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特許5959665高温且つ常圧でのバイオマスガス化アイランド法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5959665
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】高温且つ常圧でのバイオマスガス化アイランド法
(51)【国際特許分類】
   C10J 3/02 20060101AFI20160719BHJP
   C10K 1/06 20060101ALI20160719BHJP
   B09B 3/00 20060101ALI20160719BHJP
   B01D 47/10 20060101ALI20160719BHJP
   B01D 50/00 20060101ALI20160719BHJP
   B01D 51/00 20060101ALI20160719BHJP
   B01D 47/06 20060101ALI20160719BHJP
   B03C 3/16 20060101ALI20160719BHJP
   B03C 3/014 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   C10J3/02 EZAB
   C10K1/06
   B09B3/00 Z
   B09B3/00 302Z
   B01D47/10 Z
   B01D50/00 501M
   B01D50/00 501Q
   B01D50/00 502Z
   B01D51/00 C
   B01D47/06 Z
   B01D50/00 501L
   B03C3/16 Z
   B03C3/014
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-549319(P2014-549319)
(86)(22)【出願日】2012年10月26日
(65)【公表番号】特表2015-510522(P2015-510522A)
(43)【公表日】2015年4月9日
(86)【国際出願番号】CN2012083589
(87)【国際公開番号】WO2013097535
(87)【国際公開日】20130704
【審査請求日】2014年8月26日
(31)【優先権主張番号】201110449566.9
(32)【優先日】2011年12月29日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512244657
【氏名又は名称】武▲漢凱▼迪工程技▲術▼研究▲総▼院有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼岩▲豊▼
(72)【発明者】
【氏名】夏明▲貴▼
(72)【発明者】
【氏名】▲聶▼洪涛
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼文▲エン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼亮
【審査官】 森 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−147373(JP,A)
【文献】 特表2009−511691(JP,A)
【文献】 特開2003−049178(JP,A)
【文献】 特開2004−035750(JP,A)
【文献】 特開平08−291291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10J 3/00
C10K 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス化アイランドを使用することにより高温且つ常圧でバイオマスをガス化する方法であって、前記方法は、バイオマスに前処理を施し貯蔵する工程と、バイオマスをガス化炉でガス化する工程と、粗合成ガスを冷却する工程と、粗合成ガスを洗浄してダストを除去する工程と、新しい合成ガスを貯蔵する工程を含み、
不活性材料がガス化炉の底部に加えられて、不活性床層を形成し、バイオマスをガス化炉でガス化するための熱エネルギを外部熱源により供給し、ガス化炉内の反応温度を1300〜1750℃に制御し、前記ガス化炉内のバイオマスを粗合成ガスに変換し、スラグを液体状態でガス化炉から除去し、
粗合成ガスを急冷塔および二段階排熱ボイラにより冷却し、そこで顕熱が回収され、
冷却後の粗合成ガスを洗浄・除塵処理し、得られたクリーンで新しい合成ガスをガス貯蔵タンクにより貯蔵し、
前記ガス化アイランド全体を負圧または0〜50KPaの正圧で作動させ、
前記ガス化炉は常圧固定床ガス化炉であり、その作動圧は0〜50KPaであり、ガス化域温度は1300〜1750℃であり、
ガス化媒体は、空気、酸素リッチ空気、純酸素、水蒸気、またはそれらの混合物からなる群から選択され、
前記ガス化炉の底部の温度を1450〜1750℃に制御することによりスラグを液体状態で除去し、
前記ガス化炉からのスラグ除去には連続的スラグ除去または間欠的スラグ除去を採用し、前記連続的スラグ除去は原料のアッシュ含有量が多い時に利用され、前記間欠的スラグ除去は原料のアッシュ含有量が少ない時に利用され、
前記ガス化炉の上側部分の温度を800〜1450℃に制御し、内部の合成ガスの流速を0.5〜2.0m/sに制御し、
前記粗合成ガスを前記ガス化炉の上側部分から外へ導出し、ガス化炉出口における粗合成ガスの流速を8〜20m/sに制御し、粗合成ガスのダスト含有量は20g/Nm3未満であることを特徴とする方法。
【請求項2】
1) 回収したバイオマスを破砕し、前記バイオマスをガス化炉に送込む一方で外部熱源および酸化剤をガス化炉へ供給し、ガス化炉の作動温度を1300〜1750℃に制御し、乾燥、揮発性物質の収集、熱分解、およびガス化反応それぞれが生じるように前記バイオマスを酸化剤と十分接触させることにより粗合成ガスとアッシュを生成する工程と、
2) 前記粗合成ガスを急冷塔および二段階排熱ボイラに導入して粗合成ガスの温度を85〜200℃に低下させると共に顕熱を回収する工程と、
3) 顕熱回収後の粗合成ガスを洗浄し、ダストを除去して、ダスト含有量およびタール含有量がいずれも10mg/Nm3未満であり、温度が45℃未満のクリーンで新しい合成ガスを獲得し、前記クリーンで新しい合成ガスをガス貯蔵タンクへ送り貯蔵し、或いは直接下流工程に送り使用する工程と
を含む請求項1の方法。
【請求項3】
工程1において、前記外部熱源はプラズマトーチ発生装置、マイクロ波プラズマ発生装置、またはレーザ熱発生装置により供給される、請求項2の方法。
【請求項4】
前記粗合成ガスをガス化炉から水冷却管を通り急冷塔に導入し、そこで粗合成ガスを噴霧水、水冷却管、または蒸気冷却管により850℃未満の温度に冷却し、粗合成ガスにより運ばれる溶融スラグを硬化させて分離し、
前記急冷塔により処理された後の温度が850℃未満の粗合成ガスを第一段階排熱ボイラに運び排熱を回収し、粗合成ガスの温度を重タールの凝固点よりも高い温度まで低下させ、前記第一段階排熱ボイラ内の粗合成ガスの流速を7〜20m/sに制御し、
前記第一段階排熱ボイラからの粗合成ガスを第二段階排熱ボイラに送り排熱を回収し、粗合成ガスを連続冷却させて粗合成ガスの温度を85〜200℃に低下させ、前記第二段階排熱ボイラ内の粗合成ガスの流速を7〜20m/sに制御することにより前記粗合成ガスは冷却される請求項1または2の方法。
【請求項5】
前記粗合成ガスは第一段階排熱ボイラに流入して排熱が回収され、粗合成ガスの温度は350〜450℃に低下する請求項4の方法。
【請求項6】
熱回収後のダスト含有量が20g/Nm3以下の粗合成ガスを管を通りスクラブ冷却塔またはベンチュリスクラバに運び粗合成ガスの温度を更に低下させると共にダストを除去し、洗浄後の粗合成ガスの温度は15〜55℃に低下し、洗浄水は循環して使用され、
フィルタが水循環管路に配置されて循環洗浄水により運ばれる汚染物質を除去し、汚染物質は循環洗浄水の水質に応じて排出され、新しい循環水が補充され、
前記循環水は機械式通気中空冷却塔により冷却され、
硬化後のフィルタ残留物は床層としてガス化炉に戻され、或いは溶融スラグと一緒にアッシュ貯蔵庫に運ばれることにより、包括的に利用される
ことにより前記粗合成ガスは洗浄される請求項1または2の方法。
【請求項7】
前記スクラブ冷却塔またはベンチュリスクラバからの粗合成ガスを湿式電気集塵装置に導入し、そこで粗合成ガス中のダストおよび他の不純物を内部に生成される高圧電場の作用下で除去し、
前記湿式電気集塵装置からの新しい合成ガスを石炭ガスブースタファンによりガス貯蔵タンクに運び、或いはフィードガスとして後続工程の機器に直接供給することにより前記粗合成ガスのダスト除去は行われる請求項1または2の方法。
【請求項8】
前記ガス化炉で生成される高温溶融スラグは顆粒状にされて建築材料として使用されて包括的に利用され、
前記冷却・洗浄ユニットからのアッシュは硬化させられてガス化炉反応器の床層として使用されて再利用される請求項1または2の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一体型ガス化アイランドを使用することにより、高温且つ常圧でバイオマスをガス化する方法に関し、特に、バイオマス前処理・貯蔵ユニット、バイオマスガス化炉ユニット、粗合成ガス冷却・洗浄・除塵ユニット、フレッシュガス貯蔵ユニットを含む一体型ガス化アイランドを使用するバイオマスガス化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギ効率の改善や省エネルギは、中国国内経済の発展の長期戦略的政策、並びにエネルギの節約や排出低減の主要方針である。
【0003】
燃料の燃焼による相対的に発展の遅れた低レベルの使用形態に比べて、燃料のガス化から生成されるガス化ガスは価格が大きく改善されており、また用途が広い。例えば、ガス化ガスは合成されて油が生成され、液体油燃料の課題を解消すると共に環境保護に大いに意義がある。一方、ガス化ガスは、メタノール、エタノール、酢酸などの大量の化学物質を生成するための原料でもある。また、ガス化ガスは一体型ガス化複合発電(IGCC)で使用することもでき、その発電効率は、通常の直接燃焼による発電と比べて15%も高い。更に、ガス化ガスは、水素を抽出するための精製費用が安いので、燃料電池の原料として有望な原料であり、また水素の重要な供給源である。
【0004】
既存のガス化技術には、固定床ガス化技術、流動床ガス化技術、噴流床ガス化技術がある。固定床は、熱の安定性、機械強度、原料の付着について高い要件を課するものである。バイオマスのガス化に通常の固定床を使用することにより、粗合成ガスはタールの含有量が相対的に多くなることが分かっており、通常の固定床はエンジニアリング用途で長期間安定的に作動することは不可能であり、また非経済的である。流動床ガス化方法は燃料の適用性は高いが、粗ガスはCH4、タール、フライアッシュの含有量が多く、有効ガス(CO+H2)の変換効率が悪く、粗合成ガスの洗浄や精製工程は相対的に複雑である。噴流床ガス化は効率がよく、また現在では最も進んだガス化技術であるが、燃料用途が狭く、バイオマス燃料の破砕に費用がかかりすぎるので、実現化は難しい。
【0005】
ガス化技術の産業化は1950年代に広く実現化されている。20世紀後半には、石油や天然ガスの不足により、新しいガス化方法の急速な開発や研究が促されており、石炭の適用性が広く、ガス化圧力が高く、ガス化効率が良く、そして無公害の新しいガス化炉の製造が開発された。その中で代表的なものがオランダ国からのシェル(Shell)炉、米国からのテクサコ(Texaco)炉、ドイツ国からのルルギ(Lurgi)炉である。
【0006】
バイオマスガス化技術は、バイオマスをエネルギ源として使用して急速に発展している本世紀に開発された新技術である。様々な技術に対する多くの研究が、この分野で行われている。1980年代初頭、バイオマスガス化技術に対する研究が始まり、単一の固定床ガス化炉から流動床、循環流動床、二重循環流動床、酸化流動床まで、また低発熱値のガス化装置から中間発熱値のガス化装置まで、また家庭用ガスストーブから工業用乾燥集中ガス供給・発電システムまで、大きな発展が得られている。しかし、全体的なレベルは遅れており、この技術は未完成であり多くの技術的課題を抱えている。多くの実証計画であっても技術的にたくさんの課題があり、例えば、ガス化ガス中の有効成分の含有量が少なく、タール含有量が多く、規模容量が小さく、動作が不安定であり、作動コストが高いなどがあることから、商業的な実施を実現するのは困難である。
【0007】
バイオマスのガス化に対する多くの研究、例えばプラズマガス化法、熱分解法、多段階ガス化法は、近年ヨーロッパや米国でも行われている。様々な規模のパイロット実験プラントが、これらの技術を用いて行われており、技術的な成果は得られているが、商業的な実施は未だ実現されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の課題に鑑み、本発明の目的の一つは、ガス化アイランドを用いて、高温且つ常圧でバイオマスのガス化を行う方法を提供することにある。本バイオマスガス化方法は、原料からの炭素変換効率が高く、燃料の適用性が高く、粗合成ガスのタール含有量が極めて少なく、装置の利用可能性が高く、構造が小型であり、システムが簡易であり、投資が少なく、作動が安定的であり、操作コストが低く、大規模な商業利用に適するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の高温且つ常圧でのバイオマスガス化アイランドの技術的解決策は以下のとおりである。
【0010】
ガス化アイランドを用いる高温且つ常圧でのバイオマスガス化法であって、本方法は、バイオマスに前処理を施して貯蔵する工程と、バイオマスをガス化炉でガス化する工程と、粗合成ガスを冷却する工程と、粗合成ガスを洗浄しダストを除去する工程と、新しい合成ガスを貯蔵する工程を含む。不活性材料がガス化炉の底部に加えられて、不活性床層を形成し、ガス化炉でバイオマスをガス化するための熱エネルギは、外部熱源から供給され、ガス化炉の反応温度1300〜1750℃に制御される。ガス化炉内のバイオマスは粗合成ガスに変換され、スラグは液体状態でガス化炉から除去される。粗合成ガスは急冷塔および二段階排熱ボイラにより冷却され、顕熱が回収される。冷却後の粗合成ガスは洗浄され、電気式集塵装置により処理されて、得られたクリーンで新しい合成ガスはガス貯蔵タンクにより貯蔵される。ガス化アイランド全体は、負圧或いは0〜50KPaの正圧で作動する。前記ガス化炉は常圧固定床ガス化炉であり、その作動圧は0〜50KPaであり、ガス化域温度は1300〜1750℃であり、ガス化媒体は、空気、酸素リッチ空気、純酸素、水蒸気、またはそれらの混合物からなる群から選択され、前記ガス化炉の底部の温度を1450〜1750℃に制御することによりスラグを液体状態で除去し、前記ガス化炉からのスラグ除去には連続的スラグ除去または間欠的スラグ除去を採用し、前記連続的スラグ除去は原料のアッシュ含有量が多い時に利用され、前記間欠的スラグ除去は原料のアッシュ含有量が少ない時に利用され、前記ガス化炉の上側部分の温度を800〜1450℃に制御し、内部の合成ガスの流速を0.5〜2.0m/sに制御し、前記粗合成ガスを前記ガス化炉の上側部分から外へ導出し、ガス化炉出口における粗合成ガスの流速を8〜20m/sに制御し、粗合成ガスのダスト含有量は20g/Nm3未満である。
【0011】
本発明の一態様として、バイオマスガス化方法は以下の工程を含む。
【0012】
1) 回収されたバイオマスを破砕し、バイオマスをガス化炉に送り込む一方で、外部熱源および酸化剤をガス化炉に供給し、ガス化炉の作動温度を1300〜1750℃に制御し、バイオマスを酸化剤と十分に接触させて、乾燥、揮発性物質の回収、熱分解、ガス化反応夫々を行うことにより、粗合成ガスおよびアッシュを生成する工程。
【0013】
2) 粗合成ガスを急冷塔および二段階排熱ボイラに導入して粗合成ガスの温度を85〜200℃に低下させると共に顕熱を回収する工程。
【0014】
3) 顕熱回収後の粗合成ガスを洗浄し、ダストを除去して、ダスト含有量およびタール含有量がいずれも10mg/Nm3未満であり且つ温度が45℃未満のクリーンで新しい合成ガスを獲得し、クリーンで新しい合成ガスをガス貯蔵タンクに運び貯蔵し、或いは下流工程へ直接送り使用する工程。
【0015】
本発明の一態様として、外部熱源はプラズマトーチ発生装置、マイクロ波プラズマ発生装置、またはレーザ熱発生装置により供給される。
【0016】
本発明の一態様として、バイオマス燃料の新しい合成ガスへのガス化から新しい合成ガスの最終的な生成までの工程全体において、装置全体は負圧或いは0〜50KPaのマイクロ正圧で作動する。
【0017】
即ち、ガス化アイランドは、バイオマス前処理・貯蔵ユニットと、バイオマス送込みユニットと、外部熱源ユニットと、ガス化炉ユニットと、粗合成ガス冷却ユニットと、粗合成ガス洗浄ユニットと、新合成ガス貯蔵ユニットと、アッシュおよび排水処理ユニットを含む。
【0018】
1. バイオマス前処理・貯蔵ユニット
【0019】
(バイオマスや自治体固形廃棄物などの)原料は、燃料獲得地や工場で簡単に前処理され、そこで原料は、50〜300mm の直径を有する粒子に破砕される。破砕処理後の燃料は、工場内の燃料貯蔵室に貯蔵される。籾殻のような小粒子は、いかなる処理も施すことなくガス化炉の燃料として直接使用されると共に、バイオマス燃料貯蔵室に貯蔵される。
【0020】
自治体固形廃棄物や産業廃棄物では、最初に分離が行われ、その中の金属や紙が回収され、また大型のレンガのような建築廃棄物が分離される。分離後の廃棄物は、直径が50〜300mmの粒子となるように破砕され、ガス化炉の燃料として使用されると共に、バイオマス燃料貯蔵室に貯蔵される。
【0021】
本方法の主要な機器は破砕装置である。
【0022】
2. バイオマス送込みユニット
【0023】
バイオマス送込みユニットは、バイオマス搬送システムとガス化炉送込みシステムにより形成される。
【0024】
バイオマスは燃料貯蔵室からベルトコンベヤまたは測定機器を備えたスクレーパコンベヤを介してガス化炉の前ホッパへ送られ、逃散ダストや流出燃料を減少させる。搬送装置のガラス鋼カバーは密封される。ベルトコンベヤを利用する場合には、搬送装置の取付角度は、好適には15度から18度に制御され、最大で20度を超えない。
【0025】
燃料は、ガス化炉の両側に配置される2つの経路により、ガス化炉反応器に連続して送り込まれ、ガス化炉反応器から漏出した粗合成ガスの爆発や中毒を回避する。ガス化炉の送込みには、密封プラグを含むスクリューフィード装置を、好適には、中国特許第202040828U号に開示される密封プラグを含む二段階スクリューフィード装置を利用する。また、窒素密封および噴水保護装置を追加して、安全性を高める。
【0026】
窒素ガスは純度が99.9%よりも高く、圧力は0.3〜0.7MPaである。
【0027】
噴霧水は、消火配管から入手できる消防用水を利用する。
【0028】
3. 外部熱源ユニット
【0029】
外部熱源はプラズマトーチ発生装置、マイクロ波プラズマ発生装置、またはレーザ熱発生装置により供給される。このような外部熱源により高品質のガス化熱源を供給する。不活性材料が反応器の底に置かれ、床層を形成する。高温高活性プラズマの特性を利用して、ガス化方法を強化する。温度が1300〜1750℃の高温反応域が構成されることにより、ガス化方法を大きく改善し、容易にする。
【0030】
外部熱源ユニットはプラズマトーチ技術を採用しており、詳細には、プラズマトーチ本体と、アーク着火装置と、トーチ媒体供給システムと、トーチ出力供給システムと、トーチ冷却保護システムを含む。プラズマトーチの火炎出口はガス化炉と連結されて、熱エネルギをガス化炉に供給する。トーチ出力供給システムはトーチの正電極および負電極に連結されて、エネルギをプラズマトーチに供給する。循環水冷却管はプラズマトーチの電極の冷却管に連結されており、電極を冷却するとともに電極の耐用寿命を2000時間よりも長くさせる。トーチ媒体供給管はプラズマトーチの媒体入口管に連結されており、第四相プラズマがトーチの電極間で活性化されて、活性化されたエネルギとしてガス化炉に流入する。アーク着火装置は、プラズマトーチを始動させるために使用される。
【0031】
4. ガス化炉ユニット
【0032】
ガス化炉は常圧固定床ガス化炉であり、その作動圧は0〜50KPaであり、ガス化域温度は1300〜1750℃である。ガス化媒体は、空気、酸素リッチ空気、純酸素、水蒸気、またはそれらの混合物からなる群から選択される。外部熱源から供給される熱エネルギと、多量の高活性プラズマの存在に起因して、ガス化反応は高反応速度で生じ、結果的に炭素変換率が高く、約99.8%よりも高くなる。ガス化炉底部の温度は1450〜1750℃に制御されることにより、スラグを液体状態で除去することができる。ガス化炉からのスラグ除去は、アッシュ含有量に応じて、連続的スラグ除去或いは間欠的スラグ除去を採用する。連続的スラグ除去は、原料のアッシュ含有量が多い時に用いられ、また間欠的スラグ除去は、原料のアッシュ含有量が少ない時に用いられる。ガス化炉上側部分の温度は800〜1450℃に制御され、内部の粗合成ガスの流速は0.5〜2.0m/sに制御されることにより、粗合成ガスのガス化炉内滞留時間が延長され、粗合成ガス中の分子が大きい炭化水素の完全分解が確実に行われる。粗合成ガスはガス化炉の上側部分から外へ徐々に流出させられ、ガス化炉出口における粗合成ガスの流速は8〜20 m/sに制御され、粗合成ガスのダスト含有量は20g/Nm3未満である。
【0033】
ガス化炉ユニットは主に、ガス化炉本体とその付属物から構成される。
【0034】
5. 粗合成ガス冷却ユニット
【0035】
粗合成ガスはガス化炉から出て粗合成ガス冷却ユニットへ導入され、排熱を回収する。
【0036】
粗合成ガス冷却ユニットは、水冷却またはガス冷却または断熱管と、急冷塔と、二段階排熱ボイラを含む。
【0037】
粗合成ガスはガス化炉から水冷却管を通り急冷塔に導入され、そこで粗合成ガスはスプレー水、水冷管束、または蒸気冷管束により温度が850℃未満に冷却され、粗合成ガスにより運ばれる溶融スラグは硬化させられて分離される。急冷塔による処理後に温度が850℃未満となった粗合成ガスは、第一段階排熱ボイラに送られ、排熱が回収され、粗合成ガスの温度は、内部の重タールが凝集しないように、重タールの凝固点よりも高温となる温度まで低下させられ、粗合成ガスの温度は350〜450℃に低下する。第一段階排熱ボイラ内の粗合成ガスの流速は、7〜20 m/sに制御される。フライアッシュを除去するために、アッシュホッパが設けられる。第一段階排熱ボイラからの粗合成ガスは、第二段階排熱ボイラに送られて排熱を回収する。粗合成ガスは継続して冷却され、粗合成ガスの温度は85〜200℃に低下させられることにより、重タールは第二段階排熱ボイラ内で凝集されて、シュートにより回収される。第二段階排熱ボイラ内の粗合成ガスの流速は7〜20 m/sに制御される。フライアッシュはアッシュホッパにより排出される。
【0038】
粗合成ガス冷却ユニットは主に、二段階排熱ボイラと、急冷塔と、水冷管束と、循環水ポンプを含む。第一段階排熱ボイラは水管型排熱ボイラであり、第二段階排熱ボイラは熱管型排熱ボイラである。
【0039】
6. 粗合成ガス洗浄ユニット
【0040】
熱回収後の粗合成ガスは温度が85〜200℃に、ダスト含有量は20g/Nm3以下に低下する。粗合成ガスは配管により、スクラブ冷却塔またはベンチュリスクラバに送られ、粗合成ガスの温度が更に低下させられると共に、ダストが除去される。洗浄後の粗合成ガスの温度は15〜55℃に低下し、洗浄水は循環して使用される。フィルタが水循環管路に配置されており、循環洗浄水により運ばれる汚染物質を除去する。従って、循環水の水質の劣化が回避され、汚染物質排出回数が減る。汚染物質は循環洗浄水の水質に応じて排出され、新しい循環水が補充される。循環水は機械式通気中空冷却塔により冷却される。硬化後のフィルタ残留物は床層としてガス化炉へ戻され、或いは溶融スラグとともにアッシュ貯蔵庫へ運ばれることにより、包括的に利用される。
【0041】
スクラブ冷却塔またはベンチュリスクラバからの粗合成ガスは湿式電気集塵装置に導入され、そこで粗合成ガス中のダストや他の不純物が、内部に生成される高圧電場の作用下で除去される。湿式電気集塵装置からの新しい合成ガスは、石炭ガスブースタファンによりガス貯蔵タンクへ搬送され、或いは、後続工程の装置へフィードガスとして直接供給される。
【0042】
粗合成ガス洗浄ユニットは主に、スクラブ塔と、電気集塵装置と、冷却塔と、フィルタと、ブースタファンと、循環水ポンプを含む。
【0043】
7. フレッシュガス貯蔵ユニット
【0044】
冷却および洗浄後の新しいガスは、石炭ガスブースタファンおよび配管により、湿式または乾式ガス貯蔵タンクへ運ばれて、後続の工程に供給される。
【0045】
フレッシュガス貯蔵ユニットは、主にガス貯蔵タンクである。
【0046】
8. アッシュおよび排水処理ユニット
【0047】
バイオマスガス化アイランドで生成されたアッシュとスラグは、ガス化炉ユニットで生成された溶融スラグと、冷却および洗浄ユニットで生成されたアッシュである。ガス化炉で生成された高温溶融スラグは顆粒状にされて、建築材料として使用されることにより、包括的に利用される。冷却および洗浄ユニットからのアッシュは硬化させられ、ガス化炉の床層として使用されて再利用される。
【0048】
ガス化炉のスラグ除去システムは、スラグ除去シュート、スラグタンク、および排出システムから構成される。
【0049】
洗浄ユニット内のアッシュは、フィルタにより循環洗浄水からろ過されて回収される。
【0050】
本方法で生成される排水は、合成ガス洗浄工程からの排水、およびガス貯蔵タンク内で生成される合成ガスの凝集液を含む。合成ガス洗浄工程からの排水中の水は、先ず燃料により運ばれ、粗合成ガスと共に洗浄ユニットに入り、次に、洗浄工程で取り出される。
【0051】
排水は排水管により排水処理装置へ運ばれて、再利用される。
【0052】
従来技術と比べて、本発明のバイオマスガス化方法には、以下の効果がある。
【0053】
1) ガス化のための外部熱源を供給するために、プラズマトーチを利用する。スラグは液体状態で排出される。ガス化反応は温度が高く、ガス化速度は高速であり、また炭素変換率は高い。粗合成ガスの品質は高い。
【0054】
2) ガス化は常圧固定床で行われる。ガス化炉本体は構造が単純であり、投資が小さく、操作が簡単である。加えて、送込みシステム、スラグ回収システム、および精製システムは簡易である。
【0055】
3) 原料の適用性が高く、様々な種類のバイオマス、MSW、原炭、および汚泥が利用できる。従って、複数種類の原料の混合ガス化が実現される。
【0056】
4) 空気、酸素、酸素リッチ空気、水蒸気、またはそれらの混合物が酸化剤として使用される。
【0057】
5) 二段階排熱ボイラを利用して顕熱を回収するので、石炭ガスの全体熱効率が改善される。
【0058】
6) ガス化アイランドは装置のフローが短く、投資が小さい。
【0059】
7) ガス化アイランドは開始時間が短く、調整性能が良好である。
【0060】
8) ガス化アイランドは完成したシステムを備え、国産化の程度が高く、システム故障率が低く、利用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1】本発明のガス化アイランドの構造図。
図2】本発明のガス化アイランド内のガス化炉の構造図。
図3】粗合成ガスを冷却・精製する冷却ユニットと洗浄ユニットの構造図。
【0062】
図には以下の符号を用いる。17.水冷煙道;18.水冷式急冷塔;19.水管型排熱ボイラ;20.熱管型排熱ボイラ;21.スクラブ冷却塔;22.湿式電気集塵装置;23.石炭ガスブースタファン;24.湿式ガスタンク;25.フレア
【発明を実施するための形態】
【0063】
ガス化アイランドを使用することにより高温且つ常圧でのバイオマスガス化方法を、実施例および図面と併せて詳細に説明する。
【0064】
図1に示すように、高温且つ常圧でのバイオマスガス化方法は、ガス化アイランドで実行され、ガス化アイランドは、原料を処理する前処理および貯蔵ユニット1と、バイオマス送込みユニット2と、外部熱源ユニット3と、ガス化炉ユニット4と、粗合成ガスを冷却する冷却ユニット5と、粗合成ガスを洗浄する洗浄ユニット6と、新しい合成ガスを貯蔵する貯蔵ユニット7と、アッシュと排水を処理する処理ユニット8を含む。これらの装置は併せて効率良いガス化アイランドを形成すると共に、適合する新しい合成ガスを後続のバイオディーゼル合成工程または一体型ガス化複合発電(IGCC)工程に供給する。
【0065】
バイオマス送込み工程では、中国特許第201120140199.xに係り、バイオマスを送込む二段階スクリューフィード技術を利用する。
【0066】
実施例:ガス化アイランドは、外部熱源および二段階排熱ボイラを備えた常圧固定床ガス化炉を利用する。詳細には、ガス化アイランドは、原料を処理する前処理・貯蔵ユニットと、バイオマス送込みユニットと、ガス化炉ユニットと、粗合成ガスを冷却する冷却ユニットと、粗合成ガスを洗浄する洗浄ユニットと、新しい合成ガスを貯蔵する貯蔵ユニットと、アッシュおよび排水を処理する処理ユニットを含む。
【0067】
バイオマスガス化方法は、詳細には以下のとおりに行われる。
【0068】
1) バイオマス燃料は回収され、粒径が300mm未満になるまで簡単に破砕され、次に破砕されたバイオマスはベルトコンベヤによりバイオマス送込みユニットに送られる。
【0069】
2) 不活性材料(硬化後のフィルタ残留物など)が送込み装置によりガス化炉の底部に加えられて、一定の厚みを備えた床層が形成される。ガス化炉は断熱または冷却モードを採用する。
【0070】
3) 外部熱源ユニット3が始動し、ガス化炉の温度は1300〜1750℃に制御され、ガス化炉出口圧力は0〜50KPaに制御される。一方、酸化剤がガス化炉に噴霧される。溶融物質は不活性床層および燃料層領域を形成する。高温排煙がバイオマス燃料をガス化して、燃料中の有機物はCOとH2に熱分解され、無機アッシュは溶融して溶融スラグを形成し、この溶融スラグは続いて、不活性床からガス化炉底部を介してガス化炉の外へ排出される。
【0071】
4) 粗合成ガスは上方へ流れ、ガス化炉上部に配置される出口配管を通過し、二段階排熱ボイラに流入することにより、粗合成ガスの温度は85〜200℃に低下し、顕熱が回収される。
【0072】
5) 粗合成ガスは洗浄ユニットに入り、温度が更に15〜55℃に低下し、ダストのような有害物質が除去されて新しい合成ガスが得られ、この合成ガスは石炭ガスブースタファンによりガス貯蔵タンクへ送られて貯蔵され、或いは下流工程へ送られて使用される。
【0073】
6) ガス化方法で生成されるアッシュおよび排水は処理されて再利用され、或いは包括的に利用される。
【0074】
外部熱源ユニットは、外部熱源生成装置を利用して、可燃物をガス化するための熱エネルギを供給する装置である。外部熱源生成装置は、プラズマトーチ発生装置やマイクロ波プラズマ発生装置のような電気エネルギにより、或いはレーザ熱発生装置のような光源により、熱源を生成する装置である。
【0075】
酸化剤は、空気、酸素、水蒸気、または空気と水蒸気の混合ガス、または酸素と水蒸気の混合ガスである。
【0076】
図2に示すように、ガス化アイランドのガス化炉ユニットは、密封プラグを含むスクリューフィード装置9と、ガス化炉10と、過熱水蒸気12と、空気圧縮装置13と、トーチ電源14と、プラズマトーチ15を含む。スクリューフィード装置9の出口は、ガス化炉10の送込み入口に連結される、空気圧縮装置13のガス出口および過熱水蒸気管の両方が、ガス化炉10の下側の一方に配置されるガス化媒体入口と連結される。破砕されたバイオマス燃料は、スクリューフィード装置9を介して、ガス化炉10に連続して送り込まれる。スクリューフィード装置9の密封プラグは、高温の合成ガスが逆流するのを阻止すると共に、ガス化炉内の一定の圧力変動に耐える。燃料量は、スクリューフィード装置の回転速度を調整することにより調整される。
【0077】
ガス化炉10は、上部に配置される粗合成ガス出口11と、底部に配置されるスラグ出口16と、下側部分の側方であって固定床の下方に配置されるガス化媒体入口を含む上側通気固定床ガス化炉である。本実施例のガス化炉は断熱形態であり、その外側部分は鋼製ハウジングであり、そのライナは断熱材料から作られ、火と対向する面は高クロムレンガから作られることにより、ガス化炉は高温に耐えるとともに、ガス化環境の腐食に耐える。ガス化炉10には溶融スラグ域、酸化域、還元域、熱分解域、乾燥域を下から上に備える。温度範囲は、異なる領域の熱化学特性に応じて対応して制御されることにより、最良の反応作用が得られる。例えば、温度範囲は以下のとおりである。溶融スラグ域は1400〜1750℃であり、酸化還元域は1000〜1300℃であり、ガス化炉上側部分の間隙域は900〜1200℃である。粗合成ガス出口11は、粗合成ガスがガス化炉の外へ導出される出口である。ガス化炉からの粗合成ガスは次に排熱ボイラにより冷却され、スクラブ冷却塔により処理され除塵が行われて、適合バイオマス合成ガスが生成される。上記の処理後のバイオマス合成ガスは、約12〜15MJ/Nm3の発熱値を有し、中間発熱値に属する値であり、発電用ガスタービンに供給される燃料として使用される。
【0078】
空気圧縮装置13は空気をガス化炉へ供給し、空気はプラズマトーチ15からの熱エネルギ出力のキャリアとして使用される。過熱水蒸気管12からの水蒸気と共にガス化炉に入る空気は、バイオマスのガス化のためのガス化媒体として使用され、酸化還元反応に加わり、ガス化炉2の温度を一定に調整する。
【0079】
トーチ電源14は、プラズマトーチの電流と出力が制御・調整されるように、プラズマトーチ15に電力を供給する。
【0080】
ガス化炉での反応のための外部熱源として、プラズマトーチ15はまたガス化炉内を高温に保つことにより、スラグを液体状態で排出するための環境を保証する。プラズマトーチ15の出口、空気圧縮装置13のガス出口、過熱水蒸気管は全て、ガス化媒体入口と連結される。空気圧縮装置13の出口管は、プラズマトーチ15の出口を囲み、水蒸気管は空気圧縮装置13の出口管を囲む。空気は2個の電極間の位置から、またプラズマトーチ15の外側リングから直線流で導入される。水蒸気は回転流でガス化炉の最外ジャケットに入る。回転流はガス化炉に流入し、乱流を増すことにより、ガス化反応が強まる。ガス化炉に導入される空気の量は、プラズマトーチ15から運ばれる熱エネルギの量により決まる。作用中、ガス化炉10の負荷状況と併せて、トーチ出力および酸素と水蒸気の流速を調整することにより、合成ガスの成分と発熱値は一定に調整され得、それによりガス化方法が最適化する。
【0081】
冷却および洗浄工程を図3に示す。高温バイオマス固定床で生成された粗合成ガスは、温度が1000〜1200℃であり、ダスト含有量が20g/Nm3未満であり、タール含有量が3g/Nm3未満である。石炭ガスおよびコークスオーブンガスの冷却・精製工程を参照する。粗合成ガスの精製工程は以下のとおりである。本実施例では粗合成ガスを高温水冷煙道と連結し、水を水冷式急冷塔に噴霧してスラグを部分的に凝集し、水管型および熱管型排熱ボイラの排熱を2つの異なる圧力で回収し、重タールを熱管型排熱ボイラで凝集させ、合成ガスを充填塔で洗浄して温度を低下させるとともにダストを除去し、湿式電気集塵装置でダストおよびタールミストを更に除去し、石炭ガスブースタファンにより合成ガスを取り出し、合成ガスを湿式ガスタンクに運び貯蔵する。工程パラメータが設定されて制御される。従って、合成ガスは二段階で冷却され、排熱は徐々に回収され、ダスト除去とタール除去が漸次行われる。冷却・精製後の合成ガスは、ダスト含有量およびタール含有量のいずれもが10 mg/Nm3未満であり、温度が45℃未満であり、顕熱回収率は80%よりも高い。
【0082】
高温水冷煙道および水冷式急冷塔のいずれもが、膜式水冷却管構造を採用することにより、重量が小さくなり、耐火材料の離層の問題がなくなり、操作信頼性が高まる。高温水冷煙道、水冷式急冷塔、排熱ボイラは直列連結されて水循環システムを形成することにより、循環水の水冷却問題が解消されるとともに、熱エネルギの完全回収が実現する。
【0083】
水冷式急冷塔内の高温合成ガスに水を噴霧して、合成ガスの温度を800℃に低下させるとともに、合成ガス中のスラグを凝集させる。またスラグは塔底から排出される。従って、排熱ボイラの受熱面をスラグ汚染から回避することができ、また排熱ボイラの熱交換性能の安定性が高まる。
【0084】
排熱ボイラは高温部と低温部を含む。排熱ボイラ高温部出口における合成ガスの温度は350〜450℃であり、これは重タールの凝固点よりも高いので、タールの凝集を避けることができる。高温部は水管型排熱ボイラを利用する。水管型排熱ボイラの設計圧力は1.6MPa以上とされることにより、蒸気の温度品質が改善されると共に、対応する化学工業用蒸気の要件を満たす。排熱ボイラ低温部出口における合成ガスの温度は200℃未満に制御され、この部分で重タールを凝集させるとともに重タールをシュートにより回収する。低温部は熱管型排熱ボイラを利用して熱交換効果を高める。熱管型排熱ボイラの設計圧力は0.5MPaであり、内部で生成される低圧蒸気は湿式電気集塵装置に供給されて利用される。
【0085】
バイオマス合成ガスはダスト含有量およびタール含有量のいずれも相対的に少ない。予備ダスト除去では、サイクロン式集塵装置またはベンチュリ集塵装置ではなく、充填材型スクラブ冷却塔を利用する。ダスト除去や温度低下といった目的を達成するだけでなく、H2S、NH3、HCNなどの有害ガスが洗浄により除去される。また、システム抵抗が低下し、ファンの電気消費量が節約される。
【0086】
湿式電気集塵装置は、工程フローの後半部分に構成されることにより、ダスト除去やタール除去といった制御目標が確実にされる。
【0087】
本発明の特定の実施形態について図示および説明してきたが、当該技術分野に属する者には、本発明の広範な態様から逸脱することなく、変更や変形を行い得ることは明白であり、従って、添付の請求の範囲の目的は、このような変更や変形全てを本発明の真の趣旨や範囲に入るものとして含むことである。
【符号の説明】
【0088】
1 貯蔵ユニット
2 バイオマス送込みユニット
3 外部熱源ユニット
4 ガス化炉ユニット
5 冷却ユニット
6 洗浄ユニット
7 貯蔵ユニット
8 処理ユニット
17 水冷煙道
18 水冷式急冷塔
19 水管型排熱ボイラ
20 熱管型排熱ボイラ
21 スクラブ冷却塔
22 湿式電気集塵装置
23 石炭ガスブースタファン
24 湿式ガスタンク
25 フレア
図1
図2
図3