(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記生理食塩水溶液及び前記油がメニスカスを形成し、電荷を前記空洞の外側の前記導電性コーティングの区域に印加することが前記メニスカス壁に沿った前記メニスカスの接触位置に変化をもたらす、請求項9に記載の眼用レンズ。
前記前方湾曲レンズ及び前記後方湾曲レンズのうちの1つ又は両方を通る、導電性の材料を充填するための通路と、前記通路を充填する導電材料と、を更に備える、請求項3に記載の眼用レンズ。
前記絶縁体が、前記導電性コーティングと、前記前方湾曲レンズと前記後方湾曲レンズとの間の前記空洞に収容される生理食塩水溶液との間の分離を維持するための境界区域を構成する、請求項24に記載の眼用レンズ。
前記メニスカス壁に隣接するメニスカスの角張った部分を更に有し、前記角張った部分が、前記ある体積の生理食塩水溶液及び油を収容するための角度特性を有する、請求項27に記載の眼用レンズ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、液体メニスカスレンズのメニスカス空洞を画定する前方湾曲レンズ及び後方湾曲レンズのうちの少なくとも1つを有する液体メニスカスレンズを提供する。
【0012】
用語
本発明を目的とする本説明及び特許請求の範囲において、以下の定義が適用される、様々な用語が使用され得る。
【0013】
接触角:液体メニスカス境界線とも呼ばれる油/生理食塩水溶液の界面がメニスカス壁と接触する角度。線形メニスカス壁の場合、接触角は、メニスカス壁と、液体メニスカス境界線がメニスカス壁と接触する点の液体メニスカス境界線に接する直線との間の角度として測定される。湾曲したメニスカス壁の場合、接触角は、メニスカス壁に接する直線と、それらが接触する点の液体メニスカス境界線との間の角度として測定される。
【0014】
液体メニスカス境界線:生理食塩水溶液と油との間の弓形表面界面。一般に、表面は、片側が凹面であり、もう一方が凸面であるレンズを形成する。
【0015】
メニスカス空洞:油及び生理食塩水溶液が維持される前方湾曲レンズと後方湾曲レンズとの間の弓形液体メニスカスレンズの空間。
【0016】
メニスカス壁:前方湾曲レンズの内側の特定領域であり、そのためメニスカス空洞内にあり、その壁に沿って液体メニスカス境界線が移動する。
【0017】
光学ゾーン:本明細書で使用する場合、眼科用レンズの装用者がそのゾーンを通して見ることになる、眼科用レンズの領域を指す。
【0018】
角張った部分:光学部品上の2つの予め画定された液体の接触線の位置を含むのに十分な前方湾曲レンズ又は後方湾曲レンズの片のいずれかの内側表面の幾何学的特色。
角張った部分は、通常、内角ではなくて外角である。液体の観点から、
角張った部分は、180°より大きい角度である。
【0019】
ここで
図1Aを参照すると、シリンダ110内に収容される油101及び生理食塩水溶液102を有する従来のレンズ100の断面図が図示される。シリンダ110は、2つの光学材料106のプレートを含む。それぞれのプレート106は、平坦な内側表面113〜114を含む。シリンダ110は、本質的に回転対称である内側表面を含む。一部の従来の実施形態では、1つ以上の表面は、疎水性コーティングを含むことができる。電極105も、シリンダの周辺上又はその周りに含まれる。電気絶縁体もまた、電極105に隣接して使用され得る。
【0020】
従来技術によると、内側表面113〜114のそれぞれは、本質的に平坦又は平面的である。界面表面112Aは、生理食塩水溶液102Aと油101との間で画定される。
図1Aに示すように、界面112Aの形状は、生理食塩水溶液102A及び油101の屈折率特性と組み合わされて、第1の内側表面113を通して入射光108を受容し、第2の内側表面113を通して発散光109を提供する。油101と生理食塩水溶液102との間の界面表面の形状は、電極105に電流を印加することにより変化し得る。
【0021】
図100Aは、100で図示される従来のレンズの斜視図を図示する。
【0022】
ここで
図1Bを参照すると、従来のレンズ100は、通電された状態で図示される。通電された状態は、電極115に電圧114を印加することによって達成される。油101と生理食塩水溶液102との間の界面表面112Bの形状は、電極115に電流を印加することにより変化する。
図1Bに示すように、油101及び生理食塩水溶液102Bを通過する入射光108Bは、集束された光パターン111に集束される。
【0023】
ここで
図2を参照すると、液体メニスカスレンズ200の断面図は、前方湾曲レンズ201と後方湾曲レンズ202を有する。前方湾曲レンズ201と後方湾曲レンズ202は、相互に隣接して位置決めされ、それらの間に空洞210を形成する。前方湾曲レンズは、凹状弓形内側レンズ表面203と、凸状弓形外側レンズ表面204とを含む。凹状弓形レンズ表面203は、1つ以上のコーティング(
図2に図示せず)を有することができる。コーティングは、例えば、導電性の材料若しくは電気的に絶縁性の材料、疎水性材料若しくは親水性材料のうちの1つ以上を含むことができる。凹状弓形レンズ表面203及びコーティングのうちの1つ又はその両方は、空洞210内に収容される油208と液体連通及び光学連通している。
【0024】
後方湾曲レンズ202は、凸状弓形内側レンズ表面205と、凹状弓形外側レンズ表面206とを含む。凸状弓形レンズ表面205は、1つ以上のコーティング(
図2に図示せず)を有することができる。コーティングは、例えば、導電性の材料若しくは電気的に絶縁性の材料、疎水性材料若しくは親水性材料のうちの1つ以上を含むことができる。凸状弓形レンズ表面205及びコーティングのうちの少なくとも1つは、空洞210内に収容される生理食塩水溶液207と液体連通及び光学連通している。生理食塩水溶液207は、導電性である1つ以上の塩又は他の成分を含み、そのため、電荷に引き寄せられるか、又はそれによって退けられるかのいずれかであり得る。
【0025】
本発明によると、導電性のコーティング209は、前方湾曲レンズ201及び後方湾曲レンズ202のうちの1つ又はその両方の周辺部の少なくとも一部分に沿って位置する。導電性のコーティング209は、金又は銀を含むことができ、好ましくは生体適合性である。電荷を導電性のコーティング209に印加することにより、生理食塩水溶液中の導電性の塩又は他の成分を引き寄せるか、又は退けるかのいずれかを生じさせる。
【0026】
前方湾曲レンズ201は、凹状弓形内側レンズ表面203及び凸状弓形外側レンズ表面204を通過する光に関して光学度数を有する。光学度数は、0であるか、又は正若しくは負の度数であってもよい。一部の好ましい実施形態では、光学度数は、非限定的な例として、−8.0〜+8.0ジオプターの度数等の矯正コンタクトレンズに典型的に見られる度数である。
【0027】
後方湾曲レンズ202は、凸状弓形内側レンズ表面205及び凹状弓形外側レンズ表面206を通過する光に関して光学度数を有する。光学度数は、0であるか、又は正若しくは負の度数であってもよい。いくつかの実施形態では、光学度数(optical power)は、非限定的な例として、−8.0〜+8.0ジオプターの度数等の矯正コンタクトレンズに典型的に見られる度数である。
【0028】
様々な実施形態はまた、生理食塩水溶液207と油との間に形成される液体メニスカス211の形状の変化に関連する光学度数の変化も含むことができる。いくつかの実施形態では、光学度数の変化は、例えば、0〜2.0ジオプター変化の変化のように、比較的小さくてよい。他の実施形態では、液体メニスカスの形状の変化に関連する光学度数の変化は、最大約30又はそれ以上のジオプターの変化であってよい。一般に、液体メニスカス211の形状の変化に関連するより大きな光学度数の変化は、比較的より厚いレンズ厚210に関連する。
【0029】
コンタクトレンズ等の眼科用レンズに含まれ得るそれらの実施形態等の本発明のいくつかの実施形態によると、弓形液体メニスカスレンズ200の横断レンズ厚210は、最大約1,000マイクロメートルの厚さである。比較的より薄いレンズ200の代表的なレンズ厚210は、最大約200マイクロメートルの厚さである。好ましい実施形態は、約600マイクロメートルの厚さのレンズ厚210の液体メニスカスレンズ200を含むことができる。一般に、前方湾曲レンズ201の横断厚は、約35マイクロメートル〜約200マイクロメートルであってよく、後方湾曲レンズ202の横断厚はまた、約35マイクロメートル〜約200マイクロメートルであってもよい。
【0030】
本発明によると、集合光学度数は、前方湾曲レンズ201、後方湾曲レンズ202、及び油208と生理食塩水溶液207との間に形成される液体メニスカス211の光学度数の総計である。いくつかの実施形態では、レンズ200の光学度数は、前方湾曲レンズ201、後方湾曲レンズ202、油208及び生理食塩水溶液207のうちの1つ以上の間での屈折率の差も含む。
【0031】
コンタクトレンズに組み込まれる弓形液体メニスカスレンズ200を含むそれらの実施形態では、コンタクト着用者が動くため、生理食塩水207及び油208について、湾曲した液体メニスカスレンズ200内のそれらの相対位置で安定した状態を保つことが、更に望ましい。一般に、着用者が動くとき、油208が、生理食塩水207に対して浮動かつ移動するのを防止することが好ましく、したがって、油208と生理食塩水溶液207の組み合わせは、好ましくは、同一又は類似する密度状態に選択される。加えて、油208と生理食塩水溶液207は、生理食塩水207と油208が混合しないように、比較的低い不混和性を有することが好ましい。
【0032】
一部の好ましい実施形態では、空洞内に収容される生理食塩水溶液の体積は、空洞内に収容される油の体積より大きい。加えて、一部の好ましい実施形態は、後方湾曲レンズ200の内側表面205の全体と本質的に接触する生理食塩水溶液207を含む。いくつかの実施形態は、生理食塩水溶液207の量と比較して、約66体積%以上である体積の油208を含むことができる。一部の更なる実施形態は、生理食塩水溶液207の量と比較して、油208の体積が約90体積%以下である弓形液体メニスカスレンズを含むことができる。
【0033】
ここで
図3を参照すると、端部分の弓形液体メニスカスレンズ300の断面が図示される。上述のように、弓形液体メニスカスレンズ300は、組み合わされた前方湾曲レンズ301成分及び後方湾曲レンズ302成分を含む。前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302は、少なくとも部分的に透明である1つ以上の材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302のうちの1つ又はその両方は、例えば、PMMA、Zeonor及びTPX等のうちの1つ以上の一般に光学的に明澄なプラスチックを含む。
【0034】
前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302のうちの1つ又はその両方は、単刃ダイヤモンド旋削旋盤加工、射出成形、デジタルミラーデバイスフリー成形のうちの1つ以上のプロセスによって成形され得る。
【0035】
前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302のうちの1つ又はその両方は、図示される導電性コーティング303を含むことができ、導電性コーティング303は、309〜310までの周辺部分に沿って延在する。一部の好ましい実施形態では、導電性コーティング303は、金を含む。金は、スパッタプロセス、蒸着又は他の公知のプロセスによって適用され得る。代替的な導電性コーティング303は、非限定的な例として、アルミニウム、ニッケル、及びインジウムとスズの酸化物を含むことができる。一般に、導電性コーティング303は、前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302のうちの1つ又はその両方の周辺区域に適用される。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態では、後方湾曲レンズ302は、特定の区域に適用される導電性コーティング304を有する。例えば、後方湾曲レンズ302の周辺の周りの部分は、第1の境界線304−1〜第2の境界線304−2まで被覆され得る。金コーティングは、例えば、スパッタプロセス又は蒸着によって適用され得る。いくつかの実施形態では、前方湾曲レンズ301又は後方湾曲レンズ302の1つ以上の周辺部分の周りに、所定のパターンで、金又は他の導電材料を適用するために、マスクが使用され得る。代替の導電材料は、様々な方法を使用し、かつ後方湾曲レンズ302の様々な区域を被覆することにより適用され得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、例えば後方湾曲レンズ302の1つ以上の穴又はスロット等を通る導電性通路は、例えば、導電性エポキシ等の導電性充填剤材料で充填され得る。導電性充填剤は、前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302のうちの1つ又はその両方の内側表面上の導電性コーティングとの電気的導通を提供することができる。
【0038】
本発明の別の態様において、前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302のうちの1つ又はその両方は、前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302(図示せず)の一般に中央区域の光学ゾーンが光学的に透明な材料を含むことができ、周辺部ゾーンが導電性の材料を含む光学的に不透明な区域を含むことができる、複数の異なる材料から作製され得る。光学的に不透明な区域はまた、制御回路及びエネルギー源のうちの1つ以上を含むこともできる。
【0039】
更に別の態様において、いくつかの実施形態では、絶縁体コーティング305が前方湾曲レンズ301に適用される。非限定的な例として、絶縁体コーティング305は、第1の領域305−1〜第2の領域305−2に延在する区域に適用される。絶縁体は、例えば、パリレンC(Parylene C)、テフロンAF(Teflon AF)、又は様々な電気的特性及び機械的特性並びに電気抵抗を備える他の材料を含むことができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、絶縁体コーティング305は、導電性コーティング303と、前方湾曲レンズ301と後方湾曲レンズ302との間の空洞内に収容される生理食塩水溶液306との間の分離を維持するための境界区域を作り出す。したがって、いくつかの実施形態は、正に帯電した導体303と負に帯電した生理食塩水溶液306が接触するのを防止するために、前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302のうちの1つ又はその両方の1つ以上の区域でパターン化され、かつそこに位置付けられる絶縁体コーティング305を含み、導体303と生理食塩水溶液306の接触は、電気的短絡をもたらす。実施形態は、正に帯電した生理食塩水溶液306と負に帯電した導体303を含むことができる。
【0041】
更に他の実施形態は、レンズ300の操作に関連する回路のリセット機能として、導体303と生理食塩水溶液306との間の短絡を可能にすることができる。例えば、短絡状態は、レンズへの電源を分断し、生理食塩水溶液306及び油307をデフォルト位置に回復させる。
【0042】
一部の好ましい実施形態は、空洞311の内側上の区域309〜空洞311の外側の区域310に延在する導体303を含む。他の実施形態は、例えば、防水導電性エポキシ等の導電材料313で充填され得る、前方湾曲レンズ又は後方湾曲レンズを通るチャネル312を含むことができる。導電材料313は、空洞の外側に電気端子を形成する、又はそれに接続され得る。電荷は、端子に印加され、チャネル312の導電材料313によってコーティングに伝導され得る。
【0043】
絶縁体コーティング305の厚さは、レンズ性能のパラメータとして変化し得る。本発明によると、生理食塩水溶液306及び導体303を含む帯電した成分は、一般に、絶縁体コーティング305のいずれかの側に維持される。本発明は、絶縁体コーティング305の厚さと、生理食塩水溶液306と導体303との間の電場との間に間接的関係を提供し、生理食塩水溶液306及び導体303がより遠く離れて維持されるほど、電場は弱くなる。
【0044】
一般に、本発明は、絶縁体コーティング305の厚さが増すと、電場の強さが劇的に落ちることを提供する。場がより近ければ、一般に球状液体メニスカス境界線314を移動するためにより多くのエネルギーが利用可能になる。生理食塩水溶液306と導体303との間の距離が増すと、生理食塩水溶液306と導体コーティング303の電場がより遠くに離れ、したがって、球状メニスカス境界線314を移動させることがより困難になる。反対に、絶縁体コーティング305がより薄ければ、球状液体メニスカス308の移動が絶縁体コーティング305の欠陥に対してより敏感になる。一般に、絶縁体コーティング305の比較的小さい穴でも、レンズ300を短絡させる。
【0045】
いくつかの実施形態では、レンズ300内に収容される油307の密度と一般に同じ密度である生理食塩水溶液306を有することも望ましい。例えば、生理食塩水溶液306は、好ましくは、油307の密度の10%以内である密度を有し、より好ましくは、生理食塩水溶液306は、油の密度の5%以内の密度、最も好ましくは約1%以内の密度を有する。いくつかの実施形態では、生理食塩水溶液306内の塩又は他の成分の濃度は、生理食塩水溶液306の密度を調節するように加減され得る。
【0046】
本発明によると、弓形液体メニスカスレンズ300は、前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302とに関連した油307の移動を制限することにより、より安定した光学品質を提供する。弓形前方湾曲レンズ301及び後方湾曲レンズ302のうちの1つ又はその両方に関連した油307の移動の安定性を維持する1つの方法は、油307と生理食塩水溶液306が相対的に一致する密度を維持することである。加えて、前方湾曲レンズ301と後方湾曲レンズ302の両方の内側表面の湾曲設計により、生理食塩水溶液306の層の相対的な深度又は厚さは、従来の円柱レンズ設計と比較して減少する。したがって、油の移動及び油306と生理食塩水溶液307との間のメニスカスの破損の可能性を回避するために、レンズ300内の油の位置の安定性が増す。
【0047】
一部の好ましい実施形態では、生理食塩水溶液306は、比較的高い屈折率を提供する油307と比較して、低い屈折率を提供する。しかしながら、いくつかの実施形態では、油307と比較して高い屈折率を有する生理食塩水溶液306を含むことが可能であるが、そのような場合、油は、比較的低い屈折率を提供する。
【0048】
前方湾曲レンズ301と後方湾曲レンズ302を相互に隣接した位置に固定するために接着剤308が使用されてよく、それによって、油307及び生理食塩水溶液306をそれらの間に保持する。接着剤308は、湾曲した液体メニスカスレンズ300からの生理食塩水306又は油307の漏れがないように、シールの機能を果たす。
【0049】
ここで
図4を参照すると、生理食塩水溶液406と油407との間の液体メニスカス境界線401を備える湾曲した液体メニスカスレンズ400が図示される。一部の好ましい実施形態によると、メニスカス壁405は、402と403との間に延在する弓形壁の第1の角度分岐によって前方湾曲レンズ404内に画定される。液体メニスカス境界線401は、電荷が1つ以上の導体コーティング又は導体材料408に沿って印加及び除去されると、メニスカス壁405を上方及び下方に移動させる。
【0050】
一部の好ましい実施形態では、導電性コーティング403は、生理食塩水溶液406及び油407を保有する空洞409の内側の区域から生理食塩水406及び油407を収容する空洞409の外側の区域に延在する。そのような実施形態では、導電性コーティング403は、空洞409の外側の点の導電性コーティング403に印加された電荷の、空洞内の導電性コーティングの区域への管路であり、生理食塩水溶液406と接触してもよい。
【0051】
ここで
図5を参照すると、前方湾曲レンズ501及び後方湾曲レンズ502を有する弓形液体メニスカスレンズ500の端部分の断面図が示される。弓形液体メニスカスレンズ500は、生理食塩水溶液503及び油504を収容するために使用され得る。
【0052】
弓形液体メニスカスレンズ500の幾何学構造並びに生理食塩水溶液503及び油504の特性は、生理食塩水溶液503と油504との間の液体メニスカス境界線505の形成を容易にする。
【0053】
一般に、本発明のいくつかの実施形態では、液体メニスカスレンズは、前方湾曲レンズ501及び後方湾曲レンズ502上に存在する、又はそれらを通る導電性コーティング、絶縁体コーティング、経路、及び材料のうちの1つ以上を有するコンデンサとして見ることができる。本発明によると、液体メニスカス境界線505の形状、したがって、液体メニスカス境界線505と前方湾曲レンズ501との間の接触角は、前方湾曲レンズ501及び後方湾曲レンズ502のうちの1つ又はその両方の少なくとも一部分の表面に印加される電荷に応じて変化する。
【0054】
本発明によると、導電性コーティング又は材料によって生理食塩水溶液に印加される電流の変化は、メニスカス壁506に沿った液体メニスカス境界線505の位置を変化させる。移動は、第1の
角張った部分506−1と第2の
角張った部分506−2との間で生じる。
【0055】
好ましい実施形態では、液体メニスカス境界線505は、第1の規模の電流がレンズに印加されるとき、例えば、電圧及び電流が無電力印加状態又は静止状態と相関するとき等、第1の
角張った部分506−1にある、又はその付近にある。
【0056】
電力印加状態とも呼ばれることのある電流の第2の規模の印加は、一般に第2の
角張った部分506−2の方向へのメニスカス壁506に沿った液体メニスカス境界線505の移動と相間し、液体メニスカス境界線の形状を変化させることができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、メニスカス壁506は平滑面である。平滑なメニスカス壁506の表面は、絶縁体コーティングの欠陥を最小にすることができる。加えて、表面の構造の無作為な不規則性は、不均等な液体運動をもたらし、したがって、レンズを通電にしたとき、又は非通電にしたときに、不均等な、又は予測不可能なメニスカス運動を生じる場合があるため、平滑なメニスカス壁506が好ましい。いくつかの好ましい実施形態では、平滑なメニスカス壁は、メニスカス壁506に沿って約1.25ナノメートル〜5.00ナノメートルの範囲の山と谷の測定値を有する。
【0058】
別の態様において、いくつかの実施形態では、メニスカス壁506が疎水性であることが望ましく、この場合、ナノ構造表面等の画定された構造は弓形液体メニスカスレンズの設計に組み込まれ得る。
【0059】
更に別の態様において、いくつかの実施形態では、メニスカス壁506は、レンズの光学軸に対して角度をなしてよい。角度は、0°(又は光学軸に平行)〜90°付近(光学軸に対して垂直)の範囲であることができる。図示されるように、一部の好ましい実施形態では、メニスカス壁506の角度は、弓形液体メニスカスレンズが液体メニスカス境界線505と絶縁体被覆されたメニスカス壁506との間の所与の電流接触角(current contact angle)で機能するために、一般に、約30°〜50°である。異なる材料の使用、又は望遠視力等の異なる光対物レンズの使用により、メニスカス壁506の角度は、0°又は90°に近くてよい。
【0060】
本発明によると、メニスカス壁506の角度は、特定の電圧及び電流の印加時に、メニスカス壁506に沿った移動の規模に適応するように設計され得る。いくつかの実施形態では、メニスカス壁506の角度が増加すると、レンズの度数を変更する能力は、一般に、所与のレンズの大きさ及び電圧パラメータ内で減少する。加えて、メニスカス壁506が光学軸に対して0°である、又はそれ付近である場合、液体メニスカス境界線505は、前方光学部品上にほぼ直線に導かれる。メニスカス壁の角度は、レンズ性能に様々な成果を提供するように調整され得るいくつかのパラメータのうちの1つである。
【0061】
一部の好ましい実施形態では、メニスカス壁506は、長さが約0.265mmである。しかしながら、全体的なレンズの大きさとともに、メニスカス壁506の角度は、様々な設計でメニスカス壁506の長さに自然と影響を及ぼす。
【0062】
一般に、油504が後方湾曲レンズ502に接触すると、弓形液体メニスカスレンズ500は機能しないと考えられ得る。したがって、好ましい実施形態では、メニスカス壁506は、その最も近い点で、第1の
角張った部分506−1と後方湾曲レンズ502との間に50マイクロメートルの最小隙間を持たせるように設計される。他の実施形態では、隙間が減少すると、レンズが機能しないリスクは増加するが、最小隙間は、50マイクロメートル未満であり得る。更に他の実施形態では、隙間は、レンズが機能しないリスクを軽減するように増加され得るが、望ましくない可能性がある全体的なレンズの厚さも増加する。
【0063】
本発明の一部の好ましい実施形態の更に別の態様では、メニスカス壁506に沿って移動するとき、液体メニスカス境界線505の挙動は、ヤングの式を使用して推定され得る。ヤングの式は、乾燥表面上への水分の滴下により生じる力の平衡を定義し、完全に平坦な表面を仮定するが、基本的な性質が、弓形液体メニスカスレンズ500内に作り出される電気湿潤されたレンズ環境に適用され得る。
【0064】
第1の規模の電気エネルギーを、例えばレンズが無電力印加状態にあるとき等にレンズに印加すると、本明細書において液体メニスカス境界線505と称される油504と生理食塩水溶液503、油504とメニスカス壁506、並びに生理食塩水溶液503とメニスカス壁506との間の界面エネルギーの平衡が達成され、結果として液体メニスカス境界線505とメニスカス壁506との間の平衡接触角が得られる。電圧の規模の変化が弓形液体メニスカスレンズ500に印加されるとき、界面エネルギーの平衡が変化し、結果として液体メニスカス境界線505とメニスカス壁506との間の接触角に対応する変化がもたらされる。
【0065】
絶縁体被覆されたメニスカス壁506を有する液体メニスカス境界線505の接触角は、液体メニスカス境界線505の移動におけるヤングの式でのその役割だけでなく、接触角がメニスカスの移動を制限するために弓形液体メニスカスレンズ500の他の特色と組み合わせて使用されるため、弓形液体メニスカスレンズ500の設計及び機能において重要な要素である。
【0066】
液体メニスカス接触角において、
角張った部分のうちの1つを超えて液体メニスカス境界線505を移動させるに十分な大きさの変化をもたらすには、電圧の顕著な変化を必要とするため、
角張った部分506−1、506−2等の、メニスカス壁506の両端での不連続性は、液体メニスカス505の移動に関して境界線として機能する。非限定的な例として、いくつかの実施形態では、メニスカス壁506を有する液体メニスカス境界線505の接触角は、15〜40°の範囲であり、一方、第2の
角張った部分506−2より下のステップ507を有する液体メニスカス境界線505の接触角は、おそらく、90〜130°の範囲であり、一部の好ましい実施形態では、約110°である。
【0067】
レンズへの印加電圧は、液体メニスカス境界線505をメニスカス壁506に沿って第2の
角張った部分506−2に向かって移動させ得る。液体メニスカス境界線505と絶縁体被覆されたメニスカス壁506との自然接触角は、顕著により大きい電圧が供給されない限り、液体メニスカス境界線505を第2の
角張った部分506−2にとどまらせる。
【0068】
メニスカス壁506の一端で、第1の
角張った部分506−1は、一般に、液体メニスカス境界線505が典型的に超えて移動しない限度を1つ画定する。いくつかの実施形態では、第1の
角張った部分506−1は、鋭い縁として構築される。他の好ましい実施形態では、第1の
角張った部分506−1は、欠陥の可能性があまりないように作製され得る画定された小さい半径方向の面を有する。導電性、絶縁体、及び他の可能な所望のコーティングは、鋭い縁上に均一かつ予測通りに堆積されない場合があり、一方、画定された半径方向の面の半径方向の縁は、より確実に被覆され得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、第1の
角張った部分506−1は、約10マイクロメートルの画定された半径を有する約90°の角度で構築される。この
角張った部分はまた、90°未満の角度で作製されてもよい。いくつかの実施形態では、90°より大きい角度の
角張った部分は、
角張った部分の頑丈さを増加するために使用され得るが、その設計はより大きいレンズ空間を取る。
【0070】
様々な実施形態では、
角張った部分506−1、506−2の画定された半径は、5マイクロメートル〜25マイクロメートルの範囲であり得る。より大きい画定された半径は、コーティングの信頼性を向上させるが、レンズ設計の厳密な公差内でより大きい空間を使用するという代償を払って使用され得る。これにおいて、他の多くのレンズ設計分野のように、構成の容易さ、レンズ機能の最適化、及び大きさの最小化の間で、トレードオフが存在する。機能的で、信頼性のある弓形液体メニスカスレンズ500は、広範な変動要素を使用して作製され得る。
【0071】
第2の
角張った部分506−2は、電圧が弓形液体メニスカスレンズ500に印加される際、油の移動を制限するように設計された特色を有する。第2の
角張った部分506−2は、いくつかの実施形態では、概ね尖った
角張った部分を有する。他の実施形態では、第2の
角張った部分506−2は、5〜25マイクロメートル、最も好ましくは約10マイクロメートルの画定された半径を有することができる。10マイクロメートルの半径は、
角張った部分として良好に機能し、単刃ダイヤモンド旋削旋盤又は射出成形プロセスを使用して作製され得る。
【0072】
前方湾曲レンズ501の光学区域508の開始部分まで延在する、垂直又はほぼ垂直のステップ507は、メニスカス壁506に対向する第2の
角張った部分506−2の側に含まれてよい。いくつかの実施形態では、ステップ507は120マイクロメートルの高さであるが、50〜200マイクロメートルの範囲であってよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、ステップ507は、光学軸から約5°の角度をなしてよい。他の実施形態では、ステップ507の角度は、僅か1°若しくは2°であるか、又は5°を超えた角度であってもよい。メニスカス壁506からステップ507上に移動するには、液体メニスカス境界線505の接触角のより大きな変化を必要とするため、光学軸からより小さい角度をなすステップ507は一般に、メニスカス移動のより効果的なリミッタとして機能する。ステップ507から光学区域508の開始部分への遷移経路は、25マイクロメートルの半径である。より大きい半径は、レンズ設計内の空間を不必要により多く消費する。より小さい半径が可能であり、空間の獲得が必要ならば、行われ得る。この区域並びにレンズの他の区域において、理論的
な角張った部分ではなくて画定された半径を使用するという決定は、一部、レンズ要素の射出成形プロセスへの潜在的な移行に基づく。ステップ507と光学区域508の開始部分との間の湾曲は、射出成形プロセス中の塑性流動を向上させ、最適な強度及び応力対処特性を備えたレンズをもたらす。
【0074】
ここで
図6Aを参照すると、多くの可能な実施形態の1つにおいて、少なくとも1つの線形メニスカス壁セグメント601−1及び少なくとも1つの凸状メニスカス壁セグメント601−2を含む、複合メニスカス壁601が示される。複合メニスカス壁601は、油602及び生理食塩水溶液603を収容する弓形液体メニスカスレンズ内の光学軸から約45°の角度に配置される。液体メニスカス境界線604Aは、第1の
角張った部分608に最も近い複合メニスカス壁601の端部に概ね近い、605Aにおいて複合メニスカス壁601と接触する。接触角606Aは、液体メニスカス境界線604Aと複合メニスカス壁601−1との間に形成される。
【0075】
図6Bには、壁601上の導電性コーティング(図示せず)に電圧を印加し、液体メニスカス境界線604Bが複合メニスカス壁601に沿って概して前方湾曲レンズ607に向かって移動した後の液体メニスカス境界線604Bの位置が示される。液体メニスカス境界線604Bは、一般にメニスカス壁の線形部分601−1からメニスカス壁の凸状部分601−2までの遷移区域内で605Bへと移動し、接触角606Bが得られる。
【0076】
ここで
図7Aを参照すると、弓形液体メニスカスレンズの複合メニスカス壁701成分の斜視図が、弓形液体メニスカスレンズの残りの部分から切り離して示される。複合メニスカス壁701は、少なくとも1つの線形メニスカス壁セグメント701−1と、少なくとも1つの凸状メニスカス壁セグメント701−2と、を含む。この実施形態では、線形メニスカス壁セグメント701−1は第1の
角張った部分702−1から概ね第2の
角張った部分702−2に向かって延在し、凸状メニスカス壁セグメント701−2は線形メニスカス壁セグメント701−1の端部と第2の
角張った部分702−2との間であってよい(between an end of the linear meniscus wall segment 701-1 terminated with a second sharp 702-2.)。一般に、複合メニスカス壁701は、レンズ全体の周囲で第1の
角張った部分702−1と第2の
角張った部分702−2との間で一貫した長さと、形状と有する。
【0077】
ここで
図7Bを参照すると、線形メニスカス壁セグメント701−1の斜視図が示され、線形メニスカス壁セグメントの形状は、概ね円錘台を有する。同様に
図7Cには、トーラスセグメントとして、凸状メニスカス壁セグメント701−2の斜視図が示される。
【0078】
図6Cは、無電力印加状態604A及び電力印加状態604Bの両方における液体メニスカス境界線(604−A及び604−B)の位置を図示するために、
図6A及び6Bを組み合わせたものである。
図6Cに示されるように、光学軸に対して所定の角度で配置された複合メニスカス壁601を備える液体メニスカスレンズは、一般にレンズ性能に更なる安定性をもたらす。
【0079】
メニスカス壁601の導電区域に電圧を印加すると、複合メニスカス壁601に沿って液体メニスカス境界線が移動する。凸状メニスカス壁セグメント601−2は、一般にリミッタ、つまりブレーキとして作用し、これによって複合メニスカス壁601に沿ったメニスカス境界線604Bの移動に更なる制御をもたらす。
【0080】
液体メニスカス境界線604Bが凸状メニスカス壁セグメント601−2に達すると、液体メニスカスの接触角はより速い速度で増加し、液体メニスカスの移動を低速化させる。複合メニスカス壁601は、メニスカス壁の線形部分に沿って相対的に効率的なメニスカスの移動をもたらす。一方で、凸状壁部分は、特定のレンズ度数のターゲット区域におけるメニスカスの移動を低速化し、停止させる。
【0081】
本発明は、特定の実地形態を参照して説明されてきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われ、その要素が同等のものと置き換えられることがあり得ることは、当業者によって理解されるであろう。更に、発明の範囲から逸脱することなく、本発明の教示に対し、特定の状況又は材料を適合するように、多くの修正が行われ得る。
【0082】
したがって、本発明は、本発明を実施するうえで考えられる最良の態様として開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、付属の請求項の範囲及び趣旨に包含されるすべての実施形態を含むものである。
【0083】
〔実施の態様〕
(1) 光学レンズであって、
前方湾曲レンズ外側表面及び前方湾曲レンズ内側表面を備える前方湾曲レンズであって、前記前方湾曲レンズ外側表面及び前記前方湾曲レンズ内側表面の両方が弓形形状を備える、前方湾曲レンズと、
後方湾曲レンズ内側表面及び後方湾曲レンズ外側表面を備える後方湾曲レンズであって、前記後方湾曲レンズ内側表面及び前記後方湾曲レンズ外側表面の両方が弓形形状を備え、前記前方湾曲レンズ内側表面及び前記後方湾曲レンズ内側表面がそれらの間に空洞を形成するように、前記前方湾曲レンズに隣接して位置する、後方湾曲レンズと、
前記前方湾曲レンズ内側表面と前記後方湾曲レンズ内側表面との間に形成される前記空洞内に収容されるある体積の生理食塩水溶液及び油であって、それらの間にメニスカスを構成する、ある体積の生理食塩水溶液及び油と、
トーラスを含む第2のセグメントと機械的に連通する概ね円錐台の形状を含む第1のセグメントを備えるメニスカス壁であって、前記トーラスが前記前方湾曲レンズ及び後方湾曲レンズを通って形成される光学軸に対して概ね凸状であり、かつ前記メニスカスに境界線を形成する、メニスカス壁と、を備える光学レンズ。
(2) 前記メニスカス壁の少なくとも一部分上に導電性コーティングを更に備える、実施態様1に記載の光学レンズ。
(3) 前記油の体積が、前記空洞内に収容される生理食塩水溶液の体積より少ない、実施態様2に記載の光学レンズ。
(4) 前記油の体積が、生理食塩水溶液の量に対して、約66体積%以上を有する、実施態様3に記載の光学レンズ。
(5) 前記油の体積が、生理食塩水溶液の量に対して、約90体積%以下を有する、実施態様3に記載の光学レンズ。
【0084】
(6) 前記ある体積の油が、前記生理食塩水溶液の密度とほぼ等しい密度を有する、実施態様2に記載の光学レンズ。
(7) 前記ある体積の油が、前記生理食塩水溶液の密度の約10%以内の密度を有する、実施態様2に記載の光学レンズ。
(8) 前記ある体積の油が、前記生理食塩水溶液の密度の約5%以内の密度を有する、実施態様2に記載の光学レンズ。
(9) 前記導電性コーティングが、前記空洞の内側の区域から前記空洞の外側の区域に延在する、実施態様2に記載の光学レンズ。
(10) 前記空洞の外側の前記導電性コーティングの区域が、前記液体メニスカスレンズに電荷を提供するための電気端子を形成する、実施態様9に記載の光学レンズ。
【0085】
(11) 前記生理食塩水溶液及び前記油がメニスカスを形成し、電荷を前記空洞の外側の前記導電性コーティングの区域に印加することが前記メニスカス壁に沿った前記メニスカスの接触位置に変化をもたらす、実施態様9に記載の光学レンズ。
(12) 前記電荷が、直流を構成する、実施態様9に記載の光学レンズ。
(13) 前記電荷が、約20.0ボルトを有する、実施態様9に記載の光学レンズ。
(14) 前記電荷が、約18.0ボルト〜22.0ボルトを有する、実施態様9に記載の光学レンズ。
(15) 前記電荷が、約5.0ボルトを有する、実施態様9に記載の光学レンズ。
【0086】
(16) 前記電荷が、約3.5ボルト〜約7.5ボルトを有する、実施態様9に記載の光学レンズ。
(17) 前記前方湾曲レンズ外側表面が、約0以外の光学度数を有する、実施態様3に記載の光学レンズ。
(18) 前記前方湾曲レンズ内側表面が、約0以外の光学度数を有する、実施態様3に記載の光学レンズ。
(19) 前記後方湾曲レンズ外側表面が、約0以外の光学度数を有する、実施態様3に記載の光学レンズ。
(20) 前記後方湾曲レンズ内側表面が、約0以外の光学度数を有する、実施態様3に記載の光学レンズ。
【0087】
(21) 前記前方湾曲レンズ及び前記後方湾曲レンズのうちの1つ又は両方を通るチャネルと、前記チャネルを充填する導電材料と、を更に備える、実施態様3に記載の光学レンズ。
(22) 前記チャネルを充填する前記導電材料と電気的に導通している端子を更に備える、実施態様21に記載の光学レンズ。
(23) 電荷を前記端子に印加することが、前記メニスカスの形状に変化をもたらす、実施態様22に記載の光学レンズ。
(24) 前記前方湾曲レンズの前記内側表面の少なくとも一部分に沿って絶縁体コーティングを更に備え、前記絶縁体コーティングが電気絶縁体を含む、実施態様3に記載の光学レンズ。
(25) 前記絶縁体が、パリレン(登録商標)C(Parylene C)及びテフロン(登録商標)AF(Teflon AF)のうちの1つを含む、実施態様24に記載の光学レンズ。
【0088】
(26) 前記絶縁体が、前記導電性コーティングと、前記前方湾曲レンズと前記後方湾曲レンズとの間の前記空洞に収容される生理食塩水溶液との間の分離を維持するための境界区域を構成する、実施態様24に記載の光学レンズ。
(27) 前記メニスカス壁を構成する前記円錐台セグメントの角度が、約30°〜50°を有する、実施態様3に記載の光学レンズ。
(28) 前記メニスカス壁に隣接するメニスカス
の角張った部分(meniscus sharp)を更に有し、前記
角張った部分が、前記ある体積の生理食塩水溶液及び油を収容するための角度特性を有する、実施態様27に記載の光学レンズ。
(29) 前記
角張った部分が、半径方向の面部分を構成する、実施態様27に記載の光学レンズ。
(30) 前記半径方向の面部分が、5マイクロメートル〜25マイクロメートルの範囲の半径を有する、実施態様28に記載の光学レンズ。