特許第5959545号(P5959545)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5959545
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】自動飲料マシン
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/52 20060101AFI20160719BHJP
   A47J 31/36 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   A47J31/52
   A47J31/36 124
【請求項の数】14
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-558406(P2013-558406)
(86)(22)【出願日】2012年3月13日
(65)【公表番号】特表2014-511712(P2014-511712A)
(43)【公表日】2014年5月19日
(86)【国際出願番号】EP2012054348
(87)【国際公開番号】WO2012123440
(87)【国際公開日】20120920
【審査請求日】2015年3月2日
(31)【優先権主張番号】11158017.1
(32)【優先日】2011年3月14日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599132904
【氏名又は名称】ネステク ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114270
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 朋也
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】ヨアキム, アルフレッド
(72)【発明者】
【氏名】エト ブジアド, ヨウセフ
(72)【発明者】
【氏名】アゴン, ファビエン ルドヴィク
(72)【発明者】
【氏名】コレップ, アレクサンドレ
(72)【発明者】
【氏名】ガヴィレット, ジレ
【審査官】 宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−513023(JP,A)
【文献】 実開平02−046289(JP,U)
【文献】 欧州特許出願公開第01541070(EP,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0000377(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第01935298(EP,A1)
【文献】 国際公開第2009/113035(WO,A1)
【文献】 特表2013−544174(JP,A)
【文献】 特表2004−529693(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/004522(WO,A1)
【文献】 特開平9−237383(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第1767129(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/52
A47J 31/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
料調製用のマシンであって、
カプセルで供給される少なくとも1種類の原材料を用いて飲料を調製するための原材料処理モジュール(2)と、
前記原材料処理モジュールの外部で少なくとも1つのカプセルを保持するように配置されたポジショナ(40)と
使用者による前記カプセルの挿入および/または前記ポジショナ上もしくは前記ポジショナ内の前記カプセルの存在に関係する事象を検出するように構成された検知機構と、
備えており
当該マシンは、前記事象の検出に際して移動手段(46、48、83、85)を使用することによって前記カプセルを前記原材料処理モジュールに移動させ、次に、前記飲料の調製を開始するように構成されており
前記原材料処理モジュールが、互いに対して相対的に移動可能な第1の部分(23)および第2の部分(24)を備え、前記原材料処理モジュールが、前記カプセルの挿入を可能にするために前記第1の部分と前記第2の部分との間に通路(31)が形成される開位置に配置可能であり、
前記ポジショナの一部が、前記通路を少なくとも部分的に閉鎖するように配置された閉鎖手段(46、86)を備え、前記マシンが、前記事象の検出に際して前記通路を開放するために、前記閉鎖手段を運動させるようにさらに構成されており、
前記ポジショナが、前記事象の検出に際して、少なくとも部分的に重力の作用下で、前記カプセルを前記原材料処理モジュールに移動させることを可能とするために、前記通路に対して相対的に位置合わせされている、
飲料調製用のマシン。
【請求項2】
前記検知機構が、前記カプセルから情報を受け取るか、もしくは、読み取ることによって、および/または、前記カプセルの以下の特徴、すなわち、スペクトル特性、色、電気特性、抵抗率、静電容量、電磁特性、誘導磁場、機械的特性、幾何学的形状、重量、識別情報、バーコード、放射された信号もしくは反射した信号のうちの少なくとも1つを測定することによって、前記事象を検出するように構成されている、請求項1に記載の前記マシン。
【請求項3】
既定パラメータに基づく前記飲料の調製を開始するように構成されている、請求項1または2に記載の前記マシン。
【請求項4】
前記検知機構が、前記カプセルの種類を識別するようにさらに構成されており、当該マシンが、前記カプセルの識別された前記種類に適したパラメータ、または、前記カプセルの識別された前記種類に応じたパラメータに基づく前記飲料の調製を開始するように構成されている、請求項1または2に記載の前記マシン。
【請求項5】
前記カプセルを用いた前記飲料の調製を開始する準備が整うとすぐに、前記事象の検出に際して前記カプセルを前記原材料処理モジュールに移動させるようにさらに構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の前記マシン。
【請求項6】
飲料を調製する準備が現時点で整っている場合に、前記事象の検出に際して前記通路を開放するために、前記閉鎖手段を作動させるようにさらに構成されている、請求項に記載の前記マシン。
【請求項7】
前記閉鎖手段が、前記事象の検出に際して前記通路を開放するために、電動機構によって駆動される、請求項に記載の前記マシン。
【請求項8】
前記閉鎖手段が、前記事象の検出に際して前記通路を開放するために、機械的結合手段によって、前記原材料処理モジュールの前記第1の部分(23)および/または前記第2の部分(24)と機械的に接続されている、請求項6又は7に記載の前記マシン。
【請求項9】
前記ポジショナが、前記カプセルを保持するように構成されたシート(44)を備え、前記閉鎖手段が、前記シート(44)の一部を形成する摺動カバー(46)を備え、当該マシンが、前記事象の検出に際して前記摺動カバーを平行移動させることによって前記通路を開放するために、前記閉鎖手段を作動させるようにさらに構成されている、請求項に記載の前記マシン。
【請求項10】
前記ポジショナが、前記カプセルを保持するように構成されたシート(84)が形成された回転体(83)を備え、前記閉鎖手段が、閉鎖部(46)を備え、当該マシンが、前記事象の検出に際して、前記閉鎖部(46)が前記通路を少なくとも部分的に閉鎖する位置に前記回転体を回転させることによって、前記カプセルを前記原材料処理モジュールに移動させるように構成されている、請求項に記載の前記マシン。
【請求項11】
前記ポジショナが、前記原材料処理モジュールの外部で少なくとも2つのカプセルを保持するように配置されており、当該マシンが、前記原材料処理モジュールからの前のカプセルの排出または除去の後に、前記移動手段により前記原材料処理モジュール内で、前記ポジショナに保持された前記カプセルのそれぞれを移動させ、前記飲料の調製を自動的に実行するようにさらに構成されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の前記マシン。
【請求項12】
前記ポジショナがマシンハウジング(42)内に又はマシンハウジング(42)上に位置づけられてカプセルをユーザから直接受ける、請求項1〜11のいずれか一項に記載の前記マシン。
【請求項13】
料調製用のマシン内で、プセルで供給される少なくとも1種類の原材料を用いて飲料を調製するための方法であって、前記マシンは、
前記カプセルから飲料を調製するための原材料処理モジュール(2)と、
前記原材料処理モジュールの外部で少なくとも1つのカプセルを保持するように配置されたポジショナ(40)と、
使用者による前記カプセルの挿入および/または前記ポジショナ上もしくは前記ポジショナ内の前記カプセルの存在に関係する事象を検出するように構成された検知機構と、
を備えており、
前記原材料処理モジュールが、互いに対して相対的に移動可能な第1の部分(23)および第2の部分(24)を備え、前記原材料処理モジュールが、前記カプセルの挿入を可能にするために前記第1の部分と前記第2の部分との間に通路(31)が形成される開位置に配置可能であり、
前記マシンが、前記通路を少なくとも部分的に閉鎖するように配置された閉鎖手段(46、86)をさらに備え、前記マシンが、前記事象の検出に際して前記通路を開放するために、前記閉鎖手段を運動させるようにさらに構成されており、
前記ポジショナが、前記事象の検出に際して、少なくとも部分的に重力の作用下で、前記カプセルを前記原材料処理モジュールに移動させることを可能とするために、前記通路に対して相対的に位置合わせされており、
前記閉鎖手段が、前記ポジショナの一部であり、
当該方法は、
前記検知機構により、使用者による前記カプセルの挿入および/または前記ポジショナ上もしくは前記ポジショナ内の前記カプセルの存在に関係する事象を検出するステップ(110)と、
前記事象の検出(120)に際して、前記ポジショナにより、移動手段(46、48、31、83、85)を使用することによって、前記カプセルを前記原材料処理モジュールに移動させ(140、150)、次に、前記飲料の調製を開始するステップと
を含む方法。
【請求項14】
前記ポジショナにより、カプセルをユーザから直接受けるステップを含む請求項13に記載の前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料調製マシンの分野、特に、飲料を調製するために原材料を含むカプセルを使用する飲料調製マシンの分野、例えば、チャンバへのカプセルの挿入および/またはチャンバからの使用済カプセルの除去のために開閉することができる電動式の淹出チャンバを有する飲料調製マシンなどの分野に関する。より詳細には、本発明は、飲料の調製を完全に自動化する好適かつ安全な解決策を提供するマシンに関する。
【0002】
本明細書における説明のために、「飲料」は、コーヒー、茶、ホットチョコレートもしくはコールドチョコレート、ミルク、スープ、または乳児食品などの、人間が消費することのできる任意の液体物質を含むものとする。「カプセル」は、プラスチック、アルミニウム、再利用可能なおよび/または生分解性の材料、ならびにこれらの組合せなどの任意の適切な材料から構成された封入パッケージ(原材料を含む軟質のポッドまたは硬質のカートリッジを含む)内に、任意の事前に小分けされた飲料原材料または原材料の組合せ(以下「原材料」という)を含むものとする。
【背景技術】
【0003】
ある種の飲料調製マシンでは、抽出されるか、もしくは溶解される原材料、および/または、マシンにおいて保管され、自動的に投与されるか、もしくは飲物の調製時に加えられる原材料を含むカプセルが使用される。一部の飲料マシンは、冷たい水、または例えばサーモブロックなどの加熱手段によって実際に加熱される水の供給源から液体を圧送する液体(通常は水)用のポンプを含む液体充填手段を有する。
【0004】
とりわけ、コーヒー調製の分野では、飲料原材料を含むカプセルが淹出装置に挿入されるマシンが、幅広く開発されている。淹出装置は、カプセルをしっかりと閉鎖し、水は、カプセルの第1の面に注入され、飲料は、カプセルの閉鎖された容積部内で生成され、淹出された飲料が、カプセルの第2の面から流出して、カップまたはグラスなどの容器内に収集され得る。
【0005】
淹出装置は、例えば供給機構または電動式の淹出ユニットを使用することによってチャンバへのカプセルの挿入を容易にするように開発されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
国際公開第01/84993号パンフレットは、電動式の淹出ユニットにおいて所定の装填位置から挿入位置にカプセルを動かすために水平に摺動する可動引き出しを有する飲料マシンに関する。このようなマシンは、淹出ユニットへのカプセルの導入または複数の飲料の調製のような作業を自動化することを可能にする。しかしながら、飲料の調製をトリガするために、使用者はさらに、摺動する可動引き出しを手動で動かし、および/または、開始ボタンを押下する必要がある。
【0007】
また、淹出ユニットに自動的に供給するためにカートリッジにカプセルを保管している回転マガジンが知られている。例えば、米国特許第6,240,832号明細書は、使用者が選択したカートリッジに保管されたカプセルに関係する情報を提示するための識別手段を有し、かつ、前記カートリッジから取り出されるカプセルを淹出ユニットに供給する移動機構を有する、飲料マシンのマガジンについて教示している。しかしながら、回転マガジンは、機械的に複雑であり、扱いにくい。また、回転マガジンは、特に、複数の種類のカプセルが供給されることが考えられる飲料マシンに関して、人間工学的な複数の懸念を提起する。例えば、使用者が、マガジンに装填されていない種類のカプセル、または、待ち行列上にあり今すぐに供給されない種類のカプセルを用いて、飲料を調製することを望む場合、所望のカプセルを含む新しいカートリッジが、マガジンにおける空間がまだ使用可能ならば(そうでなければ、カートリッジのうちの1つが、新しいカートリッジの挿入の前に排出されるか、または、取り出されなければならない)、装填されなければならない。さらに、飲料を調製するために、所望の種類のカプセルが装填されたカートリッジを選択し、次に、適切なボタンを押下する必要がある。この手順は、使用者によって、不必要に長く、直感的ではないと感じられる可能性がある。
【0008】
さらに、自動化のレベルを高めることによってマシンと使用者との相互作用を強化することが極めて望ましい場合であっても、このことは、通常、安全性の問題(とりわけ、モータによって自動的に駆動される可動部品によって生じる)を伴う。電動式の飲料マシンの分野では、淹出チャンバへの不適切な物体(指またはスプーンのような)の挿入(このことは、淹出ユニットが閉鎖されるときにマシンに損傷を与え、使用者を傷つける可能性がある)の危険性の防止または抑制を行う解決策が提供されてきた。例えば、欧州特許第1767129号明細書は、カプセルがユニットの顎部材間の開放通路に重力によって手動で挿入される電動式の淹出ユニットを備える飲料マシンに関する。安全性の理由から、通路は、電動式の閉鎖ゲートによって遮断することができる。
【0009】
しかしながら、依然として、自動化された飲料マシン、特に、電動式の淹出ユニットと協働する自動供給機構を有する自動化された飲料マシンの安全性のレベルを高める必要がある。
【0010】
本発明の目的は、マシンにカプセルを挿入する方法をより好適で、使用者の介入がより少なく、より安全なものにすることである。別の目的は、半自動または自動の淹出モードなど、付加価値のある機能を提供することである。別の目的は、飲料を調製するための最適条件を制御することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらの目的の1つ以上が、独立請求項に係るマシンによって達成される。従属請求項は、これらの目的および/またはさらなる利点を実現する解決策をさらに提供する。
【0012】
より詳細には、第1の態様によれば、本発明は、カプセルで供給される少なくとも1種類の原材料を用いて飲料を調製するための原材料処理モジュールを有する飲料調製マシンに関する。本マシンは、原材料処理モジュールの外部で少なくとも1つのカプセルを保持するように配置されたポジショナを備える。本マシンは、使用者によるカプセルの挿入および/またはポジショナ上またはポジショナ内のカプセルの存在に関係する事象を検出するように構成された検知機構をさらに備える。本マシンは、事象の検出に際して移動手段を使用することによって、カプセルを原材料処理モジュールに移動させ、次に、飲料の調製を開始するように構成されている。具体的には、本マシンは、既定パラメータ、例えば、調製される飲料の規定量に基づく飲料の調製を開始するように構成されてもよい。また、飲料は、事前に設定したパラメータを用いて、例えば、使用者が事前に設定した、飲料のカスタマイズされた量で調製されてもよい。
【0013】
したがって、飲料の調製を自動的にトリガするために使用者が行う必要があるのは、ポジショナにカプセルを配置することだけである。この単純で手速く直感的な行為は、淹出ユニットを開放すること、カプセルを挿入すること、次に淹出ユニットを閉鎖すること、および開始ボタンを押下することから構成される従来の手順の代わりとなる。さらに、使用者は、選択したカプセルをポジショナに自由に配置することができる。結果として、使用者は、例えばカートリッジまたはマガジンを充填する必要がなく、自分が飲料を調製するために使用することを望むあらゆる種類のカプセルを容易に選択することができる。
【0014】
さらに、ポジショナは、原材料処理モジュールの外部、特に、原材料処理モジュールの淹出ユニットの外部、好ましくは、使用者にとって到達可能な視認できる位置(この位置では、視覚的フィードバックが得られてもよい)に配置される。したがって、物体が、ポジショナに配置され、検知機構によってカプセルとして検出されなかった場合、使用者は、ポジショナからこの物体をより容易に取り去ることができる。また、飲料の調製は、カプセルがポジショナ内に検出されなかった場合、自動的に開始されない。これにより、マシンの安全性のレベルが向上する。また、使用者によって配置されるカプセルをポジショナに供給するための他の手段、例えば、付加的な保管領域からポジショナへカプセルを移動させるように配置された案内手段またはリュージュ(luge)を用意することも可能である。
【0015】
具体的には、検知機構は、カプセルから情報を受け取るか、もしくは、読み取ることによって、および/または、カプセルの以下の特徴、すなわち、スペクトル特性、色、電気特性、抵抗率、静電容量、電磁特性、誘導磁場、機械的特性、幾何学的形状、重量、識別情報、バーコード、放射された信号もしくは反射した信号のうちの少なくとも1つを測定することによって、事象を検出するように構成されてもよい。検知機構は、カプセルの種類を識別するようにさらに構成されてもよく、この場合、本マシンは、カプセルの識別された種類に適したパラメータ、または、カプセルの識別された種類に応じたパラメータに基づく飲料の調製を開始するように構成される。飲料は、最適なパラメータ(例えば、識別された種類に応じて調製される飲料の適切な量)を用いて調製されてもよい。さらに、使用者の間違い(例えば、識別されたカプセルに推奨される量よりも多い量の飲料を調製するといった)を回避することが可能である。
【0016】
実施形態において、本マシンは、カプセルを用いた飲料の調製を開始する準備が整うとすぐに、事象の検出に際してカプセルを原材料処理モジュールに移動させるようにさらに構成される。例えば、本マシンが、現時点で別の飲料を調製している場合、使用者はさらに、カプセルをカプセルポジショナに配置することができ、本マシンは、可能な限り早急に前記カプセルを使用する。例えばより多くの量を得るために同じ種類の複数のカプセルを用いて、または、例えばカプチーノのような複数の原材料から生成される飲料を得るために種類の異なる複数のカプセルを用いて、1回分の飲料を調製することも有益であり得る。また、本マシンは、例えば、水タンクが空の場合、または、水タンクが飲料の調製に十分なほど充填されていない場合、飲料を調製する準備が整っていない状態であるとしてもよい。この場合、使用者はさらに、カプセルをポジショナに配置し、飲料の調製を自動的に開始するために水タンクに水を充填してもよい。
【0017】
実施形態において、原材料処理モジュールは、互いに移動可能な第1の部分および第2の部分を備える。原材料処理モジュールは、カプセルの挿入を可能とするために第1の部分と第2の部分との間に通路が形成される開位置に配置可能である。本マシンは、通路を少なくとも部分的に閉鎖するように配置された閉鎖手段をさらに備える。本マシンは、事象の検出に際して通路を開放するために、閉鎖手段を作動させるようにさらに構成される。さらに、原材料処理モジュールは、カプセルの挿入を可能とする唯一の固有の通路を有してもよく、この場合、閉鎖手段は、原材料処理モジュールに供給する唯一の可能な進入路を閉鎖することができる。閉鎖手段を使用することによって、より詳細には、原材料処理モジュールが開位置にある一方で、カプセルがまだ検出されていないときに、原材料処理モジュールに至る通路を物理的に遮断することが可能である。したがって、使用者によるポジショナへのカプセルの挿入に関係する事象が検出されない限り、予想外の物体が処理モジュールに進入することが防止される。このようにして、本マシンの安全性のレベルは改善され、処理モジュールのチャンバに至る通路が、カプセルとして検出されないすべての物体に対して閉鎖される。
【0018】
ポジショナは、カプセルが、少なくとも部分的に重力の作用下で、事象の検出に際して原材料処理モジュールに移動されることを可能とするように、通路に対して位置合わせされてもよい。この結果、移動手段が、カプセルを案内するための案内手段のみを備えればよいため、簡素化される。具体的には、ポジショナは、重力の作用の恩恵を得るために、原材料処理モジュールおよび通路の上方に、例えば、マシンのハウジングの上部に配置されてもよい。
【0019】
また、本マシンは、飲料を調製する本マシンの準備が現時点で整っている場合に、事象の検出に際して通路を開放するために、閉鎖手段を作動させるようにさらに構成されてもよい。したがって、本マシンの準備が整っていない場合、カプセルは、カプセルポジショナから離れない。この結果として、使用者は、自分が望む場合に未使用のカプセルを容易に取り出すことができる。
【0020】
閉鎖手段は、事象の検出に際して通路を開放するために、電動機構によって駆動されてもよい。閉鎖手段は、事象の検出に際して通路を開放するために、機械的結合手段によって、原材料処理モジュールの第1の部分および/または第2の部分と機械的に接続されてもよい。
【0021】
実施形態において、閉鎖手段は、ポジショナの一部である。例えば、ポジショナは、カプセルを保持するように構成されたシートを備えてもよく、この場合、閉鎖手段は、シートの一部を形成する摺動カバーを備え、本マシンは、事象の検出に際して摺動カバーを平行移動させることによって通路を開放するために、閉鎖手段を作動させるようにさらに構成される。別の例では、ポジショナは、カプセルを保持するように構成されたシートが形成された回転体を備え、閉鎖手段は、閉鎖部を備え、本マシンは、事象の検出に際して、閉鎖部が通路を少なくとも部分的に閉鎖する位置に回転体を回転させることによって、カプセルを原材料処理モジュールに移動させるように構成される。
【0022】
実施形態において、ポジショナは、原材料処理モジュールの外部で少なくとも2つのカプセルを保持するように配置される。本マシンは、原材料処理モジュールからの前のカプセルの排出または除去の後に、移動手段により原材料処理モジュール内で、ポジショナに保持された各カプセルを移動させ、飲料の調製を自動的に実行するようにさらに構成される。この実施形態は、例えばより多くの量を得るために、同じ種類の複数のカプセルを用いて、または、例えば、カプチーノのような複数の原材料から生成される飲料を得るために、種類の異なる複数のカプセルを用いて、1回分の飲料を調製するために必要とされる使用者の行動を減らすために特に好適である。
【0023】
第2の態様によれば、本発明は、原材料処理モジュールを有し、かつ、該原材料処理モジュールの外部で少なくとも1つのカプセルを保持するように配置されたポジショナを備える飲料調製マシン内で、カプセルで供給される少なくとも1種類の原材料を用いて飲料を調製するための方法に関する。本方法は、以下のステップ、すなわち、
使用者によるカプセルの挿入および/またはポジショナ上もしくはポジショナ内のカプセルの存在に関係する事象を検出するステップと、
事象の検出に際して移動手段を使用することによってカプセルを原材料処理モジュールに移動させ、次に、飲料の調製を開始するステップと
を含む。
【0024】
次に、概略的な図面を参照しながら、本発明について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】実施形態に係る飲料マシンの概略図である。
図2】飲料を調製するために飲料マシンによって使用されるように構成されたカプセルの断面図である。
図3a】開位置にある、図1の飲料マシンの淹出ユニットの部分断面斜視図である。
図3b】「空の閉鎖モード」にある、図1の飲料マシンの閉鎖された淹出ユニットの部分断面斜視図を示している。
図3c】「カプセル閉鎖モード」にある、図1の飲料マシンの閉鎖された淹出ユニットの部分断面斜視図を示している。
図4a】第1の実施形態に係る、閉位置にある、図1の飲料マシンのカプセルポジショナの詳細図である。
図4b】第1の実施形態に係る、開位置にある、図1の飲料マシンのカプセルポジショナの詳細図である。
図5a】淹出ユニット内へのカプセルの導入をもたらす一般的な手順を示している。
図5b】淹出ユニット内へのカプセルの導入をもたらす一般的な手順を示している。
図5c】淹出ユニット内へのカプセルの導入をもたらす一般的な手順を示している。
図5d】淹出ユニット内へのカプセルの導入をもたらす一般的な手順を示している。
図6a】第2の実施形態に係る、図1の飲料マシンのカプセルポジショナの詳細図、および、本発明に係る、淹出ユニット内へのカプセルの導入をもたらす一般的な手順を示している。
図6b】第2の実施形態に係る、図1の飲料マシンのカプセルポジショナの詳細図、および、本発明に係る、淹出ユニット内へのカプセルの導入をもたらす一般的な手順を示している。
図6c】第2の実施形態に係る、図1の飲料マシンのカプセルポジショナの詳細図、および、本発明に係る、淹出ユニット内へのカプセルの導入をもたらす一般的な手順を示している。
図6d】第2の実施形態に係る、図1の飲料マシンのカプセルポジショナの詳細図、および、本発明に係る、淹出ユニット内へのカプセルの導入をもたらす一般的な手順を示している。
図6e】第2の実施形態に係る、図1の飲料マシンのカプセルポジショナの詳細図、および、本発明に係る、淹出ユニット内へのカプセルの導入をもたらす一般的な手順を示している。
図6f】第2の実施形態に係る、図1の飲料マシンのカプセルポジショナの詳細図、および、本発明に係る、淹出ユニット内へのカプセルの導入をもたらす一般的な手順を示している。
図7】実施形態に係る、飲料の調製の開始を自動的に実行するための、実施形態に係る方法を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1には、実施形態に係る飲料マシン1が、概略的に示されている。飲料マシンは、淹出ユニット2を備え、淹出ユニット2は、開位置と閉位置との間で淹出ユニットを移動させるための動力伝達手段4を駆動する電気モータ3と結合されている。図1では、開位置にある淹出ユニットが示されている。淹出ユニットは、少なくとも1種類の原材料(例えば、挽いたコーヒーまたは茶またはチョコレート)を含むカプセル5から飲料を調製することを可能にしている。
【0027】
図2に示されているように、カプセルは、略カップ状の本体51および被覆膜52を有する。膜は、カップの周縁54に沿ってカップに組み付けられている。この周縁は、シール54’、例えば、エラストマー材料またはプラスチック材料製のシール54’によって覆われてもよい。さらに、カプセルの特に周縁および/または膜は、リングまたは環状体53、例えば、カプセルの製造および/または処理を支援するためのリングまたは環状体53を有してもよい。このようなカプセルは、飲料調製マシンによって調製される飲料の原材料50(例えば、挽いたコーヒー)を含むパッケージとして形成される。実施形態では、カプセルは、気密パッケージ、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の気密パッケージとして形成されている。あるいは、カプセルは、多かれ少なかれ透水性であってもよく、例えば、穿孔され、および/または、有機材料(特に、有機プラスチック材料、例えば、生分解性材料)から作製される。カプセルのカップおよび/またはカプセルの膜は、モノリシック材料(例えば、金属材料または導電性セラミックおよび/もしくは補助となる有機材料)から作製されてもよいし、または、導電性材料によって覆われた構造体もしくは導電性材料を含む構造体(例えば、導電性の被覆またはトラック(例えば、アルミニウム、鉄、および/または銅の被覆またはトラック))として作製されてもよい。
【0028】
図1に示されているように、さらに水供給手段が、マシンの一部として用意されており、このような手段は、水タンク6、水ポンプ7、および水加熱器8を含む。水は、淹出ユニットと接続された水回路9を流通する。また、マシンにはコントローラが用意されている。コントローラは、一般に、制御ユニット11、センサ12、およびユーザインターフェース13を含む。制御ユニットは、プロセッサ、メモリ、およびプログラムを含み、これにより、マシンの様々な作動手段(具体的には、ポンプ、加熱器、モータ、およびユーザインターフェース)に適切な入力を供給し、これらからの出力を受け取ることが可能になっている。
【0029】
次に、図3a、図3b、および図3cを参照すると、これらには、例示的な電動式の淹出ユニットの実施形態が示されている。より詳細には、淹出ユニットは、互いに移動可能である第1のアセンブリ23および第2のアセンブリ24を備える。この特定の形態では、後方の注入アセンブリ23は、注入ブレード25を含むカプセルケージとして機能する。前方のアセンブリ24は、飲料供給アセンブリとして機能し、カプセル供給プレート26を含む。前方のアセンブリは、外側ケーシング27と連結されており、全体は、フレーム28に固定されて動かない後方の注入アセンブリ23に対して移動可能である。前方の供給アセンブリ24は、飲料出口29を備える。前方の供給アセンブリ24は、動力伝達手段4を駆動するモータ3によって、後方の注入アセンブリ23に対して相対的に移動される。開位置(図3b)では、通路31が、カプセルの挿入を可能とするために、第1のアセンブリ23と第2のアセンブリ24との間に形成される。閉位置(図3c)では、淹出チャンバ39が形成される。
【0030】
飲料マシンは、カプセルポジショナ40をさらに備え、カプセルポジショナ40は、淹出チャンバの外で、好ましくは、淹出ユニットの外側で少なくとも1つの第1のカプセルを収めるように構成されたシートを有する。実施形態において、ポジショナは、淹出チャンバの外で、好ましくは、淹出ユニットの外側で少なくとも第2のカプセルを収めるように配置されている。カプセルポジショナは、少なくとも開位置と閉位置との間でカプセルホルダを切り替えるために作動可能な閉鎖機器を備えてもよい。閉位置において、カプセルホルダは、シートにカプセルを収めるように構成されている。開位置において、カプセルホルダは、カプセルシートに事前に配置されたカプセルが淹出ユニットチャンバに入ることを可能とするように構成されている。より詳細には、カプセルポジショナは、カプセルポジショナがその開位置に設定された場合に、カプセルが、カプセルチャンバに到達する前に淹出ユニットの通路に入り、これを通過することを可能とするように、配置されている。カプセルは、案内手段、電動部材、可動部品、アクチュエータ、および/またはカプセルをシートから淹出ユニット(特に、淹出ユニットチャンバ)に移動させるように構成された任意の他の手段などの移動手段によって、開位置にあるカプセルポジショナから淹出ユニットへ移動されてもよい。好適には、閉鎖機器は、とりわけ、予想外の物体が危険にも淹出ユニットに入ってしまうことを防止するために、カプセルポジショナがその閉位置にあるときに通路を少なくとも部分的に閉鎖するように配置される。
【0031】
第1の実施形態では、図4aおよび図4bに示されているように、カプセルシート44は、図4図5に示されているような、飲料マシンのハウジングと一体化されてもよいハウジング42に形成されている。あるいは、カプセルシートは、飲料マシンのハウジングに取り付けられる別個の部品(図示せず)であってもよい。カプセルシートは、ガイド48を備えてもよく、ガイド48は、特に、カプセルポジショナが閉位置にあるときに使用者がカプセルを配置するのを容易にするように、および/または、シートにおけるカプセルの保持を改善するように、ハウジング42に形成され、カプセルシートを囲んでいる。さらに、ガイドは、カプセルポジショナがその開位置に切り替えられたときにカプセルの移動を案内するように、および、例えばカプセルホルダが閉位置から開位置に切り替えられるときに、シートに挿入されたカプセルが閉鎖機器によって平行移動されるのを防止するように、配置されてもよい。
【0032】
第1の実施形態では、開位置と閉位置との間でカプセルポジショナを切り替えるために、閉鎖機器46が、例えば制御ユニット11または別のコントローラによって制御された電動機構によって駆動されてもよい。あるいは、閉鎖機器は、淹出ユニットの開閉に応じて開位置と閉位置との間で切り替えるために、機械的結合手段によって、淹出ユニット、特に、第1のアセンブリ23および/または第2のアセンブリ24と機械的に接続されてもよい。例えば、機械的結合手段は、淹出ユニットが開位置にあるときに閉鎖機器を開放するように、および、それ以外の場合は閉鎖機器を閉鎖するように配置されてもよい。実施形態では、閉鎖機器は、淹出ユニットの部分に堅く固定されてもよいし、または、淹出ユニットの部分、特に、第1のアセンブリ23および/もしくは第2のアセンブリ24によって形成されてもよい。カプセルホルダのハウジングは、カプセルを通過させるのに十分に大きな開口を備える。特に、前記開口の輪郭は、カプセルの縦方向の断面プロファイルの輪郭を精確に再現していてもよい。図4aに示されているように、カプセルポジショナが閉鎖されているとき、カプセルシートの基部は、閉鎖機器によって形成されている。図4bに示されているように、カプセルポジショナが開放されているとき、閉鎖機器は、カプセルシート44に配置されたカプセルがカプセルシートから離れることを可能とするように構成されている。具体的には、カプセルポジショナ40は、カプセルポジショナが開放されたときにカプセルが重力の作用下で通路31に落下するように、飲料マシンのハウジングの上部に配置されている。
【0033】
第1の実施形態では、閉鎖機器46は、カプセルシートに含まれてもよく、カプセルシートの一部として形成されてもよい。より詳細には、閉鎖機器は、ハウジングの横ガイドに挿入される摺動カバーを備えてもよい。摺動カバーの形状には、カプセルの部分の外形を精確に有する凹部を有する領域が含まれてもよい。摺動カバーは、開位置と閉位置との間でポジショナを切り替えるために、横ガイドの配置によって規定される1つの縦軸線に沿って平行移動されてもよい。摺動カバーの平行移動は、電動機構(図示せず)を用いて、ならびに/または、淹出ユニット(図示せず)の第1のアセンブリおよび/もしくは第2のアセンブリと接続され、および/もしくは、淹出ユニット自体(図示せず)の第1のアセンブリもしくは第2のアセンブリの一部であってもよい機械的結合手段(図示せず)の助けを借りて、実行されてもよい。
【0034】
図6に示されている第2の実施形態では、カプセルポジショナは、カプセルシートが形成された回転体83を備える。回転体は、例えば枢軸Oyを中心に回転可能なように、マシンのハウジングに取り付けられている。回転体83は、カプセルホルダをその閉位置からその開位置に切り替えるために、その枢軸Oyを中心とした角度αの回転運動を行うことによって作動可能である。枢軸Oyを中心とした角度−αの回転体の回転運動が、カプセルホルダを開位置から閉位置に切り替えるために行われてもよい。カプセルホルダの閉位置では、図6aおよび図6bに示されているように、回転体は、そのシートにカプセルを受け入れ、保持してもよい。カプセルホルダの開位置では、図6eおよび図6fに示されているように、回転体は、カプセルシートに事前に配置されたカプセルを、通路31を通じて淹出ユニットチャンバに向けて解放するように構成されている。例えば、特に図6fに示されているように、カプセルの解放は、シートの基部を摺動させることによってもたらされてもよく、この場合、カプセルは、回転体の開放領域に保持されている。カプセルの滑落は、回転体の回転および重力の作用によってもたらされる。カプセルホルダがその開位置にあるときにカプセルを解放するための他の手段、例えば、可動フック、作動トラップ(actuated trap)、可動部品、またはシートからカプセルを取り出すのに適切な任意の手段が、使用されてもよい。開位置と閉位置との間の回転体の中間位置が、図6cおよび図6dに示されている。開位置と閉位置との間でカプセルポジショナを切り替えるための回転体83の回転は、制御ユニット11または別の制御ユニットによって駆動される電動機構によって駆動されてもよい。あるいは、図6a、図6c、および図6eに示されているように、回転体83は、淹出ユニットの開閉に応じて開位置と閉位置との間で切り替えを行うために、機械的結合手段85によって淹出ユニット、特に、第1のアセンブリ23および/または第2のアセンブリ24と機械的に接続されてもよい。例えば、機械的結合手段85は、淹出ユニットがその開位置に配置されているときに閉鎖機器を開放し、それ以外の場合は閉鎖機器を閉鎖するように配置されてもよい。マシンのハウジングは、カプセルを通過させるのに十分に大きな開口82を備える。特に、前記開口の輪郭は、精確に円形であってもよい。図6aおよび図6bに示されているように、カプセルポジショナが閉鎖されているとき、カプセルシートの基部は、回転体83の基部84によって形成される。図6eおよび図6cに示されているように、カプセルポジショナが開放されているとき、回転体は、カプセルシートに配置されたカプセルがカプセルシートから離れるように配置される。さらに、実施形態では、閉鎖機構は、とりわけ、マシンのハウジングの開口を少なくとも部分的に閉鎖する、回転体の閉鎖部86によって形成されている。
【0035】
図1に示されているように、飲料マシンは、カプセル検出器50、および、随意に識別ユニット60を備える。カプセル検出器は、カプセルシート上のカプセルの存在、および/または、カプセルシートの通過を検出するように構成されている。随意の識別ユニットは、カプセルポジショナ上に配置されて検出されたカプセルの種類、または、カプセルシートを通過して検出されたカプセルの種類を判定するように構成されている。カプセルの検出および随意の、カプセルの種類の識別は、カプセルからの情報(例えば、検出されるカプセルに組み込まれた無線部品(radiofrequency component)が発する識別データ)の受け取りまたは読取りによって行われてもよい。また、このことは、カプセルの少なくとも1つの特徴、例えば、スペクトル特性、電気特性、電磁特性、放射された信号または反射した信号、色、抵抗率、静電容量、磁場の変動、誘導磁場、幾何学的形状、バーコード、識別子、信号、電磁エコー、重量、および機械的パラメータのうちの少なくとも1つを測定することによって実現されてもよい。一部の特徴については、検出されるカプセルと相互作用することなく、センサによって受動的に得られてもよい。例えば、カプセルの部分の外側の色を識別することが可能である。他の特徴については、検出されるカプセルとの相互作用の際に、センサによって能動的に得られてもよい。例えば、センサは、検出されるカプセルに交流電流を印加し、次に、これによって発生した誘導磁場のパラメータ、ならびに/または、検出されるカプセルの抵抗率および/もしくは静電容量を測定してもよい。
【0036】
カプセル検出器および識別ユニットは、図1では、2つの別々の機能ユニットとして示されている。しかしながら、カプセル検出器および識別ユニットは、カプセルポジショナにおけるカプセルの存在を検出し、前記カプセルに関する種類を識別するように構成された単一の装置として実現されてもよい。さらに、図4図5、および図6の斜視図では、カプセル検出器および識別ユニットは、飲料マシンおよびカプセルポジショナのハウジングに隠れており、見ることができない。カプセル検出器および識別ユニットは、カプセルポジショナの近傍に、より詳細には、カプセルシートの近く、カプセルシートの周囲、および/またはカプセルシート内に配置されてもよい。
【0037】
次に、図5図6、および図7を参照すると、これらには、実施形態に係る、飲料の調製の開始を自動的に実行するための方法のステップが示されている。
【0038】
図5a、図6a、および図7に示されているように、マシンは、最初は、カプセルポジショナが閉鎖されている状態Sにある。この状態Sでは、カプセルは、カプセルポジショナを通過して淹出チャンバに入ることができない。状態Sでは、マシンは、少なくともカプセル検出器が完全に機能する動作モードで作動している。
【0039】
図5b、図6b、および図7を参照すると、第1のステップ110中に、カプセル検出器は、カプセルシート上のカプセルの存在を検出する目的でカプセルシートを監視するために使用される。カプセル検出器は、連続的に動作されてもよい。あるいは、カプセル検出器は、不連続な期間中に使用されてもよい。例えば、カプセル検出器は、挿入領域上のカプセルの最終的な存在を検出するために必要とされる時間中は1秒ごとに動作される。第1のステップは、カプセルが実際に検出されるまで、繰り返し実行される。例えば、第1のステップは、図5b、図6bに示されているように、使用者によってカプセルがカプセルシート上に挿入されたことが検出された結果として終了されてもよい。
【0040】
随意に、カプセルの検出時に、マシンは、識別ユニットが、アクティブであり、完全に機能する第2の状態Sに切り替わる。実施形態では、識別ユニットは、特にマシンが第1の状態Sにあるときに、常にアクティブであり、完全に機能してもよい。したがって、この実施形態では、第1の状態および第2の状態は、同じ状態として考えられてもよい。
【0041】
随意の第2のステップ120中に、識別ユニットは、第1のステップ中に検出されたカプセルの1組の特徴を測定するために使用される。
【0042】
次に、検出されたカプセルのプロファイルPrが、測定された特徴から作成されてもよい。プロファイルPrは、参照群に対する検出されたカプセルの帰属を特定するために必要な少なくとも1つの最小の組の情報を含む。対応する参照プロファイルPrREFが、各参照群に関して規定されており、1組の参照プロファイルPrREF[]が規定されている。参照群は、カプセルを様々な組に分類するために使用される。参照プロファイルPrREFのそれぞれは、少なくとも1つの対応する参照群に帰属するものとして特定される、カプセルが再現すべきである特徴に関する少なくとも1つの最小の組を含む。参照プロファイルPrREFのそれぞれは、最小の組の少なくとも各特徴に関して、対応する参照群に帰属するものとして特定される、カプセルが再現すべきである目標値、範囲、および/または許容できる目標値のリストを含んでもよい。
【0043】
随意の第2のステップ中に、コントローラ10は、検出されたカプセルのプロファイルPrと参照プロファイルPrREF[]とを比較する。参照プロファイルPrREF[]は、コントローラ10のメモリに恒久的または一時的に記憶されてもよい。参照プロファイルPrREF[]は、設定ステップにおいてマシンに入力されてもよいし、または、要求に応じてダウンロードされてもよい。参照プロファイルPrREF[]は、遠隔地、またはUSBキー(USB key)のような着脱式メモリ装置、またはマシンと一時的に接続されるポータブルデジタル装置から得られてもよい。参照プロファイルPrREF[]は、例えば、較正データまたは識別ユニットの実際の評価性能などの、マシンの特定の特徴を考慮して、更新されるか、または、パラメータ化されてもよい。具体的には、カプセルのプロファイルPrが、参照プロファイルPrREF[]のうちの1つに適合するか否かが判定される。カプセルのプロファイルPrが、いかなる参照プロファイルPrREF[]にも適合しない場合、情報I1_UNIDENTIFIEDが、コントローラ10によって生成される。一方、カプセルのプロファイルPrが、参照プロファイルPrREF[]のうちの1つに適合する場合、情報I1_IDENTIFIEDが、コントローラ10によって生成される。情報I1_IDENTIFIEDは、対応する参照プロファイルを特定するための情報(例えば、特定の参照プロファイルPrREFに対応する固有の識別子)を少なくとも含む。
【0044】
複数の基準が、プロファイルが参照プロファイルのうちの1つに適合したか否かを判定するために適用されてもよい。
【0045】
例えば、特定のカプセルは、4つの群、すなわち、アルミニウムカプセル、ショートエスプレッソ(リストレット、25ml)を調製するために構成されたカプセル、エスプレッソ(40ml)を調製するために構成されたカプセル、ロングエスプレッソ(ルンゴ、110ml)を調製するために構成されたカプセルのうちの1つに帰属してもよい。アルミニウムカプセルに対応する参照プロファイルPrREFは、例えば、100オームを中心として前後約10%以内の抵抗率の範囲を含む。ショートエスプレッソ群に対応する参照プロファイルPrREFは、緑の色調を範囲とする色の範囲(例えば、520〜570nm)を含んでもよい。この直前の例では、外膜が薄緑であり、測定された抵抗率が97オームであるカプセルのプロファイルは、ショートエスプレッソ群およびアルミニウムカプセル群の参照プロファイルに適合する。したがって、このカプセルは、ショートエスプレッソ群およびアルミニウムカプセル群に帰属するものとして考えられる。外膜が赤いカプセルは、ショートエスプレッソ群に帰属するとは考えられない。
【0046】
また、実施形態において、参照プロファイルは、ある参照群に対する検出されたカプセルの帰属を特定するために必要な複数の最小の組の情報を含んでもよい。具体的には、参照プロファイルは、最小の組のうちの少なくとも1つの特徴に関して、対応する参照群に帰属するものとして特定される、カプセルが再現すべきである複数の目標値および/または範囲および/または許容できる目標値のリストを含んでもよい。例えば、ショートエスプレッソ群に対応する参照プロファイルPrREFは、緑の色調(例えば、520nm〜570nm)および赤の色調(例えば、630nm〜740nm)を範囲とする複数の色の範囲を含んでもよい。この直前の例では、外膜が薄緑であるカプセルのプロファイルは、ショートエスプレッソ群の参照プロファイルに適合する。外膜が赤いカプセルのプロファイルも同様に、ショートエスプレッソ群の参照プロファイルに適合する。
【0047】
別の例では、アルミニウムカプセルに対応する参照プロファイルPrREFは、複数対の抵抗および静電容量の目標値を含んでもよい。カプセルのプロファイルは、
カプセルが、100オーム±5%の抵抗および100nF±2%の静電容量を有するか、または
カプセルが、1000オーム±5%の抵抗および50nF±2%の静電容量を有する
場合に、アルミニウムカプセルの参照プロファイルに適合する。
【0048】
この直前の例では、101オームの抵抗および50nFの静電容量を有するカプセルのプロファイルは、アルミニウムカプセル群に帰属するとは考えられない。
【0049】
プロファイルが参照プロファイルのうちの1つに適合したか否かを判定するために、他の手法、例えば、ベイジアンネットワーク、自己学習ニューラルネットワーク、および一般にいう確率論的手法を用いる方法が適用されてもよい。
【0050】
随意の第3のステップ130では、コントローラ10によって、マシンの現在のステータスSの判定、読取り、またはマシンの現在のステータスSへのアクセスが行われる。具体的には、現在のステータスSは、以下の非限定的なリスト、すなわち、淹出チャンバ内または淹出チャンバのケージ内のカプセルの存在、飲料調製工程の完了状態、マシンの様々な部品の現在の使用可能性、水タンク内の水の水位、サーモブロックの準備状態に含まれる項目に関係するパラメータの少なくとも1つまたは組合せを含んでもよい。
【0051】
第4のステップ140では、動作の手順SEQが、決定されるか、または、選択される。カプセルが識別されたか否かにかかわらず、カプセルが第1のステップ110中に検出された場合、手順SEQは、カプセルホルダをその開位置に設定する動作、および、検出されたカプセルが淹出ユニットチャンバに到達したときに飲料の調製を自動的に開始する動作を少なくとも含む。しかしながら、手順SEQは、例えば、カプセルのプロファイルPrと参照プロファイルPrREF[]との比較の結果に応じて、より一般的には、カプセルが識別されたか否かに応じて、調製工程を変更するように決定されるか、または、構成されてもよい。
【0052】
第5のステップ150では、手順SEQの各動作が、飲料調製マシンによって実際に実行される。
【0053】
例示的な実施形態では、カプセルが検出された場合、手順SEQは、必要に応じて淹出ユニットを開放する動作、カプセルホルダをその開位置に切り替える動作、カプセルが淹出チャンバに入るとすぐに必要に応じて淹出ユニットを閉鎖する動作、および飲料調製工程を開始する動作を含む。したがって、飲料の調製を自動的に開始させるために使用者が行う必要があるのは、カプセルホルダにカプセルを配置することだけである。例えばボタンの押下のような、使用者による他の相互作用は、もはや必要とされない。さらに、カプセルの検出のみが、この手順SEQの実行をトリガしてもよい。これにより、飲料マシンの安全レベルおよび人間工学的側面が強化される。
【0054】
別の例示的な実施形態では、プロファイルPrが、いかなる参照プロファイルPrREF[]にも適合しなかった場合、手順SEQは、ユーザインターフェースを介して、例えば、視覚および/または音声によるメッセージによって、カプセルが識別されなかったことを使用者に知らせる動作を含む。また、この手順SEQは、既定パラメータに応じて飲料を調製する動作も含む。一方、プロファイルPrが、参照プロファイルPrREF[]のうちの1つに適合した場合、ユーザインターフェースを介して、例えば、視覚および/または音声によるメッセージによって、カプセルが有効に識別されたことを使用者に知らせる動作が、手順SEQに差し挟まれてもよい。より正確には、特定された参照プロファイルに関係する特定の情報(例えば、対応する参照群の名前)が、表示されてもよい。このようにして、使用者に対して、カプセルがショートエスプレッソを調製するためのものであることを示すメッセージを表示することが可能である。言うまでもなく、他の情報、例えば、音声および/または視覚による指示、カプセルの視覚表示、商品情報、レシピ、使用者が挿入することのできる他の種類のカプセルが、使用者に対して提示されてもよい。手順SEQは、カプセルの種類に応じてカスタマイズされたパラメータ、例えば、カスタマイズされた水の量を用いて飲料を調製する動作を含む。
【0055】
また、手順SEQは、マシンの現在のステータスSを考慮することによって決定されてもよい。現在のステータスSは、マシンが、検出されたカプセルを用いて飲料を調製する準備が整った状態にあるか否か、および/または、検出されたカプセルを用いて飲料を調製することができるか否かを判定するために分析されてもよい。1組の規則Rが、どの動作を行うべきなのかを、1組の群に対する検出されたカプセルの帰属およびマシンの現在のステータスSに応じて決定するために規定されてもよい。
【0056】
例えば、規則R1は、カプセルが検出されるべきであることを示している。別の規則R2は、飲料の調製が、淹出チャンバが空の場合にのみ可能であることを示している。規則R3は、規則R1および規則R2の双方が確認された場合に、検出されたカプセルを用いて飲料を調製するのに必要な動作が手順SEQに導入されるということを明示している。規則R4は、規則R2が確認されなかった場合に、規則R2が確認されるまで待機し、次に、前記カプセルを用いて飲料を調製するのに必要な動作が、手順SEQに導入されることを明示している。したがって、カプセルが検出された場合、規則R1が確認される。しかしながら、別の飲料について既に進行中である場合、規則R2は満たされない。規則R3によれば、規則R1および規則R2の双方について確認されていないため、使用者によってカプセルポジショナに配置されたカプセルを用いて、飲料を調製することができない。しかしながら、規則R4が明示しているように、マシンは、前の飲料の調製の終了まで待機し、終了の直後に、検出されたカプセルを用いて飲料を調製する。この例は、少なくとも2つのカプセルを用いてロングコーヒーを調製するのに好適であってもよく、この場合、使用者は、適切な数のカプセルをカプセルホルダに配置することによってのみその飲料を調製することができ、動作は完全に自動化されている。
【0057】
別の例では、規則R1は、カプセルが検出されるべきであることを示す。さらに、規則R2は、「リストレット」、「ルンゴ」、「通常」の3つの群のうちの1つへの検出されたカプセルの帰属に応じて、様々な量の飲料を調製する動作を変更する。したがって、カプセルが検出された場合、規則R1が確認される。さらに、カプセルが「ルンゴ」群に帰属する場合、動作は、「ルンゴ」群に対応する量、一般に120mlの飲料を調製するように変更される。カプセルが識別されなかった場合、動作は、既定値に対応する量の飲料を調製するように変更される。
【0058】
次に、実施形態に係るマシンの通常使用の一連の事例について述べる。
【実施例1】
【0059】
マシンの電源が入れられる。カプセルポジショナは閉鎖されており、カプセルは、カプセルシートに挿入されていない。淹出ユニットは開放されている。使用者は、カプセルポジショナにカプセルを配置する。カプセルポジショナが閉鎖されているため、カプセルは、カプセルシートにおいて保持されており、淹出チャンバに入ることができない。次に、検出器が、前記カプセルの存在を検出する。カプセルが淹出ユニットのチャンバに入ることを可能にするために、カプセルポジショナが開放されて、淹出ユニットが閉鎖され、そして飲料が調製される。
【実施例2】
【0060】
マシンの電源が入れられる。カプセルポジショナは閉鎖されており、カプセルは、カプセルシートに挿入されていない。淹出ユニットは閉鎖されている。使用者は、カプセルポジショナにカプセルを配置する。カプセルポジショナが閉鎖されているため、カプセルは、カプセルシートにおいて保持されている。次に、検出器は、前記カプセルの存在を検出するが、識別ユニットは、事前に配置されたカプセルを識別しない。カプセルが識別されなかったこと、または、既定パラメータが飲料の調製に使用されることを示す視覚メッセージが、使用者に提示される。淹出ユニットおよびカプセルポジショナが開放され、これにより、カプセルが、淹出ユニットのチャンバに入ることが可能となる。次に、淹出ユニットが閉鎖され、飲料が、既定パラメータに従って調製される。
【実施例3】
【0061】
マシンの電源が入れられる。カプセルポジショナは閉鎖されており、カプセルは、カプセルシートに挿入されていない。淹出ユニットは閉鎖されており、第1の飲料の調製が進行中である。使用者は、カプセルポジショナにカプセルを配置する。次に、検出器が、前記カプセルの存在を検出し、識別ユニットが、事前に配置されたカプセルの種類を判定する。カプセルポジショナが閉鎖されており、マシンは、第1の飲料の調製がまだ終了していないため、別の飲料を調製する準備が整っていない状態にあり、カプセルポジショナは、淹出ユニットの新しい飲料を調製する準備が整うまで、閉鎖され続ける。この期間中、カプセルが識別されており、マシンの別の飲料を調製する準備は整っていないが、第1の飲料の調製の終了後できるだけ早急に飲料が調製されることを示す視覚メッセージ、例えば、点滅光が、使用者に提示される。次に、カプセルポジショナが開放され、検出されたカプセルが、淹出ユニットに供給され、淹出ユニットが自動的に閉鎖され、次に、飲料が調製される。
【実施例4】
【0062】
マシンの電源が入れられる。カプセルポジショナは閉鎖されており、カプセルは、カプセルシートに挿入されていない。淹出ユニットは閉鎖されており、第1の飲料の調製が進行中である。使用者は、カプセルポジショナにカプセルを配置する。次に、検出器は、前記カプセルの存在を検出し、識別ユニットは、事前に配置されたカプセルが、飲料を調製するために使用され得ること、および、カプセルが、120mlの水を用いてロングエスプレッソを調製するために構成されていることを判定する。マシンの水タンクは、78mlの水を含み、センサは、この情報をコントローラに送信済である。カプセルポジショナは閉鎖されており、マシンは、使用可能な水が十分ではないため、ロングエスプレッソを調製する準備が整っていない状態にあり、カプセルポジショナは、水タンクに十分な水が充填されるまで、閉鎖され続ける。この期間中、カプセルが、ロングエスプレッソを調製する適切なカプセルとして識別されており、マシンの水タンクに水が充填されるべきであり、ロングエスプレッソは、十分な水が供給された場合にできるだけ早急に調製されることを示す視覚メッセージ、例えば、点滅光が、使用者に提示される。次に、使用者は、タンクに水を500mlまで充填する。カプセルポジショナが開放され、淹出ユニットに検出されたカプセルが供給され、淹出ユニットが自動的に閉鎖され、次に、ルンゴエスプレッソ飲料が調製される。
[発明の項目]
[項目1]
カプセルで供給される少なくとも1種類の原材料を用いて飲料を調製するための原材料処理モジュール(2)を有する飲料調製用のマシンであって、前記原材料処理モジュールの外部で少なくとも1つのカプセルを保持するように配置されたポジショナ(40、80)を備える飲料調製用のマシンにおいて、使用者による前記カプセルの挿入および/または前記ポジショナ上もしくは前記ポジショナ内の前記カプセルの存在に関係する事象を検出するように構成された検知機構(50)をさらに備え、前記事象の検出に際して移動手段(46、48、83、85)を使用することによって前記カプセルを前記原材料処理モジュールに移動させ、次に、前記飲料の調製を開始するように構成されていることを特徴とする、飲料調製用のマシン。
[項目2]
前記検知機構が、前記カプセルから情報を受け取るか、もしくは、読み取ることによって、および/または、前記カプセルの以下の特徴、すなわち、スペクトル特性、色、電気特性、抵抗率、静電容量、電磁特性、誘導磁場、機械的特性、幾何学的形状、重量、識別情報、バーコード、放射された信号もしくは反射した信号のうちの少なくとも1つを測定することによって、前記事象を検出するように構成されている、項目1に記載のマシン。
[項目3]
既定パラメータに基づく前記飲料の調製を開始するように構成されている、項目1または2に記載のマシン。
[項目4]
前記検知機構が、前記カプセルの種類を識別するようにさらに構成されており、当該マシンが、前記カプセルの識別された前記種類に適したパラメータ、または、前記カプセルの識別された前記種類に応じたパラメータに基づく前記飲料の調製を開始するように構成されている、項目1または2に記載のマシン。
[項目5]
前記カプセルを用いた前記飲料の調製を開始する準備が整うとすぐに、前記事象の検出に際して前記カプセルを前記原材料処理モジュールに移動させるようにさらに構成されている、項目1〜4のいずれか一項に記載のマシン。
[項目6]
前記原材料処理モジュールが、互いに移動可能な第1の部分(23)および第2の部分(24)を備え、前記原材料処理モジュールが、前記カプセルの挿入を可能にするために前記第1の部分と前記第2の部分との間に通路(31)が形成される開位置に配置可能であり、当該マシンが、前記通路を少なくとも部分的に閉鎖するように配置された閉鎖手段(46、86)をさらに備え、前記事象の検出に際して前記通路を開放するために、前記閉鎖手段を作動させるようにさらに構成されている、項目1〜5のいずれか一項に記載のマシン。
[項目7]
前記ポジショナが、少なくとも部分的に重力の作用下で、前記事象の検出に際して前記カプセルを前記原材料処理モジュールに移動させることを可能とするために、前記通路に対して位置合わせされている、項目6に記載のマシン。
[項目8]
飲料を調製する準備が現時点で整っている場合に、前記事象の検出に際して前記通路を開放するために、前記閉鎖手段を作動させるようにさらに構成されている、項目6または7に記載のマシン。
[項目9]
前記閉鎖手段が、前記事象の検出に際して前記通路を開放するために、電動機構によって駆動される、項目6〜8のいずれか一項に記載のマシン。
[項目10]
前記閉鎖手段が、前記事象の検出に際して前記通路を開放するために、機械的結合手段によって、前記原材料処理モジュールの前記第1の部分(23)および/または前記第2の部分(24)と機械的に接続されている、項目6〜9のいずれか一項に記載のマシン。
[項目11]
前記閉鎖手段が、前記ポジショナの一部である、項目6〜10のいずれか一項に記載のマシン。
[項目12]
前記ポジショナが、前記カプセルを保持するように構成されたシート(44)を備え、前記閉鎖手段が、前記シート(44)の一部を形成する摺動カバー(46)を備え、当該マシンが、前記事象の検出に際して前記摺動カバーを平行移動させることによって前記通路を開放するために、前記閉鎖手段を作動させるようにさらに構成されている、項目11に記載のマシン。
[項目13]
前記ポジショナが、前記カプセルを保持するように構成されたシート(84)が形成された回転体(83)を備え、前記閉鎖手段が、閉鎖部(46)を備え、当該マシンが、前記事象の検出に際して、前記閉鎖部(46)が前記通路を少なくとも部分的に閉鎖する位置に前記回転体を回転させることによって、前記カプセルを前記原材料処理モジュールに移動させるように構成されている、項目11に記載のマシン。
[項目14]
前記ポジショナが、前記原材料処理モジュールの外部で少なくとも2つのカプセルを保持するように配置されており、当該マシンが、前記原材料処理モジュールからの前のカプセルの排出または除去の後に、前記移動手段により前記原材料処理モジュール内で、前記ポジショナに保持された前記カプセルのそれぞれを移動させ、前記飲料の調製を自動的に実行するようにさらに構成されている、項目1〜13のいずれか一項に記載のマシン。
[項目15]
原材料処理モジュール(2)を有し、かつ、前記原材料処理モジュールの外部で少なくとも1つのカプセルを保持するように配置されたポジショナ(40、80)を備える飲料調製用のマシン内で、前記カプセルで供給される少なくとも1種類の原材料を用いて飲料を調製するための方法において、
使用者による前記カプセルの挿入および/または前記ポジショナ上もしくは前記ポジショナ内の前記カプセルの存在に関係する事象を検出するステップ(110)と、
前記事象の検出(120)に際して移動手段(46、48、31、83、85)を使用することによって、前記カプセルを前記原材料処理モジュールに移動させ(140、150)、次に、前記飲料の調製を開始するステップと
を含むことを特徴とする方法。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c
図5d
図6
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b