【実施例】
【0062】
(実施例1)
目的分子1(ヘキサン酸(ビス(3−メチル−2−ブテニル)アミド)を以下に示す。
【化23】
また、合成スキームを
図1に示す。
【0063】
モノマー1の合成を以下に記載する。反応1.1、1.2、1.3、及び1.4を、乾燥溶媒;t−ブチルメチルエーテルは、CaSO
4により一晩乾燥させ、アルミナを通過させ、その後蒸留し、ピリジンは、リンデ(Linde)社の4A型のモレキュラーシーブスにより乾燥させ、その後蒸留し、テトラヒドロフラン(THF)は、ナトリウム−ベンゾフェノン混合物により還流し、その後回収した;を用いて、アルゴン雰囲気下で行った。
【0064】
カラムクロマトグラフィーをフラッシュグレードのシリカを用いて行った。
【0065】
1.1 1−ブロモ−3−メチル−2−ブテン(2)の合成
t−ブチルメチルエーテル(1000mL)、及び3−メチルブテン−3−オール(230g、280mL、2.67mol)を、撹拌子、凝縮器、温度計、及び滴下漏斗を備えた複数口フラスコ(3L)に加えた。ピリジン(21g、22mL、0.267mol)を加え、フラスコの内容物を、室温で30分間撹拌し、その後、PBr
3(361g、125mL、1.33mol)を、滴下漏斗を介して、内部の温度を40℃以下、好適には約30℃(この反応は発熱性であることに留意されたい)に維持できる速度で、撹拌しながら、加えた。添加が完了した後、反応混合物を4時間撹拌させた。その後、TLC及びHPLCは、反応が完了したことを示した。室温に戻した後、この混合物を、飽和NaCl水溶液(1L)を、撹拌子ながら加えることにより、クエンチした。
【0066】
有機層を分離し、水層をt−ブチルメチルエーテル(3×300mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO
3水溶液で2回(2×500mL)、その後、飽和食塩水(2×200mL)で洗浄した。エーテル層を無水MgSO
4により乾燥させ、溶媒を常圧下で除去した。蒸留装置を吸引ポンプ(水厚ポンプ)に結合させ、このブロモ化物を約25mmHgの圧力下、40〜60℃で蒸留して、淡黄色の油を得た(318g、収率:80%)。
【0067】
1.2 第3級アミン(3)の調製
撹拌子、凝縮器、温度計、及び滴下漏斗を備えた複数口フラスコ(2L)を、冷却槽(氷−水)に置き、アセトン(500mL)、濃縮したアンモニア水溶液(30mL)、及び無水炭酸カリウム(159g、1.15mol)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。臭化アリル(52.5g、0.35mol)を、滴下漏斗を介して、内部の反応を25℃以下に維持できるような速度で、20分かけて加えた。反応溶液を室温で3時間撹拌し、その後、TLC(シリカ、5%メタノールを含むDCM)は、反応の完了したことを示した。固体の懸濁液を濾過し、アセトン(2×50mL)で洗浄した。溶媒を減圧下で除去して、第3級アミン3が、淡黄色の物として得られた。それは、その後固化した(28g、粗収率:107%)。
【0068】
1.3 第2級アミン(4)の調製
粗生成物の第3級アミン(9g、41mmol)を、凝縮器を備えた25mLの丸底(RB)フラスコに加えた。フラスコの内容物を、撹拌ホットプレート上に置いたDrySyn(RTM)(アルミニウムのブロック)中で、30分かけて(外部温度で)200℃まで加熱した。固体材料は、約140〜150℃で溶解し始めた。この材料を2.5時間200℃で加熱した。反応の進行をTLCによりモニターした(シリカ、10%のメタノール、アンモニアのメタノール溶液5滴を含むDCM)。その後、反応混合物を室温まで冷却した。
【0069】
1.4 ヘキサン酸(ビス(3−メチル−2−ブテン)アミド
前の工程で冷却した反応混合物を、炭酸カリウム(6g、43mmol)及び30mLのアセトンを含む100mLのRBフラスコに移した。これを室温で撹拌し、ヘキサノイルクロライド(3.8g、3mL、28mmol)を、滴下漏斗を介して、撹拌しながら、10分かけて滴下した。反応混合物を室温で一晩撹拌して、翌日、TLC(シリカプレート、2.5%メタノールを含むDCM)は目的モノマー1の形成を示した。溶媒を減圧下で除去し、固体を30mLの石油エーテル(40−60)で洗浄して、濾過した。脱色用炭(1g)を路駅に加え、沸騰するまで加熱して、その後、熱いまま濾過した。溶媒を減圧したで除去して、淡茶色の油(5.0g、収率:49%)を得た。HPLCは、94%の純度を示した。
【0070】
(実施例2)
ヘキサン酸(ビス(3−メチル−2−ブテニル)アミド(1)の重合
ヘキサン酸(ビス(3−メチル−2−ブテニル)アミド(1)を、ポリプロピレン基材に塗布し、約1.5重量%のイルガキュア184光開始剤を用いて、UV照射下(水銀放電UVエミッタ)、簡便に重合させた。たった1秒の露光時間で、重合を生じさせるには十分であった。
【0071】
(実施例3)
光開始剤を用いない、ヘキサン酸(ビス(3−メチル−2−ブテニル)アミド(1)の重合
ヘキサン酸(ビス(3−メチル−2−ブテニル)アミド(1)を、光開始剤を用いずに、ポリプロピレン上で、UV照射下(水銀放電UVエミッタ)、重合させた。たった1秒で硬化が生じた。重合は、390nmで操作したLEDのUV光源を用いた更なる実験においても同様に簡便であり、光開始剤の非存在下でモノマーが硬化した。
【0072】
(実施例4)
目的分子5(ヘキサン酸(ビス(3−メチル−2−ブテニル)アミド)を下記に示す。
【化24】
また、合成スキームを
図2に示す。
【0073】
4.1 1−ブロモ−3−メチル−2−ブテン(6)の合成
3−メチル−ブテン−3−オール(97%、500mL)を臭化水素酸(48%、1L)に、室温で、定速で撹拌しながら、2時間かけて加えた。混合物をその後、更に2時間そのまま置き、その後、透明な黄色の上層を、水/HBrの下層を入れないように、デカントした。上層をCaSO
4により完全に乾燥させ、その後63℃で蒸留して、1.26g/mLの密度を有する無色の液体を得た。
【0074】
4.2 第1級アミン(7)の調製
ブロモメチルブタン6をアセトン(50mL)中に溶解させ、この溶液を、撹拌しながら、炭酸カリウム(22g)の存在下、−5℃まで予め冷却した、濃水酸化アンモニウム水溶液(25mL)に、加えた。この混合物をこの温度で30分間撹拌し、その後、室温まで戻した。この溶液及び第1級アミン7を減圧下で除去した。
【0075】
4.3 ヘキサン酸(3−メチル−2−ブテニル)アミド(5)の調製
ヘキサノイルクロライド(3.8g)を第2級アミン及びアセトンに、撹拌しながら、室温で、30分に亘って、滴下して加えた。この反応物を4時間撹拌し、その後、溶媒を減圧したで除去し、黄色い油を得た。油を、ジクロロメタンを溶媒として用いたシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。目的モノマー5を淡黄色の油であった。
【0076】
(実施例6)クロスリンカーを用いた、ヘキサン酸(3−メチル−2−ブテニル)アミド(5)の重合
モノマー5を実施例4に従って調製し、これをクロスリンカー化合物と共重合した。
【化25】
クロスリンカー化合物を、ステップ4.3において用いたヘキサノイルクロライドを、2:1のモル比(第1級アミン7:オキサロイルクロライド)のオキサロイルクロライド(ClOOCCOOCl)に置き換えた点以外は、実施例4に記載の方法を用いて調製した。クロスリンカー(5%)をモノマー5(95%)中に室温で溶解させ、得られた溶液を、実施例2に記載の重合条件を用いて簡便に共重合させた。
【0077】
(実施例7)
目的分子8(ヘキサン酸ジアリルアミド)を下記に示す。
【化26】
新鮮な乾燥したヘキサノイルクロライド(200mmol)を、200mLの乾燥ジクロロメタンを加えた3口丸底(RB)フラスコに、入れた。乾燥させたばかりのジアリルアミン(220mmol)を、トリエチルアミン(220nmol)に加え、更に乾燥ジクロロメタン中で希釈し(1:1 v/v)、その後、滴下漏斗に加えて、反応フラスコ上に取り付けた。窒素ガスを、他の2つの口を通して、容器を通過させた。生じたHClを中和するため、排出ガスを、CaCO
3溶液を通してバブリングした。反応容器をその後、塩水/氷槽に置き、内容物を冷却してから、ジアリルアミン/トリエチルアミン/DCMを、混合物を連続的に磁気撹拌しながら、この酸塩化物溶液に、滴下して加えた。温度をモニターし、5〜10℃に維持した。ジアリルアミン及びトリエチルアミンの滴下を3時間後に停止し、反応物を更に1時間撹拌させた。
【0078】
酢酸エチル及びアルミナを用いた薄層クロマトグラフィーを用いて、開始物質と生成物とを比較しながら、反応をモニターした。ヨウ素を用いて、プレートを展開し、反応生成物を、開始物質よりもよく溶解したスポットとして可視化した。
【0079】
塩化アンモニウム、及び余剰のジアリルアミンを除去するため、反応液を3M HClで洗浄した。DCM画分中に残ったモノマーを、分液漏斗を用いて取り除いた。200mLのDCM中の20gのモノマーについて、100mLのHClの洗浄を2回行った。溶媒をその後、ロータリーエバポレーターで除去した。
【0080】
生成物をジクロロメタン(1:1 v/v)に加え、ジクロロメタンを溶離液として用いたシリカゲル(メルク(Merck)、クロマトグラリー用グレード60)カラムを通過させた。いくらか黄色の着色がカラムに残り、溶離液を除去した後に、非常に淡い黄色の油が得られた。生成物であるヘキサン酸(8)が〜70%の収率で生成した。
【0081】
(実施例8)
ヘキサン酸ジアリルアミド(8)の重合
ヘキサン酸ジアリルアミド(8)をポリプロピレン基材に塗布し、約1.5重量%のイルガキュア250光開始剤を用いて、UV照射下、簡便に重合した。
【0082】
(実施例9)
光開始剤を用いない、ヘキサン酸ジアリルアミド(8)の重合
ヘキサン酸ジアリルアミド(8)をポリプロピレン基材に塗布し、光開始剤を用いずに、高強度のFusionUVランプによる比較的強いUV照射下で、重合した。
【0083】
(実施例10)
ヘキサン酸ジアリルアミド(8)とクロスリンカーとの重合
モノマー8を、実施例7に従って生成し、クロスリンカー化合物である、N、N、N’、N’−テトラアリルエタンジアミド(下式)
【化27】
と共重合させた。
【0084】
クロスリンカー化合物は、ヘキサノイルクロライドを、2:1のモル比(ジアリルアミン:オキサロイルクロライド)のオキサロイルクロライド(ClOOCCOOCl)で置き換えた点以外は実施例7に記載の方法を用いて調製した。クロスリンカー(5%)をモノマー8(95%)中に室温で溶解させ、得られた溶液を実施例8に記載の重合条件を用いて簡便に共重合させた。
【0085】
(実施例11)
目的化合物9(オクチル(ジアリルスルホンアミド))を下記に示す。
【化28】
【0086】
新鮮な乾燥したオクチルスルホニルクロライド(200mmol)を、200mLの乾燥ジクロロメタンを加えた3口丸底(RB)フラスコに、入れた。乾燥させたばかりのジアリルアミン(220mmol)を、トリエチルアミン(220nmol)に加え、更に(1:1 v/v)乾燥ジクロロメタン中で希釈し、その後、滴下漏斗に加えて、反応フラスコ上に取り付けた。窒素ガスを、他の2つの口を通して、容器を通過させた。生じたHClを中和するため、排出ガスを、CaCO
3溶液を通してバブリングした。反応容器をその後、塩水/氷槽に置き、内容物を冷却してから、ジアリルアミン/トリエチルアミン/DCMを、混合物を連続的に磁気撹拌しながら、この酸塩化物溶液に、滴下して加えた。温度をモニターし、5〜10℃に維持した。ジアリルアミン及びトリエチルアミンの滴下を3時間後に停止し、反応物を更に1時間撹拌させた。
【0087】
酢酸エチル及びアンモニアを用いた薄層クロマトグラフィーを用いて、開始物質と生成物とを比較しながら、反応をモニターした。ヨウ素を用いて、プレートを展開し、反応生成物を、開始物質よりもよく溶解したスポットとして可視化した。
【0088】
塩化アンモニウム、及び余剰のジアリルアミンを除去するため、反応液を3M HClで洗浄した。DCM画分中でモニターを行い、分液漏斗を用いて取り除いた。200mLのDCM中の20gのモノマーについて、100mLのHClの洗浄を2回行った。溶媒をその後、ロータリーエバポレーターで除去した。
【0089】
生成物をジクロロメタン(1:1 v/v)に加え、ジクロロメタンを溶離液として用いたシリカゲル(メルク(Merck)、クロマトグラリー用グレード60)カラムを通過させた。成分をその後除去して、生成物(9)が得られた。
【0090】
(実施例12)
オクチル(ジアリルスルホンアミド)(9)の重合
オクチル(ジアリルスルホンアミド)(9)をポリプロピレン上で、実施例2に記載の条件下で重合させた。
【0091】
(実施例13)
N、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミド、及びN、N、N’、N’−テトラアリルエタンジアミドの共重合体を用いた、水性接着剤に対する、SBRゴムの接着性の向上
N、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミド(1060.5g)、及びN、N、N’、N’−テトラアリールエタンジアミド(79.5g)の混合物を80℃まで加熱し、定速で撹拌しながら、この温度で維持した。この混合物に、N、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミド(264.75g)、及びN、N、N’、N’−テトラアリルエタンジアミド(20.25g)に溶解させた、高濃度のVazo67(デュポン(Dupont)社)熱開始剤(75.0g)を、撹拌しながら、6時間に亘って滴下して加え、その反応温度を80℃に維持した。高濃度物を加えた後、反応物を、連続的に撹拌しながら室温で更に12時間そのままにし、その後、放置して室温まで冷却して、粘性の茶色い油を得た。ITX光開始剤(45.0g)、及びエチル 4−ジメチルアミノベンゾエート共力剤(30.0g)を、その後加え、反応生成物に完全に溶解させた。
【0092】
この処方の層をSBRゴムフローリングのシートに、約2gsmの被覆重量で被覆し、鉄をドープした水銀バルブを備えた200W/cmの集束UV源を用いて、4メートル/分のベルト速度で硬化させた。
【0093】
N、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミドの合成
【化29】
ジクロロメタン中の3−ブロモプロピニルクロリド(1:1 v/v)を、僅かにモル比過剰のジクロロメタン(DCM)中のジアリルアミンに、〜10℃で、連続撹拌しながら、2時間に亘って、滴下して加えた。これをその後、希釈HCl及びDCM中で洗浄し、有機画分を回収した。生成物のDCM溶液を、その後、シリカ(60A)を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、ジクロロメタンを除去して、3−ブロモ−N、N−ジアリルプロピルアミド中間体を得た;黄色液体(密度:〜1.27g/cm
3)。収率70%+。
【0094】
1由来の中間体(30g、129mmol)を、THF(1:1 v/v)に加えた。これを、その後、撹拌し、還流させた1−プロピルアミン(43.1g、0.730mmol)、炭酸カリウム(90g、0.652mmol)、及びTHF(133.6g、1.850mmol)の混合物に、2時間に亘って滴下して加えた。還流物をその後、連続撹拌しながら、1時間に亘って、放冷した。
【0095】
冷却した反応混合物を水(400mL)で洗浄し、炭酸カリウムを溶解させて、透明な黄色い有機上層を得、デカントした。この層を、その後水で再び洗浄し、分離し乾燥して、黄色い液体を得た。収率:〜65%。
【0096】
(実施例14)
2、2、3、3、4、4、4−ヘプタフルオロ−N、N−ジ(2−プロペン−1−イル)ブタンアミドでできたポリマーからなる接着増強層を用いた、シアノアクリレート接着剤に対する、ポリ(プロピレン)/EPDM基板の接着性の向上
光開始剤のイルガキュア184(Ciba SC)(0.075g)を、2、2、3、3、4、4、4−ヘプタフルオロ−N、N−ジ(2−プロペン−1−イル)ブタンアミド(2.50g)に溶解させ、発泡体ローラーを用いて、ポリ(プロピレン)/EPDMパネル上に薄いフィルムとして堆積させた。軟鋼の丸い欠片を、ガラス紙で研磨し、その後、シアノアクリレート接着剤で被覆したポリ(プロピレン)/EPDMの表面に結合させた。
【0097】
2、2、3、3、4、4、4−ヘプタフルオロ−N、N−ジ(2−プロペン−1−イル)ブタンアミドの合成
蒸留したばかりのN、N−ジアリルアミン(9.50g、96.8mmol)、及び乾燥ジクロロメタン(50.0g)の混合物を、窒素で1時間バブリングし、その後、滴下漏斗に移し封止した。この混合物を、その後、こちらも前もって1時間、連続撹拌しながら窒素でパージしておいた乾燥ジクロロメタン(100g)中のヘプタフルオロブタノイルクロライド(10.0g、43mmol)の冷却した(5℃)混合物を含む反応容器に、2時間に亘って滴下して加えた。温度を、ジアリルアミン溶液を加える間、及びその後1時間、<10℃に維持した。この後、溶液を室温まで温めて、この反応混合物を水(300mL)で洗浄した。有機層を水(300mL)で更に2回洗浄し、分離し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥させた。その後、溶媒及び揮発物を、減圧下で有機層から除去して、黄色液体を得、シリカ及び溶離液としてのジクロロメタンを用いたカラムクロマトグラフィーを用いて更に精製した。溶離液をその後減圧下で除去して、淡黄色の液体を得た。収率=62%。
【0098】
(実施例15)
N、N−ジアリル−2−(ブチル−ジアリルカルバモイルメチルアミノ)アセトアミドできたポリマーからなる接着増強層を用いた、ニトリルーブタジエンゴム(NBR)に対する、ポリ(ウレタン)熱融解接着剤及びPURフォームラミネートの接着性の向上
N、N−ジアリル−2−(ブチル−ジアリルカルバモイルメチルアミノ)アセトアミド(890.0g)を80℃まで予熱し、その後、N、N−ジアリル−2−(ブチル−ジアリルカルバモイルメチルアミノ)アセトアミド(100.0g)中の熱開始剤Vazo67(デュポン(DuPont)社)(10.0g)の混合物を、温度を80℃に維持しながら、連続撹拌しながら窒素雰囲気下で2時間に亘って加えた。この反応物を、同じ条件下で、更に14時間反応させて、その後室温まで冷却させた。
【0099】
光開始剤である2−イソプロピルチオキサントン(ITX)(31.8g)、及び共力剤であるエチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート(EDB)(21.2g)を、その後加えて、使用前に混合物中に完全に溶解させた。
【0100】
この処方を、その後、リバースローラー法を用いて、1平方メートル当たり2グラムの被覆重量で、NBRゴムフローリングの床面上に被覆し、鉄をドープした水銀バルブを用いた200W/cmのUVランプで硬化させた。
【0101】
湿気硬化型のMDIベースのポリウレタン熱溶融物(100%固体)を、その後、被覆重量70〜80g/m
2で、接着性が向上したNBR上に、160℃で堆積させた。直後にPURフォームシートを、圧力下で熱溶融被覆上にラミネートし、室温まで冷却した。
【0102】
N、N−ジアリル−2−(ブチル−ジアリルカルバモイルメチルアミノ)アセトアミドの合成
【化30】
クロロアセチルクロライド(98%、212g、1.883mmol)、及びジクロロメタン(397.5g、4.680mmol)を反応容器に加え、5℃まで冷却した。N、N−ジアリルアミン(蒸留したばかりのもの、402.57g、4.143mmol)をジクロロメタン(397.5g、4.680mmol)に加え、この混合物を、その後連続撹拌し、温度を10℃以下に維持しながら、数時間に亘ってクロロアセチルクロライド混合物に滴下して加えた。この反応混合物を、その後室温に達するまでそのままにし、その後水(1.5L)で洗浄した。有機層を水で再び洗浄し、その後、有機層を分離した。溶媒及び揮発物を、その後減圧下で有機層から除去して、黄色の油を得た。これを、酢酸エチル溶離液及びシリカを用いたカラムクロマトグラフィーにより更に精製した。溶離液を減圧下で除去して、黄色い油を得た。収率は〜78%であった。
【0103】
N、N−ジアリル−2−クロロアセトアミド(中間体)(86.75g、0.500mmol)、トリエチルアミン(154.38g、1.500mmol)及びテトラヒドロフラン(222.25g、3.082mol)を、1−ブチルアミン(99%、18.29g、0.250mol)を加えた反応フラスコに、連続撹拌しながら15分に亘って滴下して加えた。反応温度を、還流温度にして4時間維持した。反応物を、その後室温まで冷却し、その後反応液からトリエチルアミン塩酸塩を濾過した。減圧下で溶媒を除去した後、生成物をジクロロメタン(200mL)に加え、その後水(300mL)で二回洗浄した。結城さ王を分離して、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。これを減圧下で除去して、淡黄色の油が得られた。収率は〜88%であった。
【0104】
(実施例16)
N、N−ジアリル−2−(ブチル−ジアリルカルバモイルメチルアミノ)アセトアミドできたポリマーからなる接着増強層を用いた、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)に対する、無溶媒アクリレート分散フローリング接着剤の接着性の向上
N、N−ジアリル−2−(ブチル−ジアリルカルバモイルメチルアミノ)アセトアミド(890.0g)を80℃まで予熱し、その後、N、N−ジアリル−2−(ブチル−ジアリルカルバモイルメチルアミノ)アセトアミド(100.0g)中の熱開始剤Vazo67(デュポン(DuPont)社)(10.0g)の混合物を、温度を80℃に維持しながら、連続撹拌しながら窒素雰囲気下で2時間に亘って加えた。この反応物を、同じ条件下で、更に14時間反応させて、その後室温まで冷却させた。光開始剤である2−イソプロピルチオキサントン(ITX)(31.8g)、及び共力剤であるエチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート(EDB)(21.2g)を、その後加えて、使用前に混合物中に完全に溶解させた。
【0105】
この処方を、その後、リバースローラー法を用いて、1平方メートル当たり2グラムの被覆重量で、SBRゴムフローリングの床面上に被覆し、鉄をドープした水銀バルブを用いた200W/cmのUVランプで硬化させた。
【0106】
このように処理されたSBRゴムをその後、拡散コテを用いて、無溶媒アクリレート分散接着剤を、350g/m
2の被覆重量で被覆した木製のフローリングに、結合させた。接着剤の拡散と、SBRを木製フローリングに置いた後の、SBR表面に均等な力を加えながらのゴムとの結合との間、約15分置いた。
【0107】
(実施例17)
N、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミド、及び1、1−ジアリル−3−(6−{3、5−ビス−[6−(3、3−ジアリル−ウレイド)−ヘキシル]−2、4、6−トリオキソ−[1、3、5]−トリアジナン}−1−イル−ヘキシル)ウレアできたポリマーからなる接着増強層を用いた、NBRゴムとFKMフルオロエラストマーとの接着性の向上
熱開始剤Vazo67(デュポン(DuPont)社)を5重量%で、N、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミド、及び1、1−ジアリル−3−(6−{3、5−ビス−[6−(3、3−ジアリル−ウレイド)−ヘキシル]−2、4、6−トリオキソ−[1、3、5]−トリアジナン}−1−イル−ヘキシル)ウレアの、それぞれ4:1の重量比の混合物中に加えた。この混合物を80℃まで加熱し、連続撹拌しながら、窒素雰囲気下で16時間維持した。この反応物を冷却した後、光開始剤の2−イソプロピルチオキサントン(ITX)、及びエチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート(EDB)を、それぞれ3重量%及び2重量%で加え、混合物中に完全に溶解させた。
【0108】
この処方の薄い、均一の層を、加硫済みのFKMフルオロエラストマーのかけら上に、約3g/m
2被覆重量で被覆し、その後、鉄をドープした水銀バルブを備えた200W/cmの集束UV源を用いて、4メートル/分のベルト速度で硬化させた。加硫済みのNBRゴムのストリップを、その後、被覆したFKMフルオロエラストマーの上面に置き、180℃、約4barの圧力で、10分間加熱した。
【0109】
【化31】
1、1−ジアリル−3−(6−{3、5−ビス−[6−(3、3−ジアリル−ウレイド)−ヘキシル]−2、4、6−トリオキソ−[1、3、5]−トリアジナン}−1−イル−ヘキシル)ウレア
【0110】
1、1−ジアリル−3−(6−{3、5−ビス−[6−(3、3−ジアリル−ウレイド)−ヘキシル]−2、4、6−トリオキソ−[1、3、5]−トリアジナン}−1−イル−ヘキシル)ウレアの合成
N、N−ジアリルアミン(乾燥したばかりのもの、30.60g)を、ジクロロメタン(>99.5%、132.50g)中のイソシアネート 「Tolonate HDT−LV2)」(ロディア(Rhodia)社)(50.4g)の混合物を、温度を30℃以下に維持し、連続撹拌しながら、2時間に亘って滴下して加えた。ジアリルアミンを加えた後、混合物を室温で更に30分そのままにした。溶媒及び余剰のジアリルアミンを減圧下で除去して、高粘度、琥珀色の液体が、80.1%の収率で、得られた。
【0111】
(実施例18)
N、N−ジ(2−プロピレン−1−イル)オクタン−1−スルホンアミドを用いた、ポリ(プロピレン)に対する、シアノアクリレート接着剤の接着性の向上
N、N−ジ(2−プロピレン−1−イル)オクタン−1−スルホンアミド中に溶解させた、チバ(Ciba)社 イルガキュア(Irgacure) 184、(1.5重量%)、及びデュポン(Dupont)社 Vazo67(2重量%)を含む処方を調整した。
【0112】
この処方の薄いフィルム、約5ミクロンの厚さ、をポリ(プロピレン)プラーク上に塗布して、ドープしていない水銀バルブを備えた160W/cmの集束UV源を用いて、硬化させた。この工程を繰り返し、ポリ(プロピレン)上に二重層を形成した。
【0113】
このようにして接着性を向上させた2片のポリ(プロピレン)を、その後シアノアクリレート接着剤を用いて共に接着させた。
【0114】
【化32】
N、N−ジ(2−プロピレン−1−イル)オクタン−1−スルホンアミド
【0115】
N、N−ジ(2−プロピレン−1−イル)オクタン−1−スルホンアミドの合成
ジアリルアミン(99%、10.69g)、トリエチルアミン(99%、11.1g)、及びジクロロメタン(99+%、50mL)を混合して、ジクロロメタン(99+%、200mL)中の1−オクタン−1−スルホニルクロライド(99+%、21.3g)の、冷却した(0℃)混合物に滴下して加えた。連続撹拌しながら、数時間温度を0〜10℃に維持して、全てのジアリルアミン混合物を加えた。この反応混合物を、その後室温になるまで放置した。
【0116】
反応混合物を、その後、希釈HCl(3M、500mL)で洗浄し、有機層を分離した。有機層の洗浄を水又はブラインで繰り返し、無水硫酸マグネシウムで有機層を乾燥させた。ジクロロメタン及び他の濾液を、その後減圧下で除去し、淡黄色の液体を生成した。これを、その後、シリカゲル(60Å)、及び溶離液としてジクロロメタンを用いたカラムクロマトグラフィーにより、更に精製して、淡黄色の油を得た。
【0117】
(実施例19)
金属に対するN、N−ジアリルヘキサンアミドでできたポリマーの接着、及び金属に対するPETの接着性の向上
スズプレート、及びスズを含まない鋼鉄サンプルを、酢酸エチルで洗浄後に被覆した。被覆物は、95%のN、N−ジアリルヘキサンアミド、及び5%のイルガキュア(Irgacure) 184開始剤の混合物とした。金属基材に対する被覆物の塗布に先立って、被覆物を、酢酸エチル:N、N−ジアリルヘキサンアミドを3:1として、酢酸エチルと共に減圧した。被覆物を、1.5μmの厚さのほぼ乾燥したフィルムで、各金属試料に塗布した。このように被覆した試料を、その後、オーブン中、100℃で、20分間乾燥させて、溶媒を除去し、且つ場合により、モノマーと金属表面との間の反応を熱で開始させた。乾燥後、被覆物をUVランプで硬化させた。PETを、その後、オーブン中、260℃の温度で、溶解させることによって塗布し、2分間乾燥させた。被覆した金属試料を、その後、BS EN ISO 2409に対するクロスバッチ接着、及び180℃で曲げた後の柔軟性及び接着性について試験した。スズプレート及びスズを含まない鋼鉄資料の、優れたぬれ性及び接着性が観察された。金属試料に対する完全な接着が観察された、すなわち、接着性試験で用いられたプレートで被覆の剥がれがなかった。加えて、PETに対する完全な接着が観察され、PETのクラッキング又は割れが生じなかった。
【0118】
N、N−ジアリルヘキサンアミドの合成
【化33】
ジアリルアミン(99%、37g、381mmol)、トリエチルアミン(99%、40g、396mmol)、及びジクロロメタン(99+%、50mL)を混合して、ジクロロメタン(99+%、200mL)中のヘキサノイルクロライド(99+%、50g、371mmol)の、冷却した(0℃)混合物に滴下して加えた。連続撹拌しながら、数時間温度を0〜10℃に維持して、全てのジアリルアミン混合物を加えた。この反応混合物を、その後室温になるまで放置した。
【0119】
反応混合物を、その後、希釈HCl(3M、500mL)で洗浄し、有機層を分離した。有機層の洗浄を水又はブラインで繰り返し、無水硫酸マグネシウムで有機層を乾燥させた。ジクロロメタン及び他の濾液を、その後減圧下で除去し、淡黄色の液体を生成した。これを、その後、シリカゲル(60Å)、及び溶離液としてジクロロメタンを用いたカラムクロマトグラフィーにより、更に精製して、ほぼ無色の油を得た。収率=70%。
【0120】
(実施例20)
N、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミドでできたポリマーの接着
モノマーであるN、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミドに関して、上記実施例19に記載の方法を用いた。乾燥中に、被覆にいくつかの網目が見られたものの、金属試料のほぼ完全なぬれ性が観察された。金属試料に対する接着は優れており、PETに対する接着も非常に良好であった。
【0121】
(実施例21)
N、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミド、及びN、N、N’、N’−テトラアリルエタンジアミドでできたポリマーからなる接着増強層を用いた、アルミニウムに対する、ポリエチレン被覆物の接着性の向上
アルミニウム基材を、N、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミド(70%)、N、N、N’、N’−テトラアリルエタンジアミド(25%)、及びイルガキュア 127(5%)の混合物で被覆した。被覆物を、2〜2.5m/分のベルト速度で、UVランプ(Fusion UV F300、120W/cm)下で硬化させ、4回の通過で2回の「乾燥」硬化を施した。押し出されたPE(処理及び未処理)を、この硬化したアルミニウム試料上に被覆した。ポリマー被覆物のアルミニウムに対する接着性を、ISO 4264、EN24624、及びASTM D 4541の標準試験方法により試験し、7.8MPaという良好な接着性の値を記録した。PE被覆物に対する良好な接着性も観察され、2.0N/15mmという「T型」接着性の値が記録された。
【0122】
(実施例22)
N、N−ジアリルヘキサンアミドでできたポリマーからなる接着増強層を用いた、ポリプロピレン及び高密度ポリエチレンに対する、水性ペイントの接着性の向上
ポリプロピレン(PP)及び高密度ポリエチレン(HDPE)パネルを2−プロパノールで拭くことによって洗浄した。このパネルを、その後90.2重量%のN、N−ジアリルヘキサンアミド、2.3重量%の1、3、5−トリメソイルアミドクロスリンカー(ベンゼン−1、3、5−トリカルボン酸−トリス−N、N−ジアリルアミド)、4.5重量%のSpeedcure ITX光開始剤、3.0重量%のSpeedcure EDB共力剤からなる処方で被覆した。被覆したパネルを、その後、鉄をドープした水銀バルブを備えた120W/cm UVランプ下を通過させ、約3μmの厚さの硬化フィルムを得た。被覆したパネルを冷却した後、ペイント(Senosol Hydrometallic(RTM)、Weilburger Coatings GmbH、D−35781、Weilburger−Lahn、ドイツ)を、製造業者の仕様書に従って、塗布し、乾燥させた。ポリマー被覆の、PP及びHDPEパネル、並びにペイントに対する接着性を、ASTM D3359B/BS EN ISO 2409に従って、決定した。どちらの場合にも、優れたASTM D3359Bの接着性レーティングである5Bが得られた。
【0123】
【化34】
ベンゼン−1、3、5−トリカルボン酸−トリス−N、N−ジアリルアミド
【0124】
ベンゼン−1、3、5−トリカルボン酸−トリス−N、N−ジアリルアミドの合成
N、N−ジアリルアミン(128.26g、1.32mmol)、及びジクロロメタン(106.0g、1.248mmol)の混合物を、漏斗に加え、ジクロロメタン(530.0g、6.24mmol)中のベンゼン−1、3、5−トリメソイルクロライド(53.1g、0.200mmol)の冷却した(10℃)混合物を含む反応容器に、連続撹拌しながら、75分間に亘って滴下して加えた。温度を、ジアリルアミン溶液を加える間、<10℃に維持し、その後、連続撹拌しながら、更に60分間かけて室温まで戻した。有機層を、過剰の水(1×600mL、及び2×300mL)で洗浄して、ジアリルアミンの塩酸塩を除去し、その後、無水硫酸マグネシウムにより乾燥させた。固体をその後、濾過して、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、その後、シリカ及び溶離液としてのジクロロメタンを用いたカラムクロマトグラフィーを用いて精製した。ジクロロメタンをその後再び減圧下で除去して、淡黄色の粘性の生成物を得た。収率=60.2%。
【0125】
(実施例23)
N、N−ジアリルヘキサンアミド、及びN、N、N’、N’−テトラアリルエタンジアミドを用いた、シリコン及びフルオロエラストマーに対する、m−アラミドの接着性の向上
N、N−ジアリルヘキサンアミド、及びN、N、N’、N’−テトラアリルエタンジアミドの混合物(9:1重量比)、熱開始剤(Vazo67、デュポン(Dupont)、モノマー混合物の5重量%)を加え、完全に溶解するまで撹拌した。この混合物を、その後、連続撹拌しながら、70℃で8時間維持して、粘性の黄色い油を得た。ここに光開始剤(Ciba社、イルガキュア(Irgacure)819、2重量%)を加え、よく混合した。
【0126】
この処方を、その後m−アラミド布(デュポン(Dupont)社、Nomex)のストリップの各側上に、1平方メートル当たり約5グラムの被覆重量で、塗布した。この被覆物を、各層が堆積された後、連続的に、鉄をドープした水銀バルブを備えた200W/cmのUV源を用いて、硬化した。
【0127】
開始剤、又は他の硬化剤を含む、フルオロ−エラストマーのストリップ及びシリコン化合物を、接着性を高めた織布の各側に塗り、その後、190℃、65〜80psiで、約15分間処理して、フルオロエラストマー及びシリコーンゴムを硬化して、これらを織布に結合させた。
【0128】
【化35】
N、N、N’、N’−テトラアリルエタンジアミド
【0129】
(実施例24)
N、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミド、及びN、N、N’、N’−テトラアリルエタンジアミドを用いた、EPDMゴムに対する、m−アラミドの接着性の向上
m−アラミド織物を2枚のEPDMゴム化合物の間に配置した以外は、実施例23で用いたものと同じ処方の被覆方法を、m−アラミド織物について用いた。高い圧力(45〜75psi)、及び温度(190℃)下で、15分間、m−アラミド織物をEPDMに結合させた。
【0130】
(実施例25)
ベンゼン−1、3、5−トリカルボン酸−トリス−N、N−ジアリルアミド、及び2、2、2’、2’’、2’’’−(エタン−1、2−ジイルビス(アザネトリイル)テトラキス(N、N−ジアリルアセトアミド)を用いた、シリコン及びフルオロエラストマーに対する、m−アラミドの接着性の向上
ベンゼン−1、3、5−トリカルボン酸−トリス−N、N−ジアリルアミド、及び2、2、2’、2’’、2’’’−(エタン−1、2−ジイルビス(アザネトリイル)テトラキス(N、N−ジアリルアセトアミド)の混合物を、それぞれ9:1の重量比で調製した。光開始剤(Ciba社、イルガキュア(Irgacure)127)を、モノマー混合物の総重量の3%加え、混合物の緩やかな加熱を維持することによって、溶解させた。この処方を、その後、m−アラミド布(デュポン(Dupont)社、Nomex)のストリップの各側上に、1平方メートル当たり約10グラムの被覆重量で、塗布し、この被覆物を、各層が堆積された後、連続的に、鉄をドープした水銀バルブを備えた200W/cmのUV源を用いて、硬化した。
【0131】
開始剤、又は他の硬化剤を含む、フルオロ−エラストマーのストリップ及びシリコン化合物を、接着性を高めた織布の各側に塗り、その後、175℃、40トン圧力プレスで、約25分間処理して、フルオロエラストマー及びシリコーンゴムを硬化して、これらを織布に結合させた。
【0132】
【化36】
ベンゼン−1、3、5−トリカルボン酸−トリス−N、N−ジアリルアミド
【0133】
ベンゼン−1、3、5−トリカルボン酸−トリス−N、N−ジアリルアミドの合成
N、N−ジアリルアミン(128.26g、1.32mmol)、及びジクロロメタン(106.0g、1.248mmol)の混合物を、漏斗に加え、ジクロロメタン(530.0g、6.24mmol)中のベンゼン−1、3、5−トリメソイルクロライド(53.1g、0.200mmol)の冷却した(10℃)混合物を含む反応容器に、連続撹拌しながら、75分間に亘って、滴下して加えた。温度を、ジアリルアミン溶液を加える間、<10℃に維持し、その後、連続撹拌しながら、更に60分間かけて室温まで戻した。有機層を、過剰の水(1×600mL、及び2×300mL)で洗浄して、ジアリルアミンの塩酸塩を除去し、その後、無水硫酸マグネシウムにより乾燥させた。固体をその後、濾過して、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、その後、シリカ及び溶離液としてのジクロロメタンを用いたカラムクロマトグラフィーを用いて精製した。ジクロロメタンをその後再び減圧下で除去して、淡黄色の粘性の生成物を得た。収率=60.2%。
【0134】
【化37】
2、2’、2’’、2’’’−(エタン−1、2−ジイルビス(アザネトリイル)テトラキス(N、N−ジアリルアセトアミド)
【0135】
4−ジメチルアミノピリジン(0.5g)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(103.0g)、エチレンジアミンテトラ酢酸(36.0g)、ジアリルアミン(53.0g)、及びジクロロメタン(250g)の混合物を、反応容器に加え、連続撹拌しながら、約20℃で120時間維持した。反応物中に形成される尿素を含む固体を、その後、濾過により除去し、その後、アミン及び溶媒を減圧下で除去した。不純物の除去後、透明な粘性の油が得られた(〜65%)。
【0136】
(実施例26)
N、N−ジアリルヘキサンアミド、及びN、N、N’、N’−テトラアリルエタンジアミドを用いた、シリコーンゴム及びフルオロエラストマーに対する、ポリ(エステル)織布の接着性の向上
9:1の重量比の、N、N−ジアリルヘキサンアミド、及びN、N、N’、N’−テトラアリルエタンジアミドの混合物に対して、熱開始剤(Vazo 67、デュポン(DuPont)社)を、初めに総混合物の1重量%、反応各時間後に1%ずつ増加させ、5%になるまで加え、反応時間を8時間とし;全反応時間に亘って反応温度を70℃に維持した。粘性の黄色い油が得られた。これに、光開始剤(Ciba社、イルガキュア(Irgacure)819)を、全溶液の2重量%加え、よく混合した。この処方を、その後、編んだポリ(エステル)織布のストリップの各側上に、1平方メートル当たり約5グラムの被覆重量で、塗布し、各層が堆積された後、連続的に、UV硬化を行った。
【0137】
フルオロ−エラストマーのストリップ及びシリコン化合物を、接着性を高めた層で被覆した、編んだポリ(エステル)織布の各側に塗り、その後、190℃、45〜75psiで、約25分間処理して、フルオロエラストマー及びシリコーンゴムを硬化して、これらを織布に結合させた。
【0138】
(実施例27)
N、N−ジアリルヘキサンアミド、ベンゼン−1、3、5−トリカルボン酸−トリス−N、N−ジアリルアミド、及びフッ素化モノマーである2、2、3、3、4、4、5、5、6、6、7、7、8、8、8−ペンタデカフルオロ−N、N−ジ(2−プロペン−1−イル)オクタンアミドを用いた、シリコーンゴム及びフルオロエラストマーに対する、ポリ(アラミド)織布の接着性の向上
N、N−ジアリルヘキサンアミド(85.5重量%)、ベンゼン−1、3、5−トリカルボン酸−トリス−N、N−ジアリルアミド(9.5重量%)、2、2、3、3、4、4、5、5、6、6、7、7、8、8、8−ペンタデカフルオロ−N、N−ジ(2−プロペン−1−イル)オクタンアミド(2重量%)、及び光開始剤イルガキュア127(3重量%、Ciba SC社)の混合物を、m−アラミド布(デュポン(Dupont)社、Nomex)のストリップの各側上に、1平方メートル当たり約10グラムの被覆重量で、塗布した。この被覆物を、各層が堆積された後、連続的に、鉄をドープした水銀バルブを備えた200W/cmのUV源を用いて、硬化した。
【0139】
開始剤、又は他の硬化剤を含む、フルオロ−エラストマーのストリップ及びシリコン化合物を、接着性を高めた織布の各側に塗り、その後、175℃、40トン圧力プレスで、約25分間処理して、フルオロエラストマー及びシリコーンゴムを硬化して、これらを織布に結合させた。
【0140】
【化38】
2、2、3、3、4、4、5、5、6、6、7、7、8、8、8−ペンタデカフルオロ−N、N−ジ(2−プロペン−1−イル)オクタンアミド
【0141】
2、2、3、3、4、4、5、5、6、6、7、7、8、8、8−ペンタデカフルオロ−N、N−ジ(2−プロペン−1−イル)オクタンアミドの合成
パーフルオロオクタノイルクロライド(20.0g)、及びジクロロメタン(1.6g)の混合物を、ジアリルアミン(9.88g、>99%)、及びジクロロメタン(1.72g)の撹拌中の混合物に、1時間に亘って滴下して加え、0℃まで冷却した。反応液を、更に1時間連続撹拌しながら、室温まで温めた。
【0142】
生成物を、水(500mL)で2回洗浄し、その後、減圧下ジクロロメタンを除去して、非常に低い粘度を有する橙黄色の液体が得られた(収率79%)。