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特許5960091運動計量の図形コード生成のための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5960091
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】運動計量の図形コード生成のための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/22 20060101AFI20160719BHJP
【FI】
   A61B5/22 BZDM
【請求項の数】41
【外国語出願】
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2013-104383(P2013-104383)
(22)【出願日】2013年5月16日
(65)【公開番号】特開2013-240596(P2013-240596A)
(43)【公開日】2013年12月5日
【審査請求日】2014年2月7日
(31)【優先権主張番号】13/475,660
(32)【優先日】2012年5月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505127167
【氏名又は名称】プリコー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Precor, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100153017
【弁理士】
【氏名又は名称】大倉 昭人
(74)【代理人】
【識別番号】100158148
【弁理士】
【氏名又は名称】荒木 淳
(72)【発明者】
【氏名】ナーザン エス ズーバー
【審査官】 冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−066079(JP,A)
【文献】 特開2004−181052(JP,A)
【文献】 特開2005−198770(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06 − 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
ディスプレイと、
異なる複数のフィットネス器具ユニットであって、前記異なる複数のフィットネス器具ユニットのそれぞれは運動を行う人の識別情報を受信する、フィットネス器具ユニットと、
コントローラであって、
前記運動を行う人の前記受信した識別情報に基づいて第一制御信号を生成し、前記第一制御信号は前記ディスプレイに、前記運動を行う人の識別情報と、関連付けられたフィットネス器具ユニットの使用のための命令とを示す少なくとも一つの第一図形コードを提示させ、
フィットネス器具ユニットの運動計量の複数の異なる値を示す信号を受信し、前記運動計量の前記異なる値に基づいて、前記受信された信号を異なる第二図形コードに変換し異なる第二図形コードを前記ディスプレイに表示させるための制御信号を生成する、
コントローラと
を有する装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、当該装置は、
前記フィットネス器具ユニットの前記運動計量を検出するセンサをさらに有する装置。
【請求項3】
請求項2記載の装置において、前記センサは、リードスイッチを含む装置。
【請求項4】
請求項1記載の装置において、前記ディスプレイ及び前記コントローラは、バッテリで動作する装置。
【請求項5】
請求項4記載の装置において、当該装置は、前記バッテリを再充電するための光電池をさらに有する装置。
【請求項6】
請求項1記載の装置において、前記第一及び/又は第二図形コードは、クイックレスポンス(QR)コードを含む装置。
【請求項7】
請求項1記載の装置において、前記第二図形コードで示される前記運動計量は、前記フィットネス器具ユニットの可動部材の動きを含む装置。
【請求項8】
請求項7記載の装置において、前記第二図形コードで示される前記運動計量は、前記可動部材の移動の反復回数を含む装置。
【請求項9】
請求項7記載の装置において、前記第二図形コードで示される前記運動計量は、前記可動部材の移動のスピード又は継続時間を含む装置。
【請求項10】
請求項7記載の装置において、前記第二図形コードで示される前記運動計量は、前記可動部材の移動に対する抵抗のレベルを含む装置。
【請求項11】
請求項10記載の装置において、前記第二図形コードで示される前記運動計量は、前記フィットネス器具ユニットの複数の選択可能なウェイトのうちどのウェイトが選択されたかを含む装置。
【請求項12】
請求項1記載の装置において、前記第一及び/又は第二図形コードはさらに、前記フィットネス器具ユニットの識別情報を示す装置。
【請求項13】
請求項1記載の装置において、前記第二図形コードはさらに、運動が行われた日を識別する装置。
【請求項14】
請求項1記載の装置において、前記第二図形コードはそれぞれ、前記フィットネス器具ユニットの少なくとも2つの運動計量を示す装置。
【請求項15】
請求項1記載の装置において、前記第一及び/又は第二図形コードはそれぞれ、バーコードを含む装置。
【請求項16】
請求項1記載の装置において、当該装置は、前記フィットネス器具ユニットをさらに有する装置。
【請求項17】
請求項16記載の装置において、前記ディスプレイ及び前記コントローラは、前記フィットネス器具ユニットに取外し可能に装備されている装置。
【請求項18】
請求項16記載の装置において、前記フィットネス器具ユニットは、人による運動時に反復的に移動する選択可能なウェイトスタックを有し、前記第二図形コードで示される前記運動計量は、前記選択可能なウェイトスタックのうち選択されたウェイト及び当該選択されたウェイトの持上げ回数を含む装置。
【請求項19】
請求項18記載の装置において、前記第二図形コードで示される前記運動計量は、前記選択可能なウェイトの持上げ距離をさらに含む装置。
【請求項20】
装置であって、
ディスプレイと、
運動を行う人の識別情報を受信する入力部と、
フィットネス器具ユニットの運動計量の複数の異なる値を示す信号を受信し、前記ディスプレイに、前記運動計量の前記異なる値に基づいて複数の異なる図形コードを提示させる制御信号を生成するコントローラであって、前記異なる図形コードの少なくとも一つは前記識別情報のコード化を含む、コントローラと、
前記フィットネス器具ユニットでの運動に基づく前記図形コードそれぞれのデジタル画像を取得するコード取得デバイスを含む携帯型電子デバイスと、
コンピュータ読取り可能なコードを記憶する非一時的なコンピュータ読取り可能媒体と、
を有し、前記コンピュータ読取り可能なコードは、
前記異なる図形コードそれぞれの前記デジタル画像を、前記運動計量の前記異なる値に変換するステップと、
1つの運動セッションについて記憶されたプログラムを読み出すステップであって、前記記憶されたプログラムは第二フィットネス器具ユニットおよび第三フィットネス器具ユニットのパラメータを含む、ステップと、
前記第二フィットネス器具ユニットおよび前記第三フィットネス器具ユニットのパラメータを、第一フィットネス器具ユニットからの前記異なる図形コードのそれぞれの前記変換されたデジタル画像からの前記運動計量の前記異なる値に基づいて、前記第二フィットネス器具ユニットおよび前記第三フィットネス器具ユニットのいずれかでの運動より前に自動的に調整するステップと、
前記第二フィットネス器具ユニットおよび前記第三フィットネス器具ユニットの前記調整されたパラメータを、前記携帯型電子デバイス上で前記運動セッション中に、前記第一フィットネス器具ユニットでの運動の完了後且つ前記第二フィットネス器具ユニットおよび前記第三フィットネス器具ユニットのいずれかでの運動の前に表示するステップと、
を実行させる、装置。
【請求項21】
請求項20記載の装置において、前記携帯型電子デバイスは、前記非一時的なコンピュータ読取り可能媒体を有する、装置。
【請求項22】
請求項21記載の装置において、前記携帯型電子デバイスから、前記運動計量の前記異なる値を示す信号を受信し、前記運動計量の前記異なる値に基づいて、前記携帯型電子デバイスで表示されるメッセージを送信する遠隔計算デバイスをさらに有する装置。
【請求項23】
請求項1記載の装置において、当該装置は、携帯型電子デバイスをさらに有し、
当該携帯型電子デバイスは、
携帯型電子デバイスディスプレイと、
バーコードリーダと
を有する装置。
【請求項24】
請求項23記載の装置において、当該装置は、前記携帯型電子デバイスから、前記運動計量の前記異なる値を示す信号を受信し、前記運動計量の前記異なる値に基づいて、前記携帯型電子デバイスで表示されるメッセージを送信する遠隔計算デバイスをさらに有する装置。
【請求項25】
方法であって、
第一フィットネス器具ユニットの運動計量の複数の異なる値を示す信号を受信するステップと、
受信された前記運動計量の前記異なる値に基づいて複数の異なる図形コードを生成及び表示するステップと、
1つの運動セッションについて記憶されたプログラムを受信するステップであって、前記記憶されたプログラムは第二フィットネス器具ユニットおよび第三フィットネス器具ユニットのパラメータを含む、ステップと、
前記第二フィットネス器具ユニットおよび前記第三フィットネス器具ユニットのパラメータを、前記第一フィットネス器具ユニットから受信した前記異なる図形コードそれぞれの変換済みデジタル画像からの前記運動計量の前記異なる値に基づいて、前記第二フィットネス器具ユニットおよび前記第三フィットネス器具ユニットのいずれかでの運動より前に自動的に調整するステップと、
前記第二フィットネス器具ユニットおよび前記第三フィットネス器具ユニットの前記調整されたパラメータを、携帯型電子デバイス上で前記運動セッション中に、前記第一フィットネス器具ユニットでの運動の完了後且つ前記第二フィットネス器具ユニットおよび前記第三フィットネス器具ユニットのいずれかでの運動の前に表示するステップと、
を含む方法。
【請求項26】
請求項25記載の方法において、当該方法は、前記第一フィットネス器具ユニットの前記運動計量を検出するステップをさらに含む方法。
【請求項27】
請求項25記載の方法において、前記図形コードは、クイックレスポンス(QR)コードを含む方法。
【請求項28】
請求項25記載の方法において、前記図形コードで表される前記運動計量は、前記第一フィットネス器具ユニットの可動部材の動きを含む方法。
【請求項29】
請求項28記載の方法において、前記図形コードで示される前記運動計量は、前記可動部材の移動の反復回数を含む方法。
【請求項30】
請求項25記載の方法において、前記図形コードで示される前記運動計量は、前記第一フィットネス器具ユニットの可動部材の移動のスピード又は継続時間を含む方法。
【請求項31】
請求項25記載の方法において、前記図形コードで示される前記運動計量は、前記第一フィットネス器具ユニットの可動部材の移動に対する抵抗のレベルを含む方法。
【請求項32】
請求項31記載の方法において、前記図形コードで示される前記運動計量は、前記第一フィットネス器具ユニットの複数の選択可能なウェイトのうちどのウェイトが選択されたかを含む方法。
【請求項33】
請求項25記載の方法において、前記図形コードはさらに、前記第一フィットネス器具ユニットの識別情報を示す方法。
【請求項34】
請求項25記載の方法において、前記図形コードはさらに、運動が行われた日を識別する方法。
【請求項35】
請求項25記載の装置において、前記図形コードはそれぞれ、前記第一フィットネス器具ユニットの少なくとも2つの運動計量を示す方法。
【請求項36】
請求項25記載の方法において、前記図形コードはそれぞれ、バーコードを含む方法。
【請求項37】
請求項25記載の方法において、前記第一フィットネス器具ユニットは、人による運動時に反復的に移動する選択可能なウェイトスタックを有し、前記図形コードで示される前記運動計量は、前記選択可能なウェイトスタックのうち選択されたウェイト及び当該選択されたウェイトの持上げ回数を含む方法。
【請求項38】
請求項37記載の方法において、前記図形コードで示される前記運動計量は、前記選択可能なウェイトの持上げ距離をさらに含む方法。
【請求項39】
請求項25記載の方法において、当該方法は、運動の完了の指示を入力するステップをさらに有し、
前記図形コードのうち1つの図形コードは、前記運動の完了を指示する前記入力に応答して、生成される方法。
【請求項40】
請求項25記載の方法において、当該方法は、携帯型電子デバイスのコードリーダを用いて前記図形コードを読取り、当該図形コードを前記異なる値に変換するステップをさらに含む方法。
【請求項41】
請求項40記載の方法において、当該方法は、
前記異なる値を遠隔計算デバイスに送信し、前記遠隔計算デバイスから前記異なる値に基づく信号を受信するステップと、
受信された前記信号に基づいて、前記携帯型電子デバイスにメッセージを表示するステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動計量の図形コード生成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多くのフィットネス器具ユニットは、最小限のデータ処理能力、データ送信能力及び電源性能を有する。そうしたフィットネス器具ユニットは、運動計量(exercise metric)又は運動結果を処理又は出力する能力を殆ど又は全く有さない。そのため、そうしたフィットネス器具ユニットの使用を全体的な運動プログラム又は運動ルーチンに組入れることは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、フィットネス機器ユニットを全体的な運動プログラム又は運動ルーチンに組入れるために、最小限のデータ処理能力、データ送信能力及び電源能力を有するフィットネス機器ユニットからの運動計量の出力を容易にする装置及び方法を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】運動計量出力システムの一例を示す概略図である。
図2図1の運動計量出力システムで用いられ得る第一図形コードの一例を示す図である。
図3図1の運動計量出力システムで用いられ得る第二図形コードの一例を示す図である。
図4図1の運動計量出力システムにより実行され得る方法の一例を示すフロー図である。
図5】運動システムの一例を示す概略図である。
図6図5の運動システムにより実行され得る方法の一例を示すフロー図である。
図7図5の運動システムにより実行され得る方法及びそれに対応して表示され得るコンテンツの一例を示すフロー図である。
図8】図形コード及びそれに対応して変換された運動計量の値のフィットネス器具ユニットからの出力の一例を示す図である。
図9図1の運動計量出力システムの実施の一例を示す概略図である。
図10図8の運動計量出力システムの実施の一例を示す部分概略図である。
図11図5の運動システムの実施の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1は、運動計量出力システム20の一例を示す概略図である。後述するように、運動計量出力システム20は、フィットネス器具ユニットの運動計量の値又は結果を、少ない消費電力又は処理要求数で出力する。運動計量出力システム20は、運動計量の値を、フィットネス器具ユニット、スタンドアロン型のフィットネス器具ユニット又はインターネットに(LAN又はWi-Fiで)接続されていないフィットネス器具ユニットから出力することができる。運動計量出力システム20はさらに、高水準ソフトウェア機能をフィットネス器具ユニット24から隔離することにより、フィットネス器具ユニット24は、ディスプレイの駆動用に低消費電力・低コストのプロセッサを利用し易くなる。結果として、運動計量出力システム20は、フィットネス器具ユニットに関連する電子器具のコスト及び複雑性を低減し、同時に、消費電力を低減して、これにより、太陽エネルギ又は運動エネルギ等の代替電力であっても十分な電力量の提供を可能とする。
【0006】
運動計量出力システム20は、フィットネス器具ユニット24、ディスプレイ40及びコントローラ50を有する。フィットネス器具ユニット24は、人が、心血管運動、無酸素運動又はそれらの組合せを行う上で相互作用するマシン又はデバイスを有する。図1に概略的に示されているように、フィットネス器具ユニット24は、1つ又は複数の可動部材52を有し、各可動部材52は、人が運動し易くなるように人体に接触するよう適合又は構成されている。いくつかの実施形態において、可動部材52の移動に対して、調整可能な又は制御された抵抗を加えることができる。いくつかの実施形態において、可動部材52の移動経路の大きさ、形状又は傾斜は、制御又は調整され得る。
【0007】
一実施形態において、可動部材52は、人が運動時に片足又は両足を押当てるフットパッドを有することができる。そうしたフットパッドを有するフィットネス器具ユニット24又は運動デバイスの例としては、下記に限定されないが、楕円運動マシン、ステッパマシン、ローイングマシン、ステーショナリバイシクル、アダプティブ・モーション・マシン、スキー・シミュレーション・マシン及びレッグ・プレス・マシンが挙げられる。一実施形態において、可動部材52は、ユーザが接触するベルト(例えば、トレッドミルにおいて用いられるベルト)を有することができる。一実施形態において、可動部材52は、人が運動時に力を加えるために把持するハンドグリップを有することができる。そうしたハンドグリップを有するフィットネス器具ユニット24又は運動デバイスの例としては、下記に限定されないが、楕円運動マシン(スイングアーム)、ステッパマシン(スイングアーム)、アダプティブ・モーション・マシン(スイングアーム)、クライミングマシン、振動運動モーションマシン、スキー・シミュレーション・マシン、ローイングマシン、ウェイト・プルダウン・マシン、チェスト・プレス・マシン等が挙げられる。一実施形態において、可動部材52は、人体の他の部分に接触するよう構成された部材、例えば、人のすね(レッグプレス)、人の肩(スクワットマシン)又は人の太腿(腹部運動マシン)に接触する部材を含むことができる。
【0008】
ディスプレイ40は、様々な運動計量又は運動結果に応じて随時変化する様々な図形コード54の画像を提示又は表示するよう構成されたディスプレイスクリーンを有する。表示される図形コード54のタイプに応じて、ディスプレイ40は、液晶ディスプレイ、発光ダイオードディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、電子インク(e-ink)ディスプレイ又は現存する又は今後開発されるその他のディスプレイ技術を含むことができる。
【0009】
図形コードの例は、図2及び図3に示されている。図2は、クイックレスポンス(QR)コード54Aの一例を示す。図3は、一次元バーコード54Bの一例を示す。本発明の目的のために、「図形コード」は、コード化によってデータを表す、線、点、バー又はシンボルのマシン読取り可能な図形であり、当該図形は英数字ではなく、当該図形で表されるデータは、当該図形用のコードキーを用いて変換されない限り容易に識別又は理解することが不可能である。図形コードの他の例としては、下記に限定されないが、二次元バーコード、三次元バーコード及び円形のギロシェ(guilloche:装飾模様)が挙げられる。一実施形態において、ディスプレイ40は、現存する又は今後開発されるその他のタイプの図形コードの様々な画像を動的に提示するよう構成され得る。
【0010】
コントローラ50は、1つ又は複数の処理部を有する。処理部は、フィットネス器具ユニット24の運動計量の様々な値を示す信号を受信するように、且つフィットネス器具ユニット24からの運動計量の様々な値に基づいて、様々な図形コードをディスプレイ42に提示させるための制御信号を生成するように構成されている。例えば、コントローラ50は、第一タイプの図形コードの第一画像をディスプレイ40に提示させるための制御信号を生成する。ここで、第一画像は、特定の運動計量の第一結果を表す。コントローラ50は、同じ第一タイプの図形コードであり、第一画像とは異なる第二画像をディスプレイ40に提示させるための制御信号を生成することができる。ここで、第二画像は、上記特定の運動計量の第一結果とは異なる第二結果を表す。具体的な例として、コントローラ50は、人が第一ウェイト量を持上げていることを示す信号を受信した場合に、第一図形コード(例えば、第一QRコード54A)[「QRコード」は登録商標]をディスプレイ40に提示させるための制御信号を生成することができる。また、コントローラ50は、人が第一ウェイト量とは異なる第二ウェイト量を持上げていることを示す信号を受信した場合に、第一QRコード54Aとは異なる第二QRコード54Aをディスプレイ40に提示させるための制御信号を生成することができる。
【0011】
本発明の目的のため、「処理部」との語は、メモリに記憶された一連の命令を実行するための、現在開発された又は今後開発される処理部を意味する。一連の命令の実行により、処理部は、制御信号の生成等のステップを行う。命令は、処理部により実行されるために、リードオンリーメモリ(ROM)、大容量記憶装置又はその他の永続的記憶装置からランダムアクセスメモリ(RAM)にロードされ得る。他の実施形態において、上述した所望の機能を実行するためのソフトウェア命令に替えて又はそれと組合せて、ハードワイヤード回路を用いることもできる。例えば、コントローラ50は、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)の一部として実現され得る。具体的に記載されない限り、コントローラは、ハードウェア回路及びソフトウェアの何らかの組合せに限定されず、処理部により実行される命令に関する何らかの特定のソースにも限定されない。
【0012】
図4は、運動計量出力システム20により実行され得る方法100の一例を示すフロー図である。ステップ102で示されているように、コントローラ50は、フィットネス器具ユニット(FEU)(例えば、フィットネス器具ユニット24)の少なくとも1つの運動計量の様々な値を示す信号を受信する。一実施形態において、コントローラ50は、フィットネス器具ユニット24での運動についての複数の運動計量の様々な値を示す信号を受信する。コントローラ50により受信される信号が示し得る運動計量の例としては、下記に限定されないが、可動部材52の移動のスピード、可動部材52の加速度、可動部材52の移動の継続時間、可動部材52の移動に対する抵抗のレベル、運動の開始又は完了の時刻又は日付、反復回数又は完了した反復のセット数及び可動部材52の移動の範囲又は距離が挙げられる。
【0013】
そうした信号は、可動部材52の移動(又は可動部材52の移動に応じて移動するその他の部材又は構造体の移動)を検出する1つ又は複数のセンサを用いて生成され得る。また、そうした信号は、追加的又は代替的に、フィットネス器具ユニット24の運動計量に関して入力される選択値の設定に基づいて生成され得る。例えば、フィットネス器具ユニット24は、運動を行う人が1つ又は複数の値を運動計量の運動パラメータとしてフィットネス器具ユニット24で選択できるよう構成され得る。一実施形態において、フィットネス器具ユニット24は、運動デバイス(例えば、トレッドミル、エリプティカルマシン及び階段ステッパ等)を有し、人は、運動デバイスの特定の運動セッションに関する全ての値(例えば、スピード、抵抗及び継続時間)を選択することができる。また、そうした実施形態において、運動計量の値を示す信号は、値の選択から直接生成することができ、運動計量の値を検出するためのセンサは必要ではない。そうした実施形態において、信号は、運動計量のパラメータとして、検出値ではなく選択値を示す。
【0014】
ステップ104で示されているように、コントローラ50は、ステップ102において受信された信号に基づいて、様々な図形コード54をディスプレイ42に表示させるための制御信号を生成する。例えば、人が、第一運動セッション中に、第一ウェイト量を、第一反復数の回数、第一距離の長さ、第一時間の間、持上げたとする。フィットネス器具ユニット24から受信される信号が示す上記のような値に基づいて、コントローラ50は、図形コード54の第一画像をディスプレイ40に提示させることができる。
【0015】
また、人が、第二運動セッション中に、第二ウェイト量を、第二反復数の回数、第二距離の長さ、第二時間の間、持上げたとする。フィットネス器具ユニット24から受信される信号が示す上記のような第二セッションについての値に基づいて、コントローラ50は、図形コード54の第一画像とは異なる第二画像をディスプレイ40に提示させることができる。例えば、第一運動セッションの結果、第一QRコードが提示され、第二運動セッションの結果、第二QRコードが提示され得る。
【0016】
第一及び第二運動セッションについての図形コード54の第一及び第二画像はそれぞれ、運動を行う人が携帯する携帯型電子デバイスのカメラ、スキャナ又はその他のコード取得デバイスにより取得され、続いて、変換、記憶、分析及び使用され得る。運動計量出力システム20及び方法100は、1つ又は複数の運動計量の様々な値に基づいて1つの図形コードを提示するため、そうした様々な値は、コンパクトに提示されて携帯型電子デバイスにより迅速かつ効率的に取得される。そのため、運動計量出力システム20又はフィットネス器具ユニット24に関わりなく、図形コードを当該図形コードが表す運動計量値に変換することが可能となる。変換された図形コードは、運動計量出力システム20又はフィットネス器具ユニット24に関わりなく、分析、記憶、使用及び送信され得る。
【0017】
フィットネス器具ユニット24からの1つ又は複数の運動計量値の分析、記憶、使用及び送信は、フィットネス器具ユニット24又は運動計量出力システム20に関わりなく行うことができるため、運動計量出力システム20及びフィットネス器具ユニット24の構成を簡略化し、コストを低減することができる。フィットネス器具ユニット24を実際の電源(例えば、コンセント)に接続する必要はなく、コントローラ50及びディスプレイ40の需要電力は、比較的少量に低減されるため、これらはバッテリ又は再充電可能なバッテリからの電力を用いて動作することができる。また、フィットネス器具ユニット24を有線又は無線でネットワークに接続する必要はなく、図形コードを取得した携帯型電子デバイスを用いてデータ送信を行うことができる。運動セッションの結果を分析及び記憶するための処理性能又はメモリ性能をフィットネス器具ユニット24に付与する必要はなく、運動セッションの結果の分析及び記憶は代替的に、フィットネス器具ユニット24から遠く離れた、携帯型電子デバイス又は携帯型電子デバイスと通信状態にある別の計算デバイスで実行することができる。
【0018】
運動計量出力システム20はさらに、実質的な処理性能又は電源を有さない既存のフィットネス器具ユニット24を、全体的な運動のルーチン又はプログラムに組込むことを容易にする。運動計量値を示す信号に基づいた、図形コード54の自動プログラム化生成は、略処理なく、比較的少量の消費電力で行うことができるため、高い処理性能、データ送信性能又は電力利用可能性を有さない従来のフィットネス器具ユニットであっても、運動計量出力システム20の一部として組み込まれるように、容易に変形又は適合することができる。結果として、そうしたフィットネス器具ユニットの運動セッションの結果は、フィットネスプログラムの下で評価され、さらには、フィットネスのルーチン又はプログラムの調整のために利用されることが考えられる。
【0019】
図5は、運動システム200を概略的に示す図である。運動システム200は、運動計量出力システム20の一形態である運動計量出力システム220、携帯型電子デバイス300及び遠隔計算デバイス302を有する。運動計量出力システム220は、センサ260、バッテリ262及び太陽電池264を有するものとして特に示されている点を除いて、運動計量出力システム20と同様である。運動計量出力システム20に対応する運動計量出力システム220の残りの構成部品には、同様に符号が付されている。
【0020】
センサ260は、1つ又は複数の可動部材52の移動を検出するための1つ又は複数のセンサを含む。一実施形態において、センサ260は、運動のパラメータ又は計量(例えば、可動部材52の移動のスピード、可動部材52の加速度、可動部材52の移動の継続時間、可動部材52の移動に対する抵抗のレベル、運動の開始又は完了の時刻又は日付、完了した反復回数又は反復のセット数及び可動部材52の移動の範囲又は距離)の値を検知又は検出するための1つ又は複数のセンサを含むことができる。一実施形態において、センサ260は、光エミッタ及び光検出器を有する光センサ又は光学センサを含むことができる。別の実施形態において、センサ260は、リードスイッチを含むことができる。ここで、当該リードスイッチは、磁界の変化に応じて駆動される。別の実施形態において、センサ260は、光学及び磁性学等を利用するその他の形態のセンサを含むことができる。
【0021】
バッテリ262は、内蔵型の電力源を有する。バッテリ262は、センサ260、ディスプレイ40及びコントローラ50に電力を供給する。一実施形態において、バッテリ262は、移動可能かつ取替え可能である。一実施形態において、バッテリ262は、追加充電可能である。バッテリ262は、コンセントへの接続が困難又は不可能な状況において、運動計量出力システム220を使用し易くなる。いくつかの実施形態において、バッテリ262は省略できる。
【0022】
太陽電池264は、センサ260、ディスプレイ40及びコントローラ50への電力供給及び/又はバッテリ262の充電に使用するために、太陽エネルギを取得又は利用するための1つ又は複数のデバイスを有する。一実施形態において、太陽電池264は、光電池を有する。他の実施形態において、太陽電池264は、運動計量出力システム220で使用するための電力又は電荷の生成のために、他の形の太陽光又は光利用デバイスを有することもできる。他の実施形態において、太陽電池264は省略できる。
【0023】
携帯型電子デバイス300は、ディスプレイ40に提示された図形コード54を取得するよう構成された携帯型ハンドヘルド電子デバイスを有する。そうした携帯型電子デバイス(PED)300の例としては、下記に限定されないが、スマートフォン、パーソナル・データ・アシスタント(PDA)、ラップトップ、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ(例えば、iPad(登録商標))及びMP3プレーヤ(例えば、iPod Touch(登録商標))が挙げられる。図示された例において、携帯型電子デバイス300は、入力部304、ディスプレイ306、コード取得デバイス308、通信デバイス310及びコントローラ312を有する。他の実施形態において、携帯型電子デバイス300の構成部品の数は、携帯型電子デバイス300がコード取得デバイス308を有しさえすれば、増減できる。
【0024】
入力部304は、携帯型電子デバイス300用のユーザインタフェースを有し、当該ユーザインタフェースにより携帯型電子デバイス300への入力が行われる。入力部304により、図形コード54の取得をコード取得デバイス308が開始するための、及び取得された図形コード54又は変換された図形コード54の通信を通信デバイス310が開始するための情報又はコマンド(命令)が、人により入力され易くなる。入力部304は、追加的又は代替的に、変換された図形コード54の表示を容易にしたり、全体的な運動のルーチンあるいはプログラムの表示や、運動の指示の表示や、完了したばかりの運動セッションの運動計量の値あるいは結果を示す変換された図形コード54に基づく全体的な運動のルーチンあるいはプログラムに対する変更を表示を容易にしたりできる。一実施形態において、入力部304は、キーボードを含む。他の実施形態において、入力部304は、タッチパッド、スタイラス、音声認識ソフトウェア又は音声認識プログラムに関連付けられたマイクロフォン、タッチスクリーン、ボタン、スイッチ等を含むことができる。いくつかの実施形態において、入力部304は、ディスプレイ306の一部として組込まれたタッチスクリーンを含むことができる。
【0025】
ディスプレイ306は、ユーザインタフェースを有し、当該ユーザインタフェースにより図形又はテキストのデータがユーザに提示される。一実施形態において、ディスプレイ306は、液晶ディスプレイを含む。他の実施形態において、ディスプレイ306は、発光ダイオードディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、電子インク(e-ink)ディスプレイ又は現存する又は今後開発されるその他のタイプのディスプレイ技術を含むことができる。
【0026】
コード取得デバイス308は、ディスプレイ40に提示された図形コード54の画像を(コントローラ50に物理的に接続されることなく)取得又は読取りするよう構成されたデバイスを有する。一実施形態において、コード取得デバイス304は、カメラ(例えば、二次元アレイ状に配列した電荷結合素子(CCD)あるいはセンサを有するカメラ又は携帯電話あるいはスマートフォンカメラ)を含む。他の実施形態において、コード取得デバイス308は、CCDリーダ、光源及び図形コード54から反射される光強度を検出する光ダイオードを有するペンタイプのリーダ、図形コード54から反射される光強度を測定するために光ダイオードを使用するレーザスキャナ、全方向スキャナ又は現在使用されている又は今後開発されるその他のタイプのスキャナを含むことができる。
【0027】
通信デバイス310は、外部の送信先(例えば、遠隔計算デバイス302)に対する、取得された図形コード54の送信又は取得された図形コード54の変換を容易にするよう構成されたデバイスを有する。いくつかの実施形態において、通信デバイス310はさらに、図形コード54がその変換を行う外部又は遠隔地の受信者又はサーバに送信された後の、変換後の図形コード54の受信を容易にする。一実施形態において、通信デバイス310は、図形コード54により示される値に部分的に基づいた指示又は全体的なワークアウトルーチンの調整の受信を容易にする。
【0028】
一実施形態において、通信デバイス310は、有線ポート又は有線接続を有する。別の実施形態において、通信デバイス310は、無線でデータを送信するよう構成された無線通信デバイスを有する。通信デバイス310自体が図形コード54を変換及び利用するいくつかの実施形態において、通信デバイス310は省略が可能である。
【0029】
コントローラ312は、携帯型電子デバイス300の動作を指定する制御信号を生成する。コントローラ312は、処理部316及びメモリ318を有する。処理部316は、図形コード54を受信する。一実施形態において、処理部316は、受信した図形コード54が、携帯型電子デバイス300から遠く離れた位置で変換用に用いられるように、通信デバイス310により転送されるのを容易にする。別の実施形態において、処理部316は、図形コード54を1つ又は複数の運動計量の1つ又は複数の値に変換してから、変換された図形コードを通信デバイス310により転送する。さらに別の実施形態において処理部316は、図形コード54を変換して、変換された図形コード54を1つ又は複数の形で使用する。使用の例としては、変換された図形コード54を記憶すること、変換された図形コード54及び運動計量の値に基づいて、ディスプレイ306を通じてワークアウトの変更を提案すること又は奨励することが挙げられる。いくつかの実施形態において、処理部316は、未変換の図形コード54を単に記憶することができ、この場合、未変換の図形コード54は、後に携帯型電子デバイス300が図形コード54を変換する外部受信者と通信状態になってから読出される。
【0030】
メモリ318は、ソフトウェア、プログラム、コンピュータ読取り可能な命令及び/又はデータを記憶するよう構成された非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体又は永続的記憶デバイスを含む。図示された例において、メモリ318は、命令320、運動のプログラム322及び結果324を記憶している。命令320は、処理部316の動作を指定するよう構成されたコンピュータ読取り可能なコード又はプログラムを含む。一実施形態において、そうした命令により、図形コード54の変換する処理部316は、当該図形コード54によって示される運動計量の値を導く。命令320はさらに、携帯型電子デバイス300の一般的な使用に係る処理部316の他の動作だけでなく、上述した処理部316の他の様々な動作も指定するものである。
【0031】
一実施形態において、そうした命令320の一部は、図形コードを収集して図形コードから得られる情報を操作するためのダウンロードアプリケーションを含むことができる。例えば、運動計量出力システム220の提供者又は製造者は、運動を行う人が上記の目的のためにダウンロードできるアプリケーションを提供することができる。スマートフォン、iPod又は携帯型電子デバイスの中には、QRコードリーダ又は他の図形コードリーダを有するものもあるが、これらには、スマートフォン、iPod又はその他の携帯型電子デバイスにより読取ったQRコード又は他の図形コードから得られるデータ/情報を操作するための専用のソフトウェア又はアプリケーションがまだ不足していることがある。
【0032】
運動のプログラム322は、運動を行う人が、運動の目標又は運動あるいはフィットネスの目的又はゴールを達成するために使用すべき推奨設定又はワークアウトパラメータを示す1つ又は複数のアプリケーション又はプログラムを含む。そうした運動プログラム322に含まれるデータを使用して、コントローラ316は、命令320に従い、様々な提案をディスプレイ306により表示する。いくつかの実施形態において、運動のルーチン又はプログラムの値又はパラメータは、変換された図形コード54(変換された図形コード54により示される実際の運動結果又は運動値)に基づいて調整することができる。いくつかの実施形態において、そうした運動プログラムは、携帯型電子デバイス300に記憶され得る。
【0033】
結果324は、記憶された、運動セッションの結果を含む。一実施形態において、結果324は、記憶された変換図形コード54(運動計量の実際の運動値)を含むことができる。別の実施形態において、結果324は、単に未変換の図形コード54を有し、この場合は、未変換の図形コード54は後に変換される。いくつかの実施形態において、結果324は、携帯型電子デバイス300のメモリ318に記憶することができない。
【0034】
遠隔計算デバイス302は、フィットネス器具ユニット24から離れた1つ又は複数の計算デバイスを有する。一実施形態において、遠隔計算デバイス302は、フィットネス器具ユニット24とは別個のフィットネス施設における計算デバイスを含むことができる。別の実施形態において、遠隔計算デバイス302は、フィットネス器具ユニット24を保管又は収容するフィットネス施設から遠く離れた計算デバイス(例えば、サーバ)を含むことができる。一実施形態において、遠隔計算デバイス302は、様々な地理的位置の複数のフィットネス施設にサービスを提供するための中央施設に設置することができる。一実施形態において、上記中心施設には、複数のフィットネス施設の組織化のためのセンターを設置することができる。別の実施形態において、上記中心施設は、フィットネス器具ユニット24の製造者又は提供者により提供され、フィットネス器具ユニット24の製造者又は提供者により提供されたフィットネス器具ユニット24両方にとっての機能の向上が実現される。さらに別の実施形態において、遠隔計算デバイス302は、フィットネス器具ユニット24とは異なる別のフィットネス器具ユニットの一部として設置してもよく、この場合は、当該別のフィットネス器具ユニットは、変換済み又は未変換の図形コード54を処理、記憶及び送信するための、より高度な計算能力、データ記憶能力及びデータ送信能力を有する。例えば、一実施形態において、フィットネス器具ユニット24は、動力源を有さないスタンドアロン型のウェイトリフティングデバイスであってもよく、この場合、携帯型電子デバイス300は、図形コード54の形で表示された結果を別の運動マシン(例えば、エリプティカルマシン、トレッドミル、階段ステッパ、アダプティブ・モーション・マシン等)に転送することができ、この別の運動マシンは、ウェイティングリフトデバイスからの、図形コード54で表された上記結果を、記憶、処理又は送信する能力を有するものである。
【0035】
図示された例において、遠隔計算デバイス302は、通信デバイス330と、コントローラ332と、運動プログラム336及び運動結果338が記憶されたメモリルーム334とを有する。通信デバイス330は、遠隔計算デバイス302と携帯型電子デバイス300との間の通信を容易にするよう構成されたデバイスを有する。通信デバイス330の構成は、通信デバイス310の構成に依存する。通信デバイス330は、実施形態に応じて、未変換の図形コード54の携帯型電子デバイス300からの受信又は変換済みの図形コード54の携帯型電子デバイス300からの受信を容易にする。通信デバイス330はさらに、携帯型電子デバイス300に対する受信した未変換の図形コード54の変換及び/又は図形コード54により示された値に基づく、携帯型電子デバイス300に対する運動ルーチンの調整の送信を容易にする。一実施形態において、通信デバイス330は、有線ポート又は有線接続を有する。別の実施形態において、通信デバイス330は、無線でデータ送信を行うよう構成された無線通信デバイスを有する。
【0036】
コントローラ332は、サーバ302の動作を実行するよう構成された1つ又は複数の処理部を有する。一実施形態において、コントローラ332は、メモリ334に格納された命令に従い、未変換の図形コード54を受信して、当該図形コード54を、対応する1つ又は複数の運動計量の値へと変換するよう構成され得る。一実施形態において、コントローラ332は、基本的には、既に変換された図形コード54を受信する。図形コード54により示された値を用いて、コントローラ332は、メモリ336に記憶されている既存又は進行中の運動のプログラム又はルーチンを調整することができる。コントローラ332はさらに、運動値(結果338)を記憶することができる。結果として、コントローラ332は、ネットワーク(例えば、LAN又はインターネット)を介してサーバ302に接続された他の携帯型電子デバイス又は他の計算デバイスそれぞれが、そうした結果にアクセスすることを可能にする。
【0037】
図6は、エクササイズシステム200で実行され得る方法400の一例を示すフロー図である。ステップ402で示されているように、コントローラ50は、センサ260又は(値が、検出の対象とならない、ユーザ選択によるパラメータ設定である場合等は)フィットネス器具ユニット24から受信した1つ又は複数の運動計量の値に基づいて、図形コード54を生成する。一実施形態において、図形コード54は、1つ又は複数の運動計量の値に加えてさらに、他の情報(例えば、フィットネス器具ユニット24の識別情報及び/又は運動を行う人に係る識別情報又は特徴情報)に基づくことも可能である。
【0038】
ステップ404で示されているように、入力部304からの入力に応じて、処理ユニット316は、生成された図形コード54の画像を取得するようコード取得デバイス308に指示を与える。このことは、人が、図形コード54の画像を提示するディスプレイ40の近傍かつディスプレイ40に対向する位置にコード取得デバイス308のレンズ又はその他の開口部を位置付けることにより実現され得る。ユーザはそれから、カメラのシャッターを開口する人と同様に、入力部304により取得を開始することができる。
【0039】
ステップ406で示されているように、取得された図形コード54は、1つ又は複数の運動計量の1つ又は複数の値に変換される。一実施形態において、そうした変換は、コントローラ312により実行され得る。別の実施形態において、そうした変換は、未変換の図形コード54が遠隔計算デバイス302に送信された後に、当該遠隔計算デバイス302により実行される。その場合は、遠隔計算デバイス302は、変換後の図形コード54(1つ又は複数の運動計量の値)を携帯型電子デバイス300に送り返す。
【0040】
ステップ408で示されているように、変換された図形コード(特定の運動セッションに関する1つ又は複数の運動計量の値)は、当該運動セッションを完了した人のレビューのため表示される。一実施形態において、値は、処理部316によりディスプレイ306に表示される。その結果、運動を行う人は、取得された完了済みの運動セッションの集計記録を見ることができる。例えば、人は、反復回数、反復回数完了するための所要時間、各回の抵抗又はウェイト、及び/又は各ウェイトが移動していく1回又は複数回の反復における移動距離を見ることができる。他の実施形態においては、その他の運動計量の値が表示され得る。いくつかの実施形態において、ステップ408は省略することができる。
【0041】
ステップ410で示されているように、変換された図形コード54(特定の運動セッションに関する1つ又は複数の運動計量の値)は、記憶される。一実施形態において、それらの値は、処理ユニット316により結果324としてメモリ312に記憶される。別の実施形態において、値は、代替的又は追加的に、コントローラ332により結果338としてメモリ334に記憶される。
【0042】
ステップ412により示されているように、変換された1つ又は複数の図形コード54は、全体的な運動ルーチン又はフィットネスプログラムの調整に用いられる。一実施形態において、変換された1つ又は複数の図形コード54は、処理部316により、命令320に従って、メモリ312に記憶された1つ又は複数の運動のルーチン又はプログラム322を調整するために用いられる。別の実施形態において、変換された1つ又は複数の図形コード54は、遠隔計算デバイス302のコントローラ332により、メモリ334に記憶された1つ又は複数の運動のルーチン又はプログラム336を調整するために用いられる。さらに別の実施形態において、ステップ412は省略することができる。
【0043】
ステップ414で示されているように、携帯型電子デバイス300は、調整後の運動のルーチン又はプログラムをディスプレイ306に表示する。その結果、運動を行う人は、残りの運動セッションを同一のフィットネス器具ユニット24でどのように調整するべきか、又は運動のパラメータ又は強度レベルを全体的なフィットネスプログラムの一部である他のフィットネス器具ユニットでどのように調整するべきかに関するアドバイスを受けることができる。いくつかの実施形態において、ステップ414は省略することができる。
【0044】
図7は、エクササイズシステム200で実行され得る方法420の一例を示すフロー図である。図7の左側は、方法420の様々なステップを示し、図7の右側は、そうしたステップに対応する可視的な表示の結果の例を示す。図7は、ウェイトリフティングマシン又はウェイトリフティングフィットネス器具ユニットに関連付られた様々な運動計量の結果が、記憶及び使用のために出力される一例を示す。他の実施形態において、図7の右側に特定されたステップは、その他のフィットネス器具ユニットで実行することができる。他の実施形態において、図7の右側に図示されたステップの一部を実行することができる。
【0045】
ステップ422により示されているように、コントローラ50は、初期図形コードを生成し、ディスプレイ40に図形コードを可視的に提示させるための制御信号を生成する(図7の右側にQRコードとして示された図形コード424Aが例示されている)。一実施形態において、特定のフィットネス器具ユニット24が使用されない限り、初期図形コード424Aの生成及び表示は連続的に行われ得る。別の実施形態において、初期図形コード424Aの生成及び表示は、フィットネス器具ユニット24の近傍に人が存在することが検出された場合に行われ得る。さらに別の実施形態において、初期図形コード424Aの生成及び表示は、ある人がその人の識別情報をフィットネス器具ユニット24に関連付けられたリーダ又はその他の入力部に入力した場合に行われ得る(ただしこれは、そのように装備されている場合についての実施形態である)。そうした実施形態において、その人の識別情報は、提示された図形コード424Aにコード化され、これにより、その人は、識別情報が正しく入力されていることを確認できる。
【0046】
ステップ426により示されているように、コード取得デバイス308は、ディスプレイ40に表示された初期図形コード424Aの画像を取得する。そして、ステップ426によりさらに示されているように、取得された初期図形コード424Aは、変換されてディスプレイ306に表示される。一実施形態において、処理ユニット316は、命令320に従って、初期図形コード424Aを変換し、その変換結果がディスプレイ306に表示される。別の実施形態において、取得された初期図形コード424Aは、別の計算デバイス(例えば、遠隔計算デバイス302)に送信されて、当該別の計算デバイスにより変換され、変換された情報は携帯型電子デバイス300に送り返されてディスプレイ306に表示されるようにしてもよい。
【0047】
図7の右側の対応箇所に示されているように、図形コード424Aが変換されると、ディスプレイ306には、初期メッセージ又は説明メッセージが提示される。図示された例において、図形コード424Aの変換に応じて生成されたメッセージ428Aは、フィットネス器具ユニットの識別子430A、ユーザ識別確認情報432及び説明部分434Aを有する。フィットネス器具ユニット識別子430Aは、フィットネス器具ユニットのタイプ(図の例においては、「チェストプレス」)及び特定のチェスト・プレス・マシンを具体的に特定するSKU識別子(番号C404EC)を特定する。また、その他の特定の識別子(例えば、シリアル番号)を、メッセージ428Aにおいて識別されるフィットネス器具ユニットのための特定の識別子の一部として用いることもできる。ユーザ識別確認情報432は、人により上記特定のフィットネス器具ユニットに入力される、そうでなければフィットネス器具ユニットにより定められていることにより、上記特定のフィットネス器具ユニットを使用する予定のユーザ識別情報に加えて、挨拶部分を有する。上述したように、いくつかの実施形態において、特定のフィットネス器具ユニットの使用予定者の識別情報は省略することができる。説明部分434Aは、上記特定のフィットネス器具ユニットの使用方法に関する説明であり、例えば、適切な扱い方又は安全上の注意といった情報を提供する。
【0048】
他の実施形態において、初期図形コード424Aの変換結果として提示された情報は、より少量又は多量の同一又は異なる情報を含むことができる。一実施形態において、メッセージ428Aの内容は全て、初期図形コード424Aの変換から得られる。すなわち、メッセージ428Aの全ての情報が図形コード424Aの一部としてコード化されている。別の実施形態において、初期図形コード424Aの変換結果は単に、アドレス(携帯型電子デバイス300のメモリ318におけるローカルアドレス、又は遠隔計算デバイス302のメモリ334におけるアドレス等の遠隔アドレス)を含むものであり、携帯型電子デバイス300は変換結果から得られたアドレスを利用してメッセージ428Aの内容の読出し及び表示を行う。さらに別の実施形態において、メッセージ428Aの内容は、図形コード424Aの変換結果及び図形コード424Aの変換により特定されたアドレスから読出された情報の両方から得られる。いくつかの実施形態において、ステップ422及び426は省略することができる。
【0049】
ステップ436及び438は実質的に、方法400のステップ402乃至410に対応する。ステップ436により示されているように、コントローラ50は、1つ又は複数の運動計量の様々な値を示す信号を受信し、そうした1つ又は複数の運動計量の値に基づいて、図形コード54Aを生成する。ステップ438により示されているように、コード取得デバイス308は、ディスプレイ40に表示された動的な運動計量図形コード54A(上述した図形コード54の一例)の画像を取得する。そしてステップ426によりさらに示されているように、取得された図形コード54Aは、変換されてディスプレイ306に表示される。一実施形態において、処理ユニット316は、命令320に従って、初期図形コード424Aを変換し、その変換結果がディスプレイ306に表示される。別の実施形態において、取得された初期図形コードは、別の計算デバイス(例えば、遠隔計算デバイス302)に送信されて、当該別の計算デバイスが変換を行い、変換された情報は携帯型電子デバイス300に再び戻されてディスプレイ306に表示されるようにしてもよい。
【0050】
図7の右側の対応箇所に示されているように、図形コード54Aが変換されると、ディスプレイ306には、運動結果440Aが提示される。図示された例において、提示された運動結果440は、(上述した)フィットネス器具ユニット識別子430、運動のグループ又はセットの識別子442、抵抗又はウェイトの計量値443、距離又は反復(繰返し)の計量値444、経過時間又は持続時間の計量値445、日付表示値446及び時刻表示値447を有する。運動のグループ又はセットの識別子442は、結果が提示されている運動セッションの特定のグループ又はセット/サブセットを識別する。
【0051】
計量値443は、運動の抵抗値を含む。図示された例において、抵抗値は180ポンドであり、この値は、各反復において移動される抵抗量又はウェイト量により読取ることができる。他のフィットネス器具ユニットにおいて、抵抗は、可動部材の移動(例えば、ペダル又は他の構造体の移動)に対して加えられる抵抗量であり得る。そうした計量値は、マシンあるいはユーザにより予め設定されるか、又は変化し得る。抵抗値が1つの単元(例えば、1回の反復)の間に変化し得る実施形態においては、計量値443は、統計値(例えば、1つの単元又は反復当たりの抵抗の中間値又は平均値)を表すものとすることができる。
【0052】
計量値444は、特定のセット又は運動セッションの間に完了された単元数を示す。チェストプレスでウェイトを持上げる運動を示す例において、計量値444は、特定のセット442における単元数(反復数)を示す。あるいは、他のタイプのフィットネス器具ユニットの場合は、計量は、距離(例えば、一マイル競争の回数、あるいは登攀又はそうでなければ横断の行程数)を含む。
【0053】
持続時間計量値445は、単元数又は反復数の完了に必要とされた経過時間を含む。図示された例において、計量値445(14秒)は、12回の反復を完了するまでに経過した時間を特定する。その他のフィットネス器具ユニットを用いた他の実施形態において、持続時間計量445は、単元数444の完了に必要とされた経過時間(例えば、所定の距離数の走行に必要とされた時間)を示すことができる。
【0054】
日付表示446及び時刻表示447は、運動セッションが行われる日時を特定する。一実施形態において、そうした値は、運動セッションの開始時に相当するものとすることができる。別の実施形態において、そうした値は、運動セッションの完了時に相当するものであってもよい。他の実施形態において、例示的な結果440Aに示される1つ又は複数の情報は、省略することができる。いくつかの実施形態において、他の情報を結果440Aの一部として提示することもできる。
【0055】
図7の最も右側にさらに示されているように、いくつかの実施形態において、処理ユニット316は、命令320及びプログラム322に従って、運動ルーチン又は運動プログラムの指示450Aをディスプレイ306にさらに提示することができる。そうした指示450Aは、結果440Aと同時又は連続的に提示することができる。図示された例において、指示450Aは、結果443に基づいて調整される。そうした指示450Aは、運動を行う人に対して、奨励を与える、且ついずれの1つ又は複数のユーザ選択可能なパラメータ又は計量値を次の運動セッション又はサブセッション(セット)で用いるべきかについての指示及び次のセッション又はセットはいつ開始するべきかについての指示を与えることができる。図示された例において、指示450Aは、次のセットにおいてユーザ選択された200ポンドの抵抗及び10単元(10回の反復)の目的又は目標で、当該次のセットを15秒内に開始するようユーザに指示する。運動ルーチンに応じて、そうした指示は変化し得る。
【0056】
ステップ452及び454は、運動を行う人が第二のグループ又はセットを同じフィットネス器具ユニット24で完了した場合に実行される。ステップ452及び454は、同じフィットネス器具ユニット24で行われる第二のグループ又は運動の単元(反復)のセットについて実行される点を除いて、ステップ436及び438と同一である。図7のステップ452に対応する右側の箇所に示されているように、(図5に図示される)コントローラ50は、第二セットの1つ又は複数の運動計量の値を示す信号に基づいて、図形コード424B(図示された例においては、QRコード)を生成する。
【0057】
図7のステップ454に対応する右側の箇所に示されているように、図形コード424Bが取得及び変換されると、一例である結果440Bがディスプレイ306に表示され、1つ又は複数のメモリに記憶される。図示された例において、結果440Bは、結果440Aに提示されたのと同じ計量に関する値を含む。図示された例において、結果440Bは、チェストプレスC404ECでのセット2において、ユーザが、18秒の間に、200ポンドを10回繰り返して持上げたことを示す。セット2は、2012年4月16日の午後2時23分に行われている(これは、具体的な実施形態に依る開始時刻又は完了時刻を示す)。図7の右側にさらに示されているように、処理部316はさらに、指示450Bを提示することができる。指示450Bは、全体的な運動プログラムに関して、又は、特定のセッション、日、週あるいは月毎の運動の目的あるいは目標が達成されているか否かに関して、完了したばかりの結果440Bの評価又は分析に基づくものである。例示された場合においては、目標が達成されており、賞賛が提示される。また、指示450Bは、運動を行う人に対して、(図5に示される)携帯型電子デバイス300のプログラム322に従ってどの運動マシンを次に使用するべきかを指示することができる。別の実施形態において、指示450Bは省略することができる。
【0058】
ステップ462、466、476及び478は基本的にはステップ422、426、436及び438にそれぞれ対応するが、フィットネス器具マシンの別のフィットネス器具ユニットで実行されるものである。図示された例において、そうしたステップはアームカールマシンを含むフィットネス器具ユニット(FEU2)で実行される。図7のステップ462に対応する右側の箇所に示されているように、アームカールのフィットネス器具ユニット24のコントローラ50は、当該アームカールのフィットネス器具ユニット24のディスプレイ306に初期図形コード424Bを表示するための制御信号を生成する。初期図形コード424及びその提示は、図形コード424Bが第二のフィットネス器具ユニットであるアームカールのフィットネス器具ユニットに関するコード化情報を含む点を除いて、上記の図形コード424Aと同一である。
【0059】
ステップ466により示されているように、コード取得デバイス308は、ディスプレイ40に表示された初期図形コード424Bの画像を取得する。そして、ステップ466によりさらに示されているように、取得された初期図形コード424Bは、変換されてディスプレイ306に表示される。一実施形態において、処理ユニット316は、命令320に従って、初期図形コード424Bを変換し、その変換結果がディスプレイ306に表示される。別の実施形態において、取得された初期図形コードは、別の計算デバイス(例えば、遠隔計算デバイス302)に送信されて、当該別の計算デバイスが変換を行い、変換された情報は携帯型電子デバイス300に再び戻されてディスプレイ306に表示されるようにしてもよい。
【0060】
図7のステップ466に対応する右側の箇所に示されているように、図形コード424Bが変換されると、ディスプレイ306には、初期又は説明のメッセージが提示される。図示された例において、図形コード424Bの変換に応じて生成されるメッセージ428Bは、フィットネス器具ユニットの識別子430B、ユーザ識別確認情報432及び説明部分434Bを有する。フィットネス器具ユニットの識別子430Bは、フィットネス器具ユニットのタイプ(図示された例においては、「バイセップカール」)及び特定のバイセップ・カール・マシンを特定する特定の識別子(番号C204EC)を特定する。また、その他の特定の識別子(例えば、シリアル番号)を、メッセージ428Bにおいて識別されるフィットネス器具ユニットのための特定の識別子の一部として用いることもできる。ユーザ識別確認情報432は、(運動を行う人が上記特定のフィットネス器具ユニットに入力するか、又はそうでなければフィットネス器具ユニットにより判別される)上記特定のフィットネス器具ユニットを使用する予定のユーザの識別確認情報に加えて、挨拶部分を有する。上述したように、いくつかの実施形態において、特定のフィットネス器具ユニットの使用予定者の識別確認情報は省略することができる。説明部分434Bは、上記特定のフィットネス器具ユニットの使用方法に関する説明であり、例えば、適切な扱い方又は安全上の注意といった情報を提供する。
【0061】
他の実施形態において、初期図形コード424Bの変換結果として提示された情報は、より少量又は多量の同一又は異なる情報を有することができる。一実施形態において、メッセージ428Bの内容は全て、初期図形コード424Bの変換から得られる。すなわち、メッセージ428Bの全ての情報が図形コード424Bの一部としてコード化されている。別の実施形態において、初期図形コード424Bの変換結果は単に、アドレス(携帯型電子デバイス300のメモリ318におけるローカルアドレス、又は遠隔計算デバイス302のメモリ334におけるアドレス等の遠隔アドレス)を含むものであり、携帯型電子デバイス300は変換結果から得られたアドレスを利用してメッセージ428Bの内容の読出し及び表示を行う。さらに別の実施形態において、メッセージ428Bの内容は、図形コード424Bの変換及び図形コード424Bの変換により特定されたアドレスから読出された情報の両方から得られる。いくつかの実施形態において、ステップ462及び466は省略することができる。
【0062】
ステップ476及び478はそれぞれ、第二のフィットネス器具ユニット(図示された例においては、アームカールマシン)での1つ又は複数の運動計量の値又は結果の出力及び取得に関するという点を除いて、ステップ436及び438と同一である。図示された例において、ステップ476により示されているように、コントローラ50は、1つ又は複数の運動計量の様々な値を示す信号を受信し、そうした1つ又は複数の運動計量の値に基づいて、図形コード54Cを生成する。ステップ478により示されているように、コード取得デバイス308は、ディスプレイ40に表示された動的な運動計量図形コード54C(上述した図形コード54の一例)の画像を取得する。そしてステップ476によりさらに示されているように、取得された図形コード54Cは、変換されてディスプレイ306に表示される。一実施形態において、処理ユニット316は、命令320に従って、図形コード54Cを変換し、その変換結果がディスプレイ306に表示される。別の実施形態において、取得された初期図形コード54Cは、別の計算デバイス(例えば、遠隔計算デバイス302)に送信されて、当該別の計算デバイスが変換を行い、変換された情報は携帯型電子デバイス300に再び戻されてディスプレイ306に表示されるようにしてもよい。
【0063】
図7の右側の対応箇所に示されているように、図形コード54Cが変換されると、ディスプレイ306には、運動結果440Cが提示される。図示された例において、提示された運動結果440Cは、(上述した)フィットネス器具ユニット識別子430、運動のグループ又はセットの識別子442、抵抗又はウェイトの計量値443、距離又は反復の計量値444、経過時間又は持続時間の計量値445、日付表示値446及び時刻表示値447を有する。図示された例において、結果440Cは、アーム又はバイセップカールC204ECでのセット1において、ユーザが、20秒の間に、40ポンドを9.5回繰り返して持上げたことを示す。セット1は、2012年4月16日の午後2時30分に行われている(これは、具体的な実施形態に依る、開始時刻又は完了時刻を示す)。
【0064】
図示された例において、中途半端な反復は、反復が完了されなかったことを意味する。すなわち、ある反復時において、持上げの対象である抵抗又はウェイト(40ポンド)が、完全な反復として認められるのに十分な距離(又は角度)だけ移動されなかった場合である。例えば、持上げの対象であるウェイトは、完全なアームカールの反復を構成するに十分な(予め規定された閾値よりも大きい)距離(又は角度)の半分だけ持上げられた場合が考えられる。基本的には、結果224は、ウェイトが移動した距離の計量値を示す。他の実施形態において、図形コード54から変換されたような結果は、予め規定された閾値距離の1単元に対する割合ではなく、上述したような距離の数値を具体的に特定することができる。例えば、アームカールの場合の距離は、ウェイトが円弧状に移動した角度により特定され得る。チェストプレスの場合の距離は、ウェイトが移動した垂直方向の直線距離であり得る。
【0065】
図7の最も右側にさらに示されているように、いくつかの実施形態において、処理ユニット316は、命令320及びプログラム322に従って、運動ルーチン又は運動プログラムの指示450Cをディスプレイ306にさらに提示することができる。そうした指示450Aは、結果440Aと同時又は連続的に提示することができる。図示された例において、指示450Aは、結果440Cに基づいて調整される。そうした指示450Cは、運動を行う人に対して、奨励を与える、且ついずれの1つ又は複数のユーザ選択可能なパラメータ又は計量値を次の運動セッション又はサブセッション(セット)で用いるべきかについての指示及び次のセッション又はセットはいつ開始するべきかについての指示を与えることができる。図示された例において、指示450Cは、次のセットにおいてユーザ選択された30ポンドの抵抗及び12単元(又は反復)の目的又は目標で、当該次のセットを25秒内に開始するようユーザに指示する。運動ルーチンに応じて、そうした指示は変化し得る。
【0066】
他の実施形態においては、単一の図形コード54で、特定の運動マシン又はフィットネス器具ユニット24での複数のセットに関する情報を表示することができる。図8は、図形コード54Dの一例を、ディスプレイ306に表示される図形コード54Dの変換内容とともに示す図である。図示された例において、図形コード54Dが変換されると、C504EのSKUのラテラルレイズのフィットネス器具ユニットで運動が行われたことを示す情報が提示及び記憶される。情報又は内容はさらに、第一セット(150ポンドで10回の反復)、第二セット(150ポンドで10回の反復)及び第三セット(170ポンドで8回の反復)が完了したことを示す。変換内容は、運動が2012年4月16日の午後3時20分に行われたことを示す。このような実施形態において、ステップ436、438、452及び454は、2つのステップ、すなわち、単一の図形コード(例えば図形コード54D)を生成するステップと、図形コードを取得及び変換し、複数セット分の反復の結果を表示及び記憶するステップとに統合され得る。
【0067】
図9は、運動計量出力システム20及び220の実施形態の一例である運動計量出力システム520を概略的に示す図である。運動計量出力システム520は、フィットネス器具ユニット24としてフィットネス器具ユニット524を有し、入力部568を追加的に有するものとして特に示されている点を除いて、運動計量出力システム220と同様である。運動計量出力システム220に対応する運動計量出力システム520の残りの構成部品又は部材には、同様に符号が付されている。
【0068】
フィットネス器具ユニット524は、ウェイトシステム570、ケーブルシステム572及び運動インタフェース可動部材574を有する。ウェイトシステム570は、運動において使用され最終的には持上げられ得る複数の選択可能なウェイトを提供するためのシステムを含む。ウェイトシステム570は一般的に、フレーム576、個別に選択可能なウェイトスタック578、ウェイト選択システム580及びウェイトリフト582を有する。
【0069】
フレーム576は、ウェイトスタック578を可動的に支持及び誘導する1つ又は複数の構造体を有する。ウェイト578は、運動時に機械的抵抗を生じさせるために、矢印583により示される方向に上昇降下されるよう構成された所定ウェイト量の構造体を有する。図示された具体的な例において、ウェイト578はそれぞれ、1つ又は複数の金属の固形物又は中空の板を含む。他の実施形態において、ウェイト578は、他の材料を含むか、又はカプセル化された材料(例えば、砂、水又はその他の材料)を含むことができる。ウェイト578は、上下に積層されており、あるウェイト578が持上げられると、当該あるウェイト578の上に積層された他のウェイト578も持上げられるようになっている。
【0070】
ウェイト選択システム580は、人が、運動時に持上げる1つ又は複数のウェイト578を選択することができるよう構成された機構を有する。ウェイト選択システム580は、1つのウェイト578をウェイトリフト582に選択的に連結するよう構成されたセレクタ584を有する。一実施形態において、セレクタ584は、ピンを有することができ、当該ピンは、選択された1つのウェイト578に対応する空隙内に、且つウェイトリフト582内の対応するアパーチャに、可動的に置かれる。他の実施形態において、セレクタ584は、他の構成を有することができる。
【0071】
本発明の目的のため、「連結」との語は、2つの部材を直接的又は間接的に結合することを意味する。そうした結合の性質は、静止的であっても可動的であってもよい。また、そうした結合は、2つの部材あるいは一体化された2つの部材及び任意の追加的な仲介部材を用いるか、又は、2つの部材あるいは互いに接着された2つの部材及び任意の追加的な仲介部材を用いて実現することができる。また、そうした結合の性質は、永久的なもの、そうでなければ取外し可能あるいは分離可能なものとすることができる。「動作可能に連結する」との語句は、動きが一方の部材から他方の部材へと直接的又は仲介部材を介して伝達されるよう、2つの部材が直接的又は間接的に結合されていることを意味する。
【0072】
ウェイトリフト582は、ケーブルシステム572に接続されているウェイト選択システム580に連結された構造体を有する。一実施形態において、ウェイトリフト582はそれ自体が、ケーブルに接続されたシャフト又はロッドを有することができる。他の実施形態において、ウェイトリフト582は、他の構成を有することができる。
【0073】
ケーブルシステム572は、ウェイトリフト582(及び任意の結合されたウェイト578)を運動インタフェース可動部材574に動作可能に連結するよう構成された滑車及びケーブルのシステムを含む。ケーブルシステム572は、運動インタフェース可動部材574に応じて、任意の種々多様なサイズ、形状及び構成を有することができる。他の実施形態において、運動インタフェース可動部材574は、他の機構によりウェイトシステム570に動作可能に連結することができる。
【0074】
運動インタフェース可動部材574は、ケーブルシステム572に動作可能に連結されるデバイス又は機構を有し、これにより、1人又は複数の人が、1つ又は複数の構造体に対して力を加え、1つ又は複数の構造体を移動させ、ウェイト578により実現される選択ウェイト量を吊上げ又は持上げることができる。運動インタフェース可動部材574は、使用されることになる特定の筋肉又は筋肉群に応じて、様々な構成を有することができる。運動インタフェース可動部材574の例としては、下記に限定されないが、アブドミナルアイソレータ、アングルド・シーテッド・カーフ、アブダクタ、シーテッド・レッグ・カール、グルートアイソレータ、垂直及び水平リア・デルト/ペック・フライ、ラテラルレイズ、ショルダープレス、垂直プレス、バックエクステンション、シーテッドロウ、垂直ロウ、プルダウン、ロングプル、シーテッドディップ、シーテッド・トライセップ・エクステンション、バイセップカール、キャンバカール及びチェストプレスといった運動マシンのタイプが挙げられる。運動インタフェース可動部材574は、マルチ・ステーション運動マシン、モジュール式運動マシン又はシングル・ステーション運動マシンの一部として設けることができる。
【0075】
図9に示されているように、バッテリ262を再充電するための太陽電池264は、フレーム576の上部又は上方に向いた面に装備される。その結果、太陽電池264は、オーバーヘッド照明からの光を取込み、運動計量出力システム520の比較的少ない需要電力を供給するのに最適である。図9にさらに示されているように、図示された例において、ディスプレイ40、コントローラ50、センサ260、バッテリ262、太陽電池264及び入力部568は、内蔵型のモジュール590として設置され、このモジュール590は、フレーム576に搭載されるよう適合されている。その結果、モジュール590は、1つ又は複数の運動計量の値の出力のために、従来のスタンドアロン型フィットネス器具ユニット524に容易に変更を加えることを可能にする。
【0076】
図10は、運動計量出力システム520の特定の例である運動計量出力システム620を概略的に示す図である。運動計量出力システム620は、センサ660を特に有する点を除いて、運動計量出力システム520と同一である。センサ660は、磁石662及びリードスイッチ664を有する。各磁石662は、それぞれの磁性部材を含み、対応するウェイト578により保持されている。磁石662は、十分強い磁界を有することにより、リードスイッチ664を作動させて、リードスイッチ664を通過する。
【0077】
リードスイッチ664は、電気スイッチを有し、当該電気スイッチは、ウェイト578及びそれらに対応する磁石662の近傍かつ垂直方向に沿って、フレーム576により支持されている。各リードスイッチ664は、印加された磁界により動作する。ここで、スイッチ664のリードは(電磁石又は永久磁界からの)磁界により一体となり、これにより、電気回路が形成される。磁界がなくなると、リードの剛性により、リード同士が分離して、開回路となる。別の実施形態において、ノーマリオープンの鉄接点が閉じると開くノーマリクローズの非鉄接点を使用することができる。さらに別の実施形態において、リードスイッチ664は、水銀接点を使用することができる。動作時には、ウェイト662はリードスイッチ664を通過する形で上昇又は下降され、電気回路は、反復的に開閉されて、持上げられたウェイト578の数を示す。図示された例においては、センサ660は垂直方向に配された複数のリードスイッチ664を有するため、ウェイト578が持上げられた距離も検出することができる。他の実施形態において、センサ660は、単一のリードスイッチ664を有することができる。
【0078】
図11は、運動計量出力システム220の別の実施形態の一例である運動計量出力システム720を示す。運動計量出力システム720は、ディスプレイ740、入力部768及び携帯型電子デバイス800を特に有する点を除いて、運動計量出力システム220と同一である。図示された例において、入力部768は、スタート又は開始のボタン770及びフィニッシュ、完了又は終了のボタン772を有する。図形コードが生成される運動セッションを人が開始する場合、当該運動を行う人は、開始ボタン770を押すか、そうでなければこのボタンを動作させる。これにより、1つ又は複数の運動計量の値を示す信号の検出及び送信が開始される。運動を行う人が終了ボタン772を押すと、そうした信号送信は終了するか、又はそうした信号は図形コードの生成に使用されなくなる。ウェイトが反復的に持上げられる一実施形態(反復)において、終了ボタン772は、1セット分の反復が完了した際に押される。ウェイトが反復的に持上げられる別の実施形態において、終了ボタン772は、所定数のセット分の反復が完了した際に押される。そうした実施形態において、連続的な反復の間で、予め規定された最小の遅延時間の閾値が満たされた場合に各セットが特定される。別の実施形態において、ユーザは、反復又はセットに関わらず、開始時に開始ボタンを押し、完了時にストップを押す。その場合は、図形コードを表示するためのデバイスは、セットを判定するためのアルゴリズムを使用する。例えば、15秒間以上の中断が生じれば、新たな反復のセットが開始される。いくつかの実施形態において、終了ボタン772が押下されない、そうでなければ所定時間後に動作されない場合は、コントローラ50は自動的に、各ワークアウトのセット又はセッションが完了したと見なす。
【0079】
図10に示されているように、ディスプレイ740は、1つ又は複数の運動計量の値を示すフィットネス器具ユニット24(又は524)からの信号及び(図5及び8に示される)コントローラ50からの制御信号を受けて、生成された図形コード54Aを提示する。図形コード54Aが提示されると、携帯型電子デバイス800が、提示された図形コード54Aを取得するために使用され得る。
【0080】
図示された例において、携帯型電子デバイス800は、図5に関して図示及び上述した構成部品に加えて、入力部804、ディスプレイ306及びコード取得デバイス308を有する。入力部804は、コード取得デバイス308による図形コード54Aの取得の開始のため用いられるプッシュボタンを有する。一実施形態において、入力部804は、タッチスクリーンの一部としてディスプレイ306と一体化することができる。コード取得デバイス308はカメラを有する(カメラのレンズは図示されている)。図には前方に配置されたカメラが示されているが、コード取得デバイス308は代替的に、携帯型電子デバイス800の裏側に、ディスプレイ306の反対側から外向きに配置することもできる。図示された例においては、図形コード54Aが取得されると、処理ユニット316は、取得された図形コード54Aをディスプレイ306に提示して、取得を確認する。図6において方法400に関して上述したように、1つ又は複数の運動計量運動の値を示す取得された図形コード54Aは、変換、記憶及び全体的な運動ルーチンの調整に用いられ得る。
【0081】
なお、フィットネス器具ユニット又は運動マシンにおいて、動的に生成及び表示された図形コードを用いて、動的に変化する情報又はデータを、その変化(人による入力の結果による変化又はセンサにより検出された変化)に応じて出力することを説明してきたが、他の実施形態において、動的に生成及び表示された図形コードを用いて、動的に変化する情報又はデータを出力することを、、その他の用途に拡大適用することができる。例えば、動的に変化する情報又はデータを、その取得、使用並びに場合によっては処理及び記憶のための高水準な計算デバイスへの送信のために、マシン、デバイス又は環境から出力することが望ましい他の用途において、マシン、デバイス又は環境が十分な電力性能、処理能力又は送信能力有していないために出力することが困難な場合に、上記出力システムは、そのような他のマシン、デバイス又は環境に拡大適用され得る。具体的な例に関しては、限られた電力性能、処理能力又は無線あるいは有線による送信能力を有するそうしたデバイス又はマシンには、検出又はユーザ入力された設定又はパラメータの変更に基づいて図形コードを提示するだけの低電力、低コスト及び低処理なデバイスを設けることができ、この場合は、図形コードは携帯型電子デバイスにより後に取得されて、これにより、当該図形コードにより示されるデータの容易な送信、変換、記憶並びに十分な電力性能及び処理能力を有する別のデバイスによる処理が可能になる。
【0082】
本開示について例示的な実施形態を参照して記述したが、当業者は、請求項に記載した対象の要旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細について変更を行えるものと理解するであろう。例えば、異なる例示的な実施形態が、1つ又は複数の利益を提供する1つ又は複数の特徴を含むように記述されていたとしても、記述された特徴は互いに交換でき、あるいは記述された例示的な実施形態又は他の別の実施形態において、互いに組合せることも可能である。本開示の技術は比較的複雑であるため、本技術に関する全ての変更を予見できるというわけではない。例示的な実施形態を参照して記載され、請求項を説明する本開示が、可能な限り広範なものとすることを意図されていることは明らかである。例えば、具体的に言及しない限り、単一の特定要素を引用する請求項は、複数のかかる特定要素も包含する。
図4
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