(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施の形態>
〔画像形成装置1の構成〕
次に、
図1〜
図2を参照して、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1の構成について詳しく説明する。
図1によると、本実施の形態の画像形成装置1は、原稿読取部2(読取手段)、原稿給送部3、本体部4、スタックトレイ5、操作パネル部6(表示手段)を備えている。
原稿読取部2は、本体部4の上部に配設され、原稿給送部3は、原稿読取部2の上部に配設されている。スタックトレイ5は、本体部4に形成された記録紙の排出口41側に配設され、また、操作パネル部6は、画像形成装置1のフロント側に配設されている。
【0011】
原稿読取部2は、スキャナー21と、プラテンガラス22と、原稿読取スリット23とを備える。スキャナー21は、露光ランプ、及びCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像センサ等から構成され、原稿給送部3による原稿の搬送方向に移動可能に構成されている。プラテンガラス22は、ガラス等の透明部材により構成された原稿台である。原稿読取スリット23は、原稿給送部3による原稿の搬送方向と直交方向に形成されたスリットを有する。
原稿読取部2は、原稿を一枚ずつ、名刺〜A3等の原稿サイズを自動的に認識して、認識したサイズに対応する所定範囲の画像を読み取る(スキャン)ことができる。
【0012】
プラテンガラス22に載置された原稿を読み取る場合には、スキャナー21は、プラテンガラス22に対向する位置に移動され、プラテンガラス22に載置された原稿を走査しながら原稿を読み取って画像データを取得して、取得した画像データを本体部4に出力する。
また、原稿給送部3により搬送された原稿を読み取る場合には、スキャナー21は、原稿読取スリット23と対向する位置に移動され、原稿読取スリット23を介し、原稿給送部3による原稿の搬送動作と同期して原稿を読み取って画像データを取得し、取得した画像データを本体部4に出力する。
【0013】
原稿給送部3は、原稿載置部31と、原稿排出部32と、原稿搬送機構33とを備えている。原稿載置部31に載置された原稿は、原稿搬送機構33によって、1枚ずつ順に繰り出されて原稿読取スリット23に対向する位置へ搬送され、その後、原稿排出部32に排出される。なお、原稿給送部3は、可倒式に構成され、原稿給送部3を上方に持ち上げることで、プラテンガラス22の上面を開放させるプラテンカバーとしても機能させることができる。
【0014】
本体部4は、画像形成部7を備えると共に、給紙部42と、用紙搬送路43と、搬送ローラー44と、排出ローラー45とを備えている。給紙部42は、それぞれサイズ又は向きが異なる記録紙を収納する複数の給紙カセット421と、給紙カセット421から記録紙を1枚ずつ用紙搬送路43に繰り出す給紙ローラー422とを備えている。給紙カセット421は、用紙保持部として機能する。
給紙ローラー422、搬送ローラー44、及び排出ローラー45は、搬送部として機能する。記録紙は、この搬送部により搬送される。給紙ローラー422によって用紙搬送路43に繰り出された記録紙は、搬送ローラー44によって画像形成部7に搬送される。
そして、画像形成部7によって記録が施された記録紙は、排出ローラー45によってスタックトレイ5に排出される。
【0015】
操作パネル部6は、LCD等の表示部と、各種指示を行うためのタッチパネル61やボタン部62等とを備えている。
タッチパネル61は、抵抗膜方式や静電容量方式のタッチパネルであり、ユーザーが押下した表示部上の座標や押圧等による指示情報を取得する。タッチパネル61は、マルチタッチ対応のパネルの場合には、複数の座標や押圧等を検知できる。
ボタン部62は、スタートキー、テンキー、複写、スキャン等の動作モードの切り換えや、選択された文書の印刷/送信/受信等に係るユーザーの指示を取得するためのボタンである。
操作パネル部6のタッチパネル61及びボタン部62は、ユーザーによる画像形成装置1の指示を取得する。このため、操作パネル部6のタッチパネル61やボタン部62からユーザー認証を行うことができる。
【0016】
画像形成部7は、感光体ドラム71と、露光部72と、現像部73と、転写部74と、定着部75とを備えている。
露光部72は、レーザー装置やLEDアレイやミラーやレンズ等を備えた光学ユニットであり、画像データに基づいて光等を出力して感光体ドラム71を露光し、感光体ドラム71の表面に静電潜像を形成する。
現像部73は、トナーを用いて感光体ドラム71に形成された静電潜像を現像する現像ユニットであり、静電潜像に基づいたトナー像を感光体ドラム71上に形成させる。転写部74は、現像部73によって感光体ドラム71上に形成されたトナー像を記録紙に転写させる。定着部75は、転写部74によってトナー像が転写された記録紙を加熱してトナー像を記録紙に定着させる。
【0017】
なお、原稿給送部3は、原稿が原稿載置部31に載置された際に、原稿のサイズや枚数等も含めて検知する原稿検知センサを備えている。また、原稿給送部3は、プラテンカバーが開閉されたことを検知する開閉センサ等も備えている。
また、本体部4は、図示しない手差しトレイの開閉や、給紙カセット421の交換等を用紙セットとして検知するセンサも備えている。この他にも、各手段は、状態の変化を検知するためのセンサを備えている。
制御部8は、これらのセンサ及び操作パネル部6からのユーザーの指示を検知して、通常起動状態で、スキャンを含む各種ジョブを実行することができる。
【0018】
図2には、画像形成装置1の概略制御構成を示すブロック図が示されている。上述の原稿読取部2、原稿給送部3、搬送部(給紙ローラー422、搬送ローラー44、排出ローラー45)、操作パネル部6、及び画像形成部7は、制御部8に接続され、制御部8によって動作制御される。また、制御部8には、記憶部9、画像処理部10、ネットワーク送受信部12等が接続されている。
【0019】
制御部8は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータ等の情報処理部である。ROMには画像形成装置1の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。また、制御部8は、3DESやAES等の暗号化/復号化の演算を高速化するための専用の演算手段を備えていてもよい。
制御部8は、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムをRAMに展開させることで、操作パネル部6から入力されたユーザーの指示情報に応じて、装置全体の制御を行う。また、制御部8及び画像処理部10は、他の端末からの指示で、各種の制御を行うこともできる。
また、制御部8又は画像処理部10は、自動カラー認識(Auto Color Recognition)を行う回路や演算手段を備えていてもよい。
【0020】
また、制御部8は、カラー出力制御部81(出力管理条件情報生成手段、出力管理条件情報付加手段、カラー出力制御手段、ユーザー認証手段、出力管理条件情報復号手段、カラー率算出手段、ロゴマーク認識手段)を機能手段として備えている。
ここで、本実施形態の画像形成装置1は、カラー、2色カラー、又はモノクロの指定を行って印刷(出力)することが可能である。「カラー」は、例えば、シアン(Cyan、C)、マゼンタ(Magenta、M)、イエロー(Yellow、Y)、黒(blacK、K)、濃度が異なるトナー等、及び色域が異なる中間色のトナー等を少なくとも3種以上用いて、人の色覚上でカラーとして認識される印刷を行うことをいう。「2色カラー」は、これらの色のトナー等のうち任意の2色の組み合わせを用いることや、又は例えば赤(Red、R)、緑(Green、G)、青(Blue、B)等の補色でない2色印刷用のトナー等を組み合わせて用いることをいう。「モノクロ」は、単色のトナー等を用いることをいう。つまり、「カラー」、「2色カラー」、「モノクロ」の指定の順に、消費するトナー等の種類が少なくなる。さらに、本実施形態の画像形成装置1は、ロゴマーク等の所定座標のみカラー出力する「ロゴカラー」の出力を選択する。カラー出力制御部81は、これらのカラー出力の切り換えについてのカラー出力制御を行う。
【0021】
カラー出力制御部81は、管理者の指示により、カラー印刷及び複写時の出力管理条件を設定する。この出力管理条件は、主に記憶部9のカラー選択条件設定91とアカウント設定90の出力制限設定情報に関する設定とから構成される。
また、カラー出力制御部81は、印刷時に、印刷された原稿に、電子透かし等で出力管理条件情報を付加する。この出力管理条件情報としては、印刷を行ったユーザーを示す「ユーザーID」、カラーの面積を示す「カラー率」、カラー出力を可能とする制限の条件を示す「カラー出力制限条件」、2色カラーでの印刷の可否と可能な色の組み合わせを示す「2色カラー化可否」、ロゴマーク等の有無や種類や座標等を示す「ロゴマーク」等を用いる。
また、カラー出力制御部81は、複写時に、ユーザー認証を行い、電子透かしから埋め込まれた出力管理条件情報を読み取り、これとユーザーの出力制限設定情報に従って、カラー、2色カラー、又はモノクロで出力する。さらに、2色カラー又はモノクロの場合には、ロゴカラーでの出力を選択してもよい。
制御部8による処理の詳細については後述する。
【0022】
記憶部9は、半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段である。
記憶部9は、原稿読取部2で読み取られ画像処理部10で画像処理された画像データを一時ファイルであるスキャン画像データ95として記憶する。また、記憶部9は、外部の記録媒体から読み出された各種ファイル、サムネイル(thumbnail)画像のデータ等も記憶する。
また、記憶部9には、各ユーザーの保存フォルダを備えている。この保存フォルダは、スキャン画像データ95をPDF等のファイル化したデータ、その他の画像データや印刷データ等をNAS(Network Attached Storage)のように保持する。また、これらのデータは、ネットワーク100を経由して端末200に送信されてもよい。
また、記憶部9は、アカウント設定90を記憶するアカウント設定記憶手段として機能する。また、記憶部9は、カラー選択条件設定91を記憶するカラー選択条件設定記憶手段として機能する。また、記憶部9は、ロゴ設定94(ロゴマークのデータ)を記憶するロゴマーク記憶手段として機能する。また、記憶部9は、スキャン画像データ95を記憶するスキャン画像データ記憶手段として機能する。また、記憶部9は、ジョブデータ96(印刷データ)を記憶する印刷データ記憶手段として機能する。
【0023】
アカウント設定90は、ユーザーのアカウント毎の画像形成装置1の各種情報を備えたデータベースである。アカウント設定90は、ユーザーID(Identification)毎に、暗号化された認証情報、出力制限設定情報等を含んでいる。
認証情報は、ユーザーIDと対応するパスワードやユーザー名等を含み、ユーザー認証(個人認証)の際に用いられる。また、管理者や一般ユーザーやゲスト等の権限についても、印刷時や複写時に用いられる認証情報等として含んでいる。
また、出力制限設定情報は、印刷時や複写時に用いられるカラー、2色カラー、又はモノクロの出力を制限、管理するために用いられる。出力制限設定情報は、カラー出力許可設定、カラー出力制限設定、2色カラー出力許可設定、ロゴカラー出力許可設定等から構成される。このうち、カラー出力許可設定は、原稿のカラーが多いか少ないかのカラーレベルにより、カラー出力、2色カラー出力、モノクロ出力のいずれを許可するか否かの設定である。また、カラー出力制限設定は、読み取られたスキャン画像データ95の電子透かしに埋め込まれた出力管理条件情報の「カラー出力制限条件」に関わらず、モノクロで出力するか否かの制限の設定である。また、2色カラー出力許可設定はモノクロ出力に設定された場合でも電子透かしに埋め込まれた出力管理条件情報の「2色カラー化可否」に2色カラーでの出力の許可が含まれていた場合に2色カラーで出力することを許可するか否かの設定である。ロゴカラー出力許可設定は、ロゴマークを検出したときに、ロゴカラーで出力するか否かの制限の設定である。
加えて、アカウント設定90は、保存フォルダの名称や位置、ユーザーのIPアドレスやメールアドレス、住所録等を含んでいてもよい。また、アカウント設定90は、認証情報と画像形成装置1の固有番号等から作成された固有暗号鍵を更に含んでいてもよい。
アカウント設定90の各ユーザーの情報は、操作パネル部6から入力又は変更される。また、図示しない外部端末や記録媒体接続部等に接続された他の記録媒体等から、当該ユーザーの各種情報を入力して登録してもよい。
また、アカウント設定90には、ゲストのユーザーを登録してもよい。
【0024】
カラー選択条件設定91は、ジョブデータ96の印刷データの特徴量を判別するためのの設定、及び印刷時に電子透かしで付加される出力管理条件情報に含まれる管理者による条件の設定を含む。
カラー選択条件設定91は、印刷データの特徴量の設定としては、カラーが多いか少ないか(カラー率)を判別するための数段階程度のカラーレベルの閾値を含む。カラー選択条件設定91は、例えば、3段階のカラーレベルの閾値を設定する場合、「カラー多」としてスキャン画像データ95の当該ページのカラーの面積が50%以上の閾値、「カラー中」として10%以上50%未満の閾値、「カラー少」として1%以上10%未満の閾値を設定可能である。なお、「カラー少」より低い場合は、モノクロと判定される。
カラー選択条件設定91は、管理者による条件の設定を含む。この管理者による条件の設定としては、出力時のユーザーと複写時のユーザーとが異なる場合のカラー、2色カラー、モノクロ印刷の制限の設定、2色カラーの出力の可否と使用する色の組み合わせの設定等を含む。
カラー選択条件設定91は、管理者のユーザーが操作パネル部6からの指示等により設定可能である。
【0025】
ロゴ設定94は、定形のロゴマークを認識するためのデータであり、画像データ及び画像認識用の特徴量データや座標データ等が用いられる。
ロゴマークは、企業のロゴマークのように、面積的に小さい所定座標に付記される。このため、印刷しても高価なカラートナー等の消費が少なく、上述のアカウント設定によってはカラーとして印刷することを許可してもよい。
なお、ロゴ設定94は、ロゴマークだけではなく、署名、ヘッダー、フッター等を座標等で指定することも可能である。また、ロゴ設定94は、特定のロゴマークの画像を認識するのではなく、画像認識により通常の文字やグラフや図形とは異なるマークを直接ロゴマークと認識する設定を用いてもよい。さらに、ロゴ設定94として、ロゴマークだけではなく、所定の図形、グラフ、所定のキーワード等を指定してもよい。
ロゴ設定94も、管理者のユーザーが操作パネル部6からの指示等により設定可能である。
【0026】
スキャン画像データ95は、主に原稿読取部2で読み取られ画像処理部10で画像処理された画像データである。
スキャン画像データ95としては、RGBカラーやモノクロやグレースケールのビットマップ画像のファイルや、ランレングスやLZW等で軽度に圧縮されたファイル等が含まれる。
なお、スキャン画像データ95として、画像処理部10や制御部8でPDFやTIFF等のファイル化されたデータが含まれてもよい。
【0027】
ジョブデータ96は、各種ジョブに関するデータである。ジョブデータ96は、ジョブの種類、機能を実行させるコマンド、ジョブID(Identification)、ユーザーID、画像データやページ記述言語の印刷データを含む各種データ等から構成されている。このうち、ジョブの種類としては、例えば、印刷ジョブ、スキャンジョブ、リモートスキャンジョブ、コピージョブ、FAXジョブ等が含まれる。
本実施形態の印刷ジョブでは、端末200から受信されたり、図示しない外部記録媒体や記憶部9の保存フォルダに記憶されたりしたページ記述言語の印刷データを、画像形成部7で用紙に記録する。また、本実施形態のコピージョブでは、原稿読取部2から読み取られた画像データを、画像形成部7で用紙に記録する。
【0028】
画像処理部10は、DSP(Digital Signal Processor)やGPU(Graphics Processing Unit)等の制御演算手段である。画像処理部10は、画像データに対して所定の画像処理を行う機能手段であり、例えば、拡大縮小処理や、濃度調整、階調調整等の画像改善処理を含む各種画像処理を行う。
また、画像処理部10は、原稿読取部2で読み取られた画像を、PDFやTIFF等のフォーマットの画像データに変換するための演算、電子透かしの付加や復号化に用いられてもよい。
【0029】
ネットワーク送受信部12は、ネットワーク100に接続するためのLANボードや無線送受信機やテレフォン・ダイアラーやカプラ等を含む、外部のネットワーク100へ接続する手段である。ネットワーク100は、LAN、WAN、携帯電話網等のネットワークである。
ネットワーク送受信部12は、ネットワーク100を介し、端末200と接続される。ネットワーク送受信部12は、端末200からジョブの指示を受信する。
【0030】
なお、画像形成装置1は、制御部8や画像処理部10等を、GPU内蔵CPUや、チップ・オン・モジュールパッケージのように、一体的に形成してもよい。
また、画像形成装置1は、ファクシミリの送受信を行うFAX送受信部等を備えていてもよい。また、画像形成装置1は、他の画像形成装置1、又は外部のサーバ(図示せず)にアップロードを行うためのアップロード部等を備えていてもよい。
【0031】
〔画像形成装置1によるカラー出力管理処理〕
次に、
図3を参照して、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1によるカラー出力管理処理について説明する。
画像形成装置1を複数人で使用する場合、機器の管理者が設定され、当該管理者が部門やユーザー毎の出力制限を行う権限を有している。
本発明実施形態カラー出力管理処理は、この管理者による設定と印刷時の処理と、印刷された原稿をユーザーが複写する際の複写時の処理とに分けられる。
図3(a)のフローチャートは、設定と印刷時の処理のフローチャートである。
本実施形態のカラー出力管理処理では、この管理者による出力制限を画像形成装置1にて詳細に設定する。この上で、ユーザーが出力しようとするスキャン画像データ95に基づいて、設定されている出力制限設定情報を参照してカラー、2色、又はモノクロの印刷を行い、更にロゴカラーでロゴマークのみカラーで印刷することもできる。この際、画像形成装置1は、印刷する際に、印刷された用紙には、電子透かしを用いて、複写の際にカラー出力を管理する出力管理条件情報を埋め込んでおく。
図3(b)のフローチャートは複写時のフローチャートである。
画像形成装置1は、印刷された用紙を複写する際には、原稿読込時に上記電子透かしに埋め込まれた出力管理条件情報を取得して、ログインしたユーザーの出力制限設定情報を参照し、複写物のカラー、2色カラー、又はモノクロでの出力を決定し、更にロゴカラーの出力も決定する。
以下で、
図3のフローチャートにより、本実施形態のカラー出力管理処理をステップ毎に説明する。以下の処理は、制御部8の主にカラー出力制御部81が、記憶部9に記憶されたプログラムに従って、ハードウェア資源を用いて実行する。
【0032】
{設定と印刷時の処理}
まず、
図3(a)のフローチャートにより、本発明の実施の形態に係るカラー出力管理処理における設定と印刷時の処理について説明する。
【0033】
(ステップS101)
まず、カラー出力制御部81は、出力管理設定処理を行う。
カラー出力制御部81は、まず、管理者のユーザー認証を行う。カラー出力制御部81は、操作パネル部6から管理者のユーザーIDやパスワード等の認証情報を入力を受け付け、これをアカウント設定90を参照して認証を行う。カラー出力制御部81は、この認証に成功するとログイン状態となり、操作パネル部6からのテンキーやタッチパネル等の入力により、以下のカラー及び複写時の出力管理の設定を可能とする。
なお、カラー出力制御部81は、ICカードや外部の端末からのリモートアクセスにより、認証を行ってもよい。
【0034】
図4を参照して、この出力管理設定について説明する。
図4(a)の画面例500によると、まず、管理者のユーザーの指示によって、カラー出力制御部81は、設定[1]として、カラー選択条件設定及びカラー出力許可設定を行う。
カラー出力制御部81は、カラー選択条件設定として、カラー選択条件設定91の数段階のカラーレベルの各閾値を設定する。
図4(a)の例では、3段階のカラーレベルとして「カラー多」「カラー中」「カラー少」の閾値を設定している。さらに、カラー出力制御部81は、カラー選択条件設定として、出力管理条件情報に出力される管理者による条件の設定も行う。この条件としては、出力管理条件情報に「カラー出力制限条件」として埋め込まれる、原本はカラー出力するものの複写の際は同一ユーザーでなければカラー出力できない「自ユーザーのみカラー印刷可」といった条件や、出力管理条件情報に「2色カラー化可否」として埋め込まれる2色カラー出力の許可及び出力する色(トナー)の情報が用いられる。
また、カラー出力制御部81は、カラー出力許可設定として、各ユーザーについて、カラー選択条件の各カラーレベルについて、カラー出力を許可するか、モノクロで印刷させるかを設定する。この例では、ユーザAAA〜EEEについて、各カラーレベルの原稿の場合にカラーでの印刷を許可するか否かを設定している。
【0035】
図4(b)の画面例510を参照すると、カラー出力制御部81は、同様に設定[2]として、カラー出力制限設定及び2色カラー出力許可設定を行う。
カラー出力制御部81は、カラー出力制限設定として、自ユーザーが出力したか他ユーザーが出力したかによりカラー出力を制限するか否か、電子透かしに埋め込まれた出力管理条件情報の「カラー出力制限条件」に従うか否か等の制限事項を設定する。この例においては、カラー出力制御部81は、ユーザAAA〜EEEについて、「埋め込み情報に従う」「自文書もモノクロ」を選択させて設定している。ここでは、「埋め込み情報に従う」は、電子透かしに埋め込まれた出力管理条件情報のうち「カラー率」に従いカラー又はモノクロの印刷をするか否かを決定する選択を意味する。また「自文書もモノクロ」は、「カラー出力制限条件」が「自ユーザーのみカラー出力可可能」であって、複写したのが自ユーザーであっても、モノクロで印刷する設定である。
また、カラー出力制御部81は、2色カラー出力許可設定として、電子透かしに埋め込まれた出力管理条件情報の「2色カラー化可否」で2色コピーが可能と設定されていた場合の制限事項を設定する。この例では、カラー出力制御部81は、ユーザAAA〜EEEについて、「常にフルカラー」「検出時2色カラー」「常にモノクロ」を選択させて設定している。ここでは、「常にフルカラー」は、「2色カラー化可否」にかかわらず、常に文書をカラー印刷させる設定である。「検出時2色カラー」は、「2色カラー化可否」で2色コピーが可能と設定されていた場合、カラー出力がモノクロに制限されていても、2色印刷を許可する設定である。「常にモノクロ」は、「2色カラー化可否」で2色コピー可能と設定されていても、常にモノクロで印刷させる設定である。
【0036】
図4(c)の画面例520を参照すると、カラー出力制御部81は、同様に設定[3]として、ロゴカラー出力許可設定を行う。
カラー出力制御部81は、ロゴカラー出力許可設定として、電子透かしに埋め込まれた出力管理条件情報の「ロゴマーク」が「あり」等と設定されていた場合の制限事項を設定する。この例では、「常にフルカラー」「検出時ロゴカラー出力」「常にモノクロ」を選択させて設定している。ここでは「常にフルカラー」は、ロゴマークのあるなしに関わらず、常に文書をカラー出力させる設定である。「検出時ロゴカラー出力」は、ロゴマークが存在する場合、カラー出力が2色カラー又はモノクロに制限されていても、ロゴカラー印刷を許可する設定である。「常にモノクロ」は、ロゴマークの有無に関わらず、常にモノクロ印刷する設定である。
【0037】
カラー出力制御部81は、これらの設定を、カラー選択条件設定91、及びアカウント設定90の各ユーザーの出力制限設定情報に反映させる。
これらの設定の完了後、カラー出力制御部81は処理をステップS102に進める。
【0038】
(ステップS102)
次に、カラー出力制御部81は、印刷電子透かし付加処理を行う。
ここでは、カラー出力制御部81は、端末200や外部の記録媒体や保存フォルダに記憶されたジョブデータ96を取得すると、印刷ジョブであった場合、印刷データ内のページ記述言語の解析を行い、ユーザーを特定する。そして、カラー出力制御部81は、ジョブデータ96の印刷データをラスタライズして、一旦、一時データとして画像データを作成して記憶部9に記憶する。
また、ジョブデータ96がコピージョブであった場合にも、カラー出力制御部81は、操作パネル部6からのユーザーによる認証情報の入力により、ログイン処理を行って、ユーザーを特定する。この際にも、カラー出力制御部81は、ジョブデータ96の画像データを、一時データとして記憶部9に記憶する。
【0039】
次に、カラー出力制御部81は、記憶部9に記憶された一時データである画像データから、ページ単位でカラー率を算出する。すなわち、カラー出力制御部81は、ページ全体のピクセルの合計のうち、白と黒以外のピクセルを算出し、この割合を「カラー率」として算出する。カラー出力制御部81は、例えば、C、M、Yのカラーが所定の閾値以上の分散をもつピクセルをカラーと算出し、それ以外のピクセルを白黒と算出する。
なお、単純にカラーのピクセルの数を算出するのではなく、例えば、タイル状に区切られた領域のカラーの分散から、カラー率を判定してもよい。また、文字をOCR等で認識し、背景のうち文字だけがカラーの場合に、その領域全体をカラーであると判定してもよい。さらに、印刷データのページ記述言語を解析して、カラーの領域を算出したり、ラスタライズ時にカラーのピクセルを同時に算出してもよい。このカラーの算出を、画像処理部10にて高速に行わせることも可能である。
【0040】
また、カラー出力制御部81は、ページ記述言語のデータや一次データである画像データから、ロゴ設定94を参照して、ロゴの有無及び座標等を特定する。
カラー出力制御部81は、ページ記述言語から所定のパターンを認識し、又はOCR等と同様の画像認識を行って、ロゴの有無及び座標等を特定する。
【0041】
次に、カラー出力制御部81は、アカウント設定90とカラー選択条件設定91とを参照して、出力を行うユーザーの出力制限設定情報に従い、画像形成部7で印刷される前の画像データに、電子透かしを埋め込む。カラー出力制御部81は、この電子透かしとしては、例えば、一時データの画像データの印刷可能位置外の所定位置にイエローのドットを数ドット付加するような方式で付加する。これにより、電子透かしの目視での認識が難しくなり、改ざんを防ぎ、セキュリティを高めることが可能となる。また、文字の一部変更やモアレパターン等に付加する形式の電子透かしを用いることも可能である。また、ドットの付加の際にも、単純に数値をドットに変換するのではなく、改ざんを防ぐため、ユーザーの固有暗号鍵で暗号化することも可能である。
なお、カラー出力制御部81は、電子透かしではなく、一次元や二次元バーコード等により、目視可能な状態で出力管理条件情報を付加することも可能である。この場合、ユーザーによるコピー時には、この出力管理条件情報を削除してモノクロのみ許可して印刷させるといった構成が可能である。
【0042】
カラー出力制御部81は、電子透かしに付加する出力管理条件情報としては、例えば、以下のような情報を埋め込む:
・ユーザーID: DDD
・カラー率: 37%
・カラー出力制限条件: 自ユーザーのみカラー印刷可
・2色カラー化可否: 可(赤+黒)
・ロゴマーク: あり
なお、出力管理条件情報に、画像形成装置1の固有番号、出力時刻、出力先情報、履歴番号等を埋め込んでもよい。
以上により、本発明の実施の形態に係るカラー出力管理処理における設定と印刷時の処理を終了する。
【0043】
{複写時の処理}
ここで、
図3(b)のフローチャートにより、本発明の実施の形態に係るカラー出力管理処理における複写時の処理について説明する。
【0044】
(ステップS103)
まず、カラー出力制御部81は、原稿読み込み出力選択処理を行う。
カラー出力制御部81は、ユーザーのログイン処理を行う。カラー出力制御部81は、ユーザーから複写が指示された場合、原稿を読み込む。上述の処理で電子透かしが付加された原稿であった場合、埋め込まれた出力管理条件情報を取得する。カラー出力制御部81は、取得された出力管理条件情報により、カラー、2色コピー、モノクロの出力を行うよう制御する。
この原稿読み込み出力選択処理の詳細については、下記で説明する。
以上により、本発明の実施の形態に係るカラー出力管理処理を終了する。
【0045】
〔画像形成装置1による原稿読み込み出力選択処理〕
次に、
図5を参照して、
図3のステップS103の原稿読み込み出力選択処理の詳細について、ステップ毎に説明する。
【0046】
(ステップS200)
まず、カラー出力制御部81は、ログイン処理を行う。
カラー出力制御部81は、操作パネル部6上でパスワード等の入力によりユーザー認証を行う。この際、カラー出力制御部81は、ICカードリーダーや生体認証機器等(図示せず)を用いて認証を行ってもよい。
カラー出力制御部81は、入力されたパスワード等の認証情報を、記憶部9のアカウント設定90を参照して判定し、ユーザー認証を行う。
ユーザー認証が成功した場合、カラー出力制御部81は、当該ユーザーのログイン状態とする。以下では、上述の
図4のユーザーAAA又はユーザーDDDがログインした場合の例について示す。
なお、カラー出力制御部81は、端末200のウェブブラウザ等からのパスワード等の入力によりユーザー認証を行ってもよい。
【0047】
(ステップS201)
次に、カラー出力制御部81は、原稿読み込み処理を行う。
まず、カラー出力制御部81は、セットされた原稿を原稿読取部2に読み取らせ、画像処理部10で処理させる。そして、画像処理部10で処理された画像データは、一時ファイルであるスキャン画像データ95として、一旦、記憶部9に記憶される。
なお、以下の処理は、スキャン画像データ95のページ毎に実行されることが好適である。
【0048】
(ステップS202)
次に、カラー出力制御部81は、電子透かし復号処理を行う。
カラー出力制御部81は、スキャン画像データ95を画像認識して、電子透かしを検出する。この電子透かしの認識において、カラー出力制御部81は、画像処理部10のGPU等を用いて高速化してもよい。
電子透かしが検出された場合、カラー出力制御部81は、この電子透かしを復号化し、埋め込まれた出力管理条件情報を取得する。
なお、カラー出力制御部81は、電子透かし以外の二次元バーコード等について、同様に認識し、出力管理条件情報を取得することもできる。
また、カラー出力制御部81は、このスキャン画像データ95について、自動カラー認識を用いてカラー率を算出してもよい。
【0049】
(ステップS203)
次に、カラー出力制御部81は、電子透かしが存在したか否かを判定する。
カラー出力制御部81は、電子透かしが検出され、復号化に成功し、出力管理条件情報を取得していた場合には、Yesと判定する。カラー出力制御部81は、それ以外の場合には、Noと判定する。なお、画像形成装置1の固有番号が、取得された出力管理条件情報の固有番号と異なる場合にも、Noと判定することもできる。
Yesの場合、カラー出力制御部81は、処理をステップS204に進める。
Noの場合、カラー出力制御部81は、処理をステップS214に進め、スキャン画像データ95を出力する。この際に、カラー出力制御部81は、アカウント設定90を参照して当該ユーザーのカラー出力許可設定に従い、カラー、2色カラー、又はモノクロで出力してもよい。この際にも、ロゴカラーで出力することも可能である。
【0050】
(ステップS204)
電子透かしが復号化され出力管理条件情報が取得された場合には、カラー出力制御部81は、カラー出力許可判断処理を行う。
まず、カラー出力制御部81は、出力管理条件情報の「カラー率」とカラー選択条件設定91の各閾値とを比較し、どのカラーレベルにあたるかを算出する。上述の例では、出力管理条件情報のカラー率が37%であった場合には、
図4(a)のカラー選択条件設定の例では、「カラー中」と算出される。なお、自動カラー認識を用いたカラー率から、カラーレベルを算出してもよい。
そして、カラー出力制御部81は、算出されたカラーレベルについて、アカウント設定90を参照し、カラー出力等を許可するか否かを判断し設定する。つまり、カラー出力制御部81は、ログインしたユーザーの出力制限設定情報のカラー出力許可設定を参照し、この設定に従って、一旦、当該ページをカラー、2色カラー、又はモノクロのいずれかで出力するよう設定する。
【0051】
ここで、上述の
図4(a)のカラー出力許可設定の例を再び参照して、カラー出力許可判断処理の説明をする。
まず、カラー出力制御部81は、ログインしたのがユーザーAAAであった場合、当該ページは「カラー中」なので、「カラー出力」するよう設定する。
また、カラー出力制御部81は、ログインしたのがユーザーDDDであった場合は、当該ページは「カラー中」であるものの、「モノクロ出力」するよう設定する。
【0052】
(ステップS205)
次に、カラー出力制御部81は、カラー出力が許可されたか否かを判定する。
カラー出力制御部81は、上述のステップS204で、ログインしたユーザーについて当該ページをカラー又は2色カラーで出力することが許可された場合には、Yesと判定する。カラー出力制御部81は、それ以外の場合、つまりモノクロ出力と設定された場合には、Noと判定する。
Yesの場合、カラー出力制御部81は、処理をステップS206に進める。
Noの場合、カラー出力制御部81は、処理をステップS209に進める。
【0053】
(ステップS206)
次に、カラー出力制御部81は、出力制限判断処理を行う。
カラー出力制御部81は、取得された出力管理条件情報を基に、上述のカラー率による出力の設定に関わらずカラー、2色カラー、モノクロ、又はロゴカラーでの出力を許可するか制限するか否かを判断する。
ここでは、カラー出力制御部81は、取得された出力管理条件情報の各条件が、ログインしたユーザーの各種情報と合致するか否かを判断する。
【0054】
まず、カラー出力制御部81は、取得された出力管理条件情報のユーザーIDと、ログインしたユーザーのユーザーIDとを比較し、読み取った原稿のユーザーが同一か否かを判断する。カラー出力制御部81は、同一のユーザーIDであった場合は自ユーザーと判断し、それ以外の場合は他ユーザーと判断する。
【0055】
次に、カラー出力制御部81は、取得された出力管理条件情報における「カラー出力制限条件」を基にして、カラー又は2色カラーでの出力を制限するか否かを判断する。この際、カラー出力制御部81は、自ユーザーか他ユーザーか、ログインしたユーザーの出力制限設定情報に制限が設定されているかといった情報も参照して判断する。
具体的に、カラー出力制御部81は、取得された出力管理条件情報の「カラー出力制限設定条件」が、例えば、「自ユーザーのみカラー印刷可」となっていた場合、ログインしたユーザーのアカウント設定90を参照して、出力制限設定情報のカラー出力制限設定による制限を判断する。ここでは、カラー出力制御部81は、例えば、当該ユーザーのカラー出力制限設定が「自文書もモノクロ」と設定されていた場合、自ユーザーであっても、当該ページのカラー又は2色カラーでの出力を制限するよう設定する。カラー出力制御部81は、逆に、当該ユーザーのカラー出力制限設定が「埋め込み情報に従う」と設定されていた場合、上述の出力管理条件情報の「カラー出力制限条件」に合わせて出力するよう設定する。つまり、例えば「カラー出力制限条件」が、「自ユーザーのみカラー印刷可」である場合、ログインしたのが他ユーザーであればカラー又は2色カラーでの出力を制限するよう設定する。
また、同様に、カラー出力制御部81は、取得された出力管理条件情報の「2色カラー化可否」と、ログインしたユーザーのアカウント設定90の2色カラー出力許可設定による制限とを判断する。この場合、上述の「カラー出力制限条件」を優先させることが好適である。
さらに、カラー出力制御部81は、取得された出力管理条件情報の「ロゴマーク」と、ログインしたユーザーのアカウント設定90の2色カラー出力許可設定による制限とについても判断する。この場合も、上述の「カラー出力制限条件」を優先させることが好適である。
【0056】
ここで、上述の
図4の例を再び参照して、カラー出力制限判断処理の説明をする。
上述の例のように、取得された出力管理条件情報の「カラー出力制限条件」が「自ユーザーのみカラー印刷可」であり、ユーザーIDが「ユーザーDDD」であり、
図4(b)のようにカラー出力制限が設定されている場合:
カラー出力制御部81は、ログインしたのがユーザーAAAであれば、他ユーザーであるため、上述の出力の判断を変化させ、「モノクロ出力」に制限する。
カラー出力制御部81は、ログインしたのがユーザーDDDであれば、自ユーザーであるものの、ステップS204のカラー出力許可判断処理で、既にモノクロ出力と設定されているため、「モノクロ出力」のままとする。
【0057】
さらに、同様に取得された出力管理条件情報の「2色カラー化可否」が「2色化可(赤+黒)」であり、
図4(b)のように2色カラー出力許可設定が設定されている場合:
ログインしたのが他ユーザーであるユーザーAAAの場合、カラー出力制御部81は、出力管理条件情報の「カラー出力制限条件」が「自ユーザーのみカラー印刷可」であるのでこれを優先して、「モノクロ出力」に制限する。
ログインしたのが自ユーザーであるユーザーDDDの場合、カラー出力制御部81は、上述のようにカラー出力許可判断処理で、一旦、「モノクロ」と判断している。しかし、ユーザーDDDは、2色カラー出力許可設定が「検出時2色カラー」のため、「2色カラー出力」に判断を変化させる。
【0058】
また、同様に取得された出力管理条件情報の「ロゴマーク」が「あり」で、
図4(c)のようにロゴカラー出力許可設定が設定されている場合:
ログインしたのが他ユーザーであるユーザーAAAの場合、カラー出力制御部81は、出力管理条件情報の「カラー出力制限条件」を優先して、「モノクロ出力」に制限したままとする。
ログインしたのが自ユーザーDDDの場合は、カラー出力制御部81は、ユーザーDDDのロゴカラー出力許可設定が「検出時ロゴカラー」のため、「2色カラー出力」に加えて、ロゴマークの箇所をカラー出力する「ロゴカラー出力」に変化させる。
【0059】
(ステップS207)
次に、カラー出力制御部81は、カラー出力が制限されたか否かを判定する。
カラー出力制御部81は、上述のステップS206の出力制限判断処理でカラー出力が制限され、モノクロの出力に変化した場合には、Yesと判定する。カラー出力制御部81は、それ以外の場合には、Noと判定する。
Yesの場合、カラー出力制御部81は、処理をステップS209に進める。
Noの場合、カラー出力制御部81は、処理をステップS208に進める。
【0060】
(ステップS208)
次に、カラー出力制御部81は、カラー出力が許可されていたか否かを判定する。カラー出力制御部81は、上述のステップS206の出力制限判断処理でカラー出力が許可されており、出力判断制限もなかった場合には、Yesと判定する。カラー出力制御部81は、それ以外の場合には、Noと判定する。
Yesの場合、カラー出力制御部81は、処理をステップS214に進める。
Noの場合、カラー出力制御部81は、処理をステップS210に進める。
【0061】
(ステップS209)
カラー又は2色カラーの出力が許可されていなかった場合、及びモノクロ出力に変化した場合、カラー出力制御部81は、モノクロ出力設定処理を行う。
ここでは、カラー出力制御部81は、当該ページを、一旦、モノクロで出力するよう設定する。
その後、カラー出力制御部81は、処理をステップS210に進める。
【0062】
(ステップS210)
次に、カラー出力制御部81は、2色カラー出力が許可されていたか否かを判定する。カラー出力制御部81は、上述のステップS206の出力制限判断処理で2色カラー出力と判断されていた場合には、Yesと判定する。カラー出力制御部81は、それ以外の場合には、Noと判定する。
Yesの場合、カラー出力制御部81は、処理をステップS211に進める。
Noの場合、カラー出力制御部81は、処理をステップS214に進める。
【0063】
(ステップS211)
2色カラー出力が許可されていた場合、カラー出力制御部81は、2色カラー出力化処理を行う。
カラー出力制御部81は、取得された出力管理条件情報の「2色カラー化可否」のカラーを用いて、スキャン画像データ95の当該ページを2色カラー出力に設定する。
【0064】
(ステップS212)
次に、カラー出力制御部81は、ロゴカラー出力が許可されていたか否かを判定する。カラー出力制御部81は、上述のステップS206の出力制限判断処理で、ロゴカラー出力と判断されていた場合には、Yesと判定する。カラー出力制御部81は、それ以外の場合には、Noと判定する。
Yesの場合、カラー出力制御部81は、処理をステップS213に進める。
Noの場合、カラー出力制御部81は、処理をステップS214に進める。
【0065】
(ステップS213)
ロゴカラー出力が許可されていた場合、カラー出力制御部81は、ロゴカラー出力化処理を行う。
カラー出力制御部81は、スキャン画像データ95の当該ページのロゴの座標をカラーで出力するロゴカラー出力に設定する。
【0066】
(ステップS214)
ここで、カラー出力制御部81は、出力処理を行う。
カラー出力制御部81は、画像形成部7にて、上述の各制限による判断、及びユーザーによる制限に従って、カラー、2色カラー、モノクロ、又はロゴカラーにて、スキャン画像データ95の当該ページを画像形成部7により印刷する。
なお、カラー出力制御部81は、画像形成部7による印刷の他に、PDFファイルの作成、ファクシミリ送信等を行ってもよい。
また、カラー出力制御部81は、カラー、2色カラー、モノクロ、又はロゴカラーの各出力をカウントして、履歴情報として記憶部9に記憶し、チャージ(料金)等を算出してもよい。この際、カラー出力制御部81は、2色カラー又はロゴカラーの場合は、通常のカラーとは異なるチャージ等を設定してもよい。
以上により、原稿読み込み出力選択処理を終了する。
【0067】
以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る画像形成装置1は、画像のカラー率やロゴマークの有無等の情報と、管理者によるユーザー毎の出力の制限と、印刷時の電子透かしの付加により、カラー、2色カラー、又はモノクロ出力の制限を効果的に切り換えることができる。
このため、カラートナーの消費を制限することができる。また、カラー出力の禁止により、原本と複写とを容易に認識可能となるため、セキュリティを強化できる。さらに、2色、ロゴカラー出力を細やかに使い分け、文書の見映えをよくすることができる。
【0068】
なお、本実施形態の画像形成装置1は、画像形成装置以外の情報処理装置にも適用できる。
また、画像形成装置1は、他の画像形成装置や別途接続されたスキャナーやネットワークスキャナーで作成したスキャン画像データ95を用いるような構成であってもよい。また、画像形成装置1は、印刷のみならずスキャンやPDF等のファイル化について、本実施形態の処理を用いてもよい。
【0069】
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。