特許第5959588号(P5959588)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5959588スプライシング・コネクタ用の永久接地点
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5959588
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】スプライシング・コネクタ用の永久接地点
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/64 20060101AFI20160719BHJP
   H01R 31/06 20060101ALI20160719BHJP
   H01R 11/11 20060101ALI20160719BHJP
   H01R 4/38 20060101ALI20160719BHJP
   H01R 4/58 20060101ALN20160719BHJP
   H02B 5/01 20060101ALN20160719BHJP
【FI】
   H01R4/64 A
   H01R31/06 A
   H01R11/11 G
   H01R4/38 B
   !H01R4/58 Z
   !H02B5/01
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-193414(P2014-193414)
(22)【出願日】2014年9月24日
(65)【公開番号】特開2015-97200(P2015-97200A)
(43)【公開日】2015年5月21日
【審査請求日】2015年1月20日
(31)【優先権主張番号】61/882,293
(32)【優先日】2013年9月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/483,958
(32)【優先日】2014年9月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514127079
【氏名又は名称】トーマス アンド ベッツ インターナショナル,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(72)【発明者】
【氏名】ラリイ エヌ.シーベンス
(72)【発明者】
【氏名】カルロス エッチ.ヘルナンデス
【審査官】 前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−299908(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0217876(US,A1)
【文献】 実開昭63−159271(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/64
H01R 4/38
H01R 11/11
H01R 31/06
H01R 4/58
H02B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側ハウジングと、前記外側ハウジング内に設けられ、少なくとも3つの外向きに延在する部分を備える中心導体とを有するヨークを備える電気コネクタ・アセンブリであって、
前記中心導体の第1の外向きに延在する部分および第2の外向きに延在する部分は、それぞれ第1および第2の電力ケーブルに接続されており、
前記中心導体の第3の外向きに延在する部分は、前記中心導体に機械的および電気的に接続される永久接地点を有し、前記永久接地点は、システム接地に接続された接地装置が前記永久接地点に付設されたときに、前記電気コネクタ・アセンブリ全体が接地されるようにし、
前記永久接地点はさらに、前記ヨークの前記外側ハウジングと一体的に形成されたポートと、前記ポート内に位置付けられて、前記中心導体の一部分内へと延在する接触子と、前記ポートの前記接触子と噛み合わされ、接地装置への取り付けのために前記ヨークの前記外側ハウジングから延在する接地棒とを備えることを特徴とする電気コネクタ・アセンブリ。
【請求項2】
前記ヨークは、2方ヨーク、3方ヨーク、または4方ヨークを含む、請求項に記載の電気コネクタ・アセンブリ。
【請求項3】
前記第1の外向きに延在する部分および前記第2の外向きに延在する部分の各々は、それぞれ前記第1および第2の電力ケーブルに接続するための鋤形部分をさらに備える、請求項に記載の電気コネクタ・アセンブリ。
【請求項4】
それぞれ前記第1および第2の電力ケーブルに接続された第1および第2の圧着コネクタをさらに備え、前記第1および第2の圧着コネクタは、それぞれ前記第1および第2の外向きに延在する部分の前記鋤形部分に固着するように構成される、請求項に記載の電気コネクタ・アセンブリ。
【請求項5】
前記第1の外向きに延在する部分と前記第1の電力ケーブルとの間のインターフェイスを提供するための第1のケーブル・レセプタクル、および、前記第2の外向きに延在する部分と前記第2の電力ケーブルとの間のインターフェイスを提供するための第2のケーブル・レセプタクルをさらに備え、前記第1および第2のケーブル・レセプタクルは、前記ヨークの前記外側ハウジングへ係合するように構成される、請求項に記載の電気コネクタ・アセンブリ。
【請求項6】
前記接地棒は、前記接触子の雌ねじと、前記接地棒の対応するねじ付き雄突起とによって前記ポートの前記接触子に噛み合わされる、請求項に記載の電気コネクタ・アセンブリ。
【請求項7】
前記接地棒は、ボール・タイプの接地クランプへの取り付けのために、前記ヨークの前記外側ハウジングから延在する前記接地棒の、前記外向きに延在する部分上に、丸められたボール・エンドをさらに備える、請求項に記載の電気コネクタ・アセンブリ。
【請求項8】
前記接地棒への取り付けのために使用される前記接地装置は、棒材タイプの接地クランプである、請求項に記載の電気コネクタ・アセンブリ。
【請求項9】
前記永久接地点は取り外し可能な接地棒キャップをさらに備え、前記接地棒キャップは、前記電気コネクタ・アセンブリと、連結された電力ケーブルとが通電されるときには、前記永久接地点の上方に正確に適合して前記永久接地点を充分に被覆するように形作られ、前記電気コネクタ・アセンブリと、連結された電力ケーブルとが接地されて保守点検される必要があるときには、前記永久接地点から取り外すことができる、請求項に記載の電気コネクタ・アセンブリ。
【請求項10】
電気コネクタ・アセンブリを接地するための方法であって、
電気コネクタのヨークに電気接続された永久接地点から成る外向きに延在する部分を有する電気コネクタを提供する工を含み
前記永久接地点は、前記ヨークの外側ハウジングと一体的に形成されたポートと、前記ポート内に位置付けられて、前記ヨークの中心導体の一部分内へと延在する接触子と、前記ポートの前記接触子に噛み合わされ、接地装置へ取り付けるために前記ヨークの前記外側ハウジングから延在する接地棒とを備えており、
前記方法は、さらに、
電気コネクタ・アセンブリ、および、前記電気コネクタ・アセンブリに電気接続された任意の機器を非通電にする工程と、
前記永久接地点の上方に正確に適合して前記永久接地点を充分に被覆するように形作られた、取り外し可能な接地棒キャップを取り外す工程と、
システム接地にも接続されている接地装置を、前記永久接地点に接続して、前記電気コネクタ・アセンブリを安全に接地する工程と、
前記電気コネクタ・アセンブリに電気接続された機器に対し、保守点検を実施する工程と、
前記永久接地点から前記接地装置を切り離す工程と、
前記永久接地点の上方に、前記取り外し可能な接地棒キャップを再設置する工程と、
前記電気コネクタ・アセンブリ、および、前記電気コネクタ・アセンブリに電気接続された任意の機器に再通電する工程とを含む、電気コネクタ・アセンブリを接地するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一般に、本発明は、2本以上の電気ケーブルを接合するためのスプライシング・コネクタなどの電気ケーブル・コネクタ用の永久接地点に関する。より詳細には、本願明細書に記載される実施態様は、スプライシング・コネクタのポートに永久的に付設された接地棒に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
この出願は、その開示内容が本願明細書における引用によって本願明細書に組み込まれている、2013年9月25日に出願された米国仮特許出願No.61/882,293号に基づき、米国特許法第119に定める優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
典型的に15〜35キロボルト(kV)の範囲内で動作し、「I」、「Y」、および「H」型スプライシング・コネクタなどのコネクタを含む、中電圧および高電圧電気ケーブル・コネクタは、安全に保守点検されるために、非通電にされた後にシステム接地に連結されなければならない。現在使用されているスプライシング・コネクタにおいては、接続された連結部の1つの脚部が、まず連結解除されなければならず、次いで、このスプライスをシステム接地に連結するために、接地クランプなどの接地装置が付設され得る。このことは、スプライスの部分的分解を必要とするため、時間を要する業務となっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、「I」、「Y」、および「H」型スプライシング・コネクタなどの中電圧および高電圧電気ケーブル・コネクタ用の永久接地点を提供する。この永久接地点により、スプライシング・コネクタを保守点検する作業員が、このコネクタの接地点に接地クランプを付設することが簡便になり、それによって、スプライスの脚部を連結解除する必要性なしに、スプライスがシステム接地に容易に連結され得るように、スプライシング・コネクタ上のポートに永久的に付設される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本発明の永久接地点を有し、この接地点から取り外された、接地点用の成形カバー・キャップを有する、完全に組み付けられたスプライシング・ケーブル・コネクタの断面側面図である。
図2】レセプタクルが図示されておらず、接地点から取り外された、接地点用の成形カバー・キャップを有する、本発明のスプライシング・ケーブル・コネクタの永久接地点の断面側立面図である。
図3】接地点から取り外された、接地点用の成形カバー・キャップを有する、本発明のスプライシング・ケーブル・コネクタの永久接地点の断面平面図である。
図4】レセプタクルが図示されておらず、成形カバー・キャップが接地点上に設置された状態の、本発明のスプライシング・ケーブル・コネクタの永久接地点の断面側立面図である。
図5】成形カバー・キャップが接地点上に設置された状態の、本発明のスプライシング・ケーブル・コネクタの永久接地点の断面平面図である。
図6】レセプタクルが図示されておらず、コネクタを接地するためのボール・タイプの接地クランプを有する、本発明のスプライシング・ケーブル・コネクタの永久接地点の断面側立面図である。
図7】レセプタクルが図示されておらず、コネクタを接地するための棒材タイプの接地クランプを有する、本発明のスプライシング・ケーブル・コネクタの永久接地点の断面側立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の上記および他の特徴、実施態様および効果について、好ましい実施形態と添付の特許請求の範囲とを用いて、以下に詳細に説明する。なお、添付の図面全体にわたって同一の参照符号は同様の素子を指すものとする。
【0007】
図1には、本願明細書に記載された実装例と整合性を有する態様で構成された電力ケーブル・スプライシング・コネクタ100を例示する断面線図が示されている。図1に示されるように、電力ケーブル・スプライシング・コネクタ100は、電力ケーブル104−1、104−2、104−3、および104−4(総称的には「電力ケーブル104」、および個別的には「電力ケーブル104−x」)の連結を実現するための4方ヨーク102を含み得る。たとえば、電力ケーブル104−1は供給ケーブルであり得、ケーブル104−2〜104−4は装荷ケーブルであり得る。3方ヨーク・コネクタ、2方ヨーク・コネクタ、その他などの他のタイプの電力ケーブル・スプライシング・コネクタが、本願明細書に記載された実装例に従って構成されてよい。
【0008】
一実装例において、電力ケーブル・スプライシング・コネクタ100のヨーク102は、中心導体106と、複数個のスプライス開口108−1〜108−4(総称的には「スプライス開口108」、および個別的には「スプライス開口108−x」)とを含み得る。中心導体106は、銅、アルミニウム、または他の導電性合金などの、好適に導電性の材料で形成され得る。さらに、図1に示されるように、中心導体106は、それぞれのスプライス開口108−xから突出する、外向きに延在する部分110−1〜110−4(総称的には「外向きに延在する部分110」、および個別的には「外向きに延在する部分110−x」)を含み得る。以下にさらに詳細に説明するように、中心導体106は、1本のケーブルに印加される電圧が他のケーブルの各々に転送されるように、電力ケーブル104−xの各々を、他の電力ケーブル104−xの各々に連結し得る。
【0009】
外向きに延在する部分110は、電力ケーブル104のコネクタ部分を受けるように構成され得る。たとえば、各延在する部分110−xは、その中にコネクタ・ボルト114を受けるためのねじ付き穴112を有する鋤形部分111を含み得る。一構成において、図1に例示されるように、外向きに延在する部分110−1は、外向きに延在する部分110−2とは反対方向に延在し、外向きに延在する部分110−3は、外向きに延在する部分110−4とは反対方向に延在する。さらに、外向きに延在する部分110−1および110−2は、それぞれ、外向きに延在する部分110−3および110−4に対して平行に配向され得る。このような構成は、電力供給ケーブル(たとえば、ケーブル104−1)の、複数の装荷ケーブル(たとえば、ケーブル104−2〜104−4)へのコンパクトな接続または分割をもたらし得る。
【0010】
図1に示されるように、各スプライス開口108−xは、ケーブル・レセプタクル116−x(個別的にはケーブル・レセプタクル116−x、または総称的にはケーブル・レセプタクル116)に摩擦係合するように構成された、実質的に円筒形のフランジまたはカフ部分を含む、ケーブル・レセプタクル・インターフェイスを含む。たとえば、ケーブル・レセプタクル116−xの前方端の内径は、スプライス開口108−xのカフ部分に摩擦係合するようにサイズ決定され得る。各ケーブル・レセプタクル116−xは、実質的に円筒形であり得、電力ケーブル104と延在する部分110との間のインターフェイスを取り囲んで保護するように構成され得る。
【0011】
ヨーク102は、たとえば、通常、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン・モノマー)と称される過酸化物硬化合成ゴムから形成された外側シールド120を含み得る。シールド120内において、ヨーク102は、典型的に絶縁性ゴムまたはエポキシ材料から成形された絶縁性内側ハウジング122を含み得る。中心導体106は、絶縁性内側ハウジング122内に封入され得る。
【0012】
ケーブル・レセプタクル116に関し、各ケーブル・レセプタクル116−xは、EPDM外側シールド124と、典型的に絶縁性ゴムまたはエポキシ材料から成形された絶縁性内側ハウジング126とを含み得る。ケーブル・レセプタクル116−xはさらに、貫通する穴を有する、導電性または半導電性の挿入体128を含む。組み付けに際し、ケーブル・レセプタクル116−xは、電力ケーブル104−xと、外向きに延在する部分110−xとの間におけるインターフェイスを取り囲む。一実装例において、挿入体128の前方端は、スプライシング・コネクタ100の組み付けに際し、中心導体106の、外向きに延在する部分110−xに摩擦係合するように構成され得、それにより、スプライシング・コネクタ100の電気的一体性を確保する。
【0013】
電力ケーブル104を参照すると、各電力ケーブル104−xの前方端は、電力ケーブル104−xを圧着コネクタ130に連結することによって準備され得る。圧着コネクタ130は、電力ケーブル104−xのケーブル導体132をその中に受けるように構成された、実質的に円筒形のアセンブリを含み得る。電力ケーブル104−xの準備中に、圧着コネクタ130の一部分は物理的に変形されて(たとえば圧着されて)、圧着コネクタ130をケーブル導体132に係止し得る。圧着コネクタ部分130は、中心導体106の、外向きに延在する部分110−xの鋤形部分111に確実に係止されるように構成された前方鋤形部分134を含み得る。たとえば、前方鋤形部分134は、鋤形部分111内の穴112とアライメントするように構成された穴(図示せず)を含み得る。コネクタ・ボルト114は、スプライス・コネクタ100の組み付け中に、この穴を経由してねじ付き穴112内に挿入され得る。
【0014】
図1に示されるように、準備された電力ケーブル104の各々はさらに、圧着コネクタ130を基準として後方に配設されたアダプタ138を含み得る。アダプタ138は、電力ケーブル104−xに付着させることができ、ケーブル・レセプタクル116−xの後方部分との摩擦係合をもたらし得る。一実装例において、アダプタ138は、ゴムまたはエポキシなどの絶縁性材料で形成され得る。
【0015】
例示的一実装例において、電力ケーブル・スプライシング・コネクタ100は、スプライシング・コネクタ100内の電圧を検知するための電圧検出試験点アセンブリ140を含み得る。電圧検出試験点アセンブリ140は、外部電圧検出装置(図示せず)が、スプライシング・コネクタ100に纏わる電圧を検出および/または測定することを可能にするように構成され得る。
【0016】
たとえば、図1に例示されるように、電圧検出試験点アセンブリ140は、ヨーク内側ハウジング122の一部分内に埋設され、かつ、ヨーク外側シールド120内の開口を通って延在する、試験点端子142を含み得る。例示的一実施形態において、試験点端子142は、導電性金属または他の導電性材料で形成され得る。この態様において、試験点端子142は、スプライシング・コネクタ100内の電気導体要素(たとえば、中心導体106)に容量結合され得る。
【0017】
本願明細書に記載された実装例と整合性を有して、試験点キャップ144は、試験点端子142および外側シールド120に封止係合し得る。一実装例において、試験点キャップ144は、導電性添加剤と配合されたEPDMなどの半導電性材料で形成され得る。試験点端子142に接触が行われていないとき、試験点キャップ144が試験点アセンブリ140上に装着されていることが考えられる。試験点キャップ144が導電性または半導電性の材料で形成されているため、試験点キャップ144は、定位置にあるときに、試験点を接地し得る。試験点キャップ144は、たとえば、当該業界において「ホット・スティック」と称される、架線要員の鉤状工具(図示せず)を使用して、試験点キャップ144の取り外しを容易にするための窓146を含み得る。
【0018】
本願明細書に記載された実装例と整合性を有して、ヨーク102は、そこから突出する永久接地点148を含み得る。図1に示されるように、永久接地点148は、ポート152から延在する接地棒150から成る。絶縁性内側ハウジング122および外側ハウジング120の一部分は、永久接地点148のポート152の周囲に形成され得る。一実装例において、永久接地点148は、外向きに延在する部分110から実質的に垂直に突出することが考えられ、それにより、妨害するものが比較的少なくなる。
【0019】
電力ケーブル104(または、電力ケーブル104に連結された装置)のうちのいずれかに作業を実施する必要があるとき、および、システムが非通電にされた後に、作業員は、接地クランプ170または172(図6および図7に図示)などの接地装置を永久接地点148の接地棒150に連結して、電力ケーブル・スプライシング・コネクタ100がシステム接地に適切に連結され、それによって電力ケーブル・スプライシング・コネクタ100が安全に保守点検され得ることを確保し得る。作業員が電力ケーブル・スプライシング・コネクタ100に対する自らの作業を終えると、(以下に詳細に説明する)接地棒キャップ160は、永久接地点148を充分に受けて、接地点148および接地棒150を充分に被覆し得る。接地棒キャップ160が設置された状態で、システムは、再び安全に通電され得る。
【0020】
図2は、電力ケーブル・スプライシング・コネクタ100の永久接地点148の断面側立面図である。図2では、以前に説明し、図1に示されたケーブル・レセプタクル116が示されておらず、ケーブル・レセプタクル116によって収容されているスプライシング・コネクタ100の部品も示されていない。図2は、接地棒150およびポート152から成る永久接地点148を示す。システムが安全に通電されるようにするために永久接地点148上に設置され得る接地棒キャップ160もまた、示されている。図2に示される一実装例において、ポート152は、内側ハウジング122に機械的および電気的に固定されるように内側ハウジング122と一体的に形成され得、その中に設けられた接触子154を含み得る。接触子154は、中心導体106内に設けられたねじ付き穴を介してなどして、中心導体106の対応する部分内へと延在し得る。接触子154は、図3に示されるように、接地棒150のねじ付き雄突起156を受けるために、その外側端において図3に示されるように雌ねじ155を含み、永久接地点148を形成するために、スプライシング・コネクタ100のポート152内において接地棒150が接触子154に連結された状態を保ち得る。この配列は、接地棒150が、ヨーク102の中心導体106に導電的に連結できるようにし、このことは、今度は、システム接地に適切に連結された接地クランプなどの接地装置に接地棒150が連結されたときに、スプライシング・コネクタ100および任意の付設されたケーブルが、システム接地に連結できるようにする。
【0021】
図2および図3は、以前に述べた接地棒キャップ160をより詳細に示す。図2は、スプライシング・コネクタ100の永久接地点148および接地棒キャップ160の断面側立面図を例示し、その一方で、図3は、スプライシング・コネクタ100の永久接地点148および接地棒キャップ160の断面平面図を例示する。これらの図の両方で示されるように、接地棒キャップ160は、EPDM外側シールド162と、典型的に絶縁性ゴムまたはエポキシ材料から成形された絶縁性内側ハウジング164とを含み得る。接地棒キャップ160は、永久接地点148に係合してポート152および接地棒150を充分に被覆するための空隙168を含む。図2および図3からは、接地棒150が、丸められたボール・エンド158から成ることも視認され得る。接地棒キャップ160の空隙168は、接地棒150および丸められたボール・エンド158の輪郭に形作られる。さらに、接地棒キャップ160は、キャップ160の外側端において窓166を含む。窓166は、たとえばホット・スティック(図示せず)を使用して、接地棒キャップ160を永久接地点148から取り外すことを容易にするために含まれている。
【0022】
図4および図5は、それぞれ図2および図3に記載された同じ実装例を例示しているが、図4および図5では、接地棒キャップ160が、ポート152および接地棒150を充分に封入するように、永久接地点148上に設置されていることが示されている。図4および図5に示されるように、接地棒キャップ160が永久接地点148上に設置されている状態で、スプライシング・コネクタ100のシステムは、安全に通電され得る。図4および図5において、接地棒キャップ160の空隙168(図2および図3において図示)が、接地点148全体、および、接地点148が含む実装物の上方に完全に位置付けられるように、サイズ決定されていることが視認され得る。
【0023】
最後に、図6および図7には、スプライシング・コネクタ100および任意の付設されたケーブルをシステム接地に連結するために、永久接地点148の接地棒150に付設され得る、2つのタイプの接地装置が示されている。図2図5と同様に、図6および図7においても、以前に説明され、図1に示されたケーブル・レセプタクル116は示されておらず、ケーブル・レセプタクル116によって収容されているスプライシング・コネクタ100の部品も示されていない。図6および図7において、接地棒キャップ160は、永久接地点148から取り外されている。作業員がスプライシング・コネクタ100を安全に保守点検することができるように、接地棒キャップ160が取り外される前にシステム全体が非通電にされたことが想定される。接地棒キャップ160が接地点148から取り外された状態で、接地棒150は、システムを接地するために、接地装置が接地棒150に電気的および機械的に連結され得るように露出される。
【0024】
図6および図7では、2つの異なる接地装置が示されている。図6では、ボール・タイプの接地クランプ170が示されており、図7では、棒タイプの接地クランプ172が示されている。図6において、ボール・タイプの接地クランプ170は、接地棒150に取り付くために、接地棒150のボール・エンド158を受け入れる受け凹部171を有していることが示されている。図7において、棒タイプの接地クランプ172は、接地クランプ172の端部分173において、接地棒150に取り付いている。両方の実装例において、接地クランプ170または172は、接地クランプ170または172が接地棒150に一旦付設されると、スプライシング・コネクタ100および任意の付設されたケーブルを接地するために、システム接地に連結される。接地クランプ170および172が、示された、ただ2つの接地装置であるものの、スプライシング・コネクタ100をシステム接地に連結するために、他のタイプの接地装置を、接地棒150に取り付けるために利用可能であり得ることが理解される。
【0025】
この発明について、上で詳細に説明してきたが、関連技術において技量を有する者らにとっては、この発明が、この発明の精神から逸脱することなく改変され得ることが明らかである旨が、はっきりと理解される。この発明に対しては、この発明の精神および範囲から逸脱することなく、形式、設計、または配列の様々な変更が行われてよい。したがって、上述の説明は、限定よりもむしろ例示と考えられるべきであり、この発明の真の範囲は、以下の特許請求の範囲において規定される範囲である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7