特許第5959462号(P5959462)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社栗本鐵工所の特許一覧

<>
  • 特許5959462-スポンジチタン切断機 図000002
  • 特許5959462-スポンジチタン切断機 図000003
  • 特許5959462-スポンジチタン切断機 図000004
  • 特許5959462-スポンジチタン切断機 図000005
  • 特許5959462-スポンジチタン切断機 図000006
  • 特許5959462-スポンジチタン切断機 図000007
  • 特許5959462-スポンジチタン切断機 図000008
  • 特許5959462-スポンジチタン切断機 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5959462
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】スポンジチタン切断機
(51)【国際特許分類】
   B23D 15/04 20060101AFI20160719BHJP
   B23D 15/00 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   B23D15/04
   B23D15/00 A
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-67279(P2013-67279)
(22)【出願日】2013年3月27日
(65)【公開番号】特開2014-188631(P2014-188631A)
(43)【公開日】2014年10月6日
【審査請求日】2014年12月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪田 勝利
【審査官】 齊藤 彬
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭36−020599(JP,Y1)
【文献】 特開2007−283407(JP,A)
【文献】 特開平01−115512(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第01528122(GB,A)
【文献】 中国特許出願公開第102658560(CN,A)
【文献】 独国特許出願公開第02550477(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23D 15/00
15/04
33/10
B23Q 3/18
B26D 7/01
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポンジチタンが投入される投入口と、
昇降するスライドに固定され、上記投入口から投入されてきたスポンジチタンを切断する移動刃と、
上記スライドに設けられ、上記移動刃が上昇したときにスポンジチタンの進入量を当接面において規制する当接板と、
上記当接板の背面側に設けられ、上記当接面の位置を楔構造により移動させて微調整する当接面調整部と、
昇降運動方向に対して垂直な方向に伸びる滑りキーに沿って移動自在で、上記当接板が取り付けられる取付台とを備え、
上記当接面調整部は、傾斜面が互いに摺接する一対の可動楔を備え、該一対の可動楔を傾斜面を摺接させながら変位させることにより、上記当接面の位置を微調整可能となっており、
上記当接板と上記当接面調整部と上記取付台とは、上記滑りキーに沿って一体に取り外し可能に構成されている
ことを特徴とするスポンジチタン切断機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポンジチタン切断機に関し、特にその当接板の調整構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えばステンレス製容器内で純四塩化チタンと約900℃に加熱した金属マグネシウムとを反応させ、マグネシウムの還元作用によって四塩化チタンを還元し、スポンジチタンが得られることが知られている。還元分離が終了したスポンジチタンは、押切型の破砕設備(スポンジチタン切断機)によって切断された後、切断機、クラッシャーにより、小割される。
【0003】
例えば特許文献1のようなスポンジチタン切断機では、昇降するスライドに設けた移動刃と、シュートの終点に設けた固定刃との間に挟まれたスポンジチタンがスライドに設けた当接板の当接面と移動刃との間の距離の厚さで切断されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−6057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のような構成では、図8(a)に示すように、スポンジチタンの進入量を調整する当接面120aの位置を図8(b)に示すシムなどの調整部材121の枚数や厚さを変更して行っている。このため、調整時には、いったん当接板120を固定する多数のボルト133を全て緩めて当接板120を取り外し、調整部材121の枚数や厚さを変更する必要があるが、この作業は周囲の設備を解体しなくてはならず、非常に手間がかかって一日仕事となっていた。また、通常シムは、6mm、9mm、…等と所定の厚さのものが用意されているが、切断後のスポンジチタンの形状を確認しながらの微調整には限界があるという問題がある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スポンジチタン切断装置において、容易に当接面の位置を調整できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明では、楔構造によってスポンジチタンの進入量を規制する当接板の当接面の位置を変更可能にした。
【0008】
具体的には、第1の発明のスポンジチタン切断装置は、
スポンジチタンが投入される投入口と、
昇降するスライドに固定され、上記投入口から投入されてきたスポンジチタンを切断する移動刃と、
上記スライドに設けられ、上記移動刃が上昇したときにスポンジチタンの進入量を当接面において規制する当接板と、
上記当接板の背面側に設けられ、上記当接面の位置を楔構造により移動させて微調整する当接面調整部と
昇降運動方向に対して垂直な方向に伸びる滑りキーに沿って移動自在で、上記当接板が取り付けられる取付台とを備え
上記当接面調整部は、傾斜面が互いに摺接する一対の可動楔を備え、該一対の可動楔を傾斜面を摺接させながら変位させることにより、上記当接面の位置を微調整可能となっており、
上記当接板と上記当接面調整部と上記取付台とは、上記滑りキーに沿って一体に取り外し可能に構成されている。
【0009】
上記の構成によると、楔構造を利用して当接板の当接面の位置を移動させて微調整できるので、従来のように調整部材を挟み込んで調整する必要がない。また、一対の可動楔を傾斜面を摺接させながら変位させるようにしているので、可動楔を過度に大きくしなくても、これら一対の可動楔で当接板が安定して保持された状態で当接面の位置の微調整を行うことができる。さらに、当接板、取付台及び当接面調整部は、滑りキーに沿って一体となって取り外し可能となっているので、そのメンテナンス作業がきわめて容易である。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明によれば、楔構造を利用して当接板の当接面の位置を微調整可能としたことにより、従来のように調整部材を挟み込んで当接面の位置を調整する必要がなく、その調整作業をきわめて容易に行うことができると共に、メンテナンス作業をきわめて容易に行うことができる
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】当接面調整部及びその周辺を拡大して示す断面図である。
図2】本発明の実施形態に係るスポンジチタン切断機を示す側面図である。
図3】主軸及びその周辺を拡大して示す断面図である。
図4図3のIV−IV線拡大断面図である。
図5】スライドが上昇した状態の供給口及びその周辺を拡大して示す断面図である。
図6】スライドが下降した状態の図5相当図である。
図7図1のVII方向から見た矢視図である。
図8】(a)が従来技術に係る移動刃の調整部及びその周辺を示し、(b)がシムを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図2は、本発明の実施形態に係るスライド駆動装置としてのスポンジチタン切断機1を示し、このスポンジチタン切断機1は、クランク室2と、このクランク室2を支持する脚部3とを備え、クランク室2を構成する一対のサイドフレーム4には、主軸5の両端が回転不能に支持されている。図3に示すように、この主軸5には、偏心部材6が外嵌めされ、駆動源としての電動モータ7に回転されるように構成されている。
【0015】
具体的には、電動モータ7は、クランク室2の上方に載置され、その回転軸7aがクランク室2の上方に回転可能に支持されたフライホイール8に例えばベルト結合されている。図3に示すように、フライホイール8に回転一体の小歯車8aが、偏心部材6に回転一体の大歯車6aと噛み合っている。このことで、偏心部材6が回転駆動されるようになっている。
【0016】
そして、図4にも示すように、偏心部材6の偏心部6bにコンロッド10の一端側が外嵌めされている。コンロッド10の他端側は、ピン10aによりプランジャ11に連結されている。このプランジャ11は、プランジャガイド11aにガイドされているので、偏心部6bの揺動運動がプランジャ11の昇降運動に変換される。プランジャガイド11aの延びる方向で定められる昇降運動方向Xは、地面に対して傾斜している。プランジャ11の下端にスライド12が連結され、このスライド12は、昇降運動方向Xに沿って中空のスライド収容部12a内を昇降可能となっている。
【0017】
図5に示すように、スライド収容部12aの下方の固定刃架台38には、固定刃13が固定され、この固定刃13に対応するようにスライド12には、移動刃14が固定されている。固定刃架台38には、スポンジチタンWを供給するための傾斜した通路を有する供給路15が接続され、固定刃13の上方に形成した投入口15aからスポンジチタンWが順次供給されるようになっている。
【0018】
図1及び図7に示すように、スライド12には、移動刃14の下方に移動刃14が上昇したときにスポンジチタンWの進入量Lを規制する当接板20が設けられている。当接板20は、投入口15aを奥側から塞ぐものであり、ブロック状の取付台30に背面側から取付ボルト31によって固定されている。この取付ボルト31は、当接板20の正面からは見えないので、図8に示すように表面側にボルト頭が現れているものに比べて損傷しにくく、異物が詰まることもない。この取付台30は、昇降運動方向Xに対して垂直なY方向に延びる滑りキー32(図7にのみ示す)に沿って移動自在となっている。
【0019】
そして、当接板20の背面側には、当接板20の当接面20aの位置を楔構造により移動させて微調整する当接面調整部21が設けられている。具体的には、この当接面調整部21は、傾斜面22a,23aが互いに摺接するように対面して配置される一対の可動楔22,23を備えている。各可動楔22,23は、例えば断面が先端が切り取られた直角三角形の板状のものであり、ちょうど一対の可動楔22,23が1枚の鋼板を傾斜面22a,23aのところで分割したような形状となっている。これら一対の可動楔22,23を傾斜面22a,23aを互いに摺接させながら変位させることにより、当接板20をスライドさせて当接面20aの位置を昇降運動方向Xに対して垂直なY方向に微調整可能となっている。
【0020】
一対の可動楔22,23は、スライド12に固定の縦板12bに対して例えば4本の当接面調整固定ボルト33で挟まれている。当接面20aの調整時には、この当接面調整固定ボルト33を緩め、調整後に再び固定するようになっている。
【0021】
移動刃14に近い前側可動楔22は、その上方にある、スライド12に固定の横板12cに設けた押込ボルト34及び引きボルト35によりX方向に昇降されるようになっている。押込ボルト34は、横板12cに固定の固定ナット34aに対してねじ込むことで前側可動楔22を押し下げ可能となっている。引きボルト35は、前側可動楔22に植え込まれており、その引きナット35aを締め込むことで前側可動楔22を上昇させるようになっている。
【0022】
当接面前進時(切取量減少時)には、引きボルト35の引きナット35aを緩め、押込ボルト34を締め込むと、前側可動楔22が下降する。その後引きナット35aを固定する。当接面後退時(切取量増大時)には、押込ボルト34を固定ナット34aに対して緩め、引きナット35aを締め込むと、前側可動楔22が上昇する。押込ボルト34は緩み防止のため再び締め付けておく。
【0023】
一方、背面側の後側可動楔23の背面側には、レバー23bが突設され、このレバー23bには、X方向に延びるスタッドボルト36が下側ロックナット36aで固定されている。このスタッドボルト36は、縦板12bに回転可能に支持された後側昇降用ナット37にネジ込まれており、その上端が上側ロックナット37aでロック可能となっている。そして、当接面前進時には、上側ロックナット37aを緩め、後側昇降用ナット37を回転させてスタッドボルト36を上昇させてレバー23bを縦板12bに設けた貫通孔12d内を上昇させ、後側可動楔23がX方向に上昇する。その後、上側ロックナット37aを締めて固定する。一方、当接面後退時には、上側ロックナット37aを緩め、後側昇降用ナット37を前進時と逆方向に回転させてスタッドボルト36を下降させてレバー23bを縦板12bに設けた貫通孔12d内を下降させ、後側可動楔23がX方向に下降する。その後、上側ロックナット37aを締めて固定する。
【0024】
一対の可動楔22,23をX方向に昇降させることにより、当接面20aの位置がY方向に微調整される。その後、当接面調整固定ボルト33を締め付ける。
【0025】
このようにして、当接面20aの位置を微調整した状態で、図6に示すように、供給路15に供給されてきたスポンジチタンWがスライド12の昇降動作に伴って固定刃13と移動刃14とによって挟まれるようにして微調整した厚さLに切断され、その切断片が排出孔16から排出され、例えば地面に掘ったピットPに集められるようになっている。
【0026】
このように本実施形態では、楔構造を利用して当接板20の当接面20aの位置を微調整できるので、従来のように調整部材を挟み込んで調整する必要がない。このため、従来は1日作業だったものが、短時間で完了できるようになる。
【0027】
また、一対の可動楔22,23を傾斜面22a,23aを摺接させながら変位させるようにしているので、可動楔22,23を過度に大きくしなくても、これら一対の可動楔22,23で当接板20が安定して保持された状態で当接面20aの位置の微調整を行うことができる。
【0028】
さらに、当接板20、取付台30、当接面調整部21等は、キー32に沿ってY方向へ一体となって取り外し可能となっているので、そのメンテナンス作業がきわめて容易となっている。
【0029】
したがって、本実施形態によれば、楔構造を利用して当接板20の当接面20aの位置を微調整可能としたことにより、従来のように調整部材を挟み込んで当接面20aの位置を調整する必要がなく、その調整作業をきわめて容易に行うことができる。
【0030】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態につい当接面調整部21は、一対の可動楔22,23の両方を昇降させて当接面20aの位置を微調整するようにしているが、一方の可動楔22,23のみを昇降させて当接面20aの位置を微調整するような構成としてもよい。
【0031】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【符号の説明】
【0032】
1 スポンジチタン切断機、 2 クランク室、 3 脚部、 4 サイドフレーム、 5 主軸、 6 偏心部材、 6a 大歯車、 6b 偏心部、 7 電動モータ、 7a 回転軸、 8 フライホイール、 8a 小歯車、 10 コンロッド、 10a ピン、 11 プランジャ、 11a プランジャガイド、 12 スライド、 12a スライド収容部、 12b 縦板、 12c 横板、 12d 貫通孔、 13 固定刃、 14 移動刃、 15 供給路、 15a 投入口、 16 排出孔、 20 当接板、 20a 当接面、 21 当接面調整部、 22 前側可動楔、 22a,23a 傾斜面、 23 後側可動楔、 23b レバー、 30 取付台、 31 取付ボルト、 32 キー、 33 当接面調整固定ボルト、 34 押込ボルト、 34a 固定ナット、 35 引きボルト、 35a 引きナット、 36 スタッドボルト、 36a 下側ロックナット、 37 後側昇降用ナット、 37a 上側ロックナット、 38 固定刃架台
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8