【実施例1】
【0024】
以下に、本発明
の理解を助けるための参考例であるフローコンベヤ100について、
図1乃至
図4に基づいて説明する。
ここで、本発明
の理解を助けるための参考例であるフローコンベヤ100の概略側面図であり、
図2(A)は、本発明
の理解を助けるための参考例であるスクレーパー150を取り付けたチェーン140の平面図であり、
図2(B)は、
図2(A)に示す符号2Bで視たチェーン140の側面図であり、
図3は、
図1に示す符号3−3で視たフローコンベヤ100の断面図であり、
図4は、
図1に示す符号4−4で視たフローコンベヤ100の中間排出口115の開閉扉116が開状態のときの断面図である。
なお、
図1および
図4では中間排出口115の開閉機構の図示を省略する。
また、
図4では、中間排出口115の開閉扉116の図示を省略する。
【0025】
本発明
の理解を助けるための参考例であるフローコンベヤ100は、
図1乃至
図4に示すように、コンベヤケース110内で駆動スプロケット120および従動スプロケット130に巻き掛けたチェーン140と、チェーン幅方向両側に延設されチェーン長手方向に所定の間隔をあけてチェーン140にそれぞれ取り付けられた複数のスクレーパー150とを備えている。
【0026】
このうち、駆動スプロケット120は、モータの動力によって駆動するように設けられている。
一方、従動スプロケット130は、チェーン張力方向へ公知のテークアップ機構180によって調整可能に設けられている。
テークアップ機構180は、使用によってチェーン140が徐々に伸びた場合にチェーン140の張力が低下する傾向があり、チェーン140の張力が強くなる側に従動スプロケット130の軸部を移動させて張力を所定の大きさに保つための機構である。
【0027】
また、長尺に設けられたコンベヤケース110の一端側には、投入口113が設けられており、他端側には、排出口114が設けられている。
さらに、投入口113と排出口114との間でコンベヤケース底部111には、開閉切り替え自在な開閉扉116を有する中間排出口115が設けられている。
なお、開閉扉116を開閉する機構についての詳しい説明は省略するが、例えば、モータの動力によって開閉する構成でもよいし、手動で開閉する構成でもよい。
また、閉じた状態の開閉扉116は、コンベヤケース底部111の後述する中央平坦面111aの上側と面一である。
【0028】
そして、コンベヤケース110の一端側の投入口113から投入された粉粒体Mを、コンベヤケース110内で循環する複数のフライトとしてのスクレーパー150のうちのコンベヤケース底部111側である送り側のスクレーパー150で搬送してコンベヤケース110の他端側の排出口114、または中間排出口115から排出するように構成されている。
【0029】
具体的には、中間排出口115の開閉扉116が閉じている場合、駆動スプロケット120が駆動することにより、送り側のスクレーパー150が、投入口113から投入された粉粒体Mをコンベヤケース底部111上で掻き取りながら排出口114まで搬送することにより、粉粒体Mが排出口114から排出される。
他方、中間排出口115の開閉扉116が開いている場合、駆動スプロケット120が駆動することにより、送り側のスクレーパー150が、投入口113から投入された粉粒体Mをコンベヤケース底部111上で掻き取りながら中間排出口115まで搬送することにより、粉粒体Mが中間排出口115から排出される。
【0030】
なお、コンベヤケース110内の下方のコンベヤケース底部111上を排出口114側へ移動した送り側のチェーン140およびスクレーパー150は、反転して戻り側のチェーン140およびスクレーパー150となってコンベヤケース110内の上方のレール支持部材171に支持されたレール材170に案内されて投入口113側へ移動する。
そして、再び反転して送り側のチェーン140およびスクレーパー150となってコンベヤケース110内の下方のコンベヤケース底部111上を排出口114側へ移動するように構成されている。
【0031】
ここで、チェーン140の具体的な構成について説明する。
チェーン140は、
図2(A)および
図2(B)に示すように、左右一対の内プレート141と、この内プレート141のブシュ孔にブシュ端部を圧入嵌着するブシュ(図示せず)と、左右一対の内プレート141の両外側にそれぞれ配置する左右一対の外プレート143と、ブシュに回転自在に嵌挿して外プレート143のピン孔にピン端部を圧入嵌着するピン144と、左右一対の内プレート141の間にそれぞれ配設するとともにブシュの外周に回動自在に遊嵌するローラ142とを備えている。
そして、スクレーパー150が、一例として内プレート141の左右両側に設けられたアタッチメント145に押さえ板160によって押さえられるとともにボルトBおよびナットNによって取り付けられている。
【0032】
続いて、スクレーパー150の形状およびコンベヤケース底部111の形状について説明する。
図3および
図4に示すように、スクレーパー150が、チェーン外周側でチェーン幅方向Wに直線状の直線状部分150aと、この直線状部分150aでのチェーン幅方向両側で直線状部分150aと繋がるとともにチェーン幅方向外側へいくにしたがってチェーン内周側へ傾斜した傾斜部分150bとを有している。
【0033】
他方、コンベヤケース底部111が、チェーン幅方向中央で平坦な中央平坦面111aと、この中央平坦面111aでのチェーン幅方向両側で中央平坦面111aと繋がるとともにチェーン幅方向外側へいくにしたがってチェーン内周側へ傾斜した傾斜面111bとを有している。
そして、送り側のスクレーパー150の直線状部分150aが、コンベヤケース底部111の中央平坦面111aと摺接するように構成されている。
同様に、送り側のスクレーパー150の傾斜部分150bが、コンベヤケース底部111の傾斜面111bと摺接するように構成されている。
【0034】
これにより、中間排出口115が開いている場合であっても、送り側のスクレーパー150の幅方向両側の傾斜部分150bがコンベヤケース底部111の幅方向両側の傾斜面111bに支えられながら、スクレーパー150が移動し、鉛直方向でのスクレーパー150の位置が維持される。
【0035】
さらに、コンベヤケース底部111の中央平坦面111aからチェーン幅方向両側の傾斜面111bまでの範囲でスクレーパー150の自重が作用して、スクレーパー150の直線状部分150aから傾斜部分150bまでの範囲とコンベヤケース底部111の中央平坦面111aからチェーン幅方向両側の傾斜面111bまでの範囲との接触状態がきれいになる。
【0036】
また、スクレーパー150が、傾斜部分150bでのチェーン幅方向外側で傾斜部分150bと繋がるとともにチェーン内周側へ直線状に延びた直線状側端部分150cを有している。
なお、
参考例では、この直線状側端部分150cと、コンベヤケース110内でのコンベヤケース内側側面112aとの間に隙間が設けられているが、直線状側端部分150cが、コンベヤケース110内でのコンベヤケース内側側面112aと摺接するように構成してもよい。
これにより、幅方向両側隅の粉粒体Mがスクレーパー150の直線状側端部分150cできれいに掻き取られる。
【0037】
さらに、
参考例では、スクレーパー150が、弾性材料で形成されている。
これにより、送り側のスクレーパー150が多少なりとも弾性変形してコンベヤケース110内の中央平坦面111aや傾斜面111bなどとの接触状態がきれいになる。
なお、
参考例では、コンベヤケース底部111を構成するケース底部側部材111Dと、コンベヤケース側部112を構成するケース側部側部材112Bとの繋ぎ目Jの位置が、鉛直方向で送り側のスクレーパー150の位置と同じに構成されている。
【0038】
このようにして得られた本発明
の理解を助けるための参考例であるフローコンベヤ100は、スクレーパー150が、チェーン外周側でチェーン幅方向Wに直線状の直線状部分150aと、この直線状部分150aでのチェーン幅方向両側で直線状部分150aと繋がるとともにチェーン幅方向外側へいくにしたがってチェーン内周側へ傾斜した傾斜部分150bとを有し、コンベヤケース底部111が、チェーン幅方向中央で平坦な中央平坦面111aと、この中央平坦面111aでのチェーン幅方向両側で中央平坦面111aと繋がるとともにチェーン幅方向外側へいくにしたがってチェーン内周側へ傾斜した傾斜面111bとを有し、送り側のスクレーパー150の直線状部分150aが、コンベヤケース底部111の中央平坦面111aと摺接するとともに、送り側のスクレーパー150の傾斜部分150bが、コンベヤケース底部111の傾斜面111bと摺接する構成であることにより、中間排出口115でのチェーン140およびスクレーパー150の垂れ下がりを防止して中間排出口115でのスクレーパー150の引っかかりを防止できるとともに、コンベヤケース底部111の中央平坦面111aと傾斜面111bとで形成される隅に粉粒物が残留することを防止できる。
【0039】
さらに、スクレーパー150が、傾斜部分150bでのチェーン幅方向外側で傾斜部分150bと繋がるとともにチェーン内周側へ直線状に延びた直線状側端部分150cを有し、この直線状側端部分150cが、コンベヤケース110内でのコンベヤケース内側側面112aと摺接する構成であることにより、スクレーパー150の幅方向両端がコンベヤケース内側側面112aと摺接しない構成と比べて、粉粒体Mの残留をより確実に防止できる。
【0040】
また、スクレーパー150が、弾性材料で形成されていることにより、粉粒体Mの残留をより一層確実に防止できるなど、その効果は甚大である。
[実施例]
【実施例2】
【0041】
続いて、
本発明の実施例であるフローコンベヤ200について、
図5および
図6に基づいて説明する。
ここで、
図5は、
本発明の実施例のフローコンベヤ200の断面図であり、
図6は、
本発明の実施例のフローコンベヤ200の中間排出口215での断面図である。
なお、
図5は、第1実施例の
図3に対応する図であり、
図6は、第1実施例の
図4に対応する図である。
【0042】
実施例のフローコンベヤ200は、参考例のフローコンベヤ100のケース底部側部材111Dとケース側部側部材112Bとの繋ぎ目Jの位置を送り側のスクレーパー150の位置より鉛直方向上方としたものであり、多くの要素について
参考例のフローコンベヤ100と共通するので、共通する事項については詳しい説明を省略し、下2桁が共通する200番台の符号を付すのみとする。
【0043】
本発明の実施例であるフローコンベヤ200は、図5および
図6に示すように、ケース底部側部材211Dが、コンベヤケース底部211およびコンベヤケース側部212の下側を構成している。
また、ケース側部側部材212Bが、コンベヤケース側部212の上側を構成している。
そして、ケース底部側部材211Dとケース側部側部材212Bとの繋ぎ目Jの位置が、送り側のスクレーパー250の位置より鉛直方向上方に構成されている。
これにより、コンベヤケース内側でのスクレーパー250と接触する箇所が凹凸のない滑らかな面となり、粉粒体Mがスクレーパー250できれいに掻き取られる。
【0044】
さらに、ケース底部側部材211Dとケース側部側部材212Bとが、断面L字型をしたアングル材217、218によって繋ぎ目Jで接続されている。
これにより、コンベヤケース内側側面211cとコンベヤケース内側側面212aとが繋ぎ目Jで隙間のない面一になり、粉粒体Mの残留を確実に防止できる。
さらに換言すると、コンベヤケース210の中央平坦面211a、傾斜面211b、コンベヤケース内側側面211cが連続面であることにより、コンベヤケース210の中央平坦面211aと傾斜面211bとで形成される隅だけでなく、傾斜面211bとコンベヤケース内側側面211cとで形成される隅や繋ぎ目Jにも粉粒体Mが残留しにくくなる。
つまり、
参考例では、繋ぎ目Jでの角が曲げ加工であったため、繋ぎ目Jでの曲げ加工のアールによる隙間に粉粒体Mが極僅かに残留する虞があったが、
実施例では、アングル材217、218を使用してケース底部側部材211Dとケース側部側部材212Bとを接続することによって、繋ぎ目Jで隙間のない面一となり、粉粒体Mの残留を確実に防止できる。
すなわち、粉粒体Mの残留のない中間排出可能なフローコンベヤ200となる。
なお、アングル材217は溶接によってケース底部側部材211Dと接続され、同様にアングル材218は溶接によってケース側部側部材212Bと接続され、アングル材217とアングル材218とがボルトおよびナットによって接続されている。
【0045】
なお、
実施例では、スクレーパー250の直線状側端部分250aとケース底部側部材211Dのコンベヤケース内側側面211cとの間に隙間が設けられているが、スクレーパー250の直線状側端部分250cが、ケース底部側部材211Dのコンベヤケース内側側面211cと摺接するように
構成している。
この場合、繋ぎ目Jの影響を受けずに幅方向両側隅の粉粒体Mが、スクレーパー250の直線状側端部分250cできれいに掻き取られる。
【0046】
このようにして得られた
本発明の実施例であるフローコンベヤ200は、コンベヤケース底部211およびコンベヤケース側部212の下側の一部を構成するケース底部側部材211Dとコンベヤケース側部212の上側の一部を構成するケース側部側部材212Bとの繋ぎ目Jの位置が、送り側のスクレーパー250の位置より鉛直方向上方に構成されていることにより、側方から視てケース底部側部材211Dとケース側部側部材212Bとの繋ぎ目Jの位置が送り側のスクレーパー250の位置と同じ構成と比べて、粉粒体Mの残留を確実に防止できるなど、その効果は甚大である。