【0051】
支持部材17Ra1,17Ra2,17Ra3,17Ra4は、それぞれ一端が筒状部材17R1の周囲に等間隔に接続され、他端が矩形枠17R0の角部に接続されている。支持部材17Ra1,17Ra2,17Ra3,17Ra4の両端の接続部分は、少なくとも水平方向に可動可能となっており、筒状部材17R1の位置の移動に伴って、支持部材17Ra1,17Ra2,17Ra3,17Ra4の向きを変えることができる。
【0052】
図11(a)(b)は、支持部材17Ra1,17Ra2,17Ra3,17Ra4を構成する2つの部材35,36の接合部を長さ方向の断面によって示している。
図11(a)(b)に示すように、一方の部材35は円筒形に構成され、他方の部材36は円柱状に構成されている。部材35は、部材36に対して挿抜が可能となっており、位置止め部材37を締めることにより位置を固定することができる。位置止め部材37は、例えばネジ等によって構成されている。
【0053】
例えば、図11(a)に示す状態の時に位置止め部材37を緩めることで、部材35を部材36から引き抜くことができる。そして、図11(b)に示すように、部材35を途中まで引き抜いたところで位置止め部材37を締めることにより、支持部材全体を長くすることができる。同様にして、部材36に部材35を挿入する範囲を長くすることで、支持部材全体を短くすることができる。
【0054】
図10において、筒状部材17R1の位置を変更する場合には、支持部材17Ra1〜17Ra4のそれぞれの位置止め部材37を緩めることで、それぞれの長さを変更できる状態にする。この状態で筒状部材17R1の位置を移動させると、筒状部材17R1の位置に変化に応じて、支持部材17Ra1〜17Ra4の部材35が部材36に対して挿抜される。そして、筒状部材17R1の位置決めをした後、支持部材17Ra1〜17Ra4の位置止め部材37を締めることで、支持部材17Ra1〜17Ra4の長さが固定され、筒状部材17R1の位置が固定される。
【0055】
支持部材17Ra1〜17Ra4は、剛性を有する材料(例えば金属)により形成されているため、位置止め部材37により長さを固定することで、シート17R2を下側から支持する支持部材としても機能する。
【0056】
このようにして、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10では、景品フィールド16L,16Rに景品載置シートユニット17L,17Rが設けられているため、景品落とし口(筒状部材17R1,17L1)の位置を簡単に変更することができる。
【0057】
なお、前述した説明では、矩形枠17R0内にシート17R2を張ることにより景品載置シートユニット17Rを形成しているが、矩形以外の例えば円形、楕円形、菱形などの形状の枠を用いることも可能である。この場合、景品誘導空間上に景品載置シートユニット17Rの枠形状に応じた、脱着可能にするための装着枠が設けられる。
【0058】
また、図4図7に示す構成では、筒状部材17R1の位置を固定するための固定部材としてワイヤを用いているが、帯状、パイプ状などの他の形状でも良く、また金属以外の材料を用いて構成することも可能である。
【0059】
次に、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10の制御機能について説明する。
図12は、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10の機能構成を示すブロック図である。
図12に示すように、クレーンゲーム装置10の筐体内部には、各種ユニットが実装された制御PCB(Print Circuit Board)68が設けられている。制御PCB68に実装されたユニットには、CPU70、RAM71、記憶装置72、入出力処理ユニット73、X軸モータ駆動部74、Y軸モータ駆動部75、Z軸モータ駆動部76、及びアーム駆動部77を含む。
【0060】
CPU70は、RAM71あるいは記憶装置72に記憶された制御プログラムやゲームプログラムを実行することにより、クレーンゲーム装置10全体を制御する。CPU70は、入出力処理ユニット73を介して入力されるコイン投入の検知信号に応じて、プレイ可能回数を示すクレジットデータをRAM71に記録する。また、CPU70は、入出力処理ユニット73を介して入力されるユーザ操作により指示されたクレーンアーム18L,18Rを移動させる指示に応じて、X軸モータ駆動部74、Y軸モータ駆動部75、Z軸モータ駆動部76、及びアーム駆動部77を制御して機構部69の各部を適宜動作させる。また、CPU70は、入出力処理ユニット73を介して、スピーカ28からの音声出力、表示装置27L,27Rにおける表示を制御する。
【0061】
RAM71は、制御プログラムやゲームプログラム等の各種プログラムの他、CPU70により実行される処理に伴うゲームを制御するための各種データを一時的に記憶する。RAM71に記録されるデータには、例えばプレイ可能回数を示すクレジットデータ、クレーンアーム18L,18Rの位置(X位置、Y位置)を示す位置データ等が含まれる。
【0062】
記憶装置72は、ROMやハードディスク等の不揮発性の記憶媒体にプログラムやデータを記憶する。
入出力処理ユニット73は、制御PCB68の外部に設けられた各種入出力デバイスとのインタフェースである。
X軸モータ駆動部74は、機構部69に設けられたX軸モータ80の駆動を制御する。Y軸モータ駆動部75は、機構部69に設けられたY軸モータ81の駆動を制御する。Z軸モータ駆動部76は、機構部69に設けられたZ軸モータ82の駆動を制御する。
アーム駆動部77は、クレーンアーム18L,18Rに設けられたアーム18La,18Raを開閉させるためのアームモータ83の駆動を制御する。
【0063】
機構部69は、例えば左側ユニット10Lと右側ユニット10Rのそれぞれに設けられる。機構部69は、図12に示すように、X軸モータ80、Y軸モータ81、Z軸モータ82、アームモータ83、及び景品検知センサ84が含まれる。
X軸モータ80は、X軸モータ駆動部74により駆動されるもので、クレーンアーム18L,18RをX軸方向(横方向)に移動させる。Y軸モータ81は、Y軸モータ駆動部75により駆動されるもので、クレーンアーム18L,18RをY軸方向(縦方向)に移動させる。Z軸モータ82は、Z軸モータ駆動部76により駆動されるもので、クレーンアーム18L,18RをZ軸方向(上下方向)に移動させる。
【0064】
アームモータ83は、アーム駆動部77により駆動されるもので、クレーンアーム18L,18Rのアーム18La,18Raを開閉させる。
景品検知センサ84は、クレーンアーム18L,18Rの操作によりプレーヤに景品が払い出されたことを検知する。
コンパネ部23Lには、図12に示すように、コイン投入口26L、コイン投入センサ86、横移動ボタン24La、縦移動ボタン24Lb、及び表示装置27Lが含まれる。なお、コンパネ部23Rは、コンパネ部23Lと同様に構成されるものとして説明を省略する。
コイン投入センサ86は、コイン投入口26Lから投入されたコインを検知して、入出力処理ユニット73に、コイン投入を示す検知信号を出力する。CPU70は、入出力処理ユニット73に入力された検知信号に応じて、プレイ可能回数を示すクレジットデータを記録する。
【0065】
横移動ボタン24Laは、プレーヤによるクレーンアーム18Lを横方向(X軸方向)に移動させる指示を入力するためのものである。横移動ボタン24Laは、プレーヤにより押下されている場合、押下された状態にあることを示す信号を入出力処理ユニット73に出力する。CPU70は、入出力処理ユニット73を通じて横移動ボタン24Laが押下されていることを検知すると、X軸モータ駆動部74を介してX軸モータ80を駆動してクレーンアーム18Lを横方向(X軸方向)に移動させる。CPU70は、横移動ボタン24Laが押されていない場合には、X軸モータ80の駆動を停止させる。
【0066】
縦移動ボタン24Lbは、プレーヤによるクレーンアーム18Lを縦方向(Y軸方向)に移動させる指示を入力するためのものである。縦移動ボタン24Lbは、プレーヤにより押下されている場合、押下された状態にあることを示す信号を入出力処理ユニット73に出力する。CPU70は、入出力処理ユニット73を通じて縦移動ボタン24Lbが押下されていることを検知すると、Y軸モータ駆動部75を介してY軸モータ81を駆動してクレーンアーム18Lを縦方向(Y軸方向)に移動させる。CPU70は、縦移動ボタン24Lbが押されていない場合には、Y軸モータ81の駆動を停止させる。
【0067】
また、横移動ボタン24Laと縦移動ボタン24Lbの操作に応じてクレーンアーム18Lの横/縦移動をさせた後、一定時間が経過した後に、CPU70は、景品取得シーケンスを開始する。すなわち、CPU70は、Z軸モータ駆動部76を介してクレーンアーム18Lの先端部が景品に到達する位置まで下降させ、アーム駆動部77を通じてアーム18Laに景品を掴む動作をさせた後、クレーンアーム18Lを上昇させる。CPU70は、景品取得シーケンスの後、X軸モータ80とY軸モータ81を駆動させて、クレーンアーム18Lを景品落とし口の上方まで移動させ、アーム18Laに景品を離す動作をさせる。
【0068】
表示装置27Lは、CPU70の制御のもとで各種の情報を表示する。表示装置27Lには、例えばクレジット数(プレイ可能回数)や動作モードの表示などが表示される。
【0069】
なお、設定機器29は、管理者がクレーンゲーム装置10に対して各種設定をするために使用されるもので、例えば各種の設定操作を入力するための複数のボタン(選択ボタン、決定ボタン、上下左右ボタン等)、各種設定画面等を表示するためのディスプレイ等が実装されている。なお、コンパネ部23L,23Rに設けられたボタン24と表示装置27L,27Rを用いて設定操作するようにしても良い。
【0070】
次に、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10の動作について説明する。
本実施形態では、前述したように、景品載置シート17L,17Rに設けられたパネルを操作することで、景品落とし口の位置を任意に変更することができる。クレーンゲーム装置10は、景品落とし口の位置の変更に応じて、例えば管理者による操作によって、景品取得シーケンスの後にクレーンアーム18L,18Rを景品落とし口の上方まで移動させるための経路を設定することができる。
【0071】
例えば、管理者は、設定機器29への操作によってクレーンアーム経路設定処理の実行を指示する。CPU70は、設定機器29から入力される指示に応じて、移動経路設定メニューを表示する。移動経路設定メニューでは、景品取得シーケンス(下降、アームによる把持動作、上昇)を実行させた後に、クレーンアーム18L,18Rを移動させる目標位置、すなわち景品落とし口が設けられた位置を指定できる複数の選択肢が用意されているものとする。
【0072】
ここで、景品落とし口が設けられた位置が設定機器29の操作により指定されると、CPU70は、入力された景品落とし口の位置を示すデータを記憶装置72に記憶させておく。このデータは、ゲーム実行時のクレーンアーム制御処理時に参照される。
【0073】
次に、プレーヤの操作に応じてクレーンアーム18L,18Rの移動を制御するクレーンアーム制御処理について説明する。ここでは、左側ユニット10Lにおいてクレーンアーム18Lを操作する場合を例にして説明する。
まず、クレーンゲーム装置10をプレイするために、プレーヤによりコイン投入口26Lからコインが投入される。コイン投入センサ86は、コインが投入されたことを検知すると入出力処理ユニット73に検知信号を出力する。CPU70は、コイン投入センサ86からの検知信号によりコイン投入を検知すると、クレーンアーム制御処理を開始する。
【0074】
CPU70は、クレーンアーム制御処理を開始すると、景品落とし口の位置を示すデータを記憶装置72からRAM71にロードする。
【0075】
CPU70は、横移動ボタン24Laあるいは縦移動ボタン24Lbの操作により、クレーンアーム18Lを横/縦移動させる指示があると、ボタン操作に応じて、クレーンアーム18Lを移動させるためのモータを駆動して、クレーンアーム18Lを移動させる。すなわち、CPU70は、横移動ボタン24Laが操作された場合には、X軸モータ駆動部74を通じてX軸モータ80を駆動して、クレーンアーム18Lを横方向(X軸方向)に移動させる。また、CPU70は、縦移動ボタン24Lbが操作された場合には、Y軸モータ駆動部75を通じてY軸モータ81を駆動して、クレーンアーム18Lを縦方向(Y軸方向)に移動させる。
【0076】
クレーンアーム18Lの横/縦移動がされた後、CPU70は、クレーンアーム18Lによって景品を把持させるための景品取得シーケンスを実行する。景品取得シーケンスでは、CPU70は、Z軸モータ駆動部76を介してクレーンアーム18Lの先端部が景品に到達する位置まで下降させ、アーム駆動部77を通じてアーム18Laに景品を掴む動作をさせた後、クレーンアーム18Lを上昇させる。
【0077】
CPU70は、クレーンアーム18Lを上昇させると、景品落とし口の位置を示すデータをもとに、X軸モータ80とY軸モータ81とを駆動して、クレーンアーム18Lを現在位置から景品落とし口の上方まで移動させる。CPU70は、クレーンアーム18Lを景品落とし口の上方まで移動させてからアーム18Laに景品を離す動作をさせた後、初期位置に移動させる。
【0078】
このようにして、クレーンゲーム装置10では、景品載置ユニットのパネルの操作によって変更される景品落とし口の位置に応じて、クレーンアーム18L,18Rの移動経路を変更することができる。
【0079】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0080】
10…クレーンゲーム機、12…上部筐体、13…下部筐体、15…透明板、16L,16R…景品フィールド、17L,17R…景品載置シートユニット、17R0…矩形枠、17R1…筒状部材、17R2…シート、17R2a…開口部、17R3,17R4,17R5,17R6…ワイヤ、18L,18R…クレーンアーム、21L,21R…景品取出口、23L,23R…コンパネ部、24L,24R…ボタン、26L,26R…コイン投入口。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12