(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
絞りユニットや振れ補正ユニット等の電動ユニットを有するズームレンズにおいて、これらの電動ユニットとメイン基板とを電気的に接続するために、一般にフレキシブルプリント基板が用いられている。このフレキシブルプリント基板は可撓性を有しているため、ズーム動作に応じて電動ユニットが光軸方向に移動してメイン基板との距離が変化するようなズームレンズにおいては、フレキシブルプリント基板を用いることは特に有効である。
【0003】
しかしながら、ズームレンズの高変倍化や小径化が進むにつれて、レンズ内においてフレキシブルプリント基板を適切に配置する必要が生じている。
そのような、フレキシブルプリント基板の配置に関する技術が種々提案されている。
【0004】
例えば特許文献1に開示の発明では、固定部1の内側に回転または光軸方向へ移動可能に保持された駆動筒と、この駆動筒の内側に配設され駆動筒に連動して光軸方向に移動する光学レンズを保持した複数の移動鏡筒3,4と、この移動鏡筒3,4のうちの1つに固定された電動駆動の絞りユニット5と、この絞りユニット5に一端が電気接続され、他端が固定部1に支持されたフレキシブルプリント基板9と、絞りユニット5の固定された移動鏡筒3に光軸と平行に設けられた第1の支持部材10と、第1の支持部材10にガイドされて光軸方向の前方または後方へ導かれ途中で少なくとも1回以上折り返されたフレキシブルプリント基板9をガイドするように固定部1に光軸と平行に固定された第2の支持部材11とを備えた構成としている。
【0005】
これにより、移動鏡筒の移動時におけるフレキシブルプリント基板と周辺部材との干渉を防止することができ、この結果、不快音の発生もなく、相対的に移動する電気部品間の安定した電気接続を可能にすることができる、としている。
【0006】
また、特許文献2に開示の発明では、固定筒4に取り付けた制御部24と固定筒4に対し光軸方向に移動される移動群17に設けた電気装置10とを接続する可撓性プリント配線接続部材15のプリント配線面を固定筒4の光軸に対し放射方向とほぼ垂直に配設し、かつ可撓性プリント配線接続部材15を制御部24と固定部材との間に配設し、さらに鏡筒内の他の部品と接触しないようにガイド部材14,20を配置した。可撓性プリント配線接続部材15は固定側保持部材20により固定筒4の光軸方向とほぼ垂直にS字状に配設し、電気装置が一体的に固定される移動群に、固定筒4の光軸方向にほぼ平行に可撓性プリント配線接続部材を保持するための可動側保持部材14を設けた構成としている。
【0007】
これにより、可撓性プリント配線接続部材を、少なくとも固定筒などの円筒部材の外に収納することができ、フレキシブルプリント配線板が固定筒内の他の移動レンズ群や個所に干渉してストレスや断線等が生じないように広いスペースを与える必要がなくなり、ひいてはレンズ鏡筒の外径を小さくすることができる。また、可撓性プリント配線接続部材が固定側保持部材により固定筒の光軸方向とほぼ垂直にS字状に配設されていることにより、可撓性プリント配線接続部材によりストレスをかけることがなくなる、としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記の従来技術では以下のような問題点があった。すなわち、特許文献1に開示の発明は、絞りユニット5の他に振れ補正ユニットを第3群鏡筒3付近に実装する場合を考えると、フレキシブルプリント基板9の円弧状に折返された部分9bのためのスペースを確保することが難しい。そのため、フレキシブルプリント基板9の全長が短くなり、第3群鏡筒3の移動量がさらに制限されるので、高倍率ズームレンズに適用するのは望ましくない。
【0010】
また、フレキシブルプリント基板9の全長を確保するためにレンズの外径方向にたわみスペースを設けようとしても、ズーム動作時に回転及び進退するカム筒2に逃げ形状を作ることになり望ましくない。さらに、フレキシブルプリント基板9及び第2の支持部材11が通る開口部を、ズーム動作時に回転及び進退するカム筒2に設ける必要があるため、カム筒2の強度が低下してしまう。
【0011】
また、振れ補正ユニットと接続するためのフレキシブルプリント基板を絞りユニット5のものと同様に配置しようとすると、支持部材やそのための開口部等が必要となって構造が複雑化し、レンズ鏡筒の径方向の小型化が困難になってしまう。
【0012】
また、特許文献2に開示の発明は、プリント配線基板15をレンズ鏡筒の半径方向にS字状に屈曲させているため、レンズ移動13の移動量が増えるとプリント配線基板15の全長が長くなって収納するために必要なスペースが大型化し、その結果、レンズ鏡筒の径も増加してしまうことになる。
【0013】
また、電磁絞り機構10の他に振れ補正ユニットを実装する場合を考えると、振れ補正ユニットを制御するための回路や、レンズ鏡筒の振れを検出するためのジャイロ等を新たに実装する必要が生じ、制御基板24及びその周辺にプリント配線基板15をS字状に屈曲させて収納するためのスペースを確保することが難しい。
【0014】
さらに、振れ補正ユニットと接続するためのプリント配線基板を電磁絞り機構10のものと同様に配置しようとすると、ガイド部材やそのための開口部、さらには収納スペースが必要となって構造が複雑化し、レンズ鏡筒の径方向の小型化が困難になってしまう。
【0015】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ズーム動作に伴う電動ユニットの移動量が大きくてもフレキシブルプリント基板の長さを十分に確保でき、さらに径方向の小型化が可能なレンズ鏡筒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明を実施のレンズ鏡筒は、少なくとも電動ユニットを有する移動枠ユニットと、鏡筒本体に固定され、移動枠ユニットを保持する固定筒と、固定筒の内側に位置し、
ズーム動作に際して回転しながら光軸方向に進退するとともに移動枠ユニットを光軸方向に進退させるカム筒と、鏡筒本体に固定されるメイン基板と、電動ユニットとメイン基板とを電気的に接続するフレキシブルプリント基板と、固定筒の外側に位置し、鏡筒本体に固定される第1のガイド部材と、移動枠ユニットに固定される第2のガイド部材とを有し、
メイン基板は光軸と直交する円環形状を有し、内径側に第1の切り欠き部を設け、第1のガイド部材は
L字状の断面を有し、光軸方向においてフレキシブルプリント基板を折り返した状態で固定筒の外側に保持しており、折り返しにより生じた光軸方向後方にU字状に突出するフレキシブルプリント基板のたるみ部は、固定筒とカム筒の光軸方向後方に這いまわされ、たるみ部は移動枠ユニットの光軸方向の進退に伴って移動枠ユニットと同一方向に移動
し、メイン基板と接続される側のフレキシブルプリント基板は、第1のガイド部材によってレンズ鏡筒の半径方向外側にガイドされ、メイン基板の外周側を迂回してメイン基板と接続され、たるみ部は、ワイド側ズーム位置において第1の切り欠き部に進入することを特徴とする。
【0017】
さらに本発明を実施のレンズ鏡筒は、上記発明において
、フレキシブルプリント基板は、メイン基板の内径側に設けられた第1の切り欠き部と、固定筒の光軸方向後方に設けられた第2の切り欠き部と、第1のガイド部材の光軸側平面と、移動枠ユニットの外周面とで形成される空間に収納されることを特徴とする。
【0019】
さらに本発明を実施のレンズ鏡筒は、上記発明において、電動ユニットは振れ補正ユニットであり、レンズ鏡筒は、振れ補正ユニットの光軸方向前方に隣接する絞りユニットをさらに有し、絞りユニットとメイン基板とを電気的に接続する絞り用フレキシブルプリント基板は、フレキシブルプリント基板と一体となってメイン基板と接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明を実施のレンズ鏡筒によれば、高倍率ズームレンズ等において、ズーム動作に伴う電動ユニットの移動量が大きくてもフレキシブルプリント基板の長さを十分に確保でき、固定筒とカム筒の配置関係に寄らずにフレキシブルプリント基板を適切に配置でき、さらに、レンズ鏡筒の径方向の小型化を達成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面に従って、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0023】
図1は、本発明の実施形態の一つであるレンズ鏡筒の断面図である。本図の上半分と下半分は共に同一部位の断面図を示しており、上半分はワイド側にズーミングした状態、下半分はテレ側にズーミングした状態を表している。
【0024】
本実施形態のレンズ鏡筒100は、被写体側から順に第1レンズ群G1から第4レンズ群G4を有する、いわゆる4群ズームレンズであり、且つ、絞りユニットも単独で光軸方向に移動する構成のズームレンズである。各レンズ群はズーム動作に伴って光軸と平行な方向に移動する。また、第2レンズ群G2はフォーカス動作に伴って光軸方向に移動し、いわゆるフォーカスレンズ群として機能する。
【0025】
第3レンズ群G3は本図中にも示す通り、前群G3aと中群G3bと後群G3cとから成る。真ん中に位置する中群G3bは、ユーザの手振れに起因する像振れを補正するために光軸と直交する方向にも移動可能であり、いわゆる防振レンズ群として機能する。
【0026】
レンズ鏡筒100の一端には、不図示のカメラ本体と結合するためのバヨネット部を有するマウント101が設けられており、後部筒102にネジ止めによって固定されている。後部筒102にはまた保持筒103がネジ止めによって固定されており、保持筒103にはさらに固定筒210がネジ止めによって固定されている。これらはカメラ本体に対してレンズ鏡筒100の鏡筒本体を構成している。
【0027】
図2は、本実施形態のレンズ鏡筒100において、ズーム機構及びフォーカス機構を実現するカム組ユニットの構造を示す分解斜視図である。
図1及び
図2を用いて、本実施形態のレンズ鏡筒100のズーム機構について説明する。
【0028】
固定筒210の内周側には、光軸回りに回転可能な状態に保持されたカム筒220が設けられている。カム筒220の外周面にはネジ止めされたコロ221が複数配置されており、これらが固定筒210の内周面に複数設けられたカム溝210aとそれぞれ係合している。これにより、カム筒220を回転させると、カム溝210aに沿ってカム筒220のコロ221が移動し、その結果、カム筒220が回転しながら光軸方向に移動する。
【0029】
カム筒220の外周面には、コロ221の他にコロ222がネジ止めで複数配置されている。これらのコロ222は、フォーカスカム筒230に複数設けられたカム溝230aと、直進筒240に複数設けられたカム溝240aと、1群カム筒250に複数設けられた直進溝250aとにそれぞれ係合している。また、直進筒240の内周面にはコロ241がネジ止めで複数配置されており、これらのコロ241が固定筒210の外周面に設けられた直進溝210bとそれぞれ係合している。
【0030】
第2レンズ群G2を保持する2群保持枠231の外周面には、ネジ止めされたコロ232が複数配置されている。これらのコロ232は、フォーカスカム筒230に設けられた複数のカム溝230bと、直進筒240の内周面に設けられた複数の直進溝240bとにそれぞれ係合している。これにより、カム筒220を回転させると、これらのカム溝と直進溝とにコロが連動し、直進筒240が光軸方向に直進移動すると共に、2群保持枠231が光軸方向に直進移動し、第2レンズ群G2が光軸上を所定の距離だけ移動する。本実施形態のレンズ鏡筒100では、この第2レンズ群G2がフォーカスレンズ群として機能する。
【0031】
第1レンズ群G1を保持する1群保持枠261は1群直進筒260にネジ止めで一体的に固定されている。この1群直進筒260の内周面には不図示の直進溝が複数設けられており、直進筒240の外周面にネジ止めで複数配置されたコロ242がそれらと係合している。また、1群直進筒260の内周面には、ネジ止めされたコロ262が複数配置されている。これらのコロ262は、1群カム筒250に複数設けられたカム溝250bと、直進筒240に複数設けられた直進溝240cとにそれぞれ係合している。これにより、カム筒220を回転させると、これらのカム溝と直進溝とにコロが連動し、1群カム筒250が回転しながら光軸方向に移動すると共に、1群直進筒260が光軸方向に直進移動し、第1レンズ群G1が光軸上を所定の距離だけ移動する。
【0032】
1群中継筒270は直進筒240の外周面にネジ止めで固定されている。この1群中継筒270は、レンズ鏡筒100がズーム操作により全長が伸びた際の内周側に位置する1群カム筒250等と覆い隠す働きを有しており、レンズ鏡筒100の外観を形成する。
【0033】
カム筒220の内周側には3群移動枠300が配置されている。3群移動枠300の内周側には、被写体側から順に絞りユニット310と第3レンズ群G3と第4レンズ群G4とが配置されており、さらに、第3レンズ群G3内の中群G3bを光軸と直交する方向に移動させるための振れ補正ユニット320も配置されている。振れ補正ユニット320には、振れ補正ユニット320と保持筒103に固定されるメイン基板105とを電気的に接続するための振れ補正用フレキシブルプリント基板(振れ補正用FPC)325が固定されている。3群移動枠300の一部にはこの振れ補正用FPC325を引き出すための開口302が設けられている。この振れ補正用FPC325については、後に詳述する。
【0034】
3群移動枠300の外周面にはコロ301がネジ止めで複数配置されている。これらのコロ301は、カム筒220に複数設けられたカム溝220aと、固定筒210の内周面に複数設けられた直進溝210cとにそれぞれ係合している。これによりカム筒220を回転させると、3群移動枠300は光軸方向に直進移動する。
【0035】
絞りユニット310は絞り駆動部と絞り羽根部とを有し、絞り駆動部の制御により絞り羽根部を駆動することによって、レンズ鏡筒100の絞り値を変化させ、不図示のカメラ内の撮像素子に到達する光量を調節する。絞りユニット310の外周面にはコロ311がネジ止めで複数配置されており、これらのコロ311は、カム筒220に複数設けられたカム溝220bにそれぞれ係合している。また、これらのコロ311は、3群移動枠300の被写体側端部に設けられた直進溝300aにも係合している。これによりカム筒220を回転させると、絞りユニット310は光軸方向に直進移動する。
【0036】
第3レンズ群G3は
図1にもあるように、前群G3aと中群G3bと後群G3cとで構成されている。前群G3aは振れ補正ユニット320内の3a群保持枠322に保持されており、振れ補正ユニット320の外周面にはコロ321がネジ止めで複数配置されている。これらのコロ321は、振れ補正ユニット320の本体に複数設けられた不図示のコロ穴と3群移動枠300に複数設けられたコロ穴300bとにそれぞれ係合している。
【0037】
中群G3bは振れ補正ユニット320内の補正レンズ保持枠323に保持されている。この補正レンズ保持枠323は振れ補正ユニット320の本体に対して光軸と直交する方向に移動可能に保持されており、マグネットとコイルとを有する駆動部によって所望の位置に駆動される。また、後群G3cを保持する3c群保持枠324は3群移動枠300に対してネジ止めで固定されている。
【0038】
第4レンズ群G4を保持する4群保持枠340は3群移動枠300のカメラ側の内周側に配置されている。また、3群移動枠300のカメラ側の外周側には4群移動枠330が配置されている。4群保持枠340の外周面にはコロ341がネジ止めで複数配置されている。これらのコロ341は、3群移動枠300に複数設けられた直進溝300cと、4群移動枠330に複数設けられたカム溝330aとにそれぞれ係合している。4群移動枠330の被写体側端部には光軸方向にコロ用腕部が延在して設けられており、その先端外周側にはコロ331がネジ止めで配置されている。このコロ331は、カム筒220に設けられたカム溝220cに係合している。
【0039】
また、3群移動枠300のカメラ側外周面には不図示のコロがネジ止めで配置されており、このコロは4群移動枠330に設けられた横溝330bと係合している。これにより、カム筒220を回転させると、これらのカム溝と直進溝と横溝とにコロが連動し、4群移動枠330が3群移動枠300の外周面上を回転すると共に、4群保持枠340が3群移動枠300に対して光軸方向に直進し、第4レンズ群G4が光軸上を所定の距離だけ移動する。
【0040】
カム筒220の外周面には不図示のズームレバーがネジ止めで配置されている。また、保持筒103の外周側にはレンズ鏡筒100の外観を形成するズーム操作リング104が設けられており、後部筒102に対して回転可能に保持されている。このズームレバーは、ズーム操作リング104に設けられた不図示の直進溝と係合している。これにより、ユーザがズーム操作リング104を回転操作すると、その回転力がズームレバーを介してカム筒220を一体的に回転させる。その結果、上述したようなズーム機構の協動により各レンズ群が光軸方向に移動し、変倍が完了する。
【0041】
ズーム操作リング104には不図示のブラシが固定されており、このブラシは保持筒103の外周面に貼り付けられた不図示のズームエンコーダフレキと接触している。ユーザによってズーム操作リング104が回転操作されると、ブラシがズームエンコーダフレキの表面に形成されたパターン上を摺動し、検出信号を出力する。ズームエンコーダフレキはメイン基板105に実装された所定の電子デバイスと電気的に接続されており、そこでズーム位置が算出される。
【0042】
次に
図1及び
図2を用いて、本実施形態のレンズ鏡筒100のフォーカス機構について説明する。保持筒103には、ズーム操作リング104の他にフォーカス操作リング106も回転可能に保持されており、このフォーカス操作リング106を回転操作することにより、ユーザはレンズ鏡筒100を被写体に合焦させることが可能となる。また、保持筒103には、不図示のフォーカスモータユニットが固定されており、モータ駆動により被写体に合焦させることも可能である。本実施形態のレンズ鏡筒100では、第2レンズ群G2を光軸方向に進退させることによって被写体への合焦が行われる。
【0043】
フォーカス操作リング106からの回転力とフォーカスモータユニットからの回転力は、共にフォーカス連結リング107に入力される。このフォーカス連結リング107は保持筒103に対して回転可能に保持されており、これらの回転力が入力されると光軸を中心にして回転する。
【0044】
フォーカス連結リング107には、光軸方向に延びるように不図示のフォーカスキーがネジ止めで固定されており、このフォーカスキーはフォーカスカム筒230と係合している。ユーザによるフォーカス操作リング106の回転操作若しくはフォーカスモータユニットの回転駆動によってフォーカス連結リング107が回転すると、フォーカスカム筒230も一体となって回転する。これにより、上述した2群保持枠231とフォーカスカム筒230と直進筒240との連動によって第2レンズ群G2が光軸上を所定の距離だけ移動し、被写体への合焦が行われる。
【0045】
フォーカス連結リング107には不図示のブラシが固定されており、このブラシは、開口部を介して不図示のエンコーダベースの外周面に貼り付けられたフォーカスエンコーダフレキと接触している。フォーカス操作リング106の回転若しくはフォーカスモータユニットの回転に伴いフォーカス連結リング107が一体となって回転すると、ブラシがフォーカスエンコーダフレキの表面に形成されたパターン上を摺動し、検出信号を出力する。フォーカスエンコーダフレキはメイン基板105に実装された所定の電子デバイスと電気的に接続されており、そこでフォーカス位置が算出される。
【0046】
次に、
図1、
図3及び
図4を用いて振れ補正用FPC325のレンズ鏡筒100内における挙動について説明する。
図3は、テレ状態の3群移動枠300及び振れ補正用FPC325を示した斜視図であり、説明のためにカム筒220及び固定筒210の一部をカットしたものである。また、
図4は、テレ状態の振れ補正用FPC325、絞り用フレキシブルプリント基板(絞り用FPC)312及びメイン基板105を示した斜視図である。
【0047】
振れ補正用FPC325は、保持筒103に固定される第1のガイド部材326と、3群移動枠300に固定される第2のガイド部材327とに対して固定されている。第1のガイド部材326は概ねL字状の断面を有する金属製の部材であり、固定部326aにおいて保持筒103に対して振れ補正用FPC325とともにネジで固定されている。固定部326aによって半径方向外側にガイドされた振れ補正用FPC325は、メイン基板105の外周側を迂回してメイン基板105上の所定の電子部品と接続されている。メイン基板105は概ね円環形状を有しており、光軸と直交するように保持筒103に固定されている。
【0048】
また、第1のガイド部材326の光軸方向に延びるガイド部326bでは、振れ補正用FPC325を光軸方向前方にガイドしており、ガイド部326bの先端付近において振れ補正用FPC325がネジで固定されている。振れ補正用FPC325はここで折り返した状態で固定され、第2のガイド部材327との間にたるみ部325aを形成している。
【0049】
そして、レンズ鏡筒100がズーム動作されると、このたるみ部325aが光軸方向に進退することで振れ補正用FPC325の見かけ上の長さが変化し、メイン基板105と振れ補正ユニット320との電気的な接続が維持されることになる。なお、第2のガイド部材327の先端に折り返し部を設け、そこに振れ補正用FPC325を挟み込むことで振れ補正用FPC325を光軸方向後方に折り返すようにしてもよい。
【0050】
一方、3群移動枠300に固定される第2のガイド部材327には、たるみ部325aを経て光軸方向前方に延びる振れ補正用FPC325がネジ止めされている。これにより、たるみ部325aは光軸方向後方に突出したU字状に形成される。
【0051】
レンズ鏡筒100の半径方向において、第1のガイド部材326と第2のガイド部材327との間には固定筒210とカム筒220が位置している。そして、振れ補正用FPC325のたるみ部325aは、これらの固定筒210とカム筒220の後方を迂回するようにして這いまわされている。
【0052】
メイン基板105の内径側の一部には基板側切り欠き105aが設けられており、また、固定筒210の光軸方向後方の一部には固定筒側切り欠き210dが設けられている。これにより、ズーム動作に応じて振れ補正用FPC325のたるみ部325aが光軸方向に移動するためのスペースが確保される。
【0053】
ズーム時における振れ補正用FPC325の動きについて詳しく説明する。レンズ鏡筒100がワイド側にズームされると、上述したように3群移動枠300が光軸方向後方に移動される。このとき、
図1の上半分にもあるように、振れ補正用FPC325が第2のガイド部材327の動きに追従するようにして光軸方向後方に移動するのに伴って、第1のガイド部材326のガイド部326bで折り返された振れ補正用FPC325が、ガイド部326bの平面に沿うようにして光軸方向後方に這いまわされ、第1のガイド部材326のガイド部326bと固定筒210の外周面との間に収納される。
【0054】
ワイド側へのズーム動作に応じてたるみ部325aも光軸方向後方に移動するが、上述したように、メイン基板105の内径側には基板側切り欠き105aが設けられているため、たるみ部325aとメイン基板105とが接触することはない。
【0055】
一方、レンズ鏡筒100がテレ側にズームされると、上述したように3群移動枠300が光軸方向前方に移動される。このとき、
図1の下半分にもあるように、振れ補正用FPC325が第2のガイド部材327の動きに追従するようにして光軸方向前方に移動するのに伴って、第1のガイド部材326のガイド部326bと固定筒210の外周面との間に収納された振れ補正用FPC325が引き出されるようにして見かけ上の長さが伸びる。
【0056】
テレ側へのズーム動作に応じてたるみ部325aも光軸方向前方に移動するが、上述したように、固定筒210の光軸方向後方には固定筒側切り欠き210dが設けられているため、たるみ部325aと固定筒210とが接触することはない。また、テレ側へのズーム時にはカム筒220も光軸方向前方に回転しながら移動する構成としているので、たるみ部325aとカム筒220とが接触することもない。
【0057】
以上から、本発明の実施形態の一つであるレンズ鏡筒100に実装される振れ補正用FPC325のたるみ部325aは、メイン基板105に設けられた基板側切り欠き105aと、固定筒210に設けられた固定筒側切り欠き210dと、第1のガイド部材326のガイド部326bと、3群移動枠300の外周面とにより囲まれてできる空間に収納されることになる。
【0058】
図4に示すように、第2のガイド部材327よりも光軸方向前方の振れ補正用FPC325には、振れ補正ユニット320に直接固定される円環部325bが形成されている。円環部325bには、振れ補正ユニット320内の中群G3bを防振レンズ群として駆動させるための駆動力を発生させるコイル325cが複数実装されている。コイル325cと反対側の面には、中群G3bの位置を検出するための不図示のホール素子が複数実装されている。これらのホール素子により検出される中群G3bの位置情報と、レンズ鏡筒100の保持筒103に固定される不図示のジャイロセンサによって検出されるレンズ鏡筒100の手振れ情報とから中群G3bの駆動量が算出され、その駆動量だけ駆動するようにコイル325cが制御されることで手振れ補正が実行される。
【0059】
振れ補正用FPC325には光軸方向前方に伸びる腕部325dが設けられており、この腕部325dが絞り用FPC312と接続されている。従って、振れ補正用FPC325は絞り用FPC312とメイン基板105との間の電気的な接続を行う役割も担っている。これは、振れ補正用FPC325が、振れ補正ユニット320とメイン基板105とを接続するプリント配線と、絞りユニット310とメイン基板105とを接続するプリント配線とで構成されている、と言うこともできる。
【0060】
なお、本実施形態のレンズ鏡筒100に実装されている振れ補正ユニット320では、可動側部材として中群G3bとともに駆動用磁石が駆動される、いわゆるムービングマグネット方式を採用している。この方式では振れ補正用FPC325は振れ補正時にも光軸と垂直な平面上を駆動されることがないので、腕部325dを介して絞り用FPC312と接続した場合に不都合を生じることがない。
【0061】
上述したように、本実施形態のレンズ鏡筒100は、ズーム操作において絞りユニット310が単独で進退する構成としている。これにより、絞りユニット310を絞ったときに上下の軸外光線が均等に遮蔽されない、いわゆる片絞りの発生を防げる等の効果がある。
【0062】
そのため、腕部325dの長さに余裕量を持たせてたるみ部325eを形成してある。ズーム時に振れ補正ユニット320と絞りユニット310との距離が変化すると、このたるみ部325aのたるみ量が変化することによって振れ補正用FPC325と絞り用FPC312との接続が確保される。
【0063】
以上で説明したように、本発明を実施のレンズ鏡筒によれば、ズーム動作に伴う電動ユニットの移動量が大きくてもフレキシブルプリント基板の長さを十分に確保でき、固定筒とカム筒の配置関係に寄らずにフレキシブルプリント基板を適切に配置でき、さらに、レンズ鏡筒の径方向の小型化を達成することができる。