【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成23年度、総務省、電波資源拡大のための研究開発委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【文献】
原田 博司 Hiroshi HARADA,ホワイトスペースにおける新たなブロードバンドアクセスに向けた研究開発 Research and Development on White Space Dynamic Spectrum Access Broadband Radio Systems,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.111 No.261 IEICE Technical Report,日本,社団法人電子情報通信学会 The Institute of Electronics,Information and Communication Engineers,2011年10月,第111巻
【文献】
齋藤 東 Azuma SAITO,ホワイトスペース利用型無線LANにおけるQuiet Periodの導入に関する一検討 A Study on Introducing Quiet Period into Wireless LAN over TV Whitespace,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.109 No.442 IEICE Technical Report,日本,社団法人電子情報通信学会 The Institute of Electronics,Information and Communication Engineers,2010年 3月,第109巻
【文献】
Kuroda,M., Ishizu,K., Harada,H., Komiya,Ryoichi,A Study of Radio-information Services for Networks of Cognitive Radios,Networking Technologies for Software Define Radio Networks, 2007 2nd IEEE Workshop on,2007年 6月21日,URL,http://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=4348971
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
該ネットワーク管理部が、該第1の無線システムのための利用可能周波数の情報を参照し、第2の無線システムに排他的に割当てられる空きチャネルが無いと判断するステップと、
該第1の無線システムの基地局が、送信停止期間を設けるために、フレーム制御のための信号を送信しないことで該第1の無線システムの端末を無送信状態にするステップと、
該第2の無線システムの基地局が、該第1の無線システム送信停止期間以外の期間を、第2の無線システムの送信停止期間として事前に第2の無線システムの端末に通知するステップと、
該第2の無線システムの基地局が、該第1の無線システムの送信停止期間に、第2の無線システムの端末と通信を行うステップと、を更に有して、該第1及び第2の無線システムが同一周波数を時分割で共用することを特徴とする請求項2記載の異種システム共存方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るホワイトスペース利用システムの構成図である。
本実施例のホワイトスペース利用システムは、IEEE802.22 WRANセルの管理・制御を行う基地局(BS)1と、中継局(RS:Relay Station)2と、端末(MS、STA)3と、インターネット4と、ホワイトスペースデータベース(WSDB)5からなる。本例のホワイトスペース利用システムでは、中継局2が、基地局1とはIEEE802.22で通信し、端末3とはIEEE802.11afで通信しながら、基地局1と端末3との間で行われる通信を中継する。このように異システムを接続する中継局2は、ゲートウェイとも称される。
【0017】
図2は、基地局1のブロック図である。基地局1は、アンテナ101と、IEEE802.22 準拠の基地局の送受信機能を有するIEEE802.22送受信部102と、IEEE802.22準拠のスペクトルマネージャ(Spectrum Manager:SM)であるIEEE802.22 周波数管理部103と、基地局1に接続している中継局が管理するネットワーク(IEEE802.11af WLAN)の利用周波数チャネルや送信可能タイミングや最大送信電力を制御するネットワーク管理部104と、インターネットに接続する接続端子105と、各機能部(102〜104)及び接続端子105の間のインターフェースとなるインターフェース部106からなる。
IEEE802.22周波数管理部103は、コグニティブ無線の基地局において中核的な機能部であり、IEEE802.22として利用可能な周波数の情報を維持し、自己及び近隣のIEEE802.22基地局の運用チャネルや予備チャネルのリストを管理し、QPのスケジュールを管理し、IEEE802.22同士の共存機能を実装する。
ネットワーク管理部104は、IEEE802.22周波数管理部103が維持しているIEEE802.22利用可能周波数情報を参照し考慮して、IEEE802.11af WLANの利用周波数チャネルを管理するほか、必要に応じ、IEEE802.11afに割当てたチャネルを干渉情報として、あるいは自己又は仮想のIEEE802.22基地局で運用、準備或いは候補チャネルになっているものとして、IEEE802.22周波数管理部103に通知する。
【0018】
図3は、中継局2のブロック図である。中継局2は、アンテナ201と、IEEE802.22 準拠の端末機能を備えるIEEE802.22 CPE 機能部202と、IEEE802.11af 準拠のWLANアクセスポイント機能(ルーティング機能を含む)を備えるIEEE802.11af AP機能部203と、ネットワーク管理部104にログインし、帯域(周波数チャネル)の要求、獲得を行う機能を備える異システム共存機能部204と、各機能部(202〜204)のインターフェースとなるインターフェース部205からなる。これにより中継局2は、IEEE 802.11af WLAN内で通信可能であり、またIEEE802.22 WRANをバックホールとして利用できる。
なおルーティング機能は、異なるネットワークを接続する際に必要なもので、IEEE802.11af AP機能部203以外の機能部(インターフェース部205や106)に備えてもよい。異システム共存機能部204は、SNMP(Simple Network Management Protocol)や他の公知技術(近隣者発見プロトコル等)を用いてネットワーク管理部104への接続に必要な情報(アドレス等)を自ら得る。
【0019】
なお
図3において、アンテナ201はIEEE802.22 CPE 機能部202とIEEE802.11af AP機能部203に異なるアンテナを接続しているが、指向性、利得などが同一で良い場合には、分配器、合成器などを用いて1つのアンテナを共用しても構わない。
【0020】
本実施形態では、基地局1に具備されているネットワーク管理部104と中継局2に具備されている異システム共存機能部204がIEEE802.22の無線回線を利用して通信を行うことにより、IEEE802.11af
WLANが用いる周波数チャネルの決定、管理することを特徴とする。また、一次利用者の検出を正しく行うため、該周波数チャネルについてIEEE802.22 WRANとIEEE802.11af WLANが送信停止期間(Quiet Period: QP)を同期することも特徴の一つである。
【0021】
以下
図4、
図5、
図6を用いて、IEEE802.22 WRANとIEEE802.11af WLANの共存の流れを3つのケースごとに説明する。 3つのケースとはそれぞれ、IEEE802.11afのみが利用可能なチャネルがある場合(ケース1)、利用可能なチャネルが複数ありIEEE802.22 WRAN と IEEE802.11af WLANが異なるチャネルを利用可能な場合(ケース2)、利用可能なチャネルが1チャネルしかなくIEEE802.22 WRAN と IEEE802.11af WLANが異なるチャネルを利用できない場合(ケース3)である。ケース1と2におけるIEEE802.22 WRANとIEEE802.11af WLANの各システムが利用可能な周波数を、以下の表のように想定する。
【表1】
【0022】
この想定では、IEEE802.22 WRANはf1, f2が利用可能であり、f3, f4 は一次利用者への干渉保護のため使用することができない。IEEE802.11af WLANは、周波数チャネルf1、f2、f4がホワイトスペースとして利用可能であり、周波数チャネルf3は、一次利用者への干渉保護のため使用できない。
ここで、周波数チャネルf4をIEEE802.11af WLANが使用できて、IEEE802.22 WRAN が使用できないのは、送信電力の違いによるものであり、IEEE802.11af WLANは中近距離の通信を目的としているため、IEEE802.22 WRANよりも小電力で通信可能であり、一次利用者に干渉を与えることなく、通信可能なためである。その逆の場合(IEEE802.22のみが利用可能なチャネルがある場合)は想定しない。仮にIEEE802.22のみが利用可能なチャネルがある場合は、IEEE802.22 WRANが規格にしたがってそのチャネルを任意に使えるものとする。
【0023】
またWSDB5は、この表1の通りの情報或いはこの表を導出可能な情報を維持している。例えば、その周波数チャネルにおける利用可否(一次システムの有無)と、可能な場合における最大許容送信電力とを、周波数チャネル毎に保持し、最大許容送信電力を各システムで最低限必要とされる電力と比較するようなものでも良い。
なお、IEEE802.11afにおけるチャネル配置が、IEEE802.22(或いは一次システム)のそれと異なるような場合(例えばチャネル間隔が、前者が4MHzで後者が6MHzであるような場合)が考えられる。その場合、IEEE802.22 WRAN と IEEE802.11af WLANが異なるチャネルを利用すると言ったときは、それらのチャネルの占有帯域は重なりが無いことを意味し、IEEE802.22 WRAN と IEEE802.11af WLANが同じチャネルを利用すると言ったときは、それらのチャネルの占有帯域は重なりがあることを意味するものとする。
【0024】
[ケース1:IEEE802.11afのみが利用可能なチャネルがある場合]
図4にIEEE802.11afのみが利用可能なチャネルがある場合の共存動作の詳細を説明する。
【0025】
[S401]
まず初めに、中継局2は、基地局1とのバックホール回線を確立するため、IEEE802.22のCPE機能202を用いて、IEEE802.22 WRANにネットワークエントリを行う。
本例では、IEEE802.22 WRANは周波数チャネルf1を用いて通信しており、中継局2は基地局1が周波数f1を用いて送信するSCH(Superframe Control Header)やCBP(Coexistence Beacon Protocol)といったメッセージを受信することによって、IEEE802.22 WRANが使用するチャネル(運用チャネル:operating channel)や予備チャネル(バックアップチャネル:backup channel)を認識する。それらの情報はIEEE802.22CPE機能部202と異システム共存機能部204に記憶される。
中継局2は、IEEE802.22 WRANへのネットワークエントリに加え、IEEE802.11af WLANの中継装置であることを基地局1のネットワーク管理部104に通知する。
【0026】
[S402]
基地局1と中継局2の通信を確立した後、中継局2のIEEE802.11af AP機能部203は、IEEE802.11af WLANが利用可能な周波数チャネル候補のリストの取得するために、異システム共存機能部204に対し、WSD
B5へアクセスしホワイトスペースとして利用可能なチャネルを取得するよう命令を出す。
命令を受けた異システム共存機能部204は、
WSD
B5にアクセスし、IEEE802.11af WLANが利用可能な周波数チャネル候補のリストを取得し、取得情報を記憶する。
このように、IEEE802.11af機能部203は、IEEE802.22 WRANの無線回線を利用して直接DBにアクセスするのではなく、異システム共存機能部204をゲートウェイやプロキシサーバーのように用いることによって、ホワイトスペース情報の取得を試みる。
【0027】
なお、異システム共存機能部204は、ネットワーク管理部104をゲートウェイやプロキシサーバーとして利用し、ネットワーク管理部104が周波数候補のリストを代理取得し、異システム共存機能部204に通知しても良い。したがって、ネットワーク管理部104は、基地局1内に具備されずに、インターネット4内にサーバー等として設置しても良い。ネットワーク管理部104は、IEEE802.22周波数管理部103やWSDB5に問合せたホワイトスペース情報をキャッシュすることで、WSDB5の負荷を軽減させることができる。
【0028】
[S403]
中継局2の異システム共存機能部204は、IEEE802.11af WLANが利用可能なチャネルリストを取得すると、取得したリストを基地局1のネットワーク管理部104に通知し、基地局1は受信確認メッセージを返信する。
なお、ステップS402において、ゲートウェイ、プロキシサーバー機能などによって異システム共存機能部204がネットワーク管理部104に代理させてリストの取得を行った場合には、その時点でネットワーク管理部104が記憶を行えばよく、本ステップS403は不要である。
【0029】
[S404]
中継局2の異システム共存管理部204は、IEEE802.22 WRANが利用可能なチャネルリストと、IEEE802.11af WLANが利用可能なチャネルリストの比較を行う。IEEE802.11af WLANのみで使用可能なチャネルがあり、システム規定の通信品質を満足するチャネルであれば、そのチャネルを用いることと判断し、そのチャネルをIEEE802.11af AP機能部203に通知する。
本例では、IEEE802.11af WLANで利用可能なチャネルである周波数チャネルf4を用いる。異システム共存管理部204から周波数チャネルf4が利用可能という通知を受けたIEEE802.11af AP機能部203は、一次利用者の不在を定期的に確認するため、無送信期間(Quiet Period:QP)の周期、期間を設定、記憶し、さらに異システム共存管理部204に通知を行う。QPの周期は、IEEE802.22 WRANの無線フレームの周期(10ms)或いはスーパーフレームの周期(160ms)の整数倍に設定することが望ましい。
なお、IEEE802.11af WLANのみで使用可能なチャネルが無い場合には、
図5、
図6に示す手続きによって、通信に用いる周波数を決定する。(詳細は後述する。)
【0030】
[S405]
中継局2の異システム共存管理部204は、周波数チャネルf4の使用決定とQPに関する情報を基地局1のネットワーク管理部104に通知する。通知を受信した基地局1は、受信確認メッセージを中継局2に返信し、ネットワーク管理部104はIEEE802.22 周波数管理部103に受信したQPに関する情報を通知する。
このステップにより、周波数チャネルf4についてQPを同期させることが可能になる。つまり、IEEE802.22 周波数管理部103は、IEEE802.11af WLANのQP期間に一致させたf1のQP期間で、f4を帯域外(out-band)センシングする。一致させることができなかったQP期間は、f4以外のセンシングに利用すればよい。これにより、IEEE802.22 WRAN がIEEE802.11af WLANを一次利用者として誤検出してしまうことを防ぐことができ、IEEE802.22 WRANは一次利用者の不在を正しく確認可能となる。また、WSDB5のチャネルリストが更新されIEEE802.22 WRAN が周波数チャネルf4を利用することが可能となった際には、QPタイミングに基づきIEEE802.11af WLANによる使用が強く想定されるタイミングで十分センシングする。これにより、IEEE802.11af WLANの存在の検知に失敗しIEEE802.11af WLANに干渉を与えてしまうことをより確実に防ぐこともできる。
なお、周波数チャネルf4以外の周波数については、QPの同期を行わなくてもよく、周波数f1については、既にIEEE802.22 WRANが設定しているQPによって一次利用者の不在確認を行ってよい。
【0031】
[S406]
中継局2はIEEE802.11af規定の手続きにより、端末3と認証、接続確立を行う。
【0032】
[S407]
端末3はIEEE802.11af規定の手続きにより、中継局2と接続確立時に取得したQPの情報を記憶する。
【0033】
[S408]
中継局2は、周波数f4を用いてIEEE802.11af WLANの通信を行う。これと平行してIEEE802.22 WRANは周波数f1を用いて通信可能であり、2つのシステムは共存可能である。また、IEEE802.11af WLANの端末3は、基地局1と中継局2を介してインターネット5に接続することができる。
【0034】
[S409]
中継局2は、ステップS405で決定した期間(QP)において、一次利用者の不在を確認する。一次利用者を検知した場合は、そのチャネルを保護チャネルとして使用を禁止する。
IEEE802.22 WRAN が周波数チャネルf4についてホワイトスペースとして利用可能かどうかを確認する場合には、周波数チャネルf4のQPを同期して、一次利用者の不在確認を行う。
以後、さらなる帯域要求が発生した場合には、S404、S405のステップにより、チャネルの取得を行う。また、新たな帯域要求がなくても、定期的あるいは次のQPのスケジュールが決まるたびにS405の通知をし、IEEE802.22 周波数管理部103は通知から所定時間経過したQPを無効として消去するようにしてもよい。
【0035】
[ケース2:IEEE802.22 WRANとIEEE802.11af WLANが異なるチャネルを利用可能な場合]
図5にIEEE802.22 WRANとIEEE802.11af WLANが異なるチャネルを利用可能な場合、すなわちホワイトスペースとして利用可能なチャネルが2チャネル以上ある場合の共存動作の詳細を説明する。
【0036】
[S501〜S504]
ステップS401〜S404と同様である。
【0037】
[S505]
ステップS504において、IEEE802.11af WLANのみが使用できるチャネルが存在しない場合、中継局2の異システム共存機能部204は、基地局1のネットワーク管理部104に帯域要求(チャネル割当要求)を行う。
IEEE802.22 WRANが未使用のチャネルはIEEE802.11af WLANが干渉を与えることなく使用可能であるため、これらのチャネルから任意のチャネルを選択し、チャネルを指定して割当要求してもよいし、チャネルは未指定としてネットワーク管理部104にチャネルの割当を任せても良い。
【0038】
[S506]
帯域要求を受信した基地局1のネットワーク管理部104は、割当チャネルが指定されている場合は、近隣に存在する他のIEEE802.22 WRANに対して干渉を与えないかなどを考慮した上でそのチャネルが使用可能かどうかの判定を行い、割当チャネルが未指定の場合には、任意の割当チャネルを選択する(本実施例ではf2を選択)。
さらに、ネットワーク管理部104は、近隣のIEEE802.22 WRANのチャネル使用状況などを考慮した上で、他のシステムに干渉を与えないような、割当チャネルにおける送信可能なタイミング(アクティブフレーム)とQPと許容最大電力(必要であれば)を決定する。このとき、IEEE802.22 WRANが複数のチャネルを使用している場合に、使用中のチャネルを開放し、IEEE802.11af WLANに割当てる選択を行っても良い。
決定したQPは、IEEE802.22周波数管理部(SM)103に通知・設定される。これにより、IEEE802.22システムがIEEE802.11afがQPのときにf2を用いて送信を行うことを防ぐことができる。
さらに、BS001は、定期的に送信するCBPにf2が運用チャネルであるという情報を含めてもよく、これにより他のIEEE802.22 WRANが周波数チャネルf2を使用するのを防ぐことができる。
【0039】
[S507]
基地局1は決定した割当チャネル、送信可能タイミング、QPを中継局2に通知する。帯域要求時にチャネルを指定されていて、そのチャネルが使用不可と判断した場合には、割当チャネルなし(使用不可)として情報を中継局2に通知する。
割当結果を受信した中継局2は、受信確認メッセージを基地局1に返信する。
【0040】
[S508]
割当結果を受信した中継局2のIEEE802.22 CPE 機能部202は、異システム共存機能部204とIEEE802.11af機能部203に、割当チャネル、送信可能タイミング及びQPを通知し、そこで記憶・設定が行われる。この送信タイミングとQPは近隣のIEEE802.22 WRANのチャネル使用状況を考慮して決定されたものであるため、近隣のIEEE802.22との干渉を未然に防ぎ、さらに、QPにおける一次利用者の誤検出や誤警報を防ぐことができる。
【0041】
[S509]
中継局2のIEEE802.11af機能部203は、IEEE802.11af規定の手続きにより、端末3と認証、接続確立を行う。
【0042】
[S510]
端末3は、IEEE802.11af規定の手続きにより、端末3と接続確立時に取得したQPの情報を記憶する。
【0043】
[S511〜S512]
決定した送信可能期間とQPにおいて、IEEE802.22及びIEEE802.11afが通信と一時システムの不在確認を夫々行う。本実施例では、IEEE802.22とIEEE802.11afの送信可能期間とQPが同期しているが、使用している周波数が異なるため同期は必須ではない。
【0044】
[ケース3:IEEE802.22 WRANとIEEE802.11af WLANが異なるチャネルを利用できない場合]
図6にIEEE802.22 WRAN とIEEE802.11af WLANが異なるチャネルを利用できない場合、たとえば、ホワイトスペースとして利用可能なチャネルが1チャネルしかなく、周波数チャネルf1のみが利用可能であると仮定した場合の共存動作の詳細を説明する。本実施例では、利用可能なチャネルが1チャネルしかない場合は、時分割でチャネルを共用し、各システムはIEEE802.22規定のフレーム単位でチャネルを利用する。
【0045】
[S601〜S605]
ステップS501〜S505と同様である。
【0046】
[S606]
帯域要求を受信した基地局1のネットワーク管理部104は、周波数チャネルf1を用いてIEEE802.11af WLAN と時分割共用するため、IEEE802.11af WLANの送信可能タイミング(フレーム)、QPの周期、期間を決定する。決定した情報は周波数管理部103に通知される。なお、通常のSCHやCBPにはIEEE802.22 WRANが使用するフレームをアクティブフレームとして情報を付加するが、本発明においては、IEEE802.11af が使用するフレームもIEEE802.22 WRANと区別することなくアクティブフレームとして情報を付加する。これにより、近隣のIEEE802.22 WRANによってIEEE802.11afに割当てたフレームが使用されることを防止できる。
【0047】
[S607〜S610]
ステップS507〜S510と同様である。ただし、複数の中継局2で同じチャネルを共有することができ、その際S607で各中継局に通知する割当チャネル、送信可能タイミング、QPは共通である。
また端末3は一般に、一次利用者の不在確認(センシング)を行わないので、端末3に対しては、IEEE802.11afが送信可能なフレーム以外は全てQPとして通知・設定しても一次利用者を誤検出することはないため、その期間をQP(送信が禁止された期間であればよい)に設定する。
【0048】
[S611]
IEEE802.11af WLANIEEE802.11af AP機能部203及び端末3)は、割当てられた送信可能期間において、周波数チャネルf1を用いて通信を行う。
IEEE802.22 WRANは無送信で待機する。なお、基地局1はSCHやCBPを用いて本レームを基地局1のアクティブフレームとして通知しているので、IEEE802.22のCPEはIEEE802.22 WRANのフレームが送信されているものと認識するが、実際には基地局1からフレームプリアンブルやFCH(Frame Control Header)、DSMAP、USMAPなどのフレーム制御情報の送信を行わない。このため、本フレームにおいて、CPEが送信することはなく、IEEE802.11af WLANに対して干渉を与えることはない。
【0049】
[S612]
IEEE802.22 WRAN は、割当てられた送信可能期間において、周波数チャネルf1を用いて通信を行う。
IEEE802.11af WLAN(IEEE802.11af AP機能部203及び端末3)は無送信で待機する。無送信は各種の公知の方法で実現でき、例えば、アクセス方式にPCF(Point Coordination Function)を利用している場合は、IEEE802.22 WRANがアクティブな期間に一致させてCFP(Contention Free period)を設定し、ビーコン或いはProbe Responseに含ませるパラメータで通知するとともに、CFPの間、全ての端末3にアクセス権を与えない(CF−Pollを送信しない)ことで実現できる。
【0050】
[S613]
IEEE802.22 WRANとIEEE802.11af WLANは無送信となり、一次利用者の不在確認を行う。
なお、(使用周波数をWSDB5に確認しているという理由で)IEEE802.11af WLANがスペクトルセンシングを必須としないなら、このステップのIEEE802.11af WLANのQPは、単なる無送信でよい。IEEE802.22 WRANのQPには、”Intra-frame sensing”用の短期間且つ短周期のQPと、”Inter-frame sensing”用の長期間且つ長周期のQPの2種類がある。短期間QPであれば、IEEE802.11af WLANはRTS/CTS手順により通信予告をし、実際には通信を行わないことで、期間中の無送信を実現できる。
【0051】
以上のように、本実施例のような中継局を用いることによって、IEEE802.22とIEEE802.11afの共存が可能となる。