(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記支持板が前記付勢手段によって押圧され、前記第1位置決め手段の長手方向両端部と前記枠部とが当接した際に、互いに噛み合って前記第1位置決め手段の移動を阻止する停止手段が、前記第1位置決め手段と前記枠部とに形成された請求項1に記載の保持装置。
前記支持板が前記付勢手段によって押圧され、前記第2位置決め手段の長手方向両端部と前記枠部とが当接した際に、互いに噛み合って前記第2位置決め手段の移動を阻止する停止手段が、前記第2位置決め手段と前記枠部とに形成された請求項1または請求項2に記載の保持装置。
前記収納部材と被取付部材との連結部に設けられ、前記収納部材を前記被取付部材の収納部に収納された収納位置と、前記収納位置から立設した使用位置との間で回転可能とするヒンジ手段を有する請求項1〜3の何れか1項に記載の保持装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、蓋体を解放した使用状態で、蓋体の内面に載置した携帯電話を、蓋体の自由端に設けた受け部で下方と車両前方側から支持している。このため、携帯電話の保持性能が充分でない。また、特許文献2では、主に車の天井面に固定されたフリップダウン台に、異なるサイズのマルチメディア装置を装着することができない。このため、携帯電話やマルチメディア装置等の板状品のサイズが異なる場合にも保持でき、且つ保持性能を向上できる保持装置が望まれている。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、異なるサイズの板状品を保持でき、且つ保持性能を向上できる保持装置を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の本発明の保持装置は、板状品の裏面側を支持する支持板と、底部に対向する部位が開口部とされ、前記支持板を前記開口部に対して接離する方向へ移動可能に収納した収納部材と、前記支持板を前記底部から前記開口部の方向へ向って押圧する付勢手段と、前記収納部材の開口部周縁を覆うと共に前記板状品の縁部の表面に当接し前記付勢手段で押圧された前記支持板とで前記板状品を表裏方向から挟み込む矩形の枠部と、前記支持板の前記開口部側に設けられ、前記枠部の一方の辺に沿った方向を長手方向とし、前記長手方向両端部が前記枠部の他方の辺に移動可能に取付けられた第1位置決め手段と、前記支持板の前記開口部側に設けられ、前記枠部の他方の辺に沿った方向を長手方向とし、前記長手方向両端部が前記枠部の一方の辺に移動可能に取付けられた第2位置決め手段と、前記第1位置決め手段と前記第2位置決め手段との交差部にそれぞれの長手方向に沿って移動可能に取付けられ、前記板状品の角部の側面に当接し前記第1位置決め手段の長手方向端部とで前記板状品を側面方向から挟み込む第1側面挟持部と、前記板状品の角部の側面に当接し前記第2位置決め手段の長手方向端部とで前記板状品を側面方向から挟み込む第2側面挟持部と、前記板状品の角部の表面に当接し前記付勢手段で押圧された前記支持板とで前記板状品を表裏方向から挟み込むための表面挟持部と、が形成された保持部材と、を有する。
【0007】
請求項1に記載の本発明では、保持装置に板状品を装着する際に、支持板に板状品の裏面側を押圧し、付勢手段の付勢力に抗して板状品を収納部材の底部側に移動する。次に、板状品の縁部を、支持板と、収納部材の開口部周縁を覆う矩形の枠部との間に挿入する。次に、支持板の開口部側に設けられ、枠部の一方の辺に沿った方向を長手方向とする第1位置決め手段を移動し板状品に近づけると共に、支持板の開口部側に設けられ、枠部の他方の辺に沿った方向を長手方向とする第2位置決め手段を移動し板状品に近づける。これにより、第1位置決め手段と第2位置決め手段との交差部にそれぞれの長手方向に沿って移動可能に取付けられた保持部材の第1側面挟持部が、板状品の角部の側面に当接し第1位置決め手段の長手方向端部とで板状品を側面方向から挟み込む。また、保持部材の第2側面挟持部が、板状品の角部の側面に当接し第2位置決め手段の長手方向端部とで板状品を側面方向から挟み込む。次に、板状品から手を放すと、支持板が付勢手段によって底部から開口部の方向へ向って移動する。これにより、保持部材の表面挟持部と支持板とで板状品の角部を表裏から挟み込むと共に、収納部材の枠部と支持板とで板状品の縁部を表裏から挟み込む。このため、異なるサイズの板状品を保持でき、且つ保持性能が向上する。
【0008】
請求項2記載の本発明は請求項1に記載の保持装置において、前記支持板が前記付勢手段によって押圧され、前記第1位置決め手段の長手方向両端部と前記枠部とが当接した際に、互いに噛み合って前記第1位置決め手段の移動を阻止する停止手段が、前記第1位置決め手段と前記枠部とに形成されている。
【0009】
請求項2に記載の本発明では、支持板が付勢手段によって押圧され、第1位置決め手段の長手方向両端部と枠部とが当接した際に、第1位置決め手段と枠部とに形成されている停止手段が互いに噛み合って第1位置決め手段の移動を阻止する。このため、使用時に位置決め手段が移動するのを防止できるので保持性能がさらに向上する。
【0010】
請求項3記載の本発明は請求項1または請求項2に記載の保持装置において、前記支持板が前記付勢手段によって押圧され、前記第2位置決め手段の長手方向両端部と前記枠部とが当接した際に、互いに噛み合って前記第2位置決め手段の移動を阻止する停止手段が、前記第2位置決め手段と前記枠部とに形成されている。
【0011】
請求項3記載の本発明では、支持板が付勢手段によって押圧され、第2位置決め手段の長手方向両端部と枠部とが当接した際に、第2位置決め手段と枠部とに形成されている停止手段が互いに噛み合って第2位置決め手段の移動を阻止する。このため、使用時に第2位置決め手段が移動するのを防止できるので保持性能がさらに向上する。
【0012】
請求項4記載の本発明は請求項1〜3の何れか1項に記載の保持装置において、前記収納部材と被取付部材との連結部に設けられ、前記収納部材を前記被取付部材の収納部に収納された収納位置と、前記収納位置から立設した使用位置との間で回転可能とするヒンジ手段を有する。
【0013】
請求項4記載の本発明では、収納部材と被取付部材との連結部に設けられたヒンジ手段によって、収納部材が被取付部材の収納部に収納された収納位置と、収納位置から立設した使用位置との間で回転する。このため、収納部材を被取付部材の収納部に収納された収納位置とすることで、保持装置が不使用時に邪魔にならない。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の本発明の保持装置は、上記構成としたので、異なるサイズの板状品を保持でき、且つ保持性能を向上できる。
【0015】
請求項2に記載の本発明の保持装置は、上記構成としたので、保持性能をさらに向上できる。
【0016】
請求項3に記載の本発明の保持装置は、上記構成としたので、保持性能をさらに向上できる。
【0017】
請求項4に記載の本発明の保持装置は、上記構成としたので、不使用時に邪魔にならない。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施形態)
次に、本発明の保持装置の一実施形態を
図1〜
図8に従って説明する。
なお、図中、同一又は対応する機能を有する部材(構成要素)には同じ符号を付して適宜説明を省略する。また、図中矢印FRは本実施形態の保持装置が適用される自動車の車両前方方向を、矢印UPは車両上方方向を、矢印INは車幅内側方向を示す。
【0020】
図2及び
図3に示すように、本実施形態の保持装置10は車幅方向を長手方向とする長方形の箱形状となっており、自動車の車室内天井部を構成する被取付部材としてのルーフヘッドライナー12の下面(車室内側面)12Aに取付けられている。そして、
図3に示す不使用時には、保持装置10は、ルーフヘッドライナー12の下面12Aに形成された凹部14に収納され、ルーフヘッドライナー12の下面12Aに沿った収納位置となっている。一方、
図2に示す使用時には、保持装置10は、車両前方側を回転中心として下方へ回転し、全開位置となるまでの間の収納位置から立設した任意の使用位置に停止可能となっている。なお、
図2及び
図3の符号18はサンバイザーを示しており、保持装置10はサンバイザー18の裏面側(車室内側)で使用位置になるようになっている。
【0021】
図4に示すように、保持装置10は収納部材の一部としてのカバー20を備えている。このカバー20は長方形の箱形状となっており、底部20Aに対向する部位が開口部20Bとなっている。また、カバー20は対向する長尺の上壁部20C、下壁部20Dと、対向する短尺の側壁部20E、20Fとを備えている。また、カバー20の4つの角部にはそれぞれ円形の筒部22が形成されており、各筒部22におけるカバー20の内側となる外周壁部には、各筒部22の軸方向に沿ってスリット24が形成されている。
【0022】
保持装置10は支持板としての長方形のプレート26を備えており、プレート26の上面26Aには傾斜面を備えた複数の凹凸27が形成されている。また、プレート26はカバー20の内部に、カバー20の開口部20Bに対して接近する方向(
図4の矢印A方向)と離間する方向(
図4の矢印B方向)へ移動可能に収納されている。プレート26の各角部の対角線に沿った外側には、開口部20B側に離間した位置に円盤状の突出部28が形成されている。各突出部28は各筒部22のスリット24に沿って伸びる棒状の連結部30によって、プレート26の各角部に連結されている。また、各突出部28は各筒部22の内部にカバー20の開口部20Bに対して接離する方向(
図4の矢印A方及び矢印B方向)へ移動可能に配置されている。
【0023】
保持装置10は収納部材の他の一部としてのベース34を備えている。ベース34は長尺の上壁部34A、下壁部34Bと、対向する短尺の側壁部34C、34Dとを備えており、カバー20の外周部を構成する上壁部20C、下壁部20D及び側壁部20E、20Fの外周側を覆っている。また、ベース34にはカバー20の開口部20Bの周縁を覆う長方形の枠部35が形成されている。枠部35は対向する一対の長辺35A、35Bと対向する一対の短辺35C、35Dとを備えており、枠部35の内側先端部35Eは、カバー20の底部20Aの方向へ向かって屈曲されている。
【0024】
ベース34の側壁部34C、34Dの各前端部には、ヒンジ手段としてのフリーストップヒンジ36が、軸方向を車幅方向に沿ってそれぞれ配置されている。フリーストップヒンジ36の一端36Aはベース34の側壁部34C、34Dの各前端部に固定されており、フリーストップヒンジ36の他端36Bはルーフヘッドライナー12における凹部14の側壁部14A(
図2参照)の前端部に固定されている。従って、ベース34は所定値以上の操作力が作用した場合にのみ収納位置と全開位置との間で操作力の方向へ回転可能となっている。
【0025】
図1に示すように、保持装置10は第1位置決め手段としての第1バー40を備えている。この第1バー40は枠部35の長辺35A、35Bに沿った方向を長手方向としており、短辺35C、35Dに沿って使用位置での車両の上方向(
図1の矢印C方向)と下方向(
図1の矢印D方向)とへ移動可能となっている。
図4に示すように、第1バー40の本体部42の長手方向両端部には、それぞれ延設部44が設けられている。これらの延設部44は枠部35の短辺35C、35Dに沿って
図1の下方側へ延設されており、短辺35C、35Dの裏面に沿って移動可能となっている。
【0026】
図6に示すように、枠部35の短辺35C、35Dの裏面には、停止手段としての凹凸41が長手方向に沿って形成されている。一方、
図4に示すように、延設部44の摺動部44Aには停止手段としての凹凸43が形成されており、凹凸43は凹凸41と噛み合うようになっている。このため、第1バー40を移動する場合には、第1バー40をカバー20の底部20Aの方向(
図4の矢印B方向)へ移動し、凹凸41と凹凸43の噛み合いを解除して行うようになっている。
【0027】
図1に示すように、保持装置10は第2位置決め手段としての第2バー46を備えている。この第2バー46は枠部35の短辺35C、35Dに沿った方向を長手方向としており、長辺35A、35Bに沿って車幅内側方向(
図1の矢印E方向)と車幅外側方向(
図1の矢印F方向)とへ移動可能となっている。
図4に示すように、第2バー46の本体部48の長手方向両端部には、それぞれ延設部50が設けられている。これらの延設部50は枠部35の長辺35A、35Bに沿って車幅方向内側へ延設されており、長辺35A、35Bの裏面に沿って移動可能となっている。
【0028】
図6に示すように、ベース34の枠部35の長辺35A、35Bの裏面には、停止手段としての凹凸51が長手方向に沿って形成されている。一方、
図4に示すように、延設部50の摺動部50Aには停止手段としての凹凸53が形成されており、凹凸53は凹凸51と噛み合うようになっている。このため、第2バー46を移動する場合には、第2バー46をカバー20の底部20Aの方向(
図4の矢印B方向)へ移動し、凹凸51と凹凸53との噛み合いを解除して行うようになっている。
【0029】
図4に示すように、保持装置10は保持部材としてのスイッチ54を備えており、スイッチ54は第1バー40と第2バー46との交差する部位に第1バー40の長手方向と第2バー46の長手方向とへ移動可能に取付けられている。なお、第2バー46は第1バー40に対してカバー20の底部20A側に設けられており、第1バー40と第2バー46は直角に交差している。
【0030】
図7に示すように、スイッチ54は正方形の厚板状となっており、裏面54Aには、裏面54Aの縁部に沿って直線状に伸び、互いに直交する第1溝56と第2溝58とが形成されている。第1溝56は第2溝58に比べて深くなっている。また、第1溝56の対向する内壁部には、第1溝56の長手方向に沿った凸部56Aが突出形成されており、第2溝58の対向する内壁部には、第2溝58の長手方向に沿った凸部58Aが突出形成されている。
【0031】
スイッチ54の第1溝56には、第1バー40(
図4参照)が第1溝56に沿って相対移動可能に挿入されており、凸部56Aによって、第1バー40がプレート26側へ外れないようになっている。また、スイッチ54の第2溝58には、第2バー46(
図4参照)が第2溝58に沿って相対移動可能に挿入されており、凸部58Aによって、第2バー46がプレート26側へ外れないようになっている。
【0032】
スイッチ54の裏面54Aには第1側面挟持部64と第2側面挟持部66とが形成されている。また、第1側面挟持部64は第2溝58の側壁部の外側面に形成されており、側面挟持部66は第1溝56の側壁部の外側面に形成されている。
【0033】
図1に示すように、スイッチ54の第1側面挟持部64は、板状品としてのスマートフォン60の角部60Aの車幅外側方向の側面60Bに当接するようになっている。また、スイッチ54の第2側面挟持部66はスマートフォン60の角部60Aの車両上方側の側面60Cに当接するようになっている。
図4に示すように、第1バー40の延設部44は延設方向から見た形状がL字状となっており、L字状の一片を形成する摺動部44Aと、摺動部44Aに直交しL字状の他片を形成する支持部44Bとが形成されている。また、第2バー46の延設部50は延設方向から見た形状がL字状となっており、L字状の一片を形成する摺動部50Aと、摺動部50Aに直交する支持部50Bとが形成されている。このため、
図1に示すように、第1バー40の車幅方向外側端の延設部44の支持部44Bがスマートフォン60の車幅方向外側の側面60Hに当たり、スイッチ54の第1側面挟持部64と支持部44Bとでスマートフォン60の外周を構成する側面を車幅方向から挟み込むようになっている。また、第2バー40の車両下方側端の延設部50の支持部50Bがスマートフォン60の車両下方側の側面60Jに当たり、スイッチ54の第2側面挟持部66と支持部50Bとでスマートフォン60の外周を構成する側面を車両上下方向から挟み込むようになっている。
【0034】
図7に示すように、スイッチ54の裏面54Aにおける第1溝56と第2溝58との交差する部位の対角線上となる角部には表面挟持部69が形成されている。
図5に示すように、スイッチ54の表面挟持部69は、スマートフォン60の角部60Aの表面60Dに当接し、プレート26とでスマートフォン60の角部60Aをスマートフォン60の表裏方向から挟み込むようになっている。
【0035】
図4に示すように、カバー20の各筒部22の内部には、付勢手段としての圧縮コイルばね70がそれぞれ挿されている。各圧縮コイルばね70は、プレート26の各突出部28をカバー20の底部20Aから開口部20Bの方向(
図4の矢印A方向)へ向って押圧している。従って、圧縮コイルばね70の付勢力によって、
図5に示すように、プレート26とスイッチ54の表面挟持部69との間にスマートフォン60の角部60Aがスマートフォン60の表裏方向から挟み込まれるようになっている。また、圧縮コイルばね70の付勢力によって、
図5に示すように、プレート26と、ベース34の枠部35の短辺35Cの内側先端部35Eとの間にスマートフォン60の縁部60Fがスマートフォン60の表裏方向から挟み込まれるようになっている。同様に、圧縮コイルばね70の付勢力によって、プレート26と、ベース34の枠部35の長辺35Bの内側先端部35Eとの間にスマートフォン60の縁部60Eがスマートフォン60の表裏方向から挟み込まれるようになっている。
【0036】
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
図3に示すように、本実施形態の保持装置10は、不使用時に、ルーフヘッドライナー12の下面12Aに形成された凹部14の内部に収納されており、ルーフヘッドライナー12の下面(車室天井面)12Aに沿った収納位置となっている。また、本実施形態の保持装置10を使用する場合には、
図2に示すように、保持装置10の車両前方側を回転中心として下方へ回転し使用位置とする。
【0037】
次に、使用位置になった保持装置10のプレート26にスマートフォン60の裏面を当接させ、圧縮コイルばね70の付勢力に抗してプレート26をカバー20の底部20Aに接近する方向(
図4の矢印B方向)へ移動させる。この押圧した状体で、スマートフォン60を車幅方向内側下方(
図1に矢印G方向)へスライドさせ、スマートフォン60の縁部60E、60Fをベース34の枠部35の長辺35B及び短辺35Cと、プレート26との間に挿入する。
【0038】
次に、第1バー40をスマートフォン60の上壁部60Gに接近する方向(
図1の矢印D方向)へ移動すると共に、第2バー46をスマートフォン60の側壁部60Hに接近する方向(
図1の矢印E方向)へ移動する。この際、スイッチ54の第1溝56が第1バー40と摺動すると共に、スイッチ54の第2溝58が第2バー46と摺動することで、スイッチ54がスマートフォン60の角部60Aに接近する。
【0039】
スイッチ54がスマートフォン60の角部60Aに接近することで、スイッチ54の裏面54Aに形成された第1側面挟持部64がスマートフォン60の角部60Aの側面60Bに当接する。また、第1バー40の車幅方向外側端の延設部44の支持部44Bがスマートフォン60の車幅方向外側の側面60Hに当接する。このため、スイッチ54の第1側面挟持部64と支持部44Bとでスマートフォン60の外周を構成する側面を車幅方向から挟み込む。一方、スイッチ54の裏面54Aに形成された第2側面挟持部66がスマートフォン60の角部60Aの側面60Cに当接する。また、第2バー40の車両下方側端の延設部50の支持部50Bがスマートフォン60の車両下方側の側面60Jに当接する。このため、スイッチ54の第2側面挟持部66と支持部50Bとでスマートフォン60の外周を構成する側面を車両上下方向から挟み込む。
【0040】
次に、スマートフォン60から手を放すと、プレート26が圧縮コイルばね70の付勢力によってカバー20の底部20Aから離間する方向(
図4の矢印A方向)へ移動する。このため、
図5に示すように、表面挟持部69がスマートフォン60の角部60Aの表面60Dに当接し、表面挟持部69とプレート26とでスマートフォン60の角部60Aをスマートフォン60の表裏方向から挟み込む。また、プレート26と、ベース34の枠部35の短辺35Cの内側先端部35Eとの間にスマートフォン60の縁部60Fを挟み込むと共に、プレート26と、ベース34の枠部35の長辺35Bの内側先端部35Eとの間にスマートフォン60の縁部60Eを挟み込む。
【0041】
従って、本実施形態の保持装置10では、異なるサイズ(縦横高さの各寸法)のスマートフォン60を保持でき、且つスマートフォン60の保持性能を向上できる。この結果、保持装置10に装着したスマートフォン60をタッチ操作した場合に、スマートフォン60が操作方向へ移動することが無いので、スマートフォン60の操作性が向上する。さらに、上記構成とすることで、車両走行中の保持装置10の各構成部品のがたつきを抑制できると共に、保持装置10に対するスマートフォン60のがたつきを抑制できる。
【0042】
また、本実施形態の保持装置10では、スイッチ54が第1バー40と第2バー46とが交差する部位に保持される。この結果、スイッチ54の車幅方向と車両上下方向のがたつきが抑制され、スマートフォン60の保持性能がさらに向上する。
【0043】
また、本実施形態の保持装置10では、プレート26が圧縮コイルばね70の付勢力によって押圧されることで、枠部35の短辺35C、35Dの凹凸41と、第1バー40の延設部44の凹凸43とが噛み合い、第1バー40の移動を阻止する。このため、使用時にスイッチ54が移動するのを防止でき、スマートフォン60の保持性能がさらに向上する。
【0044】
また、本実施形態の保持装置10では、プレート26が圧縮コイルばね70の付勢力によって押圧されることで、枠部35の長辺35A、35Bの凹凸51と、第2バー46の移動部58の凹凸53とが噛み合い、第2バー46の移動を阻止する。このため、使用時にスイッチ54が移動するのを防止でき、スマートフォン60の保持性能がさらに向上する。
【0045】
また、本実施形態の保持装置10では、フリーストップヒンジ36によって、不使用時にルーフヘッドライナー12の下面12Aに形成された凹部14の内部に収納された収納位置となる。このため、不使用時に保持装置10が邪魔にならない。
【0046】
また、本実施形態の保持装置10では、フリーストップヒンジ36を介してルーフヘッドライナー12に取付けられている。このため、保持装置10は所定値以上の操作力が作用した場合にのみ、使用位置または収納位置から操作力の方向へ回転可能となる。この結果、保持装置10に装着したスマートフォン60をタッチ操作した場合に保持装置10が車両前方側へ回転するのを防止できる。また、保持装置10がサンバイザー18の裏面側(車室内側)で使用位置となるため、スマートフォン60の視認性が向上する。
【0047】
(本実施形態の保持装置の他の使用例)
なお、本実施形態の保持装置10では、
図8に示すように、スマートフォン60の縁部60E、60Fをベース34の枠部35の長辺35Bと短辺35Cとの角部に押し付けて使用することもできる。
【0048】
なお、この使用方向の場合には、スイッチ54の第1側面挟持部64とベース34の枠部35の短辺35Cとでスマートフォン60を車幅方向から挟み込む。また、スイッチ54の第2側面挟持部66とベース34の枠部35の長辺35Bとでスマートフォン60を車両上下方向から挟み込む。また、圧縮コイルばね70の付勢力によって、スイッチ54の表面挟持部69とプレート26とでスマートフォン60の角部60Aをスマートフォン60の表裏方向から挟み込む。
【0049】
(その他の実施形態)
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、保持装置10が車幅方向を長手方向とする長方形の箱形状であるが、これに代えて、保持装置10を使用位置で車両上下方向を長手方向とする長方形の箱形状等の他の形状としてもよい。また、支持板はプレート26に限定されず網等の他の支持板を使用してもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、収納部材をカバー20とベース34とで構成したが、収納部材は上記実施形態に限定されず、カバー20とベース34とが一体となった構造としてもよい。また、上記実施形態では、保持部材としてスイッチ54を使用したが、保持部材は上記実施形態の形状とされたスイッチ54に限定されない。
【0051】
また、上記実施形態では、第1位置決め手段として第1バー40を使用し、第2位置決め手段として第2バー46を使用したが、第1位置決め手段は上記実施形態の形状とされた第1バー40に限定されないと共に、第2位置決め手段は上記実施形態の形状とされた第2バー46に限定されない。
【0052】
また、上記実施形態では、付勢手段として4つの圧縮コイルばね70を使用したが、付勢手段は板ばね等の他の付勢手段を使用してもよい。また、付勢手段の数も4つに限定されず1つ等の他の数でもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、本発明の保持装置10を被取付部材としてルーフヘッドライナー12に取付けたが、被取付部材は、ルーフヘッドライナー12以外に、自動車のインストルメントパネル、乗員着座用シートのシートバッグ、車室の側壁等でもよい。また、本発明の保持装置10は自動車以外の車両の天井材等の他の被取付部材にも使用可能である。
【0054】
また、上記実施形態では、ヒンジ手段としてフリーストップヒンジ36を使用したが、ヒンジ手段はフリーストップヒンジ36に限定させず、他のヒンジ手段を使用してもよい。また、ヒンジ手段を使用せず、ベース34を被取付部材に直接固定してもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、本発明の保持装置10に板状品としてのスマートフォンを装着する場合について記載したが、板状品はスマートフォンに限定させず、板状となった他の電子機器や鏡、カード等でもよい。