特許第5959644号(P5959644)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5959644
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】光学測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/00 20060101AFI20160719BHJP
   G01M 11/00 20060101ALN20160719BHJP
【FI】
   G01J1/00 E
   !G01M11/00 T
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-527834(P2014-527834)
(86)(22)【出願日】2012年7月30日
(86)【国際出願番号】JP2012069322
(87)【国際公開番号】WO2014020660
(87)【国際公開日】20140206
【審査請求日】2015年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000206967
【氏名又は名称】大塚電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大久保 和明
(72)【発明者】
【氏名】白岩 久志
【審査官】 塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−206231(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0304049(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0328672(US,A1)
【文献】 特表昭63−500540(JP,A)
【文献】 特開平6−22099(JP,A)
【文献】 特開平10−90056(JP,A)
【文献】 特開2005−69760(JP,A)
【文献】 特開平4−315926(JP,A)
【文献】 特開2006−47310(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 1/00−1/60
G01M 11/00
G01J 3/00−3/52
H01L 33/00
JSTPlus/JST7580(JDreamII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から照射される光を照射角と関連付けて検出するための光学測定装置であって、
一方の平面に第1の開口を有するとともに、他方の平面に第2の開口を有する、中空の円筒状部材と、
前記円筒状部材を回転支持するローラを含み、前記円筒状部材の中心軸である第1の軸に沿って前記円筒状部材を回転させるための回転機構と、
前記第1の軸上であって、かつ照射される光が前記第1の開口を通じて前記円筒状部材の内部に入射する位置である測定位置に、前記光源を配置するための支持部と、
前記円筒状部材の内部に配置され、前記光源から前記第1の開口を通じて入射する光を反射する第1の反射部と、
前記円筒状部材の内部の光を反射して、当該光を、前記第2の開口を通じて、前記第1の軸に沿って前記円筒状部材の外部へ伝搬させるための第2の反射部と、
前記第1の反射部で反射した光を前記第2の反射部へ入射させるための、少なくとも1つの第3の反射部とを備える、光学測定装置。
【請求項2】
前記支持部は、前記第1の軸とは直交する第2の軸に沿って前記光源を回転可能に構成される、請求項1に記載の光学測定装置。
【請求項3】
前記第1の軸上に配置される受光部をさらに備える、請求項1または2に記載の光学測定装置。
【請求項4】
前記支持部は、
複数の光源を支持するためのアームと、
前記アームを回転することで、前記測定位置に配置する光源を順次切り替える手段とを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学測定装置。
【請求項5】
前記第3の反射部は、前記光源からの光を前記第1の軸とは直交する方向に導くように配置された複数の反射部を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学測定装置。
【請求項6】
前記第3の反射部は、前記光源からの光を、前記第1の軸に周りを少なくとも部分的に周回するように構成されている、請求項に記載の光学測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から照射される光を照射角と関連付けて検出するための光学測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光源の性能を評価する一つの指標として、光の放射特性が知られている。このような放射特性の典型例として、配光特性が挙げられる。配光特性とは、光度の角度に対する変化または分布を意味する。このような配光特性としては、絶対光度および相対光度のいずれもが使用される。絶対光度の配光特性は、光源が発生する全光束を求めるような場合などに利用される。一方、相対光度の配光特性は、配光パターンを求める場合などに利用される。
【0003】
このような配光特性を測定する装置の先行技術としては、例えば、特開平07−294328号公報(特許文献1)や特開2003−247888号公報(特許文献2)などがある。
【0004】
配光特性の測定に関して、日本工業規格では、JIS C8105−5:2011「照明器具−第5部:配光測定方法」(非特許文献1)が定められている。
【0005】
一般的に、大形の照明器具などの光源について配光特性を測定する場合には、平面鏡を回転させることで、光源から照射される光を受光器に導く構成が採用される。このような測定装置では、典型的には、測定対象の光源が鉛直軸に沿って回転可能に配置され、平面鏡が水平軸に沿って回転可能に配置される。配光測定装置は、主として2種類に分類される。一方は、平面鏡が中央で回転し、その周りを光源が回転する方式(以下「Moving Sample方式」とも記す。)であり、他方は、光源の周りを平面鏡が回転する方式(以下「Moving Mirror方式」とも記す。)である。
【0006】
より具体的には、Moving Sample方式では、平面鏡の中心と受光器とを結ぶ線が平面鏡の回転軸と一致するように構成される。この方式では、光源の大きさや光量に依存して、測光距離(光源から受光器までの距離)を変化させることが容易である。また、Moving Mirror方式では、光源の測光中心と受光器とを結ぶ線が平面鏡の回転軸と一致する。この方式では、測光距離を変化させることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平07−294328号公報
【特許文献2】特開2003−247888号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】JIS C8105−5:2011「照明器具−第5部:配光測定方法」、日本規格協会、2011年12月20日制定
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のMoving Sample方式は、平面鏡から受光器までの光軸が不変であるため、測定上の利点がある。しかしながら、測定中に光源が空間を移動するため、姿勢によって特性が変化する放電ランプや周囲温度によって特性が変化するLED照明器具といった光源を測定する場合には、特性が安定しないという課題がある。
【0010】
また、Moving Mirror方式は、平面鏡が光源の周りを移動し、光源自身は移動しないため、周囲温度を一定に保つことができ、測定中における光源の特性を安定化できるという利点がある。しかしながら、平面鏡から受光器までの光軸が変化するため、受光器の受光角特性の影響を受けやすいという課題や、迷光対策が難しいという課題がある。
【0011】
本発明の目的は、上述のような先行技術に開示される構成や方法とは異なる、光源から照射される光を照射角と関連付けて検出するための新規な光学測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のある局面に従えば、光源から照射される光を照射角と関連付けて検出するための光学測定装置が提供される。光学測定装置は、一方の平面に第1の開口を有するとともに、他方の平面に第2の開口を有する、中空の円筒状部材と、円筒状部材の中心軸である第1の軸に沿って円筒状部材を回転させるための回転機構と、第1の軸上であって、かつ照射される光が第1の開口を通じて円筒状部材の内部に入射する位置である測定位置に、光源を配置するための支持部と、円筒状部材の内部に配置され、光源から第1の開口を通じて入射する光を反射する第1の反射部と、円筒状部材の内部の光を反射して、当該光を、第2の開口を通じて、第1の軸に沿って円筒状部材の外部へ伝搬させるための第2の反射部と、第1の反射部で反射した光を第2の反射部へ入射させるための、少なくとも1つの第3の反射部とを含む。
【0013】
好ましくは、支持部は、第1の軸とは直交する第2の軸に沿って光源を回転可能に構成される。
【0014】
好ましくは、回転機構は、円筒状部材を回転支持するローラを含む。
好ましくは、光学測定装置は、第1の軸上に配置される受光部をさらに含む。
【0015】
好ましくは、支持部は、複数の光源を支持するためのアームと、アームを回転することで、測定位置に配置する光源を順次切り替える手段とを含む。
【0016】
好ましくは、第3の反射部は、光源からの光を第1の軸とは直交する方向に導くように配置された複数の反射部を含む。
【0017】
さらに好ましくは、第3の反射部は、光源からの光を、第1の軸に周りを少なくとも部分的に周回するように構成されている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、光源から照射される光を照射角と関連付けて検出するための新規な光学測定装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態に従う光学測定装置の側断面図である。
図2】本発明の実施の形態に従う光学測定装置の全体構成を示す斜視図である。
図3図1のIII−III線における断面図である。
図4図1に示すドラムをX軸に沿って90°だけ回転させた状態を示す図である。
図5】本発明の実施の形態に従う処理装置のハードウェア構成を示す概略図である。
図6】本発明の実施の形態に従う光学測定装置の電気的構成を示す概略図である。
図7】本発明の実施の形態の第1変形例に従う光学測定装置を示す模式図である。
図8】本発明の実施の形態の第2変形例に従う光学測定装置を示す模式図である。
図9】本発明の実施の形態の第2変形例に従う別の光学測定装置を示す模式図である。
図10図9のX−X線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0021】
<A.全体構成>
本実施の形態に従う光学測定装置1は、測定対象の光源から照射される光を照射角と関連付けて検出する。より具体的には、光学測定装置1は、光源を中心とする空間座標系における複数の位置での光度をそれぞれ測定することで、光源の光度についての空間分布を取得する。以下では、光放射特性の典型例として、光源の配光特性を測定する例について説明する。
【0022】
まず、光学測定装置1の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に従う光学測定装置1の側断面図である。図2は、本発明の実施の形態に従う光学測定装置1の全体構成を示す斜視図である。図3は、図1のIII−III線における断面図である。
【0023】
図1図3を参照して、光学測定装置1は、中空のドラム2を含む。ドラム2の一方の平面(底面)側に光源30を配置して点灯させるとともに、ドラム2の他方の平面(底面)側に配置された受光部6で光源30からの光を受光することで、光源30の光度が測定される。ドラム2は、一方の平面(底面)に光源30を配置するための開口である光源窓10を有するとともに、他方の平面(底面)に光源30からの光を取り出すための開口である観測窓18を有する。
【0024】
配光特性を測定する場合には、ドラム2がX軸を中心に回転し、光源30がY軸を中心に回転することで、光源30から照射される光が各照射角について測定される。ドラム2は、ドラム2の中心軸(光軸AX1と一致)であるX軸に沿って回転可能に配置される。すなわち、光学測定装置1は、ドラム2をその中心軸に沿って回転させるための回転機構を含む。ドラム2のX軸についての回転角度をθとする。例えば、回転角度θは、所定の初期状態を基準(0°)として、−180°≦θ≦180°の範囲で定義される。但し、実用上は、−90°≦θ≦90°の範囲で測定すれば十分である場合も多い。
【0025】
ドラム2の光源窓10に関連付けて、光源支持部20が配置される。光源支持部20は、光源30を所定位置に配置するとともに、光源30を点灯するための電源を供給する。光源30の発光面の中心は、ドラム2の中心軸(光軸AX1)上に位置付けられる。すなわち、光源支持部20は、ドラム2の中心軸上であって、かつ照射される光が光源窓10を通じてドラム2の内部に入射する位置(測定位置)に、光源30を配置する。
【0026】
光源30は、光源支持部20のアーム22によって支持され、アーム22は、Y軸に沿って回転可能である。光源30は、必要に応じて、Y軸に沿って回転される。すなわち、光源支持部20は、ドラム2の中心軸とは直交するY軸に沿って、光源30を回転可能に構成される。この光源支持部20による光源30のY軸についての回転角度をφとする。例えば、回転角度φは、所定の初期状態を基準(0°)として、−180°≦φ≦180°の範囲で定義される。
【0027】
ドラム2内には、平面鏡12,14,16が設けられる。ドラム2に入射した光源30からの光は、平面鏡12、平面鏡14および平面鏡16を経て、受光部6へ導かれる。すなわち、ドラム2の内部には、3つの平面鏡が固定されており、ドラム2の中心軸に配置された光源30を点灯した状態で、ドラム2は回転する。ドラム2の回転に伴って、平面鏡12も光源30の周りを回転することになり、各放射角における光源30からの光を受光する。平面鏡14および16は、平面鏡12からの反射光を、ドラム2の回転中心(観測窓18)から射出する。受光部6は、このドラム2から射出された光を受光する。
【0028】
平面鏡12は、光源30からの光を予め定められた方向へ反射する。平面鏡12は、ドラム2に固定されているため、ドラム2の回転に伴ってX軸に沿って回転する。光源30の発光面の中心がドラム2の中心軸上に位置しているので、ドラム2の回転角度にかかわらず、光源30から平面鏡12までの距離は一定に保たれる。すなわち、ドラム2がいずれの回転位置にあっても、平面鏡12の視野には光源30が常に含まれることになる。このように、光学測定装置1は、ドラム2の内部に配置され、光源30から光源窓10を通じて入射する光を反射する平面鏡12を含む。
【0029】
平面鏡14は、観測窓18に関連付けて固定されている。平面鏡14は、ドラム2の内部の光を反射して、当該光を、観測窓18を通じて、ドラム2の中心軸(光軸AX1)に沿ってドラム2の外部へ伝搬させる。平面鏡14は、ドラム2がいずれの回転位置にあっても、反射した光を受光部6へ向けて射出するように構成されている。
【0030】
平面鏡16は、平面鏡12で反射した光を平面鏡14へ入射させる。図1に示す例では、平面鏡12と平面鏡14との間に1つの平面鏡16が配置された構成を示すが、複数の平面鏡を配置してもよい。
【0031】
受光部6は、ドラム2の中心軸(光軸AX1)上に配置され、光源30から照射された光、すなわちドラム2から射出される光の光度を検出する。受光部6は、受光した光の光度(強度)を示す値を処理装置200へ出力する。受光部6としては、フォトダイオードのような光の強度を検出するようなデバイスを採用してもよいし、波長毎の強度(スペクトル)を検出するための分光検出器を採用してもよい。また、受光部6は、光を収集するためのレンズ系などを含む。
【0032】
基本的には、光学測定装置1による配光特性の測定は、暗室内で行われる。しかしながら、ドラム2と受光部6との間の測光距離が長くなると、その光学経路上のいずれかの部分で生じた迷光が混入する可能性がある。このような迷光は、測定誤差の要因となる。そのため、ドラム2と受光部6との間の光学経路上に、遮光板62,64を設けることが好ましい。遮光板62,64は、ドラム2から射出された光の光路(軸径)を制限することで、迷光の混入を防止する。
【0033】
光学測定装置1は、ドラム2の回転ならびに光源30の回転および点灯を制御するための制御部4を含む。制御部4は、処理装置200と接続され、処理装置200からの指示に従って、ローラ52,54およびアーム22を回転させる。
【0034】
処理装置200は、受光部6による検出結果(光度を示す値)を、検出時のドラム2の回転角度θおよび光源支持部20の回転角度φと関連付けて格納する。すなわち、処理装置200は、回転角度θおよび回転角度φの組合せの各々について、検出結果を格納する。この格納された検出結果が光源30の光度の空間分布、すなわち配光特性となる。
【0035】
<B.回転機構>
上述したように、光学測定装置1は、ドラム2をその中心軸に沿って回転させるための回転機構を含む。ドラム2を回転駆動できれば、どのような機構を採用してもよい。例えば、ドラム2の中心部とモータとを機械的に連結し、当該モータの回転駆動によってドラム2を回転させてもよい。
【0036】
本実施の形態においては、図1図3に示すように、ドラム2を回転支持するローラ52および54を配置し、このローラ52および54を回転駆動することで、ドラム2を回転させる構成を採用する。ドラム2の外周側の下部にローラ52および54を設けて、ドラム2を回転させる駆動機構を採用することで、装置をコンパクト化できる。また、鏡を支持するアーム自体や光源を支持するアーム自体を回転駆動させる構成に比較して、ドラム2の回転駆動に要する電力を小さくできる。さらに、駆動機構がドラム2の外周側にあるため、ユーザによる光源30へのアクセスをより容易化できる。
【0037】
図3においては、ドラム2の下部に配置されたローラ52および54がドラム2の支持および回転を行なう構成について示すが、これに限られるものではない。例えば、ドラム2を回転可能に支持する従動ローラと、ドラム2を回転駆動する駆動ローラとをそれぞれ配置するようにしてもよい。
【0038】
<C.測定状態>
図4は、図1に示すドラム2をX軸に沿って90°だけ回転させた状態を示す図である。図1には、光源30から鉛直下向きに照射される光を測定する状態を示す。これに対して、図4には、光源30から水平奥向きに照射される光を測定する状態を示す。図1および図4に示すいずれの測定状態においても、光源30から照射される光のうち測定対象の成分は、まず平面鏡12に入射し、その後、平面鏡14および16を経て、受光部6へ入射する。光源30から受光部6までの光学経路は、ドラム2がいずれの回転位置にあっても同一の光学距離に維持される。これにより、光源30の配光特性を測定できる。
【0039】
<D.処理装置>
次に、本実施の形態に従う処理装置200について説明する。図5は、本発明の実施の形態に従う処理装置200のハードウェア構成を示す概略図である。
【0040】
図5を参照して、処理装置200は、典型的にはコンピュータによって実現される。具体的には、処理装置200は、オペレーティングシステム(OS:Operating System)を含む各種プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)202と、CPU202でのプログラムの実行に必要なデータを一時的に記憶するメモリ212と、CPU202で実行されるプログラムを不揮発的に記憶するハードディスク(HDD:Hard Disk Drive)210とを含む。また、ハードディスク210には、配光特性の測定に係る処理を実現するためのプログラムが予め記憶されており、このようなプログラムは、CD−ROMドライブ214によって、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory)214aなどから読取られる。あるいは、CPU202は、サーバ装置などからネットワークインターフェイス(I/F)206を介してネットワークを経由してプログラムを受信し、それをハードディスク210へ格納。
【0041】
CPU202は、I/O(Input Output)ユニット216を介して、受光部6により検出された検出結果を受信し、また光学測定装置1へ各種の制御指令を与える。CPU202は、キーボードやマウスなどからなる入力部208を介してユーザなどからの指示を受け取るとともに、プログラムの実行によって算出される配光特性などをディスプレイ204などへ出力する。
【0042】
処理装置200に搭載される機能の一部または全部を専用のハードウェアで実現してもよい。
【0043】
<E.電気的構成>
次に、本実施の形態に従う光学測定装置1の電気的構成について説明する。図6は、本発明の実施の形態に従う光学測定装置1の電気的構成を示す概略図である。
【0044】
図6を参照して、光学測定装置1は、さらに、ローラ52および54をそれぞれ回転駆動するモータ72および74と、光源支持部20のアーム22を回転駆動するモータ76とを含む。モータ72,74,76としては、回転角度を高精度に制御できるように、回転位置(位相)の制御が可能なステッピングモータが好ましい。
【0045】
制御部4は、通信インターフェイス(I/F)40と、モータドライバ42,44,46と、光源30を点灯するための電力を供給する光源駆動部48とをさらに含む。通信インターフェイス40は、処理装置200からの制御指令をデコードして、モータドライバ42,44,46および光源駆動部48に対して、内部コマンドを与える。
【0046】
モータドライバ42,44,46は、通信インターフェイス40からの内部コマンドに従って、モータ72,74,76を駆動する。光源駆動部48は、通信インターフェイス40からの内部コマンドに従って、光源30を点灯するための電力を生成する。
【0047】
モータ72,74,76からのフィードバック信号(パルス信号など)に基づいて、制御部4がドラム2の回転角度θおよび光源30の回転角度φを検出し、それらの検出値を処理装置200へ出力してもよい。
【0048】
<F.第1変形例(エージングによる測定待ち時間の短縮化)>
光源30の放射特性を正確に測定するには、測定開始前に光源30を十分にエージングする必要がある。エージングとは、光源30を安定状態になるまで点灯させる動作をいう。以下、このようなエージングによる測定待ち時間を短縮できる変形例について説明する。
【0049】
図7は、本発明の実施の形態の第1変形例に従う光学測定装置1Aを示す模式図である。図7に示す光学測定装置1Aは、図1に示す光学測定装置1に比較して、光源支持部20に代えて光源支持部20Aが配置されている点が異なっている。その他の構成については、図1に示す光学測定装置1と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0050】
光源支持部20Aは、複数の光源30(図7に示す例では、2つの光源30)を支持および点灯できる。より具体的には、光源支持部20Aは、2つのアーム22−1,22−2を有しており、それぞれのアームに光源30を装着可能になっている。さらに、光源支持部20Aは、Y軸に沿って回転可能になっており、それぞれのアーム22−1,22−2に装着される光源30を交互に測定位置に配置する。すなわち、光源支持部20Aは、複数の光源30を支持するためのアーム22−1,22−2を含み、アーム22−1,22−2を回転することで、測定位置に配置する光源30を順次切り替える。3つ以上のアームを設けて、より多くの光源30を並列的にエージングできるようにしてもよい。
【0051】
このような構成を採用することで、複数の光源30を同時に点灯することができる。つまり、一方の光源30を点灯して測定している間に、他方の光源30を点灯してエージングすることができる。なお、アーム22−1とアーム22−2との間は、暗幕70などで遮光されるため、エージング中の光源30から照射される光が測定誤差になることはない。
【0052】
本変形例によれば、ある光源30の放射特性の測定と、別の光源30のエージングとを並行して実行できるので、エージング時間による測定待ち時間を短縮できる。また、測定位置に配置される光源30の交換に要する時間を短縮できる。
【0053】
<G.第2変形例(測光距離の延長化)>
上述したJIS C8105−5:2011「照明器具−第5部:配光測定方法」によれば、配光特性を測定する際の測光距離(光源30から受光部6までの距離)は、光源(照明器具)の発光面の最大寸法の5倍以上が望ましいとされている。例えば、1.2mの蛍光灯の配光特性を測定する場合の測光距離は、6m以上とすることが好ましい。
【0054】
但し、この発光面の最大寸法の5倍という条件は、光源30から照射される光のビームの開きが120%であっても、光度の誤差を1%以下にできるという仮定で決定されたものである。そのため、例えば、光源30が集光性の配光特性を有する場合には、発光面の最大寸法の5倍では不十分であり、より長い測光距離が必要になる。
【0055】
そこで、本実施の形態の第2変形例として、測光距離を延長できる構成について説明する。
【0056】
図8は、本発明の実施の形態の第2変形例に従う光学測定装置1Bを示す模式図である。図8に示す光学測定装置1Bは、図1に示す光学測定装置1に比較して、ドラム2に代えてドラム2Bが配置されている点が異なっている。その他の構成については、図1に示す光学測定装置1と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0057】
ドラム2Bは、平面鏡12および平面鏡14Bに加えて、平面鏡16−1,16−2,16−3を含む。平面鏡14Bは、図1に示す平面鏡14と同様に、ドラム2の内部の光を反射して、光軸AX1に沿って当該光をドラム2の外部へ射出する。平面鏡16−1,16−2,16−3は、平面鏡12に入射した光を平面鏡14Bへ導くための光路を構成する。すなわち、平面鏡16−1,16−2は、光源30からの光をX軸とは直交する方向に導くことで、より長い光路を構成する。
【0058】
この平面鏡16−1,16−2,16−3によって構成される光路は、図1に示す平面鏡16によって構成される光路に比較して長いので、より長い測光距離を実現できる。
【0059】
図8には、光源30からの光がY軸に沿って、紙面上方向に向けて1回だけ伝搬する光路が構成される例を示すが、これに限られず、紙面上方向または紙面下方向に複数回伝搬するような光路を形成してもよい。
【0060】
図9は、本発明の実施の形態の第2変形例に従う別の光学測定装置1Cを示す模式図である。図10は、図9のX−X線における断面図である。
【0061】
図9に示す光学測定装置1Cは、図1に示す光学測定装置1に比較して、ドラム2に代えてドラム2Cが配置されている点が異なっている。その他の構成については、図1に示す光学測定装置1と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0062】
ドラム2Cは、平面鏡12および平面鏡14Cに加えて、X軸を中心とした所定の関係をもって配置された平面鏡16−4,16−5,16−6,16−7を含む。平面鏡14Cは、図1に示す平面鏡14と同様に、ドラム2の内部の光を反射して、光軸AX1に沿って当該光をドラム2の外部へ射出する。平面鏡16−4,16−5,16−6,16−7は、平面鏡12に入射した光を平面鏡14Cへ導くための光路を構成する。すなわち、平面鏡16−4,16−5,16−6,16−7は、光源30からの光をX軸とは直交する方向に導くことで、より長い光路を構成する。図10に示すように、平面鏡16−4,16−5,16−6,16−7は、光源30からの光を、X軸に周りを少なくとも部分的に周回するように構成される。
【0063】
この平面鏡16−4,16−5,16−6,16−7によって構成される光路は、図1に示す平面鏡16によって構成される光路に比較して長いので、より長い測光距離を実現できる。
【0064】
図9および図10には、光源30からの光がX軸を中心として、時計回りに3/4周する光路が構成される例を示すが、これに限られず、X軸を中心として、複数回周回するような光路を形成してもよい。さらに、図8に示す構成例と、図9および図10に示す構成例とを適宜組み合わせてもよい。
【0065】
<H.利点>
本実施の形態によれば、一種のMoving Mirror方式の配光測定装置を実現できる。本実施の形態によれば、光源30が移動しないので、光源30の周囲温度を一定に保つことができ、測定中における光源30の特性を安定化できる。さらに、ドラム2から射出して受光部6に入射する光軸はドラム2の回転角度によらず一定であるので、測定精度を高めることができる。
【0066】
本実施の形態によれば、平面鏡16によって反射された光が射出する面には、開口として観測窓18が設けられるのみであるので、受光部6に入射する迷光を低減できる。
【0067】
本実施の形態によれば、ドラム2の外周側に配置された駆動機構を用いるので、装置をコンパクト化できる。また、駆動機構がドラム2の外周側にあるため、ユーザによる光源30へのアクセスをより容易化できる。
【0068】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0069】
1,1A,1B,1C 光学測定装置、2,2B,2C ドラム、4 制御部、6 受光部、10 光源窓、12,14,14B,14C,16,16−1〜16−7 平面鏡、18 観測窓、20,20A 光源支持部、22,22−1,22−2 アーム、30 光源、40 通信インターフェイス、42,44,46 モータドライバ、48 光源駆動部、52,54 ローラ、62,64 遮光板、70 暗幕、72,74,76 モータ、200 処理装置、202 CPU、204 ディスプレイ、206 ネットワークインターフェイス、208 入力部、210 ハードディスク、212 メモリ、214 CD−ROMドライブ、216 I/Oユニット。
図1
図2
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図7
図8
図9
図10