特許第5959649号(P5959649)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5959649パターン・ベースのメッセージ送信の方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5959649
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】パターン・ベースのメッセージ送信の方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/26 20090101AFI20160719BHJP
   H04W 76/02 20090101ALI20160719BHJP
【FI】
   H04W28/26
   H04W76/02
【請求項の数】15
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-532496(P2014-532496)
(86)(22)【出願日】2012年9月19日
(65)【公表番号】特表2014-531848(P2014-531848A)
(43)【公表日】2014年11月27日
(86)【国際出願番号】IB2012002168
(87)【国際公開番号】WO2013046022
(87)【国際公開日】20130404
【審査請求日】2014年5月27日
(31)【優先権主張番号】201110296341.4
(32)【優先日】2011年9月30日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ユ
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,ジアリン
(72)【発明者】
【氏名】プラト,サディープ
【審査官】 齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/041459(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/065407(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/053219(WO,A1)
【文献】 特表2013−506387(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/060707(WO,A1)
【文献】 特開2008−005233(JP,A)
【文献】 "Time Control according to MTC device Identifiers",3GPP TSG SA WG2 Meeting #79 TD S2-XXXXXX,2010年 5月14日,S2-102330,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_79_Kyoto/Docs/S2-102330.zip
【文献】 "System Improvements for Machine-Type Communications;(Release 11)",3GPP TR 23.888 V1.3.0,2011年 6月 8日,pp.120-122,URL,http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/23_series/23.888/23888-130.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局によってサービスされるユーザ機器でパターン・ベースのメッセージ送信を実施する方法であって、
A.前記基地局に前記ユーザ機器の機器識別子を送信するステップと、
B.前記基地局から実施すべきメッセージの交換を事前定義するパターン情報を受信するステップであって、前記パターン情報が前記基地局によって決定されるステップと、
C.前記パターン情報に基づいて前記基地局との間でメッセージ送信を実施するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記パターン情報が、前記メッセージ送信に関連する少なくとも1つのパラメータを含み、前記パラメータが、それぞれの交換されるメッセージ間の遅延とそれぞれの交換されるメッセージサイズの少なくとも一方を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ユーザ機器にサービスする基地局でパターン・ベースのメッセージ送信を実施する方法であって、
A.前記ユーザ機器から前記ユーザ機器の機器識別子を受信するステップと、
B.前記機器識別子に従って前記ユーザ機器に関するパターン情報を決定するステップであって、前記パターン情報が、実施すべきメッセージの交換を事前定義するステップと、
C.前記ユーザ機器に前記パターン情報を送信するステップと、
D.前記パターン情報に基づいて前記ユーザ機器との間でメッセージ送信を実施するステップと
を含む方法。
【請求項4】
前記ステップBが、前記基地局が、前記機器識別子と、前記機器識別子に対応する前記パターン情報とを事前記憶し、前記機器識別子に従って前記ユーザ機器に関する前記パターン情報を決定することをさらに含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記パターン情報が、前記メッセージ送信に関連する少なくとも1つのパラメータを含み、前記パラメータは、それぞれの交換されるメッセージ間の遅延とそれぞれの交換されるメッセージサイズの少なくとも一方を含む請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
基地局によってサービスされるユーザ機器でパターン・ベースのメッセージ送信を実施する方法であって、
A.前記基地局のブロードキャストにより前記基地局からシステム情報を受信するステップであって、前記システム情報が、それぞれのユーザ機器の機器識別子と、対応するパターン情報とを含み、前記パターン情報が、実施すべきメッセージの交換を事前定義するステップと、
B.前記機器識別子に従って前記システム情報から前記対応するパターン情報を選択し、前記パターン情報に基づいて前記基地局との間でメッセージ送信を実施するステップと
を含む方法。
【請求項7】
前記システム情報がサービス識別子をさらに含み、前記ステップBが、前記機器識別子および前記サービス識別子に従って前記システム情報から前記対応するパターン情報を選択し、前記パターン情報に基づいて前記基地局との間でメッセージ送信を実施するステップをさらに含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記パターン情報が、前記メッセージ送信に関連する少なくとも1つのパラメータを含み、前記パラメータが、それぞれの交換されるメッセージ間の遅延とそれぞれの交換されるメッセージサイズの少なくとも一方を含む請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
ユーザ機器にサービスする基地局でパターン・ベースのメッセージ送信を実施する方法であって、
A.それぞれのユーザ機器にシステム情報をブロードキャストするステップであって、前記システム情報が、前記それぞれのユーザ機器の機器識別子と、対応するパターン情報とを含み、前記パターン情報が、実施すべきメッセージの交換を事前定義するステップと、
B.前記ユーザ機器によって選択された前記パターン情報に基づいて、前記ユーザ機器との間でメッセージ送信を実施するステップと
を含む方法。
【請求項10】
前記システム情報がサービス識別子をさらに含み、その結果前記ユーザ機器が、前記機器識別子および前記サービス識別子に従って前記システム情報から前記対応するパターン情報を選択し、前記パターン情報に基づいて前記基地局との間でメッセージ送信を実施する請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記パターン情報が、前記メッセージ送信に関連する少なくとも1つのパラメータを含み、前記パラメータが、それぞれの交換されるメッセージ間の遅延とそれぞれの交換されるメッセージサイズの少なくとも一方を含む請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
基地局によってサービスされるユーザ機器でパターン・ベースのメッセージ送信を実施する方法であって、
A.前記基地局に実施すべきメッセージの交換を事前定義するパターン情報を送信するステップと、
B.前記基地局によって確認および/または変更された前記パターン情報を前記基地局から受信するステップと、
C.前記基地局によって確認および/または変更された前記パターン情報に基づいて、前記基地局との間でメッセージ送信を実施するステップと
を含む方法。
【請求項13】
前記パターン情報が、前記メッセージ送信に関連する少なくとも1つのパラメータを含み、前記パラメータが、それぞれの交換されるメッセージ間の遅延とそれぞれの交換されるメッセージサイズの少なくとも一方を含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ユーザ機器にサービスする基地局でパターン・ベースのメッセージ送信を実施する方法であって、
A.前記ユーザ機器から実施すべきメッセージの交換を事前定義するパターン情報を受信するステップと、
B.実際の条件に従って前記パターン情報を確認および/または変更するステップと、
C.確認および/または変更したパターン情報を前記ユーザ機器に送信するステップと、
D.前記確認および/または変更したパターン情報に基づいて、前記ユーザ機器との間でメッセージ送信を実施するステップと
を含む方法。
【請求項15】
前記パターン情報が、前記メッセージ送信に関連する少なくとも1つのパラメータを含み、前記パラメータが、それぞれの交換されるメッセージ間の遅延とそれぞれの交換されるメッセージサイズの少なくとも一方を含み、かつ/または前記実際の条件が、物理資源の現在の割振り、実際のプロトコル・フロー、およびプロセス遅延のうちの少なくとも1つを含む請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッセージ送信の方法に関し、詳細には、パターン・ベースのメッセージ送信の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
Machine Type Communicationは、Long Term Evolution(LTE)システムに新しく導入されたプロジェクトである。LTEは、OFDMベースのシステムであり、通信のために、シグナリング接続セットアップ、リソースの割振り、および規定のリソースを介する通信が必要となる。LTEシステムでは、シグナリングとデータとの間に特定の合致関係があり、データ送信のために多数のシグナリングの対話が必要となる。人間と人間のコミュニケーション、例えば言語コミュニケーション、インターネット・アクセスなどとは異なり、MTCで送信する必要があるメッセージのデータ量は少なく、例えば、マシンは単にパラメータ(例えば、温度、電気計器の読取り値など)をレポートする。
【0003】
人間と人間のコミュニケーションでは、送信すべき多くのデータ量があり、シグナリングの割合は低い。しかし、MTCでは、送信すべきデータ量は低く、したがってシグナリングの割合は低く、したがってシグナリング過負荷および経済性の問題が生じる。例えば、少ないデータ量のメッセージが送信される場合であっても、高い割合のシグナリングを消費しなければならない。
【0004】
この問題のために以下の状況が生じる。例えば、MTCでのユーザ機器(UE)間のデータ送信では、システムは、ユーザのデータ送信をサポートすることができるが、シグナリングを運搬することができず、すなわち、システムがシグナリングの側面でサポートすることができるのは、少数のユーザだけである。その結果としてのシグナリング過負荷の問題は、通信効率にも影響を及ぼす。
【0005】
一方、データ送信とシグナリング送信のどちらも、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)シグナリングによりスケジューリングされる。しかし、PDCCHリソースは限定され、セル全体を通じて共有される。MTCの結果として生じるシグナリングは、スケジューリング中のデータよりも高い優先順位を有する。したがって、過剰なリソースが占有されることがあり、さらには、MTCの結果として生じるかなりのシグナリング・オーバヘッドにより、すべてのPDCCHリソースが消費されることがあり、それによって深刻な結果が引き起こされ、例えばセル内の他のユーザの通信が影響を受け、別のユーザの通信が制限される(例えば、進行中の音声通信中のユーザが中断されることがある)。
【発明の概要】
【0006】
明らかに、従来技術の欠点は、少量のデータの送信のためにMTCに関するかなりのシグナリング・オーバヘッドを消費しなければならないことであると共に、セル内の全リソース、例えばPDCCHリソースの割振りにも影響を及ぼすことである。過剰なシグナリング・オーバヘッドが、セル内の別のユーザの通信を制限することがあり、したがってシグナリング・オーバヘッドをどのように低減するかが難しい問題である。
【0007】
セル内のMTCの多くのユーザ機器(UE)は一定のアプリケーションまたはサービスを実行するので、セルは多数のユーザを有するが、アプリケーションはただ1つであり、MTCのUEは通常、ネットワークにアクセスするごとに、ネットワーク・アクセス、セキュリティ認証、データアップロード、およびリンク解放の進行で同様の動作を実施し、したがってその結果生じる通信は、同一のフローに基づく。したがって、こうしたメッセージの送信について、パターンをあらかじめ決定することができる。
【0008】
これに基づいて、上記の従来技術での問題に対処するために、本発明は、基地局によってサービスされるユーザ機器でパターン・ベースのメッセージ送信を実施する方法を提供し、この方法は、A.基地局にユーザ機器の機器識別子を送信するステップと、B.基地局からパターン情報を受信するステップであって、パターン情報が基地局によって決定されるステップと、C.パターン情報に基づいて基地局との間でメッセージ送信を実施するステップとを含む。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、パターン情報は、メッセージ送信に関連する少なくとも1つのパラメータを含み、パラメータは、メッセージ遅延とメッセージ・サイズの少なくとも一方を含む。
【0010】
本発明は、ユーザ機器にサービスする基地局でパターン・ベースのメッセージ送信を実施する方法をさらに提供し、この方法は、A.ユーザ機器からユーザ機器の機器識別子を受信するステップと、B.機器識別子に従ってユーザ機器に関するパターン情報を決定するステップと、C.ユーザ機器にパターン情報を送信するステップと、D.パターン情報に基づいてユーザ機器との間でメッセージ送信を実施するステップとを含む。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、ステップBは、基地局が、機器識別子と、機器識別子に対応するパターン情報とを事前記憶し、機器識別子に従ってユーザ機器に関するパターン情報を決定することをさらに含む。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、パターン情報は、メッセージ送信に関連する少なくとも1つのパラメータを含み、パラメータは、メッセージ遅延とメッセージ・サイズの少なくとも一方を含む。
【0013】
本発明は、基地局によってサービスされるユーザ機器でパターン・ベースのメッセージ送信を実施する方法をさらに提供し、この方法は、A.基地局のブロードキャストにより基地局からシステム情報を受信するステップであって、システム情報が、それぞれのユーザ機器の機器識別子と、対応するパターン情報とを含むステップと、B.機器識別子に従ってシステム情報から対応するパターン情報を選択し、パターン情報に基づいて基地局との間でメッセージ送信を実施するステップとを含む。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、システム情報はサービス識別子をさらに含み、ステップBは、機器識別子およびサービス識別子に従ってシステム情報から対応するパターン情報を選択し、パターン情報に基づいて基地局との間でメッセージ送信を実施することをさらに含む。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、パターン情報は、メッセージ送信に関連する少なくとも1つのパラメータを含み、パラメータは、メッセージ遅延とメッセージ・サイズの少なくとも一方を含む。
【0016】
本発明は、ユーザ機器にサービスする基地局でパターン・ベースのメッセージ送信を実施する方法をさらに提供し、この方法は、A.それぞれのユーザ機器にシステム情報をブロードキャストするステップであって、システム情報が、それぞれのユーザ機器の機器識別子と、対応するパターン情報とを含むステップと、B.ユーザ機器によって選択されたパターン情報に基づいて、ユーザ機器との間でメッセージ送信を実施するステップとを含む。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、システム情報はサービス識別子をさらに含み、その結果ユーザ機器は、機器識別子およびサービス識別子に従ってシステム情報から対応するパターン情報を選択し、パターン情報に基づいて基地局との間でメッセージ送信を実施する。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、パターン情報は、メッセージ送信に関連する少なくとも1つのパラメータを含み、パラメータは、メッセージ遅延とメッセージ・サイズの少なくとも一方を含む。
【0019】
本発明は、基地局によってサービスされるユーザ機器でパターン・ベースのメッセージ送信を実施する方法をさらに提供し、この方法は、A.基地局にパターン情報を送信するステップと、B.基地局によって確認および/または変更されたパターン情報を基地局から受信するステップと、C.基地局によって確認および/または変更されたパターン情報に基づいて、基地局との間でメッセージ送信を実施するステップとを含む。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、パターン情報は、メッセージ送信に関連する少なくとも1つのパラメータを含み、パラメータは、メッセージ遅延とメッセージ・サイズの少なくとも一方を含む。
【0021】
本発明は、ユーザ機器にサービスする基地局でパターン・ベースのメッセージ送信を実施する方法をさらに提供し、この方法は、A.ユーザ機器からパターン情報を受信するステップと、B.実際の条件に従ってパターン情報を確認および/または変更するステップと、C.確認および/または変更したパターン情報をユーザ機器に送信するステップと、D.確認および/または変更したパターン情報に基づいて、ユーザ機器との間でメッセージ送信を実施するステップとを含む。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、パターン情報は、メッセージ送信に関連する少なくとも1つのパラメータを含み、パラメータは、メッセージ遅延とメッセージ・サイズの少なくとも一方を含み、かつ/または実際の条件は、物理資源の現在の割振り、実際のプロトコル・フロー、およびプロセス遅延のうちの少なくとも1つを含む。
【0023】
本発明の好ましい実施形態では、基地局(eNB)が、MTCのそれぞれのUEによって運用される同様または同一のサービスに関する送信パターンを事前定義し、または送信パターンについてMTCのそれぞれのUEと事前交渉し、これらの送信パターンは、MTCのUEの識別子、アプリケーション、またはサービスに基づく。基地局がMTCのUEによって実施すべきメッセージ送信のパターン、すなわちパターン情報を定義または取得したとき、基地局は、シグナリングおよびデータの送信手順を決定することができる。このようにして、実施すべき残りの送信(シグナリングまたはデータ送信)を所定のパターンで処理することができ、このことは、スケジューリング・リソースを大幅に節約することができ、したがってシグナリング・オーバヘッドを大幅に低減することができることを意味する。
【0024】
さらに、パターンの設計が最適化された本発明の別の好ましい実施形態では、肯定応答メッセージならびに後続のシグナリングおよび/またはデータを、送信および受信のために同一のデータ・パケットにカプセル化することができ、それによってリソースがさらに節約される。これにより、一般にはシグナリングを利用する効率が大幅に改善され、シグナリング・オーバヘッドが低減され、セル内の他のユーザ間の様々な通信も容易となり、経済性の効率が改善され、コストが節約される。
【0025】
実施形態の以下の説明から、本発明の様々な態様がより明らかとなるであろう。
【0026】
非限定的な実施形態の以下の詳細な説明を参照すると、本発明の他の特徴、目的、および利点がより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】従来技術での、基地局との間でメッセージ送信を実施するMTCのUEの略図である。
図2】本発明の一実施形態によるパターン・ベースのメッセージ送信の方法の系統的方法の略図である。
図3】本発明の別の実施形態によるパターン・ベースのメッセージ送信の方法に関する基地局およびユーザ機器での方法の流れ図である。
図4】本発明の別の実施形態によるパターン・ベースのメッセージ送信の方法に関する基地局およびユーザ機器での方法の流れ図である。
図5】本発明の別の実施形態によるパターン・ベースのメッセージ送信の方法の系統的方法の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図面全体を通して、同一または類似の参照番号は、同一または類似の構成要素または特徴を指す。
【0029】
図1に、従来技術での、基地局との間でメッセージ送信を実施するMTCのUEの略図を示す。図示するように、プロセスは、UEが無線リソース制御(RRC)を通じて接続を解放するまで、UEがネットワークにアクセスすることから始まるプロセスである。基地局は各メッセージの送信間隔、内容などの特定の条件を知らないので、シグナリングまたはデータが送信されるごとに、システムのリソースをスケジューリングしなければならない。図示するように、合計で24個のメッセージがあり、それによってPDCCHシグナリング・リソースが消費され、このことは、データ・パケットの送信のために追加の24回のロードが必要となることを意味する。MTCのUEが、例えばセキュリティおよび他の機能をさらに活動化させる場合、より多くのシグナリング対話ステップが必要となることがある。さらに、遅延した送信または再送信のために、より多くの対話が必要となることがある。したがって、実際には、より多くのPDCCHシグナリング・リソースが消費される傾向がある。このことにより、シグナリング・オーバヘッドがさらに増大し、したがって多数の深刻な問題が生じる。
【0030】
しかし、MTCのUEは通常、同一および/または類似のアプリケーションおよび/またはサービスを実施し、UEが受ける通信フローは、前述のように常に同一である。したがって、例えば典型的なアプリケーション、例えば水道メータが読取り値をレポートするアプリケーションでは、異なるUEおよび/または同一のUEの同一および/または類似のサービスに関する送信パターンを定義することができ(すなわち、機器識別子に従って、単一のサービスを備えるUEに関して、対応する送信パターンを定義することができ、機器識別子およびその現在のサービス識別子に従って、複数のサービスを備えるUEに関して、対応する送信パターンを定義することができる)、実施すべきメッセージ(データおよびシグナリング)の交換を事前定義するために、サービスのパターン情報を決定することができる。例えば、パターン情報は、メッセージ送信に関連する少なくとも1つのパラメータを含む。例えば、パラメータは、限定はしないが、それぞれの交換されるメッセージのサイズ、それぞれのメッセージ間の遅延などを含む。図1に示すメッセージ送信の略図では、例えば、パターン情報は、図のメッセージのサイズ、およびメッセージ間の遅延を含むことができる。このようにして、基地局は、あらかじめ全体の通信のフローおよび内容を取得する(例えば、各メッセージをいつ送信するか、各メッセージの内容などを取得する)ことができる。したがって、各メッセージをスケジューリングする必要がなく、必要なのは、パターンを決定した後のパターンで開始する通信の最初のメッセージをスケジューリングすることだけである。明らかに、本発明のパターン・ベースのメッセージ送信のために、シグナリング・オーバヘッド、したがってリソースを大幅に節約することができる。
【0031】
図2に、本発明の一実施形態によるパターン・ベースのメッセージ送信の方法の系統的方法の略図を示す。ステップS20で、UEが基地局に機器識別子を送信する。例えば、図1のMsg3 RRC接続要求で基地局に国際モバイル加入者識別番号(IMS)を送信することにより、この送信ステップを実施することができる。このステップでは、基地局は、UEからUEの機器識別子を受信する。
【0032】
ステップS21で、基地局は、受信した機器識別子に基づいて、UEが属するタイプに従ってUEに関するパターン情報を決定する。好ましい実施形態では、基地局は、機器識別子と、機器識別子に対応するパターン情報とを事前記憶し、それによって機器識別子に従ってユーザ機器に関するパターン情報を決定することができる。パターン情報は、例えば、それぞれの交換されるメッセージのサイズ、それぞれのメッセージ間の遅延などを含む。
【0033】
ステップS22で、基地局は、決定したパターン情報をUEに送信する。例えば、基地局は、RRC接続のセットアップ中に、決定したパターン情報をUEに送信することができる。このステップでは、UEは、基地局からパターン情報を受信する。好ましい実施形態では、基地局は、サービス品質(QoS)の一部として、UEにパターン情報を送信することができる。
【0034】
ステップS23で、UEおよび基地局は、パターン情報に基づいてメッセージ送信、例えば図1の3から24まで番号付けされたメッセージ送信を開始する。基地局が実施すべきメッセージ送信、例えば送信時間、送信内容、時間間隔などの特定のステップをあらかじめ取得するので、必要なのは、各メッセージのすべての残りの送信をスケジューリングする代わりに、それを一度スケジューリングすることだけであり、それによってシグナリング・リソースが大幅に節約される。
【0035】
図3および図4に、本発明の別の実施形態によるパターン・ベースのメッセージ送信の方法に関するユーザ機器および基地局での方法の流れ図を示す。ステップS30で、基地局は、それぞれのユーザ機器にシステム情報をブロードキャストし、システム情報は、それぞれのユーザ機器の機器識別子および対応するパターン情報を含む。ステップS40で、それぞれのユーザ機器は、基地局のブロードキャストにより基地局からシステム情報を受信する。
【0036】
ステップS41で、ユーザ機器は、パターン情報に基づいて基地局との間でメッセージ送信を実施するために、機器識別子に従ってシステム情報から対応するパターン情報を選択する。ステップS31で、基地局は、ユーザ機器によって選択されたパターン情報に基づいて、基地局との間でメッセージ送信を実施する。例えば、ユーザ機器は、RRC接続要求で、選択されたパターン情報を基地局に送信することができ、それによって基地局との間でパターン・ベースの通信を実施する。
【0037】
例えば、パターン情報は、例えば、限定はしないが、それぞれの交換されるメッセージのサイズ、それぞれのメッセージ間の遅延などを含む、メッセージ送信に関連する少なくとも1つのパラメータを含む。
【0038】
好ましい実施形態では、システム情報は、サービス識別子をさらに含むことができる。サービス識別子は、対応するユーザ機器によって実施することのできる様々なサービスに対応する。ユーザ機器が様々なサービスを有する場合、ユーザ機器は、パターン情報に基づいて基地局との間でメッセージ送信を実施するために、システム情報内の機器識別子およびサービス識別子に従って、システム情報から対応するパターン情報を選択することができる。
【0039】
図5に、本発明の別の実施形態によるパターン・ベースのメッセージ送信の方法の系統的方法の略図を示す。ステップS50で、ユーザ機器が、基地局にパターン情報を送信し、例えばRRC接続要求で基地局にパターン情報を送信し、基地局は、ユーザ機器からパターン情報を受信する。パターン情報は、ユーザ機器により、そのサービス(複数可)ならびにメッセージの特定の内容およびサイズに従って定義され、限定はしないが、それぞれの交換されるメッセージのサイズ、それぞれのメッセージ間の遅延などを含むことができる。
【0040】
ステップS51で、基地局は、実際の条件に従って、受信したパターン情報を確認および/または変更する。実際の条件は、物理資源の現在の割振り、実際のプロトコル・フロー、およびプロセス遅延のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0041】
ステップS52で、基地局は、確認および/または変更したパターン情報をユーザ機器に送信し、ユーザ機器は、基地局から、基地局によって確認および/または変更されたパターン情報を受信する。
【0042】
ステップS53で、基地局およびユーザ機器は、基地局によって確認および/または変更されたパターン情報に基づいて、メッセージ送信を実施する。
【0043】
本発明の別の好ましい実施形態では、ユーザ機器および基地局は、共有データベースからパターン情報をあらかじめ取得し、パターン情報に基づいてメッセージ送信を実施することができる。あるいは、ユーザ機器および基地局は、パターン情報に基づいてメッセージ送信を実施するために、事前定義されたプロトコルでパターン情報を決定することができる。
【0044】
本発明の別の好ましい実施形態では、ユーザ機器は、最初に基地局との間でデータ送信を実施するとき、パターン情報について基地局と交渉し、その後で基地局との間でデータ送信を実施するとき、パターン情報を直接使用して、基地局との間でデータ送信を実施することができる。
【0045】
上記の実施形態では、メッセージで送信される特定の内容に従って、メッセージのサイズを事前設定することができ、実際のアプリケーションについて、各メッセージの遅延を適切に設定することができる。再送信、バックグラウンドで各メッセージを処理する時間枠、および他の要素も考慮に入れることができる。さらに、パターンの最適化された設計では、肯定応答メッセージおよび後続のシグナリングおよび/またはデータを、送信および受信のために同一のデータ・パケットにカプセル化することができ、それによってリソースがさらに節約される。これにより、一般にはシグナリングを利用する効率が大幅に改善され、シグナリング・オーバヘッドが低減され、セル内の他のユーザ間の様々な通信も容易となり、経済性の効率が改善され、コストが節約される。
【0046】
さらに、送信が失敗したメッセージがあるとき、基地局は、全体のフローの性能に影響を及ぼすことなく、MTCのユーザ機器のセル無線ネットワーク一時識別子に基づいてハイブリッド自動再送要求(HARQ)を行うことができる。潜在的なHARQ再送信によって引き起こされる遅延と適合するように各メッセージの送信の遅延を適切に設定することができるからである。
【0047】
上記の実施形態は例示的なものに過ぎず、本発明を限定することを意図しないことに留意されたい。本発明の精神から逸脱しない任意の技術的解決策が、本発明の範囲に包含され、これには、異なる実施形態で現れる異なる技術的特徴の使用、および利点を達成するための様々な特徴と実施形態の潜在的な組合せが含まれる。さらに、請求項の任意の参照番号を、関連する請求項を限定するものとして解釈すべきではなく、「含む/備える」という用語は、請求項または説明で列挙されていない他の要素またはステップを除外しないものとする。
図1
図2
図3
図4
図5