特許第5960111号(P5960111)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5960111
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】位置推定装置、位置推定方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 29/16 20060101AFI20160719BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20160719BHJP
   H02J 3/26 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   G01R29/16 Z
   H02J13/00 301A
   H02J3/26
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-238252(P2013-238252)
(22)【出願日】2013年11月18日
(65)【公開番号】特開2015-99058(P2015-99058A)
(43)【公開日】2015年5月28日
【審査請求日】2014年12月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】八田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】田部 守
(72)【発明者】
【氏名】柴丸 昇
【審査官】 永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−101565(JP,A)
【文献】 特開2004−328886(JP,A)
【文献】 特開平11−142465(JP,A)
【文献】 特開2000−162262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 29/16
H02J 3/26
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三相配電線の第1及び第2位置の間の区間における三相のうちの何れか二相に接続される第1及び第2負荷よりも上流側の前記第1位置の電圧値に基づいて、前記第1位置の逆相分電圧の値を第1逆相分電圧値として算出する第1演算装置と、
前記第1位置の第1逆相分電流値と、前記第1及び第2負荷よりも下流側の前記第2位置の第2逆相分電流値と、前記第1及び第2位置の間の区間における前記三相配電線の線路インピーダンスの値と、前記第1及び第2負荷が接続されるノードの位置を示す情報とに基づいて、前記第1位置の逆相分電圧の値を第2逆相分電圧値として算出する第2演算装置と、
前記第1及び第2逆相分電圧値に基づいて、前記三相配電線における電圧不平衡の発生原因となっている原因負荷の位置を推定する推定装置と、
を備えたことを特徴とする位置推定装置。
【請求項2】
前記推定装置は、前記第1逆相分電圧値と前記第2逆相分電圧値との差分値に基づいて、前記原因負荷の位置を推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置推定装置。
【請求項3】
前記第2演算装置は、
前記三相配電線における前記第1負荷が接続されている第3位置と前記第1位置との間の前記線路インピーダンスとしての第1線路インピーダンスの値と前記第1逆相分電流値との積と、前記第3位置と前記第2位置との間の前記線路インピーダンスとしての第2線路インピーダンスの値と前記第2逆相分電流値との積との合計に基づいて、前記第1負荷が前記原因負荷であると仮定されたときの前記第2逆相分電圧値として第3逆相分電圧値を算出する第3演算装置と、
前記三相配電線における前記第2負荷が接続されている第4位置と前記第1位置との間の前記線路インピーダンスとしての第3線路インピーダンスの値と前記第1逆相分電流値との積と、前記第4位置と前記第2位置との間の前記線路インピーダンスとしての第4線路インピーダンスの値と前記第2逆相分電流値との積との合計に基づいて、前記第2負荷が前記原因負荷であると仮定されたときの前記第2逆相分電圧値として第4逆相分電圧値を算出する第4演算装置と、を有し、
前記推定装置は、前記第3演算装置の演算結果に基づく前記第3逆相分電圧値と前記第1逆相分電圧値との第1差分値が、前記第4演算装置の演算結果に基づく前記第4逆相分電圧値と前記第1逆相分電圧値との第2差分値よりも小さい場合、前記第1負荷が接続されている位置に応じた位置を前記原因負荷の位置であると推定し、前記第1差分値が前記第2差分値よりも大きい場合、前記第2負荷が接続されている位置に応じた位置を前記原因負荷の位置であると推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置推定装置。
【請求項4】
前記第2演算装置は、
前記第1及び第2負荷が前記三相配電線における三組の二相のうちの第一組の二相に接続されているとみなして、前記第2逆相分電圧値としての第3逆相分電圧値を算出する第3演算装置と、
前記第1及び第2負荷が前記三組の二相のうちの前記第一組とは異なる第二組の二相に接続されているとみなして、前記第2逆相分電圧値としての第4逆相分電圧値を算出する第4演算装置と、
前記第1及び第2負荷が前記三組の二相のうちの前記第一組及び前記第二組とは異なる第三組の二相に接続されているとみなして、前記第2逆相分電圧値としての第5逆相分電圧値を算出する第5演算装置と、を有し、
前記推定装置は、前記第2逆相分電圧値としての前記第3乃至第5逆相分電圧に基づいて、前記原因負荷の位置を推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置推定装置。
【請求項5】
前記三相配電線における複数の位置夫々の電流値を計測する計測装置の計測結果に基づいて、前記複数の位置における前記電流値の差分値が所定値より大きくなる2つの位置夫々を、前記第1及び第2位置として検出する検出装置、を更に備え、
前記第1演算装置は、前記検出装置によって検出された前記第1位置の電圧値に基づいて、前記第1逆相分電圧値を算出し、
前記第2演算装置は、前記検出装置によって検出された前記第1位置の第1逆相分電流値と、前記検出装置によって検出された前記第2位置の第2逆相分電流値とに基づいて、前記第2逆相分電圧値を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置推定装置。
【請求項6】
前記推定装置によって推定された前記原因負荷の位置についての情報を報知する報知装置、を更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載の位置推定装置。
【請求項7】
三相配電線の第1及び第2位置の間の区間における三相のうちの何れか二相に接続される第1及び第2負荷よりも上流側の前記第1位置の電圧値に基づいて、前記第1位置の逆相分電圧値を第1逆相分電圧値として算出する第1ステップと、
前記第1位置の第1逆相分電流値と、前記第1及び第2負荷よりも下流側の前記第2位置の第2逆相分電流値と、前記第1及び第2位置の間の区間における前記三相配電線の線路インピーダンスの値と、前記第1及び第2負荷が接続されるノードの位置を示す情報とに基づいて、前記第1位置の逆相分電圧値を第2逆相分電圧値として算出する第2ステップと、
前記第1及び第2逆相分電圧値に基づいて、前記三相配電線における電圧不平衡の発生原因となっている原因負荷の位置を推定する第3ステップと、を含む
ことを特徴とする位置推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置推定装置、位置推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電圧不平衡が発生する三相配電線が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−228045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、特許文献1の三相配電線も含め、三相配電線で電圧不平衡が発生した場合、電圧不平衡の度合いに応じて三相配電線に接続される負荷の誤動作が引き起こされることがある。このため、電圧不平衡を解消するために電圧不平衡の発生原因となっている原因負荷の位置を推定する必要がある。原因負荷の位置の推定は、三相配電線における負荷が接続されている位置に応じた位置の例えば電圧の実測値等から算出された電圧不平衡率に基づいて行われている。三相配電線に対して負荷が複数接続されている場合、各負荷が接続されている位置に応じた位置の電圧の計測が煩雑となり、原因負荷の位置を推定するのが困難となる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述した課題を解決する主たる本発明は、三相配電線の第1及び第2位置の間の区間における三相のうちの何れか二相に接続される第1及び第2負荷よりも上流側の前記第1位置の電圧値に基づいて、前記第1位置の逆相分電圧の値を第1逆相分電圧値として算出する第1演算装置と、前記第1位置の第1逆相分電流値と、前記第1及び第2負荷よりも下流側の前記第2位置の第2逆相分電流値と、前記第1及び第2位置の間の区間における前記三相配電線の線路インピーダンスの値と、前記第1及び第2負荷が接続されるノードの位置を示す情報とに基づいて、前記第1位置の逆相分電圧の値を第2逆相分電圧値として算出する第2演算装置と、前記第1及び第2逆相分電圧値に基づいて、前記三相配電線における電圧不平衡の発生原因となっている原因負荷の位置を推定する推定装置と、を備えたことを特徴とする位置推定装置である。
【0006】
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、原因負荷の位置を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態における配電系統を示す図である。
図2】本発明の実施形態における位置推定装置のハードを示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態における位置推定装置を示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態における配電線の電圧不平衡率を示す図である。
図5】本発明の実施形態における配電線の電流値を示す図である。
図6】本発明の実施形態における配電系統の一部を示す図である。
図7】本発明の実施形態における位置推定装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0010】
===配電系統===
以下、図1を参照して、本実施形態における配電系統について説明する。図1は、本実施形態における配電系統を示す図である。
【0011】
配電系統100は、負荷R1乃至R4に対して変電所200からの電力を供給するための電力系統である。配電系統100は、変電所200、位置推定装置3、配電線L100(三相配電線)、開閉器LS1乃至LS3、負荷R1乃至R4を有する。
【0012】
尚、開閉器は、配電系統100に複数設けられているが、説明の便宜上、例えば3個設けられていることとする。又、負荷は、配電系統100に複数設けられているが、説明の便宜上、例えば4個設けられていることとする。又、第2開閉器区間には、負荷R1乃至R3の3個の負荷が説明されているが、例えば、負荷R1及びR2のみが接続されていることとしてもよい。
【0013】
変電所200は、上流側から供給された電力を降圧して、当該降圧された電力を配電線L100に供給する、例えば配電用変電所である。変電所200は、配電用変圧器101を有する。
【0014】
配電用変圧器101は、例えば一次側の電圧を所定の変圧比で変圧して、当該変圧された電圧を二次側から出力する装置である。配電用変圧器101は、例えば66キロボルトの電圧が6.6キロボルトの電圧に変圧されるように、変圧比が設定されているものとする。配電用変圧器101の一次側は、送電線L200の一端に接続される。尚、送電線L200は、例えば上流側の一次変電所(不図示)からの66キロボルトの電圧を、下流側の変電所200に供給するための送電線である。配電用変圧器101の二次側は、配電線L100の一端に接続される。
【0015】
配電線L100は、変電所200からの電力を負荷R1乃至R4に供給するための電力線であり、上流側の変電所200から下流側に向かって延びている。配電線L100は、変電所200からのU相、V相、W相の三相交流電力を供給するための三相配電線である。配電線L100は、U相の電力を供給する配電線L1、V相の電力を供給する配電線L2、W相の電力を供給する配電線L3を有する。
【0016】
開閉器LS1乃至LS3は、配電線L100における所定位置に設けられる、例えば計測機能付き開閉器である。開閉器LS1乃至LS3は夫々、配電線L100における開閉器LS1乃至LS3が設けられている位置の線電流、線間電圧、及び各相の力率を一定時間毎に計測し、計測結果を示す計測信号S1乃至S3を一定時間毎に出力する。尚、配電線L100は、開閉器LS1乃至LS3によって、複数の開閉器区間に区切られることになる。開閉器LS1及びLS2の間の区間を第1開閉器区間とし、開閉器LS2及びLS3の間の区間を第2開閉器区間とも称する。
【0017】
負荷R1乃至R4は、配電線L100に接続される電力負荷である。負荷R1乃至R4は夫々、ノード71乃至74に対応する位置に接続される。負荷R1乃至R4は、1日における時間帯に応じて消費電力が変化する例えば工場等に設けられている負荷である。負荷R1乃至R4は夫々、配電線L1乃至L3のうち何れか二相(2本)の配電線に接続されて、電力が供給される。つまり、負荷R1乃至R4は夫々、配電線L1及びL2のUV相間、配電線L2及びL3のVW相間、配電線L3及びL1のWU相のうちの何れかに接続される。
【0018】
位置推定装置3は、配電線L100の電圧不平衡の発生源となる発生源負荷(原因負荷)の位置を推定する装置である。尚、発生源負荷とは、配電線L100に接続されている負荷(例えば負荷R1乃至R4)のうちで、配電線L100の電圧不平衡率に対して影響を与える度合い(「影響度合い」とも称する)が最も大きい負荷を示している。つまり、発生源負荷とは、配電線L100における電圧不平衡の発生原因となっている負荷を示している。例えば、負荷R1乃至R4のうちの、負荷R1の影響度合いが最も大きい場合、負荷R1が発生源負荷となる。
【0019】
===電圧不平衡===
以下、図1を参照して、本実施形態における電圧不平衡について説明する。
【0020】
<電圧不平衡と電圧不平衡率>
電圧不平衡とは、各相電圧の振幅が等しく、且つ、相電圧の位相が120°異なる三相交流電圧において、各相電圧の振幅が異なったり、相電圧の位相がずれたりすることである。
【0021】
配電線L100において電圧不平衡が発生した場合、配電線L1乃至L3の電圧の振幅が相互に異なる振幅となったり、配電線L1乃至L3の電圧の位相差が120°からずれたりする。そして、配電線L100で電圧不平衡が発生した場合、当該電圧不平衡の度合いにより、負荷R1乃至R4に対して例えば負荷R1乃至R4が正常に動作する電圧が供給されずに、負荷R1乃至R4の誤動作が引き起こされることがある。従って、配電線L100での電圧不平衡の度合いを示す電圧不平衡率が所定値より大きくなった場合、電圧不平衡率を所定値より大きくする要因を把握して、電圧不平衡率を減少させるための改修を行う必要がある。
【0022】
電圧不平衡率εは、例えば、以下の式1に示される通り、正相電圧に対する逆相電圧(「逆相分電圧」とも称する)の割合で示される。尚、正相電圧及び逆相電圧は、例えば配電線L100の相電圧を用いて、対称座標法により求められる。
【0023】
<電圧不平衡の発生源>
電圧不平衡は、負荷R1乃至R4の接続先の相、負荷R1乃至R4の位置、負荷R1乃至R4の電力消費量に基づいて発生する。例えば、負荷R1乃至R4のうちの、負荷R1の電力消費量が負荷R2乃至R4の電力消費量より多く、且つ、負荷R1の電力消費量が比較的多く、且つ、負荷R2乃至R4の電力消費量が比較的少ない場合、配電線L100から負荷R1に対して比較的大きな値の電力が供給されることにある。この場合、負荷R1の電力消費量に応じた電圧不平衡率の電圧不平衡が発生することになる。この場合、例えば、負荷R1が発生源負荷となる。
【0024】
===位置推定装置===
以下、図2及び図3を参照して、本実施形態における位置推定装置について説明する。図2は、本実施形態における位置推定装置のハードを示すブロック図である。図3は、本実施形態における位置推定装置を示すブロック図である。
【0025】
位置推定装置3は、発生源負荷の位置を推定する装置である。位置推定装置3は、CPU(Central Processing Unit)31、通信装置32、記憶装置33、表示装置34、入力装置35を有する。CPU31は、記憶装置33に記憶されているプログラムを実行することにより位置推定装置3の各種機能を実現し、位置推定装置3を統括制御する。記憶装置33には、前述のプログラム、各種情報が記憶されている。表示装置34は、位置推定装置3の情報を表示するディスプレイである。入力装置35は、位置推定装置3に対して情報を入力するための例えばキーボード、マウス等である。通信装置32は、ネットワーク300を介して開閉器LS1乃至LS3との間で通信を行う。
【0026】
位置推定装置3は、更に、検出部36(検出装置)、推定部37(第1乃至5演算装置、推定装置)、報知部38(「位置推定装置3の各種機能」とも称する)を有する。尚、位置推定装置3の各種機能は、記憶装置33に記憶されているプログラムのCPU31による実行により実現される。
【0027】
検出部36は、発生源負荷が接続されていると推定される開閉器区間を検出する。
【0028】
推定部37は、検出部36の検出結果に示されている開閉器区間において、発生源負荷の位置を推定する。
【0029】
報知部38(報知装置)は、推定部37の推定結果に基づいて、発生源負荷についての情報を報知する。
【0030】
===検出部===
以下、図1図4及び図5を参照して、本実施形態における検出部について説明する。
【0031】
図4は、本実施形態における配電線の電圧不平衡率を示す図である。図4においては、配電線L100における開閉器LS1乃至LS3が設けられている位置夫々の電圧不平衡率が、実線、破線、一点鎖線で示されている。図4は、検出部36の算出結果に基づいて示されている。
【0032】
図5は、本実施形態における配電線の電流値を示す図である。図5においては、配電線L100における開閉器LS1乃至LS3が設けられている位置夫々の電流値が、実線、破線、一点鎖線で示されている。図5においては、例えばU相における線電流の値が示されていることとする。図5は、開閉器LS1乃至LS3の計測結果に基づいて示されている。
【0033】
<電圧不平衡の検出>
検出部36は、計測信号S1乃至S3に示されている情報を式1に適用して、開閉器LS1乃至LS3が設けられている位置夫々における電圧不平衡率を算出する。尚、電圧不平衡率の算出の際に、対称座標法が用いられることとしてもよい。検出部36は、一定時間毎に出力される計測信号S1乃至S3を受信する毎に電圧不平衡率を算出して、例えば1日における各時刻の電圧不平衡率を算出する。
【0034】
検出部36は、算出された電圧不平衡率が所定値(例えば3%)を超えるか否かを判定する。電圧不平衡率が所定値を超える場合、検出部36は、配電線L100で電圧不平衡が発生したことを検出する。一方、電圧不平衡率が所定値を超えない場合、検出部36は、配電線L100で電圧不平衡が発生したことを検出しない。
【0035】
<開閉器区間の検出>
検出部36は、計測信号S1乃至S3に示されている情報(例えば線電流の値)に基づいて、発生源負荷が接続されていると推定される開閉器区間(「発生源推定区間」とも称する)を検出する。
【0036】
具体的には、検出部36は、計測信号S1に示されている線電流の値と、計測信号S2に示されている線電流の値との差分値(「第1電流差分値」とも称する)が判定電流閾値よりも大きいか否かを判定する。又、検出部36は、計測信号S2に示されている線電流の値と、開閉器LS3が設けられている位置の線電流の値との差分値(「第2電流差分値」とも称する)が判定電流閾値よりも大きいか否かを判定する。
【0037】
尚、計測信号S1乃至S3夫々に示される線電流の値とは、例えば実効値であってもよいし、ピークピーク値であってもよい。又、判定電流閾値とは、第1及び第2電流差分値と比較される値であり、例えば配電線L100の定格電流値の20%程度の値であってもよいし、20%以外の所定値であってもよい。又、判定電流閾値は、所定のシミュレーションに基づいて定められてこととしてもよい。この場合、例えば、負荷R1乃至R4のうちの容量が最大の負荷が第1開閉器区間に接続されたときの、配電線L100における開閉器LS1が設けられている位置の線電流の値と配電線L100における開閉器LS2が設けられている位置の線電流の値との差分値(「第1演算値」とも称する)に応じた値が判定電流閾値であると定められることとしてもよい。尚、この場合、例えば、負荷R1乃至R4のうちの容量が最大の負荷が第2開閉器区間に接続されたときの、配電線L100における開閉器LS1が設けられている位置の線電流の値と配電線L100における開閉器LS2が設けられている位置の線電流の値との差分値(「第2演算値」とも称する)に応じた値が判定電流閾値であると定められることとしてもよい。又、第1及び第2演算値の平均値に応じた値が判定電流閾値であると定められることとしてもよい。
【0038】
検出部36は、配電線L100で電圧不平衡が発生したことを検出した際、第1電流差分値及び第2電流差分値のうちの判定電流閾値よりも大きい差分値に対応する区間を、発生源推定区間として検出する。
【0039】
具体的には、配電線L100で電圧不平衡が発生したことが検出された際、第1電流差分値が判定電流閾値よりも大きく、且つ、第2電流差分値が判定電流閾値よりも小さい場合、検出部36は、第1開閉器区間を発生源推定区間として検出する。又、配電線L100で電圧不平衡が発生したことが検出された際、第2電流差分値が判定電流閾値よりも大きく、且つ、第1電流差分値が判定電流閾値よりも小さい場合、検出部36は、第2開閉器区間を発生源推定区間として検出する。尚、検出部36は、配電線L100で電圧不平衡が発生したことを検出しない場合、第1電流差分値及び第2電流差分値と判定電流閾値との比較結果に関わらず、配電線L100では電圧不平衡は発生していないものとして、発生源推定区間を検出しない。
【0040】
尚、検出部36は、U相、V相、W相の各線電流に対して、上述の第1電流差分値、第2電流差分値等に基づく発生源推定区間の検出を行うこととする。
【0041】
例えば、図4図5夫々に示される電圧不平衡率、線電流の値である場合、検出部36は、第2開閉器区間を発生源推定区間として検出する。
【0042】
===推定部、報知部===
以下、図1及び図6を参照して、本実施形態における推定部及び報知部について説明する。図6は、本実施形態における配電系統の一部を示す図である。開閉器LSiは開閉器LS2に対応し、開閉器LSjは開閉器LS2よりも下流側の開閉器LS3に対応していることとする。又、負荷RA、RB、RCは夫々負荷R1、R2、R3に対応し、ノード7A、7B、7Cは夫々ノード71、72、73に対応していることとする。
【0043】
=推定部=
推定部37は、検出部36によって検出された発生源推定区間に設けられている負荷の中から、発生源負荷と推定される負荷を選択する。尚、開閉器LS2及びLS3の間の第2開閉器区間が発生源推定区間がとして検出されていることとして説明する。
【0044】
推定部37は、開閉器LSiが設けられている位置の逆相分電圧の値を、互いに異なる算出法としての第1の算出法及び第2の算出法を用いて算出し、この算出結果に基づいて発生源負荷の位置を推定する。
【0045】
<第1の算出法>
推定部37は、開閉器LSiとしての開閉器LS2から出力される計測信号S2に示されている情報(例えば線間電圧の値等)に基づいて、開閉器LSiが設けられている位置の逆相分電圧の値として第1逆相分電圧値V2iを算出する。尚、推定部37は、例えば、対称座標法を用いて第1逆相分電圧値V2iを算出することとしてもよいし、線間電圧の値と逆相分電圧の値との関係を示す所定の関係式に基づいて第1逆相分電圧値V2iを算出することとしてもよい。
【0046】
<第2の算出法>
推定部37は、記憶装置33に記憶されている各種情報に含まれる系統情報と式2乃至式4に基づいて、開閉器LSiが設けられている位置の逆相分電圧の値として第2逆相分電圧値を算出する。
【0047】
尚、系統情報には、例えば、開閉器LS1乃至LS3の位置を示す情報、負荷R1乃至R4が接続される位置(ノード71乃至74の位置)を示す情報、配電線L100の単位長あたりの線路インピーダンスの値を示す情報、配電線L100の亘長を示す情報等が含まれている。更に、系統情報には、配電線L100の公称電圧、負荷R1乃至R4の容量、負荷R1乃至R4の電力消費量夫々を示す情報が含まれていれる。系統情報には、上述の情報に加えて、開閉器LSiが設けられている位置の逆相分電流の値としての第1逆相分電流値、開閉器LSjが設けられている位置の逆相分電流の値としての第2逆相分電流値、開閉器LSjが設けられている位置の逆相分電圧の値としての第3逆相分電圧値を算出するための他の情報も含まれていることとする。尚、系統情報は、配電系統100の設計仕様及び配電系統100の現地調査等に基づいて、入力装置35から入力されることとしてもよい。
【0048】
推定部37は、系統情報に基づいて、第1及び第2逆相分電流値と第3逆相分電圧値を算出する。尚、推定部37は、例えば、対称座標法を用いてこれらの値を算出することとしてもよい。この後、推定部37は、算出された第1及び第2逆相分電流値と第3逆相分電圧値を式2乃至式4に適用して、第2逆相分電圧値V2i(A)、V2i(B)、V2i(C)を算出する。
【0049】
尚、第2逆相分電圧値V2i(A)は、負荷RAが発生源負荷であると仮定されたときの第2逆相分電圧値を示している。第2逆相分電圧値V2i(B)は、負荷RBが発生源負荷であると仮定されたときの第2逆相分電圧値を示している。第2逆相分電圧値V2i(C)は、負荷RCが発生源負荷であると仮定されたときの第2逆相分電圧値を示している。
【0050】
V2i(A)=V2j+I2j*Z(Li-La)+I2i*Z(La)・・・(式2)
V2i(B)=V2j+I2j*Z(Li-Lb)+I2i*Z(Lb)・・・(式3)
V2i(C)=V2j+I2j*Z(Li-Lc)+I2i*Z(Lc)・・・(式4)
尚、Z(La)、Z(Li-La)は夫々、配電線L100におけるノード7Aと開閉器LSiが設けられている位置との間の線路インピーダンスの値、ノード7Aと開閉器LSjが設けられている位置との間の線路インピーダンス値を示している。Z(Lb)、Z(Li-Lb)は夫々、配電線L100におけるノード7Bと開閉器LSiが設けられている位置との間の線路インピーダンスの値、ノード7Bと開閉器LSjが設けられている位置との間の線路インピーダンスの値を示している。Z(Lc)、Z(Li-Lc)は夫々、配電線L100におけるノード7Cと開閉器LSiが設けられている位置との間の線路インピーダンスの値、ノード7Cと開閉器LSjが設けられている位置との間の線路インピーダンスの値を示している。これらの線路インピーダンスの値は、系統情報に示されている開閉器LSi、LSjの位置を示す情報、ノード7A乃至7Cの位置を示す情報、配電線L100の単位長あたりの線路インピーダンスの値を示す情報、配電線L100の亘長を示す情報等に基づいて、推定部37によって算出される。又、V2jは第3逆相分電圧値を示し、I2iは第1逆相分電流値を示し、I2jは第2逆相分電流値を示している。
【0051】
<発生源負荷の位置の推定>
推定部37は、第2逆相分電圧値V2i(A)、V2i(B)、V2i(C)夫々と、式2乃至式4を用いずに算出された前述の第2逆相分電圧値V2iとの差分値(「逆相分電圧差分値」とも称する)を算出する。推定部37は、第2逆相分電圧値V2i(A)、V2i(B)、V2i(C)のうち、第1逆相分電圧値V2iとの差分値が最も小さい第2逆相分電圧値に対応する負荷を、発生源負荷として選択する。この後、推定部37は、発生源負荷として選択された負荷の位置を発生源負荷の位置であると推定する。
【0052】
例えば、第2逆相分電圧値V2i(A)と第1逆相分電圧値V2iとの差分値が、第2逆相分電圧値V2i(B)と第1逆相分電圧値V2iとの差分値及び第2逆相分電圧値V2i(C)と第1逆相分電圧値V2iとの差分値の双方よりも小さい場合、推定部37は、負荷RAを発生源負荷として選択する。この後、推定部37は、配電線L100における負荷RAが接続されている位置を、発生源負荷の位置であると推定する。
【0053】
尚、推定部37は、負荷RA乃至RCが配電線L100の各2相に接続されているものとみなして、逆相分電圧差分値を9個算出した後、発生源負荷を選択することとする。具体的には、推定部37は、負荷RA乃至RC夫々が配電線L1及びL2、配電線L2及びL3、配電線L3及びL1夫々の組に接続されているとみなして、9個の逆相分電圧差分値を算出する。この後、9個の逆相分電圧差分値の中から最小の差分値に対応する負荷を、発生源負荷を選択する。
【0054】
=報知部=
報知部38は、推定部37によって推定された発生源負荷の位置についての情報を報知する。報知部38は、推定部37によって推定された発生源負荷の位置を示す情報を例えば表示部34に表示させたり、当該情報を出力装置(不図示)から出力させたりする。報知部38は、推定部37によって発生源負荷として選択された負荷を有する需要家に対して報知することとしてもよい。例えば、負荷R1が発生源負荷として推定された場合、報知部38は、負荷R1を有する需要家に対して、負荷R1が配電線L100における電圧不平衡率を所定値より大きくする要因となっている虞があることを例えばEメール等を用いて報知する。報知部38からの報知を受けた需要家は、例えば、負荷R1の日負荷曲線、電気事業者との間の電力に関する契約の内容等に基づいて、負荷R1の稼動を調整したりすることとしてもよい。
【0055】
===位置推定装置の動作===
以下、図1及び図7を参照して、本実施形態における位置推定装置の動作について説明する。図7は、本実施形態における位置推定装置の動作を示すフローチャートである。
【0056】
記憶装置33に記憶されているプログラムの実行が開始されて、CPU31が位置推定装置3の統括制御を開始したところから説明する。
【0057】
位置推定装置3は、系統情報及び計測信号S1乃至S3を受け付ける(ステップSt11)。位置推定装置3は計測信号S1乃至S3に示されている情報に基づいて、配電線L100の電圧不平衡率を算出する(ステップSt12)。位置推定装置3は、ステップSt12で算出された電圧不平衡率が所定値を超えるか否かを判定する(ステップSt13)。電圧不平衡率が所定値を超えると判定された場合(ステップSt13のYES)、位置推定装置3は、発生源推定区間を検出する(ステップSt14)。位置推定装置3は、検出された発生源推定区間に設けられている負荷の中から、発生源負荷を選択して当該発生源負荷の位置を推定する(ステップSt15)。位置推定装置3は、発生源負荷の位置についての情報を報知した(ステップSt16)後、動作を終了する。ステップSt13において、電圧不平衡率が所定値を超えないと判定された場合(ステップSt13のNO)、位置推定装置3は、動作を終了する。
【0058】
上述したように、位置推定装置3は、推定部37を有する。推定部37は、配電線L100の例えば第2開閉器区間における三相のうちの何れか二相に接続される負荷R1乃至R3よりも上流側の開閉器LS2から出力される計測信号S2に示されている電圧の値に基づいて、開閉器LS2が設けられている位置の逆相分電圧の値を第1逆相分電圧値として算出する。推定部37は、開閉器LS2が設けられている位置の第1逆相分電流値と、負荷R1乃至R3よりも下流側の開閉器LS3が設けられている位置の第2逆相分電流値と、第2開閉器区間における配電線L100の線路インピーダンスの値とに基づいて、開閉器LS2が設けられている位置の逆相分電圧の値を第2逆相分電圧値として算出する。推定部37は、第1及び第2逆相分電圧値に基づいて、配電線L100における電圧不平衡の発生原因となっている発生源負荷の位置を推定する。これらの構成により、位置推定装置3は、例えば第2開閉器区間の負荷R1乃至R3が接続されている位置の電圧の実測値を用いずに、発生源負荷の位置を推定することができる。従って、発生源負荷の位置を推定するための負荷R1乃至R3が接続されている位置の電圧の計測作業が不要となり、配電線L100に接続されている負荷の数が比較的多い配電系統においても、発生源負荷の位置を確実に推定することが可能となる。
【0059】
又、推定部37は、第1逆相分電圧値と第2逆相分電圧値との差分値に基づいて、発生源負荷の位置を推定する。この構成により、位置推定装置3は、比較的単純な演算に基づいて発生源負荷の位置を推定することができる。従って、発生源負荷の位置を推定するための演算において誤った演算が行われるのを防止して、発生源負荷の位置の推定精度を向上させることができる。
【0060】
又、例えば、第2開閉器区間に負荷RAとしての負荷R1及び負荷RBとしての負荷R2のみが接続されている場合、推定部37は、第2逆相分電圧値V2i(A)、V2i(B)夫々と、第2逆相分電圧値V2iとの差分値に基づいて、発生源負荷の位置を推定する。具体的には、推定部37は、配電線L100における負荷RA(図6)が接続されている位置と開閉器LSiの位置との間の線路インピーダンスの値Z(La)と第1逆相分電流値I2iとの積と、負荷RAが接続されている位置と開閉器LSjの位置との間の第2線路インピーダンスの値Z(Li-La)と第2逆相分電流値I2jとの積との合計に基づいて、負荷RAが発生源負荷であると仮定されたときの第2逆相分電圧値V2i(A)を算出する。推定部37は、配電線L100における負荷RBが接続されている位置と開閉器LSiの位置との間の線路インピーダンスの値Z(Lb)と第1逆相分電流値I2iとの積と、負荷RBが接続されている位置と開閉器LSjの位置との間の第2線路インピーダンスの値Z(Li-Lb)と第2逆相分電流値I2jとの積との合計に基づいて、負荷RBが発生源負荷であると仮定されたときの第2逆相分電圧値V2i(B)を算出する。推定部37は、第2逆相分電圧値V2i(A)と第1逆相分電圧値V2iとの第1差分値が、第2逆相分電圧値V2i(B)と第1逆相分電圧値V2iとの第2差分値よりも小さい場合、負荷RAが接続されている位置に応じた位置を発生源負荷の位置であると推定し、前述の第1差分値が前述の第2差分値よりも大きい場合、負荷RBが接続されている位置に応じた位置を発生源負荷の位置であると推定する。これらの構成により、位置推定装置3は、配電線L100の電圧不平衡に影響を及ぼす要因と考えられる配電線L100の線路インピーダンスの値、第1及び第2逆相分電圧値を反映させた状態で、発生源負荷の位置を推定することができる。従って、発生源負荷の位置の推定精度を向上させることができる。
【0061】
又、推定部37は、例えば第2開閉器区間の負荷R1乃至R3が配電線L100における三組の二相のうちの第一組の二相(例えば配電線L1及びL2)に接続されているとみなして、第2逆相分電圧値V2i(A)、V2i(B)、V2i(C)を算出する。推定部37は、例えば第2開閉器区間の負荷R1乃至R3が配電線L100における三組の二相のうちの第二組の二相(例えば配電線L2及びL3)に接続されているとみなして、第2逆相分電圧値V2i(A)、V2i(B)、V2i(C)を算出する。推定部37は、例えば第2開閉器区間の負荷R1乃至R3が配電線L100における三組の二相のうちの第三組の二相(例えば配電線L3及びL1)に接続されているとみなして、第2逆相分電圧値V2i(A)、V2i(B)、V2i(C)を算出する。推定部37は、算出された例えば9個の第2逆相分電圧値に基づいて、発生源負荷の位置を推定する。これらの構成により、例えば第2開閉器区間の負荷R1乃至R3の接続先の相の情報を反映させた状態で、発生源負荷の位置を推定することができる。従って、発生源負荷の位置の推定精度を向上させることができる。
【0062】
又、検出部36は、配電線L100における複数の位置(例えば3箇所)夫々の電流値を計測する開閉器LS1乃至LS3の計測結果に基づいて、複数の位置における電流値の差分値が判定電流閾値より大きくなる2つの位置の間の区間を発生源推定区間として検出する。つまり、検出部36は、第1及び第2開閉器区間の中から発生源推定区間を検出する。推定部37は、検出部36によって発生源推定区間であると検出された開閉器区間において第1逆相分電圧値V2i及び第2逆相分電圧値を算出する。これらの構成により、発生源負荷として選択される候補となる負荷を絞り込むことができる。従って、発生源負荷の位置を推定するための演算の演算量を減少させることにより、発生源負荷の位置を迅速に推定することができる。又、発生源負荷の位置を推定するための演算の演算量を減少させることにより、当該演算において誤った演算が行われるのを防止して、発生源負荷の位置の推定精度を向上させることができる。
【0063】
又、報知部38は、推定部37によって推定された発生源負荷の位置についての情報を報知する。この構成により、例えば、発生源負荷として推定(選択)されている負荷を有する需要家に対して、負荷R1が配電線L100における電圧不平衡率を所定値より大きくする要因となっている虞があること知らせることができる。従って、報知部38による報知に基づいて、電圧不平衡率させるための負荷の運転計画の変更等を需要家に促すことにより、配電線L100の電圧不平衡率を低減させることができる。
【0064】
尚、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0065】
上記実施形態においては、系統情報等に基づいて推定部37が第1及び第2逆相分電流値及び第3逆相分電圧値を算出することについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、推定部37が、計測信号S2に示されている線電流の値に基づいて第1逆相分電流値を算出し、計測信号S3に示されている線電流の値に基づいて第2逆相分電流値を算出し、計測信号S3に示されている線間電圧の値に基づいて第3逆相分電圧値を算出することとしてもよい。この場合、第1及び第2逆相分電圧値の双方に対して開閉器LS2及びLS3の計測結果が反映されることになるので、位置推定装置3による発生源負荷の位置の推定精度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0066】
3 位置推定装置
36 検出部
37 推定部
38 報知部
100 配電系統
L1、L2、L3、L100 配電線
LS1、LS2、LS3 開閉器
R1、R2、R3、R4 負荷
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7