特許第5960004号(P5960004)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5960004プレストレストコンクリートケーブルの緊張力推定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5960004
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】プレストレストコンクリートケーブルの緊張力推定方法
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/10 20060101AFI20160719BHJP
   E04G 21/12 20060101ALI20160719BHJP
   E04C 5/08 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   G01L5/10 Z
   E04G21/12 104E
   E04G21/12 104F
   E04C5/08
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-202768(P2012-202768)
(22)【出願日】2012年9月14日
(65)【公開番号】特開2014-59157(P2014-59157A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2015年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000201478
【氏名又は名称】前田建設工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000163110
【氏名又は名称】極東鋼弦コンクリート振興株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】595059377
【氏名又は名称】株式会社日本ピーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】坂倉 誠司
(72)【発明者】
【氏名】田中 勝将
(72)【発明者】
【氏名】今西 秀公
(72)【発明者】
【氏名】川口 達也
(72)【発明者】
【氏名】黒輪 亮介
(72)【発明者】
【氏名】山本 恭透
【審査官】 森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特公平7−69136(JP,B2)
【文献】 特公平6−76927(JP,B2)
【文献】 特許第4102237(JP,B2)
【文献】 実公昭61−28817(JP,Y2)
【文献】 特公平7−76473(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L5
G01L1
E04C5
E04G21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1本あるいは同時に緊張する複数本から形成されるプレストレストコンクリートケーブルを任意の位置で切断・分離し、そのプレストレストコンクリートケーブルの切断・分離部を接続定着具で接続し、その接続定着具の本体部分にひずみゲージを貼り付けておき、
前記プレストレストコンクリートケーブルに緊張力を付与した状態において、前記ひずみゲージで検出される前記接続定着具本体部分のひずみ値に基づいて前記プレストレストコンクリートケーブルの緊張力を推定することを特徴とするプレストレストコンクリートケーブルの緊張力推定方法。
【請求項2】
同時に緊張する複数本のプレストレストコンクリートケーブルを挿入するシースの任意の一部を予め開閉可能とし、そのシースの一部を開いた開口部において、前記プレストレストコンクリートケーブルのうち一部または全部を切断・分離して、そのプレストレストコンクリートケーブルの切断・分離部を1本ずつまたは一括して接続定着具で接続し直して、その接続定着具の筒状本体部分にひずみゲージを貼り付けておき、
前記プレストレストコンクリートケーブルに緊張力を付与した状態において、前記ひずみゲージで検出される前記接続定着具本体部分のひずみ値に基づいて前記プレストレストコンクリートケーブルの緊張力を推定することを特徴とするプレストレストコンクリートケーブルの緊張力推定方法。
【請求項3】
前記シースの一部を予め半割でスライド可能とすることを特徴とする請求項2に記載のプレストレストコンクリートケーブルの緊張力推定方法。
【請求項4】
同時に緊張する複数本から形成されるプレストレストコンクリートケーブルの端部を定着具に固定し、その定着具の本体部分にひずみゲージを貼り付けておき、
前記プレストレストコンクリートケーブルに緊張力を付与した状態において、前記ひずみゲージで検出される前記定着具本体部分のひずみ値に基づいて前記プレストレストコンクリートケーブルの緊張力を推定することを特徴とするプレストレストコンクリートケーブルの緊張力推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレストレストコンクリートケーブルの緊張力を推定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1において、鉄筋を挿嵌する中空部材と、その内側周囲に巻回した2次コイル及び外側周囲に巻回した1次コイルと、鉄筋の温度を検出する温度計と、を備えた応力センサを用いて、鉄筋コンクリート構造物の鉄筋の任意の箇所の現有応力を磁歪法によって非接触で測定する方法が知られている。この方法によれば、応力センサを設置するために、鉄筋に挿嵌した中空部材の内側及び外側にコイルを巻回すだけであるから、鉄筋の強度を弱めてしまうようなことはない。
このような応力センサを用いた方法は、高強度でひび割れの生じないプレストレストコンクリート構造物(PC構造物)の緊張材としてのPC鋼より線(PCケーブル)の現有応力を測定する際に利用されている。
【0003】
そして、特許文献2において、緊張端の定着部材と定着板の間に被測定部材を挿入し、その被測定部材に作用する圧縮力を磁歪法などによって測定する方法が提案される。
また、緊張端の定着部材と定着板の間にロードセルなどの計測具を挿入する方法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3942463号(特開2003‐270059号)公報
【特許文献2】特許第4316283号(特開2004‐316093号)公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の応力センサによる場合、コイルをシースの上から巻く形となり、その外径がシース径の3倍程度となるため、PC構造物の部材寸法内に収まらない可能性がある。また、特別な機器を用いるため、非常に高価である。
【0006】
また、緊張端の定着部材と定着板の間に、特許文献2のような被測定部材やロードセルを挿入する方法は、定着部材の外側で測定することができない。すなわち、ケーブルの任意箇所、特にPC構造物で重要な設計断面位置において、直接に応力測定をすることができない。
【0007】
本発明の課題は、新たな機器を取り付けたり、そのためにPC構造物の部材寸法を極端に拡大させたりする必要もなく、PCケーブルの緊張力を直接かつ容易に推定できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
1本あるいは同時に緊張する複数本から形成されるPCケーブルを任意の位置で切断・分離し、そのPCケーブルの切断・分離部を接続定着具で接続し、その接続定着具の本体部分にひずみゲージを貼り付けておき、
前記PCケーブルに緊張力を付与した状態において、前記ひずみゲージで検出される前記接続定着具本体部分のひずみ値に基づいて前記PCケーブルの緊張力を推定するPCケーブルの緊張力推定方法を特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、
同時に緊張する複数本のPCケーブルを挿入するシースの任意の一部を予め開閉可能とし、そのシースの一部を開いた開口部において、前記PCケーブルのうち一部または全部を切断・分離して、そのPCケーブルの切断・分離部を1本ずつまたは一括して接続定着具で接続し直して、その接続定着具の筒状本体部分にひずみゲージを貼り付けておき、
前記PCケーブルに緊張力を付与した状態において、前記ひずみゲージで検出される前記接続定着具本体部分のひずみ値に基づいて前記PCケーブルの緊張力を推定するPCケーブルの緊張力推定方法を特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、
請求項2に記載のPCケーブルの緊張力推定方法であって、
前記シースの一部を予め半割でスライド可能とすることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、
同時に緊張する複数本から形成されるPCケーブルの端部を定着具に固定し、その定着具の本体部分にひずみゲージを貼り付けておき、
前記PCケーブルに緊張力を付与した状態において、前記ひずみゲージで検出される前記定着具本体部分のひずみ値に基づいて前記PCケーブルの緊張力を推定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、新たな機器を取り付けることなく、また、PCケーブルの軸線上において緊張力の測定が可能であることから、PC構造物の部材寸法が極端に拡大することもなく、PCケーブルの緊張力を直接かつ容易に推定できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明を適用した一実施形態の構成を示す接続定着具部分の断面図である。
図2】アムスラー試験機の断面図である。
図3】接続定着具で接続した1本のPCケーブルの引張試験装置の平面図である。
図4図3のスペーサーリングの正面図(a)と側面図(b)である。
図5図3のスペーサーリング部分の縦断面図である。
図6】複数本のPCケーブルを通すシース配置を示す図である。
図7図6のシースにPCケーブルを挿入した状態を示す工程図である。
図8図7のシースをスライドさせて開いた状態を示す工程図である。
図9図8のPCケーブルを切断した状態を示す工程図である。
図10図9の切断したPCケーブルをカプラーで接続した状態を示す工程図である。
図11図10のひずみゲージの引き出し線を管理コンピュータに接続した状態を示す工程図である。
図12】実施形態2の接続定着具部分の断面図である。
図13】実施形態3の接続定着具部分の断面図である。
図14】実施形態4の端部定着具部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
(実施形態1)
<概要1>
PCケーブルの接続に用いられる接続定着具のうち、1本ずつケーブルを接続するタイプのものを任意の位置に配置し、その接続定着具本体の外面部分にひずみゲージを貼り付けて緊張を行うことにより、PC構造物の部材寸法が極端に拡大することもなく、また、圧縮力に変換せずとも、緊張端部に限らず、任意の位置でのPCケーブルの緊張力を直接かつ容易に推定できる。
【0015】
図1は本発明を適用した一実施形態の構成として接続定着具部分を示すもので、1はPCケーブル、2は接続定着具である。
【0016】
図示のように、接続定着具2は、鋼製の円筒状で、一対の先細り状のスリーブ3を有し、PCケーブル1の端部を各々把持するためのクサビ4をスリーブ3にそれぞれ収納する。
そして、接続定着具2の筒状本体部分に、せん断ひずみ用の単軸ゲージによるひずみゲージ5が設けられている。
【0017】
すなわち、1本のPCケーブル1は任意の位置で切断・分離され、そのPCケーブル1の切断・分離部が接続定着具2で接続されている。
この接続定着具2の筒状本体の外周中央に、直径方向に対向して2個のひずみゲージ5が貼り付けられている。
【0018】
次に、図2はアムスラー試験機100を示すもので、101はウェッジ、102はスリーブである。
このアムスラー試験機100は、1,000kN等の荷重に対応したものである。
【0019】
このようなアムスラー試験機100を用いて、PCケーブル1に引張力を各種付与し、その各種引張荷重に対応する接続定着具2のひずみゲージ5で検出されるひずみ値を蓄積し、試験実測データとして記録装置に記録しておく。
【0020】
そして、PC構造物施工の前施工区間の端部を含む任意の位置において、PCケーブル1に緊張力を付与した状態で、適宜の管理コンピュータを用いて、ひずみゲージ5で検出される接続定着具2の本体部分のひずみ値に基づいて、前述した各種の試験実測データが記録された記録装置から対応するPCケーブル1の緊張力として出力する。
【0021】
図3はPCケーブル1の引張試験装置200を示したもので、201はジャッキ、202は絞り冶具、203は絞り冶具、204はジャッキである。
この引張試験装置200は、例えば10,000kN等の大荷重に対応したものである。
【0022】
なお、図3において、2個の接続定着具2は、ダウンサイジングを図るため、図示したように、千鳥配置としている。
【0023】
このような大荷重に対応した引張試験装置200を用いて、接続定着具2を含むPCケーブル1に引張力を各種付与し、その各種引張荷重に対応した本体部分のひずみゲージ5のひずみ値を蓄積し、試験実測データとして記録装置に記録しておいてもよい。
【0024】
以上、実施形態の接続定着具2によれば、PC構造物施工の任意の位置において、PCケーブル1に緊張力を付与した状態で、ひずみゲージ5で検出される接続定着具2のひずみ値に基づいて対応するPCケーブル1の緊張力を測定するため、PC構造物の部材寸法を極端に拡大する必要もなく、緊張端部に限らず、任意の位置において、PCケーブル1の緊張力を直接かつ容易に推定できる。
【0025】
なお、図3において、接続定着具2と他のPCケーブル1との干渉を防ぐために、2個の接続定着具2の前後に3個のスペーサーリング6を配置している。
【0026】
スペーサーリング6は、図4に示すように、直径方向に対向する一対のケーブル5本収納部61と、このケーブル5本収納部61に対し位相を90度異ならせて直径方向に対向する一対のケーブル1本収納溝62とを有している。
【0027】
図5はスペーサーリング6部分を示すもので、図示のように、ケーブル5本収納部61に5本のPCケーブル1が纏めて収納されて、ケーブル1本収納溝62に接続定着具2で接続したPCケーブル1が単独で収納されている。
【0028】
なお、ひずみゲージ5の引き出し線は、図6に示すように、カプラーシース11に設けたホースニップル11aから外部に導出される。
【0029】
<概要2>
予めPCケーブルを挿入するシースの一部を開閉可能としておき、シース内に挿入された複数本のPCケーブルのうち一部を切断し、そのPCケーブルを接続定着具で接続し直し、その接続定着具にひずみゲージを貼り付けることで、シースの内部にカプラーを通過させることなく、当該箇所を含めたシースが極度に太くならず、PC構造物の部材寸法に影響を与えないようにすることが可能となる。
【0030】
図6図1の接続定着体2を用いるためのシース配置を示すもので、カプラーシース11は、予め中央部で前後に半割したシース分割体11A・11Bで構成されている。
【0031】
次に、図7図6のシース21及びカプラーシース11にPCケーブル1を挿入する状態を示す工程図である。
【0032】
次に、図8図7のカプラーシース11のシース分割体11A・11Bをスライドさせて開いた状態を示す工程図である。
【0033】
次に、図9図8のPCケーブル1のうち直径方向に対向する2本のPCケーブル1を切断した状態を示す工程図である。
【0034】
次に、図10図9の切断したPCケーブル1を接続定着具2で接続した状態を示す工程図で、この接続定着具2の外周面にひずみゲージ5を貼り付けて、接続定着具2の前後において、PCケーブル1間にスペーサーリング6を配置する。
【0035】
次に、図11図10のひずみゲージ5の引き出し線をホースニップル11aから外部に導出して管理コンピュータに接続した状態を示す工程図である。
【0036】
このように、カプラーシース11のシース分割体11A・11Bを開いた開口部において、PCケーブル1を切断・分離して、そのPCケーブル1の切断・分離部を1本ずつ接続定着具2で接続し直して、その接続定着具2の筒状本体部分にひずみゲージ5を貼り付けてもよい。
【0037】
このように、PCケーブル1のうち一部を切断・分離して、そのPCケーブル1の切断・分離部を1本ずつ接続定着具2で接続し直して、その接続定着具2の本体部分にひずみゲージ5を貼り付けておくため、シース21の内部に接続定着具2を通過させることなく、カプラーシース11を含めたシース21が極度に太くならず、PC構造物の部材寸法に影響を与えない。
【0038】
(変形例)
以上の実施形態では、複数本のPCケーブルのうち一部を切断・分離して、そのPCケーブルの切断・分離部を1本ずつ接続定着具で接続し直したが、PCケーブルの全部を切断・分離して、そのPCケーブルの切断・分離部を一括して、以下の実施形態で説明するような接続定着具で接続し直して、その接続定着具の筒状本体部分にひずみゲージを貼り付けてもよい。
【0039】
(実施形態2)
<概要>
PCケーブルの接続に用いられる接続定着具のうち、同時に緊張する複数のケーブルを纏めて接続するタイプのものを前施工区間の端部に配置し、その本体部分にひずみゲージを貼り付けて緊張を行うことで、新たな機器を取り付けることなく、またそれによりPC構造物の部材寸法を極端に拡大する必要もなく、PCケーブルの緊張力を直接かつ容易に推定できる。
【0040】
図12は実施形態2の接続定着具部分を示すもので、1はPCケーブル、12は接続定着具である。
【0041】
図示のように、接続定着具12は、鋼製の円盤状で、複数対の先細り状のスリーブ13を有し、両側から複数本のPCケーブル1の端部を各々把持するためのクサビ14をスリーブ13にそれぞれ収納する。
そして、接続定着具12の本体部分にひずみゲージ5が設けられている。
【0042】
すなわち、複数本のPCケーブル1は任意の位置で切断・分離され、その複数本のPCケーブル1の切断・分離部が一括して接続定着具12で接続されている。
この接続定着具12の本体外周中央に、前述した実施形態1と同様に、直径方向に対向して2個のひずみゲージ5が貼り付けられている。
【0043】
以上において、適宜の引張試験装置を用いて、接続状態のPCケーブル1及び接続定着具12に引張力を各種付与し、その各種引張荷重に対応するひずみゲージ5で検出されるひずみ値を蓄積し、試験実測データとして記録装置に記録しておく。
【0044】
そして、例えばPC構造物施工の前施工区間の端部において、PCケーブル1に緊張力を付与した状態で、適宜の管理コンピュータを用いて、ひずみゲージ5で検出される接続定着具12の本体部分のひずみ値に基づいて、前述した各種の試験実測データが記録された記録装置から対応するPCケーブル1の緊張力として出力する。
【0045】
(実施形態3)
図13は実施形態3の接続定着具部分を示すもので、1はPCケーブル、22は接続定着具である。
【0046】
図示のように、接続定着具22は、鋼製で、両側のフランジに複数のケーブル通し孔23を有し、両側から複数本のPCケーブル1の端部をケーブル通し孔23にそれぞれ通して、そのPCケーブル1の端部に鋼製スリーブ24をそれぞれかしめ、両側のフランジにそれぞれ係着する。
【0047】
こうして、複数本のPCケーブル1の切断・分離部を一括して接続定着具22で接続し、この接続定着具22の本体外周中央に、前述した実施形態1と同様に、直径方向に対向して2個のひずみゲージ5が貼り付けてもよい。
【0048】
(実施形態4)
図14は実施形態4の端部定着具部分を示すもので、1はPCケーブル、32は端部定着具である。
【0049】
図示のように、端部定着具32は、鋼製の円盤状で、複数の先細り状のスリーブ33を有し、片側の一方向から複数本のPCケーブル1の端部を各々把持するためのクサビ34をスリーブ33にそれぞれ収納する。
そして、端部定着具32の本体部分にひずみゲージ5が設けられている。
【0050】
すなわち、複数本のPCケーブル1は、緊張端部において、一括して端部定着具32で固定されている。
この端部定着具32の本体外周中央に直径方向に対向して2個のひずみゲージ5が貼り付けられている。
【0051】
このように、緊張端部で計測を行う場合には、一方向へPCケーブルを配置させてひずみ値を計測すればよい。
【0052】
(他の変形例)
なお、引張試験装置としては、実施形態に限らず、各種のものを用いることができる。
【符号の説明】
【0053】
1 PCケーブル
2 接続定着具
3 スリーブ
4 クサビ
5 ひずみゲージ
11 シース
12 接続定着具
13 スリーブ
14 クサビ
21 シース
22 接続定着具
23 ケーブル通し孔
24 鋼製スリーブ
32 端部定着具
33 スリーブ
34 クサビ
100 引張試験装置
200 引張試験装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14