特許第5959292号(P5959292)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5959292
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】自動車のロッド用保持具。
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/12 20060101AFI20160719BHJP
   F16B 5/12 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   B62D25/12 C
   F16B5/12 B
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-101046(P2012-101046)
(22)【出願日】2012年4月26日
(65)【公開番号】特開2013-226957(P2013-226957A)
(43)【公開日】2013年11月7日
【審査請求日】2015年4月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
(74)【代理人】
【識別番号】100088708
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】三村 康平
【審査官】 畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】 実公平01−013843(JP,Y2)
【文献】 特開昭59−076382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 25/12
F16B 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持孔付きの脚部及び前記脚部上周囲に突出したフランジを備え、車体側取付孔に前記脚部を係合した設置態様で、支持用ロッドを、前記支持孔にロッド基端部を抜止めして、車体側に倒れた収納位置と車体側から立ち上がる起立方向へ回動してロッド先端をフード側嵌合孔に嵌合してフードを開状態に保つ支持位置とに切換可能に支持するロッド用保持具であって、
前記ロッドは、基端部が略L形の屈曲部に形成されて、前記屈曲部が前記脚部の支持孔に挿通された状態で前記屈曲部より上側のロッド周囲を前記フランジの上面に摺接可能、かつ、前記ロッド端末側のロッド周囲を前記脚部の下端面に摺接可能な状態で支持されており、
前記保持具は、前記フランジの上面に設けられて、前記ロッドを収納位置から起立方向へ回動する過程で前記屈曲部より上側のロッド周囲圧接すると共に、起立方向へ最大まで回動するとその圧接力も最大となる形状の突起部を有していることを特徴とする自動車のロッド用保持具。
【請求項2】
支持孔付きの脚部及び前記脚部上周囲に突出したフランジを備え、車体側取付孔に前記脚部を係合した設置態様で、支持用ロッドを、前記支持孔にロッド基端部を抜止めして、車体側に倒れた収納位置と車体側から立ち上がる起立方向へ回動してロッド先端をフード側嵌合孔に嵌合してフードを開状態に保つ支持位置とに切換可能に支持するロッド用保持具であって、
前記ロッドは、基端部が略L形の屈曲部に形成されて、前記屈曲部が前記脚部の支持孔に挿通された状態で前記屈曲部より上側のロッド周囲を前記フランジの上面に摺接可能、かつ、前記ロッドの端末側のロッド周囲を前記脚部の下端面に摺接可能な状態で支持されており、
前記保持具は、前記脚部下端面に設けられて、前記ロッドを収納位置から起立方向へ回動する過程で前記ロッドの端末側のロッド周囲が圧接すると共に、起立方向へ最大まで回動するとその圧接力も最大となる形状の突起部を有していることを特徴とする自動車のロッド用保持具。
【請求項3】
前記突起部は高さが次第に高くなる傾斜部及び最も高くかつ平坦な頂部からなると共に、前記ロッドは収納位置から起立方向へ回動される過程で前記傾斜部に沿って摺動し、前記頂部に乗り上げた状態で前記支持位置となることを特徴とする請求項1又は2の自動車のロッド用保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のフードを開状態に支持するロッド(支持ロッドやフードサポートロッドなどとも称されている)を車体側に回動可能に保持する場合に好適なロッド用保持具の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のフードは、図7に例示されるごとく、車体パネル3に対しヒンジ5を介してエンジンルームERを開閉可能に覆うものである。同図のフード4は、その開閉端側のストライカ4aを車体側ロック部2aに係合することで閉状態をロックし、エンジンルーム内の点検を行う場合などにはロック解除した後、ヒンジ5を介して上開方向に回動操作される。そして、エンジンルームER側にあって保持具を介して回動可能に支持されたロッド7を、収納位置から上方に回動操作して、フード4の内側に設けられた嵌合孔にロッド先端を嵌合することで、フード4を開状態に支持する。
【0003】
ところで、従来の保持具は、特許文献1や2に開示されているごとく、支持孔付きの脚部及び脚部上周囲に突出したフランジを備えている。そして、保持具は、車体側取付孔に脚部を係合した設置態様で、ロッドを、支持孔にロッド基端部を挿入抜止めして、車体側に倒れた収納位置と起立方向へ回動してロッド先端をフード側嵌合孔に嵌合してフードを開状態に保つ支持位置とに切換可能に保持する。このロッドは、保持具の支持孔に応じた径の丸鋼棒からなり、ロッド基端側を屈曲部に形成し、ロッド先端側をフード側嵌合孔に差し込む。この場合、フード側嵌合孔は、ロッドに対する相対的な寸法・形状・配置誤差などを考慮してロッド先端の径よりも大きめに形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案公報平1−13843号公報
【特許文献2】特公平6−43842号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来保持具では、ロッドが先端をフード側の相対的に大きく形成された嵌合孔に差し込んで嵌合した支持態様において、通常はフード荷重によりロッド先端が嵌合孔の孔内で、上側円弧面に圧接し、下側に遊びを持っているため、フードが上下振動や上向応力を受けると、前記の圧接力が解放されて、それに起因して雑音が発生したり、ロッド先端が嵌合孔から外れ易くなる。このような事態は、ロッド先端が嵌合孔から不用意に外れると、フードが自重で下降つまり閉じ方向に回動されるため危険なものとなる。
【0006】
本発明の目的は、以上の課題を解決して、フードの開状態をロッドで支持した態様において、例えば、エンジン振動などがフードやロッドに加わることに起因したロッド先端とフード側嵌合孔との間の雑音発生を防いだり、フード側嵌合孔に対するロッド先端の不用意な外れを確実になくすようにした自動車のロッド用保持具を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため請求項1の本発明は、支持孔付きの脚部及び前記脚部上周囲に突出したフランジを備え、車体側取付孔に前記脚部を係合した設置態様で、支持用ロッドを、前記支持孔にロッド基端部を抜止めして、車体側に倒れた収納位置と車体側から立ち上がる起立方向へ回動してロッド先端をフード側嵌合孔に嵌合してフードを開状態に保つ支持位置とに切換可能に支持するロッド用保持具であって、前記ロッドは、基端部が略L形の屈曲部に形成されて、前記屈曲部が前記脚部の支持孔に挿通された状態で前記屈曲部より上側のロッド周囲を前記フランジの上面に摺接可能、かつ、前記ロッドの端末側(ロッド先端と反対側のロッド端末側のこと、以下同じ)のロッド周囲を前記脚部の下端面に摺接可能な状態で支持されており、前記保持具は、前記フランジの上面に設けられて、前記ロッドを収納位置から起立方向へ回動する過程で前記屈曲部より上側のロッド周囲圧接すると共に、起立方向へ最大まで回動するとその圧接力も最大となる形状の突起部を有していることを特徴としている。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の前提要件を同じくし、加えて、前記ロッドは、基端部が略L形の屈曲部に形成されて、前記屈曲部が前記脚部の支持孔に挿通された状態で前記屈曲部より上側のロッド周囲を前記フランジの上面に摺接可能、かつ、前記ロッドの端末側のロッド周囲を前記脚部の下端面に摺接可能な状態で支持されており、前記保持具は、前記脚部下端面に設けられて、前記ロッドを収納位置から起立方向へ回動する過程で前記ロッドの端末側のロッド周囲が圧接すると共に、起立方向へ最大まで回動するとその圧接力も最大となる形状の突起部を有していることを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記突起部は高さが次第に高くなる傾斜部及び最も高くかつ平坦な頂部からなると共に、前記ロッドは収納位置から起立方向へ回動される過程で前記傾斜部に沿って摺動し、前記頂部に乗り上げた状態で前記支持位置となる構成である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1と2の各発明では、図7に示されるごとくロッドが先端をフード側嵌合孔に差し込んで嵌合した支持態様において、通常はフード荷重によりロッド先端が嵌合孔(この嵌合孔はロッド先端との嵌合を良好にするため相対的に大きく設定される)の孔内で、上側円弧面に圧接し、下側に遊びを持っている。このため、従来構造だと、フードが上向きの振動や応力(例えばフードが開状態で開方向の風力)を受けると、前記圧接力が解放され、それによりロッド先端が嵌合孔から外れ易くなる。これに対し、本発明では、ロッドが突起部により前記圧接力が解放されても、自立しそれにより振動などに起因した雑音の発生を緩和したり、ロッド先端の不用意な外れを確実に防止できる。
【0011】
加えて、請求項1の発明では、突起部がフランジの上面にあるため、位置的な制約を受け難く設計通りの最適形状のものを付設でき、それにより前述の押圧力として充分な大きさを付与できる。これに対し、請求項の発明では、突起部が脚部下端面にあるため、請求項1に比べて通常状態で目視されず外観特性を維持できる点で優れている。
【0012】
請求項3の発明では、突起部が傾斜部及び最も高い頂部からなるため、ロッドが収納位置から支持位置に回動される過程で傾斜部の低いところから少しづつ圧接力を増して最終的に頂部に乗り上げることにより、特にロッドの収納位置から支持位置への回動操作特性を良好に維持できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】(a)は支持用ロッドが保持具に対し収納位置にある態様での模式外観図、(b)は支持用ロッドが保持具に対し支持位置にある態様での模式外観図である。
図2】(a)は図1(a)と同じ態様での図4のA−A線に対応した断面図、(b)は図1(b)と同じ態様での図4のB−B線に対応した断面図である。
図3】(a)と(b)は上記保持具単品を上又は下側より見た概略斜視図である。
図4】上記保持具単品を示し、(a)は上面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は下面図、(e)は車体側ブラケットに装着した状態での正面図である。
図5】(a)は図4(a)のA−A線拡大断面図、(b)は図4(e)のB−B線拡大断面図である。
図6】変形例を図2に対応して示し、(a)はロッドが収納位置にあるときの断面図、(b)はロッドが支持位置にあるときの断面図である。
図7】(a)は自動車のフードを開け、ロッドによりフードを開状態に支持した状態を示す模式図、(b)はそのロッド及び保持具と関連部を拡大した模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の最適な形態を図面を参照しながら説明する。以下の説明では、連結具の構造特徴、作動特徴、変形例の順に詳述する。
【0015】
(構造特徴)図7において、自動車1のフード4は、エンジンルームERの開口上面にあって、後側を車体パネル3のうち開口後縁部に対し左右一対のヒンジ5を介して開閉可能に取付けられ、先端中央部内側に設けたストライカ4aを車体パネル3のうちエンジンルームERの後側縁部に設けられたロック部2aに係止することによりエンジンルームを常時閉鎖状態を保つ。
【0016】
ここで、ロック部2aは、車内から遠隔操作されてフード4の先端をやや開放した状態で、ストライカ4aを掛け外し可能とし、不図示のロック解除レバーの操作によって完全に掛け外される。従って、フード4は、ロック解除レバーを操作した後、先端を持上げれば、ヒンジ5を介して開放方向へ回動され、エンジンルームERの上面を開放状態に開口する。また、その状態で、本発明の保持具8に保持されたロッド7を収納位置から起立方向へほぼ90°回動操作し、ロッド先端7cをフード内側に設けられたブラケット6の嵌合孔6aに差し込むと、フード4の荷重はロッド7で受け止められて、フード4を所定角度で開状態に支持し、エンジンルームER内を露出可能となる。
【0017】
ロッド7は、保持具8の支持孔14に応じた径の丸鋼棒からなり、ロッド基端側がクランク状に折り曲げられた屈曲部7aに形成され、ロッド先端7cが屈曲部7aと異方向に折り曲げられてフード側嵌合孔6aに差し込み易くなるようにしている。嵌合孔6aは、フード4の内側に付設されたフードステーと称されるブラケット6に設けられており、ロッド先端7cの径よりも少し大きな孔径となっている。
【0018】
保持具8は、耐熱性に優れた樹脂の射出成形品であり、 上下貫通した支持孔14を形成している脚部10と、脚部10の周囲に設けられた複数の係止爪13と、脚部10の上周囲に突出したフランジ15と、フランジ15の一端側を下側に折り曲げた規制部16と、フランジ15の上面15aに設けられた突起部17とを一体に有している。
【0019】
このうち、脚部10は、図3に示されるごとく円筒状であり、係止爪13を周囲に対向して設けている。各係止爪13は、コ形スリット12を介して区画された揺動片部の上側に設けられている。そして、各係止爪13は、図4(e)から推察されるごとく脚部10がブラケット3の取付孔3aに押し込められる過程で縮径方向に変位し、取付孔3aを通過したときに元の形状に復帰してブラケット3をフランジ15との間に挟持する。
【0020】
脚部の下端面11には干渉しないようにする窪み部11aが設けられている。この窪み部11aは、図2(a)のごとくロッド7が収納位置にあるときに端末7bが落ち込む凹状である。これにより、ロッド7は、起立状態から収納方向へ回動されると、端末7bが窪み部11aに嵌合して収納位置に切り換えられる。なお、ロッド7は、図7(a)のごとく収納位置に切り換えられた後、エンジンルームER内に設けられたフック9に先端側を引っ掛けて、不用意に動かないよう処理される。
【0021】
支持孔14は断面が楕円で全体が筒孔となっている。支持孔14の孔形状は、図5(a)のごとく規制部16に近い側が孔下側を除いて大きく欠肉された拡径孔部14aに形成され、かつ、図5(b)のごとく拡径孔部14aの手前にあって対向する内壁つまり係止爪13を形成している側の内壁を欠肉した拡径部14bに形成されている。
【0022】
フランジ15は、略中心に支持孔14を開口していると共に、上面15a及び規制部16に設けられた凹状の位置決め部16aを有している。位置決め部16aは、図2(a)のごとくロッド7が起立状態から収納位置に切り換えられたとき、前記した端末7bの窪み部11aへの落ち込みと同時に、屈曲部7aより上側のロッド周囲が軽く落ち込む凹状となっている。
【0023】
規制部16は、ストッパー作用を得るもので、図1図4(e)、図7(b)から分かるごとく、保持具8が脚部10をブラケット3の取付孔3aに係合した装着状態において、ブラケット3の対応縁部に沿って配置されることで保持具8に回転方向の外力が加わっても、ブラケット3の対応縁部に当接して不用意に動いたり回転されないようにする。
【0024】
突起部17は、上面15aにあって位置決め部16aから略90度逆時計回りの箇所に設けられている。また、突起部17は、図4に示されるごとく支持孔14の長孔に沿って略直線状に延びていて、最も高い頂部17aと、頂部17aの両側で頂部に近づくに従って次第に高くなる傾斜部17bとからなる。頂部17aは、ほぼ平坦となっていて、支持孔14の長径寸法より少し短い長さである。両側の傾斜部17bのうち、位置決め部16aに近い側の傾斜部17bが有効に作用する。
【0025】
(作用特徴)以上の保持具は従来品に比べて次のような利点を実現している。
(1)ロッド7を保持具8に組み付ける場合は、屈曲部7aを支持孔14のフランジ15側より脚部下端側に挿通する。その際、ロッド7は、例えば、屈曲部7aが図2(a)の状態となるよう回動して、端末7bを脚部10の下端面の窪み部11aに嵌合し、屈曲部7aより上側ロッド周囲を位置決め部16aに嵌合することにより抜け止めされて、それにより保持具10に対する挿通作業を完了する。なお、この構造において、支持孔14をやや長孔状とし、かつフランジ15に向けてその長軸側を拡径孔部14aにしたのは、保持具8の樹脂弾性に加えてロッド7の屈曲部7aを支持孔14に貫入し易くする効果の他、ロッド可動域に対しての逃げ形状となっており、ロッド7が拡径孔部14a及び窪み部11aの存在により倒れた状態で収納位置に切り換えられ、かつ収納位置でがたつきなく安定保持されるようにすることにある。
【0026】
(2)図2(a)の収納位置からロッド7を同(b)の矢印方向に回動すると、屈曲部7aは、端末7bが窪み部11aから、屈曲部7aより上側ロッド周囲が位置決め部16aからそれぞれ嵌合解除される。その後、ロッド7は、更に矢印方向に回動されると、屈曲部7aより上側ロッド周囲が突起部17の傾斜部17bを摺動しつつ頂部17aに達するまでの間に、傾斜部17bの傾斜角に応じて圧接度合を高めつつ、略90°回動した時点、すなわち頂部17aに最大のテンションで圧接される。
【0027】
(3)換言すると、以上の突起部17は、ロッド7が収納位置から起立方向へ回動される過程でまず傾斜部17bに沿って摺動し、最終的に頂部17aに乗り上げた状態で支持位置となる構成である。この作動特徴は、ロッド7が収納位置から起立方向へ回動される過程で、そのロッド基端部周囲つまり屈曲部7aより上側ロッド周囲が傾斜部17bに圧接すると共に、起立方向へ最大まで回動すると頂部17aを乗り上げてその圧接力も最大となる。
【0028】
図1図2及び図6中、符号Fの矢印は以上のような圧接力としての押圧力ないしはテンションを示している。この押圧力ないしはテンションは、図2及び図6において、ロッド7が図2(b)の端末7bと当たっている箇所ないしは頂部17aを支点として、ロッド先端7cを各図の時計回りの方向へ回動されるようにする力である。
【0029】
(変形例)図7は上記形態の突起部17を設ける箇所を変えた変形例を示している。この説明では、上記形態と同一又は類似する箇所に同じ符号を付し、重複記載を避けるため変更点に絞って述べる。
【0030】
すなわち、この変形例では、前記突起部17に相当する突起部18が突起部17と対向する側にあって、脚部10の下端面に突出形成されている。突起部18の形状は、突起部17とほぼ同じであり、頂部17aに対応した頂部18a及び傾斜部17bに対応した不図示の傾斜部とからなる。この突起部18は、突起部17で述べたことがそのまま当てはまる。
【0031】
なお、本発明は以上の形態例及び変形例に何ら制約されるものではなく、請求項で特定される構成を実質的に備えておればよく、細部は必要に応じて種々変更可能なものである。その一例として、形態ではフランジ15の上面に突起部17を突出形成し、変形例では脚部10の下端面に突起部18を突出形成したが、それぞれの突出高さを約1/2、或いはそれに準じた高さ配分とすることで、双方に突出形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1…自動車(2はパネル、ERはエンジンルーム)
3…車体側ブラケット(3aは取付孔)
4…フード(5はヒンジ)
6…フード側ブラケット(6aは嵌合孔)
7…支持用ロッド(7aは屈曲部、7bは端末、7cは先端)
8…ロッド用保持具
10…脚部(11は下端面、11aは窪み部、13は係止爪)
14…支持孔(14aは拡径孔部)
15…フランジ(16は規制部)
17…突起部(17aは頂部、17bは傾斜部)
18…突起部(18aは頂部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7