【文献】
コロコロBASEカップでわかった事 ベイブレード,くまが、またやってるよベイブレード,2016年 4月13日,アップロード日2015年12月26日,URL,http://ameblo.jp/burisuke-sama/entry-12110488005.html
【文献】
グリップサポート,たくとパパのベイブレード生活,2016年 4月13日,アップロード日2010年12月27日,URL,http://takunanapapa.seesaa.net/article/176340674.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記方向調節部は、前記錘支持体を前記ランチャーグリップに対して、前記錘の前記往復移動方向に直交する方向に沿った中心線回りに回動可能とする構造であることを特徴とする請求項1又は2記載のランチャーグリップの錘装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記コマ玩具において、コマを良好に回転させるためには、ランチャーを正しい向きに向けて操作しなければならないが、ランチャーを持ちながらハンドルを勢いよく引っ張ると、その向きに変動が生じてコマに回転ぶれ等が生じやすくなる。
このため、ランチャーは、外部に設けられた取付構造を介して、ランチャーを安定的に保持するためのグリップを装着することができるようになっている。
【0006】
上記グリップは所定方向に延出された構造であることから握りやすく、ハンドルにより紐を引き出す際の操作性を向上させる。
しかしながら、ハンドルにより紐を引き出す操作は、人それぞれに個体差があり、扱う人によっては、一定方向に延出されたグリップが揺動を生じ、ランチャーの向きを十分に適正に維持することができない場合があった。
【0007】
また、ランチャーによっては、その上部にコマの回転速度を検出し、コマに関する各種のデータを記録する回転速度検出装置を外付けすることができるようになっているものもあり、回転速度検出装置によりランチャー側の重量が増えると、グリップがさらに揺動しやすくなって、ランチャーの向きを適正に維持することがより困難となるおそれがあった。
【0008】
本発明は、ランチャーの向きをより適正に維持してコマを良好に回転させるためのグリップ用錘装置及びグリップを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載のランチャーグリップの錘装置は、
装着されたコマに回転力を付与して当該コマを発射させるランチャーに固定的又は着脱可能に装着されるランチャーグリップに搭載される錘装置であって、
錘と、
当該錘を所定の往復移動方向に沿って移動可能に支持する錘支持体と、
前記錘の前記往復移動方向に沿った移動に対して弾性的な抵抗力を付与する弾性体と
、
前記錘支持体による前記錘の前記往復移動方向を前記ランチャーグリップに対して変更調節する方向調節部とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のランチャーグリップの錘装置において、
前記ランチャーグリップに対して着脱可能とする着脱部を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載のランチャーグリップの錘装置において、
前記方向調節部は、前記錘支持体を前記ランチャーグリップに対して、前記錘の前記往復移動方向に直交する方向に沿った中心線回りに回動可能とする構造であることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のランチャーグリップの錘装置において、
前記弾性体は、前記錘の前記往復移動方向に沿った両側から当該錘に弾性力を付与する二つのバネであることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、ランチャーグリップにおいて、
請求項1から4のいずれか一項に記載の錘装置を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項5記載のランチャーグリップにおいて、
前記錘装置を取り付ける取付部をその長手方向の一端部に備えることを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6記載のランチャーグリップにおいて、
前記錘装置を取り付ける取付部を複数箇所に備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の発明は、錘支持体によって移動可能に支持された錘が弾性体によってその移動に抵抗力を付与された状態にあるので、錘支持体の支持による錘の往復移動方向に対する制振効果を得ることが出来る。
従って、この錘装置をランチャーグリップに搭載することにより、錘の往復移動方向に対する制振効果が働き、ランチャーの向きを維持しやすくなり、コマを良好に回転させることが可能となる。
また、ランチャーに回転速度検出装置を装備して重量増加を生じた場合であっても効果的にランチャーグリップの揺動を抑制し、ランチャーの向きを適正に維持することが可能となる。
さらに、錘支持体が錘を移動可能とする方向を変更調節することができるので、ランチャーグリップの揺動が生じ易い方向に錘の移動方向を合わせることができ、より高い制振効果を得ることが可能となる。
【0018】
請求項2記載の発明は、錘装置がランチャーグリップに対して着脱可能となるので、制振効果を得たい場合には錘装置をランチャーグリップに装着し、重量軽減を図りたい場合には錘装置を取り外す等、状況に応じて適宜その使用を選択することが可能となる。
【0020】
請求項3記載の発明は、方向調節部により、錘支持体が錘を移動可能とする方向に直交する方向に沿った回転中心線回りに回動可能となるので、方向調節を容易に行うことが可能となる。
【0021】
請求項4記載の発明は、二つのバネにより錘を両側からバランス良く支えることができ、簡易な構成により、効果的に制振効果を得ることが可能となる。
【0022】
請求項5記載の発明は、上記請求項1から
4に記載の錘装置により、高い制振効果を有するランチャーグリップを提供することが可能となる。
【0023】
請求項6記載の発明は、長手方向の一端部に錘装置を備えるので、ランチャーグリップに対して生じ易い揺動方向に対して効果的に制振効果を得ることが可能となる。
【0024】
請求項7記載の発明は、錘装置を取り付ける取付部を複数箇所に備えるので、錘装置を搭載する位置を選択することができ、ランチャーグリップを使用する人の操作の個体差にもより効果的に対応してランチャーの向きを維持することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る錘装置500を搭載したコマのランチャーグリップ400について図面を参照して説明する。
図1はランチャーグリップ400を装着可能なランチャー(シュータ装置)200と、ランチャー200に外付けされた回転速度検出装置として構成された情報ロガー装置100の斜視図、
図2は外側を一部切り欠いて内部構造を示したランチャー200とコマ300を示す部分断面図である。
【0027】
[ランチャー]
まず、ランチャーグリップ400を装着可能なランチャー200について説明する。
このランチャー200は、紐202を引くことによりコマホルダー203を回転させ、当該コマホルダー203に係合させたコマ300に回転力を付与するものである。
【0028】
ランチャー200は、
図2に示すように、互いに並設された軸204,205を備えている。このうち軸204は固定された軸であり、この軸204には、紐202を巻回するドラム206が軸204の周囲を回転可能に設けられている。紐202の一端はドラム206に係止され、紐202の他端には、ハンドル207が連結されている。また、軸204には、ゼンマイばね209aが巻回されている。このゼンマイばね209aは、一端が軸204に係止され、他端がゼンマイばねケース209に係止されている。そして、ゼンマイばね209aの付勢力に抗してハンドル207を引くことによってドラム206を回転させる。また、軸204には当該軸204の周囲を回転可能に歯車211が設けられている。この歯車211は、ハンドル207の引き操作に伴って、ドラム206と一体的に回転する。
【0029】
一方、軸205は回転する軸であり、この軸205には歯車212が設けられている。そして、この歯車212は上記歯車211に噛合している。
軸205は円筒状を成し、軸205の下端には、コマホルダー203が設けられている。このコマホルダー203には、コマ300の係合孔300aに挿入させてコマ300を係合支持する爪203aが2つ配設されている。
そして、ハンドル207の引き操作によって、歯車211,212を介して軸205が回転され、それによってコマホルダー203が回転される。
【0030】
また、軸205の上端には、後述する回転体230が設けられている。
さらに、軸205の内部には、コマ300の着脱部として、ロッド210が摺動自在に収容されている。このロッド210はフリーとなっており重力で下方に付勢されている。このロッド210の鍔210aが形成されている。これにより、ロッド210の脱落が防止されている。このロッド210は、コマホルダー203の中心に形成された孔203cを介して下方に延設されている。
なお、このロッド210にスプリング216を巻回し、ロッド215を下方に付勢してもよい。
【0031】
このように構成されたランチャー200によれば、このランチャー200のコマホルダー203の爪203aにコマ300を係合させ、ハンドル207をゼンマイばね209aの付勢力に抗して引くと紐202を介してドラム206が回転され、それに伴って歯車211が回転される。そして、この歯車211の回転は、歯車212に伝達され、軸205が回転される。その結果、コマホルダー203が回転され、コマ300が勢いよく回転される。この状態で、ハンドル207を引くのを停止すると、コマホルダー203の回転が停止される。この場合、コマホルダー203に保持されたコマ300は慣性力によって回転が持続され、コマホルダー203の爪203aの傾斜面203bに沿って、コマホルダー203から離脱される。その後、ハンドル207から手を放す(引く力を完全に開放する)と、ゼンマイばね209aの付勢力によって、初期状態に復帰する。この場合、動力伝達機構の中に1ウェイクラッチを介在させておき、初期状態に復帰させる際に、コマホルダー203を回転させないようにしておくことが好ましい。
【0032】
[情報ロガー装置]
続いて、情報ロガー装置100について説明する。
図3に示すように、情報ロガー装置100には、位置決め用の4つの凸部100aと、ランチャー200に装着するための装着部110とを備えている。そして、4つの凸部100aをランチャー200の位置決め用の4つの凹部200aに嵌合させ、この装着部110を手動でランチャー200の突起200bにはめ込むことにより、情報ロガー装置100をランチャー200に装着できるようになっている。また、装着部110を手動でランチャー200から外すことにより、情報ロガー装置100をランチャー200から分離できるようになっている。
【0033】
また、
図3に示すように、情報ロガー装置100では、表示部120が側面に配置されている。なお、本実施形態では、表示部120は、3個のLED(Light Emitting Diode)ランプを備えており、これらのLEDランプそれぞれの点灯又は消灯のパターンにより、後述するように、コマ300に付与した回転力(すなわち、シュート力)を8段階で表示するようになっている。ただし、表示態様はこれに限定されず、LEDの数や制御により表示態様を適宜に変化させてもよい。
【0034】
また、
図3に示すように、情報ロガー装置100では、下面部に、着脱検出部130及び回転速度検出部140が配置されている。この回転速度検出部140は、コマ300が回転し始めた時から離脱するまでの回転数の計数を行う図示しない計数部と、コマ300が回転し始めた時から離脱するまでの時間を計時する図示しない計時部と、計数結果と計時結果とに基づいて回転速度を算出する図示しない算出部とを備えている。この場合の回転速度は、特に限定はされないが、rpmで表される。なお、このように所定時間当たりの回転数である回転速度に代えて、或いは当該回転速度に加えて、実際に回転した数を取り扱ってもよい。以下、同様である。
【0035】
ところで、ランチャー200の上面部には、上述したように、下方向に付勢されたロッド210が設けられている。このロッド210は、コマ300がランチャー200に装着された際にコマ300により上方に移動し、ランチャー200の上面から突出する。上述した着脱検出部130は、情報ロガー装置100がランチャー200に装着された場合に、ロッド210に対向する位置に設けられている。そして、コマ300がランチャー200に装着された際にランチャー200の上面から突出したロッド210による押圧を検出することにより、着脱検出部130は、コマ300がランチャー200に装着された状態にあることを検出するようになっている。この着脱検出部130には例えばロッド210の押圧を検知する検知スイッチが用いられている。
【0036】
また、
図3に示すように、ランチャー200の上面部には、開口220が形成されている。そして、ランチャー200にコマ300が装着された場合には、上方から開口220を介して、ランチャー200内の回転体230の上面が見えるようになっている。この回転体230は、ランチャー200によってコマ300が回転する際に同時に回転する。なお、本実施形態では、回転体230の上面は、中心角が同一の扇形の複数の領域が、白色と黒色とに円周方向に沿って交互に着色されている。そして、ランチャー200を利用してコマ300に回転力が付与されている期間においては、上方から開口220を介して見える、回転体230の上面領域の色は、周期的に白色と黒色とが変化するようになっている。ただし、形や色はこれに限定されず、反射率の異なる色や素材等が周期的に変化するものであればよい。
【0037】
上述した回転速度検出部140は、情報ロガー装置100がランチャー200に装着された場合に、開口220に対向する位置に設けられている。そして、開口220を介して見える、回転体230の上面領域の色の変化の周期を検出することにより、コマ300の回転速度を検出するようになっている。
かかるコマ300の回転速度を検出するために、回転速度検出部140は、装着されたランチャー200の開口220へ向けて光を射出する光源部と、入射光の光量を検出する光量検出部とを備えている。そして、回転速度検出部140は、光源部から射出された光が回転体230の上面で反射されて入射した入射光の光量の変化周期を検出することにより、光源部から射出光の回転体230の上面における照射領域の色の変化の周期を検出することにより、コマ300の回転速度を検出するようになっている。
【0038】
また、情報ロガー装置100は、着脱検出部130によりランチャー200に対するコマ300の装着を検出したときに、回転速度検出部140を用いて回転速度の検出を行い、シュート回数、累積回転速度、好成績の回転速度、その平均値等を取得する処理制御部や取得したデータをランチャー200の利用者の識別情報と共に記憶する記憶部、各種の情報を外部との通信により送受信する通信部等を内蔵している。
処理制御部は、上記各種の情報を累積的に記憶又は更新すると共に、通信部から情報処理装置との間でこれらの情報の通信を行うことが可能である。さらに、通信部から情報処理装置及びネットワークを通じて、他のランチャー200の利用者の情報を一括的に収集管理する管理サーバーと通信を行い、全利用者の平均回転速度、全利用者中のベスト回転速度、全利用者中の自己の順位等の情報の取得等も行っている。
また、処理制御部は、表示部120の表示制御も行っている。
【0039】
[ランチャーグリップ]
図4は錘装置500を装備したランチャーグリップ400をランチャー200に装着した状態を上から見た平面図、
図5はランチャーグリップ400の斜視図である。
図示のように、ランチャーグリップ400は、全体的に棒状を呈し、人の手によって握りやすいように長手方向の一端部近傍の幅が緩やかに狭くなるように絞られた形状の本体部410を有している。
なお、図示のように、ランチャーグリップ400の本体部410の長手方向をX軸方向、幅方向をY軸方向、厚さ方向をZ軸方向として以下の説明を行う。また、これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は互いに直交する方向である。
【0040】
そして、ランチャーグリップ400のX軸方向の一端部側の端面には、Y軸方向に沿った装着溝420が形成されており、装着溝420の内底面にはY軸方向に沿った断面略T字状の内部レール421が形成されている。
これに対して、ランチャー200のハンドル207を挟んだ両側面とハンドル207とは反対側の端部の三箇所には、ランチャーグリップ400の装着溝420と結合可能な結合レール240が設けられている。この結合レール240の中央にはその長手方向に沿って逆さT字状の嵌合溝241が形成されている。
【0041】
図6はランチャーグリップ400の装着溝420とランチャー200の結合レール240との結合状態をY軸方向から見た説明図である。
図示のように、ランチャーグリップ400の装着溝420の長手方向とランチャー200の結合レール240の長手方向とが一致するように、装着溝420の一端部から結合レール240をスライドさせて挿入すると、結合レール240の嵌合溝241に装着溝420の内部レール421が嵌合する。結合レール240は断面T字状であり、嵌合溝241は断面逆さT字状なので、互いに嵌合すると、装着溝420から結合レール240が図示X軸方向に抜けないように保持することができ、ランチャー200に対してランチャーグリップ400を装着することができる。
【0042】
なお、ランチャーグリップ400の装着溝420はその一端部が開放され、他端部は閉塞されているので、開放側からランチャー200の結合レール240を挿入すると、閉塞した端部に結合レール240が当接して止まる。
そして、ランチャーグリップ400の装着溝420の内部レール421の途中にはスリット状の凹部422が形成されている。これに対して、ランチャー200の結合レール240の嵌合溝241の内側には図示しない弾性変形を有する突起が形成されており、装着溝420の最深部まで結合レール240を挿入すると、嵌合溝241の内側の突起が凹部422に嵌合し、結合レール240が簡単に抜けないようにストッパーとして機能する。
また、ある程度の力を加えれば、突起と凹部422の嵌合状態は解除することができるので、ランチャーグリップ400をランチャー200から取り外すことができる。
これらにより、ランチャーグリップ400はランチャー200に対して着脱可能となっている。
【0043】
また、前述したように、結合レール240は、ランチャー200の三箇所に形成されているが、これらは寸法も含めて全て同一構造となっている。従って、ランチャーグリップ400は、ランチャー200の三箇所に対して三方に延出した状態で装着することができるようになっている。
これにより、ランチャー200とハンドル207とをそれぞれ左手と右手の何れで持って操作するか、ランチャー200をいかなる向きに向けて保持するか、ランチャー200をいかなる姿勢で保持するか等、ランチャー200の持ち方に関する種々の要請に対応可能な配置でランチャーグリップ400をランチャー200に装着することができる。
なお、三箇所の結合レール240は、何れも、ランチャー200に対する情報ロガー装置100の装着に干渉しない配置となっているので、情報ロガー装置100を装着したランチャー200に対してもランチャーグリップ400を装着することが可能である。
【0044】
また、ランチャーグリップ400には、ランチャー200との接続端部におけるY軸方向の両端部の端面とランチャー200との接続端部とは逆側の端部の端面の三箇所に、錘装置500を取り付ける取付部としての連結片430が突設されている。各連結片430は何れも同一形状、同一寸法であり、Z軸方向に幾分薄い直方体形状の突起である。この連結片430は、Z軸方向に貫通する略T字状の貫通孔431が形成されている。
この連結片430に対する錘装置500の取り付けについては後述する。
【0045】
[錘装置]
図7は錘装置500の斜視図、
図8は分解斜視図、
図9は部分断面図、
図10は背面図である。
これらの図に示すように、錘装置500は、錘510と、当該錘510を所定方向に沿って移動可能に支持する錘支持体としての錘ケース520と、錘510の前記所定方向に沿った移動に対して弾性的な抵抗力を付与する弾性体としての二つのバネ511,511と、錘装置500をランチャーグリップ400に対して着脱可能とする着脱部530と、錘ケース520が錘510を移動可能とする方向をランチャーグリップ400に対して変更調節する方向調節部540とを備えている。
なお、錘装置500についても、ランチャーグリップ400の場合と同様に、互いに直交するX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向により各部の方向を説明する。錘装置500の場合、
図4に示す状態でランチャーグリップ400に装着された状態を基本状態とし、当該基本状態にあることを前提にX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向によって方向を説明する。
【0046】
図9に示すように、錘510は金属の球体であり、錘ケース520は錘510の外径よりも僅かに内径が大きく設定された円筒であって、その内部に錘510を格納している。また、錘ケース520は、その長手方向がY軸方向に向けられており、その両端部は閉塞されている。これにより、錘ケース520は内部において錘510をその長手方向に沿って往復移動可能に支持している。
【0047】
また、錘ケース520の内部において、錘510に対してY軸方向における両側にはそれぞれバネ511,511が配設されている。これらのバネ511,511はいずれもコイルバネであり、それぞれが圧縮された状態で錘ケース520内に格納されている。このため、錘510はY軸方向における両側から各バネ511,511によって押圧され、錘ケース520の内部においてY軸方向の中間に保持され、Y軸方向の何れの方向に移動する場合でも、弾性的な抵抗力が付与される。
【0048】
着脱部530は、方向調節部540を介して錘ケース520を支持すると共に、ランチャーグリップ400の三箇所の連結片430に対する着脱を手動操作で行うことが可能となっている。
この着脱部530は、
図10に示すように、X軸方向からみて略八角形状の筐体である本体部531と、ランチャーグリップ400の連結片430との連結と解除を切り替える操作部材532とを備えている。
【0049】
本体部531のX軸方向の一端部は方向調節部540を介して錘ケース520に連結され、X軸方向の他端部側の中央部には長方形状の開口部533が形成されている。そして、ランチャーグリップ400との連結時に、この開口部533には連結片430が挿入される。
操作部材532は、Z軸方向に沿った長尺の平板であり、本体部531に対してZ軸方向の一端部(
図10における上部)から内部に挿入され、Z軸方向に沿って移動操作することができる。
【0050】
操作部材532は、Z軸方向における一端部(
図10における上端部)が手動操作を加える部分であり、当該一端部をつまんで上方に引き上げると、開口部533の内側に位置する操作部材532の他端部(
図10における下端部)が上方に退避して、開口部533に連結片430を挿入することが可能となる。また、連結片430の挿入後に操作部材532を下方に戻すと、当該操作部材532の他端部が連結片430の貫通孔431に挿入され、連結片430を拘束した状態となる。また、再び、操作部材532を引き上げると、当該操作部材532の他端部が連結片430の貫通孔431から抜けるので、連結片430を開口部533から引き抜くことができる。これらにより、着脱部530は、ランチャーグリップに対する着脱を可能としている。
なお、操作部材532を常に下方に押圧するバネ等の弾性体を本体部531内に設けてもよい。その場合、弾性体に抗して操作部材532の引き上げ操作を行う必要があるが、弾性体により下方に復帰するので操作部材532を下方に戻す操作は不要となる。
【0051】
方向調節部540は、錘ケース520の外周であって長手方向の中間となる位置において、錘ケース520の長手方向に直交する方向に突出した状態で設けられた軸部541と、着脱部530の本体部531の開口部533とは逆側の端部に設けられた筒状部542とからなり、当該筒状部542に対して軸部541が挿入された状態で連結されている。
【0052】
軸部541は、先端部が縮径した円錐台形状を呈し、筒状部542へ容易に挿入することができる。また、軸部541の根元部分には、筒状部542から軸部541を抜けないように保持するための保持溝543が全周に渡って形成されている。
【0053】
筒状部542は、一端部が開口しており、軸部541を挿入できるように、当該軸部541の外径よりも筒状部542の内径が僅かに大きく設定されている。また、筒状部542の開口端の内側には内周全体に渡って内側に凸となる凸条544が形成されており、当該凸条544が前述した軸部541の保持溝543に嵌合する。
筒状部542は、
図8に示すように、その外周に90度間隔でその中心線方向に沿って形成された四つのスリット545により四分割されており、また、筒状部542は可撓性を有する材料、例えば、樹脂から形成されている。
一方、筒状部542の内側に形成された凸条544は、その内径が軸部541の根元側の外径よりも小さくなっているが、軸部541を筒状部542に挿入したときには、当該筒状部542をその可撓性と四つのスリット545とにより外側に押し広げることができる。そして、軸部541を筒状部542の奥まで挿入すると、凸条544が軸部541の保持溝543に嵌合して筒状部542押し広げられる前の状態に復帰すると共に、軸部541を回転可能に保持した状態となる。
これにより、方向調節部540は、錘ケース520を、その長手方向(錘510の往復移動方向)に直交する方向に沿った回転中心線回りに回動可能としている。
【0054】
また、軸部541の保持溝543には、その全周における一部分を埋めるように形成された突部546が形成されている。この突部546は、筒状部542に90度間隔で形成された四つのスリット545のいずれか一つに選択的に嵌合することにより、錘ケース520の向きを90度間隔で位置決めすることができる。
【0055】
なお、スリット545の数は複数であれば適宜変更してもよい。これにより、錘ケース520による錘510の往復移動方向の向きを他の方向にも位置決めすることができる。
また、筒状部542と軸部541の間に、筒状部542の内周面又は軸部541の外周の全周に渡って均一間隔で形成された多数の溝と、これらの溝に噛み合うように弾性支持された爪とからなるラッチ機構を設けても良い。これにより、錘ケース520による錘510の往復移動方向の向きをより微細な角度で調節することができる。
また、この方向調節部540は、筒状部542の弾性により軸部541を保持する構成なので、引き抜き方向にある程度の力が加わると、筒状部542から軸部541が脱落するおそれがある。このため、軸部541の脱落が生じないように、筒状部542と軸部541とをその回動中心位置に設けられた抜け止めのネジやボルトで補強的に連結しても良い。
【0056】
[ランチャーグリップの使用方法]
上記錘装置500を搭載したランチャーグリップ400の使用方法について説明する。
まず、ランチャー200の三つの結合レール240の中から一つを選択して、当該結合レール240にランチャーグリップ400を装着する
即ち、ランチャーグリップ400の装着溝420の長手方向とランチャー200の結合レール240の長手方向とが一致するように、装着溝420の一端部から結合レール240をスライドさせて挿入し、嵌合溝241と内部レール421の嵌合により相互の連結を図り、ランチャー200に対してランチャーグリップ400を装着する。
【0057】
さらに、ランチャーグリップ400の三つの連結片430の中から一つを選択して、当該連結片430に対して錘装置500を装着する。
錘装置500の装着の際には、着脱部530の操作部材532を上に引き上げ、開口部533に連結片430を挿入してから操作部材532を下方に戻す。これにより、連結片430の貫通孔431に操作部材532の下端部が挿入され、錘装置500がランチャーグリップ400に装着される。
また、方向調節部540により錘ケース520を回動させてその向きを適宜調節する。
【0058】
必要な場合には、ランチャー200の上面に情報ロガー装置100を装着する。
そして、コマ300をコマホルダー203にセットして、ランチャーグリップ400を片手で握り、もう一方の手でハンドル207を引ききる。これにより、コマ300に回転が加えられながら下方に離脱される。
【0059】
[発明の実施形態の技術的効果]
以上のように、ランチャーグリップ400に搭載される錘装置500は、錘ケース520によって移動可能に支持された錘510がバネ511,511によって錘510の移動方向両側から加圧力を加えられた状態にあるので、動吸振器の原理により、錘ケース520の長手方向に対する制振効果を得ることが出来る。
従って、コマ300を回す際にランチャー200の向きを維持しやすくなり、コマ300を良好に回転させることが可能となる。
また、錘510を二つのバネ511,511で両側から押圧するので、簡易な構成により錘ケース520の制振効果を得ることが出来る。
【0060】
また、錘装置500は着脱部530によりランチャーグリップ400に対して着脱可能なので、制振効果を得たい場合には装着し、重量が負担と感じる場合には取り外す等、状況に応じて適宜その使用を選択することが可能となる。
また、ランチャーグリップ400の連結片430が三箇所に設けられているので、錘装置500の取り付け位置を適宜選択することができる。
【0061】
また、錘装置500は、方向調節部540により、錘ケース520の向きを変えられるので、ランチャーグリップ400に生じる揺動方向に錘ケース520の向きを合わせるように調節することができ、ランチャーグリップ400の揺動をより効果的に低減し、さらに、ランチャー200の向きを安定的に維持してコマ300を良好に回転させることが可能となる。
また、方向調節部540は錘ケース520を回動させることによりその向きを調節するので、調節作業を容易に行うことが可能である。
【0062】
また、ランチャーグリップ400の連結片430は何れもランチャーグリップ400の長手方向の一端部と他端部とに設けられているので、ランチャーグリップ400に対して生じ易い揺動方向に対して効果的に制振効果を得ることが可能となる。
【0063】
[その他]
本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、発明の本質的部分を変更しない範囲内で自由に設計変更が可能である。
例えば、錘510の両側に配設されたバネは、押圧バネではなく引っ張りバネであっても良い。また、コイルバネに限らず、空気バネであっても良い。また、引っ張りバネを使用する場合には、錘510の片側のみに配置しても良い。
また、錘510は球体に限らず、ピストン型の円柱体の錘を使用しても良い。
【0064】
また、ランチャー200に設けられる結合レール240は、その個体数や配置を変更してもよい。
また、ランチャーグリップ400に設けられる連結片430も、その個体数や配置を変更してもよい。
また、ランチャー200に対してランチャーグリップ400を固定的に装備してもよい。
同様に、ランチャーグリップ400に対して錘装置500を固定的に装備してもよい。
【解決手段】装着されたコマ300に回転力を付与して当該コマ300を発射させるランチャー200に固定的又は着脱可能に装着されるランチャーグリップ400に搭載される錘装置500において、錘510と、当該錘510を所定の往復移動方向に沿って移動可能に支持する錘支持体520と、錘510の往復移動方向に沿った移動に対して弾性的な抵抗力を付与する弾性体511とを備えることを特徴とする。