特許第5959710号(P5959710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5959710結び目をつける作業が不要な縫合糸及びそれを含むキット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5959710
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】結び目をつける作業が不要な縫合糸及びそれを含むキット
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/04 20060101AFI20160719BHJP
   A61L 17/00 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   A61B17/04
   A61L17/00
【請求項の数】12
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-241510(P2015-241510)
(22)【出願日】2015年12月10日
(62)【分割の表示】特願2015-214011(P2015-214011)の分割
【原出願日】2012年12月24日
(65)【公開番号】特開2016-101505(P2016-101505A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2015年12月17日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0143929
(32)【優先日】2011年12月27日
(33)【優先権主張国】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513224984
【氏名又は名称】ワイ.ジェイコブス メディカル インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【弁理士】
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヤン ジェ
【審査官】 吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0282386(US,A1)
【文献】 特開2004−329964(JP,A)
【文献】 特開平08−052154(JP,A)
【文献】 特表2010−500102(JP,A)
【文献】 特開2011−240134(JP,A)
【文献】 特開2000−225118(JP,A)
【文献】 特開平04−307052(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/04
A61L 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1末端及び第2末端を有し、前記第1末端の近傍に縫合糸支持体を備えた縫合糸において、
前記縫合糸支持体は、
下側末端部と上側末端部を備え、
前記下側末端部と上側末端部を貫通する連通孔を備え、
前記縫合糸支持体は、前記上側末端部が前記縫合糸の第1末端の方を向くように設けられており、
前記縫合糸は、前記上側末端部を基準にして前記第1末端の側に位置する前記縫合糸からなる結び目を有し、前記結び目から2本に分かれて、前記分かれた2本は前記縫合糸支持体の前記上側末端部から前記下側末端部へ前記連通孔を貫通し、前記第2末端において閉じた形状を形成し、
前記縫合糸支持体は、
切頭円錐状または切頭角錐状の形状を有し、
前記下側末端部の直径は前記上側末端部の直径より大きい
ことを特徴とする縫合糸。
【請求項2】
前記縫合糸は、前記縫合糸の第1末端の方から組織内部に貫いて入り込むことを特徴とする請求項1に記載の縫合糸。
【請求項3】
前記縫合糸は、1本の糸の略半分で折られた部分が前記第2末端になり、前記折られた部分と反対側が前記第1末端になることを特徴とする請求項1又は2に記載の縫合糸。
【請求項4】
第1末端及び第2末端を有し、前記第1末端の近傍に縫合糸支持体を備えた縫合糸において、
前記縫合糸支持体は、
下側末端部と上側末端部を備え、
前記下側末端部と上側末端部を貫通する連通孔を備え、
前記縫合糸支持体は、前記上側末端部が前記縫合糸の第1末端の方を向くように設けられており、
前記縫合糸は、前記上側末端部を基準にして前記第1末端の側に位置する前記縫合糸からなる結び目を有し、前記結び目から2本に分かれて、前記分かれた2本は前記縫合糸支持体の前記上側末端部から前記下側末端部へ前記連通孔を貫通し、前記第2末端において閉じた形状を形成することを特徴とする縫合糸であって、
前記縫合糸は、前記縫合糸の第1末端の方から組織内部に貫いて入り込むことを特徴とする前記縫合糸。
【請求項5】
前記縫合糸は、1本の糸の略半分で折られた部分が前記第2末端になり、前記折られた部分と反対側が前記第1末端になることを特徴とする請求項4に記載の縫合糸。
【請求項6】
第1末端及び第2末端を有し、前記第1末端の近傍に縫合糸支持体を備えた縫合糸において、
前記縫合糸支持体は、
下側末端部と上側末端部を備え、
前記下側末端部と上側末端部を貫通する連通孔を備え、
前記縫合糸支持体は、前記上側末端部が前記縫合糸の第1末端の方を向くように設けられており、
前記縫合糸は、前記上側末端部を基準にして前記第1末端の側に位置する前記縫合糸からなる結び目を有し、前記結び目から2本に分かれて、前記分かれた2本は前記縫合糸支持体の前記上側末端部から前記下側末端部へ前記連通孔を貫通し、前記第2末端において閉じた形状を形成する
ことを特徴とする縫合糸であって、
前記縫合糸は、1本の糸の略半分で折られた部分が前記第2末端になり、前記折られた部分と反対側が前記第1末端になることを特徴とする前記縫合糸。
【請求項7】
前記縫合糸は、
前記縫合糸支持体の前記下側末端部に、下側末端から縦方向に切開された部位、あるいは下側末端の一部が除去されて末端部の壁に末端から形成された一つ以上の間隙が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の縫合糸。
【請求項8】
前記縫合糸は、前記縫合糸の第2末端に向かって傾斜して形成された逆とげが表面に形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の縫合糸。
【請求項9】
前記縫合糸の結び目は縫合糸支持体の前記上側末端部の孔径よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の縫合糸。
【請求項10】
前記結び目が前記第1末端である、請求項1乃至のいずれかに記載の縫合糸。
【請求項11】
前記第2末端に形成された針をさらに含む、請求項1乃至10のいずれかに記載の縫合糸。
【請求項12】
前記縫合糸は、前記縫合糸の縦軸と前記縫合糸の第2末端の方向へ向かう逆とげが形成する角度(θ)が鋭角をなすことを特徴とする請求項8に記載の縫合糸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科手術に使用される縫合糸に係り、さらに詳細には、結び目をつける作業が不要であり、堅固であって安定して縫合したり、あるいは組織の密着・支持・固定が可能な縫合糸に関する。
【背景技術】
【0002】
縫合糸(suture)は、損傷された筋肉・血管・神経・組織、または傷や手術切開部の連結または縫合のために、かなり以前から使用されてきた。また、縫合糸は、二重瞼手術や、老化、皮膚弾力低下、外傷、過用、懐死などによって生ずる組織(tissue)や皮膚の垂れ下がり、しわなどを除去するための施術などのためにも使用される。縫合糸を使用するリフティング施術は、メスを使用せずに、針及び糸でもって、顔、あご、首、腹部、膣、胸、臀部などのたるんだ皮膚及び組織を挙上してしわを引っ張って広げる技術であり、皮膚を過多に切開する必要がなく、傷痕の発生を最小化することができ、手術による出血やむくみが少なくて関心を集めている。
【0003】
最近では、外部表面に逆とげ(barb)が形成された縫合糸が開発されて使用されているが、逆とげによって、滑り止めがきくという属性を有するので、縫合後、ほどけ難いというような長所がある。
【0004】
縫合糸を使用する施術で重要事項として考慮すべき点のうち一つは、縫合、組織の密着または支持、固定の効果を、安定して長く持続させるために、施術部位で、縫合糸を堅固に維持・固定させる必要があり、また縫合がほどけないように、堅固な結び目装置が必要であり、迅速で安全な施術のために、結び目過程に要する時間及び労力を最小化する必要がある。
【0005】
本発明の発明者は、結び目工程が不要な縫合糸支持体を具備した縫合糸に係わる韓国特許出願第10−2011−0019895号及び韓国特許出願第10−2011−0064084号を出願しており、その内容が本出願に導入される。本発明の発明者は、さらに便利であって有用な縫合糸を発明するために研究を続けてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2008−39345号公報
【特許文献2】韓国公開特許第10−2005−0108494号公報
【特許文献3】韓国登録実用新案公報第20−320005号
【特許文献4】米国特許第5931855号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、施術部位で、さらに堅固に維持・固定され、効果的に組織を付け、縫合及び組織の密着、支持または固定の効果に優れた縫合糸を提供することを目的とする。本発明はまた、結び目工程が不要な縫合糸を提供することを目的とする。本発明はまた、前記縫合糸を含むキットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の一実施形態は、第1末端及び第2末端を有する縫合糸において、第1末端に、切頭円錐状または切頭角錐状の支持体を具備した縫合糸を提供する。さらに具体的には、本発明の一実施形態は、両末端部を貫通する連通孔を具備した切頭円錐状または切頭角錐状の縫合糸支持体が一方の末端(第1末端)に具備された縫合糸であって、前記縫合糸支持体の上側末端部(両末端部のうち小径側)が縫合糸の第1末端の方を向くように、前記連通孔を介して前記縫合糸に結びつけられている縫合糸を提供する。前記縫合糸支持体は、両末端部のうち大径側である下側末端部に、末端から縦方向に切開された部位を一つ以上含む、あるいは下側末端の一部が除去されて末端部の壁に末端から形成された多数の間隙がありもする。このように、切開部位や間隙があれば、組織と接触する面積が広くなり、間隙間に組織の線維素や支持組織が入り込み、縫合糸を引っ張るときに固定力がさらに大きくもなる。
【0009】
また、本発明の一実施形態として、第1末端及び第2末端を有する縫合糸において、両末端部を貫通する連通孔を具備し、切頭円錐状または切頭角錐状である縫合糸支持体(下側末端部に切開された部位または間隙を有しもする)が、縫合糸支持体の上側末端部(両末端部のうち小径側)が縫合糸の第1末端の方を向くように、前記連通孔を介して前記縫合糸に結びつけられて第1末端に具備された縫合糸であって、前記縫合糸の表面に逆とげが形成された縫合糸が提供される。
【0010】
本発明の一実施形態として、縫合糸の第1末端に具備される切頭円錐状または切頭角錐状である縫合糸支持体(下側末端部に切開された部位または間隙を有しもする)は、1個または2個以上でもある。
【0011】
また、本発明は、一実施形態として、第1末端に、切頭円錐状または切頭角錐状である縫合糸支持体(下側末端部に切開された部位または間隙を有しもする)が具備され、第2末端に針が具備された縫合糸であって、前記縫合糸が1本または2本以上である縫合糸を提供する。前記縫合糸は、逆とげが具備され、縫合糸の表面に形成される逆とげは、前記縫合糸の縦軸と縫合糸の第2末端の方向へ向かう逆とげが形成する角度(θ)が鋭角をなすように前記縫合糸の第2末端に向かって傾斜して形成される。また、本発明の一実施形態として、両末端部を貫通する連通孔を具備し、切頭円錐状または切頭角錐状である縫合糸支持体を具備した縫合糸を作る方法を提供する。さらに、本発明の一実施形態として、両末端部を貫通する連通孔を具備し、切頭円錐状または切頭角錐状であり、下側末端部に切開された部位または間隙を有する縫合体支持体が、一方の末端に具備された縫合糸を製造する方法を提供する。
【0012】
本発明はまた、本出願で提供する縫合糸を使用する方法、及びそのために使用される本発明の縫合糸を含むキット、及びそれを含む手術装置を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明で提供する縫合糸は、縫合組織の密着時、支持時または固定時に、結び目をつけなくとも安全に実施することができ、縫合糸が施術部位において、堅固に維持・固定され、さらに効果的に組織を押さえつけることができる。また、本発明で提供するキットを使用する場合、医師の熟練度と係わりなく施術が容易であり、簡単であって、優秀な施術効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に使用される縫合糸支持体を示した図面である。
図2】本発明の一実施形態による縫合糸支持体及び針を具備した縫合糸を示した図面である。
図3】本発明の一実施形態による縫合糸支持体を具備した縫合糸を示した図面である。
図4】本発明の一実施形態による縫合糸を含むキットを示した図面である。
図5】本発明の一実施形態による縫合糸を含むキットを示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明について詳細に説明する。しかし、それらの図面は、本発明に対する理解の一助とするためのものであり、いかなる意味でも、本発明の範囲がそれらによって制限されるものではない。発明の理解の一助とするために、針、縫合糸支持体、逆とげの部位を拡大して表示している。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に使用される縫合糸支持体20を示した図面である。前記支持体は、切頭円錐状または切頭角錐状の形状を有し、両末端部を貫通する連通孔25を具備し、前記連通孔の直径は、縫合糸の直径よりも大きく形成される(図1a)。
【0017】
本発明の一実施形態に使用される縫合糸支持体は、両末端部のうち大径側である下側末端部に、下側末端22から縦方向に切開された部位23を一つ以上含むか(図1b)、あるいは下側末端の一部が除去され、末端部の壁に、末端から形成された一つ以上の間隙24が形成される(図1c及び図1d)。前記切開部位23の長さや、前記間隙24の大きさや形状は、縫合糸が使用される身体部位及び目的によって適切に調節することができる。
【0018】
本発明の一実施形態に使用される縫合糸支持体は、生体内に吸収されない(non-adsorbable)材料から製造され、または目的によって吸収可能な(absorbable)材料によっても作られる。例えば、ナイロン、ポリプロピレン(例えば、MESHなど)、ポリフッ化ビニリデン(polyvinyliden fluoride)、ポリエステル、ステンレススチール、金、チタン、シリコン、メドポア、ゴアテックス、メッシュ、ポリ乳酸(polylactic acid)、ポリジオキサノン(polydioxanone)(PDO、PDS)、乳酸(lactic acid)とグリコール酸(glycolic acid)とのコポリマーなどを使用することができるが、それらに制限されるものではない。生体内で吸収可能な材料を使用する場合、身体内部の縫合を実施した後、支持体を除去する必要がないという利点がある。
【0019】
本発明の一実施形態に使用される縫合糸支持体の長さは、例えば、1〜10mmほどでもあるが、それは一例であり、使用部位及び目的によって調節が可能である。本発明の縫合糸支持体の両末端部の中空の直径は、例えば、小径の前側は、0.1〜2mmほど、大径の後ろ側は、0.5〜5mmほどでもあるが、それらは一例であり、糸の太さ及び目的によって調節が可能である。
【0020】
本発明の一実施形態として、前記の切頭円錐状または切頭角錐状の連通孔を有する縫合糸支持体は、第1末端及び第2末端を有する縫合糸において、第1末端に結合され、縫合糸は、逆とげを有することができる。前記縫合糸支持体は、両末端部のうち大径側である下側末端部に、下側末端22から縦方向に、切開部位23を一つ以上含むか(図1b)、あるいは下側末端の一部が除去され、末端部の壁に、末端から形成された一つ以上の間隙24が形成されたものでもある(図1c及び図1d)。
【0021】
縫合糸支持体を縫合糸に結合する方法としては、例えば、第1末端及び第2末端を有する縫合糸において、前記縫合糸支持体の両末端部のうち小径側である上側末端部21が、縫合糸支持体が結合される縫合糸の一方の末端部の末端である第1末端11(図2a)の方を向くように、前記連通孔を介して縫合糸支持体を縫合糸に通す段階と、前記縫合糸の第1末端11、または縫合糸支持体の上側末端部21と縫合糸の第1末端との間に、縫合糸支持体の上側末端部の孔径よりも大きい結び目50(図2a)をつけたり、あるいは熱などを加えて縫合糸が撚れた部分を形成する段階とを含み、縫合糸支持体を縫合糸から分離させない方法を使用することができるが、それに制限されるものではない。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、本発明の縫合糸は、両末端のうち、縫合糸支持体が結合されない他の一方の末端、すなわち、第2末端12(図3a)が、針に結合されたり、あるいは結合されていない状態で使用される。このとき、使用される針は、金属製などの吸収されない材料、または吸収可能な材料(例えば、ポリ乳酸など)によって製造される。
前記縫合針は、全体的に線形状または曲線形状を呈し、針先は、円形状、削り形状(cutted appearance)、または長く延長されたものなど、一般的に広く使用される形状に形成することができる。
【0023】
前記縫合糸を前記針に結合する方法としては、中空の針本体に縫合糸を挿入して針を圧搾する方法、針に孔(針穴)をあけて縫合糸を差し込む方法などを使用することができるが、それらに制限されるものではなく、それ以外の多様な方法が可能である。
【0024】
図2は、本発明の一実施形態による、第1末端及び第2末端を有する縫合糸において、両末端部を貫通する連通孔を具備した切頭円錐状または切頭角錐状である縫合糸支持体、または両末端部を貫通する連通孔を具備した切頭円錐状または切頭角錐状であり、下側末端部に切開された部位または間隙を有する縫合体支持体が縫合糸支持体の上側末端部(両末端部のうち小径側21)が、縫合糸支持体が結合される縫合糸の末端である第1末端11の方を向くように、前記連通孔を介して前記縫合糸に結びつけられて第1末端に具備され、他の一方の末端である第2末端に針30を具備した縫合糸を示した図面である。
【0025】
縫合糸の表面には、逆とげが、縫合糸の縦軸となす角が同一方向に傾斜して形成される。縫合糸の表面に形成される逆とげは、前記縫合糸の縦軸と縫合糸の第2末端の方向へ向かう逆とげが形成する角度(θ)が鋭角をなすように前記縫合糸の第2末端に向かって傾斜して形成される。このように、逆とげと縫合糸とがなす角が、縫合糸支持体が具備されていない縫合糸の第2末端に向って、尖った形状をなすように、逆とげが形成されていれば、縫合糸の第2末端に結合された針で縫合を行うときには、縫合糸が滑り込むように組織を良好に通過するが、縫合後に、第2末端から針を除去しても、縫合糸が縫合方向と反対に移動することになれば、突っ張り棒のように支持して移動阻止を行う。縫合が終わり、針を除去しても、逆とげによって縫合糸が抜けないので、結び目をつける必要がない。
また、縫合糸の一方の末端に具備された縫合糸支持体は、縫合がほどけないようにする結び目の役割を行うだけではなく、縫合やリフティングを実施しながら、糸を引っ張るときに、縫合体支持体の下側末端に形成された切開された部分または開いた間隙によって、縫合体支持体が動かないように位置がしっかりと固定される。従って、リフティング効果を安定して長く持続させる。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、逆とげが形成された縫合糸は、例えば、1本、2本、3本または4本以上使用することができ、糸の太さや使用目的によって、適切にその数を調節することができ、それぞれの縫合糸は、単一糸または多重糸が撚られたり編まれたりしたものでもある。このとき、逆とげが形成されたそれぞれの縫合糸の第1末端は、一つの縫合糸支持体に共に結びつけらたり(図2b参照)、または各縫合糸の第1末端にそれぞれ別途の縫合糸支持体を有することができる(図2c参照)。また、2本の縫合糸は、第2末端で一つの針に共に結合され(図2b、図2c及び図2d参照)、またはそれぞれの第2末端に別個の針がそれぞれ結合されもする(図2e参照)。
【0027】
図2bは、縫合糸の前半部と後半部とが、同一方向に傾斜して逆とげが形成された2本以上の糸をまとめ、縫合糸の縦軸と縫合糸の針が結合される末端の方向へ向かう逆とげが形成する角度(θ)が鋭角をなしながら、縫合糸の針が結合される末端に向かって傾斜して配置されるように、縫合糸の一端を針に結合させ、反対側の末端部分は、支持体に結合させて製造した例である。図2cは、他の実施形態であり、縫合糸に形成された逆とげが、前半部と後半部とが互いに反対方向に傾斜するように(例えば、縫合糸の前半部では、逆とげが縫合糸の縦軸と逆とげとがなす角がいずれも90°未満であり、縫合糸の前末端に向けて傾斜して形成され、縫合糸の後半部では、逆とげと縫合糸の縦軸とがなす角がいずれも90°未満であり、縫合糸の後ろ末端に向けて傾斜して形成)形成された1本以上の糸を半分にした後、両末端をそれぞれ支持体及び針に結合させて製造した例である。
【0028】
図3は、本発明の一実施形態による、両末端部を貫通する連通孔を具備し、切頭円錐状
または切頭角錐状である縫合糸支持体、あるいは両末端部を貫通する連通孔を具備した切頭円錐状または切頭角錐状であり、下側末端部に切開された部位または間隙を有する縫合体支持体が、縫合糸支持体の上側末端部21(両末端部のうち小径側)が縫合糸の第1末端11を向くように、前記連通孔を介して前記縫合糸に結びつけられて第1末端に具備され、第2末端12に針が具備されていない状態で使用される縫合糸を示した図面である。
前記縫合糸は、逆とげが具備され、縫合糸の表面に形成される逆とげは、前記縫合糸の縦軸と縫合糸の第2末端へ向かう逆とげが形成する角度(θ)が鋭角をなすように前記縫合糸の第2末端に向かって傾斜して形成される。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、逆とげが形成された縫合糸は、例えば、1本、2本、3本または4本以上使用することができ、糸の太さや使用目的によって適切にその数を調節することができる。2本以上である縫合糸からなる場合、各縫合糸が一つの縫合糸支持体の連通孔を通過し、共に結び目がつけられるとか(図3b及び図3c)、または1本の縫合糸が、支持体の連通孔を通過する形態で縫合糸支持体に結びつけられる(図3d)。図3c、図3d及び図3eは、縫合糸に形成された逆とげが、前半部と後半部とが、互いに反対方向に傾斜して形成された1本以上の糸を半分にした後、一方の末端を縫合糸支持体に結合させて製造した例である。
【0030】
逆とげが形成された縫合糸は、韓国公開特許第10−2008−39345号公報、同第10−2005−0108494号公報、及び韓国登録実用新案公報第20−320005号、米国特許第5931855号明細書などに記載されており、それらの内容は、本明細書に導入される。逆とげは、任意の必要な構成によって、繊維状に配列され、本発明の技術分野で周知のものを含む任意の適切な方法を使用して形成される。かような方法は、ナイフ、レーザまたはプレス成形による射出成形、スタンピング、切断を含む。必要数の鋭角の切断が縫合糸に作られる。逆とげの大きさは、本発明の技術分野の常識範囲で、目的によって適切に調節することができる。例えば、縫合糸に形成された逆とげの深さは、30〜100μmほどでもあり、縫合糸の直径によって調節される。縫合糸の表面上に形成される逆とげ間の間隔は、100μm〜1mm、またはそれ以上でもある。
【0031】
本発明で使用される縫合糸は、例えば、高分子材料金属材料または生物学的材料など様々な材料から作られるが、例えば、ポリプロピレン、金、ステンレススチール、チタン、ナイロン、ポリフッ化ビニリデン(polyvinyliden fluoride)、ポリエステル、ブレイデッドシルク(braided silk)などの吸収されない材質からも作られ、あるいはポリジオキサノン(PDO、PDS)のような吸収可能な材質からも作られ、それらに制限されるものではない。また、本発明で使用される縫合糸は、単繊維状または撚られた縫合糸の形態などによって使用される。
【0032】
本発明の一実施形態による一方の末端に、両末端部を貫通する連通孔を具備し、切頭円錐状または切頭角錐状である縫合糸支持体、あるいは両末端部を貫通する連通孔を具備した切頭円錐状または切頭角錐状であり、下側末端部に切開された部位または間隙を有する縫合糸支持体を具備した縫合糸を使用する方法としては、例えば、次のような段階を含んでもよい。
1)皮膚や組織において、縫合糸支持体を所望の位置に位置させることができるように、針で組織をつき抜き、中空の長い管を皮膚や組織の特定位置に押し入れる段階(a);
2)長い管を介して、本発明の一実施形態による縫合糸支持体20を具備した縫合糸10を、目的とする位置に縫合糸支持体が達するように入れる段階(b);
3)皮膚内または組織内の長い管を通過した縫合糸支持体を、外部から押したり、あるいは細い棒で動かないように固定させ、長い管だけ外部に除去する段階(c);
4)前記縫合糸支持体を押し付け、縫合糸を引っ張りながら組織を押し当てる段階(d)。
このとき、使用される縫合糸は、一方の末端に縫合糸支持体を有する1本の逆とげが形成された縫合糸を1本または複数本使用することができ、または、2本以上の逆とげが形成された縫合糸が一つの縫合糸支持体に結合されたものを使用することもできる。前記方法において、縫合糸支持体は、縫合をほどけさせない結び目の役割を行うだけではなく、
縫合やリフティングを行いつつ、糸を引っ張るときに、縫合糸が移動せずに固定されるようにする。下側末端に形成された切開された部分または開いた間隙を有する縫合糸支持体は、固定効果がさらに大きい。従って、リフティング効果を安定して長い間持続させる。
縫合糸支持体が結合されていない縫合糸の第2末端に向かって、縫合糸の縦軸と縫合糸の第2末端の方向に向かう逆とげが形成する角度(θ)が鋭角をなすように傾斜して逆とげが形成されている場合、形成された逆とげは、縫合糸表面とのなす角度によって、縫合糸がリフティングの反対方向に抜けることを防ぎ、組織が引っ張られた状態で維持されるようにする。長い管を通過させて縫合糸を入れるときには、組織による抵抗がないので良好に通過し、長い管を除去し、縫合糸支持体を押し付け、縫合糸を引っ張りながら組織を押し当てるときも、逆とげと縫合糸とのなす角が鋭角になるように形成された逆とげが、組織の移動に大きい影響を与えないが、組織が反対方向に戻ろうとすれば、その逆とげが抵抗を行う。
【0033】
本発明は、一実施形態として、本発明で提供する縫合糸により、施術を容易に実施させる装置を提供する。本発明で提供する装置には、縫合糸が内蔵されたキット(キットA(図4a))、及び縫合糸を組織内に正確に位置させる縫合糸位置決め用キット(キットB(図4b))を含む。
【0034】
縫合糸が内蔵されたキット(キットA)は、両末端を連通する孔が内部に形成された長い管70、及び前記長い管に内蔵された縫合糸を含むが、前記縫合糸は、第1末端及び第2末端を有し、第1末端に縫合糸支持体が具備され、前記縫合糸支持体は、両末端部を貫通する連通孔を具備した切頭円錐状または切頭角錐状である縫合糸支持体、あるいは両末端部を貫通する連通孔を具備した切頭円錐状または切頭角錐状であり、下側末端部に切開された部位または間隙を有する縫合体支持体であり、前記縫合糸支持体は、縫合糸支持体の上側末端部が縫合糸の第1末端の方を向くように、前記連通孔を介して前記縫合糸に結びつけられて第1末端に具備され、前記縫合糸の表面には逆とげが形成されるが、前記縫合糸の縦軸と縫合糸の第2末端の方向へ向かう逆とげが形成する角度(θ)が鋭角をなすように前記縫合糸の第2末端に向かって傾斜して形成される。キットAは、両末端が連通された長い管に、本発明で提供する縫合糸支持体が具備され、逆とげが形成された縫合糸を挿入して製造されるが、このとき、長い管の両末端のうち組織内部に貫いて入り込む末端側に縫合糸支持体を位置させる(図4a)。縫合糸支持体は、長い管の内部に内蔵されたり、あるいは必要によって、長い管の末端の外部、または長い管の内部及び外部にかけて位置させる。キットAの長い管の連通孔径は、内部に縫合糸を収容することができる大きさを有するようにし、目的によってその大きさは調節可能である。
【0035】
縫合糸を組織内に正確に位置させる縫合糸位置決め用キット(キットB)は、両末端を連通させる孔が内部に形成された長い管80、及び前記長い管の連通孔に挿入され、長さが前記長い管の長さよりも長く、一側に、身体内部に挿入可能な先端を有するロッド(rod)90を含む(図4b)。前記ロッドは、皮膚や組織を貫いて入り込むほどの強度を有する材料から作られ、先端が丸みを帯びていたり、円形状をしていれば、組織の損傷を最小化させることができる。
【0036】
キットBの長い管は、キットAの長い管よりも長さが短く、キットAを収容するように、連通孔径がキットAの長い管よりも大きいことが望ましい。前記長い管及びロッドは、ウレタン、プラスチック、金属、または、組織を貫いて入り込むほどに硬度があり、人体に無害な材料であるならば、いかなる素材を使用してもよい。キットA及びキットBの長い管は、施術の便宜のために末端に取っ手部が具備される。
【0037】
図4の装置は、例えば、次のような段階を含む方法で使用することができる。
1)縫合またはリフティングする部位または組織に、キットBを押し入れる段階;
2)長い管80はそのままにし、ロッド90だけ除去する段階(b);
3)組織に残された長い管80内にキットAを押し入れる段階(c)(このとき、縫合糸支持体が位置している側を組織の内側に向ける);
4)キットAは組織に残しておいた状態で、キットBの長い管80を除去する段階(d);
5)細い棒100(図5a)で、キットAの長い管70外の組織内に縫合糸支持体を押し入れる段階(e);
6)キットAの長い管70及び細い棒100を除去する段階(f);
7)縫合糸を引っ張り、皮膚(または、組織の外部)を縫合糸支持体側に押し当てる段階(g)。
必要な場合、外部(例えば、皮膚)から押し、縫合糸支持体が動かないようにすることもできる。
【0038】
本発明はまた、本発明で提供する縫合糸で、施術を容易に実施させる他の一実施形態のキットを提供する(図5)。当該キットは、i)次第に細くなるチップ101の形状からなる先端部、ハンドル103が形成された後端部、及び前記先端部近辺に形成された、縫合糸に具備された縫合糸支持体の収納部102を含み、先端部と後端部とをつなげた状態で縦軸方向に分離される中空の長い管104、及び、ii)前記中空の長い管に内蔵された、本発明で提供する縫合糸支持体が具備された縫合糸を含むことを特徴とする。図5aは、縫合糸支持体が具備された縫合糸が内蔵された中空管の一実施形態を示している。
【0039】
このとき、中空管の先端部は、終端が塞がれていたり、あるいは後端部と連通する孔を形成することができる。チップは、組織を通過することができるほどの強度を有する材料を使用することが望ましく、チップの終端に丸みを帯びさせれば、組織の損傷を減らすことができるという長所がある。前記中空の長い管に形成される縫合糸支持体収納部は、先端部から形成される中空スペースの延長であり、縫合糸に具備された縫合糸支持体を収容することができる空間であり、収容される縫合糸支持体の大きさ及び個数などにより、適切に形状及び大きさを調節することができる(図5b参照)。
【0040】
前記中空管104は、図5cに例示されているように、先端部と後端部とをつなげた状態で縦軸方向に分離され、分離された管の一側104aの上に縫合糸支持体が具備された縫合糸を入れ、分離された管の残りの一側104bを覆い、縫合糸が内蔵された中空管を製造することができる。このとき、例えば、2つのハンドル103a,103bが出合う部分の一側には、凸状部分105を、他の一側には、前記凸状部分が正確に嵌め込まれる凹状部分106を形成し、2つのハンドル部分を合わせるときに、安定して固定・結合され、結果として、縫合糸が収納された管が安定して維持される(ハンドルの上から見た形状を示した図5d参照)。その他、分離された2つの部分の結合によって形成される管が、施術中に必要な時期まで安定した形状を維持することができる多様な措置を取ることができる。
【0041】
縫合糸が収納された管を、チップ101側から、縫合またはリフティングが必要な部位に押し入れた後、管の空き空間を介して細い棒を入れ、縫合糸支持体が動かないようにしながら、管を分離し、分離された部分104a,104bを一つずつ除去し、細い棒を除去した後に、縫合糸を引っ張り、皮膚(または、組織の外部)を縫合糸支持体20側に押し当てる方法で施術が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、外科手術に使用される縫合糸に係わる分野に利用される。
【符号の説明】
【0043】
10:縫合糸
11:縫合糸支持体が結合される末端(第1末端)
12:縫合糸支持体が結合されていない末端(第2末端)
20:縫合糸支持体
21:縫合糸支持体の上側末端
22:縫合糸支持体の下側末端
23:縫合糸支持体に形成された切開部位
24:縫合糸支持体に形成された間隙
25:縫合糸支持体の連通孔
30:針
40:逆とげ
50:結び目
70:キットAの長い管
80:キットBの長い管
90:キットBのロッド
100:施術用キット
101:チップ(101a,101b:分離されたチップ)
102:縫合糸支持体収納部(102a,102b:分離された縫合糸支持体収納部)
103:ハンドル(103a,103b:分離されたハンドル)
104:管(104a,104b:分離された管)
105:凸状部分
106:凹状部分
図1
図2
図3
図4
図5