特許第5959557号(P5959557)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 蘇州奥索特新材料有限公司の特許一覧 ▶ 中国科学院蘭州化学物理研究所の特許一覧

特許5959557ポリメトキシジメチルエーテルを製造する反応システム及び方法
<>
  • 特許5959557-ポリメトキシジメチルエーテルを製造する反応システム及び方法 図000010
  • 特許5959557-ポリメトキシジメチルエーテルを製造する反応システム及び方法 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5959557
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】ポリメトキシジメチルエーテルを製造する反応システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 41/48 20060101AFI20160719BHJP
   C07C 43/10 20060101ALI20160719BHJP
   C07C 41/56 20060101ALI20160719BHJP
   C07C 41/58 20060101ALI20160719BHJP
   B01J 35/12 20060101ALI20160719BHJP
   B01J 31/02 20060101ALI20160719BHJP
   B01J 31/04 20060101ALI20160719BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20160719BHJP
【FI】
   C07C41/48
   C07C43/10
   C07C41/56
   C07C41/58
   B01J35/12
   B01J31/02 103Z
   B01J31/04
   !C07B61/00 300
【請求項の数】15
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-50382(P2014-50382)
(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公開番号】特開2015-67610(P2015-67610A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2014年3月13日
(31)【優先権主張番号】201310455313.1
(32)【優先日】2013年9月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514063870
【氏名又は名称】蘇州奥索特新材料有限公司
【氏名又は名称原語表記】Suzhou OST Advanced Materials Co., Ltd.
(73)【特許権者】
【識別番号】592112352
【氏名又は名称】中国科学院蘭州化学物理研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳静
(72)【発明者】
【氏名】宋河遠
(72)【発明者】
【氏名】夏春谷
(72)【発明者】
【氏名】康美榮
【審査官】 村守 宏文
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−519172(JP,A)
【文献】 特表2008−546666(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0036715(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0313202(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)37〜40wt.%のホルムアルデヒド水溶液を50〜80wt.%の濃縮ホルムアルデヒドに濃縮するに用いられるホルムアルデヒド濃縮ユニットと、
2)連続式真空乾燥機であり、前記ホルムアルデヒド濃縮ユニットから得られた前記濃縮ホルムアルデヒドをオリゴホルムアルデヒドに重合するに用いられ、60〜80℃、表圧−0.1〜−0.05MPaの条件下で、前記ホルムアルデヒド濃縮ユニットから得られた前記濃縮ホルムアルデヒドを重合度が8〜16のオリゴホルムアルデヒドに重合する真空乾燥ユニットと、
3)前記ホルムアルデヒド濃縮ユニットから得られた濃縮ホルムアルデヒドと、前記真空乾燥ユニットから得られたオリゴホルムアルデヒドまたは直接外部から添加されたオリゴホルムアルデヒドとを酸性イオン液体触媒の存在下で、メタノールとアセタール化反応させて、粗製品DMM1-8を取得するに用いられるアセタール化反応ユニットと、
4)前記アセタール化反応ユニットから得られた粗製品の中から必要な産物ポリメトキシジメチルエーテルDMM3-8を分離するに用いられる製品分離ユニットと、
を有する、ホルムアルデヒド水溶液またはオリゴホルムアルデヒドを原料として連続的にポリメトキシジメチルエーテルを製造する反応システム。
【請求項2】
前記ホルムアルデヒド濃縮ユニットはホルムアルデヒド加熱器、ホルムアルデヒド濃縮器、稀アルデヒド凝縮器、洗浄塔と洗浄液貯蔵タンクからなり、
その中で、前記ホルムアルデヒド水溶液は前記ホルムアルデヒド加熱器の中で蒸発し、気液混合流体が得られ、
前記気液混合流体は前記ホルムアルデヒド濃縮器に入り、濃度が50〜80wt.%の液体濃縮ホルムアルデヒドが得られる、また、当該過程において生じたガスは前記稀アルデヒド凝縮器に入り、ホルムアルデヒドを回収し、前記稀アルデヒド凝縮器から出た不凝縮ガスは前記洗浄塔に入り、洗浄液に吸収され、前記洗浄液貯蔵タンクに入ることを特徴とする請求項1に記載の反応システム。
【請求項3】
前記アセタール化反応ユニットは、一段または多段反応器と気相凝縮器を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の反応システム。
【請求項4】
前記一段または多段反応器は一段または多段直列式反応器又はオーバフロー釜であることを特徴とする請求項3に記載の反応システム。
【請求項5】
前記反応システムは、薄膜蒸発器を有し且該薄膜蒸発器が前記製品分離ユニットから分離された重相を受け入れ、前記重相における触媒を脱水してから前記アセタール化反応ユニットに循環される触媒再生ユニットを更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の反応システム。
【請求項6】
前記製品分離ユニットは抽出塔、及び、前記抽出塔と互いに直列する一段又は多段精留塔を有し、
前記抽出塔は前記粗製品を、酸性イオン液体触媒とホルムアルデヒドと水を含む重相、及び、未反応のメタノールとホルムアルデヒドとDMM1-8と抽出剤を含む軽相に分離し、前記軽相は抽出塔の塔頂から連続的に精留ユニットに流れ込み、ホルムアルデヒドメタノール及びDMM1−前記抽出剤並びに必要な産物DMM3-8を分離し、前記ホルムアルデヒド、メタノール及びDMM1−2はアセタール化反応器に戻す一方、前記抽出剤は抽出塔に戻し、繰り返し利用され、
前記重相は塔底から連続的に触媒再生ユニットに流れ込むことを特徴とする請求項5に記載の反応システム。
【請求項7】
前記精留塔は軽い成分の精留塔、抽出剤精留塔と製品精留塔とを含むことを特徴とする請求項6に記載の反応システム。
【請求項8】
前記精留塔は棚段塔又は充填塔であり、且つ段数は3〜10であることを特徴とする請求項6に記載の反応システム。
【請求項9】
1)ルムアルデヒド濃縮器の中で、37〜40wt.%のホルムアルデヒド水溶液を50〜90℃、表圧−0.1〜−0.05MPaの条件下で濃縮させ、濃度が50〜80wt.%の濃縮ホルムアルデヒドが得られる;
2)任意の、ステップ1)から得られた濃縮ホルムアルデヒドが真空乾燥器に入り、60〜80℃、表圧−0.1〜−0.05MPaの条件下で重合することにより重合度が8〜16のオリゴホルムアルデヒドが得られる;
3)アセタール化反応器で機能化酸性イオン液体を触媒として、ステップ1)からの濃縮ホルムアルデヒドと、ステップ2)からのオリゴホルムアルデヒド又は直接外部から添加されたオリゴホルムアルデヒドとメタノールとを連続的にアセタール化反応を行うことにより、ポリメトキシジメチルエーテルDMM1-8、水、未反応の原料と触媒を有する反応流出液が生じる;及び、
4)製品分離ユニットで、抽出剤によりステップ3)から得られた反応流出液を抽出し、抽出剤とDMM1-8と一部のメタノールとホルムアルデヒドを含む軽相、および、触媒とホルムアルデヒド水溶液を含む重相が得られる。前記軽相は精留することにより、ホルムアルデヒドメタノール及びDMM1−前記抽出剤並びに必要な産物DMM3-8を分離し、前記ホルムアルデヒド、メタノール及びDMM1−2はアセタール化反応器に戻す一方、前記抽出剤は抽出塔に戻し、繰り返し利用される;前記重相は塔底から連続的に触媒再生ユニットに流れ込む、
これらのステップを有する、ホルムアルデヒド水溶液又はオリゴホルムアルデヒドを原料としてポリメトキシジメチルエーテルを連続的に製造する方法。
【請求項10】
前記方法は、更に、5)触媒再生ユニットでステップ4)からの前記触媒水溶液を蒸発して大部分の水を分離し、回収された触媒をステップ3)に戻して繰り返し利用するステップを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ステップ3)において、前記濃縮ホルムアルデヒド又はオリゴホルムアルデヒドとメタノールとのモル比は0.5〜3.0であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
ステップ3)の反応温度は100〜130℃であり、反応圧力は2.0〜5.0MPaであり、また反応滞留時間は60〜180minであることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
ステップ4)における前記抽出剤は、n-ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、ジメチルベンゼン及び酢酸エチルから選んだ一種類または多種類であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項14】
ステップ4)における前記抽出剤はシクロヘキサン、ベンゼン又はトルエンであることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記機能化酸性イオン液体触媒のカチオン部分は酸機能化第四級アンモニウムカチオン、酸機能化第四級ホスホニウムカチオン、酸機能化イミダゾリウムカチオン又はピリジニウムカチオンの中から選んだ一種類であり、アニオン部分はp−メチルベンゼンスルホン酸イオン、トリフルオロメチルスルホン酸イオン、メチルスルホン酸イオン、硫酸水素イオン、トリフルオロ酢酸イオンから選んだ一種類であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリメトキシジメチルエーテルを連続的に製造する新たな反応システム及び方法に関する。具体的に、本発明は、機能化酸性イオン液体(functionalized acidic ionic liquids)を触媒として、ホルムアルデヒド水溶液またはオリゴホルムアルデヒドとメタノールとを連続的にアセタール化反応させてポリメトキシジメチルエーテルを製造する新たな反応システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリメトキシジメチルエーテル(CH3O(CH2O)nCH3,DMMn,n=1〜8)は、中部はオリゴホルムアルデヒドであり、両末端がメチル基で封鎖され、n≦5のDMMnは優れた溶解性能と極めて強い浸透能力を持ち、水とたくさんの有機溶媒と互いに溶解できるため、幅広く工業溶媒や顔料分散剤などに実用化できる。DMMnは巨大な潜在力を持つ含酸素ディーゼル配合成分でもあり、高いヘキサデカン価(DMM:63、DMM:78、DMM:90、DMM:100)と酸素含有量(42%〜49%)を有するため、ディーゼルにDMMnを10〜20v/v%添加すれば、ディーゼルの燃焼特性を顕著に改善でき、熱効率を有効的に高め、NOxとカーボンブラックの排出を大幅に削減できる。ディーゼルにDMM3-6を15v/v%加えた場合、排気ガスにおけるNOx、粒子状物質及び炭化水素化合物の排出はユーロ5基準を満たすことができると報道された(US 7235113)。
【0003】
DMMnの伝統的な合成方法としては、オリゴホルムアルデヒドを付与する化合物と末端封鎖メチル基を付与する化合物とを酸性触媒の作用下でアセタール反応化させて製造されるものである。2001年以来、Snamprogetti S.P.A. (EP 1505049 A1,US 6534685)、BASF (WO 2006/045506 A1,CA 2581502 A1,US 20070260094 A1) などの会社は相次ぎパラホルムアルデヒドまたはメタホルムアルデヒドとメタノールとを反応させてDMMnを連続的に製造する工程を開発した。上記の工程とは、液体の酸、例えばHSO4またはCF3SO3Hを触媒として、反応が完了した後、反応液からシリコンゲルや樹脂の吸着により触媒と副生物である水を除去し、二段精留法により未反応の原料、軽い成分(DMM1−2)、製品(DMM3−5)と重い成分(DMM≧5)を分離し、そして、反応原料、軽い成分、と重い成分を反応器に循環し、繰り返し利用される。上記の分離工程において、吸着剤を大量に使い、処理時エネルギー消耗が大きく、また、触媒が繰り返し使用不能であり、反応原料はコストが高い。
【0004】
2008年、BASF社(US 20080207954 A1)はホルムアルデヒドとメタノールとを水溶液の中で反応させDMM1−5を製造する工程を探究したところ、液体の酸または固体の酸を触媒とし、反応精留技術を用いて精留塔の塔頂から留出した反応液(DMM1−5、未反応の原料と水)は多段精留工程を経ることにより、軽い成分(DMM1−2及び未反応の原料)、粗産物(DMM3−4と水)と重い成分DMM>4を分離した。粗産物は相分離技術によりDMM3−4と水を分離し、軽い成分と重い成分は反応ユニットに循環して、繰り返し利用される。しかし、実際の作業において、メタノール、水及びDMMnは共沸物を形成しやすいため、メタノールとDMM3−4を分離させにくく、また、メタノールは水とDMM3−4のいずれとも良い相互溶解性を持ち、相分離し難くなる。
【0005】
近年、中国科学院蘭州化学物理研究所(US 1315439, US13164677)は、イオン液体を触媒としてメタホルムアルデヒドとメタノールとを反応させ、DMMnを合成する方法を報道した。当該方法は、反応液が順次にフラッシュ蒸発、薄膜蒸発分離と相分離工程を経ることにより、軽い成分(DMM1−2、一部の水、未反応の原料)、粗製品DMM3−8と触媒の分離を実現できた。しかし、粗製品は相変わらず少量の水と触媒を含んでいるので、製品DMM3−8の精製を実現するために、シリコンゲルやアニオン交換樹脂の吸着による除去が必要となる。また、当該工程は、触媒の回収率が低く、反応原料のコストが高い、また工程のプロセスが長い。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、機能性酸性イオン液体を触媒とし、ホルムアルデヒド水溶液またはオリゴホルムアルデヒドとメタノールとを連続的にアセタール化反応させて、ポリメトキシジメチルエーテルDMM3−8を製造するシステム及び方法を提供することにある。
【0007】
従って、本発明は、
1)37〜40wt.%のホルムアルデヒド水溶液を50〜80wt.%の濃縮ホルムアルデヒドに濃縮するに用いられる任意のホルムアルデヒド濃縮ユニットと、
2)上記ホルムアルデヒド濃縮ユニットから得られた上記濃縮ホルムアルデヒドをオリゴホルムアルデヒドに重合させる任意の真空乾燥ユニット(重合度が8〜16であることは好ましい)と、
3)上記ホルムアルデヒド濃縮ユニットから得られた濃縮ホルムアルデヒドと、上記真空乾燥ユニットから得られたオリゴホルムアルデヒドまたは直接外部から添加されたオリゴホルムアルデヒドとを酸性イオン液体触媒の存在下でメタノールとをアセタール化反応させて、粗製品DMM1−8を取得するアセタール化反応ユニットと、
4)上記アセタール化反応ユニットから得られた粗製品から必要な製品DMM3−8を分離するに用いられる製品分離ユニットと、
を有する、ホルムアルデヒド水溶液またはオリゴホルムアルデヒドを原料として連続的にポリメトキシジメチルエーテルを製造する反応システムを提供する。
【0008】
本実施のある好適な形態では、上記ホルムアルデヒド濃縮ユニットはホルムアルデヒド加熱器、ホルムアルデヒド濃縮器、稀アルデヒド凝縮器、洗浄塔と洗浄液貯蔵タンクからなる。上記ホルムアルデヒド水溶液は上記ホルムアルデヒド加熱器の中で蒸発され、気液混合流体が得られる;上記気液混合流体は上記ホルムアルデヒド濃縮器に入り、濃度が50〜80wt.%の(液相)濃縮ホルムアルデヒドが得られる;また、当該過程において生じたガスは上記稀アルデヒド凝縮器に入り、ホルムアルデヒドを回収すると共に、稀アルデヒド凝縮器から出た不凝縮ガスは上記洗浄塔に入り、洗浄液に吸収されることにより洗浄液貯蔵タンクに入る。
【0009】
本実施のある好適な形態では、上記真空乾燥ユニットは連続式真空乾燥機であり、しかも60〜80℃、表圧-0.1〜-0.05MPaの条件下でステップ1)から得られた上記液体の濃縮ホルムアルデヒドを重合度が8〜16のオリゴホルムアルデヒドに重合させる。
【0010】
本実施のある好適な形態では、上記アセタール化反応ユニットは、一段または多段反応器と気相凝縮器からなる。
【0011】
本実施のある好適な形態では、上記一段または多段反応器は一段または多段直列式反応器又はオーバフロー釜である。
【0012】
本実施のある好適な形態では、上記反応システムは薄膜蒸発器を更に有し且つ上記製品分離ユニットから分離された重相を受け入れ、上記重相における触媒を脱水してから上記アセタール化反応ユニットに戻す触媒再生ユニットを有する。
【0013】
本実施のある好適な形態では、上記製品分離ユニットは抽出塔、及び、上記抽出塔と互いに直列する一段又は多段精留塔を有する;上記抽出塔は上記粗製品DMM1−8を、酸性イオン液体触媒とホルムアルデヒドと水とを含む重相、及び、未反応のメタノールとホルムアルデヒドとDMM1−8と抽出剤とを含む軽相に分離する。好ましくは、上記軽相は抽出塔の塔頂から連続的に精留ユニットに流れ込み、循環物料(ホルムアルデヒド、メタノールとDMM1−2)、抽出剤及び必要な産物DMM3−8に分離される。循環物料はアセタール化反応器に戻す一方、抽出剤は抽出塔に戻し、繰り返し利用される。上記重相は塔底から連続的に触媒再生ユニットに流れ込む。
【0014】
本実施のある好適な形態では、上記精留塔は軽い成分の精留塔、抽出剤精留塔と製品精留塔とを含む。
【0015】
本実施のある好適な形態では、上記精留塔は棚段塔又は充填塔であり、且つ段数は3〜10である。
【0016】
もう一方、本発明はホルムアルデヒド水溶液又はオリゴホルムアルデヒドを原料としてポリメトキシジメチルエーテルを連続的に製造する方法を提供する。当該方法は、以下のステップを有する。
【0017】
1)任意的に、ホルムアルデヒド濃縮器の中で、37〜40wt.%のホルムアルデヒド水溶液を50〜90℃、表圧-0.1〜-0.05MPaの条件下で濃縮させて、濃度が50〜80wt.%の濃縮ホルムアルデヒドを得る;ガスが稀アルデヒド凝縮器に入り、ホルムアルデヒドを洗浄・回収する;
2)任意的に、ステップ1)から得られた濃縮ホルムアルデヒドが真空乾燥器に入り、また60〜80℃、表圧-0.1〜-0.05MPaの条件下で重合することによりオリゴホルムアルデヒドを得る(重合度が8〜16であることが好ましい);
3)アセタール化反応器の中で、機能化酸性イオン液体を触媒として、ステップ1)からの濃縮ホルムアルデヒドとステップ2)からのオリゴホルムアルデヒド又は直接外部から添加されたオリゴホルムアルデヒドとメタノールとを連続的にアセタール化反応させることにより、粗製品であるポリメトキシジメチルエーテルDMM1−8、水、未反応の原料と触媒を有する反応流出液を生産する;
4)製品抽出塔では、抽出剤により、ステップ3)から得られた反応流出液を抽出し、軽相と重相を得る。上記軽相は、抽出剤、DMM1−8、一部のメタノールとホルムアルデヒドを含むのに対して、上記重相は触媒とホルムアルデヒド水溶液を含む。上記軽相は精留することにより、ホルムアルデヒドとメタノールとDMM1−2を含む循環物料、上記抽出剤、及び必要な産物DMM3−8に分離し、上記循環物料はアセタール化反応器に戻す一方、上記抽出剤は抽出塔に戻し、繰り返し利用される。上記重相は塔底から連続的に触媒再生ユニットに流れ込む。
【0018】
本実施のある好適な形態では、上記方法はまた、触媒再生ユニットにおいて、ステップ4)からの上記触媒水溶液を蒸発させて大部分の水を分離し、回収された触媒をステップ3)に戻して繰り返し利用することを含む。
【0019】
本実施のある好適な形態では、ステップ3)において、上記濃縮ホルムアルデヒド又はオリゴホルムアルデヒドとメタノールとのモル比は0.5〜3.0である。
【0020】
本実施のある好適な形態では、ステップ3)の反応温度が100〜130℃であり、反応圧力が2.0〜5.0MPaであり、且つ反応滞留時間が60〜180minである。
【0021】
本実施のある好適な形態では、ステップ4)における上記抽出剤は、n-ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、ジメチルベンゼンと酢酸エチルから選んだ一種類または多種類である。
【0022】
本実施のある好適な形態では、ステップ4)における上記抽出剤はシクロヘキサン、ベンゼン又はトルエンである。
【0023】
本実施のある好適な形態では、上記機能化酸性イオン液体触媒のカチオン部分は酸機能化第四級アンモニウムカチオン、酸機能化第四級ホスホニウムカチオン、酸機能化イミダゾリウムカチオン又は酸機能化ピリジニウムカチオンの中から選んだ一種類であり、アニオン部分はp−メチルベンゼンスルホン酸イオン、トリフルオロメチルスルホン酸イオン、メチルスルホン酸イオン、硫酸水素イオン、トリフルオロ酢酸イオンから選んだ一種類である。
【0024】
本発明は下記の利点を有する。しかし、下記の利点に限られていない。
【0025】
1.本発明はホルムアルデヒド水溶液又はオリゴホルムアルデヒドを反応原料としてポリメトキシジメチルエーテルを製造するため、原料は安価で入手しやすい。
【0026】
2.本発明は連続的にホルムアルデヒド濃縮、アセタール化反応工程によりポリメトキシジメチルエーテルを製造するため、工程が簡単であり、プロセスが短いから、機器のコストとエネルギー消耗が大幅に節約された。
【0027】
3.触媒の腐食性が低いため、反応器の材質としては316Lステンレス鋼を使うことができるから、設備のコストが低い;アセタール化反応は触媒のリサイクルを実現できたため、コストがより一層減らされた。
【0028】
4.アセタール化反応ユニットの副生物である水とDMMn及び反応原料との分離が実現でき、水とDMMn、メタノール、ホルムアルデヒドとの共沸が破壊され、必要な産物DMM3−8の分離と物料のリサイクルが有効的に実現できた。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は本発明のポリメトキシジメチルエーテルを連続的に製造する反応システムを示す模式図である。
図2図2は本発明の方法における反応物料の流れを示す図である。
【0030】
なお、これらの図面はあくまでも本発明の技術形態の模式的なフローチャートであり、プロセスを説明するための必要な設備のみを図示した。簡単且つ明瞭に示すために、その他の必要な設備、例えば、メーター、ガス合流設備、ポンプ、バルブ、中間タンクなどを省略した。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は37〜40wt.%のホルムアルデヒド水溶液を出発反応原料として、連続的に濃縮、真空乾燥及びアセタール化反応を経ることにより、ポリメトキシジメチルエーテルDMM3−8を製造し、又は、本発明は直接的にオリゴホルムアルデヒドを出発原料としてアセタール化反応を経ることにより、ポリメトキシジメチルエーテルDMM3−8を製造する。
【0032】
ある具体的な実施形態では、本発明のホルムアルデヒド水溶液を原料としてDMM3−8を連続的に製造する反応システム(以下、「本発明の反応システム」と略記する)は以下のユニットを有する。
【0033】
1)稀ホルムアルデヒド水溶液を濃度が50〜80wt.%の液体濃縮ホルムアルデヒドに濃縮するに用いられるホルムアルデヒド濃縮ユニット。好ましくは、該ホルムアルデヒド濃縮ユニットはホルムアルデヒド濃縮器、ホルムアルデヒド加熱器、稀アルデヒド凝縮器、洗浄塔と洗浄液貯蔵タンクからなる。その中で、37〜40wt.%のホルムアルデヒド水溶液がホルムアルデヒド加熱器の中で蒸発され、気液混合流体が得られる;当該気液混合流体はホルムアルデヒド濃縮器に入り、好ましくは50〜90℃、-0.1〜-0.05MPa(表圧)の条件下で濃縮し、濃度が50〜80wt.%の液体濃縮ホルムアルデヒドが得られる;この過程において生じたガスは稀アルデヒド凝縮器に入り、アルデヒドが洗浄・回収される。
【0034】
2)上記ホルムアルデヒド濃縮ユニット1)から得られた濃縮ホルムアルデヒドに対して重合を行い、オリゴホルムアルデヒドを得るために用いられる真空乾燥ユニット。好ましくは、上記真空乾燥ユニットは連続式真空乾燥器であり、好ましくは60〜80℃、-0.1〜-0.05MPa(表圧)の条件下で、重合度が8〜16のオリゴホルムアルデヒドを取得する。
【0035】
3)ホルムアルデヒド濃縮ユニットから得られた濃縮ホルムアルデヒド又は真空乾燥ユニットから得られたオリゴホルムアルデヒドを酸性イオン液体触媒の作用でメタノールとをアセタール化反応させて、粗製品DMM1−8を製造するに用いられるアセタール化反応ユニット。該アセタール化反応ユニットは一段又は多段反応器と気相冷却器からなることが好ましい。
【0036】
4)上記アセタール化反応ユニットから得られた粗製品のポリメトキシジメチルエーテルから必要な産物を分離するに用いられる製品分離ユニット。該製品分離ユニットは抽出塔、及び、上記抽出塔と互いに直列する一段又は多段精留塔を有する;その中で、上記抽出塔で粗制DMM1−8を軽相と重相に分離し、その中の重相は機能化酸性イオン液体触媒、ホルムアルデヒドと水を含み、上記軽相は未反応のメタノールとホルムアルデヒド、DMM、DMM、DMM3−8、抽出剤を含む。軽相は抽出塔の塔頂から精留ユニットに連続的に流れ込み、循環物料(ホルムアルデヒド、メタノールとDMM1−2)、抽出剤と必要な製品DMM3−8に分離される;循環物料はアセタール化反応器に戻す一方、抽出剤は抽出塔に戻し、繰り返し利用される;重相は塔底から触媒再生ユニットに連続的に流れ込む。
【0037】
なお、本発明の反応システムにおいては、ホルムアルデヒド濃縮ユニットと真空乾燥ユニットとは、使用される原料が稀ホルムアルデヒド水溶液の場合のみに必要とされるが、直接外部(例えば購入)からの例えば濃度が50〜80wt.%の液体濃縮ホルムホルムアルデヒド又はオリゴホルムアルデヒドを出発原料として使用する場合は必要とされるものではない。
【0038】
好ましくは、上記反応システムは更に次のユニットを有する。
【0039】
5)薄膜蒸発器を有する触媒再生ユニット。上記触媒再生ユニットは、製品分離ユニットから分離された重相を受け入れ、重相における触媒が脱水した後アセタール化反応ユニットまで循環される。
【0040】
本発明の反応システムのある実施形態では、アセタール化反応器は一段又は多段直列式反応器又はオーバフロー釜である。
【0041】
本発明の反応システムのある好ましい実施形態では、アセタール化反応器の材料は316Lステンレス鋼を選択することができる。
【0042】
本発明の反応システムのある実施形態では、製品分離ユニットの精留塔は棚段塔又は充填塔であり、段数は3〜10である。
【0043】
本発明の反応システムのある実施形態では、触媒再生ユニットにおける薄膜蒸発器は流下液膜式蒸発器(falling film evaporation)、プレート式又はプレートレス薄膜蒸発器から選ばれる。
【0044】
本発明の反応システムのある実施好ましい実施形態では、ホルムアルデヒド濃縮ユニットはホルムアルデヒド濃縮器、ホルムアルデヒド加熱器、稀アルデヒド凝縮器、洗浄塔と洗浄液貯蔵タンクを含む;上記ホルムアルデヒド濃縮器には、入口、液体出口、気体出口が設けられ、上記液体出口はホルムアルデヒド濃縮器の底部に設置され、上記気体出口はホルムアルデヒド濃縮器の上部に設置されている。この場合、ホルムアルデヒド加熱器の出口とホルムアルデヒド濃縮器の入口とはパイプラインにより連通する;ホルムアルデヒド濃縮器の液体出口と真空乾燥器の入口又はアセタール化反応器のホルムアルデヒドの入口とはパイプラインにより連通する;ホルムアルデヒド濃縮器の気体出口と稀アルデヒド凝縮器の入口とはパイプラインにより連通する;稀アルデヒド凝縮器の気体出口と洗浄塔の気体入口とはパイプラインにより連通する;洗浄塔の液体出口と洗浄液貯蔵タンクの入口とはパイプラインにより連通する;洗浄液貯蔵タンクと洗浄塔の洗浄液入口とはパイプラインにより連通するように、配置することが可能である。
【0045】
本発明の反応システムのある好ましい実施形態では、アセタール化反応ユニットの中で、上記一段又は多段反応器の出口と該アセタール化ユニットの気相凝縮器の入口とはパイプラインで連通されている。
【0046】
本発明の反応システムのある好ましい実施形態では、上記精留塔は軽成分精留塔、抽出剤精留塔と製品精留塔とを含む。この場合、抽出塔の反応液の入口はパイプラインによりアセタール化ユニットの気相凝縮器の出口と連通し、抽出塔の軽相出口と軽成分精留塔の入口とはパイプラインにより連通し、抽出塔の重相出口と薄膜蒸発器の入口とはパイプラインにより連通し、軽成分精留塔の液相出口と抽出剤精留塔の入口とはパイプラインにより連通し、抽出剤精留塔の液相出口と製品精留塔の入口とはパイプラインにより連通し、軽成分精留塔及び製品精留塔の気相出口とアセタール化反応器の入口とはパイプラインにより連通し、抽出剤精留塔の気相出口と抽出剤貯蔵タンクとはパイプラインにより連通するように、配置することが可能である。
【0047】
本発明の反応システムのある実施形態では、薄膜蒸発器は、重相出口と触媒貯蔵タンクの入口とはパイプラインにより連通するように配置されている。
【0048】
もう一つの具体的な実施形態では、本発明のホルムアルデヒド水溶液又はオリゴホルムアルデヒドを原料としてポリメトキシジメチルエーテルを連続的に製造する方法(以下、「本発明の方法」と略記する)は、以下のステップを有する。
【0049】
1)ホルムアルデヒド濃縮器で、37〜40wt.%のホルムアルデヒド水溶液を原料として使用し、好ましくは50〜90℃、-0.1〜-0.05MPa(表圧)の条件下で濃度が50〜80wt.%の液体ホルムアルデヒドを得る;気体は稀アルデヒド凝縮器に入り、ホルムアルデヒドを洗浄・回収する;
2)ステップ1)から得られた液体ホルムアルデヒドは真空乾燥器に入り、好ましくは60〜80℃、-0.1〜-0.05MPa(表圧)の条件下で、例えば重合度8〜16のオリゴホルムアルデヒドを得る;
3)機能化酸性イオン液体を触媒として、ステップ1)からの濃縮ホルムアルデヒド又はステップ2)からのオリゴホルムアルデヒドをメタノールと連続的にアセタール化反応させて、生成した粗製品DMM1−8、水、未反応の原料と触媒を含有する反応流出液を産生する;
4)ステップ3)から得られた反応流出液は抽出剤により、抽出剤、DMM1−8、未反応の一部のホルムアルデヒドとメタノールを含む軽相、及び、触媒とホルムアルデヒド水溶液を含む重相に抽出される;軽相は塔頂から精留ユニットに連続的に流れ込み、循環物料(ホルムアルデヒド、メタノールとDMM1−2)、抽出剤と製品DMM3−8に分離され、循環物料はアセタール化反応器に戻す一方、抽出剤は抽出塔に戻し、繰り返し利用される;重相は塔底から触媒再生ユニットに連続的に流れ込む。
【0050】
好ましくは、本発明の方法は、更に、
5)ステップ4)からの上記触媒水溶液を蒸発して大部分の水を分離し、回収された触媒をステップ3)に戻し、繰り返し利用するステップを有する。
【0051】
本発明の方法では、機能化酸性イオン液体のカチオン部分は酸機能化第四級アンモニウムカチオン、酸機能化第四級ホスホニウムカチオン、酸機能化イミダゾリウムカチオン又は酸機能化ピリジニウムカチオンの中から選んだ一種類であり、アニオン部分は独立的にp−メチルベンゼンスルホン酸イオン、トリフルオロメチルスルホン酸イオン、メチルスルホン酸イオン、硫酸水素イオン、トリフルオロ酢酸イオンから選んだ一種類である。
【0052】
本発明の方法のある好ましい実施形態では、ステップ3)において、ホルムアルデヒドとメタノールとのモル比は0.5〜3.0である。
【0053】
本発明の方法のもう一つの好ましい実施形態では、ステップ3)において、上記反応は窒素ガスの保護下で行われる。
【0054】
本発明の方法のもう一つの好ましい実施形態では、ステップ3)の反応温度が100〜130℃であり、反応圧力が2.0〜5.0MPaであり、また反応滞留時間は60〜180minである。
【0055】
本発明の方法のもう一つの好ましい実施形態では、ステップ3)における合計反応原料に対する触媒の比率は1〜6wt.%である。
【0056】
本発明の方法のもう一つの好ましい実施形態では、ステップ4)における上記抽出剤は、n-ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、ジメチルベンゼンと酢酸エチルから選んだ一種類または多種類であり、シクロヘキサン、ベンゼン又はトルエンであることは好ましい。
【0057】
本発明の方法のもう一つの好ましい実施形態では、ステップ4)における抽出剤の使用量は反応液の体積の1〜3倍である。
【0058】
本発明の方法のもう一つの好ましい実施形態では、ステップ4)における抽出の温度は20〜40℃である。
【0059】
本発明の方法のもう一つの好ましい実施形態では、ステップ5)における蒸発温度は60〜70℃であり、表圧は−0.1〜−0.05MPaである。
【0060】
なお、本発明の方法に用いられた上記工程のパラメーター及び反応物料、例えば、原料、抽出剤と触媒などは同様に本発明の反応システムに使用できる。
【0061】
これから図面を参照しながら本発明の工程の流れ及び工程の設備を更に具体的に説明する(下記のA、B、C、DとE区はそれぞれ図1における図面符号A、B、C、DとEで表記されている領域に対応している)。
【0062】
A、ホルムアルデヒド濃縮区A(本発明の反応システムにおける「ホルムアルデヒド濃縮ユニット」に対応する)では、例えば、37〜40wt.%のホルムアルデヒド水溶液をホルムアルデヒド加熱器の中で蒸発させ、気液混合流体を得る;気液混合流体はホルムアルデヒド濃縮器に入り、液体の高濃度ホルムアルデヒドと気体の低濃度ホルムアルデヒドは、50〜90℃、-0.1〜-0.05MPa(表圧)の条件下で速やかに分かれる;得られた液相は50〜80wt.%のホルムアルデヒド溶液であり、濃アルデヒドポンプを経てB区の真空乾燥器に送出する又は直接にC区のアセタール化反応器に送入する;気相は稀アルデヒド凝縮器に入り、液体稀ホルムアルデヒドに凝縮され、稀アルデヒド接収溝に入る;稀アルデヒド凝縮器から抽出された不凝縮ガスは洗浄塔に入り、洗浄液(脱塩水)で吸収され、ガスは真空ポンプにより吸引・排出される。
【0063】
B、真空乾燥器区B(本発明の反応システムにおける「真空乾燥ユニット」に対応する)は連続式真空乾燥機を使用し、A区からの50〜80wt.%のホルムアルデヒド水溶液を例えば60〜80℃、-0.1〜-0.05MPa(表圧)の条件下で真空乾燥することにより、重合度が8〜16のオリゴホルムアルデヒドが得られた。
【0064】
C、アセタール化反応区C(本発明の反応システムにおける「アセタール化反応ユニット」に対応する)では、1つの一段又は多段反応器において、機能化酸性イオン液体を触媒として、A区からの50〜80wt.%のホルムアルデヒド水溶液又はB区からのオリゴホルムアルデヒドとメタノールとを例えば100〜130℃、2.0〜5.0MPa(表圧)で連続的なアセタール化反応を行う;連続的に流出した反応器流出液は生じたDMM1−8と水を含む以外にも、上記未反応の原料と触媒を含む。
【0065】
D、製品分離区D(本発明の反応システムにおける「製品分離ユニット」に対応する)では、上記C区から流出した反応器流出液は減圧して、連続的に抽出塔に流れ込み、抽出剤を使用してDMM1−8と反応原料を抽出した。軽相である製品相は、塔頂から連続的に精留ユニットに流れ込み、循環物料、抽出剤と必要な製品DMM3−8に分離される;重相である触媒、ホルムアルデヒド水溶液は塔底から連続的に触媒再生区に流れ込む。
【0066】
E、触媒再生区E(本発明の反応システムにおける「触媒再生ユニット」に対応する)では、D区からの上記触媒、ホルムアルデヒド水溶液を連続に薄膜蒸発器に送入し、大部分の水を分離し、回収された触媒は連続にC区に流れ込み、繰り返し利用される。
【0067】
これから具体的に本発明の工程の流れを説明する。
【0068】
本発明の方法で使用される反応式は下記の通りである。
【0069】
【化1】
【0070】
反応式におけるnは1から8までの整数であり、mは8から16までの整数であり、ILは機能化酸性イオン液体触媒を表示する。
【0071】
機能化酸性イオン液体触媒において、下記の好ましい実施例を参照して選択することができる。
【0072】
本発明で使用される機能化酸性イオン液体触媒である酸機能化第四級アンモニウムカチオンの実施例の構造式は、
【0073】
【化2】
【0074】
であってもよい。
【0075】
その中で、nは1−6の整数であり、R、R、Rは炭素数が1−16の直鎖アルキル又はベンゼン環基である;
Xは-SO3H、-COOH又は-SO3CH3である。
【0076】
本発明で使用される機能化酸性イオン液体触媒である酸機能化第四級ホスホニウムカチオンの実施例の構造式は、
【0077】
【化3】
【0078】
であってもよい。
【0079】
その中で、nは1−6の整数である;R、R1、R2は炭素数が1−16の直鎖アルキル又はベンゼン環基である;
Xは-SO3H、-COOH又は-SO3CH3である。
【0080】
本発明で使用される機能化酸性イオン液体触媒である酸機能化イミダゾリウムカチオンの実施例の構造式は、
【0081】
【化4】
【0082】
であってもよい。
【0083】
その中で、nは1−6の整数である;R、R1、R2は炭素数が1−16の直鎖アルキル基、アリール基又は水素基である;
Xは-SO3H、-COOH又は-SO3CH3である。
【0084】
本発明で使用される機能化酸性イオン液体触媒である酸機能化ピリジニウムカチオンの実施例の構造式は、
【0085】
【化5】
【0086】
であってもよい。
【0087】
その中で、nは1−6の整数である;Rは炭素数が1−16のアルキル基、アリ−ル基又は水素基である;
Xは-SO3H、-COOH又は-SO3CH3である。
【0088】
本発明で使用される酸性イオン液体触媒のアニオンの実例は、CH(C6H)SO、CF3SO、CHSO、HSO、CFCOO等を含む。
【0089】
なお、特別に指定する以外、本明細書中で使われている圧力はすべて表圧である;また、下記の工程方法に対する説明は図面に示されていない設備にも係わるかもしれないが、上記のように、これらの設備は簡明のため且つ便宜上本発明の主となる設備を説明するために省略したのであるが、これらの設備は存在しない又は必要とされていないことを表すわけではない。
【0090】
また、下記の記述及び実施例は例を挙げて本発明の好ましい実施形態を説明するだけであり、本発明の範囲を制限する意図ではないため、本発明の反応システムで使用されている設備は以下に言及した具体的な設備に限ることはない。当業者は本発明の示唆から具体的な状況により適当な類似機能を有する設備を選択することができる。
【0091】
これから図1の工程の設備の具体的な配置及び図2のフローチャートを参照しながら本発明の方法の流れを説明する。
【0092】
(1)反応が始まる時又は触媒を追加する時、触媒はパイプライン14によりポンプを経由してフレッシュな触媒貯蔵タンクV6から反応器R1(本発明の反応システムにおける一段又は多段反応器に相当する)まで輸送される。
【0093】
(2)ホルムアルデヒドの濃縮:ホルムアルデヒド貯蔵タンクV2の中の濃度が37〜40wt.%のホルムアルデヒド水溶液をホルムアルデヒドポンプP1によりホルムアルデヒド加熱器E1に送入し、蒸発することにより気液混合流体が得られた;気液混合流体はパイプライン2によりホルムアルデヒド濃縮器S1に入り、液体で高濃度なホルムアルデヒドと気体で低濃度なホルムアルデヒドは50〜90℃、-0.1〜-0.05MPaの条件下で速やかに分かれる;気相はパイプライン3により稀アルデヒド凝縮器E2に入り、液体の稀ホルムアルデヒドに凝縮され、パイプライン7により稀アルデヒド接収溝V3に入る;E2から抽出された不凝縮ガスはパイプライン6により洗浄塔C1に入り、洗浄液(脱塩水)に吸収され、気体はパイプライン10により真空ポンプP3で吸引・排出し、液体はパイプライン8により洗浄液貯蔵タンクV4に入り、洗浄液とともに洗浄液循環ポンプP2を経てパイプライン9により改めて洗浄塔に入りリサイクルされる;得られた液相である50〜80wt.%のホルムアルデヒド溶液は、パイプライン4によりB区の真空乾燥器E3に、又はパイプライン5により直接にC区のアセタール化反応器R1に送入される。
【0094】
(3)ホルムアルデヒドの真空乾燥:50〜80wt.%のホルムアルデヒド水溶液をパイプライン4により真空乾燥器E3に送入し、60〜80℃、-0.1〜-0.05MPaの条件下で真空乾燥し、重合度が8〜16のオリゴホルムアルデヒドが得られる。水は真空ポンプP4でパイプライン11により吸引・排出され、オリゴホルムアルデヒドはパイプライン12により連続的にアセタール化反応器R1に入る。
【0095】
(4)アセタール化反応:システム全体はNに置換され、排気ガスからシステムの酸素含有量が10ppm未満であることを測定する。反応原料である濃縮ホルムアルデヒドはパイプライン5により、又はオリゴホルムアルデヒドはパイプライン12により、メタノール(メタノール貯蔵タンクV5)はパイプライン13により、循環してきた物料はパイプライン16により、循環してきた触媒はパイプライン15により、それぞれ計量的にアセタール化反応器R1に入る。Nは洗浄ユニットにより洗浄され、パイプライン19により計量的に反応器R1に送入される。一定の温度と圧力でアセタール化反応を行う。反応器R1の底部から流出した反応液は、ポンプP5でパイプライン17により熱交換器E4に送入され、更にパイプライン18により反応器R1に戻す;反応器と熱交換器とが循環できるように連通し、反応液は反応器と熱交換器の中で循環する。反応器R1の頂部から排出した反応液は触媒、DMM1−8、水、未反応のメタノールとホルムアルデヒドを含む。
【0096】
(5)DMMの抽出分離:反応器R1の流出液はパイプライン20により熱交換器E5に輸送され、減圧器V9で温度を下げ、減圧された後、パイプライン21により抽出塔C2に送入される。抽出剤はパイプライン22により貯蔵タンクV1から抽出塔C2に送入され、反応液は抽出剤と逆方向に流れ十分に接触できる。軽相(製品相)は塔頂からパイプライン23により連続的に精留塔C3に入り、重相(触媒、ホルムアルデヒド水溶液)は塔底からパイプライン24により連続的に膜式蒸発器S2に入る。
【0097】
(6)DMMnの精留分離:製品相の組成はDMM1−8、抽出剤、未反応のメタノールとホルムアルデヒドであり、精留塔C3の中で精留され、塔頂から連続的に軽成分(主にメタノール、DMMとホルムアルデヒドを含有する)を留出し、パイプライン25により冷却し、反応システムに戻す。塔底の液はパイプライン26により精留塔C4に送入され、塔頂から留出した抽出剤はパイプライン27により抽出剤貯蔵タンクV1に戻し、繰り返し利用される;塔底の液はパイプライン28により精留塔C5に入り、塔頂から留出したDMMはパイプライン29により反応ユニットに戻し、繰り返し利用され、塔底から留出した産物DMM3−8はパイプライン30により製品貯蔵タンクV8に入る。
【0098】
(7)触媒脱水:触媒水溶液は抽出塔C2の塔底からパイプライン24により連続に薄膜蒸発器S2に入る。60〜70℃/-0.08〜-0.09MPaで速やかに蒸留し、大部分の水を脱水した。触媒剤、ホルムアルデヒド水溶液はパイプライン31により触媒貯蔵タンクV7に循環される。
【0099】
これから具体的な製造の実施例を提供し、図1の配置を参照しながら実施例により更に本発明を説明し、すべての工程における物料の流れは図2を参考すればよい。
【実施例】
【0100】
下記の実施例で使用される触媒は下記の通りである。
【0101】
【化6】
【0102】
(実施例1)
図1に示す反応工程の過程において、反応器R1は直列式反応器であり、反応器R1と反応器熱交換器とが循環できるように連通し、反応液は反応器と熱交換器の間で循環する;容積は500mLである。
【0103】
高純度の窒素でブローし、システム内の空気を置換する。ホルムアルデヒド濃縮器S1に連続的に濃度が37wt.%のホルムアルデヒド水溶液を加えて、供給速度は135mL/hである。濃縮器S1では、温度が80〜90℃、真空度が-0.05〜-0.06MPaになるようにコントロールしている。気相はパイプライン3により稀アルデヒド凝縮器E2で液体稀ホルムアルデヒドに凝縮され、パイプライン7により稀アルデヒド接収溝V3に入り、流速は65mL/hである;液相である60wt.%のホルムアルデヒド溶液はパイプライン5によりC区のアセタール化反応器R1に送入され、流速は70mL/hである。
【0104】
反応器R1にイオン液体触媒IL1を加え、供給速度は9.8g/hであり、触媒溶液が循環し始まるまで供給し続け、触媒濃度が4wt.%より低くならないようにする;濃縮ホルムアルデヒド、メタノールの初期供給速度はそれぞれ170mL/h、68mL/hである;反応物料が循環し始まるまでのホルムアルデヒドの供給速度は70mL/hである。反応器R1の操作条件は、125〜130℃、3.5〜4.0MPaにコントロールされる。反応器流出液は抽出塔C2に送入し、抽出剤であるベンゼンの供給速度は250mL/h(反応液体積の1倍である)である。重相(触媒とホルムアルデヒド水溶液)は塔底から連続的に膜式蒸発器S2に入り、65℃/-0.085MPaで大部分の水を脱水し、反応器に送入し繰り返し利用される。軽相(製品相)は塔頂から連続的に精留塔C3に入り、40〜65℃で塔頂から連続的に軽成分DMM、メタノールとホルムアルデヒドを留出し、直接に反応ユニットに戻し繰り返し利用される。塔底の液は精留塔C4に送入し、78〜80℃で塔頂から留出した抽出剤であるベンゼンは貯蔵タンクV1に戻し繰り返し利用される;塔底の液は精留塔C5に入り、98〜110℃で塔頂から留出したDMMとメタホルムアルデヒド(副生物)は反応ユニットに戻し、繰り返し利用され、塔底から留出した製品DMM3−8は製品貯蔵タンクに入る。
【0105】
反応液、抽出液、触媒水溶液、循環原料と製品は定時毎にサンプリングし、ガスクロマトグラフィーで定量分析する。試験は合計100h稼動し、試験の結果の平均値は表1に示す。
【0106】
【表1】
【0107】
(実施例2)
基本的な工程プロセスと設備の配置は実施例と同じ、異なるところは触媒はイオン液体IL2であり、80wt.%のホルムアルデヒド溶液、連続的に100h稼働することにある。24.0mL/h製品DMM3−8が得られる(パイプライン30から)。
【0108】
(実施例3)
基本的な工程プロセスと設備の配置は実施例と同じ、異なるところはトルエンを抽出剤として、流速が490mL/hで、連続的に100h稼働することにある。23.0mL/hの製品DMM3−8が得られる(パイプライン33から)。
【0109】
(実施例4)
図面1で示す反応工程の過程において、反応器R1は直列式反応器であり、反応器R1と反応器再沸器は循環できるように連通し、反応液は反応器と熱交換器の間で循環する;容積は500mLである。
【0110】
高純度窒素でブローし、システム内の空気を置換する。ホルムアルデヒド濃縮器S1に連続的に濃度が37wt.%のホルムアルデヒド水溶液を加えて、供給速度は105mL/hである。濃縮器S1では、温度が80〜90℃に、真空度が-0.05〜-0.06MPaになるようにコントロールしている。気相はパイプライン3により稀アルデヒド凝縮器E2で液体稀ホルムアルデヒドに凝縮され、パイプライン7により稀アルデヒド接収溝V3に入り、流速は65mL/hである;液相である80wt.%のホルムアルデヒド溶液はパイプライン4によりB区の真空乾燥器E3に送出され、流速度42mL/hである。60〜80℃、−0.1〜−0.05MPaの条件下で真空乾燥し、重合度が8〜16のオリゴホルムアルデヒドが得られた。オリゴホルムアルデヒドはパイプライン12により連続的にアセタール化反応器R1に入り、流速は34g/hである。
【0111】
反応器R1にイオン液体触媒IL3を加え、供給速度は9.8g/hであり、触媒溶液が循環し始まるまで供給し続け、触媒濃度4wt.%より低くならないようにする;オリゴホルムアルデヒド、メタノールの初期供給速度はそれぞれ72g/h、47.5mL/hである;反応物料が循環し始まるまでのホルムアルデヒドとメタノールの供給速度はそれぞれ34g/h、36mL/h。反応器R1の操作条件は、125〜130℃、3.5〜4.0MPaにコントロールされる。反応器流出液は抽出塔C2に送入され、抽出剤であるベンゼンの供給速度は245mL/h(反応液体積の1倍である)である。重相(触媒、ホルムアルデヒド水溶液)は塔底から連続的に膜式蒸発器S2に入り、65℃/-0.085MPaで大部分の水を脱水し、反応器に送入し繰り返し利用される。軽相(製品相)は塔頂から連続的に精留塔C3に入り、40〜65℃で塔頂から連続的に軽成分DMM、メタノールとホルムアルデヒドを留出し、直接に反応ユニットに戻し繰り返し利用される。塔底の液は精留塔C4に送入し、78〜80℃で塔頂から抽出剤であるベンゼンを留出し、貯蔵タンクV1に戻し、繰り返し利用される;塔底の液は精留塔C5に入り、98〜110℃で塔頂から留出したDMMとメタホルムアルデヒド(副生物)は反応ユニットに戻し、繰り返し利用され、塔底から留出した製品DMM3−8は、製品貯蔵タンクに入る。
【0112】
反応液、抽出液、触媒水溶液、循環物料と製品は定時毎にサンプリングし、ガスクロマトグラフィーで定量分析する。試験は合計100h稼働し、試験の結果の平均値は表2に示す。
【0113】
【表2】
【0114】
(実施例5)
基本的な工程プロセスと設備の配置及びそのパラメーターは実施例4と同じ、異なるところは触媒はIL4であり、使用量は投入総量の6wt.%であり、連続的に100h稼働することにある。53.5mL/hの製品DMM3−8が得られる(パイプライン30から)。
【0115】
(実施例6)
基本的な工程プロセスと設備の配置及びそのパラメーターは実施例4と同じ、異なるところは触媒はIL5であり、使用量は総投入量の2wt.%であり、連続的に100h稼働することにある。42.5mL/hの製品DMM3−8が得られる(パイプライン30から)。
【0116】
(実施例7)
基本的な工程プロセスと設備の配置及びそのパラメーターは実施例4と同じ、異なるところはホルムアルデヒドとメタノールのモル比は1:1であり、連続的に100h稼働することにある。40.5mL/hの製品DMM3−8が得られる(パイプライン30から)。
【0117】
上記の実施例は本発明の好ましい実施形態を説明するだけであり、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の趣旨から離れない限り、当業者は本発明の技術形態に対する各種の変形や改良は何れも本発明の請求項で定めた保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2