【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、エアロゾル形成気質を受け入れるための電気作動式エアロゾル生成システムが提供され、このシステムは、液体エアロゾル形成気質を貯蔵するための液体貯蔵部と、液体エアロゾル形成気質を加熱するための少なくとも1つの加熱要素を備える電気ヒータと、電気ヒータの作動をモニタし、このモニタした作動に基づいて、液体貯蔵部に残っている液体エアロゾル形成気質の量を推定するように構成された電気回路とを備える。
【0006】
エアロゾル生成システムは、エアロゾル形成気質を気化させてエアロゾルを形成するように構成される。当業者には周知のように、エアロゾルは、空気などの気体中の固体粒子又は液滴の懸濁液である。
【0007】
電気ヒータの作動は、例えば経時的な加熱要素の温度、経時的な加熱要素の抵抗、又は経時的にヒータに印加される電力、或いはこれらのパラメータの2つ又はそれ以上の組み合わせをモニタすることなどによるいくつかの方法でモニタすることができる。
【0008】
電気回路は、液体エアロゾル形成気質の消費量を推定し、この消費量を既知の初期量から減算して、液体貯蔵部内に残っている液体エアロゾル形成気質推定するように構成されることが好ましい。
【0009】
電気回路は、加熱要素の温度又は抵抗を経時的にモニタすることにより電気ヒータの作動をモニタして、エアロゾル形成気質の消費量を推定するように構成されることが好ましい。電気回路は、加熱要素の温度又は抵抗の第1の閾値に至るまでの温度又は抵抗と液体エアロゾル形成気質の消費量とを関連付ける第1の方程式と、加熱要素の温度又は抵抗の第1の閾値を上回る温度又は抵抗と液体エアロゾル形成気質の消費量とを関連付ける第2の方程式とに基づいて、エアロゾルの消費量を推定するように構成されることが好ましい。
【0010】
第2の方程式は、線形方程式であることが好ましい。第2の方程式は、加熱要素に印加される電力に依存することが好ましい。第2の方程式は、エアロゾル形成気質及びこれを保持するあらゆる要素を通じた熱拡散を考慮することが好ましい。
【0011】
第1の方程式は、非線形方程式であることが好ましい。第1の方程式は、加熱要素に印加される電力とは無関係であることが好ましい。第1の方程式は、液体エアロゾル形成気質の気化のエンタルピを考慮することが好ましい。
【0012】
第1の閾値の値は、液体エアロゾル形成気質の組成に依存する。第1の閾値は、液体エアロゾル形成気質の沸点であることが好ましく、液体エアロゾル形成気質の大気圧における沸点であることがより好ましい。
【0013】
第1の方程式及び第2の方程式は、液体エアロゾル形成気質の組成のみならず、寸法及び材料特性などのシステムの特異性、並びにヒータに印加される電力にも依存する。従って、第1の方程式及び第2の方程式は、実験的に導出されて電気回路に記憶されることが好ましい。電気回路には、液体エアロゾル形成気質の異なる組成とともに使用できるとともに異なる電力レベルで使用できるように、複数の異なる方程式を記憶することができる。
【0014】
当然ながら、温度又は抵抗と気質の消費量との関係をモデル化するための2つの方程式の代案として、実験的に導出された気質の消費量についてのデータとの相関関係により導出される単一のより複雑な方程式を使用することもできる。或いは、適切な場合には、3又はそれ以上の方程式を使用することもできる。しかしながら、本発明者らは、液体気質の消費量を正確に計算するには、加熱要素の温度発展、並びに液体気質の沸点の上下の異なる気化挙動を考慮しなければならない点を十分に理解している。ヒータに印加する異なる電力レベルに対応する異なるモデルを提供することも望ましい。
【0015】
液体貯蔵部内の液体エアロゾル形成気質の量を判定するための電気回路を設けることは、いくつかの理由により有利である。例えば、液体貯蔵部が空又はほぼ空の場合には、電気ヒータに供給される液体エアロゾル形成基質が不十分な場合がある。つまり、生成されるエアロゾルが、例えばエアロゾルの粒子サイズなどの所望の特性を有していないことがあり得る。この結果、ユーザの体験が不十分となる場合がある。また、液体貯蔵部がいつ空又はほぼ空になるかを判定できれば、ユーザに通知することが可能になる。ユーザは、これを受けて、貯蔵部の交換又は補充準備を進めることができる。
【0016】
液体エアロゾル形成基質に関しては、例えば基質の蒸気圧又は粘度などの特定の物理特性が、エアロゾル生成システムでの使用に適するように選択される。この液体は、揮発性タバコ香味化合物を含むタバコ含有材料を含み、加熱時にはこの材料が液体から放出されることが好ましい。これとは別に又はこれに加えて、液体は、非タバコ材料を含むこともできる。液体は、水、エタノール、又はその他の溶媒、植物抽出物、ニコチン溶液、及び天然又は合成香味料を含むことができる。液体は、エアロゾルフォーマをさらに含むことが好ましい。好適なエアロゾルフォーマの例に、グリセリン及びプロピレングリコールがある。
【0017】
液体貯蔵部を設ける利点は、液体貯蔵部内の液体が外気から保護される点である。いくつかの実施形態では、液体貯蔵部内に周囲光も入り込むことができず、これにより液体の劣化のリスクが回避されるようになる。さらに、高レベルの衛生状態を維持することもできる。液体貯蔵部が補充可能でなく、液体貯蔵部内の液体を使い切った場合又は所定の閾値に減少した場合、ユーザが液体貯蔵部を交換する必要がある。このような交換中には、ユーザが液体で汚れるのを防ぐ必要がある。或いは、液体貯蔵部を補充可能とすることもできる。この場合、液体貯蔵部内の液体エアロゾル形成気質の量が所定の閾値に減少した時に、液体貯蔵部を補充することができる。液体貯蔵部は、所定の吸煙回数又は加熱サイクル数に対応する液体を保持するように構成されることが好ましい。
【0018】
電気ヒータは、単一の加熱要素を含むことができる。或いは、電気ヒータは、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又はそれ以上などの、複数の加熱要素を含むこともできる。これらの1又は複数の加熱要素を、液体エアロゾル形成基質を最も効果的に加熱するように適切に配置することができる。
【0019】
少なくとも1つの電気式加熱要素は、電気抵抗材料を含むことが好ましい。好適な電気抵抗材料としては、以下に限定されるわけではないが、ドープセラミックスなどの半導体、(例えば、ケイ化モリブデンなどの)「導電性」セラミックス、炭素、黒鉛、金属、金属合金、及びセラミック材料と金属材料で作られた複合材料が挙げられる。このような複合材料は、ドープセラミックス又は非ドープセラミックスを含むことができる。好適なドープセラミックスの例には、ドープ炭化ケイ素がある。好適な金属の例には、チタン、ジルコニウム、タンタル、及び白金族から得た金属がある。好適な金属合金の例としては、ステンレス鋼、コンスタンタン、ニッケル含有合金、コバルト含有合金、クロム含有合金、アルミニウム−チタン−ジルコニウム含有合金、ハフニウム含有合金、ニオブ含有合金、モリブデン含有合金、タンタル含有合金、タングステン含有合金、スズ含有合金、ガリウム含有合金、マンガン含有合金、及び鉄含有合金、並びにニッケル基超合金、鉄基超合金、コバルト基超合金、ステンレス鋼基超合金、Timetal(登録商標)、鉄−アルミニウム基合金、及び鉄−マンガン−アルミニウム基合金が挙げられる。Timetal(登録商標)は、Titanium Metals社の登録商標である。複合材料では、エネルギー移動の動態及び必要な外部物理化学的特性に応じて、任意に絶縁材料に電気抵抗材料を埋め込み、或いは電気抵抗材料を絶縁材料でカプセル化又はコーティングすることができ、逆もまた同様である。加熱要素は、2つの不活性材料層の間で絶縁された金属エッチング箔を含むことができる。この場合、不活性材料は、Kapton(登録商標)、全ポリイミド箔又は雲母箔を含むことができる。Kapton(登録商標)は、デュポン社(E.I. du Pont de Nemours and Company)の登録商標である。
【0020】
少なくとも1つの電気加熱要素は、あらゆる好適な形をとることができる。例えば、少なくとも1つの電気加熱要素は、加熱ブレードの形をとることができる。或いは、少なくとも1つの電気加熱要素は、異なる導電性部分を有するケーシング又は基板、或いは電気抵抗金属チューブの形をとることもできる。液体貯蔵部は、使い捨て加熱要素を組み込むことができる。或いは、液体エアロゾル形成基質を貫通する1又はそれ以上の加熱針又は加熱ロッドも適することができる。或いは、少なくとも1つの電気加熱要素は、可撓性シート材料を含むことができる。その他の選択肢としては、例えば、Ni−Cr(ニッケル−クロム)ワイヤ、白金ワイヤ、タングステンワイヤ又は合金ワイヤなどの加熱ワイヤ又はフィラメント、又は加熱プレートが挙げられる。任意に、この加熱要素を、硬質担体材料内に又はその上に堆積させることができる。
【0021】
少なくとも1つの電気式加熱要素は、熱を吸収して蓄えた後にこの熱を徐々に放出してエアロゾル形成基質を加熱できる材料を含むヒートシンク又はヒートリザーバを含むことができる。ヒートシンクは、好適な金属材料又はセラミック材料などのあらゆる好適な材料で形成することができる。この材料は、高熱容量(妥当な蓄熱材料)を有し、又は高温相変化などの可逆過程を通じて熱を吸収した後に放出できる材料であることが好ましい。好適で妥当な蓄熱材料としては、シリカゲル、アルミナ、炭素、グラスマット、ガラス繊維、鉱物、アルミニウム、銀又は鉛などの金属又は合金、及び紙などのセルロース材料が挙げられる。可逆的相変化を通じて熱を放出するその他の好適な材料としては、パラフィン、酢酸ナトリウム、ナフタリン、ワックス、ポリエチレンオキシド、金属、金属塩、共晶塩の混合物、又は合金が挙げられる。
【0022】
ヒートシンク又はヒートリザーバは、液体エアロゾル形成基質と直接接触して、蓄えられた熱を基質に直接伝達できるように配置することができる。或いは、ヒートシンク又はヒートリザーバ内に蓄えられた熱を、金属チューブなどの熱導体によってエアロゾル形成基質に伝達することもできる。
【0023】
少なくとも1つの加熱要素は、伝導を通じて液体エアロゾル形成基質を加熱することができる。加熱要素は、基質と少なくとも部分的に接触することができる。或いは、熱伝導要素によって加熱要素からの熱を基質に伝導することもできる。
【0024】
或いは、使用時に電気作動式エアロゾル生成システムを通じて吸い込まれる流入外気に少なくとも1つの加熱要素が熱を伝達し、この外気がエアロゾル形成基質を加熱するようにしてもよい。外気は、エアロゾル形成基質を通過する前に加熱することができる。或いは、最初に液体基質を通じて外気を吸い込み、その後に加熱してもよい。
【0025】
電気作動式エアロゾル生成システムは、液体エアロゾル形成基質を液体貯蔵部から電気ヒータに運ぶための毛細管芯をさらに含むことが好ましい。
【0026】
毛細管芯は、液体貯蔵部内の液体と接触するように配置されることが好ましい。毛細管芯は、液体貯蔵部内に延びることが好ましい。この場合、使用時には、毛細管芯内の毛細管作用により、液体が液体貯蔵部から電気ヒータに移動する。1つの実施形態では、毛細管芯が第1の端部及び第2の端部を有し、第1の端部が液体貯蔵部内に延びて内部の液体に接触し、電気ヒータが、第2の端部内の液体を加熱するように配置される。ヒータが作動すると、ヒータの少なくとも1つの加熱要素により、毛細管芯の第2の端部の液体が気化して過飽和蒸気を形成する。この過飽和蒸気が空気流と混ざり、この空気流に含まれて運ばれる。流れている間に蒸気が凝縮してエアロゾルを形成し、このエアロゾルがユーザの口の方に運ばれる。液体エアロゾル形成基質は、液体が毛細管作用により毛細管芯を通じて運ばれるようにする物理特性(粘度及び表面張力を含む)を有する。
【0027】
毛細管芯は、繊維状又は海綿状の構造を有することができる。毛細管芯は、毛細管の束を含むことが好ましい。例えば、毛細管芯は、複数の繊維又は糸、或いはその他の微細チューブを含むことができる。これらの繊維又は糸を、エアロゾル生成システムの長手方向に大まかに整列させることができる。或いは、毛細管芯は、ロッド形状に形成された海綿様又は泡状材料を含むこともできる。このロッド形状は、エアロゾル生成システムの長手方向に沿って延びることができる。芯の構造は、複数の小さなボア又はチューブを形成し、これを通じて毛細管作用により液体を運ぶことができる。毛細管芯は、あらゆる好適な材料又は材料の組み合わせを含むことができる。好適な材料の例としては、例えば、海綿又は発泡材料、繊維又は焼結粉体の形のセラミック又は黒鉛系材料、発泡金属又は発泡プラスチック材料、例えば、酢酸セルロース、ポリエステル、又は結合ポリオレフィン、ポリエチレン、テリレン又はポリプロピレン繊維、ナイロン繊維又はセラミックなどの、紡績又は押し出し繊維で作られた繊維性材料などの毛細管材料が挙げられる。この毛細管芯は、異なる液体物理特性で使用されるように、あらゆる好適な毛細管現象及び多孔率を有することができる。液体は、以下に限定されるわけではないが、毛細管作用により毛細管装置を通じて運ばれるような粘度、表面張力、濃度、熱伝導率、沸点及び蒸気圧を含む物理特性を有する。
【0028】
少なくとも1つの加熱要素は、毛細管芯を取り巻いて任意にこれを支持する加熱ワイヤ又はフィラメントの形であることが好ましい。芯の毛細管特性を液体の特性と組み合わせることで、通常の使用時には、加熱領域において常に芯が湿っていることが確実になる。芯が乾燥した場合、過熱が生じる恐れがある。従って、毛細管芯を設けると、この過熱を測定することができ、これにより液体貯蔵部内の液体エアロゾル形成気質の量がいつ所定の閾値に減少したかをさらに判定できるので有利である。
【0029】
毛細管芯及びヒータ、そして任意に液体貯蔵部は、エアロゾル生成システムから単一の構成部品として取り外すことができる。
【0030】
1つの事例では、電気回路が、ユーザが吸煙していることを示す空気流を検出するためのセンサを備える。この場合、電気回路は、ユーザが吸煙していることをセンサが感知した場合、電気ヒータに所定の電力の電流パルスを供給するように構成されることが好ましい。この電流パルスの期間は、気化することが望まれる液体の量に応じて予め設定することができる。電気回路は、この目的のためにプログラム可能であることが好ましい。この実施形態では、電気回路を、電流パルスの期間の合計時間をモニタし、このモニタした合計時間から、液体貯蔵部内の液体エアロゾル形成気質の量がいつ所定の閾値に減少するかを予測するように構成することができる。
【0031】
電気作動式エアロゾル生成システムは、少なくとも1つの加熱要素の温度を測定するための温度センサをさらに備えることができ、電気回路は、この温度センサにより感知される少なくとも1つの加熱要素の温度をモニタするように構成される。
【0032】
別の実施形態では、電気回路が、少なくとも1つの加熱要素の電気抵抗を測定し、この測定した電気抵抗から加熱要素の温度を解明するように構成される。
【0033】
この実施形態では、電気回路を、少なくとも1つの加熱要素を流れる電流及び少なくとも1つの加熱要素に加わる電圧を測定し、この測定した電流及び電圧から少なくとも1つの加熱要素の電気抵抗を求めることにより、少なくとも1つの加熱要素の電気抵抗を測定するように構成することができる。この場合、電気回路は、既知の抵抗を有する抵抗器を少なくとも1つの加熱要素と直列に含むことができ、この電気回路を、既知の抵抗に加わる電圧を測定し、この測定した電圧及び既知の抵抗から少なくとも1つの加熱要素を流れる電流を求めることにより、少なくとも1つの加熱要素を流れる電流を測定するように構成することができる。
【0034】
別の事例では、電気回路が、ユーザが吸煙を開始するための手動操作式スイッチを備える。電気回路は、ユーザが吸煙を開始した時に、電気ヒータに電流パルスを供給するように構成される。この電流パルスの期間は、気化することが望まれる液体の量に応じて予め設定されることが好ましい。電気回路は、この目的のためにプログラム可能であることが好ましい。この実施形態では、電気回路を、手動操作式スイッチが作動される合計時間をモニタし、このモニタした合計時間から、液体貯蔵部内の液体エアロゾル形成気質の量を推定するように構成することができる。
【0035】
電気回路は、液体貯蔵部の存在を検出するためのセンサを備えることができる。このセンサは、ある液体貯蔵部を別の液体貯蔵部と区別することができ、従って満杯時に液体貯蔵部内に液体エアロゾル形成気質がどれほど収容されているかを解明できることが好ましい。このセンサは、液体貯蔵部上の表示、或いは液体貯蔵部の形状又はサイズに基づいて、液体貯蔵部内の液体の組成を特定することもできる。電気回路は、これとモニタした作動とを組み合わせることにより、使用中に液体貯蔵部内の液体エアロゾル形成気質の量を予測することができる。
【0036】
好ましい実施形態では、電気回路が、液体貯蔵部内の液体エアロゾル形成基質の量が所定の閾値に減少した場合、電気ヒータを停止するように構成される。
【0037】
液体エアロゾル形成基質が不十分になると、ユーザがそれ以上エアロゾル生成システムを使用できなくなるので、このことは有利である。これにより、所望の特性を有していないエアロゾルの生成が避けられるようになる。これにより、ユーザの不十分な体験が避けられるようになる。
【0038】
電気回路は、電気ヒータと電力供給装置の間の電気ヒューズを飛ばすことにより電気ヒータを停止するように構成することができる。電気回路は、電気ヒータと電力供給装置の間のスイッチを切ることにより電気ヒータを停止するように構成することができる。当業者には、電気ヒータを停止する別の方法が明らかであろう。
【0039】
好ましい実施形態では、電気回路が、液体貯蔵部内の液体エアロゾル形成基質の量が所定の閾値に減少した場合に、これをユーザに指示するように構成される。この指示によりユーザが液体貯蔵部を補充又は交換できるので、このことは有利である。
【0040】
電気作動式エアロゾル生成システムは、ユーザディスプレイを含むことができる。この場合、指示は、ユーザディスプレイ上の指示を含むことができる。或いは、この指示は、可聴指示、又はユーザにとって好適な他のあらゆる種類の指示を含むこともできる。
【0041】
エアロゾル生成システムは、電力供給装置をさらに備えることができる。エアロゾル生成システムは、ハウジングを含むことが好ましい。ハウジングは、細長いことが好ましい。エアロゾル生成が毛細管芯を含む場合、毛細管芯の長手方向軸とハウジングの長手方向軸が実質的に平行になることができる。ハウジングは、シェル及びマウスピースを含むことができる。この場合、全ての構成部品をシェル又はマウスピース内に収容することができる。1つの実施形態では、ハウジングが、液体貯蔵部、毛細管芯及びヒータを含む取り外し可能な挿入体を含む。この実施形態では、エアロゾル生成システムのこれらの部品を単一の構成部品としてハウジングから取り外すことができる。このことは、例えば液体貯蔵部を補充又は交換するのに有用であると考えられる。
【0042】
ハウジングは、あらゆる好適な材料又は材料の組み合わせを含むことができる。好適な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、或いはこれらの材料の1つ又はそれ以上を含む複合材料、或いは、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)及びポリエチレンなどの、食品又は製薬用途に適した熱可塑性物質が挙げられる。この材料は、軽量かつ非脆性であることが好ましい。
【0043】
エアロゾル生成システムは、持ち運び可能であることが好ましい。エアロゾル生成システムは、喫煙システムとすることができ、従来のシガー又はシガレットに相当するサイズを有することができる。この喫煙システムは、約30mm〜約150mmの全長を有することができる。この喫煙システムは、約5mm〜約30mmの外径を有することができる。
【0044】
電気作動式エアロゾル生成システムは、電気加熱式喫煙システムであることが好ましい。
【0045】
本発明の第2の態様によれば、液体エアロゾル形成気質を貯蔵するための液体貯蔵部と、液体エアロゾル形成気質を加熱するための少なくとも1つの加熱要素を含む電気ヒータとを備えた電気作動式エアロゾル生成システムを準備するステップと、電気ヒータの作動をモニタし、このモニタした作動に基づいて、液体貯蔵部内に残っている液体エアロゾル形成気質の量を推定するステップとを含む方法が提供される。
【0046】
電気ヒータの作動をモニタするステップは、加熱要素の温度又は抵抗を経時的にモニタして、エアロゾル形成気質の消費量を推定するステップを含むことが好ましい。エアロゾルの消費量の推定は、加熱要素の温度又は抵抗の第1の閾値に至るまでの温度又は抵抗と液体エアロゾル形成気質の消費量とを関連付ける第1の方程式と、加熱要素の温度又は抵抗の第1の閾値を上回る温度又は抵抗と液体エアロゾル形成気質の消費量とを関連付ける第2の方程式とに基づくことが好ましい。
【0047】
第2の方程式は、線形方程式であることが好ましい。第2の方程式は、エアロゾル形成気質及びこれを保持する要素を通じた熱拡散を考慮することが好ましい。
【0048】
第1の方程式は、非線形方程式であることが好ましい。第1の方程式は、液体エアロゾル形成気質の気化のエンタルピを考慮することが好ましい。
【0049】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第2の態様の方法を実行するように構成された電気作動式エアロゾル生成システムのための電気回路が提供される。
【0050】
本発明の第4の態様によれば、電気作動式エアロゾル生成システムのためのプログラム可能な電気回路上で実行された時に、このプログラム可能な電気回路に本発明の第2の態様の方法を実行させるコンピュータプログラムが提供される。
【0051】
本発明の第5の態様によれば、本発明の第4の態様によるコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0052】
本発明のエアロゾル生成システムに関連して説明した特徴は、本発明の方法にも適用することができる。また、本発明の方法に関連して説明した特徴は、本発明のエアロゾル生成システムにも適用することができる。
【0053】
添付図面を参照しながら、本発明をほんの一例としてさらに説明する。