特許第5959465号(P5959465)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5959465
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】エンジンの排気処理装置
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/025 20060101AFI20160719BHJP
   F01N 3/20 20060101ALI20160719BHJP
   F01N 3/023 20060101ALI20160719BHJP
   F01N 3/035 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   F01N3/025 101
   F01N3/20 B
   F01N3/20 L
   F01N3/025 201S
   F01N3/023 K
   F01N3/035 E
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-73252(P2013-73252)
(22)【出願日】2013年3月29日
(65)【公開番号】特開2014-196723(P2014-196723A)
(43)【公開日】2014年10月16日
【審査請求日】2015年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
(72)【発明者】
【氏名】竹本 能和
(72)【発明者】
【氏名】小村 隆太郎
(72)【発明者】
【氏名】辻野 一成
(72)【発明者】
【氏名】新井 克明
(72)【発明者】
【氏名】秋朝 智也
【審査官】 石川 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−188971(JP,A)
【文献】 特開2005−120986(JP,A)
【文献】 特開2010−101200(JP,A)
【文献】 特開2008−128170(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/025
F01N 3/035
F01N 3/20
F01N 3/023
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可燃性ガス生成器(1)で可燃性ガス(2)を生成させ、この可燃性ガス(2)を可燃性ガス放出口(3)から排気通路(4)に放出し、この可燃性ガス(2)を燃焼触媒(5)で触媒燃焼させ、その触媒燃焼熱で排気(6)を昇温させ、燃焼触媒(5)の下流に配置したDPF(7)に溜まったPMを燃焼除去し、DPF(7)の再生処理を実施するようにした、エンジンの排気処理装置において、
燃焼触媒(5)の上流で排気通路(4)に可燃性ガス供給通路(8)を連通させ、この可燃性ガス供給通路(8)に電熱着火装置(10)を設け、この電熱着火装置(10)を制御装置(11)に連携させ、
DPF(7)の再生処理時に、排気(6)の温度が所定の基準温度未満の場合には、制御装置(11)が低温時ガス着火処理を実行し、この低温時ガス着火処理では、電熱着火装置(10)で可燃性ガス(2)に着火して、可燃性ガス(2)の火炎燃焼の熱を排気通路(4)に供給し、
燃焼触媒(5)に所定量のPMが堆積すると、制御手段(11)が燃焼触媒(5)の再生処理を実施し、この燃焼触媒(5)の再生処理では、可燃性ガス生成器(1)で可燃性ガス(2)を生成させ、電熱着火装置(10)で可燃性ガス(2)に着火して、可燃性ガス(2)の火炎燃焼の熱を排気通路(4)に供給し、燃焼触媒(5)の入口排気温度が低温時ガス着火処理の場合よりも高くなるようにして、燃焼触媒(5)に堆積したPMを焼却除去し、
燃焼触媒(5)の上流に、排気圧センサ(43)が配置され、この排気圧センサ(43)で燃焼触媒(5)の上流の排気圧を検出することにより、制御手段(11)が、燃焼触媒(5)とDPF(7)のPM堆積総量を推定し、PM堆積総量の推定値が再生許可値に至ると、制御装置(11)により、再生が許可され、DPF(7)の再生条件が満たされている場合には、制御装置(11)により、DPF(7)の再生が実施され、燃焼触媒(5)の再生条件が満たされている場合には、制御装置(11)により、燃焼触媒(5)の再生が実施され、
前回の再生終了から再生許可値に至るまでのインターバル(44)が所定時間以上である場合には、DPF(7)の再生条件が満たされ、上記インターバル(44)が所定時間未満である場合には、燃焼触媒(5)の再生条件が満たされるように構成されている、ことを特徴とするエンジンの排気処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの排気処理装置に関し、詳しくは、エンジン始動直後や軽負荷運転時でもDPFの再生を図ることができるとともに、燃焼触媒の機能低下も抑制することができる、エンジンの排気処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンの排気処理装置として、可燃性ガス生成器で可燃性ガスを生成させ、この可燃性ガスを可燃性ガス放出口から排気通路に放出し、この可燃性ガスを燃焼触媒で触媒燃焼させ、その触媒燃焼熱で排気を昇温させ、燃焼触媒の下流に配置したDPFに溜まったPMを燃焼除去し、或いは、燃焼触媒の下流に配置した排気浄化触媒を活性化させて、DPFの再生処理や排気浄化触媒の活性化処理を実施するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
この種の排気処理装置によれば、排気の温度が比較的低い場合にも、燃焼触媒により可燃性ガスで排気を昇温させることができる利点がある。
しかし、この従来技術では、燃焼触媒以外の可燃性ガスの燃焼手段を備えていないとともに、燃焼触媒の再生手段がないため、問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−239734号公報(図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
《問題》 エンジン始動直後や軽負荷運転時に、DPFの再生や排気浄化触媒の活性化を図ることができない。
燃焼触媒以外の可燃性ガスの燃焼手段を備えていないため、エンジン始動直後や軽負荷運転時等、排気の温度が燃焼触媒の活性化温度に達しない場合には、燃焼触媒の触媒燃焼熱が得られず、DPFの再生や排気浄化触媒の活性化を図ることができない。
【0005】
《問題》 燃焼触媒の機能低下を防止することができない。
燃焼触媒の再生手段がないため、PMの堆積による燃焼触媒の機能低下を防止することができない。
【0006】
本発明の課題は、エンジン始動直後や軽負荷運転時でもDPFの再生を行うことができるとともに、燃焼触媒の機能低下も抑制できるエンジンの排気処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明の発明特定事項は、次の通りである。
図2に例示するように、可燃性ガス生成器(1)で可燃性ガス(2)を生成させ、この可燃性ガス(2)を可燃性ガス放出口(3)から排気通路(4)に放出し、この可燃性ガス(2)を燃焼触媒(5)で触媒燃焼させ、その触媒燃焼熱で排気(6)を昇温させ、燃焼触媒(5)の下流に配置したDPF(7)に溜まったPMを燃焼除去し、DPF(7)の再生処理を実施するようにした、エンジンの排気処理装置において、
図2に例示するように、燃焼触媒(5)の上流で排気通路(4)に可燃性ガス供給通路(8)を連通させ、この可燃性ガス供給通路(8)に電熱着火装置(10)を設け、この電熱着火装置(10)を制御装置(11)に連携させ、
DPF(7)の再生処理時に、排気(6)の温度が所定の基準温度未満の場合には、制御装置(11)が低温時ガス着火処理を実行し、この低温時ガス着火処理では、電熱着火装置(10)で可燃性ガス(2)に着火して、可燃性ガス(2)の火炎燃焼の熱を排気通路(4)に供給し、
図3に例示するように、燃焼触媒(5)に所定量のPMが堆積すると、制御手段(11)が燃焼触媒(5)の再生処理を実施し、この燃焼触媒(5)の再生処理では、可燃性ガス生成器(1)で可燃性ガス(2)を生成させ、電熱着火装置(10)で可燃性ガス(2)に着火して、可燃性ガス(2)の火炎燃焼の熱を排気通路(4)に供給し、燃焼触媒(5)の入口排気温度が低温時ガス着火処理の場合よりも高くなるようにして、燃焼触媒(5)に堆積したPMを焼却除去し、
図2に例示するように、燃焼触媒(5)の上流に、排気圧センサ(43)が配置され、この排気圧センサ(43)で燃焼触媒(5)の上流の排気圧を検出することにより、制御手段(11)が、燃焼触媒(5)とDPF(7)のPM堆積総量を推定し、PM堆積総量の推定値が再生許可値に至ると、制御装置(11)により、再生が許可され、DPF(7)の再生条件が満たされている場合には、制御装置(11)により、DPF(7)の再生が実施され、燃焼触媒(5)の再生条件が満たされている場合には、制御装置(11)により、燃焼触媒(5)の再生が実施され、
図3に例示するように、前回の再生終了から再生許可値に至るまでのインターバル(44)が所定時間以上である場合には、DPF(7)の再生条件が満たされ、上記インターバル(44)が所定時間未満である場合には、燃焼触媒(5)の再生条件が満たされるように構成されている、ことを特徴とするエンジンの排気処理装置。
【発明の効果】
【0008】
(請求項1に係る発明)
請求項1に係る発明は、次の効果を奏する。
《効果》 エンジン始動直後や軽負荷運転時でもDPFの再生を図ることができる。
DPF(7)の再生処理時に、排気(6)の温度が所定の基準温度未満の場合には、制御装置(11)が低温時ガス着火処理を実行し、この低温時ガス着火処理では、電熱着火装置(10)で可燃性ガス(2)に着火して、可燃性ガス(2)の火炎燃焼の熱を排気通路(4)に供給するので、エンジン始動直後や軽負荷運転時等、本来的に排気(6)の温度が燃焼触媒(5)の活性化温度に達しない場合でも、可燃性ガス(2)の火炎燃焼の熱で排気(6)の温度を昇温させ、排気(6)の温度を燃焼触媒(5)の活性化温度に到達させることが可能となり、エンジン始動直後や軽負荷運転時でもDPF(7)の再生を図ることができる。
【0009】
《効果》 燃焼触媒の機能低下を防止することができる。
図3に例示するように、燃焼触媒(5)に所定量のPMが堆積すると、制御手段(11)が燃焼触媒(5)の再生処理を実施するので、PMの堆積による燃焼触媒(5)の機能低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係るエンジンの排気処理装置を説明する図で、図1(A)は排気処理装置の縦断面図、図1(B)は図1(A)のB−B線断面図である。
図2図1の排気処理装置とその周辺部品の模式図である。
図3】DPF再生と燃焼触媒再生のタイムチャートである。
図4図1の排気処理装置によるDPF再生と燃焼触媒再生のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1図4は本発明の実施形態に係るエンジンの排気処理装置を説明する図であり、この実施形態では、ディーゼルエンジンの排気処理装置について説明する。
【0012】
図2に示すように、可燃性ガス生成器(1)で可燃性ガス(2)を生成させ、この可燃性ガス(2)を可燃性ガス放出口(3)から排気通路(4)に放出し、この可燃性ガス(2)を燃焼触媒(5)で触媒燃焼させ、その触媒燃焼熱で排気(6)を昇温させ、燃焼触媒(5)の下流に配置したDPF(7)に溜まったPMを燃焼除去し、DPF(7)の再生処理を実施するようにしている。
DPFは、ディーゼル・パティキュレート・フィルタの略称、PMは粒子状物質の略称である。燃焼触媒(5)にはDOCが用いられている。DOCはディーゼル酸化触媒の略称である。
DPF(7)の再生処理と共に、燃焼触媒(5)の下流に配置した排気浄化触媒(SCR触媒やNO吸蔵触媒等)を活性化させるようにしてもよい。SCR触媒は選択還元触媒の略称である。
【0013】
図2に示すように、燃焼触媒(5)の上流で排気通路(4)に可燃性ガス供給通路(8)を連通させ、この可燃性ガス供給通路(8)に電熱着火装置(10)を設け、この電熱着火装置(10)を制御装置(11)に連携させている。
DPF(7)の再生処理時や排気浄化触媒の活性化処理時に、排気(6)の温度が所定の基準温度未満の場合には、制御装置(11)が低温時ガス着火処理を実行し、この低温時ガス着火処理では、電熱着火装置(10)で可燃性ガス(2)に着火して、可燃性ガス(2)の火炎燃焼の熱を排気通路(4)に供給する。
基準温度は燃焼触媒(5)の活性化温度である250°Cである。低温時ガス着火処理では、燃焼触媒(5)の入口排気温度を250°Cとする。
制御装置(11)はエンジンECU(31)である。エンジンECUはエンジン電子制御ユニットの略称である。電熱着火装置(10)はグロープラグ(10a)である。
【0014】
DPF(7)の再生処理時に、排気温度が所定の基準温度以上の場合には、制御装置(11)が通常再生処理を実行し、この通常再生処理では、可燃性ガス(2)を生成し、可燃性ガス(2)を着火せずに排気通路(4)に供給する。


【0015】
図3に示すように、燃焼触媒(5)に所定量のPMが堆積すると、制御手段(11)が燃焼触媒(5)の再生処理を実施し、この燃焼触媒(5)の再生処理では、可燃性ガス生成器(1)で可燃性ガス(2)を生成させ、電熱着火装置(10)で可燃性ガス(2)に着火して、可燃性ガス(2)の火炎燃焼の熱を排気通路(4)に供給し、燃焼触媒(5)の入口排気温度が低温時ガス着火処理の場合よりも高くなるようにして、燃焼触媒(5)に堆積したPMを焼却除去する。燃焼触媒(5)の再生処理では、燃焼触媒(5)の入口排気温度を300°C〜500°Cとする。
【0016】
図2に示すように、燃焼触媒(5)の上流に、排気圧センサ(43)が配置され、この排気圧センサ(43)で燃焼触媒(5)の上流の排気圧を検出することにより、制御手段(11)が、燃焼触媒(5)とDPF(7)のPM堆積総量を推定する。そして、PM堆積総量の推定値が再生許可値に至ると、制御装置(11)により、再生が許可される。そして、DPF(7)の再生条件が満たされている場合には、制御装置(11)により、DPF(7)の再生が実施され、燃焼触媒(5)の再生条件が満たされている場合には、制御装置(11)により、燃焼触媒(5)の再生が実施される。
【0017】
図3に示すように、DPF(7)と燃焼触媒(5)のPM堆積総量が再生許可値に至ると、制御装置(11)により再生が許可されるが、前回の再生終了から再生許可値までのインターバル(44)が所定時間以上である場合には、DPF(7)の再生条件が満たされ、インターバル(44)が所定時間未満である場合には、燃焼触媒(5)の再生条件が満たされる。これは、DPF(7)に堆積されたPMは、1回のDPF(7)の再生処理や1回の燃焼触媒(5)の再生処理で、ほぼ全量が除去されるが、燃焼触媒(5)に堆積されたPMは、複数回のDPF(7)の再生処理でも除去されず、次第に蓄積されるため、前記インターバル(44)が所定時間未満にあると、燃焼触媒(5)に所定量のPMが堆積したことを推定することができる。このため、前記インターバル(44)の長短により、DPF(7)と燃焼触媒(5)の再生必要時期を識別し、これを再生条件として識別することができる。
【0018】
制御装置(11)による処理の流れは、次の通りである。
図4に示すように、ステップ(S1)では、通常制御が行われ、通常制御では再生処理は禁止され、ステップ(S2)に進む。
ステップ(S2)では、再生許可条件が成立したか否かが判定される。PM堆積総量の推定値が再生許可値に至ると、再生条件が成立する。判定が否定されると、ステップ(S1)に戻り、判定が肯定されると、ステップ(S3)に進む。
ステップ(S3)では、燃焼触媒(5)の再生条件が成立したか否かが判定される。前記インターバル(44)が所定時間未満である場合には、燃焼触媒(5)の再生条件が成立する。判定が肯定されると、ステップ(S4)に進む。
【0019】
ステップ(S4)では、燃焼触媒(5)の再生処理が行われ、ステップ(S5)に進む。
ステップ(S5)では、燃焼触媒(5)の再生終了条件が満たされたか否かが判定される。燃焼触媒(5)の入口排気温度が所定値以上の状態が所定時間以上累積した場合には、再生終了条件が成立する。判定が否定されると、ステップ(S4)に戻り、判定が肯定されると、ステップ(S1)に戻る。
ステップ(S3)での判定が否定されると、ステップ(S6)に進み、DPF(7)の再生処理が行われ、ステップ(S7)に進む。
ステップ(S7)では、DPF(7)の再生終了条件が成立したか否かが判定される。DPF(7)の入口排気温度が所定温度以上の状態が所定時間以上累積した場合には、再生終了条件が成立する。判定が否定されると、ステップ(S6)に戻り、判定が肯定されると、ステップ(S1)に戻る。
【0020】
図2に示すように、可燃性ガス供給通路(8)に空気供給手段(9)を設け、この空気供給手段(9)を制御装置(11)に連携させ、低温時ガス着火処理や燃焼触媒(5)の再生処理を実行する場合には、可燃性ガス(2)に空気(12)を供給する。
【0021】
図1(A)に示すように、排気通路(4)と可燃性ガス供給通路(8)とを並設し、可燃性ガス供給通路(8)の下流側で、排気通路(4)と可燃性ガス供給通路(8)の境界に放熱口(13)をあけ、この放熱口(13)で排気通路(4)と可燃性ガス供給通路(8)とを連通させ、この放熱口(13)に可燃性ガス供給通路(8)の下流側に配置したグロープラグ(10a)を臨ませている。
これにより、可燃性ガス供給通路(8)やグロープラグ(10a)により排気通路(4)の排気(6)の流れが邪魔されることがなく、排圧を上昇させることがない。また、可燃性ガス(2)の燃焼火炎で排気(6)が直接に昇温され、排気(6)の昇温効率が高い。
図1(A)に示すように、排気通路(4)の下側に可燃性ガス供給通路(8)を並設し、排気通路(4)の周面下側に放熱口(13)をあけている。これにより、可燃性ガス(2)の燃焼火炎の熱気が排気通路(4)に浮上し、排気通路(4)の排気(6)の温度を高め、排気(6)の昇温効率がより高まる。
放熱口(13)は可燃性ガス供給口(3)である。
【0022】
図1(A)(B)に示すように、グロープラグ(10a)の上流で可燃性ガス供給通路(8)に沿って可燃性ガス(2)と空気(12)の混合室(14)を形成し、この混合室(14)に可燃性ガスノズル(15)と空気供給装置(9)とを設け、可燃性ガスノズル(15)は混合室(14)の形成方向に沿う向きで混合室(14)の中心部に配置し、この可燃性ガスノズル(15)の周面に複数の可燃性ガス出口(17)をあけ、空気供給装置(9)は混合室(14)の内周面の周方向に沿う向きで混合室(14)の内周面部に配置し、グロープラグ(10a)による可燃性ガス(2)の着火時と火炎燃焼時には、空気供給管(16)から供給した空気(12)を可燃性ガスノズル(15)の周囲で混合室(14)の内周面に沿って旋回させている。
この旋回する空気(12)に可燃性ガス出口(17)から混合室(14)の径方向に供給した可燃性ガス(2)を混合させるようにしている。これにより、可燃性ガス(2)の着火と火炎燃焼が促進され、可燃性ガス(2)から高い放熱量が得られる。
空気供給装置(9)は空気供給管(16)である。
【0023】
図1(A)に示すように、可燃性ガス生成器(1)に可燃性ガス生成触媒室(21)を設け、この可燃性ガス生成触媒室(21)に可燃性ガス生成触媒(22)を収容し、可燃性ガス生成触媒室(21)の始端部に環状壁(23)を配置し、この環状壁(23)の内側に空燃混合室(24)を形成し、この空燃混合室(24)に空気(25)と液体燃料(26)とを供給することにより、空燃混合室(24)で空燃混合ガス(27)を形成し、この空燃混合ガス(27)を可燃性ガス生成触媒(22)に供給し、可燃性ガス生成触媒(22)で可燃性ガス(2)を生成させるようにしている。図中の符号(28)は空燃混合室(24)の蓋である。
液体燃料(26)は軽油であり、可燃性ガス生成触媒(22)は酸化触媒である。
液体燃料(26)の一部を可燃性ガス生成触媒(22)で触媒燃焼させ、触媒燃焼熱で液体燃料(26)の残部を気化させて、可燃性ガス(2)とする。
図2中の符号(29)はブロワ、(30)はモータ、(34)はDPF入口側温度センサ、(37)はヒータ、(38)は液体燃料ポンプ、(39)はDOC入口側温度センサ、(40)はDPF出口側温度センサ、(41)は起動触媒、(42)は保炎板、(43)はエンジン回転数センサ、(44)は触媒温度センサ、(45)は点火装置周辺温度センサ、(48)はバッテリである。保炎板(42)の上端部は排気下流側に向けて上り傾斜させ、グロープラグ(10a)への排気(6)の進入を抑制しているとともに、背圧の上昇を抑制している。
【符号の説明】
【0024】
(1) 可燃性ガス生成器
(2) 可燃性ガス
(3) 可燃性ガス放出口
(4) 排気通路
(5) 燃焼触媒
(6) 排気
(7) DPF
(8) 可燃性ガス供給通路
(10) 電熱着火装置
(11) 制御装置
図1
図2
図3
図4