(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5959779
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】自動的な位置決定方法
(51)【国際特許分類】
B41F 33/14 20060101AFI20160719BHJP
【FI】
B41F33/14 K
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-40049(P2016-40049)
(22)【出願日】2016年3月2日
【審査請求日】2016年3月2日
(31)【優先権主張番号】10 2015 203 669.3
(32)【優先日】2015年3月2日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390009232
【氏名又は名称】ハイデルベルガー ドルツクマシーネン アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Heidelberger Druckmaschinen AG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ハラルト ファイシュタオアー
(72)【発明者】
【氏名】アイケ ハイトマン
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー レオンハルト
【審査官】
外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】
特表2003−534163(JP,A)
【文献】
特開2004−306345(JP,A)
【文献】
特開平08−156238(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 33/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印刷物処理機械において被印刷物(1)上のレジスタマーク(2)を検出するために用いられ、且つ、コンピュータ(5)と接続されているレジスタセンサ(4)の評価領域(ROI)を求めるための方法において、
前記レジスタセンサ(4)は、第1のステップにおいて、被印刷物(1)の縁部(3)を測定し、該縁部(3)を基準にして、前記評価領域(ROI)を開始値(ROIStart)にセットし、続いて、少なくとも1つの第2のステップにおいて、前記レジスタセンサ(4)によって前記レジスタマーク(2)の第1の縁部が識別されるまで、前記評価領域(ROI)を増分された値(ROIEnde)にセットすることを特徴とする、レジスタセンサ(4)の評価領域(ROI)を求めるための方法。
【請求項2】
前記被印刷物(1)上の前記レジスタマーク(2)の一方の縁部が識別されると、前記評価領域(ROI)の値を終了値(ROImax Ende)として前記コンピュータ(5)に記憶し、従って、前記評価領域(ROI)を記憶する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記評価領域(ROI)の拡張を、複数回のステップで前記コンピュータ(5)によって行う、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記評価領域(ROI)を、前記被印刷物処理機械の引っ張りエラー分だけ拡張する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
考慮される前記引っ張りエラーの値は、前記レジスタマーク(2)の2つの縁部相互間の距離の半分の値よりも小さい、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記被印刷物処理機械が起動される度に、また新たなジョブが発生する度に、前記レジスタセンサ(4)の前記評価領域(ROI)の学習を前記コンピュータ(5)の制御下で開始させるエラー信号を前記コンピュータ(5)において形成する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
新たなジョブが発生する度に、前記被印刷物(1)の前記縁部(3)から前記レジスタマーク(2)までの目標距離を、前記ジョブに属するプリプレスデータから求め、規定された前記評価領域(ROI)と前記コンピュータ(5)において比較する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記評価領域(ROI)に関して求められた前記値(ROIEnde)を、その都度実行すべきジョブに関連付けて前記コンピュータ(5)に記憶し、該値(ROIEnde)を繰り返しジョブの発生時に呼び出し可能である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
先ず、前記レジスタマーク(2)の前記第1の縁部を検出することによって前記評価領域(ROI)を求め、該評価領域を続けて、前記コンピュータ(5)によって遮蔽し、新たな測定を実行し、前記レジスタマーク(2)の次の縁部が識別されるまで、前記評価領域(ROI)を第2の評価領域として拡大する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記被印刷物(1)の前記縁部(3)と前記レジスタマーク(2)の前記第1の縁部との間の距離を差し引いた形の前記第2の評価領域を、プリプレスデータから取得された前記レジスタマーク(2)の幅と比較し、前記レジスタセンサ(4)を用いた測定によって前記被印刷物(1)において求められた前記レジスタマーク(2)の幅が、前記プリプレスデータから読み出された前記レジスタマーク(2)の幅から偏差する場合には、前記被印刷物処理機械を制御するための信号又はオペレータに出力するための信号を形成する、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被印刷物処理機械において被印刷物上のレジスタマークを検出するために用いられ、且つ、コンピュータと接続されているレジスタセンサの評価領域を求めるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シート縁部又は被印刷物上のレジスタマークを検出するためのその種のレジスタセンサは、特に、印刷機及びシート打ち抜き機において、例えばフィードの際のシート状の被印刷物の位置決定を制御できるようにするために使用されている。その際に、通常は光学センサが使用される。フィードを、またそれと共に被印刷物の位置決定を機械において正確に調整できるようにするために、各レジスタマークが正確に検出されることが必要である。その際、レジスタマークが正確に識別され、且つ、レジスタマークの縁部の代わりに、例えば障害となる塗料縁部のような別の縁部が誤ってレジスタマークの縁部として判断されないことが極めて重要である。何故ならば、レジスタマークの縁部として誤って判断されてしまうと、顕著な測定誤差による誤調整が確実に行われることになるからである。多くの場合、機械のオペレータはこの誤調整を認識しないので、それによって生産の際に刷り損じが確実に生じることになる。障害となる縁部を遮蔽するための1つの実現手段として、レジスタセンサに被印刷物の特定の範囲だけを監視させることが挙げられる。この特定の領域は、英語の専門用語ではROI(region of interest)と称される。このROIがオペレータによって正確に選択されなければ、上述の顕著な測定誤差による誤調整が行われることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って本発明の課題は、オペレータによる誤調整を可能な限り回避する、被印刷物処理機械において被印刷物上のレジスタマークの検出に用いられるレジスタセンサの評価領域を求めるための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、この課題は、請求項1に記載の構成によって解決される。また本発明の有利な実施の形態は、従属請求項、図面並びに以下の説明より明らかになる。本発明によれば、ROIが自動的に検出されて、レジスタセンサに伝送されることが提案される。このために、本発明によれば、レジスタセンサがコンピュータと接続されており、レジスタセンサが、先ず、第1の方法ステップにおいて、被印刷物の縁部を測定し、続いて、その測定された縁部を基準にして、評価領域が開始値にセットされる。このことは、評価領域(ROI)の境界部は被印刷物の縁部であり、従ってシート状の被印刷物の場合にはシート縁部であることを意味している。続いて、少なくとも1つの第2のステップにおいて、評価領域が増分された値にセットされ、この値は、レジスタセンサによってレジスタマークの第1の縁部が識別されるまで増分され続ける。このようにしてレジスタマークの第1の縁部に接近していくことによって、評価領域の大きさは常に、その評価領域がレジスタマークの一方の縁部のみを検出するような大きさであることが保証される。即ち、評価領域がレジスタマークの反対側の縁部も検出すると、レジスタマークの誤った縁部が基準値とみなされ、従って、被印刷物の位置決定がレジスタマークの幅分だけずれて行われる危険が生じる。これは、生産時の相応の欠陥品をもたらし、また「ジャンプ」とも称される。
【0005】
本発明の第1の構成においては、被印刷物上のレジスタマークの一方の縁部が識別されると、評価領域の値が終了値としてコンピュータに記憶され、従って、評価領域が記憶される。被印刷物上のレジスタマークの第1の縁部がレジスタセンサによって識別されるのと同時に、評価領域はその最終的な大きさに達しており、従って評価領域の値が確定される。またこの値を自動的に機械のコンピュータに記憶することができる。これによって、評価領域が自動的に確定されるので、オペレータが誤った評価領域、特に、レジスタマークの反対側の縁部も検出される過度に大きい評価領域を選択する危険は生じなくなる。そのような誤った評価領域が選択されると、エラー、特に誤ったレジスタマーク縁部へのジャンプによるエラーが発生する可能性がある。
【0006】
更に有利には、評価領域の拡張は複数回のステップでコンピュータによって行われる。この場合、コンピュータにおいては、レジスタマークの通常の幅よりも狭いか又は著しく狭い所定のステップ幅が設定されている。これによって、評価領域を少なくとも1ステップ分拡張した際、そのステップは、ステップ後にレジスタマークの第1の縁部も反対側の縁部も検出されるほどの大きさではないことを保証することができる。むしろそのような十分に小さいステップによって、更に1ステップずつ拡張した際に、最大でもレジスタマークの1つの縁部しか検出されないことが保証されている。評価領域を拡張する際の所定のステップ幅は、有利には制御コンピュータに記憶されている。
【0007】
本発明の別の実施の形態においては、更に、評価領域が被印刷物処理機械の引っ張りエラー分だけ拡張される。被印刷物処理機械の引っ張りエラー分だけ評価領域を拡張することによって、被印刷物処理機械において最大許容引っ張りエラーが生じた場合であっても、少なくとも、レジスタマークの第1の縁部が検出されることが保証される。この場合、考慮される引っ張りエラーの値を、レジスタマークの2つの縁部相互間の距離の半分の値よりも小さくすることが重要になる。つまり、機械の最大引っ張りエラーが生じた場合であっても、レジスタマークのただ1つの縁部だけが、しかもレジスタマークのシート縁部側にある第1の縁部だけが評価領域内に位置することだけを保証することができる。これによって、レジスタマークの2つの縁部間のジャンプを確実に阻止することができる。
【0008】
更に有利には、被印刷物処理機械が起動される度に、また新たなジョブが発生する度に、レジスタセンサの評価領域の学習をコンピュータの制御下で開始させるエラー信号がコンピュータにおいて形成される。オペレータが機械を起動させるか、又はコンピュータにおいて新たな生産ジョブを呼び出すのと同時に、コンピュータにおいては、位置決定ジョブの即座の実行を阻止するエラー信号が形成される。その代わりに、このエラー信号によって、先ず、レジスタセンサの評価領域の学習がトリガされ、学習プロセスがコンピュータの制御下で実施される。これによって、機械が起動される度に、また、生産ジョブが発生する度に、先ずレジスタセンサの評価領域の学習が行われるので、オペレータが学習プロセスを誤って失念することはないことが保証される。但しこの関係においては、例外を想定することができる。即ち、評価領域に関して求められた値が、その都度実行すべきジョブに関連付けられてコンピュータに記憶され、繰り返しジョブの発生時にはその値を呼び出すことができる、という例外を想定することができる。つまり繰り返しジョブが呼び出される場合には、評価領域の学習プロセスを再度行うことは必ずしも必要ではない。何故ならば、学習プロセスを再度行う代わりに、繰り返しジョブに属する、評価領域の記憶された値を即座に呼び出すことができるからである。この場合には、学習プロセスを省略することができるが、それにもかかわらず、評価領域が正確に調整されることが保証される。
【0009】
本発明の別の実施の形態においては、新たなジョブが発生する度に、被印刷物の縁部からレジスタマークまでの目標距離が、生産ジョブに属するプリプレスデータから求められ、規定された評価領域とコンピュータにおいて比較される。プリプレスデータに基づき、被印刷物の縁部からレジスタマークまでの目標距離を問題なく取得することができ、またコンピュータに読み込ませることができる。理論上は、この距離が、正確にレジスタマークの外側の第1の縁部にまで達している、規定された評価領域と同一であることが望ましい。上記の比較の際に、許容誤差を上回る偏差が求められた場合には、レジスタマークの縁部が正確に検出されたのではなく、塗料縁部のような別の縁部が誤って検出された可能性があるとみなされる。従って、プリプレスデータとの比較は妥当性検査を可能にし、また、レジスタマークの一方の縁部の誤った識別を回避することの助けとなる。
【0010】
本発明の別の構成においては、先ず、レジスタマークの第1の縁部が検出されることによって評価領域が求められ、この評価領域が続けて、コンピュータによって遮蔽され、新たな測定が実行され、レジスタマークの次の縁部が識別されるまで、評価領域が第2の評価領域として拡大される。この場合、レジスタマークの外側の第1の縁部のみが検出されるのではなく、レジスタマークの内側の第2の縁部も検出される。しかしながら、2つの評価領域が検出されて、第1の評価領域も同様に記憶されるので、第2の評価領域と比較した第1の評価領域を考慮して、常にレジスタマークの正確な縁部が検出されることを保証することができる。第2の評価領域は、レジスタマークの幅の妥当性検査に使用することができるという利点を有している。このために、被印刷物の縁部とレジスタマークの第1の縁部との間の距離を差し引いた形の第2の評価領域は、プリプレスデータから取得されたレジスタマークの幅と比較され、レジスタセンサを用いた測定によって被印刷物において求められたレジスタマークの幅が、プリプレスデータから読み出されたレジスタマークの幅から偏差する場合には、被印刷物処理機械を制御するための信号又はオペレータに出力するための信号が形成される。このようにして、上記において既に言及したように、レジスタマークから被印刷物縁部までの距離を検査して、妥当性検査を実施できるだけでなく、更には、レジスタマークの幅と、プリプレスデータに由来するレジスタマークの幅のデータとの比較も行うことができ、つまり別の妥当性検査も実施することができる。そのようにして求められたレジスタマークの実際の幅が、プリプレスデータに由来するレジスタマークの所定の幅と一致しない場合には、ここでもまたエラーが存在し、特に、縁部が誤って解釈されたか、又はその他の誤測定が存在しているとみなされる。
【0011】
更に本発明によれば、プリプレスデータに由来するレジスタマークの目標幅と、被印刷物上のレジスタマークの実際に求められた幅との間に偏差が存在する場合には、被印刷物処理機械を制御するための信号又はオペレータに出力するための信号を形成することができる。この信号によって、生産ジョブの更なる処理を中断させることができ、またディスプレイにおいて相応の警告をオペレータに出力することができるので、その結果、刷り損じが生じることは回避される。このことは、被印刷物処理機械の運転時のプロセスの安全性を著しく高め、従って機械のオペレータにとって大きな利点を提供する。
【0012】
本発明による方法は、長手方向のレジスタ、周方向のレジスタ及び傾斜したレジスタでのレジスタセンサの評価領域の調整に適している。この際、有利には、電気的な駆動モータを介したセンサの相応の自動的な位置決定によって、評価領域をコンピュータによって全自動で設定することができる。この場合、コンピュータは相応の信号をセンサの位置決定め用の駆動モータに出力し、評価領域は、レジスタマークの第1の縁部が識別されるまで、段階的に拡大される。この場合、オペレータを介さずに、本方法を全自動で実施することができる。
【0013】
以下では、複数の図面に基づき、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】被印刷物処理機械の引っ張りエラーを考慮しない本発明による方法を示す。
【
図3】被印刷物処理機械の引っ張りエラーを考慮した本発明による方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1には、シート状の被印刷物1が示されており、この被印刷物1上にはレジスタマーク2が印刷されている。このレジスタマーク2はある程度の幅を有しており、またその側方は通常の場合シート1の縁部に平行に延びる2つの縁部によって画定されている。シート縁部3及びレジスタマーク2をレジスタセンサ4によって検出することができ、このレジスタセンサ4自体は、被印刷物処理機械の制御コンピュータ5と接続されている。従来技術においては、評価領域ROIを求めるために、この評価領域ROIが、最小ROI値ROI
minから最大ROI値ROI
maxに直接的に調整される。しかしながら、この場合には、レジスタマーク2の2つの縁部が完全に評価領域ROI内に位置し、その結果、レジスタマーク2の2つの縁部が識別されるという危険が存在する。そのような状態で、シート1の位置合わせに関して、レジスタマーク2の誤った縁部が基準点にされてしまうと、シート1は被印刷物処理機械において誤った位置に位置決めされるので、多くの処理過程が正確に実行されなくなる。従って、刷り損じが生じる。
【0016】
この欠点は、
図2に示した本発明による方法によって補われる。
図2においては、レジスタセンサ4が、開始時最小ROI値ROI
min Startから出発して、レジスタマーク2の第1の縁部が識別されるまで段階的に拡大される。続いてこの値が、許容される終了時最大ROI値ROI
max Endeとして記憶される。またこの値は、評価領域ROIにおいてはレジスタマーク2の外側の第1の縁部のみが識別されることを保証する。これによって、レジスタマーク2の2つの縁部が検出され、レジスタマークの幅分のジャンプが行われることは確実に回避される。この方法の開始値は、開始時最小ROI値ROI
min Startと開始時最大ROI値ROI
max Startとの間にあり、これら2つの値は、シート縁部3とレジスタマーク2との間にあるので、開始時にはレジスタマーク2のいずれの縁部も検出されない。評価領域ROIを拡大し続けることによって、いずれかの時点において初めてレジスタマーク2の第1の縁部が検出され、続いて本方法が終了される。その際に検出された値が、終了時最大ROI値ROI
max Endeとして制御コンピュータ5に記憶され、従って、生産ジョブの実行時に使用される最大許容評価領域ROIが制御コンピュータ5に記憶される。
【0017】
図3に示した本発明の別の実施の形態においては、被印刷物処理機械の引っ張りエラーも付加的に考慮される。但し、この場合には、被印刷物処理機械の最大許容引っ張りエラーが、レジスタマーク2の幅の半分の値よりも小さいことが保証されなければならない。何故ならば、そうでない場合には、やはりレジスタマーク2の2つの縁部間でのジャンプが行われる虞が生じるからである。事前に
図2において求められた終了時最大ROI値ROI
max Endeが、測定された縁部の位置Kとして記憶され、この測定された縁部の位置Kを基準にして、縁部の位置Kから最大引っ張りエラーを減算した値が生産時最小ROI値ROI
min Produktionとして規定され、その一方で、生産時最大ROI値ROI
max Produktionは、縁部の位置Kに最大引っ張りエラーを加算した値から形成される。従って、この場合には、評価領域ROIが生産時最小ROI値ROI
min Produktionと生産時最大ROI値ROI
max Produktionとの間に位置しており、これにより、レジスタマーク2の外側の一方の縁部のみが常に評価領域ROI内に位置することが保証されているので、その結果、レジスタマーク2の縁部を検出する際のジャンプは排除されている。
【符号の説明】
【0018】
1 シート
2 レジスタマーク
3 シート縁部
4 レジスタセンサ
5 制御コンピュータ
ROI 評価領域
ROI
min 最小ROI値
ROI
max 最大ROI値
ROI
min Start 開始時最小ROI値
ROI
max Start 開始時最大ROI値
ROI
max Ende 終了時最大ROI値
K 測定された縁部の位置
ROI
min Produktion 生産時最小ROI値
ROI
max Produktion 生産時最大ROI値
【要約】
【課題】オペレータによる誤調整を可能な限り回避する、被印刷物処理機械において被印刷物上のレジスタマークの検出に用いられるレジスタセンサの評価領域を求めるための方法を提供する。
【解決手段】被印刷物処理機械において被印刷物(1)上のレジスタマーク(2)を検出するために用いられ、且つ、コンピュータ(5)と接続されているレジスタセンサ(4)の評価領域(ROI)を求めるための方法において、レジスタセンサ(4)が、第1のステップにおいて、被印刷物(1)の縁部(3)を測定し、該縁部(3)を基準にして、評価領域を開始値(ROI
Start)にセットし、続いて、少なくとも1つの第2のステップにおいて、レジスタセンサ(4)によってレジスタマーク(2)の第1の縁部が識別されるまで、評価領域を増分された値(ROI
Ende)にセットする。
【選択図】
図2