【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の高温且つ常圧でのバイオマスガス化アイランドの技術的解決策は以下のとおりである。
【0010】
ガス化アイランドを用いる高温且つ常圧でのバイオマスガス化法であって、本方法は、バイオマスに前処理を施して貯蔵する工程と、バイオマスをガス化炉でガス化する工程と、粗合成ガスを冷却する工程と、粗合成ガスを洗浄しダストを除去する工程と、新しい合成ガスを貯蔵する工程を含む。
不活性材料がガス化炉の底部に加えられて、不活性床層を形成し、ガス化炉でバイオマスをガス化するための熱エネルギは、外部熱源から供給され、ガス化炉の反応温度1300〜1750℃に制御される。ガス化炉内のバイオマスは粗合成ガスに変換され、スラグは液体状態でガス化炉から除去される。粗合成ガスは急冷塔および二段階排熱ボイラにより冷却され、顕熱が回収される。冷却後の粗合成ガスは洗浄され、電気式集塵装置により処理されて、得られたクリーンで新しい合成ガスはガス貯蔵タンクにより貯蔵される。ガス化アイランド全体は、負圧或いは0〜50KPaの正圧で作動する。前記ガス化炉は常圧固定床ガス化炉であり、その作動圧は0〜50KPaであり、ガス化域温度は1300〜1750℃であり、ガス化媒体は、空気、酸素リッチ空気、純酸素、水蒸気、またはそれらの混合物からなる群から選択され、前記ガス化炉の底部の温度を1450〜1750℃に制御することによりスラグを液体状態で除去し、前記ガス化炉からのスラグ除去には連続的スラグ除去または間欠的スラグ除去を採用し、前記連続的スラグ除去は原料のアッシュ含有量が多い時に利用され、前記間欠的スラグ除去は原料のアッシュ含有量が少ない時に利用され、前記ガス化炉の上側部分の温度を800〜1450℃に制御し、内部の合成ガスの流速を0.5〜2.0m/sに制御し、前記粗合成ガスを前記ガス化炉の上側部分から外へ導出し、ガス化炉出口における粗合成ガスの流速を8〜20m/sに制御し、粗合成ガスのダスト含有量は20g/Nm
3未満である。
【0011】
本発明の一態様として、バイオマスガス化方法は以下の工程を含む。
【0012】
1) 回収されたバイオマスを破砕し、バイオマスをガス化炉に送り込む一方で、外部熱源および酸化剤をガス化炉に供給し、ガス化炉の作動温度を1300〜1750℃に制御し、バイオマスを酸化剤と十分に接触させて、乾燥、揮発性物質の回収、熱分解、ガス化反応夫々を行うことにより、粗合成ガスおよびアッシュを生成する工程。
【0013】
2) 粗合成ガスを急冷塔および二段階排熱ボイラに導入して粗合成ガスの温度を85〜200℃に低下させると共に顕熱を回収する工程。
【0014】
3) 顕熱回収後の粗合成ガスを洗浄し、ダストを除去して、ダスト含有量およびタール含有量がいずれも10mg/Nm
3未満であり且つ温度が45℃未満のクリーンで新しい合成ガスを獲得し、クリーンで新しい合成ガスをガス貯蔵タンクに運び貯蔵し、或いは下流工程へ直接送り使用する工程。
【0015】
本発明の一態様として、外部熱源はプラズマトーチ発生装置、マイクロ波プラズマ発生装置、またはレーザ熱発生装置により供給される。
【0016】
本発明の一態様として、バイオマス燃料の新しい合成ガスへのガス化から新しい合成ガスの最終的な生成までの工程全体において、装置全体は負圧或いは0〜50KPaのマイクロ正圧で作動する。
【0017】
即ち、ガス化アイランドは、バイオマス前処理・貯蔵ユニットと、バイオマス送込みユニットと、外部熱源ユニットと、ガス化炉ユニットと、粗合成ガス冷却ユニットと、粗合成ガス洗浄ユニットと、新合成ガス貯蔵ユニットと、アッシュおよび排水処理ユニットを含む。
【0018】
1. バイオマス前処理・貯蔵ユニット
【0019】
(バイオマスや自治体固形廃棄物などの)原料は、燃料獲得地や工場で簡単に前処理され、そこで原料は、50〜300mm の直径を有する粒子に破砕される。破砕処理後の燃料は、工場内の燃料貯蔵室に貯蔵される。籾殻のような小粒子は、いかなる処理も施すことなくガス化炉の燃料として直接使用されると共に、バイオマス燃料貯蔵室に貯蔵される。
【0020】
自治体固形廃棄物や産業廃棄物では、最初に分離が行われ、その中の金属や紙が回収され、また大型のレンガのような建築廃棄物が分離される。分離後の廃棄物は、直径が50〜300mmの粒子となるように破砕され、ガス化炉の燃料として使用されると共に、バイオマス燃料貯蔵室に貯蔵される。
【0021】
本方法の主要な機器は破砕装置である。
【0022】
2. バイオマス送込みユニット
【0023】
バイオマス送込みユニットは、バイオマス搬送システムとガス化炉送込みシステムにより形成される。
【0024】
バイオマスは燃料貯蔵室からベルトコンベヤまたは測定機器を備えたスクレーパコンベヤを介してガス化炉の前ホッパへ送られ、逃散ダストや流出燃料を減少させる。搬送装置のガラス鋼カバーは密封される。ベルトコンベヤを利用する場合には、搬送装置の取付角度は、好適には15度から18度に制御され、最大で20度を超えない。
【0025】
燃料は、ガス化炉の両側に配置される2つの経路により、ガス化炉反応器に連続して送り込まれ、ガス化炉反応器から漏出した粗合成ガスの爆発や中毒を回避する。ガス化炉の送込みには、密封プラグを含むスクリューフィード装置を、好適には、中国特許第202040828U号に開示される密封プラグを含む二段階スクリューフィード装置を利用する。また、窒素密封および噴水保護装置を追加して、安全性を高める。
【0026】
窒素ガスは純度が99.9%よりも高く、圧力は0.3〜0.7MPaである。
【0027】
噴霧水は、消火配管から入手できる消防用水を利用する。
【0028】
3. 外部熱源ユニット
【0029】
外部熱源はプラズマトーチ発生装置、マイクロ波プラズマ発生装置、またはレーザ熱発生装置により供給される。このような外部熱源により高品質のガス化熱源を供給する。不活性材料が反応器の底に置かれ、床層を形成する。高温高活性プラズマの特性を利用して、ガス化方法を強化する。温度が1300〜1750℃の高温反応域が構成されることにより、ガス化方法を大きく改善し、容易にする。
【0030】
外部熱源ユニットはプラズマトーチ技術を採用しており、詳細には、プラズマトーチ本体と、アーク着火装置と、トーチ媒体供給システムと、トーチ出力供給システムと、トーチ冷却保護システムを含む。プラズマトーチの火炎出口はガス化炉と連結されて、熱エネルギをガス化炉に供給する。トーチ出力供給システムはトーチの正電極および負電極に連結されて、エネルギをプラズマトーチに供給する。循環水冷却管はプラズマトーチの電極の冷却管に連結されており、電極を冷却するとともに電極の耐用寿命を2000時間よりも長くさせる。トーチ媒体供給管はプラズマトーチの媒体入口管に連結されており、第四相プラズマがトーチの電極間で活性化されて、活性化されたエネルギとしてガス化炉に流入する。アーク着火装置は、プラズマトーチを始動させるために使用される。
【0031】
4. ガス化炉ユニット
【0032】
ガス化炉は常圧固定床ガス化炉であり、その作動圧は0〜50KPaであり、ガス化域温度は1300〜1750℃である。ガス化媒体は、空気、酸素リッチ空気、純酸素、水蒸気、またはそれらの混合物からなる群から選択される。外部熱源から供給される熱エネルギと、多量の高活性プラズマの存在に起因して、ガス化反応は高反応速度で生じ、結果的に炭素変換率が高く、約99.8%よりも高くなる。ガス化炉底部の温度は1450〜1750℃に制御されることにより、スラグを液体状態で除去することができる。ガス化炉からのスラグ除去は、アッシュ含有量に応じて、連続的スラグ除去或いは間欠的スラグ除去を採用する。連続的スラグ除去は、原料のアッシュ含有量が多い時に用いられ、また間欠的スラグ除去は、原料のアッシュ含有量が少ない時に用いられる。ガス化炉上側部分の温度は800〜1450℃に制御され、内部の粗合成ガスの流速は0.5〜2.0m/sに制御されることにより、粗合成ガスのガス化炉内滞留時間が延長され、粗合成ガス中の分子が大きい炭化水素の完全分解が確実に行われる。粗合成ガスはガス化炉の上側部分から外へ徐々に流出させられ、ガス化炉出口における粗合成ガスの流速は8〜20 m/sに制御され、粗合成ガスのダスト含有量は20g/Nm
3未満である。
【0033】
ガス化炉ユニットは主に、ガス化炉本体とその付属物から構成される。
【0034】
5. 粗合成ガス冷却ユニット
【0035】
粗合成ガスはガス化炉から出て粗合成ガス冷却ユニットへ導入され、排熱を回収する。
【0036】
粗合成ガス冷却ユニットは、水冷却またはガス冷却または断熱管と、急冷塔と、二段階排熱ボイラを含む。
【0037】
粗合成ガスはガス化炉から水冷却管を通り急冷塔に導入され、そこで粗合成ガスはスプレー水、水冷管束、または蒸気冷管束により温度が850℃未満に冷却され、粗合成ガスにより運ばれる溶融スラグは硬化させられて分離される。急冷塔による処理後に温度が850℃未満となった粗合成ガスは、第一段階排熱ボイラに送られ、排熱が回収され、粗合成ガスの温度は、内部の重タールが凝集しないように、重タールの凝固点よりも高温となる温度まで低下させられ、粗合成ガスの温度は350〜450℃に低下する。第一段階排熱ボイラ内の粗合成ガスの流速は、7〜20 m/sに制御される。フライアッシュを除去するために、アッシュホッパが設けられる。第一段階排熱ボイラからの粗合成ガスは、第二段階排熱ボイラに送られて排熱を回収する。粗合成ガスは継続して冷却され、粗合成ガスの温度は85〜200℃に低下させられることにより、重タールは第二段階排熱ボイラ内で凝集されて、シュートにより回収される。第二段階排熱ボイラ内の粗合成ガスの流速は7〜20 m/sに制御される。フライアッシュはアッシュホッパにより排出される。
【0038】
粗合成ガス冷却ユニットは主に、二段階排熱ボイラと、急冷塔と、水冷管束と、循環水ポンプを含む。第一段階排熱ボイラは水管型排熱ボイラであり、第二段階排熱ボイラは熱管型排熱ボイラである。
【0039】
6. 粗合成ガス洗浄ユニット
【0040】
熱回収後の粗合成ガスは温度が85〜200℃に、ダスト含有量は20g/Nm
3以下に低下する。粗合成ガスは配管により、スクラブ冷却塔またはベンチュリスクラバに送られ、粗合成ガスの温度が更に低下させられると共に、ダストが除去される。洗浄後の粗合成ガスの温度は15〜55℃に低下し、洗浄水は循環して使用される。フィルタが水循環管路に配置されており、循環洗浄水により運ばれる汚染物質を除去する。従って、循環水の水質の劣化が回避され、汚染物質排出回数が減る。汚染物質は循環洗浄水の水質に応じて排出され、新しい循環水が補充される。循環水は機械式通気中空冷却塔により冷却される。硬化後のフィルタ残留物は床層としてガス化炉へ戻され、或いは溶融スラグとともにアッシュ貯蔵庫へ運ばれることにより、包括的に利用される。
【0041】
スクラブ冷却塔またはベンチュリスクラバからの粗合成ガスは湿式電気集塵装置に導入され、そこで粗合成ガス中のダストや他の不純物が、内部に生成される高圧電場の作用下で除去される。湿式電気集塵装置からの新しい合成ガスは、石炭ガスブースタファンによりガス貯蔵タンクへ搬送され、或いは、後続工程の装置へフィードガスとして直接供給される。
【0042】
粗合成ガス洗浄ユニットは主に、スクラブ塔と、電気集塵装置と、冷却塔と、フィルタと、ブースタファンと、循環水ポンプを含む。
【0043】
7. フレッシュガス貯蔵ユニット
【0044】
冷却および洗浄後の新しいガスは、石炭ガスブースタファンおよび配管により、湿式または乾式ガス貯蔵タンクへ運ばれて、後続の工程に供給される。
【0045】
フレッシュガス貯蔵ユニットは、主にガス貯蔵タンクである。
【0046】
8. アッシュおよび排水処理ユニット
【0047】
バイオマスガス化アイランドで生成されたアッシュとスラグは、ガス化炉ユニットで生成された溶融スラグと、冷却および洗浄ユニットで生成されたアッシュである。ガス化炉で生成された高温溶融スラグは顆粒状にされて、建築材料として使用されることにより、包括的に利用される。冷却および洗浄ユニットからのアッシュは硬化させられ、ガス化炉の床層として使用されて再利用される。
【0048】
ガス化炉のスラグ除去システムは、スラグ除去シュート、スラグタンク、および排出システムから構成される。
【0049】
洗浄ユニット内のアッシュは、フィルタにより循環洗浄水からろ過されて回収される。
【0050】
本方法で生成される排水は、合成ガス洗浄工程からの排水、およびガス貯蔵タンク内で生成される合成ガスの凝集液を含む。合成ガス洗浄工程からの排水中の水は、先ず燃料により運ばれ、粗合成ガスと共に洗浄ユニットに入り、次に、洗浄工程で取り出される。
【0051】
排水は排水管により排水処理装置へ運ばれて、再利用される。
【0052】
従来技術と比べて、本発明のバイオマスガス化方法には、以下の効果がある。
【0053】
1) ガス化のための外部熱源を供給するために、プラズマトーチを利用する。スラグは液体状態で排出される。ガス化反応は温度が高く、ガス化速度は高速であり、また炭素変換率は高い。粗合成ガスの品質は高い。
【0054】
2) ガス化は常圧固定床で行われる。ガス化炉本体は構造が単純であり、投資が小さく、操作が簡単である。加えて、送込みシステム、スラグ回収システム、および精製システムは簡易である。
【0055】
3) 原料の適用性が高く、様々な種類のバイオマス、MSW、原炭、および汚泥が利用できる。従って、複数種類の原料の混合ガス化が実現される。
【0056】
4) 空気、酸素、酸素リッチ空気、水蒸気、またはそれらの混合物が酸化剤として使用される。
【0057】
5) 二段階排熱ボイラを利用して顕熱を回収するので、石炭ガスの全体熱効率が改善される。
【0058】
6) ガス化アイランドは装置のフローが短く、投資が小さい。
【0059】
7) ガス化アイランドは開始時間が短く、調整性能が良好である。
【0060】
8) ガス化アイランドは完成したシステムを備え、国産化の程度が高く、システム故障率が低く、利用性が高い。