(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
支持部(58)上に形成されそれぞれが正孔注入のための第1の型の半導体領域(68、70)及び電子注入のための第2の型の半導体領域(72、74)を含む第1及び第2の発光ナノワイヤ(60、62)と、
前記第1及び第2の発光ナノワイヤ(60、62)の直列電気的接続と、を少なくとも含む光電子デバイスであって、
前記直列電気的接続が、
前記支持部(58)上に形成されて前記第1のナノワイヤ(60)の前記正孔注入領域(68)と共に電流が流れることを可能にする電気的経路を形成することが可能な第1の領域(84)、前記第2のナノワイヤ(62)の前記電子注入領域(74)と共に電流が流れることを可能にする電気的経路を形成することが可能な第2の領域(90)、並びに前記第1及び第2の領域(84、90)と接触し、それらの間を電流が流れることを可能とする第3の領域(92)、を含む接続ナノワイヤ(82)と、
前記第1のナノワイヤ(60)の前記正孔注入領域(68)及び前記接続ナノワイヤ(82)の前記第1の領域(84)と接続し、前記第2のナノワイヤ(62)から電気的に絶縁された第1の導電領域(86)と、
前記接続ナノワイヤ(82)の前記第2の領域(90)及び前記第2のナノワイヤ(62)の前記電子注入領域(74)と接続し、前記第1のナノワイヤ(60)から電気的に絶縁された第2の導電領域(88)と、を含む、光電子デバイス。
前記第1及び第2の発光ナノワイヤ(60、62)のそれぞれが、前記支持部(58)上に形成され前記正孔注入領域または電子注入領域を形成する端部(72、74)を有する半導体コア(64、66)及び前記コア(64、66)を少なくともその上部を覆うように取り囲み前記正孔注入領域と前記電子注入領域のうちもう一方の領域を形成する半導体シェル(68、70)を含む、請求項1に記載の光電子デバイス。
前記接続ナノワイヤ(82)が、前記接続ナノワイヤの前記第1及び第2の領域をそれぞれ形成する少なくとも第1及び第2の部分上にシェルを有さない第1の型の半導体コアを含む、請求項2または3に記載の光電子デバイス。
前記支持部(58)が、上に形成された前記第2の導電領域を形成する平面導電コンタクト(88)を有する平面化電気的絶縁層(102)を含み、前記コンタクトが前記接続ナノワイヤ(82)およびその上に形成された前記第2の発光ナノワイヤ(62)を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の光電子デバイス。
電気的に並列接続された発光ナノワイヤの少なくとも2つの組立体(140、142)から形成される発光ナノワイヤのネットワークを含み、組立体の少なくとも1つのナノワイヤが電気的直列接続によって他の組立体のナノワイヤと直列接続される、請求項1から9のいずれか一項に記載の光電子デバイス。
支持部上に形成された少なくとも1つの第1の発光ナノワイヤ及び少なくとも1つの第2の発光ナノワイヤを含み、前記第1及び第2の発光ナノワイヤが前記支持部上に形成され正孔注入領域または電子注入領域を形成する端部を有する半導体コア並びに前記コアを少なくともその上部を覆って取り囲み前記正孔注入領域及び電子注入領域のうちもう一方の領域を形成する半導体シェルを含む光電子デバイスを製造する方法であって、
上に形成された下部導電層を有する電気的絶縁層を含む支持部を形成する段階、
前記支持部上に、それぞれが第1の型の半導体コア及び前記コアを少なくともその上部を覆って取り囲む第2の型の半導体シェルを含む3つの同一の発光ナノワイヤであってその2つが電気的コンタクト上に形成される、発光ナノワイヤを形成する段階、
平面化電気的絶縁層を前記支持部上に成膜して前記ナノワイヤを覆い、前記ナノワイヤの自由端を前記層からわずかに露出させる段階、
前記下部導電層上に形成された前記2つのナノワイヤの一方の前記自由端から前記シェルの部分を除去してその前記コアを解放する段階、並びに
前記平面化絶縁層上に上部電気的コンタクトを成膜して前記下部導電層上に形成されていないナノワイヤの自由端及び、前記シェルの一部が取り除かれた前記ナノワイヤの前記自由端を覆う段階、を含む、光電子デバイスを製造する方法。
【背景技術】
【0002】
概略的に、LEDは電子注入のための半導体領域、正孔注入のための半導体領域、及び注入された電子及び正孔が放射性再結合を行ういわゆる「活性」半導体領域を含む。
【0003】
LEDの製造に用いられる第1の技術はいわゆる「プレーナ」技術である。プレーナ技術は特に量子効率及び/または用いられる異なる材料間のメッシュ適合及び/または放出されることが可能な波長の限界に関して数多くの論争を提起しており、多重量子井戸閉じ込め構造を有するナノワイヤに基づくLEDが開発されている。そのようなナノワイヤ及びより具体的にはそれらの製造方法は、特に多くの利点を有し、特に以下の利点を有する。
・他とメッシュパラメータが適合しない材料からなるそれぞれのナノワイヤが可能である、基板上へのナノワイヤの成長。そのため、大きな寸法および導電性を有して製造することが可能な低コスト基板であるシリコンが、III−N材料からなるナノワイヤの成長に想定可能であり、これはプレーナ技術では不可能である。この変更点は、特に電子注入レベルにおいて製造コスト及び製造プロセスの簡略化の点の両方に利点を有する。
・自由表面における応力緩和による良好な結晶品質。そのため、プレーナ構造に関して非放射性再結合中心の数を減少させ、特にLEDの量子効率に悪影響を及ぼすこととなる貫通欠陥をなくすことが可能である。
・製造プロセスを複雑化させることのない、光のより良好な取り出し。
【0004】
LEDを形成するために用いられるナノワイヤは、当技術分野において2つのカテゴリに区別することができる。
・ナノワイヤの活性領域が軸方向エピタキシー多重量子井戸を有する、すなわちナノワイヤの成長軸に沿って成長した閉じ込め構造を含むこと。
・ナノワイヤの活性領域が半径方向エピタキシー多重量子井戸を有する、すなわちナノワイヤ成長軸の周囲に形成された体積内の閉じ込め構造を含むこと。
【0005】
図1は、軸方向エピタキシー多重量子井戸を有するナノLED10を形成するナノワイヤの一例を断面図で概略的に示している。ナノLED10はシリコンでnドープされ、n+ドープされたシリコン基板12上に形成されたGaN層14並びにその上に形成された意図的にドープされていないGaN領域18及びInGaN領域20を交互に配置してなる軸方向多重量子井戸が形成された活性領域16を有する。マグネシウムでpドープされたGaN領域22が、pドープされ活性領域16上に成膜されたEBL(Electron Blocking Layer)と通常呼ばれるAlGaN電子遮断領域24上にさらに成膜される。
【0006】
この軸方向幾何形状に従えば、電子及び正孔は活性領域16内にそれぞれ領域14及び領域22を介して基板12によって注入され、活性領域16のInGaN量子井戸20内で少なくとも部分的に放射性再結合する。
【0007】
図2は、n+型にドープされた基板32上に成膜されたコア34の周囲に半径方向エピタキシーによって成長した多重量子井戸を有するナノLED30を形成するナノワイヤの一例を断面図で概略的に示している。ナノLED30はシリコンでnドープされたGaNから形成されたコア34並びに意図的にドープされていないGaN領域38及びInGaN領域40を交互に配置して形成された半径方向多重量子井戸を有する活性領域36を含み、EBL体積部44が活性領域36を取り囲み、EBL体積部44自体はマグネシウムでpドープされたGaN体積42で取り囲まれている。
【0008】
領域36、44及び42はさらに電気的に絶縁性の層46上に形成され、コア34は基板32と直接接して形成される。
【0009】
この半径方向の幾何形状に従えば、電子及び正孔は活性領域36内にそれぞれコア34及び領域42を介して基板32によって注入され、活性領域36のInGaN量子井戸40内で少なくとも部分的に放射性再結合する。ホール注入領域及び電子注入領域の一方が、活性再結合領域を含むコアを少なくとも部分的に取り囲むシェルを形成するナノワイヤ構造は、通常「コア/シェル」と呼ばれる。
【0010】
ナノワイヤの軸方向または半径方向の構成のいずれであっても、ナノワイヤアレイの電力供給は、従来は並列でなされている。並列接続の一例を
図3及び4に示す。これらは図示された例では3つのナノワイヤによって3ナノワイヤアレイであるLEDのそれぞれナノワイヤ10、30のアレイ50を含むLEDの簡略化した上面図及び
図3のAA平面に沿った簡略化された断面図である。
【0011】
図示されるように、ナノワイヤ10、30は電気的に絶縁性の材料からなる平面化層52に埋め込まれ、層52上に形成された上部電極54と上に形成されたナノワイヤ10、30を有する基板12、32の下部に配置された下部電極56との間に並列に接続される。多くの並列接続の配置がこれまで設計されてきており、例えば特許文献1から6に記載されている。
【0012】
電流がナノワイヤ内に流れることができるようにするためには、このナノワイヤはナノワイヤの形状的特性(高さ、直径など)、構造的特性(伴われる半導体材料のドープレベル、結晶品質、井戸及びバリアの構成など)、及びナノワイヤとの接触の「局所的」品質に依存する値を有する最小電力供給電圧、すなわち「しきい電圧」に従わなければならない。現在、厳密に同一のナノワイヤを製造することは不可能であり、ナノワイヤは形状的特性及び構造的特性のばらつきのために異なるしきい電圧を有する。
【0013】
しかしながら、ナノワイヤの並列接続は、全てのナノワイヤに同一の電位差をかける。そのため、ナノワイヤのしきい電圧に顕著な変動がある場合、同時に全てのナノワイヤを導電状態に切り替えることは困難であり不可能でさえある。さらに、並列接続はナノワイヤの短絡を発生させうる。特に、欠陥のあるナノワイヤは主要な導電経路を生成し、そのため強い漏洩電流を発生させることとなる。これらの欠点は全て、通常数ナノメートルから数マイクロメートルの範囲の直径を有し数百ナノメートルから数十マイクロメートルの範囲の高さを有する小さな寸法のナノワイヤのためにより重大であるため、それらの特性は全て欠陥に対してより鋭敏になる。
【0014】
さらに、LEDの光強度は主に流れる電流の大きさの関数であり、供給電極に印加される電力供給電圧の値の関数ではない。実質的に同一な電位差が全てのナノワイヤに印加されれば、それらの特性間の差により、ナノワイヤを流れる電流は異なるものとなりえ、1つのナノワイヤから放出される照度に他のナノワイヤとの顕著な変動を発生させうる。
【0015】
同時に、発光デバイスの直列接続が知られており、例えば特許文献7及び8に記載されている。しかしながら、ここでの直列接続は大きな水平方向寸法を有するデバイスに関連している。そのため、前者はプレーナLEDの直列接続を参照しており、後者は2つのプレーナ電極間に介在するナノワイヤを集積したLEDデバイスの接続を考慮している。
【0016】
ナノワイヤの直径が小さいため、従来技術の直列接続技術は適用することができない。特に関連する寸法および用いられる成長方法では克服できない技術的障壁が存在する。例えば、特許文献8の金線による直列接続は、直列に2つの隣接するナノワイヤを接続するのに用いることができないことは容易に理解することができる。同様に、特許文献7に記載された直列接続は、溝上の金属コンタクトの成膜を提供するために傾斜した側面を必要とし、2つの実質的に垂直なナノワイヤを直列に接続するのに用いることができないことは容易に理解できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、発光ナノワイヤを直列的に接続することを可能にする電気的接続を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
この目的のために、本発明は、
・支持部上に形成されそれぞれが正孔注入のための第1の型の半導体領域及び電子注入のための第2の型の半導体領域を含む第1及び第2の発光ナノワイヤと、
・前記第1及び第2の発光ナノワイヤの直列電気的接続と、を少なくとも含む光電子デバイスであって、前記直列電気的接続は、前記支持部上に形成されて前記第1のナノワイヤの前記正孔注入領域と共に電流が流れることを可能にする電気的経路を形成することが可能な第1の領域、
前記第2のナノワイヤの前記電子注入領域と共に電流が流れることを可能にする電気的経路を形成することが可能な第2の領域、
並びに前記第1及び第2の領域と接触し、それらの間を電流が流れることを可能とする第3の領域、を含む接続ナノワイヤと、
・前記第1のナノワイヤの前記正孔注入領域及び前記接続ナノワイヤの前記第1の領域と接続し、前記第2のナノワイヤから電気的に絶縁された第1の導電領域と、
・前記接続ナノワイヤの前記第2の領域及び前記第2のナノワイヤの前記電子注入領域と接続し、前記第1のナノワイヤから電気的に絶縁された第2の導電領域と、を含む、光電子デバイスを目的とする。
【0021】
直列にナノワイヤを接続するうえで最も困難なことは、正孔注入領域及び電子注入領域が反対側の端部に配置されるということである。2つのナノワイヤの直列接続は、ナノワイヤの正孔注入領域を他のナノワイヤの電子注入領域へ接続することを含み、そのためトレンチを橋渡しする必要がある。本発明は、ナノワイヤを用いることによってこのトレンチを容易に橋渡しすることを可能とする。そのためトレンチが橋渡しされ、直列接続のその他の要素、すなわち例えば、しかし排他的ではなく、平面製造技術によって形成されうる導電領域を製造するためのさらなる技術的障壁は存在しない。さらに、接続ナノワイヤが接続されるナノワイヤと同一の型からなるものであってよく、そのため発光ナノワイヤと同時に製造されるものであってよい。
【0022】
一実施形態に従えば、前記第1及び第2の発光ナノワイヤのそれぞれは、前記支持部上に形成され前記正孔注入領域または電子注入領域を形成する端部を有する半導体コア及び前記コアを少なくともその上部を覆うように取り囲み前記正孔注入領域及び前記電子注入領域のうちもう一方の領域を形成する半導体シェルを含む。換言すれば、発光ナノワイヤはいわゆる「コア/シェル」構造を呈する。
【0023】
より具体的には、
・前記第1及び第2のナノワイヤの前記コアは第1の導電型の半導体材料から形成され、
・前記第1及び第2のナノワイヤの前記シェルは第1の導電型とは反対の第2の導電型の半導体材料から形成され、
・前記接続ナノワイヤは前記第1の導電型の材料からなる少なくとも1つのコアを含む。
【0024】
この変形例に従えば、ナノワイヤは、
・形成された電子/正孔対の放射性再結合のための活性半導体領域、すなわちナノワイヤコア、
・そのナノワイヤまたは各ナノワイヤに正孔を半径方向に注入するための半導体領域、すなわちシェル、
・及びそのナノワイヤまたは各ナノワイヤに電子を軸方向に注入するための半導体領域、すなわち支持部に接触するコアの端部を含む、コア/シェル構造を有する。
【0025】
本明細書において、「軸方向注入」は、活性領域への電子の注入が主にナノワイヤの成長方向に沿って行われることを意味している。例えば、電子はナノワイヤの基部を介して注入される。本明細書において「半径方向注入」は、活性領域への正孔の注入が主にナノワイヤの側面を介して行われることを意味している。例えば、正孔注入領域は少なくとも部分的に、高さ方向の部分に沿って活性領域を取り囲んでいる。
【0026】
換言すれば、電子の軸方向注入を提供するということは、活性層に関してナノワイヤコアを自由にすることができ、そのためナノワイヤのバルクのほとんどを占める。特に、その非常に高い移動度のために、電子は小さな注入表面積にもかかわらず活性領域の体積全体を占める。
【0027】
そして、デバイスはナノワイヤに基づいているため、「効率ドループ」を引き起こす限られた濃度であっても、以下にさらに詳細に説明されるように、ナノワイヤの高さを適切に選択することによって、電荷キャリアの良好な閉じ込めを得ることが可能となる。
【0028】
ナノワイヤはメッシュパラメータに対して鋭敏でないため、特に効率ドループを引き起こすことなく適切な電流密度を得るためのナノワイヤの高さの選択は、活性層を形成する半導体の組成の選択、例えばGaN系デバイスの場合にはインジウムの組成の選択から関連がなくなる。そのため発光波長をより幅広く選択することができる。そのため可視範囲、特にGaN系LEDの場合には青から赤で発光するナノワイヤに基づくLEDを製造することが可能になり、またはナノワイヤコアのエピタキシー間にインジウムの組成を変更することによって白色光を発光するLEDを形成することさえ可能となる。
【0029】
さらに、活性領域はナノワイヤのバルクのほとんどを形作るため、本発明に係るデバイスは強い注入電流密度を有する場合でさえも改善された内部量子効率を有する。
【0030】
一実施形態に従えば、前記接続ナノワイヤは、前記接続ナノワイヤの前記第1及び第2の領域をそれぞれ形成する少なくとも第1及び第2の部分上にシェルを有さない第1の型の半導体コアを含む。特に、シェルを含まない前記接続ナノワイヤの前記コアの前記第1の部分は、前記支持部と反対側に前記ナノワイヤ端部を含む。
【0031】
換言すれば、接続ナノワイヤは本来支持部に対して反対側の端部においてシェルを「除去された」コア/シェル構造に従う発光ナノワイヤである。そのため第1の型の半導体と第2の型の半導体とを交互に配置、例えばn−p−n−p交互配置して形成された異なるナノワイヤ間に電気的経路が得られる。そのためナノワイヤは同時に製造することが可能となる一方でその間に電流の良好な導通を確保する。
【0032】
一実施形態に従えば、接続ナノワイヤは導電性材料からなり、そのため低抵抗の電気的接続を提供する。
【0033】
一実施形態に従えば、前記支持部は、前記第2の導電領域を形成する平面導電コンタクトを有する平面化電気的絶縁層を含み、前記コンタクトは前記接続ナノワイヤおよびその上に形成された前記第2のナノワイヤを有する。
【0034】
一実施形態に従えば、前記ナノワイヤは、電気的に絶縁性な平面化層に埋め込まれ、前記支持部と反対側の前記端部が前記層からわずかに露出し、導電コンタクトを有する前記層は前記第1の導電領域を形成し、その上に形成された前記第1のナノワイヤ及び前記接続ナノワイヤの露出した前記端部を取り囲む。そのため平面製造技術を実施することができる。
【0035】
一実施形態に従えば、本デバイスは電気的直列接続によって直列接続された発光ナノワイヤのネットワークを含む。
【0036】
一実施形態に従えば、本デバイスは、電気的に並列接続された発光ナノワイヤの少なくとも2つの組立体から形成される発光ナノワイヤのネットワークを含み、組立体の少なくとも1つのナノワイヤは電気的直列接続によって他の組立体のナノワイヤと直列接続される。
【0037】
本発明はまた、支持部上に形成された少なくとも1つの第1の発光ナノワイヤ及び少なくとも1つの第2の発光ナノワイヤを含み、前記第1及び第2の発光ナノワイヤが前記支持部上に形成され正孔注入領域または電子注入領域を形成する端部を有する半導体コア並びに前記コアを少なくともその上部を覆って取り囲み前記正孔注入領域及び電子注入領域のうちもう一方の領域を形成する半導体シェルを含む光電子デバイスを製造する方法であって、
・上に形成された下部導電層を有する電気的絶縁層を含む支持部を形成する段階、
・前記支持部上に、それぞれが第1の型の半導体コア及び前記コアを少なくともその上部を覆って取り囲む第2の型の半導体シェルを含む3つの同一の発光ナノワイヤであってその2つが電気的コンタクト上に形成される、発光ナノワイヤを形成する段階、
・平面化電気的絶縁層を前記支持部上に成膜して前記ナノワイヤを取り囲み、前記ナノワイヤの自由端を前記層からわずかに露出させる段階、
・前記下部導電層上に形成された前記2つのナノワイヤの一方の前記自由端から前記シェルの部分を除去してその前記コアを解放する段階、
・及び前記平面化絶縁層上に上部電気的コンタクト続を成膜して前記下部導電層上に形成されていないナノワイヤの自由端及び前記シェルの一部が取り除かれた前記ナノワイヤの前記自由端を取り囲む段階、を含む、光電子デバイスを製造する方法を目的とする。
【0038】
本発明は、添付される図面に関連してのみ一例として提供される以下の説明を読むことによってより良く理解されるであろう。同一の参照番号は同一のまたは類似の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
支持部58上に形成されたコア/シェル型ナノLED60、62を形成する第1及び第2のナノワイヤを電気的に直列に接続するための本発明の電気的直列接続が
図5に関連してこれから説明される。
【0041】
概略的に、ナノLED60、62はそれぞれ、以下を含む。
・正孔及び電子が少なくとも部分的に放射性再結合する活性領域が位置するコア64、66
・コア64、66の少なくとも高さ方向の一部に沿ってコア64、66を取り囲むシェルを形成する、活性再結合領域に第1の型の電荷キャリアを注入する領域68、70、例えば正孔注入領域
・ナノLEDの少なくとも基部、すなわち支持部58上に載るナノLEDの端部を含む、活性再結合領域に第2の型の電荷キャリアを注入する領域72、74、例えば電子注入領域
【0042】
図示された実施形態において、ナノLEDは支持部58上に形成された電気的絶縁性平面化層76に、支持部58に対して反対側の端部78、80を除いて埋め込まれており、端部78、80は本明細書において「頭部」と呼称され、層76から露出する。
【0043】
ナノLED60、62間の電気的直列接続は第1のナノLED60の正孔注入領域68と第2のナノLED62の電子注入領域74との間の電気的経路を確立する機能を有し、この目的のために、以下を含む。
・支持部58上に形成され、層76に頭部84を除いて埋め込まれた接続ナノワイヤ82
・層76上に形成され、第1のナノLED60の頭部78を接続ナノワイヤ82の頭部84に電気的に接続し、第2のナノLED62から電気的に絶縁された第1のコンタクト86
・接続ナノワイヤ82の基部90を第2のナノLED62の基部74と電気的に接続し、第1のナノLED60とは電気的に絶縁された支持部58の第2のコンタクト88
【0044】
ナノLED60、62の性質は、特に材料の性質並びに正孔注入領域68、70及び電子注入領域72、74の構造に関して強く変化しうる。そのため接続ナノワイヤ82は機能的に少なくとも以下の3つの領域に分割される。
・ナノワイヤ82の頭部84を含む、第1のナノLED60の正孔注入領域68と「電気的に適合する」第1の領域
・ナノワイヤ82の基部90を含む、第2のナノLED62の電子注入領域74と「電気的に適合する」第2の領域
・頭部84と基部90との間の、第1及び第2の領域82、90の間を電流が流れることを可能にする接続ナノワイヤ82の第3の中間領域92
【0045】
「電気的に適合する」とは、本明細書においては特に異なる関連する領域の電気的直列接続が電流の流れを妨げない、ということを意味する。特に、ナノLED60、62はPN接合を形成することができる異なる型の半導体領域を含む。同様に接続ナノワイヤ82もまた、以下に詳細に説明するように1つまたは複数の半導体材料を含むものであってもよい。そのため、例えばナノLEDの電気的直列接続はPN接合のNP接合との直列接続を含まない。この場合電流の流れに反対である直列接続された頭尾接続ダイオードが存在する。
【0046】
接続ナノワイヤ82の前述の説明は簡略化されており、機能的なものである。特に、ナノワイヤ領域は異なる材料からなるものであってもよく、または2つの領域もしくは3つの領域さえ同一の材料からなるものであってもよい。同様に、接続ナノワイヤの3つの領域の軸方向配置が説明された。しかしながら1つまたは複数の領域は構造的に少なくとも部分的に半径方向であってもよい。
【0047】
図5はまた下部コンタクト94及び上部コンタクト96を示しており、ナノLEDの電力供給のためにそれぞれ第1のナノLED60の基部72及び第2のナノLED62の頭部80に接触している。図示されているように、下部コンタクト94の一部は電力供給と接続することができるように解放されている。2つのナノLED60、62のみが図示されているので、そのようなナノLEDはこの例においては電気的直列接続の入力端子および出力端子としても用いられる。もちろん、2つより多くのナノLEDが上述の構成に従って直列接続されてもよい。その場合下部コンタクト94及び上部コンタクト96は例えばこの直列接続の2つの一番端のナノLEDにそれぞれ関連付けられる。下部コンタクト94は有利には、しかし必須ではないが、第2のナノLED62を接続ナノワイヤ82に電気的に接続する第2のコンタクト88と同一の性質を有する。同様に、上部コンタクト96は有利には、しかし必須ではないが、接続ナノワイヤ82を第1のナノLED60に電気的に接続する第1のコンタクト86と同一の性質を有する。
【0048】
層76は、その上でナノワイヤの頭部間のコンタクトと電気的接続を形成する絶縁表面を提供する機能を有する。もちろん、この機能を提供するその他どのような手段が本発明に関して適したものであってもよい。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態をこれから説明し、一実施形態において説明される接続ナノワイヤに関する特性が他の実施形態の支持部の特性と結合されてもよいことは理解されるであろう。同様に、一実施形態において説明される電力供給コンタクトの特性が、他の実施形態の電力供給コンタクトの特性に適用され及び/または代用されてもよい。
【0050】
第1の実施形態に従えば、接続ナノワイヤ82は、導電性材料からなる。例えば、接続ナノワイヤは金属であり、高い品質の接続並びにどのような種類及び正孔導入領域、電子注入領域のどのような材料及び構造のナノLEDとも完全な適合性の両方を得ることができる。
【0051】
しかしながら、このことは、ナノLEDに関するものと接続ナノワイヤに関するものの2種類の製造プロセスが提供されなければならないため、ナノLEDのアレイの製造プロセスを複雑にするという欠点を有する。
【0052】
第2の実施形態に従えば、接続ナノワイヤは接続ナノワイヤとして用いられるように改良されたナノLEDである。このことによって全てのナノワイヤ、ナノLED及び接続ナノワイヤを同一の成長プロセスで製造することが可能になる。
【0053】
図2のコア/シェルナノLEDへの第2の実施形態の適用について、
図6a、6b及び6cに関連してこれから説明する。
【0054】
ナノLED30は、その頭部84からシェル42の一部、特に少なくともナノLEDのコア34の上部表面100を覆うシェル42の部分を除去するように改良されている。このことによって、ナノLED60、62の正孔注入領域を形成するシェル42と電気的に適合し、直列接続の第1の領域86、例えば金属コンタクト86で覆われるコア34を解放する。
【0055】
図6aに示された例では、ナノLED30の頂部は除去されてコア34を解放し、体積部42および44とともに活性領域36は導電領域86と接続されたままとしている。
【0056】
図6bに示された例では、ナノLED30の頂部はナノLED30の高さの部分に沿って体積部42及び44とともに除去され、活性領域36は導電領域86と接触されたままとしている。
【0057】
図6cに示された例では、ナノLED30の頂部はナノLED30の高さの部分に沿って活性領域36、体積部42および44と共に除去されているが、活性領域36が導電領域86と接触しないようにしている。
【0058】
例えば支持部58は共通絶縁基板102を含み、直列接続の第2のコンタクト88は例えば絶縁基板102上に成膜された導電層、特に金属またはコア34と同一の型の高濃度にドープされた半導体層から形成される。
【0059】
変形例として、第2のコンタクト88は絶縁基板102上に成膜された第1の導電性の金属または高濃度ドープ半導体層104及び例えば上に形成されたナノLEDを有する従来技術のそれと類似した第2の半導体層32を含む。最後に、絶縁平面化層76が例えば絶縁層46と同じ材料からなる。
【0060】
好適には、全てのナノLEDはこの種類の支持部58の部分上に形成される。
【0061】
発光を増加させ基板102による吸収を減少させるために、第2のコンタクト88を形成する金属層は好適には発光波長を反射する金属、例えばアルミニウムまたは銀からなる。同様に、コンタクト88の金属層は有利には実質的に共通基板102の表面全体を覆い、金属層は例えば基板102の全面に成膜され、次いでエッチングされて第1のナノLED60の接続ナノワイヤ82を分離する。金属層の材料が反対に、例えば応用例の必要性または製造上の制約によりナノLEDによって放出される波長を吸収する金属からなるように選択される場合には、第2のコンタクト88の表面はできる限り低くなるように選択される。
【0062】
図7のコア/シェルナノLEDに対する第2の実施形態の適用が、
図8に関連してこれから説明される。
図7に示されるナノLEDは例えば
図3及び4に示された接続図に従って並列に接続されうることは注意すべきである。
【0063】
図7を参照すると、ナノLED110は上に成膜された導電層111、例えば金属またはドープされた半導体層を有する共通絶縁基板102を含む支持部58の一部の上に形成される。変形例として、層111は基板102上に成膜されその上に形成されたn型GaN層114を有する第1の導電層112を含む。支持部58の一部は例えば
図6に関連して上述された金属またはドープされた半導体から形成される。
【0064】
ナノLED110は、III−VまたはII−VI族、好適にはIII−N族からなる半導体材料から形成されるコア116を含む。コア116は少なくともその上部をコア116の材料と同じ族からなるがシェル118からコア116へ正孔の注入を可能にする、より大きなエネルギーギャップを有するpドープされた半導体材料から形成されるシェル118で取り囲まれる。シェル118は好適には支持部58から分離されて、上部電気的コンタクト120と下部導電層111との間のどのような短絡も防ぐ。例えば、シェル118は支持部58の上方で止まる。最後に、ナノLED110はその頭部及び層76上に形成された上部電気的コンタクト120、例えば電気的接続部の領域86を除いて絶縁平面化層76に埋め込まれる。
【0065】
ナノLED110は次のように動作する。電子は支持部58の導電層110を介してコア116内に注入され、正孔はコンタクト120を介してシェル118内に注入される。従って注入された電子正孔対は活性層を形成するコア116内で少なくとも部分的に放射再結合する。
【0066】
この例において、ナノワイヤ基部を介して電子注入が軸方向に行われるという事実は、電子の高い移動度のために電子注入の点で制限を加えるものではないことに注意すべきである。さらに、コア116すなわち活性領域のいずれの点も、コア半径よりも近い距離または等しい距離にある。そのため正孔注入表面領域は非常に大きく活性領域の各点に非常に近接している。
【0067】
層111が半導体層を含むような場合、この層は有利にはコア116への電子の注入を容易にするために低抵抗、特に0.001オーム/cm程度の抵抗を有するように選択され、例えば400ナノメートルの厚さを有するn+ドープされたGaNからなる。そのような層は他方ではGaNナノワイヤのエピタキシーを支持するものであってもよい。
【0068】
さらに、エネルギー変調されナノワイヤの形態でエピタキシーによって成長されることが可能などのような種類の半導体材料でコア116及びシェル118を形成するものであってもよい。例えば、ナノLED110はGaNからなる。コア116はナノLED110によって放出される波長に従って選択されたインジウム組成を有する10
16電子/cm
3よりも低い残留的なnドーピングを含む、意図的にドープされていないInGaNからなる。シェル118はコア116よりも低いインジウム組成を有するマグネシウムでpドープされたGaNまたはマグネシウムでpドープされたInGaNからなり、シェル118の材料は10
18正孔/cm
3程度のpキャリア濃度を有する。
【0069】
変形例として、ナノLED110はZnOに基づく。コア116はZnOからなり、pドープされたシェル118はZnMgOからなり、またはコア116はZnCdOからなり、シェル118はZnOからなる。
【0070】
さらなる変形例としてナノLED110はGaAlAsに基づき、コア116はGaAsからなりpドープされたシェル118はGaAlAsからなり、またはコア116はInGaAsからなりシェル118はGaAsからなる。
【0071】
さらに他の変形例に従えば、ナノLED110はAlInGaPに基づき、コア116はAlGaInPからなり、シェル118は同一の材料であるがアルミニウムの含有量がより多い材料からなる。
【0072】
上部電気的コンタクト120は、ナノLEDの放出波長に対して半透明であり、例えばNi及びAuの薄膜またはインジウムスズ酸化物(ITO)から形成される半透明コンタクトのような様々な積層体から形成されるものであってもよい。厚い櫛状構造、例えばより厚いNi及びAu層に局所的に覆われて直列抵抗を低減するものであってもよい。
【0073】
メッシュパラメータへの影響が小さいために選択される半導体材料の種類がどのようなものであっても達成可能なそのナノワイヤ構成のために、LEDによって放出される波長の点で幅広い選択肢が存在する。
【0074】
ナノLED110がコア116及び支持部58の導電性または半導体表面からなる第1のヘテロ構造並びにコア116及びシェル118からなる第2のヘテロ構造を含むため、ナノLED110は二重ヘテロ構造型の構造を有することにも注意すべきである。
【0075】
ナノLED110は
図8に示されるように、接続ナノワイヤ82として改良されたナノLED110を用いることにより電気的に直列接続されるものであってもよい。ナノLED110はその頭部84、特にナノLEDのコア116の上部表面121を覆うシェル118の少なくとも一部からシェル118の一部を除去するように改良される。そのためこのことはナノLED110の正孔注入領域を形成するシェル118と電気的に適合するコア116を解放する。直列接続の第1及び第2の領域86、88はそれぞれ
図7に関して説明された領域120及び111である。
【0076】
例えば
図1及び2に関連して説明されたような従来のナノLEDと比較して、ナノLED110はEBL領域を必要としない。そのような領域は例えば
図1及び2に示されたような多重量子井戸を有する構造内にキャリアを閉じ込めるために通常必要なものである。この場合形状、組成、厚さ及びEBL領域の3元III−N半導体(AlGaN)のドーピングの全ての点で完全に制御された成長が、注入された正孔の阻止の防止及びそれによるナノLEDの効率化のために必要不可欠である。さらに、ナノLED110は、多重量子井戸を有するナノLEDと比較して、ナノワイヤのバルク全体と比較してはるかに大きな活性再結合領域を有し、増加した内部量子効率を伴う。そして、ナノLED110の活性領域が量子井戸を有さないので、効率の実質的な低下(効率ドループ現象)の前のナノLEDに印加可能な電流密度はより高い。
【0077】
例えば、直列接続されたナノLED110のアレイの場合をとり、ナノLED110が円筒形であると仮定すると、ナノLED110の基部の全面積と支持部58の面積との間の比に等しい充填因子Fは、以下の関係で計算することが可能である。
【0079】
ここで、dはナノLED110の直径、d
nはcm
2あたりのナノワイヤの数で表されたナノLED110の表面密度である。
【0080】
ナノワイヤの直径dを100nmとし、その密度を4×10
9cm
−2と設定すると、この時因子Fは0.314に等しい。因子Fはデバイス面積とナノワイヤ基部の面積の合計との間の差を考慮に入れるための巨視的な電流密度の重み付けを可能とする。
【0081】
メッシュパラメータへの影響が小さいため、所望の電流密度J
overflowに従うナノLED110の活性領域116の高さがいかなるオーバーフロー現象も防ぐのに効果的であることを検証することが可能である。
【0082】
より具体的には、数式2で表される、すなわち強い電子注入下で高さW
DH(すなわち活性層116の高さ)を有すると仮定される半導体材料からなるナノLED110のコア116に関して、活性領域内の状態の飽和を得る前の電流密度の最小値J
overflow(または「オーバーフロー電流」、活性領域内で放射性再結合を発生させることがないようなあらゆる追加的な電流)は以下の数式3に従って得られる。
【0085】
ここで、FはナノLED110の充填因子、N
CはナノLED110のコア116の材料の伝導バンドにおける有効伝導状態密度、E
F及びE
CはそれぞれナノLED110のコア116の材料のフェルミ準位及び伝導準位、kはボルツマン定数、TはナノLED110のコア116の接合温度(活性領域の温度)、eは素電荷、並びにBはナノLED110のコア116の材料の2分子再結合係数である。
【0086】
この方法で選択されたナノLED110のコア116の最小高さW
DHは、電流密度J
overflowがナノLED110に注入されたときに、二重ヘテロ構造のフェルミ準位がエネルギー準位E
FとE
Cとを分離するエネルギー障壁の頂部へ到達する。コア116の電荷キャリア密度はそのとき最大であり、電荷キャリアが再結合することなくコア116から脱出するため、電流密度のいかなる追加的な増加も電荷キャリア密度を増加させることはない。換言すれば、J
overflow以下のどのような電流密度の値に対しても、キャリアはコア116から脱出することはないので、効率ドループ現象が低減される。
【0087】
図9は、インジウムの組成が15%であるInGaNからなるナノLED110について以下の数式の比に従うJ
overflowの図である。ここで、N
c=10
18cm
−3、E
F−E
C=150meV、B=10
−11cm
3s
−1、Tは接合温度である。
【0089】
有利には、J
overflowの値が、所定の充填因子Fに関して数式4の比及びすなわち活性領域の厚さ、つまりコア116の高さW
DHに正比例することは注意すべきである。このことは、非量子閉じ込めの場合、すなわち数式4の比が5nmより大きい場合に真である。量子井戸の場合、エネルギー準位の量子化は電流密度をキャリア脱出に関してさらにより重要にする。
【0090】
LEDについて現在望ましい所定の動作電流密度、典型的には200A/cm
2以上の密度について、数式4の最小比を、ナノLED110の内部量子効率の顕著な低下を有することなく15nmに設定することができる。
【0091】
さらに、閉じ込め構造としてのその部分を効率的に役割を果たさせることができるように、コア116の最大高さはキャリア拡散長さよりも小さくなるように選択される。数ミクロンのコア116の最大高さが効率的な閉じ込めを提供する。
【0092】
40nmの最小高さを有し数マイクロメートルを超えない最大高さを有するナノLED110のコア116はそれゆえ電荷キャリアの良好な閉じ込めを提供するとともに活性領域外へのキャリアの脱出による損失を原因とする内部量子効率低下を防ぐ。
【0093】
より具体的には、前述のInGaNナノワイヤに関して、効率ドループの前に200A/cm
2以上の電流密度が得られる。
【0094】
より一般的には、この特徴は5nmよりも大きな数式4の比を有する、または以下を有するInGaNからなるナノLEDコアに関して得られる。
・10
6から10
10の範囲、例えば4×10
9cm
−2の密度の表面密度d
n
・コア116は、50ナノメートルから数マイクロメートルの範囲、例えば100ナノメートルの直径dを有する
・ナノワイヤの活性領域の高さが40ナノメートルから数十マイクロメートルの範囲である。
【0095】
前述のように、ナノLED110の構造は例えば
図1及び2に示されたもののような従来のナノLEDよりも高い活性体積部を有する。この特性はより多い活性材料による内部量子効率の増大及びドループ効率の低減の両方を発生させる。特に、この現象が部分的にオージェ効果によるものであり、キャリア密度が活性領域の体積に反比例し、オージェ効果がこの同じ密度の立方体のように変化するので、より大きな活性領域の体積が関連する非放射性再結合における強い低下及びそれゆえ放射効率の増大を意味する。
【0096】
例えば、ナノLED110のアレイを
図1に示された軸方向多重量子井戸を有するナノワイヤに基づくナノLED10のアレイと比較することにより、またこれらのナノLEDに関して同一のナノワイヤの直径、同一の表面密度及び同一の接続構成(例えば、ナノLEDが直列接続される)を設定することにより、LED110の活性領域の体積V
1のLED10の活性領域の体積V
2に対する比は以下に等しい。
【0098】
ここで、
・nはナノLED10における量子井戸の数である。
・W
QWは活性領域16内の多重量子井戸の軸方向の寸法である。
【0099】
表1は以下の異なる構成におけるV
1/V
2の比の値を詳細に示す。
・1μmまたは100nmの高さW
DHを有する活性領域を有するLED110
・2.5nmに等しい厚さW
QWに関して5つの量子井戸を含むLED10
【0100】
表1はまた多重量子井戸を有するナノLED10の現実の動作に関連して以下のいくつかの仮定に従って、いくつかの比V
1/V
2を詳細に示す。
・仮定1:電子正孔対の放射性再結合がナノワイヤの活性領域16の体積部全体を通して発生する。
・仮定2:放射性再結合が発生する領域の厚さは実際の厚さ2.5nmに対して、1nmを超えない。この仮定は強い内部圧電場の存在による活性領域の実効厚さにおけるこの減少を示している非特許文献1の結果に基づいている。
・仮定3:多重量子井戸を有する平面InGaN/GaN LED構造の場合、放射性再結合は正孔注入領域22に対して最も近くに位置する量子井戸内のみで発生する。
【0102】
そのためこの表は保持された仮定に従って活性材料の体積部がナノLED110において8から1000倍まで幅広く増加することを明確に示している。従って、ナノLED110に基づくLEDの内部量子効率が軸方向多重量子井戸10を有するナノワイヤに基づくLEDと比較して大きく増大している。
【0103】
同様に、ナノLED110のアレイを
図2に示された半径方向多重量子井戸を有するナノワイヤに基づくナノLED30のアレイと比較し、2つのナノLEDに関して正孔注入領域の外径をナノワイヤ表面密度及び接続構成とともに同一にするように設定することによって、ナノLED110のアレイにおける活性領域の体積V
1のナノLED30のアレイにおける活性領域の体積V
3に対する比は以下に等しい。
【0105】
ここで、
・R
1はナノLED110のコア116の半径である。
・L
1=W
DHはナノLED110のコア116の長さである。
・R
3はナノLED30の体積部42および44を除く半径である。
・L
3はナノLED30の高さである。
・W
QWはナノLED30の多重量子井戸の厚さ、すなわちナノLED30の活性領域36のInGaN層40によって形成された円筒の厚さである。
・NはナノLED30の量子井戸の数である。
【0106】
表2はR
1=R
3=R=50nm、L1=L3、n=5及びW
QW=2.5nmについて様々な比V
1/V
3を、前述のナノLED30の実際の動作に関する仮定と共に詳細を示す。
【0108】
ここで再び、ナノLED30に基づくLEDに対するナノLED110に基づく体積増幅及びそれゆえLEDの内部量子効率の増幅の顕著な増大を観察することができる。
【0109】
ナノLED110の構造の活性体積の増幅により、直列接続されたナノLED110のアレイが並列に接続されたナノLED10または30のアレイの体積以上の活性体積を有することさえ可能になることを注意すべきである。そのため、例えば、最悪の場合、直列接続されたナノLED110のアレイの活性体積は並列接続されたナノLED30のアレイの活性体積に等しく、ナノLED110が並列接続に対して直列接続において2つのうちの1つのナノワイヤを表すという事実のために表1及び2に示された比は2で割ったものとなる。
【0110】
同様に、接続ナノワイヤ82が存在することにより、ナノLEDの密度損失に関して補償することが可能になることは注意すべきである。例えば、厚さW
QWのn量子井戸からなる半径方向活性領域を含む密度D、コアの高さL3及び半径Rの直列接続ナノLED30のアレイを仮定する。同時に、表面密度損失がなく、同等な活性領域、すなわち厚さe=W
QWを有するn量子井戸からなる平面LEDの場合を考えると、ナノLED30のアレイにおける活性体積部の支持部58の固定表面Sに関して平面構造内の活性体積部に対する比は以下の数式で表される。
【0112】
そのため、ナノLED30のアレイの活性体積が平面構造の活性体積よりも大きくなるための条件は、以下によって得られる。
【0114】
例えば、ナノワイヤ(ナノLED30及び接続ナノワイヤ82)の可能な密度は、1×10
7ワイヤ/cm
2程度であり、2つのうち1つのワイヤのみが発光に寄与するため、これはD=5×10
6ワイヤ/cm
2のナノLED30の有効密度に達する。ナノLEDの平均半径を約1μmと仮定すると、コアの高さL3が3μmよりも大きいと、前述の条件を満たすのに十分であるが、平均のコアの高さが10μmであるナノLEDを製造することが現在可能であることが知られている。
【0115】
本発明のその他の実施形態について、
図10から15に関連してこれから説明される。これらの実施形態はナノLED110に関して説明されているが、これらの実施形態はその他の種類のナノLED、例えば
図1及び2に図示されているものにも適用されることは理解されるべきである。
【0116】
図10は、電力供給コンタクトがデバイスの同一表面上に配置される実施形態を示している。この実施形態は、下部コンタクト94、例えば下部コンタクト88と同一のものの上に配置され、第2の上部コンタクト134に接続された頭部132を有する追加的な接続ナノワイヤ130、例えば接続ナノワイヤ82と同一のものを含む。そのためこの組立体は2つの上部コンタクト96及び134を介して電力供給される
図5に関連して説明されたものとは異なる。
【0117】
図11は、支持部58が、AlN、SiN
xまたはSiO
2からなり例えば上に形成されたコンタクト88、94を有する絶縁層142で例えば覆われたシリコンからなる第1の導電層を含む実施形態を示している。そのためこの実施形態ではシリコン基板または金属基板、すなわち上述の実施形態に用いられるような、特にサファイアからなるような絶縁基板と比較して低コストで大きな表面積の基板を用いることが可能となる。基板が導電性であるという事実は本明細書では用いられていないことに注意すべきである。
【0118】
図12は電力供給コンタクトが基板のそれぞれの側に取り出される実施形態を示している。例えば、
図12の導電層140の表面は露出され、ナノワイヤ144、図示された例では接続ナノワイヤは層140上に形成され、その頭部が上部コンタクト134に接触している。下部電力供給コンタクト146がさらに層140の下面上に提供される。まず、この実施形態も低コストで大きな表面積を有する導電性基板、例えばSiまたは金属基板を用いるという利点を有する。さらに、基板が導電性であるという事実が、以下の理由で用いられる。
・接続ナノワイヤ144がエピタキシーによって導電性基板140上に直接成長される。
・コンタクト146が基板140の背面に位置する。
【0119】
そのため、電力供給コンタクトは構造のそれぞれの側82、146に配置される。このことによって、ナノワイヤレベルで例えば
図11に図示された例のような下部コンタクト94への経路を解放する必要がないという利点が提供される。
【0120】
以下の実施形態により、光の取り出しの改善が可能となる。
【0121】
図13において、絶縁平面化層76は、ナノLED60、62及び接続ナノワイヤ82の高さ方向の小さな部分上に形成されるのみである。そのため、ナノワイヤが平面化層76よりも小さな屈折率を有する空気によって取り囲まれており、一般的な構造の平均有効屈折率が減少し、それによって光の取出しをより良好に行うことができる。この実施形態の第2の利点は、ナノLED60、62のシェルと上部コンタクト86、96との間の接触表面積が増大することである。正孔注入効率が向上する。ナノLEDの大部分の上に形成されるこの種のコンタクトはまた、並列接続の場合にも用いられうることに注意すべきである。
【0122】
図14において、ナノLED60、62の頂部を覆う上部コンタクト86、96の水平部分はこのナノLED60、62の頂部に導かれた光の吸収を防ぐために除去される。同様にまたは任意に、コンタクト86の水平部分は接続ナノワイヤ82から除去される。
【0123】
図15に示されるように、ナノLED60、62のコア116がコンタクト86、96と直接接触しない限り、ナノLED60、62のシェル118の上部を除去することも可能である。
【0124】
さらに、ワイヤの側面に半径方向の井戸(垂直)及びワイヤの頂部に軸方向の井戸(水平)の両方を有する多重量子井戸を有するコア/シェル型ナノLEDを考えると、そのような量子井戸はそのため異なる成長方向を有し、その光学特性に大きな影響を及ぼす(異なるIn組成、例えば、異なる厚さなど)。特に、軸方向井戸内に存在する圧電場はその効率に大きな制限を加えるのみである。上部コンタクト86の水平方向の部分を除去することによって、軸方向井戸を電流が横断しなくなる。そのため、半径方向井戸のみが効率的に励起されることとなり、発光効率及びデバイスの均一性を改善することが可能となる。
【0125】
接続ナノワイヤ82によって直列接続されるコア/シェル型60、62のナノLEDを製造する方法を、これから
図16から22に関連して説明する。
【0126】
本方法は、それぞれの電力供給コンタクト94及び直列接続のコンタクト88を有する支持部58を形成する段階から始める(
図16)。例えば、導電性金属またはドープされた半導体領域88、94が電気的絶縁性基板102、例えば、2インチサファイア型基板上に成膜される。例えば、nドープされた400nmの厚さを有するGaN層が基板102の表面全体の上にエピタキシーによって成長され、その後リソグラフィ段階(光学的または電子的)が実施され、この層を局所的にエッチングして局所的に絶縁性の領域と導電性の領域とが交互に配列された状態を形成する。そのためプレーナ技術が用いられる。
【0127】
本方法はナノLEDコアの成長を実施する。
【0128】
例えば、
図2に関連して説明されるナノLED30に関して、この段階はナノLED30のコア34を形成するnドープされたGaNナノワイヤの局所的な成長から開始し、次いで第2の製造段階において、活性領域36の半径方向への成膜が、意図的にドープされていないGaN障壁及びInGaN井戸の薄層を交互に形成することによって実施される。障壁及び井戸はそれぞれ10ナノメートルから3ナノメートルの範囲の厚さを有するものであってよい。例えば、コンタクト88、94上へのGaNヘテロエピタキシーによって、特に、例えば特許文献9に記載されるように、いわゆる自発モードに従ってMOVPE(有機金属気相エピタキシー)、MBE(分子ビームエピタキシー)、またはHVPE(ハイドライド気相エピタキシー)によって、または選択的に成長マスク200によって、コア34が形成される。
【0129】
コア34は、支持部58と直接的に、または支持部58とコア34との間に介在された数ナノメートルの薄いAlNまたはSiN
xを介して支持部58と間接的に接している。この層は非常に薄く、電気的な連続性が常に確実に行われている。しかしながら、そのような層はナノワイヤの成長を容易にし、その垂直性を向上させる。
【0130】
ナノLED110の製造に関して、
図17に示されるように、例えば厚いInGaNのヘテロエピタキシーがコンタクト88、94上で実施されてコア116を得る。コア116のこの成長は例えばMOCVD、MBEまたはHVPEによって自発モードに従って、または選択的成長マスク200によって選択的に実施される。InGaNの成長においてドーパントは用いられず、そのためInGaNは10
16電子/cm
3よりも低い残留ドーピングを有する。
【0131】
次いで、シェルが各コアの周囲に、例えばpドープされたGaNまたはInGaNで形成される(
図18)。
【0132】
ナノLED110の場合、例えばマグネシウムドーピングによって提供されるシェルドーピングが10
18正孔/cm
3程度となるように選択され、また、活性領域へのインジウムの追加は材料のギャップを減少させキャリアのポテンシャル井戸を発生させるため、キャリア閉じ込めを確実に行うために、インジウム組成は0(GaN−p)または0ではない場合コア116の厚いInGaNのそれよりも低い。
【0133】
シェルは例えば前述のように半径方向成膜によって形成される。コアが例えば選択的成長によって形成された場合またはこの目的のために特に提供されたマスクが用いられる場合、ナノLEDのシェルはSiN
xまたはSiO
2からなる電気的に絶縁性の選択成長マスク200を用いることによって支持部58からは絶縁される。マスクはワイヤ成長段階のあとに任意に、例えば化学的エッチングによって除去される。
【0134】
次いで本方法は、ナノLED間の空間を平面化電気的絶縁性材料76、例えばポリマーやSiO
2のような誘電体で充填する段階を、例えば特許文献10に記載された実施形態に従って行う(
図19)。平面化層76は、ナノLEDの頭部を所望の最終高さよりも大きな高さで露出させるように成膜される。
【0135】
底部電力供給コンタクト94が望ましい場合、平面化材料76の追加エッチングの段階が実行されて電流注入のための下部コンタクト領域を露出する(
図19)。
【0136】
次いで接続ナノワイヤ82がナノLEDから形成される。特に、接続ナノワイヤを形成するように意図されたナノLED60、62のシェルの自由部が除去される。例えば、リソグラフィ段階が実施されて発光するように意図されたナノLEDをその上に絶縁材料、例えばSiO
2を成膜することによって保護し、その後化学的または物理的エッチングが行われて、接続ナノワイヤのコアを解放する(
図20)。
【0137】
次いでナノLED60、62の保護マスクが除去され、その後絶縁平面化材料が再び成膜されて層76を完成させる(
図21)。
【0138】
次いで本方法は例えば金属からなる導電性コンタクト86、96を成膜する段階を行って終了する(
図22)。これらのコンタクトは、少なくともナノLED60、62の上部に、ナノLEDの頂部からの光の取出しが可能なように半透明な材料で形成される。薄い金属層(Ni/Au、Pd/Au、Pt/Au)またはITO(インジウムスズ酸化物)層を例として挙げることができる。そのためプレーナ技術が用いられる。
【0139】
これまで、コア/シェル型のナノLEDについて説明してきた。もちろん、本発明はナノワイヤの形状のどのような種類のLED、例えば
図1に関連して説明されたナノLEDのようなLEDにも適用される。
図23に示されたように、2つのナノLED60、62の間の直列接続の実質的に同一の要素を含み、接続ナノワイヤ82は例えばナノLEDの上部を除去して領域14を露出させ、例えば金属からなりコンタクト86と接触する導電性ナノワイヤで領域14を完成させることによって形成される。
【0140】
前述のように、直列接続はナノLEDからナノLEDへ、または並列に接続されたナノLEDのグループから並列に接続されたナノLEDの他のグループへ形成されるものであってもよい。
【0141】
図24及び25は、3つの直列接続されたナノLED60、62によるナノLED60、62のアレイの一例を示している。
図24は支持部のコンタクト88を示す上面図であり、
図25は平面化層76上のコンタクト86を示す上面図である。
【0142】
図26及び27は、並列接続された3つのナノLEDによる3つのナノLEDの2つのアレイ140、142の直列接続の例を示しており、アレイ140、142は接続ナノワイヤ82の列144によって直列接続される。
図26は上に形成されたアレイ140のナノLED及び接続ナノワイヤ82を有する支持部のコンタクト146、並びに上に形成されたアレイ142のナノLEDを有する、コンタクト146から電気的に絶縁された支持部58のコンタクト148を図示する上面図である。
図27はアレイ140のナノLEDと接触する平面化層76上に形成されたコンタクト150及びコンタクト150から電気的に絶縁されアレイ142のナノLED及び接続ナノワイヤ82と接触する平面化層76上のコンタクト152を図示する上面図である。
【0143】
このような接続構成によって、デバイスの動作は特定のLEDが損傷しているような場合に信頼性を有する。さらに、図示された構成では、接続ナノワイヤ82の数がナノLED60、62の数を2で割ったよりも少ないことに注意すべきである。しかしながら接続ナノワイヤ82の数は、取り込まれる電流密度に従って大きくなり、決定される。
【0144】
約240ボルトの主電圧で電力供給される発光デバイスを考えると、例として、平均3.5ボルトの電圧で電力供給される68個のナノダイオードまたはナノダイオード組立体(それら自体は並列に接続される)の接続を想定することが可能である。
【0145】
電流がナノLED60、62を流れるたびに、平均3.5ボルトの電圧低下が発生する。そのため、68個直列接続されたナノLEDの組立体を、可能であれば国内電力システムのAC特性による間欠的な発光を避けるためにAC/DCコンバータを追加して、直接240ボルトの国内電源プラグに直接接続することが可能である。そのため、電力供給電圧を降圧させるためのトランスの使用はもはや必要ない。
【0146】
さらに、反対の動作方向を有する、すなわち2つのダイオードの並列頭尾接続と等価な接続構成を有する68個のナノLEDの少なくとも2つのブランチを並列に接続することにより、各ブランチが交互に導電性となり光が連続的に放出されるので、AC/DCコンバータを用いないようにすることが可能である。
【0147】
この接続構成は、デバイスの寿命を制限する損傷しやすい部品であり、そのコストを非常に増大させるLEDデバイスの制御電子部品を不要にすることができる。
【0148】
GaN材料族の材料からなるナノLEDについて説明してきた。直接ギャップ材料、特にUV−青のスペクトル範囲において光を発生させる広いギャップの材料(ZnO)または赤及び赤外スペクトル範囲の光を発生させるギャップの小さい材料(GaAs、GaP、InP)もまた発光に用いることができる。
【0149】
様々な種類の基板、特により良好に熱を除去する良好な熱伝導体である基板もまた想定することが可能である。
【0150】
前述のデバイスをリンを含む材料で封じることにより、白色光を発光するデバイスを設計することもまた可能である。
【0151】
ナノLEDの異なるカテゴリー、すなわち青色発光のカテゴリー、緑色発光の第2のカテゴリー、及び赤色発光の第3のカテゴリーの直列接続によって白色光を発光するデバイスを設計することもまた可能である。例えば、それぞれのカテゴリーにおいて、例えば「コア/シェル」型のナノLEDが、並列に接続される。発光波長の変調は、有利にはワイヤ直径を変更することによって得られ、ワイヤ直径の変更は選択された成長方法、すなわち有利には局所的成長によって容易に達成できる。
【0152】
そのため、本発明によれば、ナノLEDの直列電気接続を実施することが可能であり、特に以下の利点を有する。
・長さの制限のない相互接続
・ナノLEDに電力供給する注入電流密度の均一化、従って安定した光の強度及び材料(特にコンタクト)にダメージを与える恐れのあるホットポイントの発生の制限
・非常に一般的な電力供給、それによって電流配線がより低い電流を伝導し、一定注入電力を維持する間、デバイスの動作を信頼性のあるものとする。
・特にAC/DCコンバータもトランスも用いることなく国内電源システムを介してナノLEDに電力を供給することができることによるACまたはDC電力供給制御の可能性。