(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
水密又は気密状態で接合された両管部の接続箇所にわたって、両管部の離脱移動を阻止する既設離脱防止具を外装状態で締付け固定してある流体配管系統の耐震化工法であって、
前記一方の管部の外周面に挾持固定可能な第1管挾持具と、前記他方の管部の外周面に挾持固定可能な第2管挾持具と、前記両管挾持具同士を管軸芯方向での相対移動を阻止した状態で固定連結する連結具とを備えた離脱阻止装置、及び、前記既設離脱防止具よりも離脱防止性能が大きく、且つ、前記両管部の接続箇所に外装可能な分割構造の更新用の離脱防止具を準備する準備工程、
前記離脱阻止装置の第1・第2管挾持具を両管部の外周面に挾持固定し、前記第1・第2管挾持具を固定連結する前記連結具により両管部の管軸芯方向での相対移動を阻止する装置装着工程、
前記既設離脱防止具の締付け固定を解除して撤去する、又は前記更新用の離脱防止具の装着領域外に退避移動させる撤去又は退避工程、
前記両管部の接続箇所にわたって前記更新用の離脱防止具を外装して締付け固定する取替え工程、
前記離脱阻止装置の第1・第2管挾持具を両管部の外周面から撤去する装置撤去工程、
からなる流体配管系統の耐震化工法。
前記装置装着工程には、前記第1管挾持具又は第2管挾持具と既設離脱防止具との間に、締付け固定が解除された既設離脱防止具を更新用の離脱防止具の装着領域外に退避させるための退避スペースを確保する工程が含まれている請求項1記載の流体配管系統の耐震化工法。
前記装置装着工程には、前記連結具を構成する少なくとも二本の連結杆を、両管部に外装状態にある既設離脱防止具及び更新用の離脱防止具と干渉しない管径方向間隔で取り付ける工程が含まれている請求項1又は2記載の流体配管系統の耐震化工法。
前記装置装着工程には、前記第1管挾持具を構成する管周方向で複数に分割された第1分割挾持体における各端部の連結対、及び、前記第2管挾持具を構成する管周方向で複数に分割された第2分割挾持体における各端部の連結対のうち、管周方向の一箇所の連結対を除く他の連結対の端部同士を枢支連結するとともに、管軸芯方向で相対向する第1管挾持具の第1分割挾持体と第2管挾持具の第2分割挾持体とを前記連結具で固定連結し、第1管挾持具及び第2管挾持具をそれらの連結されていない端部間を開口させた状態で両管部の接続箇所にわたって外装する工程が含まれている請求項1〜3のいずれか1項に記載の流体配管系統の耐震化工法。
前記両管部が受口管部と挿口管部であり、前記更新用の離脱防止具が、前記受口管部の被係合部に係合可能な係合部を備え、且つ、前記挿口管部に外嵌装着される分割構造の離脱防止本体に、前記挿口管部の外周面に食い込み可能な爪部を備えた複数個の抜止め部材をそれらの爪部の周方向両端部が管軸芯方向で重合する状態で配設して構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の流体配管系統の耐震化工法。
請求項1〜5のいずれか1項に記載の流体配管系統の耐震化工法に用いられる離脱阻止装置であって、前記第1管挾持具が、前記一方の管部の外周面に食込み可能な抜止め部材を備えた環状の分割構造に構成され、前記第2管挾持具が、前記他方の管部の外周面に食込み可能な抜止め部材を備えた環状の分割構造に構成されているとともに、前記第1管挾持具の第1分割挾持体及び第2管挾持具の第2分割挾持体の各々には、既設離脱防止具及び更新用の離脱防止具における最大外径部位よりも管径方向外方に突出する取付け体が連結され、管軸芯方向で相対向する前記取付け体にわたって、前記連結具を構成する連結杆が固定連結され、前記第1管挾持具の両第1分割挾持体の端部同士及び第2管挾持具の両第2分割挾持体の端部同士をそれぞれ締結手段で脱着可能に枢支連結されている離脱阻止装置。
【背景技術】
【0002】
流体配管系統を構成する管路の一部には、水密又は気密状態で接合された両管部の接続箇所に離脱防止具を外装状態で締付け固定して、両管部の離脱防止力の向上を図っている管路構造が存在する。
【0003】
この既設の離脱防止具としては種々の構造のものが存在するが、その一例を挙げると、一方の管部である受口管部の受口端部の外周面に突出形成されている環状の被係合部に対して管径方向外方から係合可能な係合部を備え、且つ、他方の管部である挿口管部の外周面に外装状態で締付け固定可能な分割構造の離脱防止本体に、挿口管部の外周面に食い込み可能な爪部を備えた複数個の抜止め部材が管周方向に間隔をあけて装備されている既設離脱防止具が存在する。
【0004】
しかし、この既設離脱防止具の中には離脱防止性能が低く、例えば財団法人国土開発技術センター「地下埋設管路耐震継手の技術基準(案)」の定める離脱防止性能A級(3DkN以上)に適合していないものが存在する。
【0005】
そして、この離脱防止性能の低い既設離脱防止具が装着されている両管部の接続箇所の耐震化を図る方法として、従来では、次の(a)〜(h)の工程を備えた耐震化工法が提案されている。
(a)既設離脱防止具が装着されている両管部の接続箇所から上流側及び下流側に偏位した部位間を更新作業領域とし、この更新作業領域の両端側の二箇所に、管壁に形成される貫通孔に対応する部位に分岐管部を備えた分割構造の割T字管を取付け、各割T字管の分岐管部に作業用開閉弁を連結する工程、
(b)前記各作業用開閉弁に穿孔機を連結し、この穿孔機の切削具を開弁操作された作業用開閉弁及び割T字管の分岐管部を通して送り込んで流体管の管壁に貫通孔を形成したのち、作業用開閉弁を閉弁操作し、穿孔機を撤去する工程、
(c)前記作業用開閉弁に、更新作業領域への流体の流入を阻止する弁体と、この弁体を作業ケース内の流路開放位置と管壁に形成された貫通孔を通して流体管内に移入した流路遮断位置とに切り替える弁操作手段とを備えた流路遮断装置を連結する工程と、
(d)前記両流路遮断装置の作業ケースにわたってバイパス配管を接続する工程と、
(e)前記両流路遮断装置の弁体を、開弁操作された作業用開閉弁及び流体管の貫通孔を通して流体管内の流路遮断位置に移入させ、流体管の更新作業領域の両端側の二箇所を遮断するとともに、前記更新作業領域の両外側に位置する流体管の両管部同士を、両割T字管の分岐管部と両作業ケース及びバイパス配管を介して連通させる工程と、
(f)前記流体管の更新作業領域にある更新対象の管路構成体を分離して撤去するとともに、撤去後の流体管の両残置管部に対して新たな耐震管(例えば、NS形ダクタイル鉄管、GX形ダクタイル鉄管)を布設する工程と、
(g)新たな耐震管の接続後において、前記弁体を流路遮断位置から流路開放位置に切り替え、作業用開閉弁を閉弁操作し、前記流路遮断装置を撤去する工程と、
(h)前記作業用開閉弁に、割T字管の分岐管部の開口を密封する蓋体を備えた蓋装着機を連結し、この蓋装着機の蓋体を開弁操作された作業用開閉弁を通して割T字管の分岐管部に取り付けた後、蓋装着機及び作業用開閉弁を撤去する工程。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の耐震化工法では、上述の(a)〜(h)で記載した多数の作業工程と機材が必要で、しかも、既設離脱防止具が装着されている両管部の接続箇所のみならず、それの上流側及び下流側に偏位した部位に装着される両割T字管を含めた広い範囲を掘削する必要があり、工事期間が増加するとともに、工事費の高騰化を招来する問題があった。
【0008】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、耐震化工事期間の短縮化と工事費の低減化を図りながら既設離脱防止具が装着されている両管部の接続箇所の耐震化を実施することのできる流体配管系統の耐震化工法及びそれに用いられる有用な離脱阻止装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による第1の特徴構成は、水密又は気密状態で接合された両管部の接続箇所にわたって、両管部の離脱移動を阻止する既設離脱防止具を外装状態で締付け固定してある流体配管系統の耐震化工法であって、
前記一方の管部の外周面に挾持固定可能な第1管挾持具と、前記他方の管部の外周面に挾持固定可能な第2管挾持具と、前記両管挾持具同士を管軸芯方向での相対移動を阻止した状態で固定連結する連結具とを備えた離脱阻止装置、及び、前記既設離脱防止具よりも離脱防止性能が大きく、且つ、前記両管部の接続箇所に外装可能な分割構造の更新用の離脱防止具を準備する準備工程、
前記離脱阻止装置の第1・第2管挾持具を両管部の外周面に挾持固定し、前記第1・第2管挾持具を固定連結する前記連結具により両管部の管軸芯方向での相対移動を阻止する装置装着工程、
前記既設離脱防止具の締付け固定を解除して撤去する、又は前記更新用の離脱防止具の装着領域外に退避移動させる撤去又は退避工程、
前記両管部の接続箇所にわたって前記更新用の離脱防止具を外装して締付け固定する取替え工程、
前記離脱阻止装置の第1・第2管挾持具を両管部の外周面から撤去する装置撤去工程、
からなる点にある。
【0010】
上記構成によれば、離脱防止性能の低い既設離脱防止具が装着されている両管部の接続箇所の耐震化を図る場合、先ず、既設離脱防止具の装着領域及び更新用の離脱防止具の予定装着領域から管軸芯方向に離れた両管部の外周面に、離脱阻止装置の第1・第2管挾持具を挾持固定し、この第1・第2管挾持具を固定連結する連結具により、既設離脱防止具の締付け固定を解除しても、両管部が流体圧で離脱することを確実に阻止することができる。
【0011】
この離脱阻止装置にて両管部の相対移動を阻止した状態においても、当該離脱阻止装置を構成する第1・第2管挾持具及び連結具の部材間に存在する空間を通して既設離脱防止具の締付け固定を容易に解除操作することができる。
【0012】
しかも、固定解除された既設離脱防止具を複数に分解操作できる、又は、複数に切断分離できる場合には、この分解された部品又は切断分離された切断片を離脱阻止装置の部材間の空間を通して簡単に撤去することができる。
【0013】
また、既設離脱防止具が固定解除操作された時点から離脱防止性能の大きな更新用の離脱防止具を取付けるまでの時間が優先される場合には、固定解除操作された既設離脱防止具を更新用の離脱防止具の装着領域外に退避移動させることができるから、更新用の離脱防止具の装着開始時期を早めることができる。
【0014】
既設離脱防止具よりも離脱防止性能が大きな更新用の離脱防止具が両管部の接続箇所にわたって締付け固定された時点で、両管部の接続箇所の耐震化が実質的に完了するから、離脱阻止装置の第1・第2管挾持具を両管部の外周面から安全に撤去することができるとともに、更新用の離脱防止具の装着領域外に退避移動された既設離脱防止具の分解作業又は切断分離作業を、離脱阻止装置が撤去されたのちの広い空間で容易に行うことができる。
【0015】
さらに、更新用の離脱防止具の装着領域外に退避移動された既設離脱防止具をそのまま残置しても問題が無い場合には、既設離脱防止具を撤去せずに耐震化工事を終了することも可能となる。
【0016】
したがって、従来の耐震化工法に比して使用機材数及び工程数を大幅に削減することができ、しかも、離脱阻止装置の第1・第2管挾持具を装着可能な範囲を掘削するだけで済むから、更新作業領域の両端側の二箇所に割T字管を取付ける場合に比して掘削範囲を大幅に削減することができ、耐震化工事期間の短縮化と工事費の低減化を図りながら既設離脱防止具が装着されている両管部の接続箇所の耐震化を実施することができる。
【0017】
本発明による第2の特徴構成は、前記装置装着工程には、前記第1管挾持具又は第2管挾持具と既設離脱防止具との間に、締付け固定が解除された既設離脱防止具を更新用の離脱防止具の装着領域外に退避させるための退避スペースを確保する工程が含まれている点にある。
【0018】
上記構成によれば、両管部の接続箇所にわたって離脱阻止装置の第1・第2管挾持具を挾持固定したときには、一方の第1管挾持具又は第2管挾持具と既設離脱防止具との間に退避スペースが確保されているから、既設離脱防止具の錆び等の固着状況や必要とされる施工時間等に応じて、固定解除されている既設離脱防止具をそのまま撤去するか、或いは、この既設離脱防止具を予め確保されている退避スペースに退避移動させる選択肢の中から最も適切な方法を選択することができる。
【0019】
本発明による第3の特徴構成は、前記装置装着工程には、前記連結具を構成する少なくとも二本の連結杆を、両管部に外装状態にある既設離脱防止具及び更新用の離脱防止具と干渉しない管径方向間隔で取り付ける工程が含まれている点にある。
【0020】
上記構成によれば、両管部の接続箇所にわたって離脱阻止装置の第1・第2管挾持具を挾持固定したとき、管部に外装状態にある既設離脱防止具又は更新用の離脱防止具と連結具の各連結杆との間においても干渉しない分だけ空間を形成することができるので、離脱阻止装置の各部材間に存在する空間と合わせて適宜選択使用することにより、既設離脱防止具の固定解除作業や退避スペースへの退避作業、或いは、更新用の離脱防止具の装着作業を能率良く容易に行うことができる。
【0021】
本発明による第4の特徴構成は、前記装置装着工程には、前記第1管挾持具を構成する管周方向で複数に分割された第1分割挾持体における各端部の連結対、及び、前記第2管挾持具を構成する管周方向で複数に分割された第2分割挾持体における各端部の連結対のうち、管周方向の一箇所の連結対を除く他の連結対の端部同士を枢支連結するとともに、管軸芯方向で相対向する第1管挾持具の第1分割挾持体と第2管挾持具の第2分割挾持体とを前記連結具で固定連結し、第1管挾持具及び第2管挾持具をそれらの連結されていない端部間を開口させた状態で両管部の接続箇所にわたって外装する工程が含まれている点にある。
【0022】
上記構成によれば、両管部の接続箇所に離脱阻止装置を装着するときには、この離脱阻止装置を構成する第1・第2管挾持具の間隔が連結具の固定連結によって設定間隔に固定され、しかも、第1管挾持具を構成する複数の第1分割挾持体の枢支連結機能及び第2管挾持具を構成する複数の第2分割挾持体の枢支連結機能を操作して、それらの一箇所の端部間に両管部の接続箇所に外装可能な開口を簡単に現出することができるから、離脱阻止装置の装着作業を能率良く行うことができる。
【0023】
本発明による第5の特徴構成は、前記両管部が受口管部と挿口管部であり、前記更新用の離脱防止具が、前記受口管部の被係合部に係合可能な係合部を備え、且つ、前記挿口管部に外嵌装着される分割構造の離脱防止本体に、前記挿口管部の外周面に食い込み可能な爪部を備えた複数個の抜止め部材をそれらの爪部の周方向両端部が管軸芯方向で重合する状態で配設して構成されている点にある。
【0024】
上記構成によれば、受口管部に接続されている挿口管部に対して分割構造の離脱防止本体を外嵌装着したとき、この離脱防止本体の係合部が受口管部の被係合部に係合するとともに、複数個の抜止め部材の爪部が挿口管部の外周面に食い込み、しかも、この複数個の抜止め部材の爪部が挿口管部の管周方向全域にわたって食い込むから、装着作業の容易化を図りながら離脱防止効果を顕著に向上することができる。
【0025】
本発明による第6の特徴構成は、第1〜第5の特徴構成のいずれか一つに記載の流体配管系統の耐震化工法に用いられる離脱阻止装置であって、前記第1管挾持具が、前記一方の管部の外周面に食込み可能な抜止め部材を備えた環状の分割構造に構成され、前記第2管挾持具が、前記他方の管部の外周面に食込み可能な抜止め部材を備えた環状の分割構造に構成されているとともに、前記第1管挾持具の第1分割挾持体及び第2管挾持具の第2分割挾持体の各々には、既設離脱防止具及び更新用の離脱防止具における最大外径部位よりも管径方向外方に突出する取付け体が連結され、管軸芯方向で相対向する前記取付け体にわたって、前記連結具を構成する連結杆が固定連結され、前記第1管挾持具の第1分割挾持体の端部同士及び第2管挾持具の第2分割挾持体の端部同士をそれぞれ締結手段で脱着可能に枢支連結されている点にある。
【0026】
上記構成によれば、両管部の接続箇所に離脱阻止装置を装着するときには、この離脱阻止装置を構成する第1・第2管挾持具の間隔を連結具を構成する連結杆の固定連結によって設定間隔に固定することができる。
しかも、第1管挾持具を構成する複数の第1分割挾持体の枢支連結機能及び第2管挾持具を構成する複数の第2分割挾持体の枢支連結機能を操作して、それらの一箇所の端部間に両管部の接続箇所に外装可能な開口を形成することにより、離脱阻止装置の装着作業を能率良く行うことができる。
【0027】
さらに、第1管挾持具の第1分割挾持体及び第2管挾持具の第2分割挾持体の各々に連結されている取付け体の径方向の長さ分だけ、この取付け体にわたって固定連結される連結杆と既設離脱防止具及び更新用の離脱防止具における最大外径部位との間に空間を確保することができるから、離脱阻止装置の部材間に存在する空間を通して既設離脱防止具の固定解除作業や撤去作業或いは退避スペースへの退避作業を一層容易に行うことができる。
【0028】
【0029】
【発明を実施するための形態】
【0031】
〔第1実施形態〕
図1〜
図13は、流体配管系統の一例である水道配管系統の管路の途中において、水密状態で嵌合接合されている両管部の一例である受口管部1と挿口管部2との接続箇所に、両管部1,2の離脱移動を阻止する既設離脱防止具Aを外装状態で締付け固定してある管接続構造の耐震化工法を示す。
【0032】
この第1実施形態では、
図2に示すように、受口管部1の大径内周面1aに形成されているシール装着溝1bに、挿入接続された挿口管部2の外周面との間を水密状態に密封するシール材(ゴム輪)3が装着されている。
【0033】
また、この第1実施形態で用いられている既設離脱防止具Aは、
図1〜
図3に示すように、挿口管部2の外周面に半径方向外方から装着可能な二分割構造の離脱防止本体20を構成する両分割離脱防止体21,22の周方向二箇所には、受口管部1の外周面の端部に突出形成された円環状の被係合部1Aに対して管径方向外方から係合可能なアーム状の係合部23が一体形成されているとともに、両分割離脱防止体21,22の内周面側の周方向二箇所に開口形成された装着凹部21a,22aには、挿口管部2の外周面に食い込み可能な爪部24aを備えた第1抜止め部材24が装着されている。
【0034】
両分割離脱防止体21,22の周方向一端部には、当該両分割離脱防止体21,22を揺動開閉自在に係合連結するヒンジ部21A,22Aが形成されているとともに、両分割離脱防止体21,22の周方向他端部には、第1締結手段の一例であるボルト25・ナット26で固定連結される連結片21B,22Bが一体形成されている。
【0035】
第1抜止め部材24は、ボルト25・ナット26による両分割離脱防止体21,22の固定連結操作に伴って挿口管部2の外周面に食い込むように構成されているとともに、両分割離脱防止体21,22の装着凹部21a,22aの底面とこれに接触する第1抜止め部材24の外面は、両管部1,2の相対離脱移動に伴って抜止め部材24を径方向内方側に食い込み案内する傾斜ガイド面に構成されている。
【0036】
この既設離脱防止具Aの離脱防止性能は、サイズによって異なるが、例えば、呼び径100mm、許容水圧2.0MPaとした場合、21.9kNとなり、許容水圧は限界水圧の安全率2を見込むと、実際の離脱防止性能は43.8kNとなる。
【0037】
しかし、財団法人国土開発技術センター「地下埋設管路耐震継手の技術基準(案)」の定める離脱防止性能A級(3DkN以上)とすると、同じ呼び径の場合、3×100=300kNとなり、上記の既設離脱防止具Aの離脱防止性能は離脱防止性能A級(3DkN以上)に適合していない。
【0038】
そのため、既設離脱防止具Aが外装状態で締付け固定されている管接続構造の耐震化を不断水状態で実施する本発明の水道配管系統の耐震化工法について説明する。
【0039】
[1] この耐震化工法では、その準備工程として、受口管部1の外周面に挾持固定可能な第1管挾持具B1と、挿口管部2の外周面に挾持固定可能な第2管挾持具B2と、両管挾持具同士を管軸芯X方向での相対移動を阻止した状態で固定連結する連結具B3とを備えた離脱阻止装置B、及び、既設離脱防止具Aよりも大きな離脱防止性能A級(3DkN以上)を有し、且つ、両管部1,2の接続箇所に外装状態で締め付け固定可能な分割構造の更新用の離脱防止具Cを準備する。
【0040】
離脱阻止装置Bの第1管挾持具B1と第2管挾持具B2とは同一構造に構成され、その具体的構成は次の如く構成されている。
すなわち、
図4〜
図7に示すように、受口管部1の外周面における挿口管部2と同一外径の小径外周面及び挿口管部2の外周面に対して半径方向外方から装着可能な二分割構造の金属製の管挾持リング10と、この管挾持リング10を構成する両分割挾持体10A、10Bの管周方向中間部に対して第2締結手段の一例であるボルト11・ナット12で脱着自在に締付け固定され、且つ、既設離脱防止具A及び更新用の離脱防止具Cにおける最大外径部位よりも管径方向外方に突出する略コの字状の金属製の取付け体13とが主要構成として備えられている。
【0041】
そのため、管挾持リング10の両分割挾持体10A、10Bは、第1管挾持具B1を構成する場合には第1管挾持リングの両第1分割挾持体となり、また、第2管挾持具B2を構成する場合には第2管挾持リングの両第2分割挾持体となる。
【0042】
両分割挾持体10A、10Bの内周面には、径方向内方に向って開口する装着収納溝10aが形成され、この装着収納溝10a内には、受口管部1の小径外周面又は挿口管部2の外周面に食い込み可能な爪部を備えた複数個(当該実施形態では3個)の第2抜止め部材14が、径方向内方側に食い込み移動可能な状態で装着されている。
【0043】
両分割挾持体10A、10Bの外周面には、装着収納溝10aに装着収納されている第2抜止め部材14を径方向内方側に食い込み移動させる押圧ボルト15が設けられ、この押圧ボルト15の先端と第2抜止め部材14の外側面との当接部位において、両管部1,2の相対離脱移動に伴って第2抜止め部材14を径方向内方側に食い込み案内するように構成されている。
【0044】
各分割挾持体10A、10Bの両端部には、連結相手側の分割挾持体10B又は10Aの端部に形成されている第1連結部10bと管軸芯X方向で重合可能で、且つ、第3締結手段の一例であるボルト16・ナット17で連結するための連結孔18を備えた第1連結部10bが一体形成されている。
【0045】
各分割挾持体10A、10Bの外周面における押圧ボルト15の隣接間の中央部位には、径方向外方に突出する第2連結部10cが一体形成され、この第2連結部10cには、
図16に示すように、取付け体13の両端部をそれの第1連結孔13aに挿通されたボルト11・ナット12で固定連結するための管軸芯X方向に沿う取付け孔19が形成されている。
【0046】
連結具B3は、管軸芯X方向で相対向する両取付け体13の頂部側の第2連結孔13bに亘って挿通される連結杆の一例である長尺な連結ボルト8と、取付け体13の両側面を挾持固定する状態で連結ボルト8に螺合されるナット9とから構成されている。
【0049】
更新用の離脱防止具Cの具体的構成は次の如く構成されている。
図9〜
図12に示すように、挿口管部2の外周面に半径方向外方から装着可能な二分割構造の離脱防止本体30を構成する両分割離脱防止体31,32の周方向中間部位には、受口管部1の外周面の端部に突出形成された円環状の被係合部1Aに対して径方向外方から係合可能な円弧状の係合部33が一体形成されているとともに、各分割離脱防止体31,32の内周面の周方向全域に亘って開口形成された装着凹部31a,32aには、挿口管部2の外周面に食い込み可能な爪部34a、34bを備えた複数個(当該実施形態では
3個)の第3抜止め部材34が、それらの爪部34a、34bの周方向両端部を管軸芯X方向で重合させた状態で配設して装着されている。
【0050】
第3抜止め部材34は、
図12に示すように、管軸芯X方向の一端側の爪部34aの周方向長さL1が他端側の爪部34bの周方向長さL2よりも長い第1タイプと、管軸芯X方向の他端側の爪部34bの周方向長さL2が一端側の爪部34aの周方向長さL1よりも長い第2タイプとの二種類があり、この第1タイプと第2タイプとが周方向で交互に配置されている。
【0051】
また、各分割離脱防止体31,32の装着凹部31a,32aに装着された複数個の第3抜止め部材34のうち、周方向両端部に位置する第3抜止め部材34の外側端が、両分割離脱防止体31,32の連結端面間に存在する隙間の範囲内で外方に突出するように構成されている。
【0052】
両分割離脱防止体31,32の周方向両端部には、第4締結手段の一例である二組のボルト35・ナット36で固定連結される連結片31A,32Aが一体形成されている。
【0053】
第3抜止め部材34は、ボルト35・ナット36による両分割離脱防止体31,32の固定連結操作に伴って挿口管部2の外周面に食い込むように構成されているとともに、両分割離脱防止体31,32の装着凹部31a,32aの底面とこれに接触する第3抜止め部材34の外側面は、両管部1,2の相対離脱移動に伴って第3抜止め部材34を径方向内方側に食い込み案内する傾斜ガイド面に構成されている。
【0054】
そして、受口管部1に接続されている挿口管部2に対して二分割構造の離脱防止本体30を外嵌装着したとき、この離脱防止本体30の係合部33が受口管部1の被係合部1Aに係合するとともに、複数個の第3抜止め部材34の爪部34a、34bが挿口管部2の外周面に食い込み、しかも、この複数個の第3抜止め部材34の爪部34a、34bが挿口管部2の管周方向全域にわたって食い込むから、装着作業の容易化を図りながらも3DkN以上の離脱防止性能に構成することができる。
【0055】
[2]
図4〜
図7は、離脱阻止装置Bの第1・第2管挾持具B1、B2を両管部1,2の外周面に挾持固定し、前記第1・第2管挾持具B1、B2を固定連結する左右一対の連結具B3により両管部1,2の管軸芯X方向での相対移動を阻止する装置装着工程を示す。
【0056】
この装置装着工程においては、第1管挾持具B1及び第2管挾持具B2をそれらの連結されていない端部間を開口させた状態(
図7参照)で両管部1,2の接続箇所にわたって外装する工程が含まれている。
【0057】
つまり、離脱阻止装置Bの組み立て作業工程において、第1管挾持具B1の両分割挾持体10A、10B及び第2管挾持具B2の両分割挾持体10A、10Bにおける各端部の連結対のうち、第1・第2管挾持具B2の各々における両分割挾持体10A、10Bの管周方向一端側の第1連結部10b同士を夫々ボルト16・ナット17で揺動可能に枢支連結し、両分割挾持体10A、10Bの管周方向他端側の第1連結部10b間に、両管部1,2の接続箇所に外装可能な開口、換言すれば、両管部1,2における第1・第2管挾持具B1、B2の装着箇所の外径よりも大きな開口を形成する。
【0058】
この組み立て途中の離脱阻止装置Bを両管部1,2の接続箇所に亘って外装したのち、両分割挾持体10A、10Bの管周方向他端側の第1連結部10b同士をボルト16・ナット17で連結し、離脱阻止装置Bの組み立てを完成することになる。
【0059】
また、離脱阻止装置Bの組み立て作業工程においては、第1管挾持具B1の両分割挾持体10A、10B及び第2管挾持具B2の両分割挾持体10A、10Bの各々に取付け体13をボルト11・ナット12で取付け、そのうち、管軸芯X方向で相対向する両取付け体13に亘って、連結具B3の連結杆の一例である二本の連結ボルト8をナット9で締め付け固定する。
【0060】
この二本の連結ボルト8は取付け体13の分だけ管径方向外方に突出するため、二本の連結ボルト8の管径方向の間隔が、両管部1,2に外装状態にある既設離脱防止具A及び更新用の離脱防止具Cと干渉せず、且つ、既設離脱防止具A又は更新用の離脱防止具Cの各外側面と連結ボルトとの間に手や工具等を差し入れ可能な空間を形成することのできる管径方向間隔に設定されている。
そのため、既設離脱防止具A又は更新用の離脱防止具Cの各外側面と連結ボルトとの間に形成される空間と、離脱阻止装置Bの各部材間に存在する空間とを合わせて適宜選択使用することにより、既設離脱防止具Aの固定解除作業や退避スペースSへの退避作業、或いは、更新用の離脱防止具Cの装着作業を能率良く容易に行うことができる。
【0061】
第1管挾持具B1の取付け位置は、受口管部1の小径外周面における大径外周面との境界寄り位置に設定され、また、第2管挾持具B2の取付け位置は、更新用の離脱防止具Cの装着領域との間に固定解除された既設離脱防止具Aを退避させることが可能な退避スペースSを確保できる位置に設定されている。
【0062】
[3]
図8は、前記既設離脱防止具Aのボルト25・ナット26による締付け固定を解除して撤去する撤去工程を示す。
【0063】
この第1実施形態で使用されている既設離脱防止具Aは分割構造であるため、ボルト25・ナット26を固定解除操作すれば両管部1,2の接続箇所から簡単に撤去することができる。
【0064】
そのため、既設離脱防止具Aを簡単に撤去することができる条件下においては、前記のような退避スペースSを確保する必要性は無いが、退避スペースSを予め確保しておけば、ボルト25・ナット26の錆付き等によって撤去に時間が掛かり、一時的に既設離脱防止具Aを退避スペースに退避させて更新用の離脱防止具Cの取付けを優先する必要性が発生した場合に有利に対応することができる。
【0065】
この場合には、既設離脱防止具Aのボルト25・ナット26による締付け固定を緩む程度にまで操作して退避スペースSに退避させる退避工程となる。
【0066】
[4]
図9は、両管部1,2の接続箇所にわたって更新用の離脱防止具Cを外装して締付け固定する取替え工程を示す。
【0067】
具体的には、更新用の離脱防止具Cを構成する両分割離脱防止体31,32を、それの係合部33が受口管部1の被係合部1Aに対して径方向外方から係合する状態で挿口管部2の外周面に径方向外方から装着し、両分割離脱防止体31,32の周方向両端部の連結片31A,32A同士をボルト35・ナット36で締付け固定する。
【0068】
このボルト35・ナット36の締付け固定に伴って、両分割離脱防止体31,32の装着凹部31a,32aに装着された複数個の第3抜止め部材34の爪部34a、34bが挿口管部2の外周面に食い込む。
【0069】
しかも、この複数個の第3抜止め部材34の爪部34a、34bが挿口管部1の管周方向全域にわたって食い込むから、耐震性として好ましい3DkN以上の離脱防止性能を発揮させることができる。
【0070】
[5]
図13は、前記離脱阻止装置Bの第1・第2管挾持具B1,B2を両管部1,2の外周面から撤去する装置撤去工程を示す。
【0071】
具体的には、第1管挾持具B1の両分割挾持体10A、10Bの管周方向一端側の第1連結部10b同士、及び、第2管挾持具B2の両分割挾持体10A、10Bの管周方向一端側の第1連結部10b同士を夫々固定連結しているボルト16・ナット17を撤去する。
【0072】
次に、第1管挾持具B1の両分割挾持体10A、10Bの管周方向他端側の第1連結部10b同士、及び、第2管挾持具B2の両分割挾持体10A、10Bの管周方向他端側の第1連結部10b同士を固定連結しているボルト16・ナット17を緩み操作し、このボルト16・ナット17による枢支連結箇所を揺動軸芯として第1管挾持具B1の両分割挾持体10A、10B及び第2管挾持具B2の両分割挾持体10A、10Bを開き操作し、両管部1,2の外周面から撤去する。
【0073】
〔第2実施形態〕
この第2実施形態で用いられている既設離脱防止具A1は、
図14〜
図16に示すように、挿口管部2の外周面に管軸芯X方向から装着可能な円環状に一体成形された離脱防止本体40の半周側の周方向二箇所には、受口管部1の大径外周面の端部に突出形成された円環状の被係合部1Aに対して管径方向外方から係合可能なアーム状の係合部41が一体形成されている。
【0074】
離脱防止本体40の他方の半周側の周方向二箇所から受口管部1側に延出された連結片42には、受口管部1の大径外周面における被係合部1Aの背面側に径方向外方側から締め付け固定される抜止めボルト43が螺合されている。
【0075】
この抜止めボルト43緩み操作により、受口管部1の被係合部1Aと係合部41との係合が解除され、既設離脱防止具A1を挿口管部2の外周面に沿って受口管部1から離れる側に移動操作することが可能となる。
【0076】
離脱防止本体40の内周面のうち、一対の係合部41の基部形成箇所に対応する半周側の周方向二箇所には、挿口管部2の外周面に食い込み可能な爪部44が一体形成されている。
また、離脱防止本体40の内周面のうち、一対の連結片42の基部形成箇所に対応する他方の半周側の周方向二箇所には、径方向内方側に開口する装着凹部40aが形成され、各装着凹部40aには、挿口管部2の外周面に食い込み可能な爪部46aを備えた第4抜止め部材46が装着されているとともに、離脱防止本体40の外周面における両装着凹部40aに対応する部位には、第4抜止め部材46を径方向内方側に食い込み移動させる押圧ボルト45が設けられている。
【0077】
この二本の押圧ボルト45の緩み操作により、離脱防止本体40に一体形成されている爪部44及び第4抜止め部材46の爪部46aの食い込みが解除可能となる。
【0078】
上記の既設離脱防止具A1の離脱防止性能は離脱防止性能A級(3DkN以上)に適合していないため、既設離脱防止具A1が外装状態で締付け固定されている管接続構造の耐震化を不断水状態で実施する本発明の水道配管系統の耐震化工法について説明する。
【0079】
[6] この耐震化工法では、その準備工程として、受口管部1の外周面に挾持固定可能な第1管挾持具B1と、挿口管部2の外周面に挾持固定可能な第2管挾持具B2と、両管挾持具同士を管軸芯X方向での相対移動を阻止した状態で固定連結する連結具B3とを備えた離脱阻止装置B、及び、既設離脱防止具A1よりも大きな離脱防止性能A級(3DkN以上)を有し、且つ、両管部1,2の接続箇所に外装可能な分割構造の更新用の離脱防止具Cを準備する。
【0080】
[7]
図17は、離脱阻止装置Bの第1・第2管挾持具B1、B2を両管部1,2の外周面に挾持固定し、前記第1・第2管挾持具B1、B2を固定連結する左右一対の連結具B3により両管部1,2の管軸芯X方向での相対移動を阻止する装置装着工程を示す。
この装置装着工程においては、第1管挾持具B1及び第2管挾持具B2における各端部の連結対のうち、ボルト16・ナット17で連結されていない一端部間を開口させた状態(
図7参照)で両管部1,2の接続箇所にわたって外装する工程が含まれている。
【0081】
つまり、離脱阻止装置Bの組み立て作業工程において、第1管挾持具B1の両分割挾持体10A、10Bの管周方向一端側の第1連結部10b同士、及び、第2管挾持具B2の両分割挾持体10A、10Bの管周方向一端側の第1連結部10b同士を夫々ボルト16・ナット17で枢支連結し、両分割挾持体10A、10Bの管周方向他端側の第1連結部10b間に、両管部1,2の接続箇所に外装可能な開口、換言すれば、両管部1,2における第1・第2管挾持具B1、B2の装着箇所の外径よりも大きな開口を形成する。
【0082】
この組み立て途中の離脱阻止装置Bを両管部1,2の接続箇所に亘って外装したのち、両分割挾持体10A、10Bの管周方向他端側の第1連結部10b同士をボルト16・ナット17で連結し、離脱阻止装置Bの組み立てを完成することになる。
【0083】
また、離脱阻止装置Bの組み立て作業工程においては、第1管挾持具B1の両分割挾持体10A、10B及び第2管挾持具B2の両分割挾持体10A、10Bの各々に取付け体13をボルト11・ナット12で取付け、そのうち、管軸芯X方向で相対向する両取付け体13に亘って、連結具B3の連結杆の一例である二本の連結ボルト8をナット9で締め付け固定する。
【0084】
この二本の連結ボルト8は取付け体13の分だけ管径方向外方に突出するため、二本の連結ボルト8の管径方向の間隔が、両管部1,2に外装状態にある既設離脱防止具A1及び更新用の離脱防止具Cと干渉せず、且つ、既設離脱防止具A1及び更新用の離脱防止具Cの各外側面と連結ボルト8との間に手や工具等を差し入れ可能な空間を形成することのできる管径方向間隔に設定されている。
そのため、既設離脱防止具A1又は更新用の離脱防止具Cの各外側面と連結ボルトとの間に形成される空間と、離脱阻止装置Bの各部材間に存在する空間とを合わせて適宜選択使用することにより、既設離脱防止具A1の固定解除作業や退避スペースSへの退避作業、或いは、更新用の離脱防止具Cの装着作業を能率良く容易に行うことができる。
【0085】
第1管挾持具B1の取付け位置は、受口管部1の小径外周面における大径外周面との境界寄り位置に設定され、また、第2管挾持具B2の取付け位置は、更新用の離脱防止具Cの装着領域との間に固定解除された既設離脱防止具A1を退避させることが可能な退避スペースSを確保できる位置に設定されている。
【0086】
[8]
図18は、前記既設離脱防止具A1の抜止めボルト43と押圧ボルト45の各緩み操作により、受口管部1の被係合部1Aと係合部41との係合を解除するとともに、全ての第4抜止め部材46の食い込みを解除し、既設離脱防止具A1を挿口管部2の外周面に沿って退避スペースSに退避移動させる。
【0087】
[9]
図19は、両管部1,2の接続箇所にわたって更新用の離脱防止具Cを外装して締付け固定する取替え工程を示す。
【0088】
具体的には、更新用の離脱防止具Cを構成する両分割離脱防止体31,32を、それの係合部33が受口管部1の被係合部1Aに対して管径方向外方から係合する状態で挿口管部2の外周面に管径方向外方から装着し、両分割離脱防止体31,32の周方向両端部の連結片31A,32A同士をボルト35・ナット36で締付け固定する。
【0089】
このボルト35・ナット36の締付け固定に伴って、両分割離脱防止体31,32の装着凹部31a,32aに装着された複数個の第3抜止め部材34の爪部34a、34bが挿口管部2の外周面に食い込む。
【0090】
しかも、この複数個の第3抜止め部材の爪部34a、34bが挿口管部1の管周方向全域にわたって食い込むから、耐震性として好ましい3DkN以上の離脱防止性能を発揮させることができる。
【0091】
[10]
図20は、前記離脱阻止装置Bの第1・第2管挾持具B1,B2を両管部1,2の外周面から撤去する装置撤去工程を示す。
【0092】
退避スペースSに退避された既設離脱防止具A1をそのまま残置しても問題がない場合には、装置撤去工程が終了した時点で耐震化工事が完了する。
【0093】
また、退避スペースに退避された既設離脱防止具A1をそのまま残置すると問題がある場合には、既設離脱防止具A1をグラインダー等の切断装置で切断して撤去することになる。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0094】
〔その他の実施形態〕
(1)上述の各実施形態では水道配管系統の耐震化工法について説明したが、本発明の技術は水道以外の液体や気体を対象とした流体配管系統の耐震化工法にも適用することができる。
【0095】
(2)上述の各実施形態では、更新用の離脱防止具Cの離脱防止性能として3DkN以上を耐震化の目標値にしたが、既設離脱防止具A、A1よりも離脱防止性能が大きく、且つ、3DkNに近いものであってもよい。
【0096】
(3)上述の各実施形態では、受口管部1の大径内周面1aに形成されているシール装着溝1bに、挿口管部2の外周面との間を水密状態に密封するシール材(ゴム輪)が装着され、且つ、両管部の接続箇所にわたって、両管部の離脱移動を阻止する既設離脱防止具Aを外装状態で締付け固定してある管接続構造について説明したが、受口管部1の内周面に形成されている開口側ほど大径となるテーパー面と挿口管部2の外周面との間にシール材を装着し、このシール材を受口管部側に引き寄せ固定される押輪で圧縮するように構成し、さらに、両管部の接続箇所にわたって、両管部の離脱移動を阻止する既設離脱防止具Aを外装状態で締付け固定してある管接続構造であってもよい。
要するに、水密又は気密状態で接合された両管部1,2の接続箇所にわたって、両管部1,2の離脱移動を阻止する既設離脱防止具Aが外装状態で締付け固定されている管接続構造であれば、如何なる構造でも本発明の耐震化工法を適用することができる。
【0097】
(4)
第1管挾持具B1の管挾持リング10及び第2管挾持具B2の管挾持リング10の各々を各別に専用で製作してもよい。
この場合、管挾持リング10と取付け体13とを一体形成してもよい。
【0098】
(5)上述の各実施形態では、挿口管部2の外周面に挾持固定される第2管挾持具B2と更新用の離脱防止具Cの装着領域との間に固定解除された既設離脱防止具A1を退避させることが可能な退避スペースSを形成したが、受口管部1の小径外周面に挾持固定される第1管挾持具B1と更新用の離脱防止具Cの装着領域との間に固定解除された既設離脱防止具A1を退避させることが可能な退避スペースSを形成してもよい。
【0099】
(6)上述の各実施形態では、管軸芯X方向で相対向する両取付け体13を二本の連結ボルト8で固定連結したが、一本又は三本以上の連結ボルト8で固定連結してもよい。
【0100】
(7)上述の各実施形態では、離脱阻止装置Bの第1管挾持具B1及び第2管挾持具B2を二分割構造に構成したが、三分割以上の分割構造に構成してもよい。