特許第5960151号(P5960151)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5960151角度調節機構、外科用アライメントガイド、および外科用器具組立体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5960151
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】角度調節機構、外科用アライメントガイド、および外科用器具組立体
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/56 20060101AFI20160719BHJP
【FI】
   A61B17/56
【請求項の数】13
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-539338(P2013-539338)
(86)(22)【出願日】2011年11月8日
(65)【公表番号】特表2014-502185(P2014-502185A)
(43)【公表日】2014年1月30日
(86)【国際出願番号】GB2011052173
(87)【国際公開番号】WO2012066306
(87)【国際公開日】20120524
【審査請求日】2014年10月21日
(31)【優先権主張番号】1019490.0
(32)【優先日】2010年11月18日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】509229810
【氏名又は名称】デピュイ・(アイルランド)
【氏名又は名称原語表記】DEPUY (IRELAND)
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ビーデール・ダンカン
(72)【発明者】
【氏名】ブース・ケビン
(72)【発明者】
【氏名】フェントン・ゲーリー
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルテラモ・アルベルト
【審査官】 毛利 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/037471(WO,A2)
【文献】 国際公開第2005/099636(WO,A1)
【文献】 米国特許第05688281(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具のための角度調節機構において、
長さ方向軸を定める長さ方向シャフト上に配され、その長さ方向軸を中心として回転するように構成された調節部材であって、前記調節部材は、前記長さ方向軸の周りに配列された複数対の面を含み、前記複数対の面のそれぞれの対が、前記長さ方向軸に対して角度をなす、それぞれの傾斜軸を定める、調節部材と、
前記長さ方向軸に垂直な旋回軸を中心として旋回するように構成された旋回部材であって、前記調節部材を受容し、前記複数対の面のうちの一対に係合する凹部を含む、旋回部材と、
を含む、角度調節機構。
【請求項2】
請求項1に記載の角度調節機構において、
前記複数対の面は、異なる対の面の間で前記それぞれの傾斜軸の前記長さ方向軸に対する角度が変化し、かつ、前記傾斜軸が、前記長さ方向軸上の同じ所定の点を中心として、前記複数対の面を回転させることにより定められるように形成されている、角度調節機構。
【請求項3】
請求項2に記載の角度調節機構において、
前記旋回軸は、前記長さ方向軸と交差し、前記長さ方向軸上の前記所定の点は、前記旋回軸が前記長さ方向軸と交差するところである、角度調節機構。
【請求項4】
請求項2または3に記載の角度調節機構において、
前記複数対の面の各面は、実質的に平坦であり、一対の面により定められるそれぞれの傾斜軸の回転軸は、前記一対の面の平面に平行、かつ前記長さ方向軸に垂直である、角度調節機構。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1項に記載の角度調節機構において、
前記複数対の面はそれぞれ、前記傾斜軸の方向にテーパーを画定する、角度調節機構。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか1項に記載の角度調節機構において、
前記複数対の面はそれぞれ、前記複数対の面のうちの別のものとつながっている、角度調節機構。
【請求項7】
請求項6に記載の角度調節機構において、
前記複数対の面のそれぞれの間の各エッジの少なくとも一部が、切り取られている、角度調節機構。
【請求項8】
請求項7に記載の角度調節機構において、
各エッジの切り取り部分は、前記それぞれの傾斜軸の方向に、前記所定の点から同じ距離延びている、角度調節機構。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の角度調節機構において、
前記凹部は、前記複数対の面のうちの1つに係合する、互いに向かい合った一対の突起を含む、角度調節機構。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の角度調節機構において、
前記旋回部材の前記凹部内に前記調節部材を付勢する弾性部材をさらに含む、角度調節機構。
【請求項11】
外科用アライメントガイドにおいて、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の角度調節機構を含む、外科用アライメントガイド。
【請求項12】
外科用器具組立体において、
請求項11に記載の外科用アライメントガイドと、
前記旋回部材に取り付けられた切断ガイドと、
を含む、外科用器具組立体。
【請求項13】
請求項12に記載の外科用器具組立体において、
髄内軸を定める髄内ロッドをさらに含み、
前記角度調節機構は、前記髄内ロッド上に据え付けられ、前記調節部材の前記長さ方向軸は、前記髄内軸と同軸である、外科用器具組立体。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
本発明は、角度調節機構、外科用アライメントガイド、および外科用器具組立体に関する。本発明は、特に、整形外科手術、とりわけ、膝関節手術に適用される。
【0002】
整形外科膝関節手術では、内反または外反(valvus)アライメントを矯正するために、大腿骨頭に切れ目を入れる場合がある。切断ガイドを使用して、この切れ目を正確に位置させる。切断ガイドは、ピンを用いて骨に固定され、大腿骨頭の切除を案内するために安定した表面をもたらす。
【0003】
切断ガイドが大腿骨上に確実に正しく置かれるように、典型的にはアライメントシステムが使用される。髄内ロッドが、大腿骨の髄内管に挿入され、大腿骨の髄内軸に対する安定した基準をもたらす。アライメントガイドが、このロッドの上に配される。アライメントガイドは、大腿骨の髄内軸に対する切れ目の所望の角度を示す目盛り、および角度調節機構を含む。切断ガイドは、アライメントガイドに取り付けられ、大腿骨と接触するまでロッドに沿って進められる。切断ガイドは、アライメントガイドによって所望の角度で整列される。切断ガイドは、その後、適所で固定され得る。
【0004】
WO−A−2009/037471は、このようなアライメントガイドの例を記載している。この器具は、髄内ロッドの長さ方向軸を中心として回転可能である調節部材を含む角度調節機構を含む。調節部材は、凹部またはノッチ間に位置する複数のスロットを画定する端面を有し、調節部材の端部に、胸壁のようなぎざぎざのある外観(castellated appearance)を与える。各スロットは、長さ方向軸に対して異なる角度を定める。選択されたスロットが、旋回部材上に形成されたリブに係合し、これにより、旋回部材を所望の角度まで回転させる。
【0005】
WO−A−2009/037471の機構は、調節部材に利用可能な空間がそのサイズを制限しているので、不都合がある。このサイズは、旋回部材が確実に保持されることを保証するために、調節部材が画定することのできる別々のスロットの数に制限を課す。実際、凹部は、隆起部に堅固に係合するためには最小の幅のものである必要がある。凹部を画定する壁も、それらの変形または破損(failure)を防ぐために、最小のサイズを有する必要がある。スロットの数に対する制限は、調節可能性の範囲を制限する。例えば、WO−A−2009/037471は、角度調節が2°以上の単位である、例えば、異なるスロットが3°、5°、または7°の角度調節を定める、実施形態について論じている。角度調節機構がより細かな角度調節度合いを提供できるアライメントガイドを提供することが、望ましいであろう。
【0006】
したがって、本発明は、調節部材の外側にある面が、旋回部材の凹部内の対応する表面に係合する、角度調節機構を提供する。面を使用することにより、WO−A−2009/037471により教示されるような角度調節部材のスロットを使用して必要とされるような中間壁またはエッジ(それらの壁は、凹部を画定するために必要であるため)を必要とせずに、確実な接続を達成することができる。これにより、より大きな角度調節度合いと、より単純な操作というさらなる利点と、が可能となる。
【0007】
本発明の第1の態様によると、外科用器具のための角度調節機構が提供され、角度調節機構は、長さ方向軸を中心として回転するように構成された調節部材であって、調節部材は、長さ方向軸の周りに配列された、複数対の面を含み、複数対の面はそれぞれ、長さ方向軸に対して角度をなすそれぞれの傾斜軸を定める、調節部材と、長さ方向軸に垂直な旋回軸を中心に旋回するように構成された旋回部材であって、調節部材を受容し、複数対の面のうちの一対に係合する、凹部を含む、旋回部材と、を含む。
【0008】
各対の面は、長さ方向軸の周りで互いに向かい合っていてよい。複数対の面は、長さ方向軸の周り全体、または、長さ方向軸の周りの一部のみに延びてよい。
【0009】
旋回軸は、好ましくは、構造の簡略化のため、長さ方向軸に交差するが、これは必須ではなく、例えばリンク装置を使用することにより、いくつかの実施形態では他の場所に位置してよい。
【0010】
複数対の面はそれぞれ、対応する傾斜軸を定めてよく、この傾斜軸は、長さ方向軸に対して、複数対の面の他のものとは異なる角度であるが、いくつかの実施形態では、適用に応じて、異なる対の面間で、傾斜軸の重複があってもよい。
【0011】
調節部材は、好ましくは、長さ方向軸に沿って並進可能であり、調節部材を凹部と係合解除および係合させることができる。しかしながら、他の構成、例えば、面および/または凹部の一方または両方を弾性材料から製造すること、調節部材を凹部内の本来の位置で回転させるように変形を可能にすること、が可能である。
【0012】
使用中、各対の面により定められたそれぞれの傾斜軸により、旋回部材の角度を、調節部材の回転によって設定することができる。例えば、一実施形態では、面は、各傾斜軸間に規則的な差異(regular difference)を備えてよく、例えば、各対の面は、必要に応じて1°の段(one degree steps)、2°の段(two degree steps)または任意の他の量、すぐ隣の対と異なっていてよい。一実施形態は、奇数対の面を含む。これにより、1つの対が0°のピボットを定めることができ、残りの対は、旋回軸を中心とした同じ範囲の正回転および逆回転(時計回りまたは反時計回り)を定めることができる。
【0013】
本発明による角度調節機構は、先行技術よりも細かな調節度合いをもたらすことができる。これは、面が凹部に係合し、面が調節部材自体の表面によって画定されており、凹部を使用する際に必要とされていた壁が必要でないためである。面を使用することのさらなる利点は、洗浄および組立がより簡単になることである。
【0014】
好ましくは、それぞれの傾斜軸は、長さ方向軸上の同じ所定の点を中心に複数対の面それぞれを回転させることにより、定められる。これは、どの対の面を選択しても、中間リンク装置機構を提供する必要なしに、回転が同じ点を中心としていることを確実にすることにより、構造を単純化する。
【0015】
一実施形態では、旋回軸は、長さ方向軸に交差し、長さ方向軸上の所定の点は、旋回軸が長さ方向軸に交差したところである。これにより、調節部材は、中間リンク装置を必要とせずに、旋回部材の位置を直接変えることができる。
【0016】
複数対の面の各面は、実質的に平坦であってよく、それぞれの傾斜軸の回転軸は、面の平面に平行、かつ長さ方向軸に垂直であってよい。これは、この回転軸が各対の面についてわずかに異なる方向にあり、すべての対の面で同じではないことを意味している。この効果は、どの対の面が選択されたかに応じて、回転軸が所定の点の周りを回転することである。この回転により、選択された対の面が凹部において係合されると、それらの面の回転軸が、旋回軸と整列することが確実となる。
【0017】
好ましくは、複数対の面はそれぞれ、傾斜軸の方向にテーパーを画定している。このテーパーは、面が傾斜軸の方向に、狭まる外形を呈することを意味している。これは、自己中心化効果(self-centering effect)をもたらし、調節部材が確実に凹部内に位置することが保証される。これはまた、必要に応じ調節部材の係合および解放を単純化すると共に、調節部材が凹部内に係合されたときに確実な接続を保証する。
【0018】
好ましくは、テーパー角度は、10°〜30°である。テーパー角度への言及は、各対の面により画定される平面が、2つの平面が交差する点まで延ばされた場合に、それらの平面間に形成される角度を指す。好ましくは、テーパー角度は、それぞれの傾斜軸間の角度調節範囲よりも大きい。これは、角度調節部材のどのような回転があってもテーパーが依然として存在することを確実にするために、好ましい。例えば、±9°の角度調節度合いが必要である場合、調節の合計は18°であり、20°以上のテーパー角度が好ましい。これは、±9°の極端な調節であっても、長さ方向軸に対して両側にわずかなテーパーが依然としてあることを確実にする。
【0019】
一実施形態では、複数対の面はそれぞれ、複数対の面の別のものと隣接している。複数対の面は、長さ方向軸の周りをぐるりと延びている。
【0020】
複数の面のそれぞれの間の各エッジの少なくとも一部が、切り取られるか、またはスカラップ形にされることができる。この切り取り部は、面自体の中に部分的に延びる。切り取り部分は、代わりの対の面を選択するために、角度調節部材のより容易な回転を可能にする。切り取り部なしでは、面間のエッジは、凹部上で引っかかり得る(snag)。切り取り部を含むことは、異なる対の面を選択するために回転を可能にするのに十分なほど一対の面を凹部から係合解除するためには、長さ方向軸に沿った調節部材の、より少量の並進運動が必要であることを意味している。
【0021】
好ましくは、それぞれの傾斜軸は、長さ方向軸上の同じ所定の点を中心として複数対の面それぞれを回転させることにより、定められ、各エッジの切り取り部分は、所定の点から、それぞれの傾斜軸の方向に、同じ距離延びている。よって、長さ方向軸に沿って見ると、切り取り部分は、長さ方向軸に対して、調節部材の両側に異なる長さ延びている。これは、調節部材の回転の改善を可能にするために十分な部分が切り取られることを確実とするが、切り取り部の長さは、凹部と係合するのに利用可能な面の表面積を改善するために最小限とされる。
【0022】
凹部は、複数対の面の1つに係合するための、互いに向かい合った一対の突起を含むことができる。突起の使用は、面との確実な接続をもたらすと共に、必要な場合に角度調節部材のより容易な調節を可能にすることが、分かっている。代替的な実施形態は、突起を使用しなくてもよく、この場合、面は、凹部の側面に直接係合することができる。
【0023】
角度調節機構は、調節部材を旋回部材の凹部内に付勢する弾性部材をさらに含んでよい。これは、調節部材と旋回部材との間の確実な接続を保証するのに役立つ。
【0024】
前述した角度調節機構は、外科用アライメントガイドの一部を形成することができる。外科用アライメントガイドは、旋回部材に取り付けられた切断ガイドと組み合わせられて、外科用器具組立体を形成することができる。切断ガイドは、旋回部材に直接または間接的に取り付けられ得る。切断ガイドが旋回部材に間接的に取り付けられる場合、中間部分が、切断ガイドと旋回部材との間に接続され得る。
【0025】
外科用器具組立体は、髄内軸を定める髄内ロッドをさらに含むことができる。その場合、角度調節機構は、髄内ロッド上に据え付けられ、調節部材の長さ方向軸は、髄内軸と同軸である。
【0026】
本発明の実施形態が、添付図面を参照して、ほんの一例として説明される。
【0027】
図1は、切断ガイドを整列させるための外科用器具システムの構成要素を示す斜視図を描いている。このシステムは、髄内ロッドを含み、髄内ロッドは、長さに沿って形成された長さ方向溝4を有する円筒形部材2を含む。使用中、円筒形セクション2は、大腿骨の髄内管に挿入され、長さ方向溝4は、挿入中に圧力を解放する手段を提供する。
【0028】
アライメントガイド6(図1に部分的に図示)が、貫通穴を含み、この貫通穴に、髄内ロッドの円筒形セクション2が挿入され、アライメントガイド6は、円筒形セクション2に沿って長さ方向に動き、また、円筒形セクションに対して回転することができる。
【0029】
切断ガイド8が、アライメントガイド6とは別に設けられる。切断ガイド8は、骨に作られるべき切れ目を画定する切断スロット10を含む。切断ガイド8はまた、切断ガイド8を骨に固定する取付穴12を含む。切断ガイド8は、その上面の凹部14および取付表面16によってアライメントガイド6に取り付けられる。凹部14は、アライメントガイド6上に形成された取付突出部18に対応する形状を有する。
【0030】
取付突出部18は、第1の直径を有する第1の円筒形部分20と、第1の直径より大きな第2の直径を有する第2の円筒形部分22と、を含む。この実施形態では、第1の直径は、約4mmであり、第2の直径は、約12mmである。他の寸法を他の実施形態で使用することができる。第1および第2の円筒形部分20、22は、共通の軸を共有している。第2の円筒形セクション22に対する第1の円筒形セクションの接合部は、概ね円錐台形の部分(generally frustoconical portion)24である。凹部14は、取付突出部18の第1および第2の円筒形部分20、22に対応する表面を画定する。
【0031】
使用中、取付突出部18が凹部14に挿入されると、第1の円筒形部分20および第2の円筒形部分22は、凹部内の対応する表面に係合し、切断ガイド8は、取付突出部18の長さ方向軸と確実に整列する。凹部内部の対応する表面の寸法は、第1の円筒形部分20および第2の円筒形部分22の寸法に非常に近いが、ごくわずかに大きい。これにより、確固たる接続が確実となるが、取付突出部18を凹部14から取り外すことを困難にする、取付突出部18と凹部14との間の締まりばめの可能性が減少する。
【0032】
切断ガイド8は、アライメントガイド6上のクリップ部材26によってアライメントガイド6の取付突出部18上の適所でさらに固定される。クリップ部材26は、切断ガイド8の取付表面16に係合する。アライメントガイド6上に据え付けられた切断ガイド8の斜視図を、図2で見ることができる。
【0033】
図3は、共に組み立てられたアライメントガイド6、切断ガイド8およびロッドのシステムの平面図を示す。図3はまた、アライメントガイド6上に設けられた2つの調節目盛り28、30を描いている。2つの調節目盛り28、30により、アライメントガイドの部品の相対回転が、外科医により決定されたように設定されることができ、ロッドの円筒形部分2およびアライメントガイド6の貫通穴により定められた髄内軸に対する、取付突出部18の内反−外反回転を変化させる。切断ガイド8は、取付突出部18上に据え付けられるので、その整列は、髄内軸に対して変化する。
【0034】
図4は、接続凹部を通る、組み立てられたシステムの断面図を描いている。この図は、凹部の対応セクションにおける円筒形部分20、22の係合により、切断ガイドがどのようにアライメントガイド上に固定されるかを示したものである。図4により、接続凹部14の内部構造を、さらに明確に理解することもできる。この断面図は、拡大した部分32を示す。拡大した部分32は、第1の円筒形セクションからの短いテーパー状セクション34に続いて、凹部の長さ方向軸に垂直な初期のセクション(initial section)を含む。拡大したセクション32は、長さ方向軸に垂直な最大寸法を有し、これは、第2の円筒形セクションの直径より大きい。これにより、アライメントガイド6を切断ガイド8から分離する間、凹部内部の第1の円筒形セクション20の、より大きな運動範囲がもたらされる。切断ガイド8の第1の円筒形セクション36に隣接した、テーパー状セクション34は、取付突出部18の先端部を、第1の円筒形セクション36内へ案内するのに役立つ。
【0035】
拡大した中心セクション32は、切断ガイドの深さ全体を通って、長さ方向軸に垂直に延びる。これにより、拡大した中心セクションは、クリップ26の取付表面16を提供することもできる。
【0036】
第2の円筒形セクションは、切断スロット10に隣接した切断ガイドの部分に形成される。
【0037】
アライメントガイドからの切断ガイドの分離について説明する。このシステムの利点を示すために、切断ガイドは、アライメントガイドの内反‐外反調節部28が、右側方向に最大値まで調節された状態で、アライメントガイド6と接続されて、図5Aに描かれている。これは、円筒形セクション2の長さ方向軸に対する、取付突出部18および切断ガイド8の長さ方向軸の角度を変化させ、図5Aで明確に見ることができる。先行技術の装置では、この構成は、外科医がアライメントガイドを切断ガイドから分離するのが困難である場合がある。取付突出部の、アライメントガイドとのオフセットに加え、(ロッドの円筒形セクション2により定められる)解剖軸(anatomic axis)と機械軸との間の角度の差は、滑らかに取り外すことを困難にするものである。アライメントガイドは、円筒形セクション2により、機械軸ではなく解剖軸に沿って動かざるを得ない。
【0038】
図5Bに示すように、このシステムでは、例えば1.5mmほどの、比較的小さな動きの後、接続部の第1および第2の円筒形セクションが係合解除される。さらなる短い動きの後、取付突出部の第1の円筒形セクションは、切断ガイドの凹部の拡大したセクション32に入る。この時点で、アライメントガイドの取付突出部18と切断ガイドの凹部14との間には、かなりの運動の自由度がある。図5Dに示すように、円筒形セクションの分離により、図5Eに示すように取付突出部18が切断ガイドから十分離れるまで、複雑な操作を必要とせずに、円筒形セクション2により定められる解剖軸に沿って取付突出部を簡単に取り外すことができる。ロッドの円筒形セクションは、次に、髄内管から引き抜かれてよく、切断ガイドを適所に残す。
【0039】
先行技術のシステムとは異なり、異なる直径を有する第1および第2の円筒形部分を含む、取付突出部18および対応する凹部の段付きの性質(stepped nature)により、はるかに短い距離にわたって取付突出部の分離を達成することが可能となる。これにより、部品間に大きな運動の自由度が与えられ、切断ガイドが適所に来た後でアライメントガイドを切断ガイドから分離するのが単純になる。これにより、切断ガイドを分離するのに使用する技術の選択における自由がより多くユーザーに与えられ、また、場合によっては片手での取り外しが可能となる。
【0040】
このシステムは、髄内ロッド40と共に使用され、髄内ロッド40は、図6に全体が示されている。髄内ロッド40は、ハンドル42と、(前述したように)溝4が形成された円筒形セクション2と、ハンドル42から最も遠い、円筒形セクション2の遠位端部における丸い端部44と、を含む。ハンドル42に近接した、円筒形セクション2の近位端部に、突出部46が設けられ、突出部46は、円筒形セクション2の周りを周方向に延びる。突出部46の近位において、第2の突出部48が、円筒形セクション2により定められる長さ方向軸の周りに形成される。以下でさらに詳細に説明するように、突出部46および突出部48は、ロッド40が髄内管に挿入されるか、または髄内管から取り出される間に、アライメントガイドを髄内ロッド40上の所定の位置に保持するための抑制システムの一部を形成する。
【0041】
突出部46は、ハンドル42の近位端部から約65mmである。この距離、およびロッド40の長さは、抑制システムと係合されたときにアライメントガイド6を越えて延びるのに必要とされるロッド40の長さに応じて、変えることができる。例えば、ロッド40は、最大で300mm延びてよい。使用中、ロッド40は、その長さ全体まで髄内管に挿入されることはできない。挿入の深さは、例えば先の股関節置換処置により管内に既に存在する股関節ステム(hip stem)によって、制限され得る。これを可能にするため、アライメントガイド6は、抑制システムから解放され、ロッド42に沿って動かされて、骨表面に係合することができる。
【0042】
図7は、アライメントガイド6が取り付けられた髄内ロッド40の近位端部の斜視図を描いている。アライメントガイド6が髄内ロッド40に取り付けられる様子を示す断面図が図8にある。図8は、アライメントガイド6が、髄内ロッド40の円筒形セクション2を受容する貫通穴50をどのようにして含むかを描いている。図8に描かれたように、アライメントガイド6は、ロッドに対して長さ方向軸に沿って自由に動き、また、その軸に対して回転されることができる。髄内ロッドの髄内管に対する挿入および取り外しの間、アライメントガイドの自由な運動は、2つの手が必要であることを意味することができ、これらの手のうち一方の手は、ロッドを挿入し、もう一方の手は、アライメントガイドが挿入中にロッドに対して動かないことを確実にするものである。
【0043】
アライメントガイドをロッドに対して固定するため、図9は、ロッドに沿ったアライメントガイドの長さ方向運動を防ぎ、また、ロッドに対するアライメントガイドの回転を防ぐために、突出部46、48がアライメントガイドの対応する特徴部にどのように係合するかを示すものである。髄内ロッド上のリング型突出部46は、弾性材料から形成される。これは、アライメントガイド6の貫通穴50の対応する溝52に係合する。突出部46の弾性的な特徴は、突出部46が、溝52内へと拡張する前に小さな力で圧縮され得ることを意味している。これは、アライメントガイド6をロッド40上にしっかりと保持し、相対的な長さ方向運動を妨げる。
【0044】
いくつかの実施形態では、突出部46は、高い摩擦係数の材料で作られてよく、突出部46は、長さ方向軸を中心としたアライメントガイドの回転、ならびに長さ方向運動も防ぐことができる。しかしながら、第2の突出部48は、回転を妨げるために設けられることもできる。図9の断面図からは明らかでないが、突出部48は、長さ方向軸上に中心を置く、多角形の形状を有する。突出部48は、アライメントガイドに形成された対応する凹部54に係合する。図10は、突出部48と凹部54との間の係合を、さらに明確に示している。突出部48は、長さ方向軸上に中心のある、概ね八角形の形状を有する。併せて、突出部48と凹部54との係合により、第1の突出部48が溝52と係合した際にロッド40に対するアライメントガイド6の回転が妨げられる。
【0045】
よって、ロッドとアライメントガイドとの間の接続は、髄内ロッドの挿入または取り外し中に、確実にされることができる。アライメントガイド6を使用して切断ガイド8を正しい位置に置くことが望ましい場合、アライメントガイド6は、長さ方向に遠位方向へと動かされて、突出部48をチャネル54から係合解除し、また、突出部46を溝52から係合解除する。アライメントガイド6は、その後、円筒形セクション2の長さ方向軸の周りで自由に並進および回転することができる。
【0046】
図11は、角度調節に対する細かな制御度合い(fine degree of control)を可能にする、アライメントガイド100の斜視図を描いたものである。図11に示すように、アライメントガイドは、調節部材102と、旋回部材104と、を含む。調節部材は、長さ方向軸を定める長さ方向シャフト106上に配される。長さ方向シャフト106は中空であり、アライメントガイドが髄内ロッド(不図示)上に据え付けられることを可能にする。旋回部材104は、旋回部材104に画定された開口部にピン108、110を通し、シャフト106の端部に形成された対応する開口部112、114に係合させることによって、シャフト106に旋回可能に取り付けられる。
【0047】
インジケーター部材116が、旋回可能に接続するよう、シャフトの他端部に設けられる。インジケーター部材は、ポインタ118を含み、ポインタは、調節部材102により加えられる角度調節の度合いの視覚的な印に重なるように、調節部材102の端部上に延びる。
【0048】
調節部材102は、インジケーター部材116の端部と、旋回点112、114との間の距離より短い。これにより、調節部材102は、長さ方向軸122に沿って前後に並進することができる。この実施形態では螺旋ばねである、弾性部材120が、シャフト106周辺に配される。これは、加えられる力がない場合に調節部材102を旋回点112、114に向けて押す力を与える。
【0049】
組み立てられたアライメントガイド100が図12において断面図に示されている。これにより、さまざまな構成要素の、長さ方向軸122に対する関係を明確に見ることができる。図13は、シャフト106と、弾性部材120と、調節部材102との間の構造を示す、分解組立図を描いている。
【0050】
調節部材102は、複数対の面134を含む端部分を含む。各対の面134は、別の対の面134とつながっている。各対の面間のエッジの前端部は、切り取り部分(cut away portion)138を含む。面134および切り取り部分138の構成は、以下でさらに詳細に説明する。
【0051】
旋回部材104は、調節部材の端部分を受容する凹部128を含む。凹部128は、突起130を含む。突起130は、調節部材102の端部分が凹部に位置すると、一対の面134に係合するように位置付けられる。加えられる力がない場合には、弾性部材120により与えられる力により、一対の面134が凹部128の突起130と係合されることが確実となる。凹部128および突起130の構成は、図11に示すのとは反対の方向から見た旋回部材の斜視図である、図17において、より明確に見ることができる。
【0052】
使用中、調節部材102の一対の面134と、凹部128の突起130との間の相互作用は、ピン108、110により定められる軸を中心に旋回部材を回転させるように作用する。この旋回は、調節部材102上に設けられる面134の特定の配列により達成される。これらの面の配列を、図14図15図16A図16Cを参照して説明する。
【0053】
図14は、調節部材102の斜視図を描いている。この図は、調節部材がどのようにして一端部に複数の面134を含むかを示す。面134は、長さ方向軸の周りに、互いに向かい合う対になって配列される。各対の面134の構成は、面が長さ方向軸に対して角度をなす軸を定めるように、選択される。図15は、調節部材102の端面図を描いている。この図は、どのようにして、面が、長さ方向軸122の周りに規則的な角度間隔で均等に離間しているのかを示している。この実施形態では、19対の面がそれぞれ、0°および±9°の角度を定めている。
【0054】
図16Aは、図15の線A−Aに沿った断面図を示す。この対の面134Aは、長さ方向軸122と一致する軸、または、0°の角度の軸を定めている。この実施例では、すべての対の面134が20°のテーパーを定めている。よって、面134Aは双方、長さ方向軸から10°オフセットして、20°のテーパーを定めている。この角度調節は、図16Aの矢印136Aにより示される。
【0055】
前述のとおり、凹部から係合解除されたときに調節部材102の回転を促進するため、切り取り部(cut outs)138が端部に設けられる。図16Aに描かれる切り取り部138Aは、調節部材102の端部から約5.5mm延びている。これは、参照符号140Aにより示されている。切り取り部直前の調節部材の幅は、約25mmであり、参照符号142Aで示されている。寸法144Aは、約24mmであり、テーパーを示し、寸法136Aは、約3mmである。他の寸法を、特定の要件に応じて他の実施形態で使用することができる。
【0056】
0°の角度、すなわち長さ方向軸と一致する軸について、図16Aは、一対の面134Aにおける断面図の端部分の構成が、対称的であることを示している。よって、この一対の面134Aが突起130に係合すると、凹部は、回転して、長さ方向軸と整列する。
【0057】
図16Bは、図15の線B−Bに沿った断面図を描いている。この位置では、一対の面134Bは、共に、長さ方向軸122に対して、傾斜軸148Bを定めている。角度寸法150Bにより示されるように、傾斜軸148Bは、長さ方向軸122から4°オフセットしている。傾斜軸148Bは、点152を中心に回転させられている面134Bにより定められる。点152は、距離154で示すように、調節部材102の上部から約5.5mmのところで、長さ方向軸122上に位置する。面134Bのテーパーは、面134Aの20°と同じである。しかしながら、このテーパーは、傾斜軸148Bに対して定められる。これは、面134Bが突起130に係合すると、旋回部材は、テーパーの自己中心化特性(self-centering nature)により、4°にわたって旋回することを意味する。点152は、ピン108、110の軸と一致するように選択される。
【0058】
面134Bが旋回部材と係合されると、旋回部材は、傾斜軸148Bに沿った面134Bの回転と一致して、長さ方向軸に対して回転する。よって、切り取り部138Bは、調節部材102の両側に別々の距離延びて、面134Bが突起130により係合された際に旋回部材から同じ距離となることを確実にする。寸法156は、旋回点152から約11mmである。この11mmの距離は、傾斜軸148Bの方向において測定される。よって、切り取り部138Bは、切り取り部138B’より短い。寸法142B、144B、146Bは、すべての実施形態との一貫性を保つために、寸法142A、144A、146Aに対応する。
【0059】
説明のさらなる助けとなるよう、図16Cは、図15の線CCに沿った、調節部材102の断面図を描いている。この図は、図16Cの角度150Cで示されるように、9°の調節に対応する。傾斜軸148Cの傾斜(angling)が、この断面図ではさらに顕著である。これは、図の右側における切り取り部138Cの距離が、左側における切り取り部138C’よりもやはり短いことを意味する。切り取り部の長さは、旋回点152から約11mm、線を投影し、傾斜軸148Cの方向に切り取り部138C、138C’を距離156(この実施形態では約11mm)延ばすことにより、決定される。残りの寸法142C、144C、146Cは、142A、144B、146Cと同じである。
【0060】
図16Cは、面134Cがどのようにして長さ方向軸122に対して依然としてテーパー状となっているのかを表す。これは、軸148Cの9°の相対角度で、図16Cの左側に描かれた1°のテーパーが残っていることを、20°のテーパー角度が意味しているためである。これにより、テーパーが長さ方向軸に対して保たれることが確実になる(しかし、長さ方向軸122に対して対称ではない)。
【0061】
使用中、旋回部材の角度は、弾性部材120の付勢力に対抗して調節部材102を近位に引っ張ることにより、調節される。これにより、旋回部材104の突起から面が係合解除される。その後、調節部材は、インジケーター118が所望の角度の角度調節を指すまで、回転する。これは、調節部材102上のマークまたは印160により示される。調節部材は、その後、解放されてよく、弾性部材120の作用により、調節部材の端部が、旋回部材の凹部128内に押し込まれる。インジケーター118に示されるような、所望の角度調節に対応する一対の面134は、突起130に係合する。テーパーにより、旋回部材が面上に中心を置き、かつ確実に位置することが保証される。この一対の面により定められる軸の角度によって、旋回部材は、突起との面の係合によって、所望の角度まで回される。
【0062】
この実施形態では、切断ガイドが、中間並進組立体162により旋回部材104に取り付けられる。並進組立体162は、取付部材164を含み、取付部材164は、段付き接続部166と、切断ガイド(不図示)および並進調節機構170を取り付けるためのクリップ168と、を含む。並進調節機構170は、調節ダイヤル172を含み、調節ダイヤル172は、シャフト174が並進調節ガイド170内の対応する凹部に挿入される程度を調節することによって、アライメントガイドに対する切断ガイドの並進を調節する(この組立体の部品は、明瞭化のため、図18において、分解形態で図示される)。
【0063】
図11図18に描かれた構成は、図1図10図19に描かれる構成と、外見のいくつかの軽微な態様が異なっていることが、理解されるであろう。図11図18に関連して述べられた角度調節の特徴および調節部材の特徴は、図1図10図19に適用され得る。
【0064】
寸法が記載されている場合、それらの寸法は、例に過ぎず、限定的なものではない。代替的な寸法を、他の実施形態で使用することができる。
【0065】
図19は、アライメントガイドが切断ガイドを大腿骨と係合させるようにロッドに沿って進められる前の、大腿骨に挿入された、使用中のアライメントガイド、ロッド、ハンドル、および切断ガイドのシステムを描く。
【0066】
切断ガイドとアライメントガイドとの間の改善された接続は、膝関節手術以外の適用で使用されてよく、例えば、アライメントの軸が案内軸と同じではない任意の状況に適用可能である。段付きの原理(stepped principle)は、短い長さ方向運動による分離が必要とされる任意のシステムに適用されてもよい。アライメントガイドとロッドとの間の接続は、アライメントガイドが前述したような膝関節手術のため切断ガイドを据え付けるのに使用される場合だけでなく、アライメントガイドがロッドと共に使用される任意の状況で、使用され得る。改善された角度調節機構が、膝関節手術に使用されるためだけでなく、角度調節を必要とする任意の外科用器具と共に使用されてよい。
【0067】
アライメントガイド、切断ガイドおよびロッドを含むシステムについて説明してきたが、切断ガイドおよびアライメントガイドを接続するための段付きの取付突出部は、ロッドを含まないシステムにも使用され得る。同様に、アライメントガイドとロッドとの間の抑制システムは、切断ガイドを含まないシステムに使用され得る。段付きの取付システムおよび抑制システムは、前述した面のあるガイド以外のアライメントガイドと共に使用されてよく、例えば、WO−A−2009/037471で論じられた機構と共に使用されてもよい。
【0068】
前述したシステムの要素は、医療グレードの材料から構築される。例えば、ロッドは、医療グレードの金属から製造されてよく、その他の構成要素は、医療グレードのプラスチックまたは金属から製造されてよい。
【0069】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具のための角度調節機構において、
長さ方向軸を中心として回転するように構成された調節部材であって、前記調節部材は、前記長さ方向軸の周りに配列された複数対の面を含み、前記複数対の面はそれぞれ、前記長さ方向軸に対して角度をなす、それぞれの傾斜軸を定める、調節部材と、
前記長さ方向軸に垂直な旋回軸を中心として旋回するように構成された旋回部材であって、前記調節部材を受容し、前記複数対の面のうちの一対に係合する凹部を含む、旋回部材と、
を含む、角度調節機構。
(2) 実施態様1に記載の角度調節機構において、
それぞれの傾斜軸は、前記長さ方向軸上の同じ所定の点を中心として、前記複数対の面をそれぞれ回転させることにより定められる、角度調節機構。
(3) 実施態様2に記載の角度調節機構において、
前記旋回軸は、前記長さ方向軸と交差し、前記長さ方向軸上の前記所定の点は、前記旋回軸が前記長さ方向軸と交差するところである、角度調節機構。
(4) 実施態様2または3に記載の角度調節機構において、
前記複数対の面の各面は、実質的に平坦であり、それぞれの傾斜軸の回転軸は、前記面の平面に平行、かつ前記長さ方向軸に垂直である、角度調節機構。
(5) 実施態様1〜4のいずれかに記載の角度調節機構において、
前記複数対の面はそれぞれ、前記傾斜軸の方向にテーパーを画定する、角度調節機構。
【0070】
(6) 実施態様1〜5のいずれかに記載の角度調節機構において、
前記複数対の面はそれぞれ、前記複数対の面のうちの別のものとつながっている、角度調節機構。
(7) 実施態様6に記載の角度調節機構において、
前記複数対の面のそれぞれの間の各エッジの少なくとも一部が、切り取られている、角度調節機構。
(8) 実施態様7に記載の角度調節機構において、
それぞれの傾斜軸は、前記長さ方向軸上の同じ所定の点を中心として前記複数対の面をそれぞれ回転させることにより定められ、各エッジの切り取り部分は、前記それぞれの傾斜軸の方向に、前記所定の点から同じ距離延びている、角度調節機構。
(9) 実施態様1〜8のいずれかに記載の角度調節機構において、
前記凹部は、前記複数対の面のうちの1つに係合する、互いに向かい合った一対の突起を含む、角度調節機構。
(10) 実施態様1〜9のいずれかに記載の角度調節機構において、
前記旋回部材の前記凹部内に前記調節部材を付勢する弾性部材をさらに含む、角度調節機構。
【0071】
(11) 外科用アライメントガイドにおいて、
実施態様1〜10のいずれかに記載の角度調節機構を含む、外科用アライメントガイド。
(12) 外科用器具組立体において、
実施態様11に記載の外科用アライメントガイドと、
前記旋回部材に取り付けられた切断ガイドと、
を含む、外科用器具組立体。
(13) 実施態様12に記載の外科用器具組立体において、
髄内軸を定める髄内ロッドをさらに含み、
前記角度調節機構は、前記髄内ロッド上に据え付けられ、前記調節部材の前記長さ方向軸は、前記髄内軸と同軸である、外科用器具組立体。
【図面の簡単な説明】
【0072】
図1】切断ガイドをアライメントガイドに接続する前の、アライメントガイド、切断ガイド、および髄内ロッドの斜視図を示す。
図2】切断ガイドがアライメントガイドに接続された後の、図1に示すアライメントガイド、切断ガイド、および髄内ロッドの斜視図を示す。
図3図2のアライメントガイド、切断ガイド、およびロッドのシステムの平面図を示す。
図4】アライメントガイドが切断ガイドに接続された際の、取付突出部および対応する凹部を通る断面図を示す。
図5A】切断ガイドからのアライメントガイドの分離を示す、アライメントガイドおよび切断ガイドを通る断面図を示す。
図5B】切断ガイドからのアライメントガイドの分離を示す、アライメントガイドおよび切断ガイドを通る断面図を示す。
図5C】切断ガイドからのアライメントガイドの分離を示す、アライメントガイドおよび切断ガイドを通る断面図を示す。
図5D】切断ガイドからのアライメントガイドの分離を示す、アライメントガイドおよび切断ガイドを通る断面図を示す。
図5E】切断ガイドからのアライメントガイドの分離を示す、アライメントガイドおよび切断ガイドを通る断面図を示す。
図6】システムの切断ガイドおよびアライメントガイドと共に使用される髄内ロッドを示す。
図7図6の髄内ロッド上に据え付けられたアライメントガイドの斜視図を示す。
図8】アライメントガイドが髄内ロッド上に固定される前の、髄内ロッドおよびアライメントガイドを通る断面図を示す。
図9】アライメントガイドが髄内ロッド上に固定された後の、髄内ロッドおよびアライメントガイドを通る断面図を示す。
図10】アライメントガイドと髄内ロッドとの間の回転制限接続を示す断面図を示す。
図11】代替的なアライメントガイドの斜視図を示す。
図12図11のアライメントガイドの断面図を示す。
図13図11のアライメントガイドの選択された構成要素の分解組立図を示す
図14図13のアライメントガイドの調節部材の斜視図を示す。
図15図14の調節部材の端面図を示す。
図16A図14の調節部材を通る断面図を示す。
図16B図14の調節部材を通る断面図を示す。
図16C図14の調節部材を通る断面図を示す。
図17図13のアライメントガイドの旋回部材の斜視図を示す。
図18図16のアライメントガイドと共に使用される切断ガイド取付部品の分解組立図を示す。
図19】アライメントガイド、切断ガイド、および髄内ロッドの斜視図を示し、髄内ロッドが大腿骨の髄内管に挿入されている。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図17
図18
図19