(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0001】
本発明は表面損傷に対して優れた耐性を有するガラスおよびその製造方法に関する。
【0002】
板ガラスの製造には、その経済効率および製造される板ガラスの表面の高品質のために、通常、フローティング法が用いられる。フローティング法による板ガラスの製造において、フォーミングガスの還元性雰囲気中で液体金属(通常は錫)上へのキャスティングによって成形が行われる。フローティング設備は通常、ガラスが溶融されて精製される溶融タンクと、溶融タンクの酸化性雰囲気から次のフローティング部の還元性雰囲気へのガラス溶融物の移動を保証する移動ラインと、実際のフローティング部とからなる。このフローティング部において、ガラスの成形が行われる。成形は、錫バス上での平坦流動およびガラスの表面に力を及ぼすいわゆるトップローラーによって達成される。錫バス上での輸送の間、ガラスは冷えて、フローティング部の端でそれはリフトオフされ、熱応力緩和のためにアニーリングレアへ移される。
【0003】
この、フローティング部からアニーリングレアへ移動から出発して、フローティングガラスの表面、特にフローティング下部接触面は機械的応力を受ける。特に、リフトオフ操作後の最初のリフトアウトローラーが重要である。このゾーンにおいて、ガラスの表面は、ガラス転移温度T
gに近い高温のために、リフトアウトローラーとの接触による機械的応力に特に敏感である。それによって、点スクラッチが形成されることがある。接触領域でのガラスの熱い表面の高い付着傾向により、チップおよび/または穴が形成されることがある。視覚的な悪化に加えて、表面損傷は強度の低下およびさらなるプロセス工程、たとえばコーティングプロセスにおける不都合をもたらす。
【0004】
従来技術は、アルカリ含有ガラスに特に適した予防対策を提供している。それによって、三酸化イオウ気化が行われる。このような、アニーリングレアにおける三酸化イオウ蒸気による下部面の処理は、DE 1 596 514 C3に記載されている。三酸化イオウによる気化工程の間、酸化ナトリウムと二酸化イオウが硫酸ナトリウムを生成する。次に、洗浄によりガラスから硫酸ナトリウムを除去することができる。三酸化イオウ気化処理の間、フロートされたガラスのアルカリ成分の反応により、ガラスの表面上にアルカリ硫酸塩含有析出物が生成される。これらの塩は、その低硬度により、リフトオフ操作の間および次のリフトアウトローラーで、機械的応力に対する特有の保護を与える。この三酸化イオウ気化工程は様々な理由のために不都合がある。三酸化イオウによる有効な気化工程のためには、酸化性雰囲気が必要である。この理由のために、アニーリングレアへの移動の際に、ガラスは多くの場合、三酸化イオウによる気化工程のみを受ける。多くの場合まだ還元性雰囲気下にあるリフトアウトローラーのゾーンは保護されないままである。保護機構は、たとえばディスプレイガラスのような、アルカリフリーまたは低アルカリガラスの場合には低い効率を有する。また、環境中の三酸化イオウの含量を制限するように、工業設備による特定の予防対策を採用すべきである。これらの予防対策は、工業的に複雑であり、付着した塩からの後処理精製の間に、追加の工程として通常は必要である。
【0005】
本発明の目的は表面損傷に対して優れた耐性を有するガラスを提供することである。
【0006】
この目的は特許請求の範囲の内容によって解決される。
【0007】
本発明は表面損傷に対して改善された耐性を有するガラスに関し、前記ガラスは少なくとも0.3重量%のアルカリ土類酸化物の含量および0.1ないし4重量%のP
2O
5の含量を有する。少なくとも1つの表面上、好ましくはフローティング下部面に、ガラスは1ないし20μmの平均サイズをもつ析出物を有する。
【0008】
「平均サイズ」は析出物の平均直径を意味する。好ましくは、この平均サイズは析出物のフェレ径である。好ましくは、析出物はほぼ円形である。
【0009】
このガラスは、以下の工程を含む方法によって得ることができる。
【0010】
a.ガラスバッチの溶融、および
b.フロートバス上に、得られたガラス溶融物をキャストすること。
【0011】
それによって本発明によるガラスを製造することができる、本明細書に記載した方法も本発明の内容であり、より詳細に以下に記載している。
【0012】
好ましくは、本発明によるガラス上の析出物はガラス自体よりも柔らかいので、機械的応力の場合にガラスのそれぞれの表面を保護できる。
【0013】
析出物が存在する表面はガラスの上面または下面のどちらかであり、ここでガラスの下面はガラスのすべての面のうちフロートバスとの最大の接触面積をもつ面(フローティング下面)である。
【0014】
好ましくは、析出物はアルカリ土類リン酸塩析出物である。そのため、少なくとも0.3重量%のアルカリ土類酸化物の含量をもつガラス混合物がガラスの製造方法に用いられる。好ましい実施形態において、ガラスはさらに少なくとも1重量%のアルカリ土類酸化物、さらに好ましくは少なくとも3重量%、より好ましくは少なくとも5重量%を含む。これらの最少量は、それぞれのガラス表面上に十分な析出物が生成するために必要である。析出物のサイズおよびこれらの平均距離が本発明による範囲内にあるように、好ましくは特定の最大量を超えないことが望ましい。この最大量は15重量%、好ましくは10重量%、より好ましくは7重量%のアルカリ土類酸化物である。
【0015】
ガラス表面に好適なアルカリ土類リン酸塩析出物生成するために、本発明によれば0.1ないし4重量%のガラス中のP
2O
5の含量が必要になる。より多い量のP
2O
5は不利である。ガラスの化学的耐性が劣化し、P
2O
5がフロートバスから蒸発して、これがガラスの傷をもたらしうるためである。したがって、本発明の好ましい実施形態におけるP
2O
5の含量の上限は3重量%より低く、さらに好ましくは2重量%より低い。
【0016】
析出物の形成において、アルカリ土類およびP
2O
5の含量の間に相互作用がある。したがって、ガラスのそれぞれの表面上の析出物の、所期のサイズおよび表面被覆率のためには、高い含量のアルカリ土類の場合には、低い含量のアルカリ土類の場合よりもP
2O
5の含量が低いことが好ましい。このため、好ましいガラスは、15重量%以下のアルカリ土類の含量を有し、一方でこれらのガラス中のP
2O
5の含量は1重量%より低い。好ましい実施形態において、アルカリ土類の含量は5重量%より高く、P
2O
5の含量は2重量%より低い。
【0017】
他に断らない限り、本発明によれば、アルカリ土類酸化物は酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウムおよび酸化バリウムである。好ましい実施形態において、ガラスはアルカリ土類酸化物として酸化マグネシウムおよび/または酸化カルシウムのみを含む。これらの2種のアルカリ土類カチオンのリン酸塩は、フローティングプロセスにおける高い形成速度によって特徴づけられる。したがって、それぞれの好ましい組成でフローティングプロセスにおいて高い供給速度での薄いガラスの製造が可能であり、同時に十分なサイズおよび数の析出物も形成される。また、マグネシウムおよびカルシウムのリン酸塩析出物は、洗浄によってガラス表面から容易に除去することができる。
【0018】
析出物は、いかなる永久的な結合もなしに、ガラス表面上で良好な付着を有する。特殊な用途で析出物のないガラス表面を与えることが要求される場合、これらをソフトな磨き粉を用いて、または製造プロセス中の洗浄工程において除去することができる。析出物は比較的低い化学的安定性によって特徴づけられるので、たとえば希HCl溶液のような希酸、または塩基を用いた洗浄プロセスによって、これらを除去することもできる。たとえばソルトバスにおける化学焼き戻しのような、ある別のプロセス処理においては、とにかく析出物を溶解する。
【0019】
本発明によれば、析出物の平均サイズは1ないし20μmである。一方でこれらはガラス表面に必要な保護を与えるために十分に高いが、他方でこれらはガラス表面の外観に実質的に影響しないように十分に低いため、これらのサイズが好ましい。本発明による特に好ましい実施形態は、2μmないし15μmの平均サイズを有する析出物をもつガラスである。
【0020】
25%以下の析出物をもつそれぞれのガラス表面の表面被覆率が本発明によれば望ましい。25%より高い表面被覆率は本発明によれば不利である。このような場合、ガラス表面の物理化学的特性が影響されるためである。
【0021】
本発明によるガラスに関して、析出物の互いに対する平均距離は好ましくは5ないし200μmである。そのとき、全表面を効果的に保護できるためである。
【0022】
本発明によるガラスの製造方法は、好ましくは、フロートバス上において1000℃を超える温度で少なくとも5分の期間の間、ガラス溶融物を維持することによって特徴づけられる。このアプローチは、ガラス表面に十分な析出物が形成されることを保証する。好ましい実施形態においては、ガラス溶融物をさらに既述した温度で少なくとも10分間維持する。
【0023】
好ましくは、本発明による方法におけるフローティングプロセスは、錫バス上で行われ、これはバスが少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%の錫の含量を有することを意味する。特に好ましい実施形態において、バスは実質的に液体錫からなる。
【0024】
好ましくは、ガラスの出発温度は1100℃より高く、好ましくは1200℃より高い。このような高温は析出物の形成を促進するためである。出発温度は、液体ガラスが注ぎ口を越えて、注ぎ口下の液体フロートバス上へ流れる温度である。
【0025】
本発明による方法において、溶融工程の後、好ましくはガラス溶融物のガラスバッチを、注ぎ口を越えてフロートバス上へ向ける。
【0026】
本発明によるガラスは好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下のアルカリ酸化物の含量を有する。ガラス中の限定された量のアルカリ酸化物は特に好ましい。量が大きすぎると、望ましい析出物の形成に影響を与えるためである。しかし、ガラス中の低い量のアルカリ酸化物の存在でも、やはりアルカリリン酸塩を含む析出物が形成されるであろう。さらに、アルカリの含量が高すぎると、ガラスの化学的耐性を劣化させる。本発明によるガラスの好ましい実施形態は、アルカリ酸化物を含まない。
【0027】
好ましくは、本発明による方法は、フローティングプロセスの後に、二酸化イオウおよび/または三酸化イオウを用いてガラスを処理する通常の工程を含まない。
【0028】
特に有利には、本発明は、ソーダライムガラスよりも、高い粘度ならびに高いプロセス温度V
Aおよび転移温度T
gを有するフローティングガラスの場合に用いられるであろう。高いプロセス温度は、高温で、ガラスを、注ぎ口を越えてフロートバス上にキャストすることを意味する。これは析出物の十分な形成速度にとって有利である。好ましくは、本発明による方法におけるガラスのプロセス温度V
Aは1100℃より高く、さらに好ましくは1200℃より高いことが望ましい。
【0029】
フローティングガラスのリフトアウトローラーとの接触温度については、転移温度T
gがベンチマークである。より低いT
g値ではリフトアウトローラーによる機械的応力がより低い。SO
2および/またはSO
3気化により、低い粘度をもつガラスについて他の保護機構も利用できる。したがって、本発明による保護のためには、500℃より高い、好ましくは600℃より高い転移温度T
gが有利である。
【0030】
本発明による方法は、さらに好ましくは、溶融後に、ガラスバッチを均質化し、さらに好ましくは精製する工程を含む。本発明による方法においては、フロートバス上に、好ましくは酸化プロセスを抑制するフォーミングガス含有雰囲気が存在する。
【0031】
好ましくは、本発明によるガラスは毒性および放射性成分を含まない。特に、ガラスは好ましくは鉛および砒素を含まない。
【0032】
好ましくは、本発明によるガラスは板ガラスである。ガラス溶融物のフロートバスへのキャスティングには、好ましくは、フローティング部でのガラス溶融物の冷却、次いでフローティング部の端での固化ガラスリボンのリフトオフ操作、および好ましくはアニーリングレアへの輸送(その間にそれはリフトアウトローラー上に載る)が続く。この工程の間、ガラス中の応力が緩和され、それは環境雰囲気中へ移される。従来技術は、この工程のポイントで、ガラスの保護についての対策としてSO
2および/またはSO
3含有蒸気を用いた気化を示唆している。本発明によれば、この工程を省略することができる。その後、好ましい通常の後プロセスの工程、たとえばガラスリボンを切断および分離して、望ましいフォーマットのガラスペインにすることが行われる。好ましくは、製造後に、単独のガラスペインの間に追加の保護対策の必要なしに、ガラスを積み重ねる。析出物は互いの上へのガラスペインの直接保管を容易にする。
【0033】
本発明は基本的に多種のガラスおよび広い範囲の組成物に用いることができるが、以下の成分が所定の範囲内で含まれている場合に、本発明による特に有利なガラスが得られることが示された。これらの条件の各々を満足することは成功を容易にする。
【0034】
好ましくは、ガラスは少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも65重量%の量でSiO
2を含む。この成分は、本発明によるガラスの安定性および耐性を増すガラス形成剤として作用する。しかし、SiO
2の含量は、好ましくは75重量%、さらに好ましくは70重量%の値を超えないことが望ましい。さもなければプロセス温度が上昇して、適度な温度での経済的な製造がもはや実現できないためである。
【0035】
好ましくは、ガラスは少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも12.5重量%、より好ましくは少なくとも15重量%の量でAl
2O
3を含む。この成分は、本発明によるガラスの安定性および耐性を増すガラス形成剤として作用する。しかし、Al
2O
3の含量は、好ましくは30重量%、さらに好ましくは24重量%の値を超えないことが望ましい。さもなければガラスの結晶化の傾向が増すためである。
【0036】
本発明の目的は、特に耐性のあるガラスを提供することである。このため、合計で両方のガラス形成剤Al
2O
3およびSiO
2は、好ましくはガラス中に少なくとも85重量%の量で含まれる。それゆえ、本発明によるガラスは好ましくはアルミノシリケートガラスである。
【0037】
溶融温度を下げるためには、ガラスは好ましくは8重量%以下、より好ましくは4重量%以下、最も好ましくは2.5重量%以下のB
2O
3を含むであろう。B
2O
3の添加は失透に対するガラスの安定性を改善し、および溶融温度を下げて経済的な製造について有利な局面をもたらす。しかし、他方で高すぎる含量はガラス溶融物からのホウ素の蒸発をもたらし、これは溶融凝集体およびフローティングバス中における侵食のために望ましくない。好ましい実施形態において、ガラス中のB
2O
3含量は少なくとも1重量%であり、他の実施形態ではガラスは本質的にB
2O
3を含まない。
【0038】
好ましい実施形態において、ガラスは核形成剤たとえばTiO
2および/またはZrO
2を2ないし6重量%の量で含んでいてもよい。ガラスセラミックへの結晶化のためのベースガラスとしてガラスを用いる場合には、これが必要である。
【0039】
好ましくは、ガラス中に清澄剤を用いる。しかし、通常の清澄剤Al
2O
3およびSb
2O
3は適していない。これらはフロートバス中の表面で還元されてガラスの変色をもたらすためである。したがって、0.1ないし0.6重量%の量の他の清澄剤が好ましい。好ましい清澄剤はSnO
2であり、これはさらに好ましくはハライド化合物たとえば塩化物および/またはフッ化物と組み合わせて用いることができる。さらに、清澄剤としてハライド化合物を単独で用いることができる。別のありうる清澄剤は硫酸化合物である。
【0040】
好ましい実施形態において、ガラスはさらにCeO
2を1.5重量%以下の量で含む。この添加剤はUV領域におけるガラスの吸収の調節のために用いられる。このように、保護効果が達成され、これはガラスの寿命の延長をもたらすであろう。CeO
2を清澄剤として用いてもよい。
【0041】
本発明によるガラスの特定に実施形態は、ガラスを着色するため、またはガラスの色相を誇張するために着色酸化物を含む。これらのガラスは着色酸化物を0.4重量%以下の量で含む。好ましい着色酸化物はNd
2O
3である。しかし好ましくは、本発明によるガラスは着色添加剤を含まない。
【0042】
本発明によれば、アルカリ土類リン酸塩も用いて、ガラス、特に本発明によるガラスの表面耐性を増す。この場合、アルカリ土類リン酸塩をそれらがガラス混合物に添加されるように好ましく用いて、本発明によるガラスが得られるようにする。ガラス混合物は本発明による方法に従って処理される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】
図1は表面の耐性を試験する試料を圧迫するためのウェイトとして用いることができる典型的なQuarzalダイを示す。符号1はダイが表面に押し付けられる接触領域を表す。
【0044】
例
表1は、実験として調製したガラスの組成および特性を示す。組成の全合計量は必ずしも正確には100重量%ではない。不純物、たとえば約0.013重量%のFe
2O
3、アルカリたとえばRbおよびCs、アルカリ土類、F、Clその他が、非常に低量に含まれているためである。実施形態の例におけるガラス溶融物の水の含量は0.02ないし0.4mol/lであった。
【0045】
ガラスをガラス産業で普通の原料から約1650℃で溶融し、大規模工業設備におけるフローティングバス上にキャストした。ガラスを液体錫上にキャストした温度および1000℃を超える温度でのガラス溶融物の滞留時間を表2に見出すことができる。
【0046】
成形ゾーンにおいて、ガラスを引いて約250cmの幅および4mmの厚さを有するガラスリボンにした。
【0047】
機械的応力に対するガラス表面の耐性を試験するための実験を行うにあたり、焼結したシリカガラス粉末からなり、1cmのエッジ長さを有する研磨したQuarzalの立方体を試験するガラス表面に置き、150gの追加のウェイトを用いて圧迫した。こうして調製した試料を、室温から670℃まで5℃/minの速度で加熱し、その後に720℃まで3℃/minの速度で加熱し、その後に温度をこの値に10分間維持し、その後にオーブンの特性線に従って急速に冷却した。この試験方法は、高温でのアニーリングレアにおけるリフトオフローラーとの接触をシミュレートし、アルカリ土類リン酸塩の析出物が有りおよび無しのフローティング表面(下面および上面)を互いに対して評価することを可能にする。試験の前および後に、光学顕微鏡の助けにより、傷に関して試料を分析した。
【0048】
試料の試験の前に、ガラス表面を蒸留水で洗浄して付着していない不純物を除去した。フローティング上面およびフローティング下面を分析することにより、ガラスのフローティング上面は析出物を保持していないため、機械的応力に対する耐性の効果を同じ試料で互いに対して評価することができる。フローティング上面を比較例として用いた。
【表1A】
【表1B】
【表2】
以下に、本願の出願当初の請求項を実施の態様として付記する。
[1] 表面損傷に対して改善された耐性を有するガラスであって、少なくとも0.3重量%のアルカリ土類酸化物および0.1ないし4重量%のP2O5の含量をもち、少なくとも1つの表面上に1ないし20μmの平均サイズを有する析出物を有するガラス。
[2] 前記析出物はそれぞれの表面の25%以下を覆う、[1]に記載のガラス。
[3] 前記析出物は2μmないし15μmの平均サイズを有する、[1]または[2]に記載のガラス。
[4] 前記析出物の平均距離が5μmないし200μmである、[1]ないし[3]のいずれか1項に記載のガラス。
[5] 前記析出物はアルカリ土類リン酸塩を含む、[1]ないし[4]のいずれか1項に記載のガラス。
[6] 前記ガラスは5重量%以下のアルカリ酸化物の含量を有する、[1]ないし[5]のいずれか1項に記載のガラス。
[7] フローティング法によって得ることができ、その間にガラス溶融物がフロートバス上に1000℃以上の温度で少なくとも5分間維持される、[1]ないし[6]のいずれか1項に記載のガラス。
[8] 前記ガラス溶融物はフロートバス上に1000℃以上の温度で少なくとも10分間維持される、[7]に記載のガラス。
[9] 前記フロートバスは1100℃より高い、好ましくは1100℃より高い出発温度を有する、[7]または[8]に記載のガラス。
[10] 前記ガラスはフローティング工程の後に二酸化イオウおよび/または三酸化イオウによる処理を受けない、[7]ないし[9]のいずれか1項に記載のガラス。
[11] ガラスの表面耐性を増加させるための、アルカリ土類リン酸塩の使用。