(54)【発明の名称】3−(5−アミノ−2−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンの固体形態、並びにそれらの医薬組成物及び使用
【文献】
CAIRA MINO R.,CRYSTALLINE POLYMORPHISM OF ORGANIC COMPOUNDS,TOPICS IN CURRENT CHEMISTRY,ドイツ,SPRINGER,1998年 1月 1日,Vol.198,p.163-208
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記固体形態の結晶格子が、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン1モル当たり1モル当量の水を含む、請求項16記載の固体形態。
【発明を実施するための形態】
【0048】
(3.2. 定義)
本明細書に用いられているように、「化合物A」という用語は、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンを指す。化合物Aの
1H NMRスペクトルは、実質的に以下の通りである。
【化1】
化合物Aの
13C NMRスペクトルは、実質的に以下の通りである。
【化2】
【0049】
理論に限定されることなく、化合物Aは、以下の構造を有する3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンであると考えられる。
【化3】
【0050】
本明細書に用いられているように、「患者」という用語は、哺乳類、特にヒトを指す。
【0051】
本明細書に用いられているように、「医薬として許容し得る塩」という用語は、無機酸及び塩基並びに有機酸及び塩基を含む医薬として許容し得る無毒性酸又は塩基から調製された塩を指す。
【0052】
本明細書に用いられているように、「有害作用」という用語は、限定することなく、胃腸毒性、腎毒性及び肝毒性、白血球減少、例えば血小板減少による出血回数の増加、妊娠の長期化、吐き気、嘔吐、傾眠、無力症、目眩、催奇形、錐体外路系症状、静座不能、心臓血管障害を含む心毒性、炎症、男性性機能不全及び血清肝酵素値の上昇を含む。「胃腸毒性」という用語は、限定することなく、胃及び腸の潰瘍及び侵食を含む。「腎毒性」という用語は、限定することなく、乳頭壊死及び慢性腸壊死のような状態を含む。
【0053】
本明細書に用いられているように、及び特に指定する場合を除いて、「有害作用を低減又は回避する」及び「有害作用を低減すること又は回避すること」という語句は、本明細書に明記されている1つ以上の有害作用の重度の低減を意味する。
【0054】
示された構造とその構造に与えられた名称との間に差がある場合は、示された構造により大きな重みが与えるべきであることに留意すべきである。加えて、構造又は構造の一部の立体化学が、例えば、太線又は点線で示されていない場合は、該構造又は該構造の一部は、そのすべての立体異性体を包含するものと解釈すべきである。
【0055】
本明細書に用いられているように、及び特に指定する場合を除いて、「固体形態」という用語、及び関連用語は、主として液体又は気体の状態でない物理的形態を指す。本明細書に用いられているように、及び特に指定する場合を除いて、「固体形態」という用語、及び関連用語は、本明細書において化合物Aを指すように用いられる場合には、主として液体又は気体の状態でない化合物Aを含む物理的形態を指す。固体形態は、結晶質、非晶質、又はそれらの混合物であってもよい。特定の実施態様において、固体形態は、液晶であってもよい。化合物Aを含む「単一成分」固体形態は、本質的に化合物Aからなる。化合物Aを含む「多成分」固体形態は、有意な量の1つ以上のさらなる種、例えばイオン及び/又は分子を固体形態内に含む。一部の実施態様において、化合物Aを含む「多成分」固体形態は、化合物Aの塩酸塩を含む。例えば、特定の実施態様において、化合物Aを含む結晶質多成分固体形態は、結晶格子内の規則的な位置で非共有結合した1つ以上の種をさらに含む。化合物Aを含む多成分固体形態は、化合物Aの共結晶、溶媒和物(例えば水和物)及び包接化合物を含む。特定の実施態様において、「化合物Aを含む固体形態」という用語、及び関連用語は、化合物Aを含む単一成分及び多成分固体形態を含む。特定の実施態様において、「化合物Aを含む固体形態」及び関連用語は、化合物Aを含む結晶形態、化合物Aを含む非晶質形態、及びそれらの混合物を含む。
【0056】
本明細書に用いられているように、及び特に指定する場合を除いて、「結晶質」という用語、及び本明細書に用いられている関連用語は、化合物、物質、変形、材料、成分又は製品を表記するように用いられている場合には、特に指定する場合を除いて、化合物、物質、変形、材料、成分又は製品が、X線回折によって測定された場合に実質的に結晶質であることを意味する。例えば、「レミントン:製薬の科学及び実践(Remington: The Science and Practice of Pharmacy)」、第21版、Lippincott、Williams and Wilkins、MD(メリーランド)州Baltimore、(2005);「米国薬局方(The United States Pharmacopeia)」、第23版、1843-1844 (1995)を参照されたい。
【0057】
本明細書に用いられているように、及び特に指定する場合を除いて、「結晶形態」及び「結晶質形態」という用語、並びに本明細書における関連用語は、結晶質である固体形態を指す。結晶形態は、単一成分結晶形態及び多成分結晶形態を含み、限定することなく、塩(例えば塩酸塩)、多形体、溶媒和物、水和物及び/又は他の分子錯体を含む。一部の実施態様において、物質の結晶形態は、非晶質形態及び/又は他の結晶形態が実質的になくてもよい。一部の実施態様において、物質の結晶形態は、重量ベースで約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%又は50%未満の1つ以上の非晶質形態及び/又は他の結晶形態を含んでいてもよい。一部の実施態様において、物質の結晶形態は、物理的及び/又は化学的に純粋であってもよい。一部の実施態様において、物質の結晶形態は、物理的及び/又は化学的に約99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%又は90%の純度であってもよい。
【0058】
本明細書に用いられているように、及び特に指定する場合を除いて、「多形体」及び「多形形態」という用語、並びに本明細書における関連用語は、同一の分子(1つ以上)及び/又はイオンから本質的になる2つ以上の結晶形態を指す。異なる結晶形態と同様に、異なる多形体は、結晶格子における分子及び/又はイオンの配置又は配座の結果として、異なる物理特性、例えば、溶融温度、融解熱、溶解度、溶解特性及び/又は振動スペクトルを有し得る。物理特性の差は、貯蔵安定性、圧縮性及び密度(処方及び製品製造において重要)、並びに溶解速度(生物学的利用能における重要な要因)などの医薬パラメータに影響を与え得る。安定性の差は、化学反応性の変化(例えば、剤形は、ある1つの多形体で構成される場合の方が、別の多形体で構成される場合よりも急速に変色するといった差別的酸化)、若しくは機械的変化(例えば、動態学的に有利な多形体が熱力学的により安定した多形体に変化すると錠剤が貯蔵時に崩壊する)、又はその両方(例えば、1つの多形体の錠剤は、高湿度でより分解しやすい)に起因し得る。溶解度/溶解性の差は、極端な場合には、固体状態転移が、効力の欠如、又は他の極端な場合には毒性をもたらし得る。加えて、物理特性は、処理において重要である(例えば、1つの多形体は、溶媒和物を形成しやすいか、又は不純物を濾過若しくは洗浄除去しにくく、粒子形状及び粒径分布は、多形体間で異なり得る)。
【0059】
本明細書に用いられているように、及び特に指定する場合を除いて、「溶媒和物」及び「溶媒和した」という用語は、溶媒を含む物質の結晶形態を指す。「水和物」及び「水和した」という用語は、溶媒が水を含む溶媒和物を指す。「溶媒和物の多形体」は、特定の溶媒和組成物に対して1つを超える結晶形態が存在することを指す。同様に、「水和物の多形体」は、特定の水和物組成物に対して1つを超える結晶形態が存在することを指す。「脱溶媒した溶媒和物」という用語は、本明細書に用いられているように、溶媒を溶媒和物から除去することによって調製され得る物質の結晶形態を指す。
【0060】
本明細書に用いられているように、及び特に指定する場合を除いて、「非晶質」及び「非晶質形態」という用語、並びに本明細書に用いられている関連用語は、当該物質、成分又は製品が、X線回折によって測定された場合に実質的に結晶質でないことを意味する。特に、「非晶質形態」という用語は、無秩序な固体形態、即ち広範囲の結晶秩序が欠如した固体形態を示す。一部の実施態様において、物質の非晶質形態は、他の非晶質形態及び/又は結晶形態が実質的になくてもよい。他の実施態様において、物質の非晶質形態は、重量ベースで約1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%又は50%未満の1つ以上の他の非晶質形態及び/又は結晶形態を含んでいてもよい。一部の実施態様において、物質の非晶質形態は、物理的及び/又は化学的に純粋であってもよい。一部の実施態様において、物質の非晶質形態は、物理的及び/又は化学的に約99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%又は90%の純度であってもよい。
【0061】
結晶形態及び非晶質形態を特徴づけるための技術としては、熱重量分析(thermal gravimetric analysis)(TGA)、示差走査熱量測定(differential scanning calorimetry)(DSC)、X線粉末回折測定(X-ray powder diffractometry)(XRPD)、単結晶X線回折測定、振動分光分析、例えば赤外(infrared)(IR)及びラマン分光分析、固体及び溶液核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance)(NMR)分光分析、光学顕微鏡法、ホットステージ光学顕微鏡法、走査型電子顕微鏡法(scanning electron microscopy)(SEM)、電子線結晶分析及び定量分析、粒径分析(particle size analysis)(PSA)、表面積分析、溶解度測定、溶解性測定、元素分析及びカールフィッシャー分析が挙げられるが、それらに限定されない。特徴的単位セルパラメータは、単結晶回折及び粉末回折を含むX線回折及び中性子回折などの(但し、それらに限定されない)1つ以上の技術を使用して測定されてもよい。粉末回折データを解析するのに有用な技術としては、例えば、1つを超える固相を含むサンプルにおける単相に伴う回折ピークを解析するのに使用することができるリートベルトリファインメントなどのプロファイルリファインメントが挙げられる。粉末解析データを解析するのに有用な他の方法としては、当業者が、結晶質粉末を含むサンプルから単位セルパラメータを測定することを可能にする単位セル指標付けが挙げられる。
【0062】
本明細書に用いられているように、及び特に指定する場合を除いて、「約」及び「およそ」という用語は、特定の固体形態を特徴づけるために提示される数値又は値の範囲、例えば特定の温度又は温度範囲、例えば、溶融事象、脱水事象、脱溶媒事象又はガラス転移事象を含むDSC又はTGA熱的事象を表記するもの;質量変化、例えば、温度又は湿度の関数としての質量変化;例えば質量又は百分率での溶媒又は水含有量;例えばIR若しくはラマン分光分析又はXRPDによる分析などにおけるピーク位置に関連して用いられる場合には、その値又は値の範囲が、特定の固体形態を表記しながら当業者にとって合理的と思われる程度にずれていてもよいことを示す。例えば、特定の実施態様において、「約」及び「およそ」という用語は、この脈絡で用いられる場合に、及び特に指定する場合を除いて、数値又は値の範囲が、列挙された値又は値の範囲の25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1.5%、1%、0.5%又は0.25%の範囲内で変化してもよいことを表記する。
【0063】
本明細書に用いられているように、及び特に指定する場合を除いて、「実質的に純粋」である特定の結晶形態又は非晶質形態を含むサンプル、例えば、他の固体形態及び/又は他の化学化合物が実質的にないサンプルは、特定の実施態様において、重量百分率で約25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.75%、0.5%、0.25%又は0.1%未満の1つ以上の他の固体形態及び/又は他の化学化合物を含む。
【0064】
本明細書に用いられているように、及び特に指定する場合を除いて、1つ以上の他の固体形態及び/又は他の化学化合物が「実質的にない」サンプル又は組成物は、組成物が、特定の実施態様において、重量百分率で約25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.75%、0.5%、0.25%又は0.1%未満の1つ以上の他の固体形態及び/又は他の化学化合物を含むことを意味する。
【0065】
本明細書に用いられているように、及び特に指定する場合を除いて、「治療する」、「治療している」及び「治療」という用語は、疾患若しくは障害又は該疾患若しくは障害に伴う1つ以上の症状の根絶又は改善を指す。一部の実施態様において、これらの用語は、当該疾患又は障害を有する患者に1つ以上の予防薬又は治療薬を投与することにより該疾患又は障害の拡散又は悪化を最小限に抑えることを指す。いくつかの実施態様において、それらの用語は、特定の疾患の症候の発生の後に、他のさらなる活性剤を含む、又は含まない、本明細書で提供する化合物を投与することを指す。
【0066】
本明細書に用いられているように、及び特に指定する場合を除いて、「予防する」、「予防している」及び「予防」という用語は、疾患若しくは障害又はその1つ以上の症状の発症、再発又は拡散の予防を指す。一部の実施態様において、それらの用語は、他のさらなる活性剤を含む、又は含まない、本明細書で提供する化合物で治療すること、或いは特に本明細書に提示されている疾患又は障害のリスクのある患者に対して発症前に、当該化合物を投与することを指す。それらの用語は、特定の疾患の症候の抑制又は低減を包含する。特に、疾患の家族性病歴を有する患者は、一部の実施態様において予防計画の候補である。加えて、症候の再発の病歴を有する患者も予防の有力候補である。この点において、「予防」という用語は、「予防的治療」という用語と区別なく用いられてもよい。
【0067】
本明細書に用いられているように、及び特に指定する場合を除いて、「管理する」、「管理している」及び「管理」という用語は、疾患若しくは障害又はその1つ以上の症状の進行、拡散又は悪化を予防する、又は緩慢化させることを指す。しばしば、患者が予防薬及び/又は治療薬から誘導する有益な効果は、疾患又は障害の治癒をもたらさない。この点において、「管理すること」という用語は、特定の疾患に罹った患者を、疾患の再発を防止するか、又は最小限に抑えることを目的として治療することを包含する。
【0068】
本明細書に用いられているように、及び特に指定する場合を除いて、化合物の「治療有効量」は、疾患又は障害の治療又は管理における治療有益性を与える、或いは該疾患又は障害に伴う1つ以上の症状を遅らせる、又は最小限に抑えるのに十分な量である。化合物の治療有効量は、疾患又は障害の治療又は管理における治療有益性を与える治療薬の単独の、又は他の治療薬と組み合わせた量を指す。「治療有効量」という用語は、全体的治療を向上させ、疾患又は障害の症状又は原因を軽減又は回避し、或いは別の治療薬の治療効果を向上させる量を包含することができる。
【0069】
本明細書に用いられているように、及び特に指定する場合を除いて、化合物の「予防有効量」は、疾患又は障害を予防する、又はその再発を防止するのに十分な量である。化合物の予防有効量は、疾患の予防における有益性を与える治療薬の単独の、又は他の治療薬と組み合わせた量を意味する。「予防有効量」という用語は、全体的な予防を向上させ、又は別の予防薬の予防効果を向上させる量を包含することができる。
【0070】
「組成物」という用語は、本明細書に用いられているように、指定された成分を(指示されている場合は指定された量で)含む製品、並びに指定された量の指定された成分の組合せから直接又は間接的に得られる任意の製品を包含することを意図する。「医薬として許容し得る」とは、希釈剤、賦形剤又は担体が、製剤の他の成分と相溶性がなければならず、その受給者に対して有害であってはならないことを意味する。
【0071】
(4. 詳細な説明)
本開示は、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンである化合物A、及びその立体異性体、並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物及び多形体の固体形態;並びに化合物A若しくはその立体異性体、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物若しくは多形体の固体形態の使用方法、及び該固体形態を含む組成物に関する。例えば、本開示は、化合物Aの固体形態のインビトロ及びインビボ使用、並びに多種多様な疾患及び障害の治療及び予防に有用な医薬組成物及び単一単位剤形への化合物Aの固体形態の配合を包含する。
【0072】
(4.1. 化合物Aの固体形態)
一実施態様において、化合物A若しくはその立体異性体、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物若しくは多形体の固体形態を本明細書で提供する。
【0073】
化合物Aは、その開示内容が引用により全面的に本明細書中に組み込まれている米国特許第7,635,700号に記載されている方法を使用して容易に調製される。
【0074】
化合物Aを含む固体形態は、結晶形態及び非晶質形態を含み、限定することなく、塩、多形体、溶媒和物、水和物、共結晶及び包接化合物を含む単一成分及び多成分形態を含む。本明細書における特定の実施態様は、化合物Aの単一成分非晶質形態を提供する。本明細書における特定の実施態様は、化合物Aの単一成分結晶質固体形態を提供する。本明細書における特定の実施態様は、化合物Aを含む多成分非晶質形態を提供する。本明細書における特定の実施態様は、化合物Aを含む多成分結晶質固体形態を提供する。本明細書で提供する多成分固体形態は、塩、共結晶、水和物、溶媒和物、包接化合物及び/又は多形体という用語によって表記することができる固体形態を含み、これらの用語の1つ以上によって表記することができる固体形態を含む。
【0075】
化合物Aを含む固体形態は、以下の実施例に記載される方法を含む本明細書に記載の方法によって、或いは加熱、冷却、凍結乾燥(freeze drying)、凍結乾燥(lyophilization)、溶融物の焼入れ冷却、高速溶媒蒸発、低速溶媒蒸発、溶媒再結晶、逆溶媒添加、スラリー再結晶、溶融物からの結晶化、脱溶媒、例えばナノポア若しくは毛細管などの限定空間内での再結晶、例えばポリマーなどの表面若しくは鋳型上での再結晶、例えば共結晶対分子などの添加剤の存在下での再結晶、脱溶媒、脱水、急冷、徐冷、溶媒及び/又は水への曝露、例えば真空乾燥を含む乾燥、蒸気拡散、昇華、粉砕(例えば、低温粉砕、溶媒滴下粉砕若しくは液体補助粉砕を含む)、マイクロ波誘導析出、音波処理誘導析出、レーザ誘導析出及び超臨界液からの析出を含む当該技術分野で既知の技術によって調製され得る。(例えば、ナノメートルの次元からミリメートルの次元で)異なり得る、得られる固体形態の粒径を、例えば、結晶化条件、例えば結晶化の速度及び/又は結晶化溶媒系を変更することによって、或いは粒径低減技術、例えば、粉砕、摩砕、微粉化又は音波処理によって制御することができる。
【0076】
任意の特定の理論によって束縛されることを意図することなく、特定の固体形態は、医薬及び治療剤形に対して適切な物理特性、例えば、安定性、溶解度及び溶解速度によって特徴づけられる。さらに、任意の特定の理論によって束縛されることを望むことなく、特定の固体形態は、特定の固体形態を固体剤形の製造に好適なものとする特定のプロセス(例えば、収率、濾過、洗浄、乾燥、摩砕、混合、打錠、流動性、溶解、処方及び凍結乾燥)に影響を与える物理特性(例えば、密度、圧縮性、硬度、形状、劈開性、粘着性、溶解度、吸水性、電気特性、熱的挙動、固体状態反応性、物理的安定性及び化学的安定性)によって特徴づけられる。当該特性を、本明細書に記載され、当該技術分野で既知の固体状態分析技術(例えば、X線回折、顕微鏡法、分光分析及び熱分析)を含む特定の分析科学技術を使用して測定することができる。
【0077】
本明細書における一部の実施態様は、固体形態の1種以上を含む組成物を提供する。一部の実施態様は、他の活性成分と組み合わせた1つ以上の固体形態の組成物を提供する。一部の実施態様は、限定することなく、本明細書に提示される疾患及び障害を含む疾患及び障害の治療、予防又は管理におけるこれらの組成物の使用方法を提供する。
【0078】
本明細書で提供する固体形態は、化合物Aの原子の1個以上において不自然な割合の原子同位体を含んでいてもよい。例えば、該化合物は、例えば三重水素(
3H)、ヨウ素-125(
125I)硫黄-35(
35S)又は炭素-14(
14C)などの放射性同位体で放射能標識されていてもよい。放射能標識化合物は、治療薬、例えば癌治療薬、検査試薬、例えば結合アッセイ試薬、及び診断薬、例えばインビボ造影剤として有用である。化合物Aのすべての同位体種は、放射性であってもなくても、本明細書で提供する実施態様の範囲内に包含されることを意図する。
【0079】
(4.1.1. 化合物Aの形態A)
本明細書における一部の実施態様は、化合物Aの結晶質形態Aを提供する。形態Aは、化合物Aを95:5のDMSO:水(v:v)に溶解させ、50:50のDMSO:水(v:v)になるように水を添加することによって結晶化させて、室温でDMSO:水から結晶化され得る。溶媒の広範な篩い分けにより、水を逆溶媒とするDMSO :水(v:v)が選択された。表1は、DMSOの相対量の増加に伴うDMSO:水に対する形態Aの溶解度を示す。
【表1】
【0080】
一部の実施態様において、化合物Aの形態AをX線回折分析によって特徴づけることができる。化合物Aの形態Aの代表的なXRPDパターンを
図1に示す。一部の実施態様において、化合物Aの形態Aは、以下の近似位置、:9.2、13.4、14.0、14.6、15.6、16.7、18.5、21.9、22.7、24.8、28.1、30.0及び37.0度2θのうちの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13箇所に位置するXRPDピークによって特徴づけられる。一実施態様において、化合物Aの形態Aは、以下の近似位置、:14.6、15.6、16.7、21.9及び30.0度2θに位置するXRPDピークによって特徴づけられる。一部の実施態様において、化合物Aの形態Aは、
図1に示されるパターンに対応するXRPDパターンによって特徴づけられる。一部の実施態様において、化合物Aの形態Aは、本明細書で提供する代表的な形態Aのパターンにおけるピークに対応する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13個のピークを有するXRPDパターンによって特徴づけられる。
【0081】
一部の実施態様において、化合物Aの形態Aを熱分析によって特徴づけることができる。化合物Aの形態Aの代表的なDSCプロットを
図2に示す。一部の実施態様において、形態Aは、開始温度が約282℃の吸熱事象を含むDSCプロットによって特徴づけられる。一部の実施態様において、特徴的な形態AのDSCプロットは、例えば、ピーク温度が約145℃の吸熱事象及び/又はピーク温度が約161℃の発熱事象などの1つ以上のさらなる事象をさらに含む。化合物Aの形態Aの代表的なTGAプロットを
図3に示す。一部の実施態様において、形態Aは、約40℃から約110℃までの加熱によるサンプルの全質量の約10%未満、約8%未満又は約6%未満、例えば約5.9%の質量損失を含むTGAプロットによって特徴づけられる。一実施態様において、形態Aは、約40℃から約110℃までの加熱によるサンプルの全質量の約5%から約6%の質量損失を含むTGAプロットによって特徴づけられる。一部の実施態様において、化合物Aの形態Aは、結晶格子に水又は他の溶媒を含む。一部の実施態様において、TGA質量損失事象は、水の損失を含む。一部の実施態様において、形態Aは、溶媒和されている。一部の実施態様において、形態Aは、一水和されている。一部の実施態様において、形態Aの結晶格子は、化合物Aの1モル当たり約1モル当量の水を含む。
【0082】
一部の実施態様において、脱水により、形態Aは、化合物Aの形態Dに変換される。一実施態様において、形態Aは、約55℃で3日間乾燥されると、化合物Aの形態Dに変換される。形態Dを22℃から50℃にて水で終夜スラリー化することによって、形態Dから化合物Aの形態Aを調製することができる。
【0083】
一実施態様において、化合物Aの形態Aは、真空下において40℃で5日間にわたって物理的及び化学的に安定している。別の実施態様において、化合物Aの形態Aは、窒素雰囲気下において40℃で4日間にわたって物理的及び化学的に安定している。
【0084】
一部の実施態様において、化合物Aの形態Aを吸湿分析によって特徴づけることができる。一部の実施態様において、相対湿度(「RH」)が約0%RHから約95%RHに高められると、形態Aは、サンプルの出発質量の約1%から約10%、約2%から約5%、又は約3%から約4%の範囲の質量変化を示す。一部の実施態様において、吸着によって増加した質量は、RHが再び約0%RHまで低下すると失われる。
【0085】
本明細書における一部の実施態様は、実質的に純粋な化合物Aの形態Aを提供する。本明細書における一部の実施態様は、例えば、形態B、C、D、E及びF、及び/又は本明細書で提供する化合物Aを含む非晶質固体形態、並びに形態A1、及び本明細書で提供する化合物Aの塩酸塩を含む非晶質固体形態を含む、化合物Aを含む他の固体形態が実質的にない化合物Aの形態Aを提供する。本明細書における一部の実施態様は、例えば、形態B、C、D、E、F、及び本明細書で提供する化合物Aを含む非晶質固体形態、並びに形態A1、及び本明細書で提供する化合物Aの塩酸塩を含む非晶質固体形態の1種以上を含む混合物を含む、化合物Aを含む固体形態の混合物としての形態Aを提供する。
【0086】
(4.1.2. 化合物Aの形態B)
本明細書における一部の実施態様は、化合物Aの結晶質形態Bを提供する。一部の実施態様において、化合物Aの形態Bを、限定することなく、アセトン、アセトニトリル、メタノール及びそれらの混合物を含む溶媒系を含む様々な溶媒から得ることができる。一部の実施態様において、スラリー再結晶処理を使用して形態Bを得ることができる。一部の実施態様において、形態Bは、約50℃のアセトン、アセトニトリル、メタノール又はそれらの混合物によるスラリー再結晶処理を使用して得られる。
【0087】
一部の実施態様において、化合物Aの形態BをX線粉末回折分析によって特徴づけることができる。化合物Aの形態Bの代表的なXRPDパターンを
図4に示す。一部の実施態様において、化合物Aの形態Bは、以下の近似位置:10.6、11.4、12.6、13.7、14.7、19.1、20.3、20.9、21.2、22.9、24.9、25.3、25.9、26.9、29.5及び33.8度2θのうちの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又は16箇所に位置するXRPDピークによって特徴づけられる。一実施態様において、化合物Aの形態Bは、以下の近似位置:10.6、14.7、19.1及び25.9度2θに位置するXRPDピークによって特徴づけられる。一部の実施態様において、化合物Aの形態Bは、
図4に示されるパターンに対応するXRPDパターンによって特徴づけられる。一部の実施態様において、化合物Aの形態Bは、本明細書で提供する代表的な形態Bのパターンにおけるピークに対応する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又は16個のピークを有するXRPDパターンによって特徴づけられる。
【0088】
一部の実施態様において、化合物Aの形態Bを熱分析によって特徴づけることができる。化合物Aの形態Bの代表的なDSCプロットを
図5に示す。一部の実施態様において、形態Bは、開始温度が約279℃の吸熱事象を含むDSCプロットによって特徴づけられる。化合物Aの形態Bの代表的なTGAプロットを
図6に示す。一部の実施態様において、形態Bは、約25℃から約200℃までの加熱によるサンプルの全質量の約1%未満、約0.5%未満、約0.1%未満又は約0.05%未満の質量損失を含むTGAプロットによって特徴づけられる。一部の実施態様において、化合物Aの形態Bは、結晶格子に実質的な量の水又は他の溶媒を含まない。一部の実施態様において、形態Bは無水物である。一部の実施態様において、形態Bは溶媒和されていない。
【0089】
一部の実施態様において、化合物Aの形態Bを吸湿分析によって特徴づけることができる。一部の実施態様において、RHが約0%RHから約95%RHに高められると、形態Bは、サンプルの出発質量の約1%未満、約0.5%未満又は約0.2%未満、例えば約0.1%の質量変化を示す。一部の実施態様において、吸着によって増加した質量は、RHが再び約0% RHまで低下すると失われる。一部の実施態様において、形態Bは、実質的に非吸湿性である。一部の実施態様において、形態B材料のXRPDパターンは、吸着/脱着分析後も実質的に変化しない。一部の実施態様において、形態Bは、湿度に対して安定している。
【0090】
本明細書における一部の実施態様は、実質的に純粋な化合物Aの形態Bを提供する。本明細書における一部の実施態様は、例えば、形態A、C、D、E、F及び/又は本明細書で提供する化合物Aを含む非晶質固体形態、並びに形態A1、及び本明細書で提供する化合物Aの塩酸塩を含む非晶質固体形態を含む、化合物Aを含む他の固体形態が実質的にない化合物Aの形態Bを提供する。本明細書における一部の実施態様は、例えば、形態A、C、D、E、F、及び本明細書で提供する化合物Aを含む非晶質固体形態、並びに形態A1、及び本明細書で提供する化合物Aの塩酸塩を含む非晶質固体形態の1種以上を含む混合物を含む、化合物Aを含む固体形態の混合物としての形態Bを提供する。
【0091】
(4.1.3. 化合物Aの形態C)
本明細書における一部の実施態様は、化合物Aの結晶質形態Cを提供する。一部の実施態様において、化合物Aの形態Cを、限定することなく、酢酸エチル、エタノール、2-プロパノール、メチルエチルケトン、n-ブタノール、テトラヒドロフラン及びそれらの2つ以上の混合物を含む溶媒系を含む様々な溶媒から得ることができる。一部の実施態様において、スラリー再結晶処理を使用して形態Cを得ることができる。一部の実施態様において、形態Cは、約50℃の酢酸エチル、エタノール、2-プロパノール、メチルエチルケトン、n-ブタノール、テトラヒドロフラン及びそれらの2つ以上の混合物によるスラリー再結晶処理を使用して得られる。
【0092】
一部の実施態様において、化合物Aの形態CをX線粉末回折分析によって特徴づけることができる。化合物Aの形態Cの代表的なXRPDパターンを
図7に示す。一部の実施態様において、化合物Aの形態Cは、以下の近似位置:10.8、11.9、15.1、18.8、19.2、19.3、22.0、24.9、25.1、26.6及び29.2度2θのうちの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11箇所に位置するXRPDピークによって特徴づけられる。一実施態様において、化合物Aの形態Cは、以下の近似位置:10.8、15.1、25.1及び26.6度2θに位置するXRPDピークによって特徴づけられる。一部の実施態様において、化合物Aの形態Cは、
図7に示されるパターンに対応するXRPDパターンによって特徴づけられる。一部の実施態様において、化合物Aの形態Cは、本明細書で提供する代表的な形態Cのパターンにおけるピークに対応する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11個のピークを有するXRPDパターンによって特徴づけられる。
【0093】
一部の実施態様において、化合物Aの形態Cを熱分析によって特徴づけることができる。化合物Aの形態Cの代表的なDSCプロットを
図8に示す。一部の実施態様において、形態Cは、開始温度が約281℃の吸熱事象を含むDSCプロットによって特徴づけられる。化合物Aの形態Cの代表的なTGAプロットを
図9に示す。一部の実施態様において、形態Cは、約25℃から約150℃までの加熱によるサンプルの全質量の約1%未満、約0.5%未満又は約0.1%未満、例えば約0.07%の質量損失を含むTGAプロットによって特徴づけられる。一部の実施態様において、化合物Aの形態Cは、結晶格子に実質的な量の水又は他の溶媒を含まない。一部の実施態様において、形態Cは無水物である。一部の実施態様において、形態Cは溶媒和されていない。
【0094】
一部の実施態様において、化合物Aの形態Cを吸湿分析によって特徴づけることができる。一部の実施態様において、RHが約0%RHから約95%RHに高められると、形態Cは、サンプルの出発質量の約1%未満、約0.5%未満又は約0.2%未満、例えば約0.17%の質量変化を示す。一部の実施態様において、吸着によって増加した質量は、RHが再び約0% RHまで低下すると失われる。一部の実施態様において、形態Cは、実質的に非吸湿性である。一部の実施態様において、形態C材料のXRPDパターンは、吸着/脱着分析後も実質的に変化しない。一部の実施態様において、形態Cは、湿度に対して安定している。
【0095】
本明細書における一部の実施態様は、実質的に純粋な化合物Aの形態Cを提供する。本明細書における一部の実施態様は、例えば、形態A、B、D、E、F及び/又は本明細書で提供する化合物Aを含む非晶質固体形態、並びに形態A1、及び本明細書で提供する化合物Aの塩酸塩を含む非晶質固体形態を含む、化合物Aを含む他の固体形態が実質的にない化合物Aの形態Cを提供する。本明細書における一部の実施態様は、例えば、形態A、B、D、E、F、及び本明細書で提供する化合物Aを含む非晶質固体形態、並びに形態A1、及び本明細書で提供する化合物Aの塩酸塩を含む非晶質固体形態の1種以上を含む混合物を含む、化合物Aを含む固体形態の混合物としての形態Cを提供する。
【0096】
(4.1.4. 化合物Aの形態D)
本明細書における一部の実施態様は、化合物Aの形態Dを提供する。一部の実施態様において、化合物Aの形態Aをオーブンにて乾燥することによって、化合物Aの形態Dを得ることができる。一部の実施態様において、形態Dは、形態Aを約70℃のオーブンにて乾燥することによって得られる。
【0097】
一部の実施態様において、化合物Aの形態DをX線粉末回折分析によって特徴づけることができる。化合物Aの形態Dの代表的なXRPDパターンを
図10に示す。一部の実施態様において、化合物Aの形態Dは、以下の近似位置:10.6、14.0、14.6、15.7、16.3、16.7、18.8、21.7、21.9、24.8、25.1、25.8、28.1及び28.6度2θのうちの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14箇所に位置するXRPDピークによって特徴づけられる。一実施態様において、化合物Aの形態Dは、以下の近似位置:16.7、21.7、21.9及び25.8度2θに位置するXRPDピークによって特徴づけられる。一部の実施態様において、化合物Aの形態Dは、本明細書で提供する代表的な形態Dのパターンにおけるピークに対応する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14個のピークを有するXRPDパターンによって特徴づけられる。
【0098】
一部の実施態様において、化合物Aの形態Dを熱分析によって特徴づけることができる。化合物Aの形態Dの代表的なDSCプロットを
図11に示す。一部の実施態様において、形態Dは、開始温度が約283℃の吸熱事象を含むDSCプロットによって特徴づけられる。一部の実施態様において、特徴的な形態DのDSCプロットは、例えば、ピーク温度が約114℃の吸熱事象などの1つのさらなる事象をさらに含む。化合物Aの形態Dの代表的なTGAプロットを
図12に示す。一部の実施態様において、形態Dは、約25℃から約150℃までの加熱によるサンプルの全質量の約10%未満、約8%未満、約6%未満又は約4%未満、例えば約3%の質量損失を含むTGAプロットによって特徴づけられる。一部の実施態様において、TGA質量損失事象は、水の損失を含む。一部の実施態様において、化合物Aの形態Dは溶媒和されている。一部の実施態様において、形態Dは水和されている。
【0099】
一部の実施態様において、化合物Aの形態Dを吸湿分析によって特徴づけることができる。一部の実施態様において、RHが約0%RHから約95%RHに高められると、形態Dは、サンプルの出発質量の約5%未満、例えば約4%の質量変化を示す。一部の実施態様において、吸着によって増加した質量は、RHが再び約0% RHまで低下すると失われる。
【0100】
本明細書における一部の実施態様は、実質的に純粋な化合物Aの形態Dを提供する。本明細書における一部の実施態様は、例えば、形態A、B、C、D、E、F及び/又は本明細書で提供する化合物Aを含む非晶質固体形態、並びに形態A1、及び本明細書で提供する化合物Aの塩酸塩を含む非晶質固体形態を含む、化合物Aを含む他の固体形態が実質的にない化合物Aの形態Dを提供する。本明細書における一部の実施態様は、例えば、形態A、B、C、E、F、及び本明細書で提供する化合物Aを含む非晶質固体形態、並びに形態A1、及び本明細書で提供する化合物Aの塩酸塩を含む非晶質固体形態の1種以上を含む混合物を含む、化合物Aを含む固体形態の混合物としての形態Dを提供する。
【0101】
(4.1.5. 化合物Aの形態E)
本明細書における一部の実施態様は、化合物Aの形態E結晶形態を提供する。一部の実施態様において、化合物Aの形態Eを、限定することなく、アセトニトリル又はイソパノール及びそれらの混合物を含む溶媒系を含む様々な溶媒から得ることができる。一部の実施態様において、スラリー再結晶処理を使用して形態Eを得ることができる。一部の実施態様において、室温でのスラリー再結晶処理を使用して形態Eを得ることができる。化合物AをDMF又はNMPに溶解させ、逆溶媒として水を迅速に添加することによる逆溶媒再結晶処理によって形態Eを得ることもできる。
【0102】
一部の実施態様において、化合物Aの形態EをX線粉末回折分析によって特徴づけることができる。化合物Aの形態Eの代表的なXRPDパターンを
図13に示す。一部の実施態様において、化合物Aの形態Eは、以下の近似位置:7.3、9.3、12.2、14.0、14.6、15.7、16.8、21.0、22.0、22.7、29.4、30.0及び37.0度2θのうちの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13箇所に位置するXRPDピークによって特徴づけられる。一実施態様において、化合物Aの形態Eは、以下の近似位置:7.3、14.6、22.0、30.0及び37.0度2θに位置するXRPDピークによって特徴づけられる。一部の実施態様において、化合物Aの形態Eは、
図13に示されるパターンに対応するXRPDパターンによって特徴づけられる。一部の実施態様において、化合物Aの形態Eは、本明細書で提供する代表的な形態Eのパターンにおけるピークに対応する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13のピークを有するXRPDパターンによって特徴づけられる。
【0103】
一部の実施態様において、化合物Aの形態Eを熱分析によって特徴づけることができる。化合物Aの形態Eの代表的なDSCプロットを
図14に示す。一部の実施態様において、形態Eは、開始温度が約279℃の吸熱事象を含むDSCプロットによって特徴づけられる。一部の実施態様において、特徴的な形態EのDSCプロットは、例えば、ピーク温度が約146℃の吸熱事象などの1つのさらなる事象をさらに含む。化合物Aの形態Eの代表的なTGAプロットを
図15に示す。一部の実施態様において、形態Eは、約25℃から約150℃までの加熱によるサンプルの全質量の約10%未満、約8%未満、約6%未満、例えば約5.97%の質量損失を含むTGAプロットによって特徴づけられる。一部の実施態様において、TGA質量損失事象は、水の損失を含む。一部の実施態様において、化合物Aの形態Eは溶媒和されている。一部の実施態様において、形態Eは水和されている。
【0104】
一部の実施態様において、化合物Aの形態Eを吸湿分析によって特徴づけることができる。一部の実施態様において、RHが約0%RHから約95%RHに高められると、形態Eは、サンプルの出発質量の約2%未満、約1%未満、約0.5%未満、例えば約0.4%の質量変化を示す。一部の実施態様において、吸着によって増加した質量は、RHが再び約0%RHまで低下すると失われる。一部の実施態様において、形態Eは、非吸湿性である。一部の実施態様において、形態E材料のXRPDパターンは、吸着/脱着分析後も実質的に変化しない。一部の実施態様において、形態Eは、湿度に対して安定している。
【0105】
本明細書における一部の実施態様は、実質的に純粋な化合物Aの形態Eを提供する。本明細書における一部の実施態様は、例えば、形態A、B、C、D、F、及び/又は本明細書で提供する化合物Aを含む非晶質固体形態、並びに形態A1、及び本明細書で提供する化合物Aの塩酸塩を含む非晶質固体形態を含む、化合物Aを含む他の固体形態が実質的にない化合物Aの形態Eを提供する。本明細書における一部の実施態様は、例えば、形態A、B、C、D、F、及び本明細書で提供する化合物Aを含む非晶質固体形態、並びに形態A1、及び本明細書で提供する化合物Aの塩酸塩を含む非晶質固体形態の1種以上を含む混合物を含む、化合物Aを含む固体形態の混合物としての形態Eを提供する。
【0106】
(4.1.6. 化合物Aの形態F)
本明細書における一部の実施態様は、化合物Aの形態F結晶形態を提供する。一部の実施態様において、化合物Aの形態Fを、限定することなく、水を含む溶媒系を含む様々な溶媒から得ることができる。一部の実施態様において、スラリー再結晶処理を使用して形態Fを得ることができる。
【0107】
一部の実施態様において、化合物Aの形態FをX線粉末回折分析によって特徴づけることができる。化合物Aの形態Fの代表的なXRPDパターンを
図16に示す。一部の実施態様において、化合物Aの形態Fは、以下の近似位置:7.2、9.1、14.5、16.8、18.3、21.9、22.7、29.9及び36.9度2θのうちの1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10箇所に位置するXRPDピークによって特徴づけられる。一実施態様において、化合物Aの形態Fは、以下の近似位置:14.5、15.7、22.7及び29.9度2θに位置するXRPDピークによって特徴づけられる。一部の実施態様において、化合物Aの形態Fは、
図16に示されるパターンに対応するXRPDパターンによって特徴づけられる。一部の実施態様において、化合物Aの形態Fは、本明細書で提供する代表的な形態Fのパターンにおけるピークに対応する1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のピークを有するXRPDパターンによって特徴づけられる。
【0108】
一部の実施態様において、化合物Aの形態Fを熱分析によって特徴づけることができる。化合物Aの形態Fの代表的なDSCプロットを
図17に示す。一部の実施態様において、形態Fは、開始温度が約267℃の吸熱事象を含むDSCプロットによって特徴づけられる。一部の実施態様において、特徴的な形態FのDSCプロットは、例えば、ピーク温度が約170℃の発熱事象などの1つのさらなる事象をさらに含む。一部の実施態様において、形態Fは溶媒和されている。一部の実施態様において、形態Fは水和されている。
【0109】
本明細書における一部の実施態様は、実質的に純粋な化合物Aの形態Fを提供する。本明細書における一部の実施態様は、例えば、形態A、B、C、D、E、及び/又は本明細書で提供する化合物Aを含む非晶質固体形態、並びに形態A1、及び本明細書で提供する化合物Aの塩酸塩を含む非晶質固体形態を含む、化合物Aを含む他の固体形態が実質的にない化合物Aの形態Fを提供する。本明細書における一部の実施態様は、例えば、形態A、B、C、D、E、及び本明細書で提供する化合物Aを含む非晶質固体形態、並びに形態A1、及び本明細書で提供する化合物Aの塩酸塩を含む非晶質固体形態の1種以上を含む混合物を含む、化合物Aを含む固体形態の混合物としての形態Fを提供する。
【0110】
(4.1.7. 化合物Aの塩酸塩の形態A1)
本明細書における一部の実施態様は、化合物Aの塩酸塩結晶質形態A1を提供する。一部の実施態様において、形態A1を、限定することなく、アセトン、アセトニトリル、n-ブタノール、エタノール、酢酸エチル、ヘプタン、メタノール、塩化メチレン、メチルエチルケトン、メチルt-ブチルエーテル、2-プロパノール、トルエン、テトラヒドロフラン、水、及びそれらの混合物を含む溶媒系を含む様々な溶媒から得ることができる。一部の実施態様において、急冷又は徐冷結晶化処理を使用して形態A1を得ることができる。一部の実施態様において、逆溶媒添加結晶化処理を使用して形態A1を得ることができる。
【0111】
化合物Aの塩酸塩の形態A1は、安定な結晶形態である。例えば、形態A1は、空気及び光に曝露しながら室温で6週間にわたって貯蔵しても化学的に安定していることが判明した。形態A1は、真空下にて40℃で貯蔵しても化学的に安定していることも判明した。形態A1は、窒素雰囲気下にて40℃で貯蔵しても化学的に安定していることも判明した。形態A1は、40℃及び75%相対湿度(RH)で貯蔵しても化学的に安定していることも判明した。形態A1は、密閉容器にて60℃で貯蔵しても化学的に安定していることも判明した。このデータに基づき、化合物Aの形態A1は、大規模製造に対して好適に安定しているものと判断された(実施例5.4.3.2)。
【0112】
一部の実施態様において、形態A1をX線粉末回折分析によって特徴づけることができる。形態A1の代表的なXRPDパターンを
図18に示す。一部の実施態様において、形態A1は、以下の近似位置:8.6、11.3、13.1、15.3、17.3、20.5、22.7、23.6、26.3及び31.4度2θのうちの1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10箇所に位置するXRPDピークによって特徴づけられる。一実施態様において、形態A1は、以下の近似位置:8.6、13.1、20.5及び26.3度2θに位置するXRPDピークによって特徴づけられる。一部の実施態様において、形態A1は、
図18に示されるパターンに対応するXRPDパターンによって特徴づけられる。一部の実施態様において、形態A1は、本明細書で提供する代表的な形態A1のパターンにおけるピークに対応する1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のピークを有するXRPDパターンによって特徴づけられる。
【0113】
一部の実施態様において、化合物Aの塩酸塩の形態A1を熱分析によって特徴づけることができる。形態A1の代表的なDSCプロットを
図19に示す。一部の実施態様において、形態A1は、開始温度が約276℃の吸熱事象を含むDSCプロットによって特徴づけられる。一部の実施態様において、形態A1は、分解温度が約276℃である。化合物Aの形態A1の代表的なTGAプロットを
図20に示す。一部の実施態様において、形態A1は、約25℃から約150℃までの加熱によるサンプルの全質量の約1%未満、約0.5%未満、約0.2%未満、約0.1%未満、約0.05%未満、約0.01%未満、例えば約0.0008%の質量損失を含むTGAプロットによって特徴づけられる。一部の実施態様において、化合物Aの形態A1は、結晶格子に実質的な量の水又は他の溶媒を含まない。一部の実施態様において、形態A1は溶媒和されていない。一部の実施態様において、形態A1は無水物である。
【0114】
一部の実施態様において、形態A1を吸湿分析によって特徴づけることができる。代表的な吸湿等温プロットを
図21に示す。一部の実施態様において、相対湿度(「RH」)が約0%RHから約95%RHに高められると、形態A1は、サンプルの出発質量の約1%未満、約0.5%未満、約0.2%未満(例えば約0.15%)の質量変化を示す。一部の実施態様において、吸着によって増加した質量は、RHが再び約0%RHまで低下すると失われる。よって、一部の実施態様において、形態A1は、実質的に非吸湿性である。一部の実施態様において、形態A1材料のXRPDパターンは、吸着/脱着分析後も実質的に変化しない。一部の実施態様において、形態A1は、湿度に対して安定している。
【0115】
一部の実施態様において、化合物Aの塩酸塩の形態A1をその安定性プロファイルによって特徴づけることができる。一部の実施態様において、形態A1材料は安定しており、例えば、そのXRPDパターンは、高温に曝露し、高湿度に曝露し、1つ以上の溶媒に曝露し、且つ/又は圧縮しても実質的に変化しない。一部の実施態様において、例えば、形態A1は、室温40℃の環境及び約75%RHの環境に約4週間にわたって曝露した後も安定している。一部の実施態様において、例えば、形態A1は、室温の環境及び約95%RHの環境に約4日間にわたって曝露した後も安定している。一部の実施態様において、形態A1は、例えば、アセトン、アセトニトリル、n-ブタノール、エタノール、酢酸エチル、ヘプタン、メタノール、塩化メチレン、メチルエチルケトン、メチルt-ブチルエーテル、2-プロパノール、トルエン及び/又はテトラヒドロフランを含む1つ以上の溶媒系に約50℃で少なくとも約24時間にわたって曝露した後も安定している。一部の実施態様において、形態A1は、約2,000-psiの圧力で約1分間にわたって圧縮しても安定している。
【0116】
一部の実施態様において、形態A1を粒子分析によって特徴づけることができる。一部の実施態様において、形態A1のサンプルは、環状形状の粒子を含む。
【0117】
本明細書における一部の実施態様は、実質的に純粋な形態A1の化合物Aを提供する。本明細書における一部の実施態様は、例えば、本明細書で提供する化合物Aの塩酸塩を含む非晶質固体形態、並びに形態A、B、C、D、E、F、及び/又は本明細書で提供する化合物Aを含む非晶質固体形態を含む、化合物Aを含む他の固体形態が実質的にない化合物Aの塩酸塩の形態A1を提供する。本明細書における一部の実施態様は、例えば、形態A、B、C、D、E、F、及び本明細書で提供する化合物Aを含む非晶質固体形態、並びに本明細書で提供する化合物Aの塩酸塩を含む非晶質固体形態の1種以上を含む混合物を含む、化合物Aを含む固体形態の混合物としての形態A1を提供する。
【0118】
本明細書における一部の実施態様は、形態A1における化合物Aと塩酸塩のモル比が、約0.1から約10、約0.2から約5、約0.5から約2,約0.6から約1.5、約0.7から約1.3、約0.8から約1.2、約0.9から約1.1又は約0.95から約1.05である化合物Aの塩酸塩の形態A1を提供する。一部の実施態様において、形態A1における化合物Aと塩酸塩のモル比は、0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約0.95、約1、約1.05、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4又は 約1.5である。
【0119】
(4.2. 治療方法)
本開示は、化合物A、或いはその立体異性体、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接化合物若しくはそれらの多形体の固体形態を使用して様々な疾患又は障害を治療、予防及び/又は管理する方法であって、例えば、形態A、B、C、D、E若しくは化合物Aの非晶質形態、又は形態A1、若しくは本明細書で提供する化合物Aの塩酸塩の非晶質形態などの、化合物Aを含む1つ以上の固体形態の治療又は予防有効量を投与することを含む方法を包含する。
【0120】
特定の理論に限定されることなく、化合物Aは、血管形成を抑制する、又はTNF-α、IL-1β、IL-12、IL-18、GM-CSF及び/又はIL-6を含むが、それらに限定されない特定のサイトカインの生成を阻害することができる。特定の理論に限定されることなく、化合物Aは、IL-10を含む特定の他のサイトカインの生成を刺激するとともに、T細胞活性化のための共刺激シグナルとしても作用して、IL-12及び/又はIFN-γなどの(但し、それらに限定されない)サイトカインの生成量を増加させることができる。加えて、化合物Aは、NK細胞及び抗体媒介細胞傷害性(antibody-mediated cellular cytotoxicity)(ADCC)の効果を向上させることができる。さらに、化合物Aは、免疫調節性及び/又は細胞毒性を有することができるため、化学療法薬として有用であり得る。結果として、それらは、特定の理論に限定されることなく、化合物Aが有する当該特性の一部又はすべてによって、様々な疾患又は障害を治療、管理及び/又は予防するのに有用なものとなり得る。
【0121】
疾患又は障害の例としては、癌、血管形成を伴う障害、複合性局所疼痛症候群(Complex Regional Pain Syndrome)(「CRPS」)、黄斑変性(Macular Degeneration)(「MD」)及び関連症候群を含むがそれらに限定されない疼痛、皮膚病、肺障害、石綿関連障害、寄生虫病、免疫不全障害、CNS障害、CNS傷害、アテローム硬化症及び関連障害、機能不全性睡眠及び関連障害、異常ヘモグロビン症及び関連障害(例えば、貧血)、TNFα関連障害並びに他の様々な疾患及び障害が挙げられるが、それらに限定されない。
【0122】
癌及び前癌状態の例としては、Mullerらの米国特許第6,281,230号及び第5,635,517号、2004年11月4日に公開された公開第2004/0220144A1号(脊髄形成異常症候群の治療(Treatment of Myelodysplastic Syndrome));2004年2月12日に公開された公開第2004/0029832A1号(様々な種類の癌の治療(Treatment of Various Types of Cancer));及び2004年5月6日に公開された公開第2004/0087546号(骨髄増殖性疾患の治療(Treatment of Myeloproliferative Diseases))を含むZeldisの様々な米国特許公開に記載されているものが挙げられるが、それらに限定されない。例としては、また、2004年12月2日に公開されたWO2004/103274号に記載されているものが挙げられる。これらの参考文献のすべてが引用により全面的に本明細書中に組み込まれている。
【0123】
癌の具体例としては、黒色腫などの皮膚癌;リンパ節癌;乳癌;頸癌;子宮癌;胃腸管癌;肺癌;卵巣癌;前立腺癌;結腸癌;直腸癌;口の癌;脳の癌;頭及び首の癌;喉の癌;精巣癌;腎臓癌;膵臓癌;骨癌;脾臓癌;肝臓癌;膀胱癌;喉頭癌;鼻路癌;及びAIDS関連癌が挙げられるが、それらに限定されない。該化合物は、多発性骨髄腫並びに急性白血病及び慢性白血病、例えば、リンパ芽球性白血病、骨髄性白血病、リンパ球性白血病及び骨髄球性白血病などの血液及び骨髄の癌を治療するのにも有用である。本明細書で提供する化合物を、原発腫瘍又は転移腫瘍を治療、予防又は管理するのに使用することができる。
【0124】
他の具体的な癌としては、進行性悪性腫瘍、アミロイドシス、神経芽腫、髄膜腫、血管外皮細胞腫、多発性脳転移、多形性膠芽腫、膠芽腫、脳幹膠腫、予後不良悪性脳腫瘍、悪性膠腫、再発性悪性膠腫、未分化星状細胞腫、未分化乏突起細胞腫、神経内分泌腫瘍、直腸腺癌、デュークスC&D結腸直腸癌、切除不能結腸直腸癌、転移性肝細胞癌、カポジ肉腫、カロタイプ急性骨髄芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病(chronic lymphocytic leukemia)(CLL)、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、拡散性大B細胞リンパ腫、低級小胞リンパ腫、転移性黒色腫(眼黒色腫を含むが、それに限定されない局所的黒色腫)、悪性中皮腫、悪性胸水中皮腫症候群、腹膜癌、乳頭漿液癌、婦人科肉腫、軟組織肉腫、強皮症、皮膚血管炎、ランゲルハンス細胞組織球症、平滑筋肉腫、進行性骨化性線維形成異常、ホルモン難治性前立腺癌、切除高リスク軟組織肉腫、切除不能肝細胞癌、ワルデンストレームマクロ(大)グロブリン血症、くすぶり型骨髄腫、無痛性骨髄腫、卵管癌、男性ホルモン独立前立腺癌、男性ホルモン依存IV段階非転移性前立腺癌、ホルモン非感受性前立腺癌、化学療法非感受性前立腺癌、乳頭甲状腺癌、小胞甲状腺癌、延髄甲状腺癌及び平滑筋腫が挙げられるが、それらに限定されない。特定の実施態様において、癌は、転移性である。別の実施態様において、癌は、化学療法又は放射線に対して難治性又は抵抗性である。
【0125】
一実施態様において、引用により全面的に組み込まれている、2006年2月9日に公開された米国公開第2006/0030594号に開示されている再発性、難治性及び抵抗性の白血病を含む慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病及び急性骨髄芽球性白血病などの様々な形の白血病を治療、予防又は管理する方法を本明細書で提供する。
【0126】
「白血病」という用語は、血液形成組織の悪性新生物を指す。白血病としては、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病及び急性骨髄芽球性白血病が挙げられるが、それらに限定されない。白血病は、従来の治療に対して再発性、難治性又は抵抗性であり得る。「再発性」という用語は、治療後に白血病が緩解した患者が骨髄に白血病細胞を復活させ、正常な血球が減少する状況を指す。「難治性又は抵抗性」という用語は、患者が、集中治療後も、骨髄に残留する白血病細胞を有する状況を指す。
【0127】
別の実施態様において、非ホジキンリンパ腫(Non-Hodgkin's lymphoma)(NHL)を含む様々な種類のリンパ腫を治療、予防又は管理する方法を本明細書で提供する。「リンパ腫」という用語は、細網内皮系及びリンパ系において生じる異種の新生物群を指す。「NHL」は、リンパ節、骨髄、脾臓、肝臓及び胃腸管を含む免疫系の部位におけるリンパ球の悪性モノクローナル増殖を指す。NHLの例としては、マントル細胞リンパ腫(mantle cell lymphoma)(MCL)、中間体分化のリンパ球性リンパ腫、中間体リンパ球性リンパ腫(intermediate lymphocytic lymphoma)(ILL)、拡散性分化不良リンパ球性リンパ腫(poorly differentiated lymphocytic lymphoma)(PDL)、中心細胞性リンパ腫、拡散性小非正円形細胞リンパ腫(diffuse small-cleaved cell lymphoma)(DSCCL)、小胞リンパ腫、及び顕微鏡で見ることができる任意の種類のマントル細胞リンパ腫(結節性、拡散性、芽球性及び外套帯リンパ腫)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0128】
望ましくない血管形成を伴う、又はそれによって特徴づけられる疾患及び障害の例としては、炎症性疾患、自己免疫性疾患、ウイルス性疾患、遺伝子疾患、アレルギー疾患、細菌性疾患、眼新生血管疾患、脈絡膜新生血管疾患、網膜新生血管疾患及び皮膚潮紅(角の血管新生)が挙げられるが、それらに限定されない。望ましくない血管形成を伴う、又はそれによって特徴づけられる疾患及び障害の具体例としては、関節炎、子宮内膜症、クローン病、心不全、進行性心不全、腎障害、内毒血症、毒素ショック症候群、骨関節炎、レトロウイルス複製、消耗、髄膜炎、シリカ誘発線維症、石綿誘発線維症、獣医学的障害、悪性腫瘍に伴うカルシウム過剰血症、卒中、循環器系ショック、歯根膜炎、歯齦炎、大球性貧血、難治性貧血及び5q欠失症候群が挙げられるが、それらに限定されない。
【0129】
疼痛の例としては、引用により本明細書中に組み込まれている、2005年9月15日に公開の米国特許公開第2005/0203142号に記載されているものが挙げられるが、それらに限定されない。具体的な種類の疼痛としては、侵害性疼痛、神経性疼痛、侵害性疼痛と神経性疼痛の混合疼痛、内臓痛、片頭痛、頭痛及び手術後疼痛が挙げられるが、それらに限定されない。
【0130】
侵害性疼痛の例としては、化学的火傷若しくは熱傷、皮膚の切断、皮膚の挫傷、骨関節炎、リウマチ様関節炎、腱炎及び筋筋膜疼痛に伴う疼痛が挙げられるが、それらに限定されない。
【0131】
神経性疼痛の例としては、I型CRPS、II型CRPS、反射交感神経性異栄養症(reflex sympathetic dystrophy)(RSD)、反射神経血管性異栄養症、反射異栄養症、交感神経維持疼痛症候群、灼熱痛、骨のズーデック萎縮、痛覚神経異栄養症、肩手症候群、外傷後異栄養症、三叉神経痛、ヘルペス後神経痛、癌関連疼痛、幻肢痛、線維筋痛、慢性疲労症候群、脊髄傷害性疼痛、中枢卒中後疼痛、神経根障害、糖尿病性神経痛、卒中後疼痛、梅毒性神経痛、並びにビンクリスチン及びベルケードなどの薬物によって引き起こされるものなどの他の神経痛状態が挙げられるが、それらに限定されない。
【0132】
本明細書に用いられているように、「複合性局所疼痛症候群」、「CRPS」及び「CRPS及び関連症候群」という用語は、自然発生的であるか、誘起的であるかにかかわらず、異痛症(通常は痛くない刺激に対する有痛応答)及び痛覚過敏(通常は小さな痛みしか感じない刺激に対する過大応答)を含む疼痛;刺激事象に比例しない疼痛(例えば、踝捻挫後に何年も続く苛酷な痛み);単一の末梢神経分布に限定されない局所疼痛;及び栄養性皮膚変化(髪及び爪の成長異常及び皮膚潰瘍)に伴う自律神経失調症(例えば、水腫、血流の変化及び多汗症)の1種以上によって特徴づけられる慢性疼痛障害を意味する。
【0133】
MD及び関連症候群の例としては、引用により本明細書中に組み込まれている、2004年5月13日公開の米国特許公開第2004/0091455号に記載されているものが挙げられるが、それらに限定されない。具体例としては、萎縮性(乾燥)MD、滲出性(湿潤)MD、年齢関連黄斑症(age-related maculopathy)(ARM)、脈絡膜血管新生(choroidal neovascularisation)(CNVM)、網膜色素上皮細胞剥離(pigment epithelium detachment)(PED)及び網膜色素上皮細胞(retinal pigment epithelium)(RPE)の萎縮が挙げられるが、それらに限定されない。
【0134】
皮膚疾患の例としては、引用により本明細書中に組み込まれている、2005年9月29日に公開の米国公開第2005/0214328A1号に記載されているものが挙げられるが、それらに限定されない。具体例としては、角化症及び関連症状、表皮の過大成長、座瘡及び皺によって特徴づけられる皮膚疾患又は障害が挙げられるが、それらに限定されない。
【0135】
本明細書に用いられるように、「角化症」という用語は、光線性角化症、脂漏性角化症、角化棘細胞腫、毛包性角化症(ダリェ病)、逆毛包性角化症、掌蹠角皮症(palmoplantar keratoderma)(PPK、底側掌蹠角皮症)、毛孔性角化症及びスタッコ角化症を含むが、それらに限定されない角質層の限局性過大成長の存在によって特徴づけられる表皮上の任意の病変を指す。「光線性角化症」という用語は、また、老化性角化症、老年性角化症、老年性ゆうぜい、老年性扁平、日光性角化症、角皮症又は角化腫を指す。「脂漏性角化症」という用語は、また、脂漏性いぼ、老年性いぼ又は基底細胞乳頭腫を指す。角化症は、以下の症状:露出面(例えば、顔、手、耳、首、足及び胸部)上の凹凸、鱗片、紅斑性丘疹、プラーク、骨片又は小節、皮角と称する角質の突出、過角化症、末梢血管拡張、弾力線維症、色素性黒子、表皮腫、錯角化症、異常角化症、乳頭腫症、基底細胞の色素過剰、異型細胞、有糸分裂像、異常細胞-細胞接着、高密度炎症性浸潤及び扁平上皮細胞癌の小規模な蔓延の1種以上によって特徴づけられる。
【0136】
表皮の過大成長によって特徴づけられる皮膚疾患又は障害の例としては、乳頭腫ウイルスに伴う感染症、砒素性角化症、レーザ-トレラー兆候、いぼ状ジスケラトーマ(warty dyskeratoma)(WD)、小棘性束毛(trichostasis spinulosa)(TS)、変異性紅斑角皮症(erythrokeratodermia variabilis)(EKV)、胎児魚鱗癬(ハーリキン魚鱗癬)、指結節、皮膚黒色棘細胞腫、汗孔角化症、乾癬、扁平上皮細胞癌、融合性及び網状、乳頭腫症(confluent and reticulated papillomatosis)(CRP)、先端線維性軟ゆう、皮角、カウデン病(多発性過誤腫症候群)、黒色丘疹性皮膚病(dermatosis papulosa nigra)(DPN)、表皮神経症候群(epidermal nevus syndrome)(ENS)、尋常魚鱗癬、伝染性軟属腫、結節性痒疹及び黒色表皮腫(acanthosis nigricans)(AN)を含むが、それらに限定されない表皮の過大成長の存在によって特徴づけられるあらゆる状態、疾患又は障害が挙げられるが、それらに限定されない。
【0137】
肺障害の例としては、引用により本明細書中に組み込まれている、2005年10月27日公開の米国公開第2005/0239842A1号に記載されているものが挙げられるが、それらに限定されない。具体例としては、肺高血圧症及び関連障害が挙げられる。肺高血圧症及び関連障害の例としては、原発性肺高血圧症(primary pulmonary hypertension)(PPH);続発性肺高血圧症(secondary pulmonary hypertension)(SPH);家族性PPH;散発性PPH;前毛細血管肺高血圧症;肺動脈性高血圧症(pulmonary arterial hypertension)(PAH);肺動脈高血圧症;特発性肺高血圧症;血栓性肺動脈症(thrombotic pulmonary arteriopathy)(TPA);多陰性肺動脈症;機能性クラスIからIVの肺高血圧症;並びに左心室機能不全、僧帽弁疾患、収縮性心膜炎、大動脈弁狭窄、心筋疾患、縦隔線維症、異常肺静脈排出、肺静脈閉塞症、膠原血管病、先天性心疾患、HIVウイルス感染、フェンフルラミンなどの薬物及び毒素、先天性心疾患、肺静脈高血圧症、慢性閉塞性肺疾患、組織間液肺疾患、睡眠時呼吸障害、肺胞低換気障害、慢性高所被曝、新生児肺疾患、肺胞毛細血管異形成症、鎌状赤血球病、他の凝血障害、慢性血栓閉栓症、結合組織疾患、全身性狼瘡及び皮膚狼瘡を含む狼瘡、住血吸虫病、類肉腫症又は肺毛細血管腫に伴う、関連する、又は付随的な肺高血圧症が挙げられるが、それらに限定されない。
【0138】
石綿関連障害の例としては、引用により本明細書中に組み込まれている、2005年5月12日公開の米国公開第2005/0100529号に記載されているものが挙げられるが、それらに限定されない。具体例としては、中皮腫、石綿症、悪性胸水、良性滲出、胸膜プレーク、胸膜石灰化、拡散性胸膜肥大、丸形肺拡張不全、線維塊及び肺癌が挙げられるが、それらに限定されない。
【0139】
寄生虫性疾患の例としては、引用により本明細書中に組み込まれている、2006年7月13日に公開された米国公開第2006/0154880号に記載されているものが挙げられるが、それらに限定されない。寄生虫性疾患としては、P.ファルシファリウム(falcifarium)、P.オバレ(ovale)、P.ビバクス(vivax)、P.マラリア(malariae)、L.ドノバリ(donovari)、L.インファンタム(infantum)、L.エチオピカ(aethiopica)、L.マジョル(major)、L.トロピカ(tropica)、L.メキシカナ(mexicana)、L.ブラジリエンシス(braziliensis)、T.ゴンジ(Gondii)、B.ミクロチ(microti)、B.ディバージェンス(divergens)、B.コリ(coli)、C.パルブム(parvum)、C.カイェタネンシス(cayetanensis)、E.ヒストリチカ(histolytica)、I.ベリ(belli)、S.マンソニ(mansonii)、S.ハエマトビウム(haematobium)、トリパノソマ(Trypanosoma)ssp.、トキソプラズマ(Toxoplasma)ssp.及びO.ボルブルス(volvulus)などの(但し、それらに限定されない)ヒト細胞内寄生虫によって引き起こされる疾患及び障害が挙げられる。バベシアボビス(Babesia bovis)、バベシアカニス(Babesia canis)、バネシアギブソニ(Banesia Gibsoni)、ベスノイチアダーリンギ(Besnoitia darlingi)、シタウクスズーンフェリス(Cytauxzoon felis)、エイメリア(Eimeria)ssp.、ハモンジア(Hammondia)ssp.及びテイレリア(Theileria)ssp.などの(但し、それらに限定されない)ヒト以外の細胞内寄生虫によって引き起こされる他の疾患及び障害も包含される。具体例としては、マラリア、バベシア症、トリパノソマ症、リーシュマニア症、トキソプラズマ症、髄膜脳炎、角膜炎、アメーバ症、ジアルジア虫症、クリプトスポリジウム症、イソスポーラ症、シクロスポーラ症、微胞子虫症、回虫症、鞭虫症、鈎虫症、糞線虫症、トキソカラ症、旋毛虫症、リンパフィラリア症、オンコセルカ症、フィラリア症、住血吸虫症、及び動物住血吸虫によって引き起こされる皮膚炎が挙げられるが、それらに限定されない。
【0140】
免疫不全障害の例としては、2005年11月30日出願の米国出願第11/289,723号に記載されているものが挙げられるが、それらに限定されない。具体例としては、アデノシンデアミナーゼ欠損、正常又は高量のIgによる抗体欠損、血管拡張性失調症、ベアリンパ球症候群、分類不能型免疫不全症、高IgMによるIg欠損、Ig重鎖欠損、IgA欠損、胸腺腫免疫不全、網状異形成、ネゼロフ症候群、選択的IgGサブクラス欠損、一過性乳児低ガンマグロブリン血症、ウィストコット-アルドリッチ(Wistcott-Aldrich)症候群、X染色体性無ガンマグロブリン血症、X染色体性重度複合免疫不全が挙げられるが、それらに限定されない。
【0141】
CNS障害の例としては、引用により本明細書中に組み込まれている、2005年6月30日公開の米国公開第2005/0143344号に記載されているものが挙げられるが、それらに限定されない。具体例としては、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、多発性硬化症、ツレット症候群、せん妄、又は短時間にわたって生じる意識攪乱、及び健忘障害、又は他の中枢神経系障害の不在下で生じる軽度の記憶障害などの他の神経免疫学的障害が挙げられるが、それらに限定されない。
【0142】
CNS傷害及び関連症候群の例としては、引用により本明細書中に組み込まれている、2006年6月8日に公開された米国公開第2006/0122228号に記載されているものが挙げられるが、それらに限定されない。具体例としては、原発性脳傷害、続発性脳傷害、外傷性脳傷害、限局性脳傷害、拡散性軸索傷害、頭部傷害、振盪症、振盪症後症候群、脳挫傷及び裂傷、硬膜下血腫、表皮血腫、外傷後てんかん、慢性植物状態、完全SCI、不完全SCI、急性SCI、準急性SCI、慢性SCI、中枢脊髄症候群、ブラウン-セカール症候群、前側脊髄症候群、脊髄円錐症候群、馬尾症候群、神経原生ショック、脊髄ショック、意識レベルの変化、頭痛、吐き気、嘔吐、記憶喪失、眩暈、複視症、視朦、情緒不安定、睡眠障害、過敏症、集中不能、神経過敏、行動障害、認知欠如及び発作が挙げられるが、それらに限定されないCNS傷害/損傷及び関連症候群が挙げられるが、それらに限定されない。
【0143】
他の疾患又は障害としては、ウイルス性疾患、遺伝子疾患、アレルギー性疾患及び自己免疫疾患が挙げられるが、それらに限定されない。具体例としては、HIV、肝炎、成人呼吸促迫症候群、骨吸収疾患、慢性肺炎焼成疾患、皮膚炎、脾臓線維症、敗血症性ショック、敗血症、内毒素ショック、血行動態性ショック、敗血症候群、虚血後潅流傷害、髄膜炎、乾癬、線維性疾患、悪液質、移植片対宿主病、移植片拒絶、自己免疫疾患、リウマチ様脊椎炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、多発性硬化症、全身性紅斑性狼蒼、ハンセン病におけるENL、放射線障害、癌、喘息又は過酸素症肺胞性傷害が挙げられるが、それらに限定されない。
【0144】
アテローム硬化症及び関連状態の例としては、引用により本明細書中に組み込まれている、2002年5月9日に公開の米国公開第2002/0054899号に開示されているものが挙げられるが、それらに限定されない。具体例としては、血管形成、ステント挿入、アテレクトミー及び移植などの血管介入後の再狭窄を含むアテローム硬化症を含むすべての形の状態が挙げられるが、それらに限定されない。腎臓血管形成、経皮冠状動脈介入(percutaneous coronary intervention)(PCI)、経皮経血管冠状動脈血管形成(percutaneous transluminal coronary angioplasty)(PTCA)、頸動脈経皮経血管血管形成(carotid percutaneous transluminal angioplasty)(PTA)、冠状動脈バイパス移植、ステント移植による血管形成、腸骨の末梢経皮経血管介入、大腿又は膝窩動脈、及び含浸人工移植片を使用する外科的介入などの(但し、それらに限定されない)心臓血管及び腎臓系の疾患を含むすべての形の血管介入が本明細書で意図される。
【0145】
機能障害性睡眠及び関連症候群の例としては、引用により本明細書中に組み込まれている、2005年10月6日公開の米国公開第2005/0222209A1号に開示されているものが挙げられるが、それらに限定されない。具体例としては、いびき、睡眠時無呼吸、不眠症、睡眠発作、不穏下肢症候群、睡眠驚症、夢遊病、夢摂食、及び慢性神経性又は炎症性状態に伴う機能障害性睡眠が挙げられるが、それらに限定されない。慢性神経性又は炎症性状態としては、複合局所疼痛症候群、慢性腰痛、筋骨格痛、関節炎、神経根傷害、癌に伴う疼痛、線維筋痛、慢性疲労症候群、内臓痛、膀胱痛、慢性膵炎、神経傷害(糖尿病性、ヘルペス後、外傷性又は炎症性)、並びにパーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、ハンチントン病、運動緩徐;筋硬直;パーキンソン病様震え、パーキンソン病様歩行;運動凍結;鬱病;長期記憶欠損、ルービンスタイン-テービ症候群(Rubinstein-Taybi syndrome)(RTS);痴呆;姿勢不安定;運動不全障害;シヌクレイン障害;複数系萎縮症;線条体黒質変性症;オリーブ橋小脳萎縮;シャイ-ドレーガー症候群;パーキンソン病様特徴を有する運動神経疾患;レービー体痴呆;タウ病理障害;進行性核上麻痺;皮質基底変性;前頭側頭骨痴呆;アミロイド病理障害;軽度認知障害;パーキンソン症を有するアルツハイマー病;ウィルソン病;ハレルフォルデン-スパッツ病;チェディアック-東病;SCA-3脊髄小脳失調症;X染色体性ジストニーパーキンソン病;プリオン病;運動過剰性障害;舞踏病;舞踏病痙攣様運動;ジストニー震え;筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis)(ALS);CNS外傷及び筋クローヌスなどの神経変性障害が挙げられるが、それらに限定されない。
【0146】
異常ヘモグロビン症及び関連障害の例としては、引用により本明細書中に組み込まれている、2005年6月30日公開の米国公開第2005/0143420A1号に記載されているものが挙げられるが、それらに限定されない。具体例としては、異常ヘモグロビン症、鎌形細胞貧血、及びCD34+細胞の分化に関連するあらゆる他の障害が挙げられるが、それらに限定されない。
【0147】
TNFα関連障害の例としては、いずれも引用により全面的に本明細書中に組み込まれている、WO98/03502及びWO98/54170に記載されているものが挙げられるが、それらに限定されない。具体例としては、内毒素血症又は毒素ショック症候群;悪液質;成人呼吸促迫症候群;関節炎などの骨吸収疾患;カルシウム過剰血症;移植片対宿主反応;大脳マラリア;炎症;腫瘍成長;慢性肺炎症性疾患;再潅流傷害;心筋梗塞;卒中;循環器系ショック;リウマチ様関節炎;クローン病;HIV感染及びAIDS;リウマチ様関節炎、リウマチ様脊椎炎、骨関節炎、乾癬性関節炎及び他の関節炎状態、敗血症性ショック、敗血症、内毒素ショック、移植片対宿主病、消耗、クローン病、潰瘍性大腸炎、多発性硬化症、全身性紅斑性狼瘡、ハンセン病におけるENL、HIV、AIDS及びAIDSにおける易感染症などの他の障害;敗血症性ショック、敗血症、内毒素ショック、血行動態性ショック及び敗血症候群、虚血後再潅流傷害、マラリア、マイコバクテリア感染症、髄膜炎、乾癬、鬱血性心不全、線維性疾患、悪液質、移植片拒絶、発癌性若しくは癌状態、喘息、自己免疫疾患、放射線障害及び過酸素肺胞傷害などの障害;ヘルペスウイルスによって引き起こされるものなどのウイルス感染症;ウイルス性結膜炎;又はアトピー性皮膚炎が挙げられるが、それらに限定されない。
【0148】
他の実施態様において、様々な免疫学的用途における、特に、引用により全面的に本明細書中に組み込まれている、2005年9月1日出願の米国仮出願第60/712,823号に開示されているワクチンアジュバント、特に抗癌ワクチンアジュバントとして化合物Aの使用も包含される。これらの実施態様は、また、化合物Aと、癌又は感染病を治療又は予防するためのワクチンとの併用、及びアレルギー反応の低減又は減感作などの免疫調節化合物の他の様々な使用に関する。
【0149】
化合物Aの固体形態の投与量は、治療、予防又は管理すべき具体的な適応症;患者の年齢及び状態;並びに存在すれば、使用される第2の活性薬の量などの要因に応じて異なる。一般に、本明細書で提供する化合物Aの固体形態を1日当たり約0.1mgから約500mgの量で使用することができ、従来の様式(例えば、各治療期間、予防期間又は管理期間の日毎に同量を投与する様式)で、周期的に(例えば、1週間投与し、1週間投与しない)、或いは治療、予防又は管理の過程にわたって量を増加又は減少させて調整することができる。他の実施態様において、投与量は、約1mgから約300mg、約0.1mgから約150mg、約1mgから約200mg、約10mgから約100mg、約0.1mgから約50mg、約1mgから約50mg、約10mgから約50mg、約20mgから約30mg、又は約1mgから約20mgであり得る。
【0150】
本明細書で提供する方法及び組成物において、本明細書で提供する化合物Aの固体形態を他の薬理活性化合物(「第2の活性薬」)と組み合わせることができる。特定の組合せは、特定の種類の疾患又は障害並びに当該疾患又は障害に伴う状態及び症状の治療に相乗作用的に機能できる。本明細書で提供する化合物Aの固体形態は、特定の第2の活性薬に付随する有害作用を緩和するように、又はその逆に機能することもできる。
【0151】
1つ以上の第2の活性成分又は活性薬を本明細書で提供する方法及び組成物に使用することができる。第2の活性薬は、大分子(例えば、タンパク質)又は小分子(例えば、合成無機分子、有機金属分子又は有機分子)であり得る。
【0152】
大分子活性薬の例としては、造血成長因子、サイトカイン並びにモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体が挙げられるが、それらに限定されない。活性薬の具体例は、抗CD40モノクローナル抗体(例えば、SGN-40など);ヒストンデアセトリアーゼ阻害薬(例えば、SAHA及びLAQ824など);熱ショックタンパク質-90阻害薬(例えば、17-AAGなど);インシュリン様成長因子-1受容体キナーゼ阻害薬;血管内皮成長因子受容体キナーゼ阻害薬(例えば、PTK787など);インシュリン成長因子受容体阻害薬;リソホスファチジル酸アシルトランスフェラーゼ阻害薬;lkBキナーゼ阻害薬;p38MAPK阻害薬;EGFR阻害薬(例えば、ゲフィチニブ及びエルロチニブHCLなど);HER-2抗体(例えば、トランスツズマブ(Herceptin(登録商標)など)及びペルツズマブ(Omnitarg(商標)));VEGFR抗体(例えば、ベバシズマブ(Avastin(商標)など));VEGFR阻害薬(例えば、flk-1特異的キナーゼ阻害薬、SU5416及びptk787/zk222584など);P13K阻害薬(例えば、ウォルツマニンなど);C-Met阻害薬(例えば、PHA-665752など);モノクローナル抗体(例えば、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、トシツモマブ(Bexxar(登録商標))、エドレコロマブ(Panorex(登録商標))及びG250など);並びに抗TNF-α抗体である。小分子活性薬の例としては、抗癌薬及び抗体(例えば、クラリトロマイシン)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0153】
本明細書で提供する化合物Aの固体形態と組み合わせることができる具体的な第2の活性化合物は、治療、予防又は管理すべき具体的な適応症に応じて異なる。
【0154】
例えば、癌の治療、予防又は管理では、第2の活性薬としては、セマキサニブ;シクロスポリン;エタネルセプト;ドキシシクリン;ボルテゾミブ;アシビシン;アクラルビシン; 塩酸アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;酢酸アメタントロン;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタト;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;ジメシル酸ビスナフィド;ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナールナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチメル;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン;セデフィンゴル;セレコキシブ;クロラムブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;メシル酸デザグアニン;ジアジクオン;ドセタキセル;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン;エダトレキサート;塩酸エフロルニチン;エルサミツルシン;エンロプラチン;エンプロメート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール;塩酸エソルビシン;エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イルモホシン;イプロプラチン;イリノテカン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン;マソプロコール;マイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキセート;メトトレキセートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン;ミトマイシン;ミトスペル;ミトタン;塩酸ミトキサントロン;マイコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィメルナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;プロマイシン;塩酸プロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン;サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン;スパルホサートナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;タキソテレ;テガフル;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキセート;グルクロン酸トリメトレキセート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシナート;硫酸ビンロイロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン及び塩酸ゾルビシンが挙げられるが、それらに限定されない。
【0155】
他の第2の薬としては、20-epi-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドクス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管形成阻害薬;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリクス;抗背方化形態形成タンパク質-1;抗アンドロゲン、前立腺癌薬;抗エストロゲン;抗新生物薬;アンチセンスオリゴヌクレオチド;グリシン酸アフィディコリン;アポトーシス遺伝子修飾物質;アポトーシス調節薬;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータ-アレチン;ベータクラマイシンB;ベツリニン酸;bFGF阻害薬;ビカルタミド;ビサントレン;ビサジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフレート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カペシタビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN700;軟骨由来阻害薬;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害薬(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロルンス;クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;cis-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クラムベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;サイトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタソン;デキシホスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドクス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;ジヒドロタキソール、9-;ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドキソルビシン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフール;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルニシン;ホルフェニメクス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害薬;ゲムシタビン;グルタチオン阻害薬;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イマチニブ(Gleevec(登録商標))、イミキモド;免疫刺激ペプチド;インシュリン様成長因子-1受容体阻害薬;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール、4-;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;三酢酸ラメラリン-N;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトールスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;ロイプロレリン;レバミソール;リアロゾール;直鎖状ポリアミン類似体;親油性二糖ペプチド;親油性プラチナ化合物;リソクリンアミド7;ロバプラチン;ロムブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解性ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリライシン阻害薬;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害薬;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害薬;ミフェプリストーン;ミルテホシン;ミリモスチン;ミトグアゾン;ミトラクトール;ミトマイシン類似体;ミトナフィド;ミトトキシン線維芽成長因子-サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;エルビツクス;ヒト胎盤性性腺刺激ホルモン;モノホスホリル脂質A+マイコバクテリア細胞壁sk;モピダモール;マスタード抗癌薬;マイカペルオキシドB;マイコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N-アセチルジナリン;N-置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチプ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;ニルタミド;ニサマイシン;酸化窒素調節薬;酸化窒素酸化防止剤;ニトルリン;オブリメルセン(Genasense(登録商標));O6-ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導物質;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセル類似体;パクリタキセル誘導体;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ポリ硫酸ペントサンナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;酢酸フェニル;ホスファターゼ阻害薬;ピシバニル;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノゲン活性体阻害薬;プラチナ錯体;プラチナ化合物;プラチナ-トリアミン錯体;ポルフィメルナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニソン;プロピルビス-アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソム阻害薬;タンパク質A系免疫調節薬;タンパク質キナーゼC阻害薬;タンパク質キナーゼC阻害薬、微細藻類;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害薬;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害薬;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン結合体;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害薬;ras阻害薬;ras-GAP阻害薬;脱メチル化レテリプチン;レニウムRe186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビギノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi 1擬態;セムスチン;セネセン誘導阻害薬1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害薬;シゾフィラン、ソブゾキサン;ナトリウムボロカプテイト;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルフォス酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンギスタチン1;スクアラミン;スチピアミド;ストロメリシン阻害薬;スルフィノシン;超活性血管作動性腸ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジン;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフル;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害薬;テモポルフィン;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポイエチン;トロンボポイエチン擬態;チマルファシン;チモポイエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;チロイド刺激ホルモン;錫エチルエチオプルプリン;チラパザミン;二塩化チタノセン;トプセンチン;トレミフェン;翻訳阻害薬;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキセート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害薬;チルホスチン;UBC阻害薬;ウベニメクス;尿生殖洞由来成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベラレソル;ベラミン;ベルジンス;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ及びジノスタチンスチマラマーが挙げられるが、それらに限定されない。
【0156】
具体的な第2の活性薬としては、2-メトキシエストラジオール、テロメスタチン、複数骨髄腫細胞におけるアポトーシスの誘導物質(例えば、TRAILなど)、スタチンス、セマキサニブ、シクロスポリン、エタネルセプト、ドキシシクリン、ボルテゾミブ、オブリメルセン(Genasense(登録商標))、レミカデ、ドセタキセル、セレコキシブ、メルファラン、デキサメタソン(Decadron(登録商標))、ステロイド、ゲムシタビン、シスプラチナ、テモゾロミド、エトポシド、シクロホスファミド、テモダール、カルボプラチン、プロカルバジン、グリアデル、タモキシフェン、トポテカン、メトトレキセート、Arisa(登録商標)、タキソール、タキソテレ、フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、キセローダ、CPT-11、インターフェロンアルファ、ペグ化インターフェロンアルファ(例えば、PEG INTRON-A)、カペシタビン、シスプラチン、チオテパ、フルダラビン、カルボプラチン、リポソームダウノルビシン、シタラビン、ドキセタキソール、パシリタキセル、ビンブラスチン、IL-2、GM-CSF、デカルバジン、ビノレルビン、ゾレドロン酸、パルミトロナート、ビアキシン、ブスルファン、プレドニソン、ビスホスホネート、三酸化砒素、ビンクリスチン、ドキソルビシン(Doxil(登録商標))、パシリタキセル、ガンシクロビル、アドリアマイシン、リン酸エストラムスチンナトリウム(Emcyt(登録商標))、スリンダク及びエトポシドが挙げられるが、それらに限定されない。
【0157】
別の実施態様において、治療、予防又は管理すべき適応症に応じた具体的な第2の薬の例を、そのすべてが全面的に本明細書中に組み込まれている以下の参考文献に見出すことができる:米国特許第6,281,230号及び第5,635,517号;米国公開第2004/0220144号、第2004/0190609号、第2004/0087546号、第2005/0203142号、第2004/0091455号、第2005/0100529号、第2005/0214328号、第2005/0239842号、第2006/0154880号、第2006/0122228号及び第2005/0143344号;並びに米国仮出願第60/631,870号。
【0158】
疼痛の治療、予防及び/又は管理に使用できる第2の活性薬の例としては、抗鬱薬、抗痙攣薬、抗高血圧症薬、抗不安薬、カルシウムチャネル遮断薬、筋弛緩薬、非麻薬性鎮痛薬、オピオイド鎮痛薬、抗炎症薬、cox-2阻害薬、免疫調節薬、アルファ-アドレナリン受容体アゴニスト又はアンタゴニスト、免疫抑制薬、コルチコステロイド、高圧酸素、ケタミン、他の麻酔薬、NMDAアンタゴニスト、及び例えば医師用卓上参考書(Physician's Desk Reference)2003に見出される他の治療薬などの疼痛を治療又は予防するのに使用する従来の治療薬が挙げられるが、それらに限定されない。具体例としては、サリチル酸アセテート(Aspirin(登録商標))、セレコキシブ(Celebrex(登録商標))、Enbrel(登録商標)、ケタミン、ガバペンチン(Neurontin(登録商標))、フェニトイン(Dilantin(登録商標))、カルバマゼピン(Tegretol(登録商標))、オキシカルバゼピン(Trileptal(登録商標))、バルプロ酸(Depakene(登録商標))、硫酸モルフィン、ヒドロモルホン、プレドニソン、グリセオフルビン、ペントニウム、アレンドロネート、ジフェンヒドラミド、グアネチジン、ケトロラク(Acular(登録商標))、チロカルシトニン、ジメチルスルホキシド(dimethylsulfoxide)(DMSO)、クロニジン(Catapress(登録商標))、ブレチリウム、ケタンセリン、レセルピン、ドロペリドール、アトロピン、フェントラミン、ブピバカイン、リドカイン、アセタミノフェン、ノルトリプチリン(Pamelor(登録商標))、アミトリプチリン(Elavil(登録商標))、イミプラミン(Tofranil(登録商標))、ドキセピン(Sinequan(登録商標))、クロミプラミン(Anafranil(登録商標))、フルオキセチン(Prozac(登録商標))、セルトラリン(Zoloft(登録商標))、ナプロキセン、ネファゾドン(Serzone(登録商標))、ベンラファキシン(Effexor(登録商標))、トラゾドン(Desyrel(登録商標))、ブプロピオン(Wellbutrin(登録商標))、メキシレチン、ニフェジピン、プロプラノロル、トラマドール、ラモトリギン、バイオックス、ジコノチド、ケタミン、デキストロメトルファン、ベンゾジアゼピン、バクロフェン、チザニジン及びフェノキシベンズアミンが挙げられるが、それらに限定されない。
【0159】
黄斑変性及び関連症候群の治療、予防及び/又は管理に使用できる第2の活性薬の例としては、ステロイド、感光剤、インテグリン、酸化防止剤、インターフェロン、キサンチン誘導体、成長ホルモン、好中球因子、血管新生調節薬、抗VEGF抗体、プロスタグランジン、抗生物質、植物エストロゲン、抗炎症化合物若しくは抗血管形成化合物、又はそれらの組合せが挙げられるが、それらに限定されない。具体例としては、ベルテポルフィン、プルリチン、新脈管形成抑制ステロイド、rhuFab、インターフェロン-2α、ペントキシフィリン、錫エチオプルプリン、モテキサフィン、ルセンティス、ルテチウム、9-フルオロ-11,21-ジヒドロキシ-16、17-1-メチルエチリジンビス(オキシ)プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン、ラタノプロスト(米国特許第6,225,348号参照)、テトラシクリン及びその誘導体、リファマイシン及びその誘導体、マクロライド、メトロニダゾール(米国特許第6,218,369号及び第6,015,803号)、ゲニステイン、ゲニスチン、6'-O-Malゲニスチン、6'-O-Acゲニスチン、ダイゼイン、ダイジン、6'-O-Malダイジン、6'-O-Acダイジン、グリシテイン、グリシチン、6'-O-Malグリシチン、ビオカニンA、ホルモノネチン(米国特許第6,001,368号)、トリアムシノロンアセトミド、デキサメタソン(米国特許第5,770,589号)、サリドマイド、グルタチオン(米国特許第5,632,984号)、塩基性線維芽細胞成長因子(basic fibroblast growth factor)(bFGF)、形質転換成長因子b(transforming growth factor b)(TGF-b)、脳由来好中球因子(brain-derived neurotrophic factor)(BDNF)、プラスミノゲン活性体因子2型(plasminogen activator factor type 2)(PAI-2)、EYE101(Eyetech Pharmaceuticals)、LY333531(Eli Lilly)、ミラバント及びRETISERTインプラント(Bausch & Lomb)が挙げられるが、それらに限定されない。本明細書に挙げた参考文献のすべてが引用により組み込まれている。
【0160】
皮膚病の治療、予防及び/又は管理に使用できる第2の活性薬の例としては、角質溶解薬、レチノイド、α-ヒドロキシ酸、抗生物質、コラーゲン、ボツリヌス毒素、インターフェロン、ステロイド及び免疫調節薬が挙げられるが、それらに限定されない。具体例としては、5-フルオロウラシル、マソプロコール、トリクロロ酢酸、サリチル酸、乳酸、乳酸アンモニウム、尿素、トレチノイン、イソトレチノイン、抗生物質、コラーゲン、ボツリヌス毒素、インターフェロン、コルチコステロイド、トランスレチン酸、並びにヒト胎盤コラーゲン、動物胎盤コラーゲン、ダーマロゲン、アロダーム、ファシア、シメトラ、オートロゲン、ジデルム、ジプラスト、レソプラスト及びイソラゲンなどのコラーゲンが挙げられるが、それらに限定されない。
【0161】
肺高血圧症及び関連障害の治療、予防及び/又は管理に使用できる第2の活性薬の例としては、抗凝血薬、利尿薬、強心配糖体、カルシウムチャネル遮断薬、血管拡張薬、プロスタシクリン類似体、エンドセリンアンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害薬(例えば、PDE V阻害薬)、エンドペプチダーゼ阻害薬、脂質降下薬、トロンボキサン阻害薬、及び肺動脈圧を降下させることが知られている他の治療薬が挙げられるが、それらに限定されない。具体例としては、ワルファリン(Coumadin(登録商標))、利尿薬、強心配糖体、ジゴキシン-酸素、ジルチアゼン、ニフェジピン、プロスタシクリンなどの血管拡張薬(例えば、プロスタグランジンI2(prostaglandin I2)(PGI2)、エポプロステノール(epoprostenol)(EPO、Floran(登録商標))、トレプロスチニル(Remodulin(登録商標))、酸化窒素(nitric oxide)(NO)、ボセンタン(Tracleer(登録商標))、アムロジピン、エポプロステノール(Floran(登録商標))、トレプロスチニル(Remodulin(登録商標))、プロスタシクリン、タダラフィン(Cialis(登録商標))、シムバスタチン(Zocor(登録商標))、オマパトリラート(Vanlev(登録商標))、イルベサルタン(Avapro(登録商標))、プラバスタチン(Pravachol(登録商標))、ジゴキシン、L-アルギニン、イロプロスト、ベータプロスト及びシルデナフィル(Viagra(登録商標))が挙げられるが、それらに限定されない。
【0162】
石綿関連障害の治療、予防及び/又は管理に使用できる第2の活性薬の例としては、アントラシクリン、プラチナ、アルキル化薬、オブリメルセン(Genasense(登録商標))、シスプラチナ、シクロホスファミド、テモダール、カルボプラチン、プロカルバジン、グリアデル、タモキシフェン、トポテカン、メトトレキセート、タキソテレ、イリノテカン、カペシタビン、シスプラチン、チオテパ、フルダラビン、カルボプラチン、リポソームダウノルビシン、シタラビン、ドキセタキソール、パシリタキセル、ビンブラスチン、IL-2、GM-CSF、ダカルバジン、ビノレルビン、ゾレドロン酸、パルミトロナート、ビアキシン、ブスルファン、プレドニソン、ビスホスホネート、三酸化砒素、ビンクリスチン、ドキソルビシン(Doxil(登録商標))、パクリタキセル、ガンシクロビル、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ヒアルロニダーゼ、ミトマイシンC、メパクリン、チオテパ、テトラシクリン及びゲムシタビンが挙げられるが、それらに限定されない。
【0163】
寄生虫病の治療、予防及び/又は管理に使用できる第2の活性薬の例としては、クロロキン、キニン、キニジン、ピリメタミン、スルファジアジン、ドキシシクリン、クリンダマイシン、メフロキン、ハロファントリン、プリマキン、ヒドロキシクロロキン、プログアニル、アトバクオン、アジトロマイシン、スラミン、ペンタミジン、メラルソプロル、ニフルチモクス、ベンズニダゾール、アンホテリシンB、五価アンチモン化合物(例えば、スチボグルクロン酸ナトリウム)、インターフェロンガンマ、イトラコナゾール、デッドプロマスチゴートとBCGの組合せ、ロイコボリン、コルチコステロイド、スルホンアミド、スピラマイシン、IgG(血清)、トリメトプリム及びスルファメトキサゾールが挙げられるが、それらに限定されない。
【0164】
免疫不全障害の治療、予防及び/又は管理に使用できる第2の活性薬の例としては、アンピシリン、テトラシクリン、ペニシリン、セファロスポリン、ストレプトマイシン、カナマイシン及びエリスロマイシンなどの(但し、それらに限定されない)抗生物質(治療又は予防);アマンタジン、リマンタジン、アシクロビル及びリバビリンなどの(但し、それらに限定されない)抗ウイルス薬;免疫グロブリン;血漿;レバミソール及びイソプリノシンなどの(但し、それらに限定されない)免疫増強薬;ガンマグロブリン、伝達因子、インターロイキン及びインターフェロンなどの(但し、それらに限定されない)生物学的製剤;チミンなどの(但し、それに限定されない)ホルモン;B細胞刺激薬(例えば、BAFF/BlyS)、サイトカイン(例えば、IL-2、IL-4及びIL-5)、成長因子(例えば、TGF-α)、抗体(例えば、抗CD40及びIgM)、オリゴヌクレオチド含有非メチル化CpGモチーフ及びワクチン(例えば、ウイルス及び腫瘍ペプチドワクチン)などの(但し、それらに限定されない)その他の免疫学的薬剤が挙げられるが、それらに限定されない。
【0165】
CNS障害の治療、予防及び/又は管理に使用できる第2の活性薬の例としては、オピオイド;レボドーパ、L-DOPA、コカイン、α-メチル-チロシン、レセルピン、テトラベナジン、ベンゾトロピン、パルギリン、メシル酸フェノドルパム、カベルゴリン、二塩酸プラミペキソール、ロピノロール、塩酸アマンタジン、塩酸セレギリン、カルビドーパ、メシル酸ペルゴリド、シネメットCR及びシメトレルなどの(但し、それらに限定されない)ドーパミンアゴニスト又はアンタゴニスト;イプロニアジド、クロルギリン、フェネルジン及びイソカルボキサジドなどの(但し、それらに限定されない)MAO阻害薬;トルカポン及びエンタカポンなどの(但し、それらに限定されない)COMT阻害薬;サリチル酸フィソスチグミン、硫酸フィソスチグミン、臭化フィソスチグミン、臭化メオスチグミン、メチル硫酸ネオスチグミン、塩化アンベノニム、塩化エドロフォニウム、タクリン、塩化プラリドキシム、塩化オビドキシム、臭化トリメドキシム、ジアセチルモノキシム、エンドロホニウム、ピリドスチグミン及びデメカリウムなどの(但し、それらに限定されない)コリンエステラーゼ阻害薬;ナプロキセンナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、ジクロフェナクカリウム、セレコキシブ、スリンダック、オキサプロジン、ジフルニサル、エトドラク、メロキシカム、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナブメトン、レフェコキシブ、メトトレキセート、レフルノミド、スルファサラジン、金塩、Rho-D免疫グロブリン、マイコフェニレートモフェチル、シクロスポリン、アザチオプリン、タクロリムス、バシリキシマブ、ダクリズマブ、サリチル酸、アセチルサリチル酸、サリチル酸メチル、ジフルニサル、サルサレート、オルサラジン、スルファサラジン、アセタミノフェン、インドメタシン、スリンダック、メフェナム酸、メクロフェナメートナトリウム、トルメチン、ケトロラク、ジクロフェナク、フルルビンプロフェン、オキサプロジン、ピロキシカム、メロキシカム、アンピロキシカム、ドロキシカム、ピボキシカム、テノキシカム、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、アンチピリン、アミノピリン、アパゾン、ジレウトン、アウロチオグルコース、チオリンゴ酸金ナトリウム、アウラノフィン、メトトレキセート、コルキシン、アロプリノール、プロベネシド、スルフィンピラゾン及びベンズブロマロン又はベータメタソン及び他のグルココルチコイドなどの(但し、それらに限定されない)抗炎症薬;並びにメトクロプロミド、ドムペリドン、プロクロルペラジン、プロメタジン、クロルプロマジン、トリメトベンズアミド、オンダンセトロン、グラニセトロン、ヒドロキシジン、アセチルロイシンモノエタノールアミン、アリザプリド、アザセトロン、ベンズキナミド、ビエタナウチン、ブロモプリド、ブクリジン、クレボプリド、シクリジン、ジメンヒドリネート、ジフェニドール、ドラセトロン、メクリジン、メタラタル、メトピマジン、ナビロン、オキシペルンジル、ピパマジン、スコポラミン、スルピリド、テトラヒドロカナビノール、チエチルペラジン、チオプロペラジン、トロピセトロン及びそれらの混合物などの(但し、それらに限定されない)抗嘔吐薬が挙げられるが、それらに限定されない。
【0166】
CNS傷害及び関連症候群の治療、予防及び/又は管理に使用できる第2の活性薬の例としては、免疫調節薬、免疫抑制薬、抗高血圧症薬、抗痙攣薬、線維芽細胞溶解薬、抗血小板薬、抗精神病薬、抗鬱薬、ベンゾジアゼピン、ブスピロン、アマンタジン並びにCNS傷害/損傷及び関連症候群の患者に使用される他の既知又は従来の薬剤が挙げられるが、それらに限定されない。具体例としては、ステロイド(例えば、メチルプレドニゾロン、デキサメタソン及びベータメタソンなどの(但し、それらに限定されない)グルココルチコイド);ナプロキセンナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、ジクロフェナクカリウム、セレコキシブ、スリンダック、オキサプロジン、ジフルニサル、エトドラク、メロキシカム、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナブメトン、レフェコキシブ、メトトレキセート、レフルノミド、スルファサラジン、金塩、RHo-D免疫グロブリン、マイコフェニレートモフェチル、シクロスポリン、アザチオプリン、タクロリムス、バシリキシマブ、ダクリズマブ、サリチル酸、アセチルサリチル酸、サリチル酸メチル、ジフルニサル、サルサレート、オルサラジン、スルファサラジン、アセタミノフェン、インドメタシン、スリンダック、メフェナム酸、メクロフェナメートナトリウム、トルメチン、ケトロラク、ジクロフェナク、フルルビンプロフェン、オキサプロジン、ピロキシカム、メロキシカム、アンピロキシカム、ドロキシカム、ピボキシカム、テノキシカム、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、アンチピリン、アミノピリン、アパゾン、ジレウトン、アウロチオグルコース、チオリンゴ酸金ナトリウム、アウラノフィン、メトトレキセート、コルキシン、アロプリノール、プロベネシド、スルフィンピラゾン及びベンズブロマロンを含むが、それらに限定されない抗炎症薬;db-cAMPを含むが、それに限定されないcAMP類似体;l-トレオ-メチルフェニデート、d-トレオ-メチルフェニデート、dl-トレオ-メチルフェニデート、l-エリスロ-メチルフェニデート、d-エリスロ-メチルフェニデート、dl-エリスロ-メチルフェニデート、及びそれらの混合物を含むメチルフェニデート薬を含む薬剤;並びにマンニトール、フロセミド、グリセロール及び尿素などの(但し、それらに限定されない)利尿薬が挙げられるが、それらに限定されない。
【0167】
機能障害性睡眠及び関連症候群の治療、予防及び/又は管理に使用できる第2の活性薬の例としては、三環式抗鬱薬、選択的セロトニン再取込み阻害薬、抗てんかん薬(ガバペンチン、プレガバリン、カルバマゼピン、オキシカルバゼピン、レビチラセタム、トピラメート)、抗不整脈薬、ナトリウムチャネル遮断薬、選択的炎症伝達物質阻害薬、オピオイド薬、第2の免疫調節化合物、複合薬、及び睡眠治療に使用される他の既知又は従来の薬剤が挙げられるが、それらに限定されない。具体例としては、ニューロンチン、オキシコンチン、モルフィネ、トピラメート、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、カルバマゼピン、レボドーパ、L-DOPA、コカイン、α-メチル-チロシン、レセルピン、テトラベナジン、ベンゾトロピン、パルギリン、メシル酸フェノドルパム、カベルゴリン、二塩酸プラミペキソール、ロピノロール、塩酸アマンタジン、塩酸セレギリン、カルビドーパ、メシル酸ペルゴリド、シネメットCR、シメトレル、イプロニアジド、クロルギリン、フェネルジン、イソカルボキサジド、トルカポン、エンタカポン、サリチル酸フィソスチグミン、硫酸フィソスチグミン、臭化フィソスチグミン、臭化メオスチグミン、メチル硫酸ネオスチグミン、塩化アンベノニム、塩化エドロフォニウム、タクリン、塩化プラリドキシム、塩化オビドキシム、臭化トリメドキシム、ジアセチルモノキシム、エンドロホニウム、ピリドスチグミン、デメカリウム、ナプロキセンナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、ジクロフェナクカリウム、セレコキシブ、スリンダック、オキサプロジン、ジフルニサル、エトドラク、メロキシカム、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナブメトン、レフェコキシブ、メトトレキセート、レフルノミド、スルファサラジン、金塩、RHo-D免疫グロブリン、マイコフェニレートモフェチル、シクロスポリン、アザチオプリン、タクロリムス、バシリキシマブ、ダクリズマブ、サリチル酸、アセチルサリチル酸、サリチル酸メチル、ジフルニサル、サルサレート、オルサラジン、スルファサラジン、アセタミノフェン、インドメタシン、スリンダック、メフェナム酸、メクロフェナメートナトリウム、トルメチン、ケトロラク、ジクロフェナク、フルルビンプロフェン、オキサプロジン、ピロキシカム、メロキシカム、アンピロキシカム、ドロキシカム、ピボキシカム、テノキシカム、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、アンチピリン、アミノピリン、アパゾン、ジレウトン、アウロチオグルコース、チオリンゴ酸金ナトリウム、アウラノフィン、メトトレキセート、コルキシン、アロプリノール、プロベネシド、スルフィンピラゾン、ベンズブロマロン、ベータメタソン、並びに他のグルココルチコイド、メトクロプロミド、ドムペリドン、プロクロルペラジン、プロメタジン、クロルプロマジン、トリメトベンズアミド、オンダンセトロン、グラニセトロン、ヒドロキシジン、アセチルロイシンモノエタノールアミン、アリザプリド、アザセトロン、ベンズキナミド、ビエタナウチン、ブロモプリド、ブクリジン、クレボプリド、シクリジン、ジメンヒドリネート、ジフェニドール、ドラセトロン、メクリジン、メタラタル、メトピマジン、ナビロン、オキシペルンジル、ピパマジン、スコポラミン、スルピリド、テトラヒドロカナビノール、チエチルペラジン、チオプロペラジン、トロピセトロン及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0168】
異常ヘモグロビン症及び関連障害の治療、予防及び/又は管理に使用できる第2の活性薬の例としては、IL-2(組換えIL-II(「rIL2」)及びカナリポックスIL-2を含む)、IL-10、IL-12及びIL-18などのインターロイキン;インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-n1、インターフェロンアルファ-n3、インターフェロンベータ-Ia及びインターフェロンガンマ-Ibなどのインターフェロン;及びG-CSF;ヒドロキシ尿素;ブチレート又はブチレート誘導体;酸化窒素;ヒドロキシ尿素;HEMOXIN(商標)(NIPRISAN(商標);米国特許第5,800,819号参照);クロトリマゾール及びトリアリールメタン誘導体などのガルドスチャネルアンタゴニスト;デフェロキサミン;タンパク質C;並びに血液、又はHemospan(商標)若しくはHemospan(商標)PS(サンガルト)などの血液代用物の輸血剤が挙げられるが、それらに限定されない。
【0169】
本明細書で提供する化合物Aの固体形態、及び第2の活性薬の患者に対する投与は、同一又は異なる投与経路によって同時に又は順次に起こり得る。特定の活性薬に採用される特定の投与経路の適性は、活性薬そのもの(例えば、血流に入る前に分解することなく経口投与できるかどうか)及び治療されている疾病に依存することになる。本明細書で提供する化合物Aの固体形態の投与の1つは、経口である。第2の活性薬又は成分の投与経路は、当業者に知られている。例えば、医師用卓上参考書(Physician's Desk Reference)(第60版、2006)参照。
【0170】
一実施態様において、第2の活性薬を約1から約1000mg、約5から約500mg、約10から約350mg、或いは約50から約200mgの量で1日に1回又は2回静脈内又は皮下投与する。第2の活性薬の具体的な量は、使用される具体的な薬剤、治療又は管理されている疾患のタイプ、疾患の重度及び段階、及び本明細書で提供する化合物の量(複数可)、並びに現在患者に投与されている任意の追加的な活性薬に依存することになる。
【0171】
本明細書の他の箇所において説明するように、外科手術、化学療法、放射線治療、ホルモン治療、生物学的治療及び免疫療法を含むが、それらに限定されない従来の治療に付随する有害作用又は望ましくない影響を低減、治療及び/又は防止する方法も本明細書で提供する。本明細書で提供する化合物及び他の活性成分を、従来の治療に付随する有害作用の発生の前、最中又は後に患者に投与することができる。
【0172】
一部の実施態様において、本明細書で提供する予防薬又は治療薬を患者に周期的に投与する。周期的治療は、活性薬を一定期間にわたって投与した後に、一定期間にわたって休止(即ち、投与を中止)し、この順次的な投与を繰り返すことを含む。周期的治療は、治療薬の1種以上に対する抵抗の発生を抑えること、治療薬の1種の副作用を回避又は低減すること、及び/又は治療の効果を向上させることができる。
【0173】
結果として、一実施態様において、本明細書で提供する化合物Aの固体形態を、約1週間又は2週間の休止期間を含む4から6週間周期で、単一又は分割投与量で毎日投与する。周期的治療は、さらに、投与周期の頻度、回数及び長さを増加させることが可能である。したがって、別の実施態様は、単独で投与される場合に典型的な周期より多くの周期にわたって本明細書で提供する化合物を投与することを含む。さらに他の実施態様において、本明細書で提供する化合物を、第2の活性成分も投与されていない患者において投与量を制限する毒性を典型的に引き起こすことになる、より多数の周期にわたって投与する。
【0174】
一実施態様において、本明細書で提供する化合物Aの固体形態を1日当たり約0.1mgから約500mgの投与量で3又は4週間にわたって毎日及び継続的に投与した後に、1又は2週間休止する。他の実施態様において、投与量を約1mgから約300mg、約0.1mgから約150mg、約1mgから約200mg、約10mgから約100mg、約0.1mgから約50mg、約1mgから約50mg、約10mgから約50mg、約20mgから約30mg、又は約1mgから約20mgとし、その後休止することができる。
【0175】
一実施態様において、本明細書で提供する化合物Aの固体形態及び第2の活性成分を経口投与し、本明細書で提供する化合物の投与は、4から6週間の周期を通じて第2の活性成分の前に30から60分間生じる。別の実施態様において、本明細書で提供する化合物と第2の活性成分との組合せを周期毎に約90分間にわたって静脈内注入によって投与する。
【0176】
典型的には、組合せ治療薬を患者に投与する周期の数は、約1から約24周期、約2から約16周期、又は約4から約3周期になる。
【0177】
(4.3. 医薬組成物)
化合物Aを含む1つ以上の固体形態を含む医薬組成物及び単一剤形を本明細書で提供する。また、化合物Aを含む1つ以上の固体形態を含む医薬組成物及び単一単位剤形を調製するための方法を本明細書で提供する。例えば、一部の実施態様において、本明細書で提供する固体形態を含むか、又は本明細書で提供する固体形態を使用して調製された個々の剤形は、経口投与、粘膜投与(例えば、直腸投与、鼻投与又は膣投与を含む)、非経口投与(皮下投与、筋肉内投与、ボーラス注射、動脈内投与又は静脈内投与を含む)、舌下投与、経皮投与、頬投与又は局部投与に好適であり得る。
【0178】
一部の実施態様において、本明細書で提供する医薬組成物及び剤形は、化合物Aを含む1つ以上の固体形態を含む。本明細書における一部の実施態様は、化合物Aを含む固体形態、例えば、形態A、B、C、D、E、F、若しくは本明細書で提供する化合物Aを含む非晶質固体形態、又は形態A1、若しくは本明細書で提供する化合物Aの塩酸塩を含む非晶質固体形態を含み、化合物Aを含む固体形態が実質的に純粋である医薬組成物及び剤形を提供する。本明細書における一部の実施態様は、例えば、形態A、B、C、D、E、F、及び/又は本明細書で提供する化合物Aを含む非晶質固体形態、並びに形態A1、及び/又は本明細書で提供する化合物Aの塩酸塩を含む非晶質固体形態を含む、化合物Aを含む他の固体形態が実質的にない、化合物Aを含む固体形態、例えば、形態A、B、C、D、E、F、若しくは本明細書で提供する化合物Aを含む非晶質固体形態、又は形態A1、若しくは本明細書で提供する化合物Aの塩酸塩を含む非晶質固体形態を含む医薬組成物及び剤形を提供する。本明細書における一部の実施態様は、例えば、形態A、B、C、D、E、F、及び本明細書で提供する化合物Aを含む非晶質固体形態、並びに形態A1、及び本明細書で提供する化合物Aの塩酸塩を含む非晶質固体形態の1種以上を含む混合物を含む、化合物Aを含む固体形態の混合物を含む医薬組成物及び剤形を提供する。本明細書で提供する医薬組成物及び剤形は、典型的には、1つ以上の医薬として許容し得る賦形剤、希釈剤又は担体をも含む。
【0179】
本実施態様に包含される特定の医薬組成物は、化合物A、及び少なくとも1つのさらなる治療薬を含む1つ以上の固体形態を含む。さらなる治療薬の例としては、限定することなく本明細書に提示するものを含む抗がん薬及び抗炎症治療薬が挙げられるが、それらに限定されない。
【0180】
本開示の単一単位剤形は、患者に対する経口投与、粘膜投与(例えば、鼻投与、舌下投与、膣投与、頬投与又は直腸投与)、非経口投与(例えば、皮下投与、静脈内投与、ボーラス注射、筋肉内投与又は動脈内投与)、又は経皮投与に好適である。剤形の例としては、錠剤;キャプレッツ剤;軟弾性ゼラチンカプセル剤などのカプセル剤;カシェ剤;トローチ剤;菓子錠剤;分散剤;坐薬;軟膏剤;パップ剤(湿布剤);糊剤;粉剤;包帯剤;クリーム剤;硬膏剤;液剤;貼付剤;エアロゾル剤(例えば、鼻スプレー剤又は吸入剤);ゲル剤;懸濁剤(例えば、水性若しくは非水性液体懸濁剤、水中油エマルジョン剤又は油中水液体エマルジョン剤)、液剤及びエリキシル剤を含む、患者に対する経口又は粘膜投与に好適な液体剤形;患者に対する非経口投与に好適な液体剤形;並びに患者に対する非経口投与に好適な液体剤形を得るために再構成することができる無菌固体(例えば、結晶又は非晶質の固体)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0181】
本開示の剤形の組成物、形状及び種類は、典型的には、それらの用途に応じて異なることになる。例えば、炎症又は関連障害の急性治療に使用される剤形は、同じ疾患の慢性治療に使用される剤形より多くの量の1種以上の活性成分を含んでいてもよい。同様に、非経口剤形は、同じ疾患又は障害を治療するのに使用される経口剤形より少ない量の1種以上の活性成分を含むことができる。本開示に包含される具体的な剤形が使用されるこれら及び他の様式がそれぞれ異なることは、当業者に容易に理解されるであろう。例えば、「レミントンの薬学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」、第18版、Mack Publishing、PA(ペンシルバニア)州Easton(1990)参照。
【0182】
典型的な医薬組成物及び剤形は、1つ以上の賦形剤を含む。好適な賦形剤は、製薬分野の当業者によく知られており、好適な賦形剤の非限定的な例を本明細書に提示する。特定の賦形剤が医薬組成物又は剤形への導入に好適であるかどうかは、剤形が患者に投与されることになる様式を含むが、それらに限定されない、当業者によく知られている様々な要因に依存する。例えば、錠剤などの経口剤形は、非経口剤形に使用するのに適さない賦形剤を含むことができる。特定の賦形剤の適性は、剤形における具体的な活性成分にも依存し得る。
【0183】
本開示の無ラクトース組成物は、当該技術分野でよく知られており、例えば、米国薬局方(U.S.Pharmocopia(USP)SP-(XXI)/NF(XVI)に記載されている賦形剤を含むことができる。概して、無ラクトース組成物は、活性成分、バインダ/充填剤、及び潤滑剤を医薬として適合し得る量及び医薬として許容し得る量で含む。好ましい無ラクトース剤形は、活性成分、微結晶セルロース、アルファ化デンプン及びステアリン酸マグネシウムを含む。
【0184】
水は、いくつかの化合物の分解を促進し得るため、本開示は、活性成分を含む無水医薬組成物及び剤形をさらに包含する。例えば、水の添加(例えば5%)は、経時的な製剤の保存寿命又は安定性などの特性を測定するために、長期的な保存をシミュレートする手段として医薬技術分野で広く許容されている。例えば、Jens T.Carstensenの論文、「薬物安定性:原理と実践(Drug Stability:Principles & Practice)」、第2版、Marcel Dekker、NY(ニューヨーク)州NY、1995、379〜80頁参照。実際、水及び熱は、いくつかの化合物の分解を加速させる。したがって、水分及び/又は湿分は、製剤の製造時、操作時、梱包時、保管時、出荷時及び使用時に広く発生するため、製剤に対する水の影響は、甚大であり得る。
【0185】
無水又は低水分含有成分及び低水分又は低湿条件を用いて、本開示の無水医薬組成物及び剤形を調製することができる。ラクトースを含む医薬組成物及び剤形並びに一級アミン又は二級アミンを含む少なくとも1つの活性成分は、製造時、梱包時及び/又は保管時における水分及び/又は湿分との実質的な接触が想定される場合は、無水であることが好ましい。
【0186】
無水医薬組成物は、その無水性が維持されるように調製、保管されるべきである。よって、無水組成物を好適な処方キットに含めることができるように、好ましくは、水への曝露を防止することが知られている材料を使用して、無水組成物を梱包する。好適な梱包材料の例としては、気密密閉箔、プラスチック、単位投与容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック及びストリップパックが挙げられるが、それらに限定されない。
【0187】
本開示は、活性成分が分解することになる速度を低下させる1つ以上の化合物を含む医薬組成物及び剤形をさらに包含する。本明細書で「安定剤」と称する当該化合物としては、アスコルビン酸などの酸化防止剤、pH緩衝剤又は塩緩衝剤が挙げられるが、それらに限定されない。
【0188】
賦形剤の量及び種類のように、剤形における活性成分の量及び具体的な種類は、それが患者に投与される経路などの(但し、それに限定されない)要因に応じて異なり得る。しかし、本明細書で提供する典型的な剤形は、1日当たり約1mgから約1000mgの範囲内で、午前中に1日1回の単一投与量として与えられるが、好ましくは1日を通じて分割投与量として与えられる。より具体的には、日用量は、均等に分割した投与量で毎日2回投与される。具体的には、日用量の範囲は、1日当たり約5mgから約500mg、より好ましくは1日当たり約10mgから約200mgであってもよい。患者を管理する際に、治療をより低い投与量、恐らくは約1mgから約25mgで開始し、必要であれば、患者の全体的な応答に応じて、単一投与量又は分割投与量として1日当たり約200mgから約1000mgに増加させてもよい。
【0189】
(4.3.1. 経口剤形)
本開示の経口投与に好適な医薬組成物を錠剤(例えば、咀嚼性錠剤)、キャプレッツ剤、カプセル剤及び液剤(例えば、香味シロップ)などの(但し、それらに限定されない)個別的剤形として提示することができる。当該剤形は、所定量の活性成分を含み、当業者によく知られている製薬方法によって調製され得る。全般的に、「レミントンの薬学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」、第18版、Mack Publishing、PA(ペンシルバニア)州Easton(1990)参照。
【0190】
本開示の典型的な経口剤形は、従来の医薬混合技術に従って、活性成分(複数可)を少なくとも1つの賦形剤と十分に混合することによって調製される。賦形剤は、投与に望ましい形の製剤に応じて広範な形をとることができる。例えば、経口液剤又はエアロゾル剤形における使用に好適な賦形剤としては、水、グリコール、油、アルコール、香料、防腐剤及び着色剤が挙げられるが、それらに限定されない。固体の経口剤形(例えば、粉剤、錠剤、カプセル剤及びキャプレッツ剤)における使用に好適な賦形剤の例としては、デンプン、糖、微結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、バインダ及び崩壊剤が挙げられるが、それらに限定されない。
【0191】
錠剤及びカプセル剤は、投与が容易であるため、最も有利な経口単位剤形であり、その場合は固体の賦形剤が採用される。所望の場合、標準的な水性又は非水性技術によって錠剤にコーティングすることができる。当該剤形を製薬方法のいずれかによって調製することができる。概して、活性成分を液体担体、微細固体担体又はその両方と均一且つ十分に混合し、次いで必要に応じて生成物を所望の製剤に成形することによって医薬組成物及び剤形を調製する。
【0192】
例えば、錠剤を圧縮又は成形によって調製することができる。賦形剤と任意に混合された粉末又は顆粒などの自由流動形の活性成分を好適な装置で圧縮することによって圧縮錠剤を調製することができる。不活性液体希釈剤で加湿された粉末化化合物の混合物を好適な装置で成形することによって成形錠剤を製造することができる。
【0193】
本開示の経口剤形に使用できる賦形剤の例としては、バインダ、充填剤、崩壊剤及び潤滑剤が挙げられるが、それらに限定されない。医薬組成物及び剤形における使用に好適なバインダとしては、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、又は他のデンプン、ゼラチン、アカシアなどの天然及び合成ゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末化トラガカント、グアーゴム、セルロース及びその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、2208、2906、2910番)、微結晶セルロース及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0194】
本明細書に開示されている医薬組成物及び剤形における使用に好適な充填剤の例としては、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒又は粉末)、微結晶セルロース、粉末化セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、珪酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。本開示の医薬組成物におけるバインダ又は充填剤は、典型的には、医薬組成物又は剤形の約50から約99重量パーセントで存在する。
【0195】
微結晶セルロースの好適な形としては、AVICEL-PH-101(商標)、AVICEL-PH-103(商標)、AVICEL RC-581(商標)、AVICEL-PH-105(商標)(FMC Corporation、American Viscose Division、Avicel Sales、PA(ペンシルバニア)州Marcus Hookから入手可能)として販売されている材料及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。特定のバインダは、AVICEL RC-581(商標)として販売されている微結晶セルロースとナトリウムカルボキシメチルセルロースの混合物である。好適な無水又は低水分賦形剤又は添加剤としては、AVICEL-PH-103(商標)及びデンプン1500LM(商標)が挙げられる。
【0196】
水性環境に曝されると崩壊する錠剤を提供するために、本開示の組成物に崩壊剤を使用する。多すぎる崩壊剤を含む錠剤は、保管中に崩壊する恐れがあり、少なすぎる崩壊剤を含む錠剤は、所望の速度又は所望の条件下で崩壊しないことがある。したがって、活性成分の放出に悪影響を与えるほど多すぎることもなく、少なすぎることもない十分量の崩壊剤を使用して、本開示の固体経口剤形を形成すべきである。使用される崩壊剤の量は、製剤の種類に応じて異なり、当業者にとって容易に区別可能である。典型的な医薬組成物は、約0.5から約15重量パーセントの崩壊剤、具体的には約1から約5重量パーセントの崩壊剤を含む。
【0197】
本開示の医薬組成物及び剤形に使用できる崩壊剤としては、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、グリコール酸ナトリウムデンプン、ジャガイモ又はタピオカデンプン、アルファ化デンプン、他のデンプン、粘土、他のアルギン、他のセルロース、ゴム及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0198】
本開示の医薬組成物及び剤形に使用できる潤滑剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽鉱油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、硫酸ラウリルナトリウム、タルク、水素化植物油(例えば、落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及び大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリル酸エチル、アガー、及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。さらなる潤滑剤としては、例えば、サイロイドシリカゲル(MD(メリーランド)州BaltimoreのW.R.Grace Co.製AEROSIL200(商標))、合成シリカの凝集エアロゾル(TX(テキサス)州PlanoのDegussa Co.が販売)、CAB-O-SIL(商標)(MA(マサチューセッツ)州BostonのCabot Co.が販売する発熱性二酸化珪素の製品)及びそれらの混合物が挙げられる。潤滑剤を使用するのであれば、それらが組み込まれる医薬組成物又は剤形に約1重量パーセント未満の量で典型的に使用する。
【0199】
(4.3.2. 遅延放出剤形)
本明細書で提供する化合物Aを含む固体形態を制御放出手段によって、又は当業者によく知られている送達デバイスによって投与することができる。例としては、それぞれ引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号及び第4,008,719号、第5,674,533号、第5,059,595号、第5,591,767号、第5,120,548号、第5,073,543号、第5,639,476号、第5,354,556号及び第5,733,566号に記載されているものが挙げられるが、それらに限定されない。例えば、異なる割合で所望の放出プロファイルを与えるために、ヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、浸透膜、浸透系、多層コーティング、微粒子、リポソーム、微小球又はそれらの組合せを使用して、1つ以上の活性成分を緩慢又は制御放出するために当該剤形を使用することができる。本明細書に記載されているものを含む、当業者に知られている好適な制御放出製剤を本開示の活性成分との使用に向けて容易に選択することができる。したがって、本開示は、制御放出に合わせて構成された錠剤、カプセル剤、ゲルカップ剤及びキャプレッツ剤などの(但し、それらに限定されない)経口投与に好適な単一単位剤形を包含する。
【0200】
すべての制御放出医薬品は、非制御放出医薬品によって達成されるものと比較して、薬物治療を向上させるという共通の目標を有する。理想的には、医薬治療における最適に設計された制御放出製剤の使用は、最小限の医薬物質を採用して、最小限の時間で状態を治癒又は抑制することを特徴とする。制御放出製剤の利点としては、薬物の活性の拡大、投与頻度の低減及び患者コンプライアンスの向上が挙げられる。加えて、制御放出製剤を使用して、作用の発生時間、又は薬物の血液レベルなどの他の特性に影響を与えることができるため、副作用(例えば、有害作用)の発生に影響を与えることができる。
【0201】
多くの制御放出製剤は、所望の治療効果を即座にもたらす量の薬物(活性成分)を最初に放出し、長時間にわたってこの水準の治療効果又は予防効果を維持するための他の量の薬物を徐々に、及び連続的に放出するように設計される。この一定量の薬物を身体内に維持するために、代謝して、身体から排泄される量の薬物に取って代わる速度で薬物を剤形から放出しなくてはならない。活性成分の制御放出を、pH、温度、酵素、水若しくは他の生理的条件又は化合物を含むが、それらに限定されない様々な条件によって刺激することができる。
【0202】
(4.3.3. 非経口剤形)
非経口剤形を、皮下、静脈内(ボーラス注射を含む)、筋肉内及び動脈内を含むが、それらに限定されない様々な経路によって患者に投与することができる。非経口剤形の投与は、汚染物質に対する患者の自然防御を典型的に回避するため、非経口剤形は、好ましくは無菌であるか、患者に投与する前に滅菌が可能である。非経口剤形の例としては、注射に即時利用可能な溶液、注射のための医薬として許容し得る媒体に即時溶解又は懸濁可能な乾燥品、注射に即時利用可能な懸濁液、及びエマルジョンが挙げられるが、それらに限定されない。
【0203】
本開示の非経口剤形を提供するのに使用できる好適な媒体は、当業者によく知られている。例としては、注射用水USP;塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロース及び塩化ナトリウム注射液並びに乳酸加リンゲル注射液などの(但し、それらに限定されない)水性媒体;エチルアルコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールなどの(但し、それらに限定されない)水溶性媒体;並びにトウモロコシ油、綿実油、落花生油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル及び安息香酸ベンジルなどの(但し、それらに限定されない)非水性媒体が挙げられるが、それらに限定されない。
【0204】
本明細書に開示されている活性成分の1種以上の溶解性を向上させる化合物を本開示の非経口剤形に組み込むこともできる。
【0205】
(4.3.4. 経皮、局部及び粘膜剤形)
本開示の経皮、局部及び粘膜剤形としては、眼滴剤、スプレー剤、エアロゾル剤、クリーム剤、ローション剤、軟膏剤、ゲル剤、液剤、エマルジョン剤、懸濁剤、又は当業者に知られている他の形が挙げられるが、それらに限定されない。例えば、「レミントンの薬学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」、第16版及び第18版、Mack Publishing、PA(ペンシルバニア)州Easton(1980及び1990);及び「医薬剤形入門(Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms)」、第4版、Lea & Febiger、Philadelphia(1985)参照。口腔内の粘膜組織を治療するのに好適な剤形を洗口液又は経口ゲルとして処方することができる。さらに、経皮剤形としては、皮膚に貼付し、所定期間にわたって装着することで、所望量の活性成分を浸透させることができる「レザバー型」又は「マトリックス型」貼付剤が挙げられる。
【0206】
本開示に包含される経皮、局部及び粘膜剤形を提供するのに使用できる好適な賦形剤(例えば、担体及び希釈剤)並びに他の材料は、製薬技術分野の当業者によく知られており、所定の医薬組成物又は剤形が適用されることになる特定の組織に依存する。このことを念頭において、典型的な賦形剤としては、無毒性であり、医薬として許容し得るローション剤、チンキ剤、クリーム剤、エマルジョン剤、ゲル剤又は軟膏剤を形成するための水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン-1,3-ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油及びそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。所望の場合、加湿剤又は湿潤剤を医薬組成物及び剤形に添加することもできる。このような追加成分の例は当技術分野においてよく知られている。例えば、「レミントンの薬学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」、第16版及び第18版、Mack Publishing、PA(ペンシルバニア)州Easton(1980及び1990)参照。
【0207】
治療すべき具体的な組織に応じて、本開示の活性成分による治療の前に、治療と同時に、又は治療後にさらなる成分を使用してもよい。例えば、浸透増強剤を使用して、組織への活性成分の送達を補助することができる。好適な浸透増強剤としては、アセトン;エタノール、オレイル及びテトラヒドロフリルなどの様々なアルコール;ジメチルスルホキシドなどのアルキルスルホキシド;ジメチルアセトアミド;ジメチルホルムアミド;ポリエチレングリコール;ポリビニルピロリドンなどのピロリドン;コリドングレード(ポビドン、ポリビドン);尿素;並びにTween 80(商標)(ポリソルベート80)及びSpan 60(商標)(モノステアリン酸ソルビタン)などの様々な水溶性若しくは水不溶性糖が挙げられるが、それらに限定されない。
【0208】
医薬組成物若しくは剤形、又は医薬組成物若しくは剤形が適用される組織のpHを調整して、1種以上の活性成分の送達を向上させることもできる。同様に、溶媒担体の極性、そのイオン強度又は等張性を調整して、送達を向上させることもできる。ステアリル酸塩などの化合物を医薬組成物又は剤形に添加して、送達を向上させるように1つ以上の活性成分の親水性又は親油性を有利に変えることもできる。この点において、ステアリン酸塩は、製剤の脂質媒体として、乳化剤又は界面活性剤として、及び送達向上剤又は浸透向上剤として機能することができる。活性成分を含む異なる固体形態を使用して、得られる組成物の特性をさらに調整することができる。
【0209】
(4.3.5. キット)
本開示は、医療実践者によって使用される場合に、患者に対する適切な量の活性成分の投与を簡単にすることができるキットを包含する。
【0210】
本開示の典型的なキットは、化合物A、又はその医薬として許容し得る固体形態若しくはそれらのプロドラッグの単位剤形、及び第2の活性成分の単位剤形を含む。第2の活性成分の例としては、本明細書に列挙するものが挙げられるが、それらに限定されない。
【0211】
本開示のキットは、活性成分(複数可)を投与するのに使用するデバイスをさらに含む。当該デバイスの例としては、シリンジ、点滴バッグ、パッチ及び吸入器が挙げられるが、それらに限定されない。
【0212】
本開示のキットは、1つ以上の活性成分を投与するのに使用できる医薬として許容し得る媒体をさらに含むことができる。例えば、非経口投与のために再構成しなければならない固体の形で活性成分を供給する場合は、キットは、活性成分を溶解させて、非経口投与に好適な無粒子無菌溶液を形成することができる好適な媒体の密封容器を含むことができる。医薬として許容し得る媒体の例としては、注射用水USP;塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロース及び塩化ナトリウム注射液並びに乳酸加リンゲル注射液などの(但し、それらに限定されない)水性媒体;エチルアルコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールなどの(但し、それらに限定されない)水溶性媒体;並びにトウモロコシ油、綿実油、落花生油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル及び安息香酸ベンジルなどの(但し、それらに限定されない)非水性媒体が挙げられるが、それらに限定されない。
【実施例】
【0213】
(5. 実施例)
(5.1. 実施例1:アッセイ)
(5.1.1. PMBCにおけるTNFα阻害アッセイ)
正常な寄贈者からの抹消血液単核細胞(Peripheral blood mononuclear cells)(PBMC)をフィコールハイパック(Pharmacia、米国NJ(ニュージャージ)州Piscataway)密度遠心によって得る。10%AB+ヒト血清(Gemini Bio製品、米国CA(カリフォルニア)州Woodland)、2mMのL-グルタミン、100U/mLのペニシリン及び100μg/mLストレプトマイシン(Life Technologies)が補給されたRPMI 1640(Life Technologies、米国NY(ニューヨーク)州Grand Island)で細胞を培養する。
【0214】
PBMC(2×10
5細胞)を96ウェル平底コースター組織培養プレート(Corning、米国NY(ニューヨーク)州)に3連で接種する。細胞を化合物の不在又は存在下で、最終濃度1ng/mLのLPS(サルモネラ・アボルタス・エクイ(Salmonella abortus equi)、Sigmaカタログ番号L-1887、米国MO(ミズーリ)州St.Louis)で刺激する。本明細書で提供する化合物をDMSO(Sigma)に溶解させ、使用直前に培地でさらなる希釈を行う。すべてのアッセイにおける最終DMSO濃度は、約0.25%であり得る。LPS刺激の1時間前に化合物を細胞に添加する。次いで、細胞を5%CO
2において37℃で18〜20時間インキュベートし、次いで上清を回収し、培地で希釈し、ELISA(Endogen、米国MA(マサチューセッツ)州Boston)によりTNFαレベルについてアッセイする。最高値を100%に制限し、最低値を0%に制限し、可変勾配を可能にする非線形回帰シグモイド用量反応(non-linear regression, sigmoidal dose-response)(GraphPad Prism v3.02)を用いてIC
50を計算する。2つの実験において、化合物Aは、10及び85nMのIC
50を示した。
【0215】
(5.1.2. T細胞によるIL-2及びMIP-3α生成)
37℃、5%CO
2のインキュベータにおいて、30〜60分間にわたって、10cmの組織培養皿毎に1×10
8のPBMCを10mLの(10%の熱不活性化ウシ胎児血清、2mMのL-グルタミン、100U/mLペニシリン及び100μg/mLストレプトマイシンが補給されたRPMI 1640)完全培地に仕込むことによって、PBMCから接着性単球を涸渇させる。皿を培地で濯いで、すべての非接着性PBMCを除去する。1×10
8の非接着性PBMC毎に、以下の抗体(Pharmingen)及びダイナビーズ(Dynal)混合物を使用して、負の選択によってT細胞を精製する:0.3mLのヒツジ抗マウスIgGビーズ、15μLの抗CD16、15μLの抗CD33、15μLの抗CD56、0.23mLの抗CD19ビーズ、0.23mLの抗HLAクラスIIビーズ及び56μLの抗CD14ビーズ。細胞及びビーズ/抗体混合物を4℃で30〜60分間転倒回転させる。Dynal磁石を使用して、精製したT細胞をビーズから除去する。典型的な収率は、流動細胞計測により、約50%T細胞、87〜95%CD3
+である。
【0216】
組織培養96ウェル平底プレートに、1ウェル当たり100μLで、PBS1mL当たり5μgの抗CD3抗体OKT3をコーティングし、37℃で3〜6時間インキュベートし、次いでT細胞を添加する直前に100μL/ウェルの完全培地で4回洗浄する。丸底組織培養96ウェルプレートにおいて、化合物を最終20倍まで希釈する。最終濃度は、約10μMから約0.00064μMである。本明細書で提供する化合物の10mM原液を2%DMSOによる200μMの第1の20倍希釈液に対して1:50に完全希釈し、2%DMSOへと連続的に1:5に希釈する。化合物を培養物200μl当たり10μlで添加して、最終DMSO濃度を0.1%とする。培養物を37℃、5%CO
2で2〜3日間インキュベートし、上清をELISA(R&D Systems)によってIL-2及びMIP-3αについて分析した。IL-2及びMIP-3αレベルを、ある量の本明細書で提供する化合物の存在下で生成した量に対して正規化し、最高値を100%に制限し、最低値を0%に制限し、可変勾配を可能にする非線形回帰シグモイド用量反応(GraphPad Prism v3.02)を用いてEC
50を計算する。
【0217】
(5.1.3. 細胞増殖アッセイ)
細胞系ナマルバ、MUTZ-5及びUT-7をDeutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(ドイツBraunschweig)から入手する。細胞系KG-1をアメリカンタイプカルチャーコレクション(米国VA(バージニア)州Manassas)から入手する。以下のように、すべての細胞系において、
3H-チミジン導入によって示される細胞増殖を測定する。
【0218】
培地中ウェル当たり6000個の濃度で細胞を96ウェルプレートに接種する。72時間にわたって、5%CO
2の加湿インキュベータにおいて、37℃で約0.25%DMSOに対する最終濃度が約100、10、1、0.1、0.01、0.001、0.0001及び0μMの化合物で細胞を3連で前処理する。次いで、1マイクロキュリーの
3H-チミジン(Amersham)を各ウェルに添加し、細胞を6時間にわたって5%CO
2の加湿インキュベータにおいて、37℃で再びインキュベートする。細胞収穫器(Tomtec)を使用して、細胞をUniFilter GF/Cフィルタプレート(Perkin Elmer)上に収穫し、プレートを終夜乾燥させる。マイクロシント20(Packard)(25μL/ウェル)を添加し、プレートをTopCount NXT(Packard)で分析する。各ウェルを1分間にわたって計数する。3連のすべてを平均し、DMSO対照(0%阻害率)に対して正規化することによって細胞増殖の阻害率を計算する。各化合物を各細胞系において3つの個別の実験で試験する。最高値を100%に制限し、最低値を0%に制限し、可変勾配を可能にする非線形回帰シグモイド用量反応(GraphPad Prism v3.02)を用いて最終IC
50を計算する。
【0219】
(5.1.4. 免疫沈降及び免疫ブロット)
ナマルバ細胞を1時間にわたってDMSO又はある量の本明細書で提供する化合物で処理し、次いで30分間にわたって10U/mLのEpo(R&D Systems)で刺激する。細胞溶解物を調製し、Epo受容体Abで免疫沈降するか、又はSDS-PAGEによって直ちに分離する。免疫ブロットをAkt、ホスポーAkt(Ser473又はThr308)、ホスホ-Gab1(Y627)、Gab1、IRS2、アクチン及びIRF-1Absで探査し、ImageQuantソフトウェア(Molecular Dynamics)を使用して、Storm 860 Imagerで分析する。
【0220】
(5.1.5. 細胞周期分析)
細胞をDMSO又はある量の本明細書で提供する化合物で終夜処理する。製造元のプロトコルに従ってCycleTEST PLUS(Becton Dickinson)を使用して、細胞周期のためのヨウ化プロピジウム染色を行う。染色後、ModFit LTソフトウェア(Becton Dickinson)を使用して、FACSCalibur流動細胞計によって細胞を分析する。
【0221】
(5.1.6. アポトーシス分析)
細胞を様々な時点においてDMSO又はある量の本明細書で提供する化合物で処理し、次いでアネキシン-V洗浄緩衝液(BD Biosciences)で洗浄する。細胞をアネキシン-V結合タンパク質及びヨウ化プロピジウム(BD Biosciences)とともに10分間インキュベートする。流動細胞数測定を用いてサンプルを分析する。
【0222】
(5.1.7. ルシフェラーゼアッセイ)
製造元の説明書に従って、ナマルバ細胞に細胞1×10
6個当たり4μgのAP1-ルシフェラーゼ(Stratagene)及び3μLのリポフェクタミン2000(Invitrogen)試薬を形質移入する。形質移入から6時間後に、細胞をDMSO又はある量の本明細書で提供する化合物で処理する。ルシフェラーゼ活性を、ルシフェラーゼ溶解緩衝液及び基質(Promega)を使用して分析し、ルミノメータ(Turner Designs)を使用して測定する。
【0223】
(5.2. 実施例2:3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン(化合物A)の調製)
【化4】
工程1:水酸化カリウム(16.1g、286mmol)を水(500mL)に溶解させた溶液に対して、3-ニトロフタルイミド(25.0g、130mmol)を0℃で少しずつ添加した。該懸濁物を0℃で3時間攪拌し、次いで3時間にわたって30℃まで加熱した。該溶液に対して、HCl(100mL、6N)を添加した。得られた懸濁物を1時間にわたって0℃まで冷却した。該懸濁物を濾過し、低温水(2×10mL)で洗浄して、白色固体として3-ニトロ-フタルアミド酸(24.6g、収率90%)を得た。
【化5】
【0224】
工程2:3-ニトロ-フタルアミド酸(24.6g、117mmol)及び水酸化カリウム(6.56g、117mmol)を水(118mL)に含めた混合物に対して、臭素(6mL)、水酸化カリウム(13.2g、234mmol)を水(240mL)に含めた混合物を0℃で添加した後、水酸化カリウム(19.8g、351mmol)を水(350mL)に溶解させた溶液を添加した。0℃で5分間後、該混合物を100℃の油浴中で1時間加熱した。該反応溶液を室温まで冷却し、次いで氷-水浴中で30分間冷却した。該混合物に対してHClの溶液(240mL、2N)を0℃で滴下添加し、得られた混合物を1時間維持した。該懸濁物を濾過し、水(5mL)で洗浄して、黄色固体として2-アミノ-6-ニトロ-安息香酸(15.6g、収率73%)を得た:HPLC:Waters Symmetry C
18、5μm、3.9×150mm、1mL/分、240nm、CH
3CN/0.1%H
3PO
4、5分間で5%から95%の勾配、5.83分(85%);
【化6】
【0225】
工程3:2-アミノ-6-ニトロ-安息香酸(1.5g、8.2mmol)を無水酢酸(15mL)に含めた混合物をマイクロ波加熱炉中にて200℃で30分間加熱した。該混合物を濾過し、酢酸エチル(20mL)で洗浄した。濾液を真空中で濃縮した。固体をエーテル(20mL)中で2時間攪拌した。懸濁物を濾過し、淡褐色固体としてエーテル(20mL)で洗浄して、2-メチル-5-ニトロ-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-4-オン(1.4g、収率85%)を得た:HPLC:Waters Symmetry C
18、5μm、3.9×150mm、1mL/分、240nm、CH
3CN/0.1%H
3PO
4、5分間で5%から95%の勾配、5.36分(92%);
【化7】
【0226】
工程4:5-ニトロ-2-メチル-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-4-オン(0.60g、2.91mmol)及び3-アミノ-ピペリジン-2,6-ジオン塩化水素(0.48g、2.91mmol)をピリジン(15mL)に含めた懸濁物をそれぞれ含む2つのバイアルをマイクロ波加熱炉中にて170℃で10分間加熱した。該懸濁物を濾過し、ピリジン(5mL)で洗浄した。濾液を真空中で濃縮した。得られた混合物をHCl(30mL、1N)、酢酸エチル(15mL)及びエーテル(15mL)中で2時間攪拌した。該懸濁物を濾過し、水(30mL)及び酢酸エチル(30mL)で洗浄して、暗褐色の固体を得て、それをメタノール(50mL)とともに室温で終夜攪拌した。該懸濁物を濾過し、メタノールで洗浄して、黒色固体として3-(2-メチル-5-ニトロ-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン(490mg、収率27%)を得た。該固体をさらに精製することなく次の工程に使用した。
【0227】
工程5:3-(2-メチル-5-ニトロ-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン(250mg)及び炭素上Pd(OH)
2(110mg)をDMF(40mL)に含めた混合物を水素(50psi)下で12時間振盪した。該懸濁物をセライトのパッドで濾過し、DMF(10mL)で洗浄した。濾液を真空中で濃縮し、得られた油をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール/塩化メチレン)で精製して、白色固体として3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン(156mg、収率69%)を得た:HPLC:Waters Symmetry C
18、5μm、3.9×150mm、1mL/分、240nm、10/90のCH
3CN/0.1%H
3PO
4、3.52分(99.9%);融点:293〜295℃;
【化8】
【0228】
(5.3. 実施例3:化合物Aの塩酸塩の調製)
攪拌されたガラスフラスコにおいて、約19gの化合物A(遊離塩基)を約200mLのアセトニトリル及び200mLの水に懸濁させた。約5mLの12N塩酸を添加し、約55℃を超える温度で加熱することによって懸濁液を溶解させた。溶液を約45℃まで冷却し、化合物Aの形態A1(例えば塩酸塩)のシード結晶をフラスコに加えた。次いで、6N塩酸を滴加して、さらに結晶化させた。スラリーを徐々に冷却した。次いで、スラリーを濾過し、ケークをアセトニトリルで洗浄した。次いで、生成物を真空オーブンで乾燥した。得られた乾燥生成物は、化合物Aの形態A1と一致していた。
【0229】
(5.4. 実施例4:固体形態のスクリーニング試験)
(5.4.1. 実施例4:実験方法)
本明細書に記載の方法を化合物Aの塩酸塩について説明する。本明細書に記載する化合物の他の固体形態に対して、これらの方法を直接又はいくらかの改造を加えて使用することができる。
【0230】
溶解度:化合物Aの塩酸塩(約50mg)の秤量済みサンプルを既知の容量の試験溶媒で処理した。使用した溶媒は、試薬又はHPLCグレードであった。得られた混合物を25℃で少なくとも24時間にわたって攪拌した。目視検査によって固体のすべてが溶解したことが確認されると、完全な溶液を得るために使用した溶媒の全容量に基づいて推定溶解度を計算した。より多くの量の溶媒使用するため、又は溶解速度が遅いため、実際の溶解度は、計算した溶解度より大きくなる場合がある。固体が存在する場合は、溶解度を重量法で測定した。既知の容量の濾液を蒸発乾固させ、残渣の重量を測定した。
【0231】
平衡/スラリー及び蒸発:過剰の化合物Aの塩酸塩を約2mLの試験溶媒に添加することによって、平衡及び蒸発の実験を実施した。得られた混合物を約25℃から約50℃で少なくとも24時間にわたって攪拌した。平衡に達すると、飽和溶液を除去し、それぞれ約25℃及び約50℃にて窒素下で開放バイアル中にて徐々に蒸発させた。平衡により生じた固体を濾過し、空気中で乾燥した。
【0232】
冷却再結晶:選択した溶媒(THF/水、MeCN/水、MeOH/0.1NのHCl及びEtOH/0.1NのHCl)を約50〜70℃にて化合物Aの塩酸塩で飽和させた。固体が完全に溶解すると、溶液を冷蔵庫(約0〜5℃)に仕込むことによって急冷した。1から3日後に固体を単離した。
【0233】
溶媒/逆溶媒再結晶:選択した溶媒(MeCN/水)を室温にて化合物Aの塩酸塩で飽和させた。固体が完全に溶解すると、逆溶媒(アセトン又はIPA)を溶液中に添加した。混合物を室温で終夜攪拌した。析出が生じなければ、バイアルを冷蔵庫(約0〜5℃)に仕込むことによってさらに冷却した。再結晶により生じた固体を濾過し、空気乾燥した。
【0234】
粉砕試験:Wig-L-Bugシェーカーを使用して粉砕実験を行った。約50mgの化合物Aの塩酸塩をPlexiビーズ(3/8”)とともにポリスチレン管(1”×1/2”)に加えた。バイアルに栓をし、約50秒間にわたってシェーカーに配置した。湿式粉砕では、水滴をバイアルに加え、シェーカーに配置する前に湿性のペーストを形成した。
【0235】
湿度試験:約30mgの化合物Aの塩酸塩を2通りに琥珀ガラスバイアルに仕込んだ。1つのバイアルに栓をし、もう1つのバイアルを開放した状態で、それらのバイアルを40℃/75%RH湿度のチャンバに仕込んだ。4週間後に、固体をXRPDによって試験した。約10mgの化合物Aの塩酸塩をDVS計測器に95%RH及び室温にて4日間仕込むことによってさらなる湿度ストレス実験を行った。
【0236】
(5.4.2. 特徴づけの方法)
X線粉末回折(XRPD):XRPD分析を、1.54ÅでCuKα放射線を使用してTermo ARL X'TRA(登録商標)X線粉末回折装置により実施した。計測器は、微焦点X線管を備えていた。X線発生装置の電圧及びアンペア数をそれぞれ45kV及び40mAに設定した。ダイバージェンススライスを4mm及び2mmに設定し、測定スライスを0.5mm及び0.2mmに設定した。回折放射線をペルチェ冷却Si(Li)固体状態検出器によって検出した。1.5°2θから40°2θまでの2.40°/分(0.5秒/0.02°ステップ)のシータ-2シータ連続走査を用いた。焼結アルミナ標準を使用してピーク位置を確認した。概して、XRPDピークの位置は、個別に、測定毎に±0.2°2θ程度ばらつくことが想定される。概して、当該技術分野で理解されているように、第1のパターンの特徴ピークが、第2のパターンの特徴ピークとほぼ同じ位置にある場合は、2つのXRPDパターンが互いに一致している。当該技術分野で理解されているように、2つのXRPDパターンが一致しているかどうか、又は2つのXRPDパターンにおける個々のピークが一致しているかどうかを判断するには、限定することなく、好適な配向、相不純物、結晶化度、粒径、回折装置計測器設定のばらつき、XRPDデータ収集パラメータのばらつき、及び/又はXRPDデータ処理のばらつき等の個々の変数及びパラメータを考慮する必要があり得る。2つのパターンが一致しているかどうかの判断を目視及び/又はコンピュータ解析によって行うことができる。
【0237】
示差走査熱量測定(DSC):DSC分析をTA Instruments Q2000(商標)示差走査熱量分析計により行った。インジウムを較正標準として使用した。約2〜5mgのサンプルをDSCパンに入れた。サンプルを、窒素下で、約25℃から最終温度の300℃まで10℃/分の速度で加熱した。溶点を推定開始温度として報告した。
【0238】
熱重量分析(TGA):TGA分析をTA Instruments Q5000(商標)熱重量分析装置により行った。較正にはシュウ酸カルシウムを使用した。約5〜20mgの正確に秤量したサンプルをパンに配置し、TGA炉に装填した。サンプルを、窒素下で、最終温度の約300℃まで約10℃/分の速度で加熱した。
【0239】
光学顕微鏡:サンプルの形状分析をオリンパス顕微鏡により実施した。少量のサンプルを、カバースリップ付きのガラススライド上の鉱油に分散させ、倍率20で観察した。
【0240】
動的蒸気収着(DVS):吸湿性を表面測定システムDVSにより測定した。典型的には、約2〜10mgのサンプルをDVS計測器のサンプルパンに装填した。サンプルを室温でDVS自動収着分析装置により分析した。相対湿度を0から95%RHまで10%RHずつ上昇させ、95%RHとした。次いで、相対湿度を同様にして低下させて、完全吸着/脱着サイクルを達成した。
【0241】
HPLCによる溶解度:選択した水性及び有機溶媒に対する形態Aの溶解度を、固体と溶媒とを室温で混合することによって測定した。1時間の攪拌後に溶解度を測定したDMSOを除いて、サンプルを24時間攪拌した後に濾過し、HPLC法により定量した。
【0242】
(5.4.3. 固体形態のスクリーニング試験の結果)
固体形態のスクリーニング試験中に調製した、化合物Aを含む固体形態は、形態A、B、C、D、E、F及びA1、並びに非晶質形態を含んでいた。形態A、B、C、D、E、F及びIの代表的なXRPDパターン、DSCプロット、TGAプロット及びDVSプロットを、本明細書において、
図1から
図21で示す。
【0243】
(5.4.3.1. 化合物Aの固体形態)
化合物Aの様々な固体形態の間の相互変換を
図22に要約する。形態A、B、C、D、E及びFの物理特性を表2に要約する。
【表2】
【0244】
攪拌されたガラスフラスコにおいて、3.5gの化合物Aの遊離塩基を室温で約14mLのDMSO及び約0.7mLの水に溶解させた。約2mLの水を添加すると、化合物Aの形態Aの結晶が形成し始めた。さらなる水を滴加し、バッチをさらに結晶化させた。次いで、バッチを濾過した。ケークを1:1(v:v)のDMSO:水の溶液、及び純水で洗浄した。湿性ケークを真空オーブンにて乾燥した。最終的な乾燥生成物は、化合物Aの形態Aと一致していた。
【0245】
或いは、化合物Aの形態Aをシーディングによって得ることができる。攪拌されたガラスフラスコにおいて、3.5gの化合物Aの遊離塩基を室温で約14mLのDMSO及び約0.7mLの水に溶解させた。約1.3mLの水を添加し、化合物Aの形態Aのシードを添加すると、バッチが結晶化し始めた。さらなる水を滴加し、バッチをさらに結晶化させた。次いで、バッチを濾過した。ケークを1:1(v:v)のDMSO:水の溶液、及び純水で洗浄した。湿性ケークを真空オーブンにて乾燥した。最終的な乾燥生成物は、化合物Aの形態Aと一致していた。
【0246】
化合物Aの形態Bを、メタノール、アセトン又はアセトニトリル中でのスラリー再結晶により形態Aから調製した。過剰の化合物Aを2mLのメタノール、アセトン又はアセトニトリルに添加することによってスラリーの実験を実施した。得られた混合物を約50℃で少なくとも24時間にわたって攪拌した。平衡に達すると、固体を濾過し、空気乾燥した。
【0247】
化合物Aの形態Cを、50℃におけるEtOAc、EtOH、IPA、MEK、n-BuOH又はTHF中でのスラリー再結晶により形態Aから調製した。過剰の化合物Aを2mLのEtOAc、EtOH、IPA、MEK、n-BuOH又はTHFに添加することによってスラリーの実験を実施した。得られた混合物を約50℃で少なくとも24時間にわたって攪拌した。平衡に達すると、固体を濾過し、空気乾燥した。
【0248】
化合物Aの形態Dを、約80〜90℃の真空オーブンにて形態Aを乾燥することにより形態Aから調製した。
【0249】
化合物Aの形態Eを、室温におけるアセトニトリル、エタノール又はイソプロパノール中でのスラリー再結晶により形態Aから調製した。過剰の化合物Aを2mLのアセトニトリル、エタノール又はイソプロパノールに添加することによってスラリーの実験を実施した。得られた混合物を室温で少なくとも24時間にわたって攪拌した。平衡に達すると、固体を濾過し、空気乾燥した。
【0250】
化合物Aの形態Fを、室温における水中でのスラリー再結晶により形態Bから調製した。過剰の化合物Aを2mLの水に添加することによってスラリーの実験を実施した。得られた混合物を室温で少なくとも16時間にわたって攪拌した。次いで、固体を濾過し、空気乾燥した。
【0251】
(5.4.3.2. 化合物AのHClの固体形態A1)
化合物Aの塩酸塩である形態A1を以下の処理によって調製した。攪拌されたガラスフラスコにおいて、2gの化合物Aの塩酸塩を約20mLのアセトニトリルと20mLの水との溶媒混合物に混合し、55℃を超える温度まで加熱することによって溶解させた。溶液を45℃まで冷却し、約3.3mLの6N塩酸を添加して、結晶化させた。次いで、スラリーを徐々に冷却し、濾過した。ケークをアセトニトリルで洗浄し、次いで真空オーブンにて乾燥した。得られた乾燥生成物は、化合物Aの形態A1と一致していた。
【0252】
大規模処理。反応器内で100gの化合物Aの塩酸塩と、960mLのアセトニトリルと、960mLの脱イオン水とを混合することによって形態A1を大規模に調製した。混合物を攪拌しながら60から70℃に加熱し、インラインフィルタ(0.45μm)によって第2の反応器に移した。第1の反応器を100mLのアセトニトリル:水(1:1)で濯ぎ、それをインラインフィルタによって第2の反応器に移した。第2の反応器内の温度を移動中に65℃に維持した。次いで、第2の反応器を45℃に冷却し、形態A1結晶でシードした。バッチが結晶化し始め、それを45℃で30分間にわたって熟成させた。バッチ温度を約45℃に維持しながら、得られたスラリーに171mLの6NのHClをインラインフィルタによって1時間にわたって添加した。バッチを45℃で1.5時間にわたって熟成させ、直線ランプにて4時間にわたって0°まで冷却させた。次いで、バッチを0°で1時間にわたって熟成させた。上澄みをUPLC濃度測定のためにサンプリングした。上澄みにおける形態A1の濃度は5mg/mLであった。スラリーを真空のフリットガラスフィルタにより濾過した。得られたケークを2×300mLのアセトニトリル洗浄液で置換洗浄した。アセトニトリルが400ppm未満になるまでケークを40℃の真空オーブンで乾燥した。形態A1の乾燥ケークは、透明な白色/オフホワイトの粉末であった。
【0253】
アセトニトリル:水は、スケールアップに対する許容可能な特性、例えば製品1mL当たり約50gを超える溶解度を与える唯一の溶媒系であることが分かった。過剰のHClを添加して化合物Aの遊離塩基の形成を防止した。場合によっては、プロセスにHClが存在しないため遊離塩基が形成されることが判明した。過剰のHClは、結晶化時の形態A1の収率を向上させることも考えられた。
【0254】
HCl塩の物理特性は、バッチ間で一定している。TGAにより、残留溶媒がほとんど存在しないことが示されている(また、NMRによれば、残留アセトニトリルを400ppm未満まで減少できる)。DSCにより、分解と考えられる〜280℃での単一事象が示されている(遊離塩基の分解点に類似する)。顕微鏡観察により、長い棒状の形状が示された。
【0255】
溶解度試験。約25℃における様々な溶媒に対する化合物A塩酸塩の形態A1のおよその溶解度を測定した。形態A1は、MeCN/水(1:1)及びTHF/水(1:1)にして最も溶解しやすい(25mg/mL超)であることが判明した。形態A1は、EtOH/水(1:1)、MeOH、CH
2Cl
2、THF及び水に対して適度な溶解度(3〜10mg/mL)を有することが判明した。形態A1は、試験した他の有機溶媒に対する溶解度が低いこと(3mg/mL未満)が判明した。選択した溶媒に対する形態A1の溶解度をHPLCによっても試験した。結果を表3に示す。
【表3】
【0256】
化合物Aの塩酸塩の形態A1を出発材料として使用して、室温及び50℃でスラリーの実験を行った。その結果を表4及び5に要約する。スラリーの24時間後に純粋な有機溶媒から単離した固体のすべてが、XRPDにより、形態A1であることが確認された。50℃のスラリーのTHF/水から単離された固体も形態A1であることが確認された。他の水性/有機又は水性スラリーから単離された固体は、形態A1と化合物A遊離塩基との混合物であることが示され、HCl塩の部分的解離が示唆された。
【表4】
【表5】
【0257】
蒸発実験を行った。結果を表6及び表7に要約する。室温の蒸発については、水、EtOH/水及びMeCN/水から得られた固体が、形態A1であることが確認された。MeOH、THF及びTHF/水において部分的又は完全な塩の解離が確認された。50℃の蒸発については、MeOH、水、EtOH/水及びMeCN/水から得られた固体が、形態A1であることが確認された。THF/水からの固体は、非晶質であることが示された。
【表6】
【表7】
【0258】
再結晶の実験をいくつかの有機/水性混合物にて行った。結果を表8に要約する。MeCN/水、MeOH/0.1NのHCl又はEtOH/0.1NのHClからの固体が、形態A1であることが確認された。THF/水において完全な塩の解離が確認された。
【0259】
MeCN/水を一次溶媒系とし、アセトン又はIPAを逆溶媒として逆溶媒結晶化をも行った。アセトンを逆溶媒として使用した場合に形態A1が得られ、IPAを逆溶媒として使用した場合に部分的な塩の解離が確認された。
【表8】
【0260】
多形体を生成するためのさらなる試みとして、水を添加した場合と添加しない場合の粉砕実験を行った。形態A1は、粉砕しても変化しないことが判明した。結果を表9に要約する。
【表9】
【0261】
形態A1の特徴づけ
形態A1は、
図18に示される結晶XRPDパターン、及び環状晶癖を有していた。形態A1のTGA及びDSC温度記録図を、それぞれ
図19及び20に示す。DSCによって測定した開始時間が約276℃であった分解の前には、無視できる程度の重量損失しか確認されなかった。
【0262】
形態A1の吸湿/脱湿をDVS によって測定した。結果を
図21に要約する。形態A1は、相対湿度が0から95%に高められた場合に乾燥質量に対して0.15%の質量変化を示した。これは、その材料が非吸湿性であることを示している。完全吸着/脱着サイクルを経た後に、サンプルのXRPD回折図は、その材料が最初の形態A1から変化していないことを示していた。
【0263】
サンプルを40℃/75%RHの環境に4週間、又は室温で95%RHに4日間曝露することによって形態A1の安定性を測定した。曝露後の材料の固体形態は、最初の未曝露のサンプルと比較して変化していなかった(表10)。形態A1は、約1分間にわたって2000-psiの圧力を加えても安定していることも判明した。
【表10】
【0264】
これらの特徴づけ試験に基づき、形態A1は、安定な無水及び非吸湿性結晶質材料であることが判明した。
【0265】
特定の実施態様に関して開示内容を説明したが、請求項に記載されている開示内容の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正を加えることができることが当業者に明らかになるであろう。当該修正も添付の請求項の範囲内にあることを意図するものである。
【0266】
本明細書に言及されている特許、特許出願及び文献のすべてが、全面的に本明細書に組み込まれている。本出願における任意の参考文献の引用又は特定は、当該参考文献が本開示に対する先行技術として利用可能であることを認めるものではない。本開示の全範囲は、添付の請求項を参照することによってより深く理解される。