特許第5959864号(P5959864)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5959864
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】錠装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 73/00 20060101AFI20160719BHJP
   E05B 71/00 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   E05B73/00 A
   E05B71/00 G
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-23684(P2012-23684)
(22)【出願日】2012年2月7日
(65)【公開番号】特開2013-159994(P2013-159994A)
(43)【公開日】2013年8月19日
【審査請求日】2015年1月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000170598
【氏名又は名称】株式会社アルファ
(74)【代理人】
【識別番号】100093986
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 雅男
(74)【代理人】
【識別番号】100128864
【弁理士】
【氏名又は名称】川岡 秀男
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 雄介
【審査官】 仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−274548(JP,A)
【文献】 実開昭60−11975(JP,U)
【文献】 特開2003−11866(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00−85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈曲自在な拘束体の両端に形成された被係止部が挿入される連結孔を備えたケースと、
所定の解錠キーによってのみ施錠回転位置から解錠回転位置まで回転操作可能にケース内に収容されるプラグと、
前記連結孔内に進退して連結孔内に挿入された前記被係止部に係脱するロック片とを有し、
前記ロック片は、係止解除位置側への移動が許容され、プラグの解錠回転位置側への回転操作により適宜の付勢手段により付与された係止位置側への付勢力に抗して係止解除位置側に駆動されて連結孔の長手方向に直交する方向から連結孔内に進退するとともに、
該ロック片は、プラグの解錠回転位置への移動に伴って、係脱位置の中間位置まで駆動され、
かつ、ロック片の解錠回転位置における連結孔への突出部には、被係止部への抜去操作力から係止解除方向への操作分力を得るストッパ斜面が設けられる錠装置。
【請求項2】
前記連結孔はプラグの回転中心に対してほぼ対称位置に形成されるとともに、各連結孔にロック片が配置され、
かつ、前記プラグには施錠回転位置から時計、反時計回りに回転操作した一対の解錠回転位置が設定されるとともに、前記プラグの解錠回転位置に至る回転方向側に配置された一方のロック片のみが当該解錠回転位置への移動に伴って係止解除位置側に駆動される請求項1記載の錠装置。
【請求項3】
前記プラグにはロック片に設けられたフォロワー突部が離接自在に当接し、プラグの解錠方向への回転に伴ってロック片を係止解除方向に変位させるカム面が各ロック片に対応して一対設けられる請求項2記載の錠装置。
【請求項4】
前記ロック片の係止位置における連結孔への突出部には、被係止部の連結孔への挿入操作力から係止解除方向への操作分力を得るガイド斜面が設けられる1、2または3記載の錠装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は錠装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
連結孔にケーブル(拘束体)を連結可能とした錠装置としては、特許文献1の図3に記載のものが知られている。この従来例において、プラグにはプラグの回転中心に対して非対称形状の凹部を有するカムが形成されており、該カムと連結孔との間に端子固定ロッドが介装される。
【0003】
プラグを所定回転位置まで回転させると、カムの凹部が端子固定ロッドの端部に位置し、端子固定ロッドの連結孔からの待避スペースが確保され、連結されていた拘束体を抜去できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-63776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来例において、プラグを施錠回転位置から解錠位置まで回転操作すると直ちに拘束体が脱離可能になるために、拘束体が重い場合等には不用意に拘束体が外れて落下してしまうことがあり、使い勝手が悪いという問題がある。
【0006】
本発明は、以上の欠点を解消すべくなされたものであって、使い勝手を向上させた錠装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば上記目的は、
屈曲自在な拘束体1の両端に形成された被係止部2が挿入される連結孔3を備えたケース4と、
所定の解錠キー5によってのみ施錠回転位置から解錠回転位置まで回転操作可能にケース4内に収容されるプラグ6と、
前記連結孔3内に進退して連結孔3内に挿入された前記被係止部2に係脱するロック片7とを有し、
前記ロック片7は、係止解除位置側への移動が許容され、プラグ6の解錠回転位置側への回転操作により適宜の付勢手段8により付与された係止位置側への付勢力に抗して係止解除位置側に駆動されて連結孔3の長手方向に直交する方向から連結孔3内に進退するとともに、
該ロック片7は、プラグ6の解錠回転位置への移動に伴って、係脱位置の中間位置まで駆動され、
かつ、ロック片7の解錠回転位置における連結孔3への突出部には、被係止部2への抜去操作力から係止解除方向への操作分力を得るストッパ斜面9が設けられる錠装置を提供することにより達成される。
【0008】
ケース4には拘束体1の被係止部2が挿入する連結孔3が開設されており、該連結孔3に直交する方向から連結孔3に進退するようにロック片7が配置される。ロック片7は係止位置と係止解除位置との間を移動自在で、係止位置において連結孔3に挿入される拘束体1の被係止部2に係止して拘束体1の離脱を規制する。係止状態で被係止部2に抜去方向の力を負荷しても、連結孔3の長手方向に直交する方向から楔状に係止しているロック片7には抜去方向への分力が発生しないために連結状態が保持される。
【0009】
ロック片7は適宜の付勢力により係止位置側に付勢されており、さらに、プラグ6への回転操作力は、プラグ6を施錠回転位置から回転させた場合にのみロック片7に係止解除方向の操作力が伝達され、ロック片7側に係止解除方向への操作力を負荷した場合、プラグ6はロック片7の係止解除方向への移動を規制しない。
【0010】
このようなプラグ6のロック片7への操作力伝達が係止解除方向の操作に対してのみ可能で、ロック片7側からの係止解除動作を妨げない一方向の伝達機構は、後述するように、プラグ6にカム面11を形成したり、あるいはプラグ6とロック片7との間に適宜の操作力伝達機構を配置することにより実現できる。
【0011】
ロック片7は、プラグ6に対する施錠回転位置から解錠回転位置までの回転操作によって係止解除位置まで駆動されることなく中間位置(暫定停止位置)で停止し、さらに、停止時において連結孔3内に突出する部分には被係止部2への抜去操作力から係止解除方向への操作分力を得るストッパ斜面9が設けられる。
【0012】
したがって本発明において、プラグ6を解錠回転位置まで回転操作しても、ロック片7は係止解除位置まで移動せずに被係止部2を拘束し続け、施錠体を抜去するためには、改めて施錠体に抜去方向の力を負荷してロック片7を係止解除位置まで移動させる必要がある。この結果、プラグ6への操作により施錠体が不用意にケース4から離脱することがなくなり、使い勝手が向上する。
【0013】
また、
前記連結孔3はプラグ6の回転中心に対してほぼ対称位置に形成されるとともに、各連結孔3にロック片7が配置され、
かつ、前記プラグ6には施錠回転位置から時計、反時計回りに回転操作した一対の解錠回転位置が設定されるとともに、前記プラグ6の解錠回転位置に至る回転方向側に配置された一方のロック片7のみが当該解錠回転位置への移動に伴って係止解除位置側に駆動される錠装置を構成すると、拘束体1の両端を着脱できるために、ケース4と拘束体1を完全に分離させることが可能になる上に、プラグ6の 回転方向と拘束体1の離脱させる側の端部を簡単に関連付けることができるために、使い勝手が向上する。


【0014】
さらに、錠装置は、
前記プラグ6にはロック片7に設けられたフォロワー突部10が離接自在に当接し、プラグ6の解錠方向への回転に伴ってロック片7を係止解除方向に変位させるカム面11が各ロック片7に対応して一対設けて構成することができる。
【0015】
本発明において、カム面11とフォロワー突部10とは、離接自在で、プラグ6を解錠方向に回転させたときにカム面11がフォロワー突部10に当接する関係で配置されるとともに、ロック片7にはフォロワー突部10がカム面11に圧接する方向の付勢力が付与される。
【0016】
カム面11を介してロック片7を直接プラグ6により操作する本発明において、プラグ6とロック片7との間に特別な介在機構を要しないために、構造が簡単になる。
【0017】
また、
前記ロック片7の係止位置における連結孔3への突出部には、被係止部2の連結孔3への挿入操作力から係止解除方向への操作分力を得るガイド斜面12が設けられる錠装置を構成すると、プラグ6を操作することなく施錠状態で被係止部2を連結孔3に押し込むだけで拘束体1を連結することができるために、操作性が向上する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】拘束体を示す図で、(a)は錠装置により拘束体をループ状に連結した状態を示す平面図、(b)は拘束体を折り畳んだ状態を示す平面図、(c)は(b)の正面図である。
図2】錠装置を示す図で、(a)は断面図、(b)は(a)の2B方向矢視図である。
図3】カム部材を示す図で、(a)は下方から見た図、(b)は(a)の3B方向矢視図、(c)は(a)の3C方向矢視図である。
図4】解錠動作を示すで、(a)は図5(a)の要部拡大図、(b)は図5(b)の要部拡大図である。
図5】解錠動作を示す断面図で、(a)は右側のロック片が暫定停止位置まで移動した状態を示す図、(b)は(a)の状態から被係止部を抜去操作した状態を示す図である。
図6】本発明の他の実施の形態を示す図で、(a)は断面図、(b)は(a)の6B-6B線断面図、(c)はプラグを解錠回転位置まで回転操作した状態の(a)の6B-6B線断面図である。
図7】ロック片の動作を示す図で、(a)は円柱部を挿入した状態における図6(a)の7A-7A線断面図、(b)はプラグを解錠回転位置まで回転操作した状態を示す図、(c)は図7(a)の7C-7C線断面図、(d)は図7(a)の7D-7D線断面図である。
図8】円柱部の抜去状態を示す図で、(a)は図7(a)に対応する図、(b)は図7(c)に対応する図である。
図9】プラグを反時計回りに回転させた状態を示す図で、(a)は図6(c)に対応する図、(b)は図7(a)に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1に示すように、錠装置は、屈曲自在な拘束体1の両端を連結して該拘束体1を閉ループ状態とすることにより施錠対象を拘束する所謂ワイヤ錠として使用される。本例における拘束体1は、焼入鋼等により形成された芯材の表面を合成樹脂材により被覆して形成したアーム1aを水平回転自在に連結して形成され、図1(b)、(c)に示すように、不使用時には折り畳んで保管することができる。
【0021】
また、上記拘束体1の両端に配置されるアーム1aの先端には円柱部1bが形成され、該円柱部1bに直交して凹溝を切り込むことによって被係止部2が形成される。
【0022】
図2に示すように、錠装置は、上記拘束体1の被係止部2が挿入される連結孔3を備えたほぼ直方体形状をなすケース4と、ケース4内に収容されるプラグ6、およびロック片7とを有する。
【0023】
プラグ6は軸長方向をケース4の長手方向に一致させてケース4の中心部に配置され、ケース4の一端面に露出するキー差し込み口6aから挿入される真正な解錠キー5によってのみ施錠回転位置から解錠回転位置まで回転操作することができる(以下、本明細書において、プラグ6のキー差し込み口6aが配置される側を「下」として位置関係を説明する。)。本例において、プラグ6の解錠回転位置は、施錠回転位置から時計、反時計両方向に90°回転させた位置に各々設定される。
【0024】
連結孔3は、上記拘束体1の円柱部1bが挿入可能で,軸長方向がプラグ6の回転中心に直交する円形断面孔として形成され、プラグ6の回転中心に対して対称位置に一対形成される。
【0025】
ロック片7は、上下方向に並進移動して上記連結孔3に直交方向から進退する矩形横断面形状を有するブロック状部材であり、圧縮スプリング(付勢手段8)により連結孔3への突出方向(上方向)に付勢される。このロック片7は鉛直面からなる係止面7aと、係止面7aと反対面の上端部を面取状に切り落として形成されるガイド斜面12とを有し、係止面7aを対峙させた状態で各連結孔3に対応して配置される。
【0026】
後述するように、ロック片7はカム面11により図4(a)において左側に示ように上記連結孔3内に突出して上記拘束体1の被係止部2に係止する係止位置と、図4(a)の右側に示すように、上端がやや連結孔3内に突出する暫定停止位置との間で駆動され、上記ガイド斜面12は、係止位置における連結孔3内への突出部のほぼ全域を斜めに切り落とした形状に形成される。また、係止面7aの上端には暫定停止位置における連結孔3内への突出部を斜めに切り落とした形状のストッパ斜面9が設けられるとともに、係止面7aの下端には上述した圧縮スプリング8の付勢力により後述するカム面11に圧接されるフォロワー突部10が突設される。
【0027】
上記ロック片7を圧縮スプリング8の付勢力に抗して所定位置に移動させるために、カム面11が形成される。本例において、カム面11は汎用のプラグ6を使用するために、プラグ6後端に連結されるアタッチメント13を介してプラグ6に連結されるカム部材14に形成されるが、プラグ6に一体に形成することもできる。
【0028】
図3に示すように、カム部材14は、中心部に開設される角孔14aをプラグ6の軸部に外嵌してプラグ6に空転不能に嵌合、連結され、該カム部材14の周縁部下面に凹凸を形成することにより上記カム面11が形成される。カム面11は低背部11a、高背部11b、および低背部11aと高背部11bとを接続する斜面部11cとから構成され、図3(a)に示すように、プラグ6が施錠回転位置にあるときに各ロック片7のフォロワー突部10は低背部11aに対応し、時計回り、あるいは反時計回りに90°回転して解錠回転位置まで移動した際には、いずれか一方のロック片7のフォロワー突部10が高背部11bに対応し、他方は低背部11aに留まるように配置される。
【0029】
したがってこの実施の形態において、プラグ6が施錠回転位置、すなわち、解錠キー5が抜去された状態においては、フォロワー突部10はカム面11の低背部11aに対応しており、圧縮スプリング8によりカム面11に押し付けられる。低背部11aはロック片7が係止位置まで突出する高さに設定されており、この状態で図2(a)の右側に示すように、拘束体1の円柱部1bを連結孔3に押し込むと、まず、円柱部1bがガイド斜面12に当接し、さらに押し込み操作を続けると、ガイド斜面12にはロック片7を下方に押し付ける分力が発生する。
【0030】
一方、カム面11は、ロック片7を上方に引き上げる力のみを付与し、ロック片7の下方への移動は何等規制されないために、ロック片7は上記分力により下方に移動して円柱体をかわした後、被係止部2に合致すると、圧縮スプリング8の反力により被係止部2に係止し、図2(a)の左側に示す係止状態となる。
【0031】
係止状態において、円柱部1bに抜去操作力を負荷しても、係止面7aと被係止部2の壁面とは引き抜き方向に対して直交する面で接触しているために、ロック片7には下方への分力は発生せず、係止状態が維持される。
【0032】
以上の施錠回転位置からプラグ6を時計回りに解錠回転位置まで回転操作すると、右側のロック片7のフォロワー突部10が斜面部11cを経由して高背部11bに乗り上げ、他方のフォロワー突部10は低背部11aに留まる。高背部11bはロック片7が暫定停止位置となる寸法に設定されており、図4(a)、図5(a)に示すように、右側のロック片7のみが暫定停止位置に移動するのに対し、左側のロック片7は依然係止位置に留まって円柱体1bの抜去が規制される。
【0033】
一方、暫定停止位置において、ロック片7の被係止部2への係止状態は維持されているために、拘束体1の自重等によって円柱部1bが直ちに抜去されることはない。また、暫定停止位置において被係止部2はストッパ斜面9に対峙しているため、この状態から円柱部1bに所定の抜去操作力を付与すると、ストッパ斜面9に下方への分力が発生し、図4(b)、図5(b)に示すように、抜去操作が可能になる。
【0034】
以上において、プラグ6を施錠回転位置から時計回り,すなわち右方向に回転させて回転方向に一致する右側のロック片7を暫定停止位置に駆動する場合を示したが、プラグ6を反時計回り、すなわち左方向に回転させた場合には、回転方向に一致する左側のロック片7のみが暫定停止位置に移動し、右側のロック片7は係止位置に留まる。
【0035】
なお、以上においては、プラグ6を施錠回転位置から時計、反時計回りに回転して各々の解錠回転位置まで操作した際、回転方向に一致するロック片7のみを暫定停止位置に移動させるように構成した場合を示したが、カム面11を適宜変更することにより、例えば、プラグ6を時計、あるいは反時計いずれか一方向にのみ回転操作可能とし、解錠側終端位置で双方のロック片7を暫定停止位置に移動させるようにすることができる。
【0036】
図6以下に本発明の他の実施の形態を示す。なお、本実施の形態の説明において、上述した実施の形態と実質的に同一の構成要素は図中に同一符号を付して説明を省略する。
【0037】
この実施の形態は、ロック片7を連結孔3の軸長方向に沿って配置される枢軸15周りに揺動自在なレバー状部材として形成した場合を示すもので、ロック片7は、枢軸15を挟んで一端に進退部7bを、他端にフォロワー突部10を有し、揺動動作に伴って進退部7bが上記連結孔3に直交方向から進退する。図6、7に示すように、ロック片7には圧縮スプリング8によって、進退部7bが連結孔3内に突出する方向の付勢力が付与される。
【0038】
また、上記進退部7bには、連結孔3の軸長方向に直交する鉛直面からなる係止面7aと、係止面7aと反対側壁面の上端部を面取状に切り落として形成されるガイド斜面12とが形成され、係止面7aを対峙させた状態で各連結孔3に対応して配置される。
【0039】
後述するように、ロック片7はカム面11により図7(a)に示ように上記連結孔3内に突出して上記拘束体1の被係止部2に係止する係止位置と、図7(b)に示すように、上端がやや連結孔3内に突出する暫定停止位置との間で駆動され、上記ガイド斜面12は、図7(a)の右側に示すように、係止位置において円柱部1bの先端に形成したテーパ面16に面接触するように形成される。
【0040】
また、係止面7aの上端には暫定停止位置における連結孔3内への突出部を面取状に斜めに切り落とした形状のストッパ斜面9が設けられる。
【0041】
図6に示すように、上記フォロワー突部10は、中心方向に向けて突設され、上述した圧縮スプリング8による付勢力によりカム面11に圧接される。カム面11は、プラグ6に連結されるカム部材14に突設され、回転中心に図心が一致する板状の押圧プレート17の一面に形成され、各ロック片7のフォロワー突部10は、プラグ6の回転中心に対して線対称位置を占めるように、カム面11上に並んで配置される。
【0042】
したがってこの実施の形態において、プラグ6が施錠回転位置、すなわち、解錠キー5が抜去された状態においては、押圧プレート17は図6(b)に示すように、連結孔3に平行な水平姿勢に保持され、双方のロック片7のフォロワー突部10は圧縮スプリング8によりカム面11に押し付けられる。カム面11は水平姿勢においてロック片7が係止位置まで突出する高さに設定されており、この状態で図7(a)の右側に示すように、拘束体1の円柱部1bを連結孔3に押し込むと、まず、円柱部1bのテーパ面16がガイド斜面12に当接し、さらに押し込み操作を続けると、ガイド斜面12にはロック片7を下方に押し付ける分力が発生する。
【0043】
一方、カム面11は、ロック片7を係止位置側に移動させる力のみを付与し、反対方向への移動は何等規制されないために、ロック片7は上記分力により係止解除方向に移動して円柱部1bをかわした後、被係止部2に合致すると、圧縮スプリング8の反力により被係止部2に係止し、図7(a)の左側に示す係止状態となる。
【0044】
係止状態において、円柱部1bに抜去操作力を負荷しても、係止面7aと被係止部2の壁面とは引き抜き方向に対して直交する面で接触しているために、ロック片7には係止解除方向への分力は発生せず、係止状態が維持される。
【0045】
以上の施錠回転位置から、図6(c)に示すように、プラグ6を時計回りに解錠回転位置まで回転操作すると、右側のロック片7のフォロワー突部10がカム面11により押されて該ロック片7が枢軸周りに回転する。ロック片7の回転により、該ロック片7のカム面11の側縁はプラグ6の回転ストローク終端において進退部7bが暫定停止位置となる寸法に設定されており、図7(b)、(d)に示すように、右側のロック片7のみが暫定停止位置に移動し、左側のロック片7は依然係止位置に留まって円柱体の抜去が規制される。
【0046】
暫定停止位置において、ロック片7の被係止部2への係止状態は維持されているために、拘束体1の自重等によって円柱部1bが直ちに抜去されることはない。また、暫定停止位置において被係止部2はストッパ斜面9に対峙しているため、この状態から円柱部1bに所定の抜去操作力を付与すると、ストッパ斜面9には図7(b)において上方への分力、すなわち、ロック片7を係止解除方向に回転させる分力が発生し、図8(a)、(b)に示すように、抜去操作が可能になる。
【0047】
以上において、プラグ6を施錠回転位置から時計回り,すなわち右方向に回転させて回転方向に一致する右側のロック片7を暫定停止位置に駆動する場合を示したが、プラグ6を反時計回り、すなわち左方向に回転させた場合には、図9に示すように、回転方向に一致する左側のロック片7のみが暫定停止位置に移動し、右側のロック片7は係止位置に留まる。
【符号の説明】
【0048】
1 拘束体
2 被係止部
3 連結孔
4 ケース
5 解錠キー
6 プラグ
7 ロック片
8 付勢手段
9 ストッパ斜面
10 フォロワー突部
11 カム面
12 ガイド斜面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9