特許第5960044号(P5960044)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 船井電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5960044-表示装置 図000002
  • 特許5960044-表示装置 図000003
  • 特許5960044-表示装置 図000004
  • 特許5960044-表示装置 図000005
  • 特許5960044-表示装置 図000006
  • 特許5960044-表示装置 図000007
  • 特許5960044-表示装置 図000008
  • 特許5960044-表示装置 図000009
  • 特許5960044-表示装置 図000010
  • 特許5960044-表示装置 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5960044
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20160719BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20160719BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20160719BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   G02F1/1333
   G02F1/13357
   G09F9/00 304B
   G09F9/00 350Z
   H04N5/64 551Z
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-283624(P2012-283624)
(22)【出願日】2012年12月26日
(65)【公開番号】特開2014-126706(P2014-126706A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2015年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148460
【弁理士】
【氏名又は名称】小俣 純一
(72)【発明者】
【氏名】余川 明
(72)【発明者】
【氏名】藤川 明弘
(72)【発明者】
【氏名】福本 泰之
【審査官】 磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−090193(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第101169542(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0171353(US,A1)
【文献】 特開2014−071368(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1333
G02F 1/13357
G09F 9/00
H04N 5/64− 5/655
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示するための表示装置であって、
前記画像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルの背面に向けて光を照射するバックライトと、
前記バックライトを接続部を介して支持するリアフレームと、
前記リアフレームの前記バックライトが配置された面と相違する面の一部を覆うリアカバーと、を備え、
前記バックライトは、前記リアカバーにより覆われた前記リアフレームの領域外まで延びており、
前記接続部は、前記リアカバーにより覆われた前記リアフレームの前記領域にのみ配置されている
表示装置。
【請求項2】
前記リアフレームの前記領域外では、前記バックライトと前記リアフレームとの間に空間が形成されている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記リアフレームの前記領域外における前記リアフレームの内面は、前記リアフレームの前記領域における前記リアフレームの内面に対して前記バックライトとは反対側に位置している
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記リアフレームの前記領域外では、前記バックライトと前記リアフレームとの間に断熱シートが介在されている
請求項2又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記バックライトは、
前記リアフレームに熱伝導可能に支持されたヒートシンクと、
前記ヒートシンクに取り付けられた配線基板と、
前記配線基板に実装された発光素子と、を有し、
前記リアフレームの前記領域外における前記ヒートシンクの短手方向における大きさは、前記リアフレームの前記領域における前記ヒートシンクの短手方向における大きさよりも大きい
請求項2〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記リアフレームには、前記接続部の周囲のうち前記リアフレームの前記領域外側に位置されたスリットが設けられている
請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記スリットは、前記接続部の周囲のうち前記リアフレームの前記領域外側を包囲するようにして、円弧状に延びている
請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記スリットには、前記表示パネル側又は前記表示パネルとは反対側に切り起こされた切り起こし部が形成されている
請求項6又は7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記バックライトは複数設けられ、
前記複数のバックライトは、互いに略平行に配置されており、
前記複数のバックライトの各々に対応して設けられた前記接続部は、千鳥状に配置されている
請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示するための表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば液晶テレビジョン受像機等のように、表示パネルの背面に向けて光を照射する直下型方式のバックライトを備えた表示装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。この表示装置の筐体は、表示パネル側に設けられた樹脂製のフロントキャビネットと、バックライト側に設けられた樹脂製のリアキャビネットとで構成されている。さらに、フロントキャビネットとリアキャビネットとの間には、バックライトを熱伝導可能に支持するためのリアフレームが設けられている。バックライトは、ヒートシンクと、ヒートシンクに取り付けられた配線基板と、配線基板に実装された複数のLED(Light Emitting Diode)と、を有している。ヒートシンクは、複数のビスによりリアフレームに締結されている。
【0003】
リアフレーム、ヒートシンク及び配線基板はそれぞれ、熱伝導性の高い金属(例えば、アルミニウム等)で形成されている。複数のLEDの各々が発光することにより、複数のLEDの各々からの熱が配線基板を介してヒートシンクに伝達されるとともに、ヒートシンクからの熱がリアフレームに伝達される。これにより、複数のLEDの各々からの熱は、ヒートシンク及びリアフレームによって放熱される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−311561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、省スペースの観点から、表示装置をより一層薄型化することが要望されている。そのための方法として、例えば、上述したリアキャビネットを省略し、リアフレームの一部を表示装置の外部に露出させる方法が考えられる。
【0006】
しかしながら、上述したように、複数のLEDの各々からの熱がリアフレームに伝達されることにより、リアフレームの温度が比較的高温になる。ユーザがリアフレームに触れた場合の安全性を確保するため、表示装置の外部に露出されたリアフレームの領域の温度上昇を抑えることが課題となっている。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決しようとするものであり、その目的は、外部に露出されたリアフレームの領域の温度上昇を抑えることができる表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る表示装置は、画像を表示するための表示装置であって、前記画像を表示する表示パネルと、前記表示パネルの背面に向けて光を照射するバックライトと、前記バックライトを接続部を介して支持するリアフレームと、前記リアフレームの前記バックライトが配置された面と相違する面の一部を覆うリアカバーと、を備え、前記バックライトは、前記リアカバーにより覆われた前記リアフレームの領域外まで延びており、前記接続部は、前記リアカバーにより覆われた前記リアフレームの前記領域にのみ配置されている。
【0009】
バックライトからの熱の一部は、接続部を介してリアフレームに伝達されるため、接続部におけるリアフレームの温度が比較的高温になる。本態様によれば、比較的高温となる接続部がリアフレームにより覆われたリアフレームの領域にのみ配置されているので、表示装置の外部に露出されたリアフレームの領域の温度上昇を抑えることができる。
【0010】
例えば、本発明の一態様に係る表示装置において、前記リアフレームの前記領域外では、前記バックライトと前記リアフレームとの間に空間が形成されているように構成してもよい。
【0011】
本態様によれば、バックライトとリアフレームとの間に空間が形成されているので、バックライトからリアカバーにより覆われたリアフレームの領域外への熱伝達を遮断することができる。これにより、表示装置の外部に露出されたリアフレームの領域の温度上昇をより効果的に抑えることができる。
【0012】
例えば、本発明の一態様に係る表示装置において、前記リアフレームの前記領域外における前記リアフレームの内面は、前記リアフレームの前記領域における前記リアフレームの内面に対して前記バックライトとは反対側に位置しているように構成してもよい。
【0013】
本態様によれば、リアカバーにより覆われたリアフレームの領域外におけるリアフレームの内面は、当該領域におけるリアフレームの内面に対してバックライトとは反対側に位置している。このような比較的簡単な構成によって、バックライトとリアフレームとの間に空間を形成することができる。
【0014】
例えば、本発明の一態様に係る表示装置において、前記リアフレームの前記領域外では、前記バックライトと前記リアフレームとの間に断熱シートが介在されているように構成してもよい。
【0015】
本態様によれば、バックライトとリアフレームとの間に断熱シートが介在されているので、バックライトからリアカバーにより覆われたリアフレームの領域外への熱伝達をより効果的に遮断することができる。
【0016】
例えば、本発明の一態様に係る表示装置において、前記バックライトは、前記リアフレームに熱伝導可能に支持されたヒートシンクと、前記ヒートシンクに取り付けられた配線基板と、前記配線基板に実装された発光素子と、を有し、前記リアフレームの前記領域外における前記ヒートシンクの短手方向における大きさは、前記リアフレームの前記領域における前記ヒートシンクの短手方向における大きさよりも大きいように構成してもよい。
【0017】
本態様によれば、リアカバーにより覆われたリアフレームの領域外におけるヒートシンクの短手方向における大きさを比較的大きくすることにより、当該領域外におけるヒートシンクの放熱性を高めることができる。
【0018】
例えば、本発明の一態様に係る表示装置において、前記リアフレームには、前記接続部の周囲のうち前記リアフレームの前記領域外側に位置されたスリットが設けられているように構成してもよい。
【0019】
本態様によれば、リアフレームには、接続部の周囲のうちリアカバーにより覆われたリアフレームの領域外側に位置されたスリットが設けられているので、接続部から当該領域外への熱伝達効率が比較的低くなる。これにより、リアフレームの当該領域外の温度上昇をより効果的に抑えることができる。
【0020】
例えば、本発明の一態様に係る表示装置において、前記スリットは、前記接続部の周囲のうち前記リアフレームの前記領域外側を包囲するようにして、円弧状に延びているように構成してもよい。
【0021】
本態様によれば、スリットは、接続部の周囲のうちリアカバーにより覆われたリアフレームの領域外側を包囲するようにして、円弧状に延びているので、接続部からリアフレームの当該領域外への熱伝達効率をより効果的に低下させることができる。
【0022】
例えば、本発明の一態様に係る表示装置において、前記スリットには、前記表示パネル側又は前記表示パネルとは反対側に切り起こされた切り起こし部が形成されているように構成してもよい。
【0023】
本態様によれば、スリットには、表示パネル側又は表示パネルとは反対側に切り起こされた切り起こし部が形成されているので、スリットにおけるリアフレームの強度を高めることができる。
【0024】
例えば、本発明の一態様に係る表示装置において、前記バックライトは複数設けられ、前記複数のバックライトは、互いに略平行に配置されており、前記複数のバックライトの各々に対応して設けられた前記接続部は、千鳥状に配置されているように構成してもよい。
【0025】
本態様によれば、複数の接続部は千鳥状に配置されているので、リアカバーにより覆われたリアフレームの領域における温度分布をほぼ均一にすることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、表示装置の外部に露出されたリアフレームの領域の温度上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施の形態1に係る表示装置の正面側を示す斜視図である。
図2図1の表示装置の背面側を示す斜視図である。
図3図1の表示装置の背面側を示す平面図である。
図4図1の表示装置の内部を示す平面図である。
図5図4中のA−A線により切断した表示装置の要部断面図である。
図6】バックライトを分解した状態を示す要部斜視図である。
図7】スリット及びその周辺部を拡大して示す平面図である。
図8】スリットの変形例を示す要部斜視図である。
図9】本発明の実施の形態2に係る表示装置の内部を示す平面図である。
図10図9中のB−B線により切断した表示装置の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲によって特定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0029】
(実施の形態1)
[表示装置の構成]
まず、図1図7を参照しながら、本発明の実施の形態1に係る表示装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る表示装置の正面側を示す斜視図である。図2は、図1の表示装置の背面側を示す斜視図である。図3は、図1の表示装置の背面側を示す平面図である。図4は、図1の表示装置の内部を示す平面図である。図5は、図4中のA−A線により切断した表示装置の要部断面図である。図6は、バックライトを分解した状態を示す要部斜視図である。図7は、スリット及びその周辺部を拡大して示す平面図である。
【0030】
図示の表示装置2は、筐体4と、筐体4の内部に設けられた液晶パネル6(表示パネルを構成する)及び複数のバックライト8と、を備えている。本実施の形態の表示装置2は、直下型方式のバックライト8を備える液晶テレビジョン受像機である。
【0031】
筐体4は、フロントキャビネット10及びリアフレーム12が相互に組み合わされることにより構成されている。
【0032】
フロントキャビネット10は、液晶パネル6の正面側に配置されている。フロントキャビネット10は額縁状に構成され、液晶パネル6の外周部を覆っている。なお、フロントキャビネット10は、例えば樹脂等で形成されている。
【0033】
液晶パネル6は、セルガイド(図示せず)を介して拡散板等(図示せず)とともにフロントキャビネット10に支持されている。液晶パネル6の背面に複数のバックライト8(後述する)からの光が照射されることにより、液晶パネル6に画像が表示される。
【0034】
リアフレーム12は、液晶パネル6の背面側に配置されている。リアフレーム12は、液晶パネル6とは反対側にやや膨らんだ形状を有し、液晶パネル6の背面全体を覆っている。リアフレーム12の外面(すなわち、複数のバックライト8が配置された面とは相違する面)における中央部には、液晶パネル6及び複数のバックライト8等に対して電力を供給するための電源基板等(図示せず)が取り付けられている。なお、リアフレーム12は、熱伝導性の高い金属、例えばアルミニウム等で形成されている。
【0035】
リアフレーム12には、リアカバー16(後述する)をリアフレーム12に対して位置決めするための凸部14が設けられている。この凸部14は、図3及び図5に示すように、リアカバー16の外周部に沿って延び、且つ、液晶パネル6とは反対側にやや突出している。
【0036】
リアフレーム12の外面には、リアカバー16が取り付けられている。上述した電源基板等は、このリアカバー16によって覆われている。リアカバー16の外周部が凸部14の内周部に接触することにより、リアカバー16がリアフレーム12に対して位置決めされる。リアカバー16の下端部には、筐体4を下方より支持するためのスタンド18が取り付けられている。なお、リアカバー16は、例えば樹脂等で形成されている。
【0037】
図3及び図4に示すように、リアフレーム12の領域のうち、リアカバー16により覆われていない領域を外郭領域20、リアカバー16により覆われた領域を内郭領域22という。すなわち、外郭領域20は、内郭領域22外に配置されている。図5に示すように、外郭領域20におけるリアフレーム12の内面S1は、内郭領域22におけるリアフレーム12の内面S2に対して複数のバックライト8とは反対側に位置している。換言すると、外郭領域20におけるリアフレーム12の内面S1は、内郭領域22におけるリアフレーム12の内面S2に対して所定の距離D(例えば、数mm程度)だけ複数のバックライト8とは反対側に後退している。
【0038】
また、リアフレーム12の内面(すなわち、複数のバックライト8が配置された面)には、ヒートシンク30(後述する)をリアフレーム12に対して位置決めするための突起24が複数設けられている。複数の突起24の各々は、図5に示すように、液晶パネル6側にやや突出している。
【0039】
さらに、リアフレーム12には、ビス40(後述する)をビス止めするためのビス孔26が複数設けられている。リアフレーム12には、図6及び図7に示すように、複数のビス40の各々に対応して、スリット28が複数設けられている。複数のスリット28の各々は、ビス40の周囲のうち外郭領域20側を包囲するようにして、円弧状に延びている。このスリット28の機能については後述する。
【0040】
複数のバックライト8は、図4に示すように、リアフレーム12の内面に熱伝導可能に(すなわち、複数のバックライト8の各々からの熱がリアフレーム12へ伝導可能に)支持されている。複数のバックライト8の各々は、上述した電源基板からの電力が供給されることにより、液晶パネル6の背面に向けて光を照射する。複数のバックライト8の各々は、内郭領域22を横切って直線状に延びており、その両端部はそれぞれ外郭領域20まで延びている。複数のバックライト8は、互いに略平行に配置されている。
【0041】
複数のバックライト8の各々は、図6に示すように、ヒートシンク30と、ヒートシンク30に取り付けられたLEDバー32と、を有している。ヒートシンク30は、長尺状の板状に構成されている。LEDバー32は、配線基板34と、配線基板34に実装された複数のLED36(発光素子を構成する)と、を有している。配線基板34は、長尺状の板状に構成されている。複数のLED36は、配線基板34の長手方向に沿って一列に且つ間隔を置いて配置されている。配線基板34は、熱伝導性を有する両面テープ38によりヒートシンク30に取り付けられている。ヒートシンク30及び配線基板34はそれぞれ、熱伝導性の高い金属、例えばアルミニウム等で形成されている。
【0042】
ヒートシンク30は、複数のビス40(接続部を構成する)によりリアフレーム12に締結されている。本実施の形態の表示装置2の特徴として、図4に示すように、複数のビス40は、内郭領域22にのみ配置されている。すなわち、複数のビス40は、外郭領域20には配置されていない。複数のビス40の各々は、例えばSUS等の金属で形成されている。
【0043】
また、ヒートシンク30には、上述した複数の突起24に対応して、複数の貫通孔42が設けられている。図5に示すように、この貫通孔42に突起24が挿入されることにより、ヒートシンク30がリアフレーム12に対して位置決めされる。
【0044】
さらに、本実施の形態の表示装置2の他の特徴として、図5に示すように、複数のバックライト8の各々のヒートシンク30は、リアフレーム12の内郭領域22に接触しているが、リアフレーム12の外郭領域20には接触していない。これにより、ヒートシンク30の両端部とリアフレーム12の外郭領域20との間には、ヒートシンク30からリアフレーム12への熱の伝達を遮断するための空間44が形成される。このような空間44が形成される理由としては、上述したように、外郭領域20におけるリアフレーム12の内面S1が内郭領域22におけるリアフレーム12の内面S2に対して複数のバックライト8とは反対側に位置しているためである。
【0045】
[効果]
次に、本実施の形態の表示装置2により得られる効果について説明する。複数のLED36の各々が発光することにより、複数のLED36の各々からの熱が配線基板34及び両面テープ38を介してヒートシンク30に伝達されるとともに、ヒートシンク30からの熱がリアフレーム12に伝達される。これにより、複数のLED36の各々からの熱は、ヒートシンク30及びリアフレーム12によって放熱される。
【0046】
一般に、ヒートシンク30からの熱の一部は、複数のビス40を介してリアフレーム12に伝達されるため、ビス40による締結箇所におけるリアフレーム12の温度が比較的高温になる。本実施の形態の表示装置2では、比較的高温となるビス40による締結箇所を内郭領域22にのみ配置することにより、表示装置2の外部に露出された外郭領域20におけるリアフレーム12の温度上昇を抑えることができる。
【0047】
さらに、上述した空間44によって、ヒートシンク30の両端部からリアフレーム12の外郭領域20への熱の伝達が遮断される。これにより、表示装置2の外部に露出された外郭領域20におけるリアフレーム12の温度上昇をより効果的に抑えることができる。
【0048】
さらに、リアフレーム12には、上述したスリット28が設けられている。リアフレーム12にスリット28が設けられていない場合には、図7における一点鎖線の矢印で示すように、ビス40による締結箇所からの熱は、外郭領域20に向けて最短経路で伝達される。そのため、ビス40による締結箇所から外郭領域20への熱伝達効率が比較的高くなり、外郭領域20におけるリアフレーム12の温度が比較的高温になりやすい。一方、リアフレーム12に上述したスリット28が設けられている場合には、図7における実線の矢印で示すように、ビス40による締結箇所からの熱は、スリット28を迂回する経路で外郭領域20に向けて伝達される。そのため、ビス40による締結箇所から外郭領域20への熱伝達効率が比較的低くなり、外郭領域20におけるリアフレーム12の温度上昇をより効果的に抑えることができる。
【0049】
また、外郭領域20には複数のビス40が配置されていないので、表示装置2の外部から複数のビス40の各々の先端が見えることがなく、デザイン性を高めることができる。
【0050】
[変形例]
ここで、図8を参照しながら、スリットの変形例について説明する。図8は、スリットの変形例を示す要部斜視図である。本実施の形態では、スリット28は円弧状に延びているが、図8に示すように、スリット28Aは、直線状に延びていてもよい。スリット28Aは、ビス40の周囲のうち外郭領域20側に位置される。
【0051】
スリット28Aには、液晶パネル6側(又は液晶パネル6とは反対側)に切り起こされた切り起こし部28Aaが形成されている。このように切り起こし部28Aaを形成することにより、スリット28Aにおけるリアフレーム12Aの強度を高めることができる。なお、切り起こし部28Aaは省略することもできる。
【0052】
(実施の形態2)
次に、図9及び図10を参照しながら、本発明の実施の形態2に係る表示装置の構成について説明する。図9は、本発明の実施の形態2に係る表示装置の内部を示す平面図である。図10は、図9中のB−B線により切断した表示装置の要部断面図である。
【0053】
図10に示すように、本実施の形態の表示装置2Bでは、ヒートシンク30Bの両端部とリアフレーム12Bの外郭領域20との間には、断熱シート46が介在されている。この断熱シート46によって、ヒートシンク30Bの両端部からリアフレーム12Bの外郭領域20への熱の伝達が遮断される。これにより、表示装置2Bの外部に露出された外郭領域20におけるリアフレーム12Bの温度上昇をより効果的に抑えることができる。
【0054】
さらに、図9に示すように、本実施の形態のバックライト8Bでは、外郭領域20におけるヒートシンク30Bの短手方向における大きさW1は、内郭領域22におけるヒートシンク30Bの短手方向における大きさW2よりも大きい。上述したように、外郭領域20ではヒートシンク30Bからリアフレーム12Bへの熱の伝達が遮断されるが、外郭領域20におけるヒートシンク30Bの表面積を大きくすることにより、ヒートシンク30Bに伝達された熱を効率良く放熱させることができる。
【0055】
さらに、図9に示すように、本実施の形態のバックライト8Bでは、複数のビス40は、千鳥状に配置されている。上述したように、ビス40による締結箇所におけるリアフレーム12Bの温度は比較的高温となるが、複数のビス40を千鳥状に配置することにより、内郭領域22における温度分布をほぼ均一にすることができる。
【0056】
以上、本発明の実施の形態1及び2に係る表示装置について説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記各実施の形態をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【0057】
上記各実施の形態では、表示装置が液晶テレビジョン受像機である場合について説明したが、表示装置は、液晶テレビジョン受信機以外に、例えばパーソナルコンピュータ用の液晶モニタ等でもよい。
【0058】
上記各実施の形態では、バックライトを複数設けたが、バックライトを1個のみ設けることもできる。
【0059】
上記各実施の形態では、接続部はビスであるが、接続部は、例えば熱伝導性を有する両面テープ、フック及び固定用爪等でもよい。例えば、接続部がヒートシンクに設けられたフックである場合には、このフックは、リアフレームに設けられた支持用孔に引っ掛けられる。また、接続部がリアフレームに設けられた固定用爪である場合には、この固定用爪は、ヒートシンクに設けられた支持用孔に挿入された後に、所定方向に折り曲げられる。
【0060】
上記各実施の形態では、バックライトはヒートシンクを有しているが、このヒートシンクを省略することもできる。この場合には、配線基板が接続部を介してリアフレームに熱伝達可能に支持される。
【0061】
上記各実施の形態では、外郭領域におけるリアフレームの内面全体が内郭領域におけるリアフレームの内面に対して液晶パネルとは反対側に位置しているが、外郭領域におけるリアフレームの内面全体のうち、少なくともバックライトに対応する部位のみが内郭領域におけるリアフレームの内面に対して液晶パネルとは反対側に位置していてもよい。
【0062】
上記各実施の形態では、外郭領域におけるリアフレームの内面が内郭領域におけるリアフレームの内面に対して液晶パネルとは反対側に位置しているが、外郭領域におけるリアフレームの内面と内郭領域におけるリアフレームの内面とを同一平面上に位置させるとともに、外郭領域におけるバックライトを液晶パネル側に屈曲等させるようにしてもよい。これにより、バックライトとリアフレームの外郭領域との間に空間を形成することができる。
【0063】
あるいは、外郭領域におけるリアフレームの内面と内郭領域におけるリアフレームの内面とを同一平面上に位置させるとともに、バックライトを金属製のスペーサを介してリアフレームの内郭領域に支持させるようにしてもよい。このような構成であっても、バックライトとリアフレームの外郭領域との間に空間を形成することができる。
【0064】
上記各実施の形態では、スリットは円弧状又は直線状に延びているが、スリットの形状はこれらに限定されず、適宜の形状に設定することができる。
【0065】
上記各実施の形態では、配線基板は両面テープによりヒートシンクに取り付けられているが、配線基板は、例えばビス等によりヒートシンクに取り付けられてもよい。
【0066】
上記各実施の形態では、バックライトの光源としてLEDを用いたが、例えば冷陰極管(Cold Cathode Fluorescent Lamp:CCFL)等を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の表示装置は、例えば、液晶テレビジョン受像機及びパーソナルコンピュータ用の液晶モニタ等として適用することができる。
【符号の説明】
【0068】
2,2B 表示装置
4 筐体
6 液晶パネル
8,8B バックライト
10 フロントキャビネット
12,12A,12B リアフレーム
14 凸部
16 リアカバー
18 スタンド
20 外郭領域
22 内郭領域
24 突起
26 ビス孔
28,28A スリット
28Aa 切り起こし部
30,30B ヒートシンク
32 LEDバー
34 配線基板
36 LED
38 両面テープ
40 ビス
42 貫通孔
44 空間
46 断熱テープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10