(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1〜15のうちのいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、またはその薬学的に容認可能な塩のうちの1個、および式(I)とは異なる少なくとも1個の他の細胞増殖抑制または細胞毒性活性物質を含む、薬学的調製物。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、一般式(I)の化合物に関し、
【化2】
(I)
式中、
R
1が−C
1-3アルキルまたは−C
1-3ハロアルキルであり、
R
2が、−NHR
4、−C
1-5アルキル、−C
1-5ハロアルキル、ハロゲン、および−S−C
1-3アルキルから選択され、
R
3が、5〜12員ヘテロアリールであり、この基は−X−R
10で置換され、R
9から独立的に選択される1個以上の基で任意にさらに置換され、
R
4が、−C
1-5アルキルおよび5〜12員ヘテロシクロアルキルから選択され、このヘテロシクロアルキルは、R
5から独立的に選択される1個以上の基で任意に置換され得、
R
5が、−C
1-5アルキル、−C
1-5ハロアルキル、および−C
1-3アルキレン−O−C
1-3アルキルから選択され、
R
9が、−C
1-5アルキル、−O−C
1-5アルキル、−N(C
1-5アルキル)
2、ハロゲン、−C
1-3アルキレン−O−C
1-3アルキル、−C
1-5アルキレン−N(−C
1-5アルキル、−C
1-5アルキル)、5〜12員ヘテロシクロアルキルから選択され、該ヘテロシクロアルキル基は、=O、−C
1-3アルキルから独立的に選択される1個以上の基で任意に置換され得るか、または、
R
9が、−C
6-10アリールおよび5〜12員ヘテロアリールから選択され、該アリールおよびヘテロアリール基は、ハロゲン、−C
1-3アルキル、−O−C
1-3アルキル、−C
1-3ハロアルキル、−O−C
1-3ハロアルキル、−N(C
1-5アルキル、C
1-5アルキル)、および−NH−C
1-5アルキルから選択される1個以上の基で任意にかつ独立的に置換され得、
Xが、−C
1-3アルキレン−または−O−であり、
R
10が、−C
6-10アリールまたは5〜12員ヘテロアリールであり、この基のそれぞれは、ハロゲン、−C
1-3アルキル、−O−C
1-3アルキル、−C
1-3ハロアルキル、−O−C
1-3ハロアルキルから選択される1個以上の基で任意に置換され得、
式(I)の化合物は、任意に塩の形態で存在してもよい。
【0008】
好適な実施形態では、本発明は、式(I)の化合物に関し、式中R
1は−CH
3である。
【0009】
好適な実施形態では、本発明は式(I)の化合物に関し、式中R
2は−NHR
4であり、R
4は5〜6員ヘテロシクロアルキルであり、任意に、明細書および請求項においてここに定義するように置換される。
【0010】
好適な実施形態では、本発明は式(I)の化合物に関し、式中R
2は−NHR
4であり、R
4はテトラヒドロフランまたはピペリジンであり、該ピペリジンは、−CH
3、−CH
2CH
3、−CH
2CH
2CH
3、および−(CH
2)
2−O−CH
3から選択される1個の基で置換される。
【0011】
好適な実施形態では、本発明は式(I)の化合物に関し、式中R
2は−NHR
4であり、R
4は−C
1-3アルキルである。
【0012】
好適な実施形態では、本発明は式(I)の化合物に関し、式中R
2は、−NHR
4であり、R
4は−CH
3または−CH(CH
3)
2である。
【0013】
好適な実施形態では、本発明は式(I)の化合物に関し、式中R
2は−C
1-3アルキルである。
【0014】
好適な実施形態では、本発明は式(I)の化合物に関し、式中R
3は、−X−R
10で置換され、R
9から独立的に選択される1個以上の基で任意にさらに置換された、5〜9員ヘテロアリールであり、R
9、R
10、およびXは、明細書および請求項においてここに定義する通りである。
【0015】
好適には、R
3は、1個または2個のR
9で任意にさらに置換される。
【0016】
好適な実施形態では、本発明は式(I)の化合物に関し、式中−X−R
10は、−CH
2−フェニル、−CH(CH
3)−フェニル、−CH
2−ピリジル、−CH(CH
3)−ピリジル、−O−フェニルから選択され、このフェニルまたはピリジル基のそれぞれは、−Fまたは−CH
3で任意に置換される。
【0017】
好適な実施形態では、本発明は式(I)の化合物に関し、式中−X−R
10は、−CH
2−フェニル、−CH
2−ピリジル、−CH(CH
3)−フェニル、−CH(CH
3)−ピリジルから選択され、このピリジルまたはフェニル基のそれぞれは、−Fまたは−CH
3で任意に置換される。
【0018】
好適な実施形態では、本発明は式(I)の化合物に関し、式中R
3は、ピラゾリルイミダゾール、ベンズイミダゾリル、イミダゾピリジン、およびイミダゾピリミジンから選択され、R
3は、−X−R
10で置換され、R
3は、R
9から独立的に選択される1個以上の基で任意にさらに置換され、R
9、R
10、およびXは、明細書および請求項においてここに定義される通りである。
【0019】
好適な実施形態では、本発明は式(I)の化合物に関し、式中R
9は、−C
1-3アルキル、−O−C
1-3アルキル、−N(C
1-3アルキル)
2、フェニル、および6員ヘテロシクロアルキル、から独立的に選択され、このヘテロシクロアルクリルは、1個以上の基が独立的に選択された=Oおよび−C
1-3アルキルで任意に置換され得る。
【0020】
好適な実施形態では、本発明は式(I)の化合物に関し、式中R
3は、−CH
2−フェニルまたはCH
2−ピリジル、−CH(CH
3)−ピリジルで置換され、−C
1-3アルキルまたは5〜12員ヘテロシクロアルキルで任意にさらに置換された、イミダゾピリジンまたはベンズイミダゾールであり、このヘテロシクロアルキル基は、−C
1-3アルキルから独立的に選択される1個以上の基で任意に置換され得る。
【0021】
好適な実施形態では、本発明は式(I)の化合物に関し、式中R
3は、−CH
2−フェニル、−CH(CH
3)−ピリジル、または−CH
2−ピリジルで置換され、−CH(CH
3)
2、またはモルホリニル、もしくはピペラジニルで置換された、イミダゾピリジンまたはベンズイミダゾールであり、このモルホリニルまたはピペラジニル基は、C
1-3アルキルから選択される1個以上の基で任意に置換される。
【0022】
好適な実施形態では、本発明は式(I)の化合物に関し、式中R
3位置における5〜9員ヘテロアリールは、炭素原子を介して該構造の核に付着する。
【0023】
好適な実施形態では、本発明は式(I)の化合物に関し、式中R
10位置における該ピリジル部分は、2−位置にある−X−に結合される。
【0024】
さらなる実施形態では、本発明は、癌の治療における使用のための、式(I)の化合物に関する。
【0025】
さらなる実施形態では、本発明は、癌の治療および/または防止における使用のための、明細書および請求項においてここに記載の実施形態のいずれかに従う一般式(I)の化合物、またはその薬学的に容認可能な塩に関する。
【0026】
さらなる実施形態では、本発明は、明細書および請求項においてここに記載の実施形態のいずれかに従う一般式(I)の1個以上の化合物を活性物質として、任意に従来の賦形剤および/またはキャリアと組み合わせで含む、薬学的調製物に関する。
【0027】
さらなる実施形態では、本発明は、明細書および請求項においてここに記載の実施形態のいずれかに従う、一般式(I)の化合物を含む薬学的調製物、またはその薬学的に容認可能な塩のうちの1個、および式(I)とは異なる少なくとも1個の他の細胞増殖抑制または細胞毒性活性物質を含む、薬学的調製物に関する。
【0028】
本発明は、さらに、一般式(I)の化合物の、水和物、溶媒和化合物、多形体、代謝物、誘導体、およびプロドラッグに関する。
【0029】
本発明は、さらに、無機または有機の酸または塩基を伴う、一般式(I)の化合物の薬学的に容認可能な塩に関する。
【0030】
別の態様では、本発明は、一般式(I)の化合物、または薬剤としてのその薬学的に容認可能な塩に関する。
【0031】
別の態様では、本発明は、ヒトまたは動物の体の治療方法における使用のための、一般式(I)の化合物、またはその薬学的に容認可能な塩に関する。
【0032】
別の態様では、本発明は、癌、感染症、炎症、および自己免疫疾患の、治療および/または防止における使用のための、一般式(I)の化合物、またはその薬学的に容認可能な塩に関する。
【0033】
別の態様では、本発明は、ヒトおよび動物の体における、癌、感染症、炎症、および自己免疫疾患の、治療および/または防止の方法における使用のための、一般式(I)の化合物またはその薬学的に容認可能な塩に関する。
【0034】
別の態様では、本発明は、癌の治療および/または防止における使用のための、一般式(I)の化合物、またはその薬学的に容認可能な塩に関する。
【0035】
別の態様では、本発明は、癌の治療および/または防止における、一般式(I)の化合物、またはその薬学的に容認可能な塩の、使用に関する。
【0036】
別の態様では、本発明は、ヒトまたは動物の体における癌の治療および/または防止のための方法における使用のための、一般式(I)の化合物、またはその薬学的に容認可能な塩に関する。
【0037】
別の態様では、本発明は、造血器腫瘍、好適にはAML、MMの、治療および/または防止における使用のための、一般式(I)の化合物、またはその薬学的に容認可能な塩に関する。
【0038】
別の態様では、好適には、肺、肝臓、結腸、脳、甲状腺、膵臓、乳、卵巣、および前立腺癌に対する、固形腫瘍の治療および/または防止における使用のための、一般式(I)の化合物、またはその薬学的に容認可能な塩に関する。
【0039】
別の態様では、本発明は、一般式(I)の化合物またはその薬学的に容認可能な塩のうちの1個の、治療的に効果的な量を、ヒトに投与することを含む、癌の治療および/または防止のためのプロセスに関する。
【0040】
別の態様では、本発明は、一般式(I)の1個以上の化合物またはその薬学的に容認可能な塩を、活性物質として、任意に従来の賦形剤および/またはキャリアとの組み合わせで含む、薬学的調製物に関する。
【0041】
別の態様では、一般式(I)の化合物、またはその薬学的に容認可能な塩のうちの1個、および式(I)とは異なる少なくとも1個の他の細胞増殖抑制または細胞毒性活性物質を含む、薬学的調製物に関する。
定義
【0042】
ここに具体的に定義されない用語は、開示全体および全体としての文脈の観点から、当業者に明白である意味を有する。
【0043】
本明細書で使用される場合、別様が述べられない限り、以下の定義を適用する。
【0044】
下記に定義の基、ラジカル、または部分において、炭素原子の数は、多くの場合、基を先行して明記され、例えば、−C
1-5アルキルは、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基またはラジカルを意味する。概して、2個以上のサブ基を含む基については、最初に名付けられるサブ基はラジカル付着点であり、例えば、置換基−C
1-5アルキル−C
3-10シクロアルキルは、C
1-5アルキルに結合するC
3-10シクロアルキル基を意味し、該後者は、核構造または該置換基が付着する基に結合する。
【0045】
1個以上のヘテロ原子(複数可)(ヘテロ−アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシシルアルキル)を含有する基における員の数の表示は、全ての環員または鎖員の合計原子数、または全ての環および鎖員の合計に関連する。
【0046】
当業者は、窒素原子を含有する置換基がアミンまたはアミノとも示され得るということを理解するであろう。同様に、酸素原子を含有する基は、例えばアルコキシのように、−オキシで示され得る。−C(O)−を含有する基もまたカルボキシと示され得、−NC(O)−を含有する基もまたアミドと示され得、−NC(O)N−を含有する基もまた尿素と示され得、−NS(O)
2−を含有する基もまたスルホンアミドと示され得る。
【0047】
アルキルは、線状および分岐形態の両方において存在し得る、一価の飽和炭化水素鎖を示す。アルキルが置換される場合、該置換は、全ての水素保有炭素原子上で、それぞれのケースにおけるモノまたはポリ置換により、互いに独立的に起こり得る。
【0048】
「C
1-5−アルキル」という用語は、例えば、メチル(Me;−CH
3)、エチル(Et;−CH
2CH
3)、1−プロピル(n−プロピル;n−Pr;−CH
2CH
2CH
3)、2−プロピル(i−Pr;イソ−プロピル;−CH(CH
3)
2)、1−ブチル(n−ブチル;n−Bu;−CH
2CH
2CH
2CH
3)、2−メチル−1−プロピル(イソ−ブチル;i−Bu;−CH
2CH(CH
3)
2)、2−ブチル(sec−ブチル;sec−Bu;−CH(CH
3)CH
2CH
3)、2−メチル−2−プロピル(tert−ブチル;t−Bu;−C(CH
3)
3)、1−ペンチル(n−ペンチル;−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3)、2−ペンチル(−CH(CH
3)CH
2CH
2CH
3)、3−ペンチル(−CH(CH
2CH
3)
2)、3−メチル−1−ブチル(イソ−ペンチル;−CH
2CH
2CH(CH
3)
2)、2−メチル−2−ブチル(−C(CH
3)
2CH
2CH
3)、3−メチル−2−ブチル(−CH(CH
3)CH(CH
3)
2)、2,2−ジメチル−1−プロピル(ネオ−ペンチル;−CH
2C(CH
3)
3)、2−メチル−1−ブチル(−CH
2CH(CH
3)CH
2CH
3)を含む。
【0049】
プロピル、ブチル、ペンチル等の用語によって、さらなる定義を伴わずに、対応する数の炭素原子を伴う飽和炭化水素基が意味され、ここにおいて全ての異性体が含まれる。
【0050】
アルキルについての上記の定義は、アルキルが、例えば、C
x-y−アルキルアミノ、またはC
x-y−アルキルオキシ、またはC
x-y−アルコキシ等の、別の基の一部である場合にも適用され、ここにおいて、C
x-y−アルキルオキシおよびC
x-y−アルコキシは、同じ基を示す。
【0051】
アルキレンという用語は、アルキルからもまた由来し得る。アルキレンは、アルキルとは異なり二価であり、2個の結合相手を必要とする。形式的には、第2の原子価は、アルキル内で水素原子を除去することにより生成される。対応する基は、例えば、−CH
3および−CH
2、−CH
2CH
3および−CH
2CH
2または>CHCH
3等である。
【0052】
「C
1-4−アルキレン」という用語は、例えば、−(CH
2)−、−(CH
2−CH
2)−、−(CH(CH
3))−、−(CH
2−CH
2−CH
2)−、−(C(CH
3)
2)−、−(CH(CH
2CH
3))−、−(CH(CH
3)−CH
2)−、−(CH
2−CH(CH
3))−、−(CH
2−CH
2−CH
2−CH
2)−、−(CH
2−CH
2−CH(CH
3))−、−(CH(CH
3)−CH
2−CH
2)−、−(CH
2−CH(CH
3)−CH
2)−、−(CH
2−C(CH
3)
2)−、−(C(CH
3)
2−CH
2)−、−(CH(CH
3)−CH(CH
3))−、−(CH
2−CH(CH
2CH
3))−、−(CH(CH
2CH
3)−CH
2)−、−(CH(CH
2CH
2CH
3))−、−(CHCH(CH
3)
2)−、および−C(CH
3)(CH
2CH
3)−を含む。
【0053】
アルキレンの他の例は、メチレン、エチレン、プロピレン、1−メチルエチレン、ブチレン、1−メチルプロピレン、1.1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、ペンチレン、1,1−ジメチルプロピレン、2,2−ジメチルプロピレン、1,2−ジメチルプロピレン、1,3−ジメチルプロピレン等である。
【0054】
プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン等の総称によって、さらなる定義を伴わずに、対応する数の炭素原子を伴う、考えられる異性体の全てが意味される、すなわち、プロピレンは1−メチルエチレンを含み、ブチレンは1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、1,1−ジメチルエチレン、および1,2−ジメチルエチレンを含む。
【0055】
アルキレンについての上記の定義は、アルキレンが、例えば、HO−C
x-y−アルキレンアミノまたはH
2N−C
x-y−アルキレンオキシ等において、別の基の一部である場合にもまた適用される。
【0056】
アルキルとは異なり、アルケニルは、少なくとも2個の隣接する炭素原子がC−C二重結合により一緒に接合する、少なくとも2個の炭素原子から成る。少なくとも2個の炭素原子を有する、本明細書の前記で定義のアルキルにおいての場合、隣接する炭素原子上の2個の水素原子は形式的に除去され、自由原子価が第2の結合を形成するために飽和化され、対応するアルケニルが形成される。
【0057】
アルケニルの例は、ビニル(エテニル)−、プロプ−1−エニル、アリル(プロプ−2−エニル)−、イソプロペニル、ブテ−1−エニル、ブテ−2−エニル、ブテ−3−エニル、2−メチル−プロプ−2−エニル、2−メチル−プロプ−1−エニル、1−メチル−プロプ−2−エニル、1−メチル−プロプ−1−エニル、1−メチリデンプロピル、ペント−1−エニル、ペント−2−エニル、ペント−3−エニル、ペント−4−エニル、3−メチル−ブテ−3−エニル、3−メチル−ブテ−2−エニル、3−メチル−ブテ−1−エニル、ヘキサ−1−エニル、ヘキサ−2−エニル、ヘキサ−3−エニル、ヘキサ−4−エニル、ヘキサ−5−エニル、2,3−ジメチル−ブテ−3−エニル、2,3−ジメチル−ブテ−2−エニル、2−メチリデン−3−メチルブチル、2,3−ジメチル−ブテ−1−エニル、ヘキサ−1,3−ジエニル、ヘキサ−1,4−ジエニル、ペンタ−1,4−ジエニル、ペンタ−1,3−ジエニル、ブタ−1,3−ジエニル、2,3−ジメチルブタ−1,3−ジエン等である。
【0058】
プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサ−ジエニル、ヘプタジエニル、オクタジエニル、ノナジエニル、デカジエニル等の総称により、さらなる定義を伴わずに、対応する数の炭素原子を伴う、考えられる異性体の全てが意味される、すなわち、プロペニルはプロプ−1−エニルおよびプロプ−2−エニルを含み、ブテニルはブテ−1−エニル、ブテ−2−エニル、ブテ−3−エニル、1−メチル−プロプ−1−エニル、1−メチル−プロプ−2−エニル等を含む。
【0059】
アルケニルは、二重結合(複数可)に関して、任意に、シスもしくはトランスまたはEもしくはZ配向で存在し得る。
【0060】
アルケニルについての上記の定義は、アルケニルが、例えば、C
x-y−アルケニルアミノまたはC
x-y−アルケニルオキシ等において、別の基の一部である場合にもまた適用される。
【0061】
アルキレンとは異なり、アルケニレンは、少なくとも2個の隣接する炭素原子がC−C二重結合により一緒に接合する、2個の炭素原子から成る。少なくとも2個の炭素原子を有する、本明細書の前記で定義のアルキレンにおいての場合、隣接する炭素原子にて2個の水素原子が形式的に除去され、自由原子価が第2の結合を形成するために飽和化され、対応するアルケニレンが形成される。
【0062】
アルケニレンの例は、エテニレン、プロペ二レン、1−メチレテ二レン、ブテニレン、1−メチル−プロペ二レン、1,1−ジメチレテ二レン、1,2−ジメチレテ二レン、ペンテニレン、1,1−ジメチルプロペ二レン、2,2−ジメチルプロペ二レン、1,2−ジメチルプロペ二レン、1,3−ジメチルプロペ二レン、ヘキセニレン等である。
【0063】
プロペ二レン、ブテニレン、ペンテニレン、ヘキセニレン等の総称によって、さらなる定義を伴わずに、対応する数の炭素原子を伴う、考えられる異性体の全てが意味される、すなわち、プロペ二レンは、1−メチルエテニレンを含み、ブテニレンは、1−メチルプロペ二レン、2−メチルプロペ二レン1,1−ジメチルエテニレン、および1,2−ジメチル−エテニレンを含む。
【0064】
アルケニレンは、二重結合(複数可)に関して、任意に、シスまたはトランスまたはEまたはZ配向で存在し得る。
【0065】
アルケニレンについての上記の定義は、アルケニレンが、例えば、HO−C
x-y−アルケニレンアミノまたはH
2N−C
x-y−アルケニレンオキシ等において、別の基の一部である場合にもまた適用される。
【0066】
アルキルとは異なり、アルキニルは、少なくとも2個の隣接する炭素原子がC−C三重結合により一緒に接合する、少なくとも2個の炭素原子から成る。少なくとも2個の炭素原子を有する、本明細書の前記で定義のアルキルにおいての場合、隣接する炭素原子にて、それぞれのケースにおける2個の水素原子が、形式的に除去され、自由原子価が2個のさらなる結合を形成するために飽和化され、対応するアルキニルが形成される。
【0067】
アルキニルの例は、エチニル、プロプ−1−イニル、プロプ−2−イニル、ブテ−1−イニル、ブテ−2−イニル、ブテ−3−イニル、1−メチル−プロプ−2−イニル、ペント−1−イニル、ペント−2−イニル、ペント−3−イニル、ペント−4−イニル、3−メチル−ブテ−イニルである。
【0068】
プロピニル、ブチニル、ペンチニル等の総称によって、さらなる定義を伴わずに、対応する数の炭素原子を伴う、考えられる異性体の全てが意味される、すなわち、プロピニルはプロプ−1−イニルおよびプロプ−2−イニルを含み、ブチニルは、ブテ−1−イニル、ブテ−2−イニル、ブテ−3−イニル、1−メチル−プロプ−1−イニル、1−メチル−プロプ−2−イニルを含む。
【0069】
炭化水素鎖が少なくとも1個の二重結合および少なくとも1個の三重結合の両方を保有する場合、定義によりそれはアルキニルサブ基に属する。
【0070】
アルキニルについての上記の定義は、アルキニルが、例えば、C
x-y−アルキニルアミノまたはC
x-y−アルキニルオキシ等において、別の基の一部である場合にもまた適用される。
【0071】
アルキレンとは異なり、アルキニレンは、少なくとも2個の隣接する炭素原子がC−C三重結合により一緒に接合する、2個の炭素原子から成る。少なくとも2個の炭素原子を有する、本明細書の前記で定義のアルキレンにおいての場合、隣接する炭素原子にて、それぞれのケースにおける2個の水素原子が、形式的に除去され、自由原子価が2個のさらなる結合を形成するために飽和化され、対応するアルキ二レンが形成される。
【0072】
アルキニレンの例は、エチ二レン、プロピ二レン、1−メチル−エチ二レン、ブチニレン、1−メチル−プロピニレン、1,1−ジメチル−エチ二レン、1,2−ジメチル−エチ二レン、ペンチニレン、1,1−ジメチルプロピニレン、2,2−ジメチルプロピニレン、1,2−ジメチルプロピニレン、1,3−ジメチルプロピニレン、ヘキシ二レン等である。
【0073】
プロピニレン、ブチニレン、ペンチニレン等の総称により、さらなる定義を伴わずに、対応する数の炭素原子を伴う、考えられる異性体の全てが意味される、すなわち、プロピニレンは1−メチル−エチ二レンを含み、ブチニレンは、1−メチルプロピニレン、2−メチルプロピニレン、1,1−ジメチル−エチ二レン、および1,2−ジメチル−エチ二レンを含む。
【0074】
アルキニレンについての上記の定義は、アルキニレンが、例えばHO−C
x-y−アルキニレンアミノまたはH
2N−C
x-y−アルキニレンオキシ等において、別の基の一部である場合にもまた適用される。
【0075】
ヘテロ原子によって、酸素、窒素、および硫黄原子が意味される。
【0076】
ハロアルキル(ハロアルケニル、ハロアルキニル)は、炭化水素鎖の1個以上の水素原子を、互いに独立的に、同一または異なり得るハロゲン原子により、交換することで、前述で定義のアルキル(アルケニル、アルキニル)から誘導される。ハロアルキル(ハロアルケニル、ハロアルキニル)がさらに置換される場合、該置換は、全ての水素保有炭素原子上で、それぞれのケースにおけるモノまたはポリ置換の形態で、互いに独立的に起こり得る。
【0077】
ハロアルキル(ハロアルケニル、ハロアルキニル)の例は、CF
3、−CHF
2、−CH
2F、−CF
2CF
3、−CHFCF
3、−CH
2CF
3、−CF
2CH
3、−CHFCH
3、−CF
2CF
2CF
3、−CF
2CH
2CH
3、−CF=CF
2、−CCl=CH
2、−CBr=CH
2、−CI=CH
2、−C≡C−CF
3、−CHFCH
2CH
3、−CHFCH
2CF
3等である。
【0078】
前記で定義のハロアルキル(ハロアルケニル、ハロアルキニル)からは、ハロアルキレン(ハロアルケニレン、ハロアルキニレン)という用語もまた誘導される。ハロアルキレン(ハロアルケニル、ハロアルキニル)は、ハロアルキルとは異なり、二価であり、2個の結合相手を必要とする。形式的には、第2の原子価は、ハロアルキルから水素原子を除去することによって形成される。
【0079】
対応する基は、例えば、−CH
2Fおよび−CHF−、−CHFCH
2Fおよび−CHFCHF−または>CFCH
2F等である。
【0080】
上記の定義は、対応するハロゲン基が別の基の一部である場合にもまた適用される。
【0081】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、および/またはヨウ素原子に関連する。
【0082】
シクロアルキルは、サブ基、単環炭化水素環、二環炭化水素環、およびスピロ炭化水素環から作られる。該系は、飽和している。二環炭化水素環において、2個の環は一緒に接合しており、よってこれらは一緒に少なくとも2個の炭素原子を有する。スピロ炭化水素環において、炭素原子(スピロ原子)は、一緒になっている2個の環に属する。シクロアルキルが置換される場合、該置換は、全ての水素保有炭素原子上で、それぞれのケースにおけるモノまたはポリ置換の形態で、互いに独立的に起こり得る。シクロアルキル自体は、置換基として、環系の全ての適切な位置を介して、分子に連結し得る。
【0083】
シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、バイシクロ[2.2.0]−ヘキシル、バイシクロ[3.2.0]−ヘプチル、バイシクロ[3.2.1]−オクチル、バイシクロ[2.2.2]オクチル、バイシクロ[4.3.0]ノニル(オクタヒドロインデニル)、バイシクロ[4.4.0]デシル(デカヒドロナフタレン)、バイシクロ[2.2.1]ヘプチル(ノルボルニル)、バイシクロ[4.1.0]−ヘプチル(ノルカラニル)−、バイシクロ−[3.1.1]−ヘプチル(ピナニル)−、スピロ[2.5]−オクチル、スピロ[3.3]−ヘプチル等である。
【0084】
シクロアルキルについての上記の定義は、シクロアルキルが、例えば、C
x-y−シクロアルキルアミノまたはC
x-y−シクロアルキルオキシ等において、別の基の一部である場合にもまた適用される。
【0085】
シクロアルキルの自由原子価が飽和である場合、1個の脂環基が得られる。
【0086】
シクロアルキレンという用語は、このように、前記で定義のシクロアルキルから誘導され得る。シクロアルキレンは、シクロアルキルとは異なり、二価であり、2個の結合相手を必要とする。形式的には、第2の原子価は、シクロアルキルから水素原子を除去することによって得られる。対応する基は、例えば、
である。
【0087】
シクロアルキレンについての上記の定義は、シクロアルキレンが、例えばHO−C
x-y−シクロアルキレンアミノまたはH
2N−C
x-y−シクロアルキレンオキシ等において、別の基の一部である場合にもまた適用される。
【0088】
シクロアルケニルもまた、サブ基、単環炭化水素環、二環炭化水素環、およびスピロ炭化水素環から作られる。しかしながら、該系は不飽和である、すなわち、少なくとも1個のC−C二重結合があるが、芳香族系はない。本明細書の前記で定義のシクロアルキルにおいての場合、隣接する環状炭素原子にて2個の水素原子が形式的に除去され、自由原子価が第2の結合を形成するために飽和化され、対応するシクロアルケニルが得られる。シクロアルケニルが置換される場合、該置換は、全ての水素保有炭素原子上で、それぞれのケースにおけるモノまたはポリ置換の形態で、互いに独立的に起こり得る。シクロアルケニル自体は、置換基として、環系の全ての適切な位置を介して、分子に連結し得る。
【0089】
シクロアルケニルの例は、シクロプロプ−1−エニル、シクロプロプ−2−エニル、シクロブテ−1−エニル、シクロブテ−2−エニル、シクロペント−1−エニル、シクロペント−2−エニル、シクロペント−3−エニル、シクロヘキス−1−エニル、シクロヘキス−2−エニル、シクロヘキス−3−エニル、シクロヘプト−1−エニル、シクロヘプト−2−エニル、シクロヘプト−3−エニル、シクロヘプト−4−エニル、シクロブタ−1,3−ジエニル、シクロペンタ−1,4−ジエニル、シクロペンタ−1,3−ジエニル、シクロペンタ−2,4−ジエニル、シクロヘキサ−1,3−ジエニル、シクロヘキサ−1,5−ジエニル、シクロヘキサ−2,4−ジエニル、シクロヘキサ−1,4−ジエニル、シクロヘキサ−2,5−ジエニル、ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2,5−ジエニル、(ノルボルナ−2,5−ジエニル、)−、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エニル(ノルボルネニル)−、シプロ[4.5]−デク−2−エン等である。
【0090】
シクロアルケニルについての上記の定義は、シクロアルケニルが、例えば、C
x-y−シクロアルケニルアミノまたはC
x-y−シクロアルケニルオキシ等において、別の基の一部である場合にもまた適用される。
シクロアルケニルの自由原子価が飽和である場合、1個の不飽和脂環基が得られる。
【0091】
シクロアルケニレンという用語は、このように、前記で定義のシクロアルケニルから誘導され得る。シクロアルケニレンは、シクロアルケニルとは異なり、二価であり、2個の結合相手を必要とする。形式的には、第2の原子価は、シクロアルケニルから水素原子を除去することによって得られる。対応する基は、例えば、
等である。
【0092】
シクロアルケニレンについての上記の定義は、シクロアルケニレンが、例えばHO−C
x-y−シクロアルケニレンアミノまたはH
2N−C
x-y−シクロアルケニレンオキシ等において、別の基の一部である場合にもまた適用される。
【0093】
アリールは、少なくとも1個の芳香族炭素環を伴う、単、二、または三環基を示す。好適には、これは、6個の炭素原子を伴う単環基(フェニル)または、9または10個の炭素原子を伴う二環基(2個の6員環または、5員環を伴う1個の6員環)を示し、ここにおいて、該第2の環もまた芳香族であり得るが、しかしながら、飽和または部分飽和であってもまたよい。アリールが置換される場合、該置換は、全ての水素保有炭素原子上で、それぞれのケースにおけるモノまたはポリ置換の形態で、互いに独立的に起こり得る。アリール自体は、置換基として、環系の全ての適切な位置を介して、分子に連結し得る。
【0094】
アリールの例は、フェニル、ナフチル、インダニル(2,3−ジヒドロインデニル)−、インデニル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチル(1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、テトラリニル)−、ジヒドロナフチル(1,2−ジヒドロナフチル)−、フルオレニル等である。
【0095】
アリールの上記の定義は、アリールが、例えばアリールアミノまたはアリールオキシ等において、別の基の一部である場合にもまた適用される。
【0096】
アリールの自由原子価が飽和である場合、1個の芳香族基が得られる。
【0097】
アリーレンという用語もまた、上記で定義のアリールから誘導され得る。アリーレンは、アリールとは異なり、二価であり、2個の結合相手を必要とする。形式的には、第2の原子価は、アリールから水素原子を除去することによって形成される。対応する基は、例えば、
等である。
【0098】
アリーレンについての上記の定義は、アリーレンが、例えばHO−アリーレンアミノまたはH
2N−アリーレンオキシ等において、別の基の一部である場合にもまた適用される。
【0099】
ヘテロシクリルは環系を示し、これは前記で定義の、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびアリールから、炭化水素環において、基−O−、−S−、または−NH−により、基−CH
2−の1個以上を、互いに独立的に交換することで、または、基=N−により、基=CH−の1個以上を交換することで、誘導され、ここにおいて、合計4個以下のヘテロ原子が存在し得、少なくとも1個の炭素原子が、2個の酸素原子の間および2個の硫黄原子の間、または、1個の酸素原子と1個の硫黄原子との間に存在し得、全体としての環は、化学的安定性を有していなければならない。ヘテロ原子は、任意に、可能な酸化段階(硫黄→スルホキシド−SO、スルホン−SO
2−;窒素→N−オキシド)の全てにおいて存在し得る。
【0100】
シクロアルキル、シクロアルケニル、およびアリールからの誘導の直接的結果は、ヘテロシクリルが、飽和または不飽和形態で存在し得る、サブ基単環ヘテロ環、二環ヘテロ環、三環ヘテロ環、およびスピロヘテロ環から作られるということである。飽和および不飽和、非芳香族ヘテロシクリルは、ヘテロシクロアルキルとしても定義される。不飽和によって、対象の環系において少なくとも1個の二重結合があるが、ヘテロ芳香族系が形成されていない、ということが意味される。二環ヘテロ間において、2個の環は一緒に連結しており、よってこれらは共通の少なくとも2個の(ヘテロ)原子を有する。スピロヘテロ環では、炭素原子(スピロ原子)は一緒になっている2個の環に属する。ヘテロシクリルが置換される場合、該置換は、全ての水素保有炭素および/または窒素原子上で、それぞれのケースにおけるモノまたはポリ置換の形態で、互いに独立的に起こり得る。ヘテロシクリル自体は、置換基として、環系の全ての適切な位置を介して、分子に連結し得る。ヘテロシクリルが窒素原子を有する場合、ヘテロシクリル置換基を分子に結合させる好適な位置は、該窒素原子である。
【0101】
ヘテロシクリルの例は、テトラヒドロフリル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキシラニル、アジリジニル、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、アゼパニル、ジアゼパニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモモルホリニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニル、ホモチオモルホリニル、チオモルホリニル−S−オキシド、チオモルホリニル−S,S−ジオキシド、1,3−ジオキソラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、[1.4]−オキサゼパニル、テトラヒドロチエニル、ホモチオモルホリニル−S,S−ジオキシド、オキサゾリジノニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピロリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロ−ピリミジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル−S−オキシド、テトラヒドロチエニル−S,S−ジオキシド、ホモチオモルホリニル−S−オキシド、2,3−ジヒドロアゼト、2H−ピロリル、4H−ピラニル、1,4−ジヒドロピリジニル、8−アザビシクロ[3.2.1]−オクチル、8−アザビシクロ[5.1.0]−オクチル、2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]−ヘプチル、8−オキサ−3−アザ−ビシクロ[3.2.1]−オクチル、3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]−オクチル、2,5−ジアザ−ビシクロ−[2.2.1]−ヘプチル、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]−オクチル、3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]−オクチル、3,9−ジアザ−ビシクロ[4.2.1]−ノニル、2,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]−ノニル、1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]−デシル、1−オキサ−3.8−ジアザ−スピロ[4.5]−デシル、2,6−ジアザ−スピロ[3.3]−ヘプチル、2,7−ジアザ−スピロ[4.4]−ノニル、2,6−ジアザ−スピロ[3.4]−オクチル、3,9−ジアザ−スピロ[5.5]−ウンデシル、2.8−ジアザ−スピロ[4.5]−デシル等である。
【0102】
さらなる例は、以下に示す構造であり、これはそれぞれの水素保有原子を介して付着し得る(水素と交換される)。
【化3】
【0103】
ヘテロシクリルの上記の定義は、ヘテロシクリルが、例えばヘテロシクリルアミノまたはヘテロシクリルオキシ等において、別の基の一部である場合にもまた適用される。
【0104】
ヘテロシクリルの自由原子価が飽和である場合、1個のヘテロ環基が得られる。
【0105】
ヘテロシクリレンという用語もまた、上記で定義のヘテロシクリルから誘導される。ヘテロシクリレンは、ヘテロシクリルとは異なり、二価であり、2個の結合相手を必要とする。形式的には、第2の原子価は、ヘテロシクリルから水素原子を除去することによって得られる。対応する基は、例えば、
等である。
【0106】
ヘテロシクリレンについての上記の定義は、ヘテロシクリレンが、例えばHO−ヘテロシクリレンアミノまたはH
2N−ヘテロシクリレンオキシ等において、別の基の一部である場合にもまた適用される。
【0107】
ヘテロアリールは、少なくとも1個のヘテロ芳香族環を伴う単環ヘテロ芳香族環を示し、対応するアリールまたはシクロアルキル(シクロアルケニル)と比較すると、1個以上の炭素原子の代わりに、窒素、硫黄、および酸素から互いに独立的に選択された1個以上の同一または異なるヘテロ原子を含有し、ここにおいて生じた基は化学的に安定でなくてはならない。ヘテロアリールの存在の必要条件は、ヘテロ原子およびヘテロ芳香族系である。ヘテロアリールが置換される場合、該置換は、全ての水素保有炭素および/または窒素原子上で、それぞれのケースにおけるモノまたはポリ置換の形態で、互いに独立的に起こり得る。ヘテロアリール自体は、置換基として、炭素および窒素の両方の、環系の全ての適切な位置を介して、分子に連結し得る。
【0108】
ヘテロアリールの例は、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ピリジル−N−オキシド、ピロリル−N−オキシド、ピリミジニル−N−オキシド、ピリダジニル−N−オキシド、ピラジニル−N−オキシド、イミダゾリル−N−オキシド、イソキサゾリル−N−オキシド、オキサゾリル−N−オキシド、チアゾリル−N−オキシド、オキサジアゾリル−N−オキシド、チアジアゾリル−N−オキシド、トリアゾリル−N−オキシド、テトラゾリル−N−オキシド、インドリル、イソインドリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、イソキノリニル、キノリニル、キノキサリニル、シノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ベンゾトリアジニル、インドリジニル、オキサゾロピリジル、イミダゾピリジル、ナフチリジニル、ベンゾキサゾリル、ピリドピリジル、プリニル、プテリジニル、ベンゾチアゾリル、イミダゾピリジル、イミダゾチアゾリル、キノリニル−N−オキシド、インドリル−N−オキシド、イソキノリル−N−オキシド、キナゾリニル−N−オキシド、キノキサリニル−N−オキシド、フタラジニル−N−オキシド、インドリジニル−N−オキシド、インダゾリル−N−オキシド、ベンゾチアゾリル−N−オキシド、ベンズイミダゾリル−N−オキシド等である。
【0109】
さらなる例は、以下に示す構造であり、これはそれぞれの水素保有原子を介して付着し得る(水素と交換される)。
【化4】
【0110】
ヘテロアリールの上記の定義は、ヘテロアリールが、例えばヘテロアリールアミノまたはヘテロアリールオキシにおいて、別の基の一部である場合にもまた適用される。
【0111】
ヘテロアリールの自由原子価が飽和である場合、1個のヘテロ芳香族基が得られる。
【0112】
ヘテロアリーレンという用語は、したがって、前記で定義のヘテロアリールから誘導され得る。ヘテロアリーレンは、ヘテロアリールとは異なり、二価であり、2個の結合相手を必要とする。形式的には、第2の原子価は、ヘテロアリールから水素原子を除去することによって得られる。対応する基は、例えば、
等である。
【0113】
ヘテロアリーレンについての上記の定義は、ヘテロアリーレンが、例えばHO−ヘテロアリーレンアミノまたはH
2N−ヘテロアリーレンオキシにおいて、別の基の一部である場合にもまた適用される。
【0114】
上記の二価基(アルキレン、アルケニレン、アルキニレン等)は、合成基(例えば、H
2N−C
1-4アルキレン−またはHO−C
1-4アルキレン−)の一部でもまたあり得る。この場合、原子価のうちの1個は、付着基(ここでは、−NH
2、−OH)により飽和化され、よって、このように書かれるこの種の合成基は全体的に見て単に一価置換基である。
【0115】
置換されるとは、考慮される原子に直接結合する水素原子が、別の原子または原子の別の基(置換基)によって交換されることを意味する。開始状態(水素原子の数)に依存し、1個の原子上でモノまたはポリ置換が起こり得る。具体的な置換基との置換は、置換基および置換される原子の許容原子価が互いに対応し、該置換が安定性化合物(すなわち、例えば再配置、環化、または排除によって、自発的に転換しない化合物)をもたらす場合にのみ可能である。
【0116】
=S、=NR、=NOR、=NNRR、=NN(R)C(O)NRR、=N
2等のような、二価置換基は、炭素原子のみにて置換され得、二価置換基=Oは、硫黄にてもまた置換基であり得る。概して、置換は二価置換基によって、環系にて実行され得、2個のジェミナル水素原子、すなわち置換の前に飽和化された同じ炭素原子に結合する水素原子、による交換を必要とする。したがって、二価置換基による置換は、基−CH
2−または環形の硫黄原子にてのみ可能である。
【0117】
立体化学/溶媒和化合物/水和物:別様が述べられない限り、明細書または請求項において与えられる構造式または化学名は、それ自体で対応する化合物を指すが、互変異生体、立体異性体、光学的および幾何学的異性体(例えば、鏡像異性体、ジアステレオマー、E/Z異性体等)、ラセミ体、任意の所望の条件における別個の鏡像異性体の混合物、ジアステレオマーの混合物、本明細書に前記の形態の混合物(かかる形態が存在する場合)、ならびに、その塩、特に薬学的に容認可能な塩もまた包含する。本発明に従う化合物および塩は、溶媒和形態(例えば、例えば水、エタノール等のような、薬学的に容認可能な溶媒を伴い)、または不溶媒和形態で存在し得る。概して、本発明の目的のために、該溶媒和形態、例えば水和物は、不溶媒和形態と等価であると見なされる。
【0118】
塩:「薬学的に容認可能」は、本明細書で、概して認識される医学的意見に従って、ヒトおよび/または動物組織と共にでの使用に適切であり、過剰な毒性、刺激、もしくは免疫反応を、有さないもしくは上昇させない、または、他の問題もしくは合併症をもたらさない、すなわち、全体的に容認可能な損益比に対応する、化合物、物質、組成物、および/または製剤を示すために使用される。
【0119】
「薬学的に容認可能な塩」という用語は、親化合物が酸または塩基の添加により変更された、開示の化学化合物の誘導体に関連する。薬学的に容認可能な塩の例は、例えば、アミン、アルカリ金属等の、塩基性官能基に関連する鉱もしくは有機酸の塩、または例えばカルボキシル酸等のような、酸官能基の有機塩を含む。これらの塩は、特に、アセテート、アスコルベート、ベンゼンスルホネート、ベンゾエート、ベシレート、バイカーボネート、バイタートレート、ブロミド/ヒドロブロミド、Ca−エデテート/エデテート、カンシラート、カーボネート、クロリド/ヒドロクロリド、シトレート、エジシレート、エタンジスルホネート、エストレート、エシレート、フマレート、グルセプテート、グルコネート、グルタメート、グリコレート、グリコリルアルサニレート、ヘキシルレゾルシネート、ヒドラバミン、ヒドロキシマレアート、ヒドロキシナフトエート、ヨージド、イソチオネート、ラクテート、ラクトビオネート、マレート、マレアート、マンデレート、メタンスルホネート、メシレート、メチルブロミド、メチルニトレート、メチルサルフェート、ムケート、ナプシレート、ニトレート、オキサレート、パモエート、パントテナート、フェニルアセテート、ホスフェート/ジホスフェート、ポリガラクツロネート、プロピオネート、サリチレート、ステアレート、サブアセテート、サクシネート、スルファミド、サルフェート、タンネート、タートレート、テオクレート、トルエンスルホネート、トリエトヨージド、アンモニウム、ベンザチン、クロロプロカイン、クロリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン、およびプロカインを含む。他の薬学的に容認可能な塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛等の金属の陽イオンで形成され得る(Pharmaceutical salts,Birge,S.M.et al.,J.Pharm.Sci.,(1977),66,1−19もまた参照)。
【0120】
本発明の薬学的に容認可能な塩は、従来の化学方法により、塩基性または酸性官能性を保有する親化合物から開始して調製され得る。概して、かかる塩は、これらの化合物の自由酸または塩基を、十分な量の対応する塩基または酸と、水、または、例えばエーテル、エチルアセテート、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル(またはそれらの混合物)等の、有機溶媒内で、反応させることによって、合成され得る。
【0121】
上記のものの他の酸の塩は、例えば、該化合物を反応混合物(例えばトリフルオロアセテート)から精製または分離することに有用であるが、これもまた本発明の一部と見なされる。
【0122】
例えば、
の表現において、文字Aは、例えば、対象の環の他の環への付着を示すことをより容易にするために、リング指定の機能を有する。
【0123】
どの隣接する基とどの原子価で結合するかを決定することが極めて重要である二価基については、対応する結合相手は、明確化目的で必要な場合、以下の表現のように括弧内に示される。
または(R
2)−C(O)NH−または(R
2)−NHC(O)−;
【0124】
基または置換基は、頻繁に、対応する基指定(例えば、R
a、R
b等)を伴う多数の代替基/置換基から選択される。かかる基が、本発明に従う化合物を画定するために、異なる分子部分において、繰り返し使用される場合、様々な使用は完全に互いに独立であると見なされるべきであるということに、常に留意しなければならない。
【0125】
本発明の目的のための、「治療的に効果的な量」によって、病気の症状を取り除くこと、もしくはこれらの症状を防止または緩和することができる、または、治療患者の生存を長くする、物質の量が意味される。
略称一覧
【0126】
本発明の他の特徴および利点は、本発明の原理を、その範囲を制限することなく、例示的に示す、以下のより詳細な実施例から明らかになるであろう。
【0127】
概要
別様が述べられない限り、全ての反応は、市販の装置において、化学実験室で一般的に使用される方法を使用して、実行される。空気および/または水分に感受性のある開始物質は、保護ガスの下で保存され、これを用いる対応する反応および操作は、保護ガス(窒素またはアルゴン)の下で実行される。
【0128】
該化合物は、Autonomソフトウェア(Beilstein)を使用して、Beilstein規則に従い名付けられる。化合物が、構造式およびその命名の両方によって表され得る場合、対立する場合においては構造式が決定的となる。
【0129】
クロマトグラフィ
薄層クロマトグラフィが、Merckによって製造された、ガラス上のシリカゲル60の既成のTLCプレート(蛍光指示薬F−254を伴う)上で実行される。
【0130】
本明細書に従う実施例化合物の分取高圧クロマトグラフィ(HPLC)は、Waters(名称:Sunfire C18 OBD,10μm,30×100mm Part.No.186003971;X−Bridge C18 OBD,10μm,30×100mm Part.No.186003930)によって製造されたカラムを用いて実行される。該化合物は、水中に0.2%のHCOOHを添加した(酸性状態)、異なる勾配のH
2O/ACNを使用して、溶出される。塩基性状態下のクロマトグラフィについては、該水は次の処方に従い塩基性にする:アンモニウムヒドロゲンカーボネート溶液(158g〜1LのH
2O)および2mlの32%アンモニア
(水溶液)を、H
2Oで1Lまでにする。
【0131】
中間体化合物の分析用HPLC(反応観察)は、WatersおよびPhenomenexによって製造されたカラムを用いて実行される。該分析用器具には、それぞれのケース内に質量検出器もまた提供される。
【0132】
HPLC質量分析法/UV分析
本発明に従う実施例化合物を特徴付けるための、保持時間/MS−ESI
+は、Agilentによって製造されたHPLC−MS装置(質量検出器を伴う高速液体クロマトグラフィ)を使用して生成される。注入ピークにて溶出する化合物には、保持時間=0が与えられる。
【0135】
HPLC−方法分析
LCMSBAS1
【0141】
本発明に従う化合物の調製
本発明に従う化合物は、本明細書で以降に記載の合成の方法により調製され、一般式の置換基は本明細書の前記で与えられた意味を有する。これらの方法は、その主題およびこれらの実施例に請求される化合物の範囲を制限することなく、本発明の例示を意図する。開始化合物の調製が記載されない場合、これらは市販であるか、既知の化合物または本明細書に記載の方法と同様に調製されたものであり得る。本文献内に記載の物質は、公開された合成の方法に従い調製される。
【0142】
別様が特定されない限り、以下の反応スキームの、置換基R1〜R3は、明細書および請求項において定義の通りである。
【0143】
開始物質Aからの主要中間体Jの合成は、スキーム1において示される。
スキーム1
【化5】
【0144】
Aから開始し、ヒドラジンBを導入するために求核芳香族置換反応が使用され得、Cをもたらす。化合物Gは、Dを用いたアミド化反応、その後Fを用いた臭素化を適用して合成され得る。アミドおよび環の切断がオルトエステル誘導体Iを用いてより近くなった後で、中央中間体Jが得られ得る。
【0145】
主要中間体Jからの、式I〜IIIの化合物の合成は、スキーム2において示される。
スキーム2
【化6】
【0146】
中間体Kを生成するために、対応するアミン、アルコール、チオールまたはカルボ求核試薬(例えばジエチルマロネート)を使用し、求核芳香族置換反応を介して、残基R2が導入され得る。
【0147】
最終化合物Iは、中間体Kから開始し、ボロン酸Lを用いたSuzuki反応を適用することで、合成された。
【0148】
中間体Mは、パラジウム触媒のカルボニル化反応を使用してKから合成されるが、これは最終化合物IIおよびIIIの中央中間体である。
【0149】
中間体Mは、芳香族/ヘテロ芳香族ジアミンQを用いて濃縮され、最終化合物IIIをもたらした。
【0150】
Mの酸の低減および対応するアルコールの酸化は、オキシムOおよびアミンPを用いて最終化合物IIに濃縮される、中間体Nをもたらす。
【0151】
中間体J−1の調製
6−ブロモ−8−クロロ−3−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジンJ−1
【化7】
反応スキーム:
【化8】
【0152】
2−クロロ−3−ヒドラジニルピラジンC−1
【化9】
2,3−ジクロロピラジンA−1(15g;100.68ミリモル)およびヒドラジン水和物65%(15.509ml;201.37ミリモル)が、45mlのエタノール内に溶解され、80℃で1時間撹拌される。冷却の間、沈殿物が形成される。これは、少量の水を用いて曖昧にし、濾過して取り除く。これは、水で洗浄し、生成物を得るために乾燥させる。
収率:93%(13.6g;94.07ミリモル)
HPLC−MS:(M+H)
+=145/147;保持時間=0.34分;方法FECB5
【0153】
N′−(3−クロロピラジン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトヒドラジドE−1
【化10】
2−クロロ−3−ヒドラジニルピラジンC−1(15.6g;108ミリモル)を、(300ml)THF内でスラリーにし、氷浴内で−5℃まで冷却する。無水トリフルオロ酢酸(17ml;118ミリモル)もまた、300mlのTHF内で溶解させ、ゆっくりと第1の溶液に落とす。1時間後、THFのほとんどは蒸発し、少量の水を添加し、該混合物をDCMで抽出する。有機層はMgSO4で乾燥させ、乾燥状態まで蒸発させる。
収率:100%
HPLC−MS:(M+H)
+=241/243;保持時間=1.31分;方法FSUN2
【0154】
N′−(5−ブロモ−3−クロロピラジン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトヒドラジドG−1
【化11】
N′−(3−クロロピラジン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトヒドラジドE−1(19,5g;81.1ミリモル)を、300mlの無水DCM内で溶解させ、−40℃まで冷却する。その後NBS(18.8g;105ミリモル)を添加し、1時間撹拌する。該溶液は水で希釈し、DCMで抽出する。有機層はその後フラッシュクロマトグラフィで精製する:cHex/(EtOAc/CH3COOH=9/1)=10カラム容積内で80%/20%〜70%/30%。
収率:11%(2.83g;8.859ミリモル)
HPLC−MS:(M−H)
-=317/319/321;保持時間=1.79分;方法FSUN2
【0155】
5−ブロモ−3−クロロ−2−ヒドラジニルピラジンH−1
【化12】
N′−(5−ブロモ−3−クロロピラジン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトヒドラジドG−1(1.59g;4.97ミリモル)を30mlのEtOH内で溶解させ、3mlの濃塩酸で処理する。これを100℃で2時間撹拌する。該反応混合物を冷却し、水で希釈し、その後飽和NaHCO3溶液でpH調節する。水相は、EtOAcで抽出し、有機層はMgSO4で乾燥させ、乾燥状態まで蒸発させる。
収率:71%(945mg;3.51ミリモル)
HPLC−MS:(M−H)
-=221/223/225;保持時間=1.32分;方法FECB5
【0156】
6−ブロモ−8−クロロ−3−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジンJ−1
【化13】
5−ブロモ−3−クロロ−2−ヒドラジニルピラジンH−1(945mg;3.51ミリモル)を12mlのトリメチルオルトアセテート内で溶解させ、130℃まで1時間加熱する。該溶液は水で希釈し、EtOAcで抽出する。有機層をその後フラッシュクロマトグラフィで生成する:cHex/EtOAc=10カラム容積内で70%/30%〜55%/45%。
収率:71%(824mg;3.33ミリモル)
HPLC−MS:(M+H)
+=247/249/251;保持時間=1.23分;方法FECB5
【0157】
中間体K−1の調製
tert−ブチル4−({6−ブロモ−3−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−8−イル}アミノ)ピペリジン−1−カルボキシラト
【化14】
6−ブロモ−8−クロロ−3−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジンJ−1(3.24g;13.1ミリモル)、4−アミノ−1−ボク−ピペリジン(5.24g;26.2ミリモル)およびhunig塩基(2.44ml;14.4ミリモル)を、30mlのTHF内で溶解させ、25℃で16時間撹拌する。反応混合物は、水で希釈し、EtOAcで抽出する。有機層を分離し、MgSO
4で乾燥させ、乾燥状態まで蒸発させる。
収率:98%(6.60g;12.8ミリモル)
HPLC−MS:(M+H)
+=411/413;保持時間=0.88分;方法VAB
【0158】
中間体K−3の調製
6−ブロモ−3,8−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジンK−3
【化15】
炭酸セシウム(7.25g;22.3ミリモル)を5mlのNMP内で懸濁する。この懸濁液に、ジ−tert−ブチルマロネート(4.80g;22.3ミリモル)を添加し、生じた混合物を25℃で30分間撹拌する。最後に、6−ブロモ−8−クロロ−3−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジンJ−1(1.00g;4.04ミリモル)を添加し、該反応混合物を25℃で18時間撹拌する。該反応混合物を、pH値が5未満になるまで水性1N HClで処理し、その後DCMで抽出する。有機層を分離し、MgSO
4で乾燥させ、乾燥状態まで蒸発させる。
粗中間体は、逆相クロマトグラフィを使用して精製する(方法分取HPLC2)。該中間体を5mlのDCMおよび5mlのTFA内で溶解させ、40℃で16時間撹拌する。該反応混合物を蒸発させ、粗生成物を逆相クロマトグラフィを使用して精製する(方法分取HPLC2)。
収率:15%(138mg;0.61ミリモル)
HPLC−MS:(M+H)
+=227/229;保持時間=0.47分;方法VAB
【0159】
K−1およびK−3の手順に従い、中間体K−2が合成される。
【0160】
中間体M−1の調製
8−({1−[(tert−ブトキシ)カルボニル]ピペリジン−4−イル}アミノ)−3−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−6−カルボキシル酸M−1
【化16】
tert−ブチル4−({6−ブロモ−3−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−8−イル}アミノ)ピペリジン−1−カルボキシラトK−1(1.85g;3.59ミリモル)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加物(310mg、0.38ミリモル)およびトリエチルアミン(910mg;8.99ミリモル)を10mlのメタノールおよび10mlのNMP内で溶解させる。該反応混合物を70℃および2バールのCO圧力で3時間撹拌する。反応混合物は、水で希釈し、EtOAcで抽出する。有機層を分離し、MgSO4で乾燥させ、乾燥状態まで蒸発させる。粗生成物は、方法分取HPLC1を使用して精製する。中間体は、20mlのTHF内で溶解させ、10mlの1N水性LiOH溶液で処理する。1時間後該反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出する。有機層を分離し、MgSO
4で乾燥させ、乾燥状態まで蒸発させる。
収率:72%(976mg;2.59ミリモル)
HPLC−MS:(M−H)
-=375;保持時間=0.88分;方法FECB5
【0161】
M−1の手順に従い、中間体M−2およびM−3を合成する。
【0162】
中間体L−1の調製
(1−メチル−5−フェノキシ−1H−ピラゾール−4−イル)ボロン酸
【化17】
1−メチル−5−フェノキシ−1H−ピラゾール−4−カルボキシル酸エチルエステル
【化18】
フェノール(30.3g;322ミリモル)をDMA内で溶解させ、K
2CO
3(88.9g;643ミリモル)を一部ずつ添加する。これを10分間撹拌し、その後、5−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシル酸エチルエステル(50.0g;215ミリモル)を反応混合物に落とし、140℃まで16時間加熱した。10%のクエン酸溶液を添加し、DCMで抽出する。有機層を炭酸水素ナトリウムおよびかん水で洗浄し、乾燥させ、カラムクロマトグラフィを通して精製する。
収率:43%(22.5g;91.37ミリモル)
HPLC−MS:(M+H)
+=247;保持時間=3.50分;方法LCMS FA−8
【0163】
1−メチル−5−フェノキシ−1H−ピラゾール−4−カルボキシル酸
【化19】
1−メチル−5−フェノキシ−1H−ピラゾール−4−カルボキシル酸エチルエステル(22.6g;91.4ミリモル)をTHF/MeOH(1/1)内で溶解させ、水中のLiOH(7.67g;183ミリモル)を添加する。16時間後、周囲温度で、EtOAcを用いて該反応混合物を洗浄する。水性層は1N HClで酸化し、EtOAcで抽出する。有機層を乾燥させ蒸発させる。
収率:80%(16.0g;73.3ミリモル)
HPLC−MS:(M+H)
+=219;保持時間=2.88分;方法LCMS FA−8
【0164】
1−メチル−5−フェノキシ−1H−ピラゾール−4−イルアミン
【化20】
アルゴン下の1,4−ジオキサン内の、1−メチル−5−フェノキシ−1H−ピラゾール−4−カルボキシル酸(16.0g;73.3ミリモル)、t−BuOH(51.2g;691ミリモル)の混合物に、DIPEA(37.4g;290ミリモル)およびジフェニルホスフォリルアジド(41.6g;151ミリモル)を添加する。10分後、周囲温度で、110℃まで加熱し、3時間撹拌する。該溶媒は蒸発させ、粗物質をカラムクロマトグラフィで精製する。該化合物はDCM内で溶解させ、1,4−ジオキサン内の4MのHClで処理する。これを2日間周囲温度で撹拌する。該溶媒は蒸発させ、残基を水中で溶解させ、EtOAcで洗浄する。水性層は水性NaHCO
3溶液で塩基性化し、EtOAcで抽出する。有機層は乾燥させ、乾燥状態まで濃縮する。
収率:32%(16.0g;73.3ミリモル)
HPLC−MS:(M+H)
+=190;保持時間=2.32分;方法LCMS FA−8
【0165】
4−ロド−1−メチル−5−フェノキシ−1H−ピラゾール
【化21】
1−メチル−5−フェノキシ−1H−ピラゾール−4−イルアミン(4.50g;23.8ミリモル)を、H
2SO
4内で溶解させ、0℃まで冷却する。NaNO
2(1.64g;23.8ミリモル)を水中で溶解させ、反応混合物に添加する。これを0℃で1時間撹拌し、その後30分以内で激しい撹拌および周囲温度への温めの間に、KI(15.8g;95.1ミリモル)を添加する。これを水で処理し、飽和NaHCO
3溶液で中和する。水層は、DCMで抽出し、乾燥させ、カラムクロマトグラフィにより精製する。
収率:38%(2.70g;8.99ミリモル)
HPLC−MS:(M+H)
+=301;保持時間=3.74分;方法LCMS FA−8
【0166】
(1−メチル−5−フェノキシ−1H−ピラゾール−4−イル)ボロン酸
【化22】
4−ロド−1−メチル−5−フェノキシ−1H−ピラゾール(862mg;2.75ミリモル)を、15mlの超乾燥THF内で溶解させ、−78℃まで冷却する。その後n−BuLi(1.80ml;2.88ミリモル;ヘキサン内で1.6モル/l)およびホウ酸トリイソプロピル(982.28mg;5.22ミリモル)を添加する。これを1時間撹拌する。該反応混合物を1mlの水で急冷し、塩基性条件下で、逆相クロマトグラフィで精製する。
収率:67%(400mg;1.84ミリモル)
HPLC−MS:(M+H)
+=219;保持時間=1.34分;方法FECB5
【0167】
中間体L−2の調製
(5−ベンジル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ボロン酸
【化23】
(4−ブロモ−2−メチル−2H−ピラゾール−3−yl)−フェニル−メタノール
【化24】
4−ブロモ−2−メチル−2H−ピラゾール−3−カルバルデヒド(1.00g;5.29ミリモル)を5.0mlの無水THF内で溶解させ、−78℃まで冷却する。塩化フェニルマグネシウム2モル/l(6.61ml;13.2ミリモル)を添加し、反応混合物を1時間撹拌する。これは0℃まで温め、水で注意深く急冷し、その後DCMで抽出する。有機層は貯留し、MgSO
4で乾燥させ、塩基性条件下で逆相クロマトグラフィを使用して精製する。
収率:82%(1.16g;4.35ミリモル)
HPLC−MS:(M+H)
+=267;保持時間=1.59分;方法FECBM3ESI
【0168】
5−ベンジル−4−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール
【化25】
(4−ブロモ−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−フェニル−メタノール(0.50g;1.87ミリモル)を、3.0mlのTFAおよびトリエチルシラン(1.49ml;9.36ミリモル)で処理し、50℃まで16時間加熱する。該生成物は、酸性条件下で、逆相クロマトグラフィによって精製する。
収率:56%(0.26g;1.06ミリモル)
HPLC−MS:(M+H)
+=251/253;保持時間=1.71分;方法FECBM3ESI
【0169】
(5−ベンジル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ボロン酸
【化26】
5−ベンジル−4−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール(0.27g;1.06ミリモル)を、5.0mlの無水THF内で溶解させ、−78℃まで冷却する。その後ホウ酸トリイソプロピル(0.46ml;2.01ミリモル)およびn−BuLi;ヘキサン内で1,6モル/l;(0.69ml;1.11ミリモル)を添加する。これを1時間撹拌し、内部で所望の生成物が形成される。これを25℃まで温め、水で急冷する。これを、塩基性条件を使用することにより、逆相クロマトグラフィで精製する。
収率:39%(0.08g;0.41ミリモル)
HPLC−MS:(M+H)
+=217;保持時間=1.41分;方法FECBM3ESI
【0170】
中間体L−5の調製
(5−ベンジル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ボロン酸−L−5
【化27】
反応スキーム:
【化28】
【0171】
中間体L−5−4を、Bioorganic&Med.Chem.Letters 18(2)509−512 2008.に記載の手順に従い合成する。ボロン酸L−5の合成については、L−1およびL−2について記載の手順を使用する。
HPLC−MS:(M+H)
+=233;保持時間=0.73分;方法VAB
【0172】
L−1およびL−2の手順に従い、中間体L−3およびL−4を合成する。
【0173】
式Iの化合物の調製の一般方法
6−(3−ベンジル−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N,3−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−8−アミンI−1
【化29】
中間体G−2(32mg;0.13ミリモル)、ボロン酸L−3(30mg;0.13ミリモル)、水中のCs
2CO
370%溶液(0.05ml;0.25ミリモル)、およびPd[P(t−Bu)
3]
2(5mg;0.01ミリモル)を、THF/NMP=2/1(0.3ml)で懸濁させ、アルゴンで洗浄する。これを90℃で1時間撹拌する。粗反応混合物を、酸性条件下で、逆相クロマトグラフィを使用して精製する(方法:分取HPLC2)。
収率:33%(0.02g;0.04ミリモル)
HPLC−MS:(M+H)
+=417;保持時間=1.05分;方法LCMSBAS1
【0174】
I−1に従い、以下の実施例を合成する。
【0175】
式IIの化合物の調整の一般方法
6−(1−ベンジル−5−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−N,3−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−8−アミンII−1
【化30】
3−メチル−8−(メチルアミノ)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−6−カルバルデヒド
【化31】
3−メチル−8−(メチルアミノ)−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−6−カルボキシル酸M−2(300mg;1.45ミリモル)を2mlのTHF内で溶解させ、1Mのボラン−THF複合体(4ml;4.00ミリモル)で処理する。反応混合物を50℃で16時間撹拌する。その後反応混合物を0℃まで冷却し、pH値が7未満になるまで1N水性HClを添加する。
【0176】
これをDCMで希釈し、有機層を分離し、MgSO
4で乾燥させる。粗生成物は、逆相クロマトグラフィを使用して精製する(方法:分取HPLC1)。中間体は20mlのクロロホルム内で懸濁し、二酸化マンガンで処理する(350mg;4.07ミリモル)。反応混合物は、50℃で4日間撹拌する。その後、固体物質を濾過して取り除き、溶媒を蒸発させる。
収率:16%(44mg;0.23ミリモル)
HPLC−MS:(M+H)
+=192;保持時間=0.52分;方法FECB5
【0177】
6−(1−ベンジル−5−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−N,3−ジメチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−8−アミンII−1
【化32】
3−メチル−8−メチルアミノ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−6−カルバルデヒド(34mg;0.18ミリモル)、ベンジルアミン(20μl;0.18ミリモル)および1−ヒドロキシアミノ−1−フェニル−プロパン−2−オン(32mg;0.18ミリモル)を、0.6mlの酢酸内で溶解させ、120℃で2時間撹拌する。反応混合物を水で処理し、DCMで抽出する。有機層をMgSO4で乾燥させ、乾燥状態に蒸発させる。粗中間体は、20mlのTHF内に溶解させ、Ra−Niで処理する。反応混合物は、25℃および4バールの水素雰囲気で2日間撹拌する。該固体物質は、濾過して取り除き、逆相クロマトグラフィを使用して粗生成物を精製する(方法:分取HPLC1)。
収率:33%(25mg;0.06ミリモル)
HPLC−MS:(M+H)
+=410;保持時間=1.17分;方法LCMSBAS1
【0178】
II−1に従い、以下の実施例を合成する。
【0179】
中間体Q−6の調製
N−4−ベンジル−6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3,4−ジアミンQ−6
【化33】
2,4−ジクロロ−5−ニトロ−ピリジン(250mg;1.29ミリモル)、ベンジルアミン(153μl;1.42ミリモル)、およびDIPEA(314μl;1.94ミリモル)を、1mlのNMP内で懸濁させ、25℃で1時間撹拌する。この懸濁液に、1−メチルピペラジン(159μl;1.43ミリモル)を添加し、生じた混合物を50℃で16時間撹拌する。粗中間体を、逆相クロマトグラフィを使用して精製する(分取HPLC)。該中間体を30mlのTHF内で溶解させ、パラジウム炭素を添加する。反応混合物を25℃および4バールの水素圧力で3時間撹拌する。固体物質を濾過して取り除き、溶媒を蒸発させる。
収率:48%(184mg;0.62ミリモル)
HPLC−MS:(M+H)
+=298;保持時間=0.68分;方法VAB
【0180】
中間体Q−29の調製
6−(プロパン−2−イル)−4−N−(ピリジン−2−イルメチル)ピリジン−3,4−ジアミン
【化34】
2,4−ジクロロ−5−ニトロ−ピリジン(500mg;2.46ミリモル)、ピリジン−2−イル−メチルアミン(260μl;2.49ミリモル)、およびトリエチルアミン(400μl;2.82ミリモル)を1mlのNMP内で懸濁し、25℃で1時間撹拌する。該反応混合物を水で希釈し、沈殿物を濾過して取り除き、水およびメタノールで洗浄し、乾燥させる。
収率:87%(566mg;2.14ミリモル)
【0181】
この中間体(125mg,0.47ミリモル)、2−イソプロペニル−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(200μl;1.06ミリモル)、Cs
2CO
3(300mg;0.90ミリモル)、およびPd DPPF(30mg;0.04ミリモル)を、1,2ジメトキシエタン/水=3/1(10ml)で懸濁し、アルゴンで洗浄する。これを95℃で1時間撹拌する。該粗反応混合物を、逆相クロマトグラフィを使用して塩基性条件下で精製する(方法:分取HPLC1)。
収率:43%(55mg;0.20ミリモル)
【0182】
本中間体(40mg、0.15ミリモル)を10mlのメタノール内で溶解させ、パラジウム炭素を添加する。反応混合物を25℃および4バールの水素圧力で3時間撹拌する。固体物質を濾過して取り除き、溶媒を蒸発させる。
収率:95%(35mg;0.14ミリモル)
HPLC−MS:(M+H)
+=242;保持時間=0.68分;方法VAB
【0183】
Q−6およびQ−29の手順に従い、中間体Q−1〜Q−39を合成する。
【0184】
式IIIの化合物の調整の一般方法
N−[6−(1−ベンジル−1H−1,3−ベンゾジアゾール−2−イル)−3−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−8−イル]−1−メチルピペリジン−4−アミンIII−1
【化35】
N−[6−(1−ベンジル−1H−1,3−ベンゾジアゾール−2−イル)−3−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−8−イル]ピペリジン−4−アミン
【化36】
8−({1−[(tert−ブトキシ)カルボニル]ピペリジン−4−イル}アミノ)−3−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−6−カルボキシル酸M−1(238mg;0.63ミリモル)、Hunig塩基(306μl;1.89ミリモル)、およびHATU(264mg;0.69ミリモル)を、2mlのDMF内に溶解する。反応混合物を、10分間撹拌し、その後N−ベンジル−1,2−ジアミノベンゼンQ−1(138mg;0.69ミリモル)を添加し、生じた混合物を25℃でさらに1時間撹拌する。反応混合物を水およびDCMで希釈する。有機層を分離し、MgSO
4で乾燥させ、溶媒を蒸発させる。粗中間体を4mlの酢酸内で溶解させ、100℃で3時間撹拌する。その後、反応混合物を水性NaHCO
3溶液で中和し、DCMで抽出する。粗中間体を10mlのDCMおよび10mlのTFA内で溶解させ、25℃で1時間撹拌する。その後反応混合物を水性NaHCO
3溶液で中和し、DCMで抽出する。有機層を分離し、MgSO
4で乾燥させ、溶媒を蒸発させる。粗生成物は、逆相クロマトグラフィを使用して精製する(方法:分取HPLC1)。
収率:33%(93mg;0.21ミリモル)
HPLC−MS:(M+H)
+=439;保持時間=0.77分;方法VAB
【0185】
N−[6−(1−ベンジル−1H−1,3−ベンゾジアゾール−2−イル)−3−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−8−イル]−1−メチルピペリジン−4−アミン
【化37】
N−[6−(1−ベンジル−1H−1,3−ベンゾジアゾール−2−イル)−3−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−8−イル]ピペリジン−4−アミン(93mg;0.21ミリモル)を300μlのTHF内で溶解させ。DIPEA(62μl;0.29ミリモル)およびホルムアルデヒド(62μl;0.83ミリモル)で処理する。本反応混合物に、STAB(62mg;0.29ミリモル)を添加し、反応混合物を2時間撹拌する。粗反応混合物を、逆相クロマトグラフにより精製する(方法:分取HPLC1)。
収率:60%(58mg;0.13ミリモル)
HPLC−MS:(M+H)
+=453;保持時間=1.19分;方法LCMSBAS1
【0186】
III−1に従い、以下の実施例を合成する。
【0187】
生物学的方法BRD4−H4テトラアセチル化ペプチド阻害AlphaScreen 本アッセイは、該化合物が、BRD4の、第1の(BRD4−BD1)または第2の(BRD4−BD2)ブロモドメインと、テトラアセチル化ヒストンH4ペプチドとの間の相互作用を、阻害するかどうかを判定する。
【0188】
化合物は、白色OptiPlate−384(PerkinElmer)において、DMSO内の10mMのストック(100μm開始濃度)から、連続希釈1:5において、アッセイ緩衝剤内で希釈する。15nMのGST−BRD4−BD1タンパク質(aa 44〜168)または150nMのGST−BRD4−BD2(aa 333〜460)、および15nMのビオチン化アセチルヒストンH4(リジン5、8、12、16)ペプチドを、アッセイ緩衝剤内で調整する(50mM HEPES pH=7.4;25mM NaCl;0,05% Tween 20;0.1%ウシ血清アルブミン(BSA);10mMジチオトレイトール(DTT))。6μlの該混合物を化合物希釈物に添加する。その後、6μlの予め混合した、PerkinElmerの、AlphaLISA Glutathione Acceptor BeadおよびAlphaScreen Streptavidin Donor Bead(アッセイ緩衝剤においてそれぞれ10μg/mlの濃度)を添加し、該試料をRTにて暗闇で30分間インキュベートする(振動300rpm)。その後、PerkinElmerのAlphaScreenプロトコルを使用して、PerkinElmer Envision HTS Multilabel Readerにおいて信号が測定される。
【0189】
それぞれのプレートは、ビオチン化アセチルヒストンH4ペプチド、およびGST−BRD4−BD1またはGST−BRD4−BD2が疎外され、アッセイ緩衝剤により交換される、陰性対照を含む。陰性対照値は、計算にソフトウェアGraphPad Prismを使用するときに、低基準値として入力される。さらに、陽性対照(タンパク質/ペプチド混合物を伴うプローブ分子JQ+)をピペットで移す。IC
50値の決定は、GraphPad Prism 3.03ソフトウェア(またはその更新版)を使用して実行する。
表 上記で例示の本発明の化合物のIC
50の概要
【0190】
本発明に従う一般式(1)の化合物の生物学的特性に基づき、それらの互変異生体、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、それらの混合物、および上記の形態の全ての塩が、癌等の、ウイルス感染、炎症性疾患、および異常な細胞増殖を特徴とする疾患の治療に適切である。
【0191】
例えば、以下の癌が本発明に従う化合物で治療され得るが、これらに限定されることはない:例えば聴神経鞘腫、毛様細胞性星状細胞腫、原線維性星状細胞腫、原形質性星状細胞腫、大円形細胞性星状細胞腫、未分化星状細胞腫、および膠芽腫等の星状細胞腫、脳リンパ腫、脳転移、プロラクチノーマ、HGH(ヒト成長ホルモン)生成腫瘍、およびACTH生成腫瘍(副腎皮質刺激ホルモン)等の脳下垂体腫瘍、頭蓋咽頭腫、髄芽腫、髄膜腫、ならびに乏突起神経膠腫等の、脳腫瘍;例えば、交換神経性神経芽細胞腫、神経節神経腫、傍神経節腫(褐色細胞腫、クロム親和性細胞腫)、および頸動脈小体腫瘍等の、自律神経系の腫瘍、切断神経腫、神経線維腫、神経鞘腫(神経線維鞘腫、シュワン細胞腫)、および悪性シュワン細胞腫等の、末梢神経系上の腫瘍、ならびに、脳および骨髄腫瘍等の中枢神経系の腫瘍等の、神経腫瘍(新生物);例えば、直腸の癌腫、結腸癌腫、結腸直腸癌腫、肛門癌腫、大腸の癌腫、小腸および十二指腸の腫瘍等の腸癌;基底細胞腫または基底細胞癌腫等の瞼腫瘍;膵臓癌または膵臓の癌腫;膀胱癌または膀胱の癌腫;例えば小細胞気管支癌腫(燕麦細胞癌腫)、ならびに扁平上皮癌腫、アデノ癌腫、および大細胞気管支癌腫等の、非小細胞気管支癌腫(NSCLC)等の、肺癌(気管支癌腫);浸潤性乳管癌腫、膠様癌腫、浸潤性小葉癌腫、管状腺癌腫、腺嚢癌腫、および乳頭癌腫等の、乳房癌腫等の、乳癌;例えばバーキットリンパ腫、低悪性非ホジキンリンパ腫(NHL)、およびムコシス(mucosis)息肉腫等の、非ホジキンリンパ腫(NHL);子宮癌、または子宮内膜癌腫、または子宮体部癌腫;CUP症候群(原発不明癌);粘液性、子宮内膜、または漿液性癌等の、卵巣癌または卵巣癌腫;胆のう癌;例えばクラツキン腫瘍等の胆管癌;例えば精上皮腫および非精上皮腫等の精巣癌;例えば悪性リンパ腫、ホジキン病、例えば、慢性リンパ性白血病、白血病性細網内皮症、免疫細胞腫、形質細胞腫(多発性骨髄腫(MM))、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、バーキットリンパ腫、Tゾーン菌状息肉腫、大細胞未分化リンパ芽球腫、リンパ芽球腫等の、非ホジキンリンパ腫(NHL)等の、リンパ腫(リンパ肉腫);例えば声帯の腫瘍、声門上部、声門、および声門下部咽頭腫瘍等の咽頭癌;例えば、骨軟骨腫、軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液様線維腫、骨腫、類骨骨腫、骨芽細胞腫、好酸球肉芽腫、巨細胞腫瘍、軟骨肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、細網肉腫、形質細胞腫、繊維性形成異常、若年性骨嚢胞、および動脈瘤骨嚢胞等の骨癌;例えば、唇、舌、口底、口腔、歯茎、口蓋、唾液腺、咽喉、鼻腔、副鼻腔、咽頭、および中耳の腫瘍等の、頭頸部腫瘍;例えば肝臓細胞癌腫、または幹細胞癌腫(HCC)等の、肝臓癌;例えば急性リンパ性/リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)等の、急性白血病;慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)等の、慢性白血病等の、白血病;例えば乳頭状、管状、および粘液性アデノ癌腫、印環細胞癌腫、腺扁上皮癌腫、小細胞癌腫、および未分化癌腫等の、胃癌または胃癌腫;例えば表面蔓延性、結節性、悪性黒子、および末端黒子型黒色腫等の、メラノーマ;例えば腎臓細胞癌腫、または副腎腫、またはグラウィッツ腫瘍等の、腎臓癌;食道癌または食道の癌腫;陰茎癌;前立腺癌;例えば鼻咽頭癌腫、中咽頭癌腫、および下咽頭癌腫等の、咽頭癌または咽頭の癌腫;例えば膣癌または膣癌腫等の、網膜芽細胞腫;扁平上皮癌腫、アデノ癌腫、上皮内癌腫、悪性メラノーマ、および肉腫;例えば乳頭状、濾胞性、および髄質性甲状腺癌腫、ならびに未分化癌腫等の、甲状腺癌腫;皮膚の、棘細胞腫、類表皮癌腫、および扁平上皮癌腫;胸腺腫、尿道の癌、および外陰部の癌。
【0192】
本発明に従う化合物で治療され得る、好適な癌は、造血器腫瘍(AML、MMを含むがこれらに限定しない)、ならびに、肺、肝臓、結腸、脳、甲状腺、膵臓、乳、卵巣、および前立腺癌を含むがこれらに限定しない、固形腫瘍である。
【0193】
該新化合物は、上述の疾患の、防止、短期または長期治療に、任意で、放射線療法、あるいは、例えば、細胞増殖抑制もしくは細胞毒性物質、細胞増殖阻害剤、血管新生抑制物質、ステロイド、または抗体等の、他の「最先端の」化合物との組み合わせでもまた、使用され得る。
【0194】
一般式(I)の化合物は、単独で、または本発明に従う他の活性物質との組み合わせで、任意で他の薬理活性物質との組み合わせでもまた、使用され得る。
【0195】
本発明に従う化合物との組み合わせで投与され得る化学療法剤は、ホルモン、ホルモン類似体、および抗ホルモン(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、フルベストラント、メゲストロールアセテート、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、アミノグルテチミド、シプロテロンアセテート、フィナステリド、ブセレリンアセテート、フルドロコルチゾン、フルオキシメステロン、メドロキシプロゲステロン、オクトレオチド)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、リアロゾール、ボロゾール、エキセメスタン、アタメスタン)、LHRHアゴニストおよびアンタゴニスト(例えば、ゴセレリンアセテート、ルプロリド)、成長因子の阻害剤(例えば「血小板由来成長因子」および「幹細胞成長因子」等の成長因子、阻害剤は、例えばセツキシマブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、およびトラスツズマブ等の、例えば「成長因子」抗体、「成長因子受容体」抗体、およびチロシンキナーゼ阻害剤である);代謝拮抗剤(例えば、メトトレキサート、ラルチトレキセド、例えば5−フルオロウラシル、カペシタビン、およびゲムシタビン等のピリミジン類似体、プリン、ならびに、例えばメルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビン、およびペントスタチン等のアデノシン類似体、シタラビン、フルダラビン、等の葉酸代謝拮抗剤);抗腫瘍抗生物質(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、およびイダルビシン等の、アントラサイクリン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ストレプトゾシン);白銀誘導体(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン);アルキル化剤(例えば、エストラムスチン、メクロレタミン、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、ダカルバジン、シクロホスファミド、イホスファミド、タモゾロミド、例えば、カルムスチンおよびロムスチン等の、ニトロソウレア、チオテパ);有糸分裂阻害剤(例えば、例えば、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、およびビンクリスチン等の、ビンカアルカロイド;パクリタキセル、ドセタキセル等のタキサン);トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、例えば、エトポシドおよびエトポホス等のエピポドフィロトキシン、テニポシド、アムサクリン、トポテカン、イリノテカン、ミトキサントロン);ならびに、アミホスチン、アナグレリド、クロドロネート、フィルグラスチン、インターフェロンアルファ、ロイコボリン、リツキシマブ、プロカルバジン、レバミソール、メスナ、ミトタン、パミドロネート、およびポルフィマー等の、様々な化学療法剤を含むが、これらに限定されない。
【0196】
他の可能な組み合わせ相手は、2−クロロデスオキシアデノシン、2−フルオロデスオキシシチジン、2−メトキシオエストラジオール、2C4,3−アレチン、131−I−TM−601、3CPA、7−エチル−10−ヒドロキシカンプトテシン、16−アザ−エポチロンB、A105972、A204197、アルデスロイキン、アリトレチノイン、アルトレタミン、アルボシジブ、アモナファイド、アントラピラゾール、AG−2037、AP−5280、アパジコン、アポミン、アラノーズ、アルグラビン、アルゾキシフェン、アタメスタン、アトラセンタン、オーリスタチンPE、AVLB、AZ10992、ABX−EGF、ARRY−300、ARRY−142886/AZD−6244、ARRY−704/AZD−8330、AS−703026、アザシチジン、アザエポチロンB、アゾナフィド、BAY−43−9006、BBR−3464、BBR−3576、ベバシズマブ、ビリコダールジシトレート、BCX−1777、ブレオシン、BLP−25、BMS−184476、BMS−247550、BMS−188797、BMS−275291、BNP−1350、BNP−7787、BIBW2992(アファチニブ)、BIBF1120(Vargatef(商標)、ブレオマイシン酸、ブレオマイシンA、ブレオマイシンB、ブリオスタチン−1、ボルテゾミブ、ブロスタリシン、ブスルファン、CA−4プロドラッグ、CA−4、CapCell、カルシトリオール、カネルチニブ、カンフォスファミド、カペシタビン、カルボキシフタラトプラチン、CCI−779、CEP−701、CEP−751、CBT−1セフィキシム、セフラトニン(ceflatonin)、セフトリアキソン、セレコキシブ、セルモロイキン、セマドチン、CH4987655/RO−4987655、クロロトリアニセン、シレンジタイド、シクロスポリン、CDA−II、CDC−394、CKD−602、クロファラビン、コルチヒン、コンブレタスタチンA4、CHS−828、CLL−Thera、CMT−3クリプトフィシン52、CTP−37、CP−461、CV−247、シアノモルホリノドキソルビシン、シタラビン、D24851、デシタビン、デオキソルビシン、デオキシルビシン、デオキシコホルマイシン、デプシペプチド、デスオキシエポチロンB、デキサメタゾン、デキスラゾキサネト、ジエチルスチルベストロール、ジフロモテカン、ジドクス、DMDC、ドラスタチン10、ドラニダゾール、E7010、E−6201、エダトレキサート、エドトレオチド、エファプロキシラル、エフロルニチン、EKB−569、EKB−509、エルサミトルシン、エポチロンB、エプラツズマブ、ER−86526、エルロチニブ、ET−18−OCH3、エチニルシチジン、エチニルオエストラジオール、エキサテカン、メシル酸エキサテカン、エキセメスタン、エクシスリンド、フェンレチニド、フロクスウリジン、葉酸、FOLFOX、FOLFIRI、ホルメスタン、ガラルビシン、ガリウムマルトレート、ゲフィチニブ、ゲムツズマブ、ギマテカン、グルホスファミド、GCS−IOO、G17DT免疫原、GMK、GPX−100、GSK−5126766、GSK−1120212、GW2016、グラニセトロン、ヘキサメチルメラミン、ヒスタミン、ホモハリントニン、ヒアルロン酸、ヒドロキシ尿素、ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸エステル、イバンドロネート、イブリツモマブ、イダトレキセート、イデネストロール、IDN−5109、IMC−1C11、免疫学、インジスラム、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、インターロイキン−2、イオナファルニブ、イプロプラチン、イロフルベン、イソホモハリコンドリン−B、イソフラボン、イソトレチノイン、イキサベピロン、JRX−2、JSF−154、J−107088、共役エストロゲン、カハリドF、ケトコナゾール、KW−2170、ロバプラチン、レフルノミド、レノグラスチム、ロイプロリド、リューポレリン、レキシドロナム、LGD−1550、リネゾリド、ルテチウムテキサフィリン、ロメテレキソール、ロソキサントロン、LU223651、ラルトテカン、マホスファミド、マリマスタット、メクロロエタミン、メチルテストステロン、メチルプレドニゾロン、MEN−10755、MDX−H210、MDX−447、MGV、ミドスタウリン、ミノドロン酸、マイトマイシン、ミボブリン、MK−2206、MLN518、モテキサフィンガドリニウム、MS−209、MS−275、MX6、ネリドロネート、ネオバスタット、ニメスリド、ニトログリセリン、ノラトレキシド、ノレリン、N−アセチルシステイン、06−ベンジルグアニン、オメプラゾール、オンコファージ、オルミプラチン、オルタタキセル、オキサントラゾール、エストロゲン、パツピロン、ペグフィルグラスチム、PCK−3145、ペグフィルグラスチム、PBI−1402、PEG−パクリタキセル、PEP−005、P−04、PKC412、P54、PI−88、ペリチニブ、ペメトレキセド、ペントリクス、ペリホシン、ペリリルアルコール、PG−TXL、PG2、PLX−4032/RO−5185426、PT−100、ピコプラチン、ピバロイルオキシメチルブチレート、ピクサントロン、フェノキシジオールO、PKI166、プレビトレキセド、プリカマイシン、ポリプレン酸、ポリフィロマイシン、プレドニゾン、プレドニゾロン、キナメド、キヌプリスチン、RAF−265、ラモセトロン、ランピルナーゼ、RDEA−119/BAY869766、レベッカマイシン類似体、レビミド、RG−7167、リゾキシン、rhu−MAb、リセドロネート、リツキシマブ、ロフェコキシブ、Ro−31−7453、RO−5126766、RPR 109881A、ルビダゾン、ルビテカン、R−フルルビプロフェン、S−9788、サバルビシン、SAHA、サルグラモスチム、サトラプラチン、SB−408075、SU5416、SU6668、SDX−101、セムスチン、セオカルシトール、SM−11355、SN−38、SN−4071、SR−27897、SR−31747、SRL−172、ソラフェニブ、スピロプラチン、スクアラミン、スベルアニロヒドロキサム酸、スーテント、T 900607、T 138067、TAS−103、タセジナリン、タラプロフィン、タリキタル、タキソテール、タキソプレキシン、タザロテン、テガフール、テモゾールアミド、テスミリフェン、テストステロン、プロピオン酸テストステロン、テスミリフェン、テトラプラチン、テトロドトキシン、テザシタビン、サリドマイド、セララックス、テラルビシン、チメクタシン、チアゾフリン、チピファルニブ、チラパザミン、トクラデシン、トムデックス、トレモフィン、トラベクテジン、TransMID−107、トランスレチン酸、トラスズツマブ、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリアピン、トリメトレキサート、TLK−286TXD 258、ウロシジン、バルビシン、バタラニブ、ビンクリスチン、ビンフルニン、ビルリジン、WX−UK1、ベクティビックス、ボラセルチブ(または他のポロ様キナーエ阻害剤)、ゼローダ、XELOX、XL−281、XL−518/R−7420、YM−511、YM−598、ZD−4190、ZD−6474、ZD−4054、ZD−0473、ZD−6126、ZD−9331、ZDI839、ゾレドロネート、およびゾスキダルである。
【0197】
適切な調製物は、例えば、錠剤、カプセル剤、坐剤、溶液−特に注射(皮下、静脈内、筋肉)および点滴のための溶液−エリキシル剤、乳剤、または分散性粉末を含む。薬学的活性化合物(複数可)の内容は、全体としての組成物の、0.1〜90重量%、好適には0.5〜50重量%、すなわち、下記に特定する用量範囲に到達するために十分な量である。特定する容量は、必要であれば、1日数回与えられ得る。
【0198】
例えば、適切な錠剤は、既知の賦形剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、またはラクトース等の不活性希釈剤、トウモロコシデンプンまたはアルギン酸等の崩壊剤、デンプンまたはゼラチン等の結合剤、ステアリン酸マグネシウムもしくはタルク等の潤滑剤、および/または、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、またはポリビニルアセテート等の、放出遅延のための薬剤と、該活性物質(複数可)を混合することによって、得られ得る。該錠剤は、いくつかの層を含んでもまたよい。
【0199】
被覆錠剤は、結果的に、例えば、コリドン、またはシェラック、アラビアガム、タルク、二酸化チタン、または糖のような、錠剤被覆に通常使用される物質を伴う錠剤と同様に生成される、被覆コアによって、調製され得る。遅延放出を達成する、または不適合を防止するために、該コアは多数の層から成ってもまたよい。同様に、該錠剤被覆は、遅延放出を達成するために、多数の層から成り得、錠剤について上記の賦形剤を使用することが可能である。
【0200】
本発明に従う、活性物質を含有するシロップ剤またはエリキシル剤、またはそれらの組み合わせは、追加で、サッカリン、チクロ、グリセロール、または糖等の甘味剤、および、バニリンまたはオレンジエキス等の調味料を含有してよい。これらは、ナトリウムカルボキシメチルセルロース等の、懸濁アジュバントまたは増粘剤、例えば、エチレンオキシドを伴う脂肪アルコールの濃縮生成物等の湿潤剤、または、p−ヒドロキシベンゾエート等の保存料もまた含有してよい。
【0201】
注射および点滴のための溶液は、通常の方法で調整され、例えば、等張化剤、p−ヒドロキシベンゾエート等の保存料、またはエチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩等の安定化剤の添加を伴い、任意で乳化剤および/または分散剤を使用し、水を希釈剤として使用する場合、例えば有機溶媒は任意で溶媒剤または溶解補助剤として使用され得、注射バイアルもしくはアンプル、または点滴ボトル内へ移送される。
【0202】
1個以上の活性物質または活性物質の組み合わせを含有するカプセル剤は、例えば、活性物質を、ラクトースまたはソルビトール等の不活性キャリアと混合し、それらをゼラチンカプセルに詰めることで調整され得る。
【0203】
適切な坐剤は、例えば、中性脂肪、またはポリエチレングリコール、またはそれらの誘導体等の、本目的で提供するキャリアと混合することによって作られ得る。
【0204】
使用され得る賦形剤は、例えば、水、例えば、パラフィン(例えば、石油留分)、植物油(例えば、落花生またはゴマ油)、単または多官能性アルコール(例えば、エタノールまたはグリセロール)、例えば、天然鉱物粉末(例えば、カオリン、粘土、タルク、チョーク)、合成鉱物粉末(例えば、高度分散珪酸および珪酸塩)、糖(例えば、ショ糖、ラクトース、およびグルコース)、乳化剤(例えば、リグニン、亜硫酸パルプ廃液、メチルセルロース、デンプン、およびポリビニルピロリドン)、ならびに潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸、およびラウリル硫酸ナトリウム)等のキャリア、等の薬学的に容認可能な有機溶媒を含み得る。
【0205】
該調製物は、一般的な方法により、好適には経口または経皮で、最も好適には経口で投与される。経口投与については、錠剤は、当然のことながら、上述のキャリアとは別に、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、およびリン酸二カルシウム等の添加剤を、デンプン、好適にはジャガイモデンプン、ゼラチン等の、様々な添加剤と共に含有し得る。さらには、ステアリン酸マグネシウム潤滑剤、ラウリル硫酸ナトリウム、およびタルク等の潤滑剤が錠剤化プロセスのために、同時に使用され得る。水性懸濁剤の場合には、活性物質は、上述の賦形剤に加え、様々な調味料または着色料と組み合わされ得る。
【0206】
非経口の使用については、適切な液体キャリアを伴う活性物質の溶液が使用され得る。
【0207】
しかしながら、本体重量、投与経路、薬品に対する個人の反応、その製剤の性質、および薬品が投与される時間または間隔に依存し、特定した量から逸脱することが必要な場合があり得る。したがって、いくつかの場合では、上述の最低用量より少ない使用が十分であり得、一方で、他の場合では、上限を超えなければならないことがある。大量を投与するときには、それらを1日をわたる多数の少量の用量に分割することが賢明であり得る。
【0208】
以下の製剤実施例は、本発明を、その範囲を制限することなく説明する。
【0209】
薬学的製剤の実施例
細かく粉砕した活性物質、ラクトース、およびトウモロコシデンプンのいくらかを、一緒に混合する。該混合物をスクリーンし、水中のポリビニルピロリドンの溶液で湿らせ、練り、湿式造粒し、乾燥させる。該顆粒、残ったトウモロコシデンプン、およびステアリン酸マグネシウムを、スクリーンし、一緒に混合する。適切な形状および大きさの錠剤を生成するために、該混合物を圧縮する。
【0210】
細かく粉砕した活性物質、トウモロコシデンプンのいくらか、ラクトース、結晶セルロース、およびポリビニルピロリドンを混合し、該混合物をスクリーンし、残ったトウモロコシデンプンおよび水で加工し、乾燥させスクリーンする、顆粒を形成する。ナトリウムカルボキシメチルデンプンおよび、ステアリン酸マグネシウムを添加し、混合し、該混合物を圧縮して適切な大きさの錠剤を形成する。
【0211】
該活性物質を、自身のpHで、または任意でpH5.5〜6.5で、水中で溶解させ、塩化ナトリウムを加え等張性にする。得られた溶液を、発熱物質を伴わずに濾過し、濾過液を無菌状態下で、アンプル内に移送し、その後それを滅菌し、溶融により密閉する。アンプルは5mg、25mg、および50mgの活性物質を含有する。