(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5959586
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】パチンコ機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20160719BHJP
【FI】
A63F7/02 312Z
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-184989(P2014-184989)
(22)【出願日】2014年9月11日
(62)【分割の表示】特願2010-234841(P2010-234841)の分割
【原出願日】2010年10月19日
(65)【公開番号】特開2015-3144(P2015-3144A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2014年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 義康
【審査官】
酒井 保
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008-125773(JP,A)
【文献】
特開平08-322988(JP,A)
【文献】
特開2003-019267(JP,A)
【文献】
特開平06-114146(JP,A)
【文献】
特開2010-035716(JP,A)
【文献】
特開2008-125564(JP,A)
【文献】
特開平11-033187(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドレールにより遊技領域が区画形成された遊技盤と、前記遊技領域に設けられた遊技に関する演出を表示するための表示装置と、前記表示装置の周囲に設けられた装飾枠部材と、前記遊技領域を視認可能に覆うガラス板とを備え、前記遊技領域に向けて発射された遊技球が該遊技領域内を流下するように構成されたパチンコ機において、
前記装飾枠部材の周壁と前記ガイドレールとの間に遊技球を通過可能な遊技球通路が設けられており、この遊技球通路の内底面に位置する前記遊技盤の盤面に沿って装飾が施された通路内装飾板を配設すると共に、遊技球が通過可能な距離を隔てて前記通路内装飾板に対向する防護板を配設し、前記通路内装飾板における遊技球の進入側の端部に、遊技球の流れの上流側から下流側に向かって鋭角となる面取り形状の傾斜面が形成されていることを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記防護板における遊技球の進入側の端部にも、遊技球の流れの上流側から下流側に向かって鋭角となる面取り形状の傾斜面が形成されていることを特徴とするパチンコ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ機には、遊技盤内の外レールと内レールとによって区画形成された遊技領域に、特別図柄を表示する特別図柄表示装置、所定の演出を表示する表示装置、特別図柄に係る電子抽選の契機となる特定入賞口(始動口)などが設けられており、該遊技領域に向けて発射された遊技球が、この特定入賞口に入賞すると特別図柄に係る電子抽選が行われると共に、特別図柄表示装置において特別図柄を変動させた後に停止させるといった態様の表示を行って電子抽選の結果を報知している。この電子抽選の結果が大当たりであった場合には、特別図柄表示装置に大当たりであることを示す特別図柄が停止表示されると共に、遊技者にとって有利な大当たり遊技状態に移行する。
【0003】
この大当り遊技状態に移行する前の通常遊技状態においては、遊技者は、通常、遊技球を中央に位置する表示装置の左側の遊技領域に向けて発射し、特定入賞口に入賞させるように遊技を行う。これに対し、大当り遊技状態等の特別遊技状態に移行した場合には、表示装置の右側の遊技領域を使用する遊技を行わせるパチンコ機が提供されている(特許文献1)。このようなパチンコ機では、最上部の遊技領域において、外レールと表示装置を囲うように設けられた装飾枠部材の周壁との間に、遊技球が1個分通過可能な右打ち用通路が形成されており、遊技球は該通路を通ることで右側の遊技領域に放出されるようになっている。したがって、このようなパチンコ機において特別遊技状態に移行すると、遊技者は、発射ハンドルを操作して遊技球を強く発射させ、この右打ち用通路を通って右側の遊技領域に遊技球を打ち出すように遊技することとなる。いわゆる、右打ち遊技と言われるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−227498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この右打ち遊技の場合、
図8に示すように、外レール11と内レール12との間に形成された発射通路13から強く放出された遊技球aは、遠心力により外レール11の内壁に沿って移動して右打ち用通路20に進入することとなる。ここで、パチンコ機は、遊技盤面14が垂直面に対してわずかに前傾して設置されるので、外レール11の内壁に沿って移動する遊技球aは、同時に、遊技盤面14に沿って移動しながら右打ち用通路20に進入することとなる。遊技盤面14の右側の領域には、特別遊技状態において開閉するいわゆる電子チューリップ9等が配置されている。表示装置15の周囲には、それを囲うように装飾枠部材16が設けられており、該装飾枠部材16の上部の周壁17と外レール11とで囲まれた領域が、右打ち用通路20として機能している。
図8に示すように、該右打ち用通路20は、遊技者から見て、単に遊技球を通過させるための通路として機能しているのみで、遊技盤面14の構成としては面白味のないものとなっている。
【0006】
そこで、この装飾枠部材16に、装飾枠部材16の通路内周壁17から遊技盤面14に沿って延びる通路内装飾板18を突設し、この通路内装飾板18に装飾を施して右打ち用通路20の内底面に配置することが考えられる。この通路内装飾板18は、外レール11に当接する領域まで立設することができるので、遊技盤の正面前方に座る遊技者からみると、装飾枠部材16の周辺部分の装飾効果を向上させるものとなる。
図9に、遊技盤面上部の右打ち用通路20部分の拡大図を、遊技者側から見る正面図で示す。遊技者側から見ると、通路内装飾板18が、遊技盤面14の前面に設けられるガラス扉のガラス板22(
図10では省略)を通して観察することができる。
【0007】
しかしながら、右打ち用通路内20に、装飾効果を向上させるためのこのような通路内装飾板18を設けると、
図10に示すように、該通路内装飾板18の厚みによって遊技盤面14からの段差21が形成されることとなる。
図10は、
図9の二点鎖線qにおける遊技盤面14に垂直な断面を上方から見た図である。
遊技球aは、上記したように遊技盤面14上を移動しながら右打ち用通路20に進入するので、この段差部21に激しく衝突し、
図10に示すように、遊技盤面14に対して所定の間隔で配置されているガラス板22の方向に跳ね返ることとなり、これによって遊技球aとガラス板22との衝突が発生する。
遊技者が右打ち遊技を行う場合には、通常、発射ハンドルを限度まで目一杯回して遊技球を発射させるので、発射速度はほぼ一定となることから、遊技球aとガラス板22との衝突位置もほぼ同一位置となる。このような衝突が長時間発生すると、ガラス板22の衝突部分22aがえぐれて醜くなったり、或いはガラス板22が損傷したりするような事態が発生する。このような事態が発生すると、遊技盤を交換する際などに、ガラス板22を嵌めたガラス扉を併せて交換しなければならず、ガラス扉の再利用ができないこととなる。
【0008】
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技球通路に通路内装飾板を配設してもガラス板の損傷を防止できるパチンコ機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、ガイドレールにより遊技領域が区画形成された遊技盤と、前記遊技領域に設けられた遊技に関する演出を表示するための表示装置と、前記表示装置の周囲に設けられた装飾枠部材と、前記遊技領域を視認可能に覆うガラス板とを備え、前記遊技領域に向けて発射された遊技球が該遊技領域内を流下するように構成されたパチンコ機において、前記装飾枠部材の周壁と前記ガイドレールとの間に遊技球を通過可能な遊技球通路が設けられており、この遊技球通路の内底面に位置する前記遊技盤の盤面に沿って装飾が施された通路内装飾板を配設すると共に、遊技球が通過可能な距離を隔てて前記通路内装飾板に対向する防護板を配設し、
前記通路内装飾板における遊技球の進入側の端部に、遊技球の流れの上流側から下流側に向かって鋭角となる面取り形状の傾斜面が形成されていることを特徴としている。
【0010】
このように構成したことにより、本発明
のパチンコ機では、装飾枠部材の周壁とガイドレールとの間に設けられた遊技球通路内にも装飾を施した
通路内装飾板を配置することができると共に、
通路内装飾板に対向配置した防護板によって遊技球通路内を通過する遊技球がガラス板に衝突することを防止することができる。また
、遊技球通路に進入する遊技球は、
通路内装飾板の進入側端部に形成された傾斜面に沿って下流方向へ跳ね返されることにより、防護板には斜め方向から衝突することになって衝撃力が緩和されるため、防護板の損傷を抑制することができると共に、遊技球と防護板との衝突による騒音
を軽減することができる。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、前記防護板
における遊技球の進入側の端部にも、遊技球の流れの上流側から下流側に向かって鋭角となる面取り形状の傾斜面が形成されていることを特徴としている。
【0012】
このように構成したことにより、
遊技球がガイドレールや遊技盤の盤面に沿って落下しない場合でも、遊技球通路内に円滑に誘導することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、装飾枠部材の周壁とガイドレールとの間に設けられた遊技球通路内においても通路内装飾板を設けることができ、しかもガラス板が損傷することのないパチンコ機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の形態例に係るパチンコ機の遊技盤上部の正面図。
【
図2】
図1に示すパチンコ機のガラス扉を開けた状態での左上方からの斜視図。
【
図3】
図2に示すパチンコ機の右上方からの、外レールを除いて見た拡大斜視図。
【
図4】
図1に示すパチンコ機の右打ち通路部分の正面拡大図。
【
図5】
図4に示す右打ち通路部分の二点鎖線qでの断面を上方から見た図。
【
図6】本発明の他の実施の形態例に係るパチンコ機の通路内装飾板の正面図。
【
図7】
図6に示す通路内装飾板を用いた場合に、
図5と同様に、右打ち通路部分の断面を上方から見た図。
【
図9】従来例に係る盤面構成での右打ち通路部分の拡大正面図。
【
図10】従来例に係る
図9に示す右打ち通路部分の二点鎖線qでの断面を上方から見た図。
【
図11】本発明の実施の形態例に係るパチンコ機の外観図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態例を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明においては、遊技球が移動する方向に沿って下流方向(または下流)、その逆を上流方向(または上流)という。また遊技盤の正面を遊技者側から見た上下、左右を、それぞれ上・下、左・右と言う。同様に、手前とは、遊技者側への方向を言う。
【0016】
図11に示すように、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた前面枠2と、前面枠2の内側に収容された遊技盤3と、前面枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板22と、前面枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿7を有する前面ボード5と、前面枠2の下部に設けられた発射装置(図示せず)と、前面ボード5に取り付けられたハンドル6等を具備している。遊技盤3はガイドレールによって区画された遊技領域を有しており、このガイドレールは外レール11と内レール12(
図8参照)によって構成されている。
【0017】
表示装置15は、遊技盤3の略中央部に設けられ、始動入賞口37に遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。
【0018】
さらに、前面ボード5には、遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿7が取り付けられている。この受皿7は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置(図示せず)から賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。この受皿7に収容されている遊技球が発射装置に1個ずつ供給される。そして、ハンドル6を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置が遊技球を遊技領域14へと発射することができるようになっている。
【0019】
図1ないし
図4に示すように、遊技盤3には、表示装置15を囲むように、表面に装飾が施された装飾枠部材16が設けられている。該装飾枠部材16の上部には、遊技盤面14から手前に立設する通路内周壁17が設けられており、該通路内周壁17と外レール11とで上下に挟まれた空間によって右打ち用通路20が形成されている。
【0020】
また、装飾枠部材16には、その通路内周壁17から遊技盤面14に沿って立設し、装飾が施された通路内装飾板18が設けられている。この通路内装飾板18は、装飾枠部材16を遊技盤面14に取り付けると、右打ち用通路20内に位置するように形成されている。その際、遊技盤面14と通路内装飾板18の上流側先端部との境界部分には、該通路内装飾板18の厚みに相当する段差21を生じることになるが(
図10参照)、後述するように、通路内装飾板18の上流側先端部には面取り形状ののり面18aが形成されて斜めになっている。
【0021】
また、通路内装飾板18に対向して、防護板30が設けられている。該防護板30は、
図3から明らかなように、装飾枠部材16の通路内周壁17の手前側に、遊技盤面14と平行するように、かつ通路内装飾板18との間に遊技球が通過しうる距離を隔てて、立設されている。また、防護板30の上辺は、
図4に示すように、外レール11に達することがない高さに形成されており、したがって、遊技球aが右打ち通路20を通過すると、外レール11と防護板30との間に形成されるスリット20’から、移動する該遊技球aの上部がガラス板22を介して、直接観測できるように構成されている。また、該防護板30は、遊技球通路である右打ち通路20の入口側に、遊技球aの流下方向に沿った所定長さを持って設けられている。さらに、該防護板30は、プラスチック製であって、少なくともその上部は透明素材からなっており、該防護板30を介して、奥の通路内装飾板に形成された装飾が見えるように、かつ、通過する遊技球aの過半が見えるように構成されている。
【0022】
通路内装飾板18および防護板30は、
図3ないし
図5に示すように、下流側に向けて通路内周壁17から徐々に立ち上がるように構成され、さらに遊技球aの進入側の端面が通路内側に向けて次第に厚くなるように面取り形状に形成されている。したがって、通路内装飾板18および防護板30の上流側先端部には、遊技球の進入方向に対して傾斜するのり面18a、30aがそれぞれ形成されている。
【0023】
通路内装飾板18および防護板30は、その入口側が遊技者側から見てほぼ相似形に形成されているが、
図4および
図5に示すように、防御板30が、通路内装飾板18よりもわずかに上流側にシフトして設けられている。つまり、防護板30は、通路内装飾板18の流側先端部に形成されたのり面18aを覆うように、通路内装飾板18よりも遊技球の流れの上流側の位置から立設している。
【0024】
このように、右打ち用通路20は、上下を外レールおよび通路内周壁17で、手前および奥を防護板30および通路内装飾板18でほぼ囲まれて、遊技球1個分が通過可能な通路として構成されている。
【0025】
右打ち遊技において、外レール11と内レール12との間に形成された発射通路13から強く放出された遊技球aは、
図1に示すように外レール11と遊技盤面14に沿って遊技領域に打ち出され、この遊技領域内に配設された右打ち用通路20に進入する。
図5に示すように、遊技盤面14に沿って右打ち用通路20に進入してきた遊技球aは、通路内装飾板18ののり面18aに衝突して、ガラス板22の方向に跳ね返る。しかし、この遊技球aは、ガラス板22に衝突することなく、前方に設けられた防護板30の内側面30bに衝突する。
【0026】
ここで、遊技球aは、通路内装飾板18ののり面18aから跳ね返るので、
図10に示した例に比べて、下流方向に跳ね返ることとなる。従って、防護板30へは斜め方向から衝突することとなり、防護板30への衝撃力が緩和される。しかも防護板30はプラスチックで作製されているので、その衝突に伴う騒音は、ガラス板22に衝突する場合に比べて遥かに軽減される。また、防護板30は右打ち通路20の入口側(上流側)にのみ設けられているが、これは、遊技球aの跳ね返る衝撃力が、通路内装飾板18ののり面18aからのものが最も大きいことによるものである。
【0027】
このように、本発明では、通路内装飾板18を設けて装飾性を向上させたとしても、右打ち通路20の上流側におけるガラス板22への遊技球aの衝突を防護板30によって防止することができるので、ガラス板22の損傷を防止でき、遊技盤3を取り替える際にガラス扉4の再使用をすることができる。また、ガラス板22に遊技球が激しく衝突することがないので、右打ち遊技中における騒音を軽減することができる。さらに、通路内装飾板18および防護板30の進入口側にのり面18a、30aが形成されているので、遊技球aが外レール11や遊技盤面14に沿って流下しない場合でも(発射ハンドルの回動量が少ないと、そのような場合が生じる)、右打ち通路20内に円滑に誘導することができる。
【0028】
また、防護板30は、通路内装飾板18よりも遊技球の流れの上流側の位置から立設しているので、遊技球aが通路内装飾板18に衝突してガラス板側に不規則に跳ね返ったとしても、遊技球とガラス板との衝突を確実に回避することができる。
【0029】
さらに、防護板30は、
図3および
図4に示すように、遊技球の流れの上流側から下流側に向かって徐々に高くなるような傾斜が形成されていると共に、防護板30の遊技球通路側内壁面の上端部には、上方から下方にかけて前記防護板の厚さを厚くする上端側テーパー面30cが形成されている。したがって、遊技球aが防護板30側に跳ね返っても、防護板30と上レール11との間隙に遊技球aが挟まれることなく下流側に確実に流れるので、右打ち用通路20内で遊技球の玉詰まりが発生することはない。
【0030】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術思想の範囲で様々な変形が可能である。変形例としては、例えば以下のものがある。
(1)上述した実施形態では、通路内装飾板18の上流側先端部にのり面(斜面)18aを設けたが、該のり面18aは必ずしも設ける必要はない。しかしながら、該のり面18aを、
図6(b)に示すように、遊技球の流れの上流側から下流側に向かって鋭角αとなるようにテーパー面18a’として形成すると、
図7に示すように、該テーパー面18a’で跳ね返る遊技球は、
図5および
図6(a)と対比して明らかなように、より下流方向に跳ね返るので、防護板に当たる衝撃力はより小さくなる。したがって、騒音をより小さくすることができる。
(2)上述した実施形態では、防護板30に進入側テーパー面30a、或いは上端側テーパー面30cが設けられているが、防護板30と外レールとの間隙を遊技球の半径(5.5ミリメートル)未満に設定すると、この間隙に遊技球が嵌ることはないので、これらテーパー面は必ずしも必要ない。しかしながら、これらテーパー面を設けることにより、外レール11や遊技盤面14に沿って流下しない遊技球aを右打ち通路20内に円滑に案内することができる。
(3)防御板30の少なくとも上部は透明素材で作製されているが、防護板30と外レールとの間隙を、遊技球が通過していることを視認することが可能な幅に設定することで、必ずしも透明素材でなくても良い。しかし、この場合、防護板30は、奥側の通路内装飾板18の視認の妨げにならないように、流下方向での長さを最小限にする必要がある。
(4)防護板30の遊技球aが衝突する面には、透明な消音シールを貼付するなどの消音処理を施すことができる。このような消音処理を施すことで、遊技球aの衝突による騒音を一層軽減することができる。
【符号の説明】
【0031】
3 遊技盤
4 ガラス扉
11 外レール
12 内レール
13 発射通路
14 遊技盤面
15 表示装置
16 装飾枠部材
17 通路内周壁
18 通路内装飾板
18a のり面
20 右打ち用通路(遊技球通路)
22 ガラス板
30 防護板
30a のり面