特許第5960318号(P5960318)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5960318
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】カッティング装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 3/26 20060101AFI20160719BHJP
   B26D 5/28 20060101ALI20160719BHJP
   A23N 4/22 20060101ALN20160719BHJP
【FI】
   B26D3/26 605D
   B26D3/26 605A
   B26D3/26 605G
   B26D5/28
   !A23N4/22
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-90185(P2015-90185)
(22)【出願日】2015年4月27日
【審査請求日】2015年4月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】509112844
【氏名又は名称】日本クッカリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】井内 英伸
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 栄一
【審査官】 細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−018779(JP,A)
【文献】 実開昭57−034393(JP,U)
【文献】 特開平11−277490(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/69161(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 3/26
B26D 5/28
A23N 4/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を切断する複数の切断刃が放射状に配置された切断部材と、
前記切断部材の下方において食品を支持する支持台であって、前記切断刃が進入、および、退避することを可能にした溝を有する支持台と、
前記溝に前記切断刃が進入するように前記支持台を前記切断部材に対して上昇させ、かつ、前記溝から前記切断刃が後退するように前記支持台を前記切断部材に対して下降させる昇降機構と
内部に前記支持台が配置されるカバーと、
前記カバー内に対象物が進入したことを検出する検出部と、
前記検出部が前記カバー内に前記対象物が進入したことを検出したとき、前記昇降機構の動作を停止させる制御部とを備え、
前記切断部材において各切断刃が交わる部位には、前記支持台に向けて位置決め突起が突設されている
カッティング装置。
【請求項2】
前記切断部材と前記支持台とが切断ユニットを構成し、
前記カッティング装置が、並設された2つの前記切断ユニットを備える
請求項1に記載のカッティング装置。
【請求項3】
前記2つの切断ユニットは、単一の昇降機構によって昇降される
請求項2に記載のカッティング装置。
【請求項4】
前記昇降機構を駆動させる駆動源をさらに備え
前記制御部は、前記切断部材の上昇する速度が一定値になるように前記駆動源の出力を制御する
請求項1〜3の何れか1項に記載のカッティング装置。
【請求項5】
対象物が近接したことを非接触で検知する非接触センサをさらに備え
前記制御部は、前記対象物の近接を前記非接触センサが検知したときに、前記切断部材の上昇を前記昇降機構に開始させる
請求項1〜3の何れか1項に記載のカッティング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品を切断するカッティング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トマトやレモンといった球状食品では、切断された各片がくし型となるようにくし切りされることが多い。このくし切りは、包丁を使用して球状食品を、放射状に切断する他に、特許文献1に示すようなカッティング装置で行われることが知られている。このカッティング装置は、放射状の切断刃を有した切断部材を備え、手動で、切断刃を、球状食品に対して一度に進入させることによって、球状食品をくし型に切断することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−169563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
球状食品であるトマトやレモンなどは、球状食品の大きさや外観形状が個体毎にほぼ揃っているとはいっても、表面形状の詳細までが全く同じではなく、へたの位置や小さな凹凸の形状や位置等は個体毎に少なからず異なる。そして、球状食品の切断に際しては、球状食品において切断刃が通る位置と、へたの位置や小さな凹凸の形状や位置等との関係も球状食品の個体毎に異なる。結果として、球状食品の切断に際しては、本来ならば静置されるべき球状食品の位置が、切断刃の進む方向と交差する方向へずれ、くし切りされた各片の大きさや形状などの切断結果のばらつきが、球状食品の個体間において異なってしまう。
【0005】
なお、このような課題は、球状食品だけでなく、様々な形状の食品を切断するときにも同様な問題が生じる。一般に、野菜や果物といった食品は、重さや外観形状が揃えられたものが出荷されるといっても、若干の大きさや表面形状の詳細が食品毎に異なっているからである。また、加工食品を切断する場合も、若干の大きさや形状の違いがあるからである。
【0006】
本発明は、食品の個体間における切断結果のばらつきを抑えることを可能にしたカッティング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上のような課題を解決するカッティング装置は、食品を切断する複数の切断刃が放射状に配置された切断部材と、前記切断部材の下方において食品を支持する支持台であって、前記切断刃が進入、および、退避することを可能にした溝を有する支持台と、前記溝に前記切断刃が進入するように前記支持台を前記切断部材に対して上昇させ、かつ、前記溝から前記切断刃が後退するように前記支持台を前記切断部材に対して下降させる昇降機構とを備える。前記切断部材において各切断刃が交わる部位には、前記支持台に向けて位置決め突起が突設されている。
上記カッティング装置において、内部に前記支持台が配置されるカバーと、前記カバー内に対象物が進入したことを検出する検出部と、前記検出部が前記カバー内に前記対象物が進入したことを検出したとき、前記昇降機構の動作を停止させる制御部とをさらに備える。
【0008】
上記構成によれば、食品を、位置決めされた状態で、切断部材によってくし切りをすることができる。食品は、切断刃での切断前に位置決め突起が刺入されることによって位置決めされる。これにより、食品の個体間における切断結果のばらつきを抑えることができる。また、カバー内に対象物が進入したことを検出したときに、昇降機構の動作を停止させ、安全に作業を行うことができる。
【0009】
上記カッティング装置において、さらに、前記切断部材と前記支持台とが切断ユニットを構成し、前記カッティング装置が、並設された2つの前記切断ユニットを備えていてもよい。
上記構成によれば、1つのカッティング装置が2つの食品を別々に切断することが可能であるため、1つのカッティング装置における処理の効率を高めることが可能である。
【0010】
上記カッティング装置において、前記2つの切断ユニットは、単一の昇降機構によって昇降されるようにしてもよい。
上記構成によれば、切断ユニット毎に昇降機構を設けた場合と比べて、構成を簡素化することが可能である。また、2つの食品に対する切断が1つのカッティング装置においてほぼ同時に行われるため、カッティング装置に対する食品の載置や取り出しに関わる利便性を高めることが可能である。
【0011】
上記カッティング装置において、前記昇降機構を駆動させる駆動源をさらに備え前記制御部は、前記切断部材の上昇する速度が一定値になるように前記駆動源の出力を制御すようにしてもよい。
上記構成によれば、食品の種類に応じて、最適な速度で食品を切断することができる。
【0012】
上記カッティング装置において、対象物が近接したことを非接触で検知する非接触センサをさらに備え、前記制御部は、前記対象物の近接を前記非接触センサが検知したときに、前記切断部材の上昇を前記昇降機構に開始させようにしてもよい。
上記構成によれば、接触型のスイッチを用いて支持台の昇降動作を行う場合より、衛生的に切断作業を開始することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、食品の個体間における切断結果のばらつきを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】球状食品を支持台に載置した状態を示すカッティング装置の斜視図である。
図2】切断ユニットを構成する支持台と切断部材とが離間した状態を示す側面図である。
図3】切断刃の溝と位置決め突起の進入する挿通部が形成された支持台の平面図である。
図4】切断ユニットを構成する支持台に支持された球状食品に切断部材の位置決め突起が刺入された状態を示す側面図である。
図5】支持台が上昇し、切断ユニットによって球状食品がくし切りされた状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図1図5を参照して、食品のカッティング装置の実施の形態を説明する。
図1に示すように、カッティング装置10は、トマトやレモンといった球状食品1を8等分にくし切りする装置であって、フレーム11内に、球状食品1を切断する切断部材12と、球状食品1を支持する支持台13とを備えている。1つの切断部材12と1つの支持台13とは、1つの組となって、切断ユニット14を構成している。このカッティング装置10では、切断ユニット14が互いに離間して2つ並設されている。2つの切断ユニット14の間の間隔は、作業者がそれぞれの手でそれぞれの切断ユニット14に対して球状食品1を支持台13に載置したり、取り出したりするにあたって、作業性の良い間隔に設定されている。例えば、2つの切断部材12の支持台13の昇降方向と平行であって切断部材12の頂点部を通る中心軸線の間の間隔が200〜300mm、好ましくは250mm程度の間隔に設定されている。2つの切断ユニット14は、矩形板形状を有する昇降ベース15に設置されており、昇降ベース15と接続された単一の昇降機構16によって直線的に昇降される。
【0017】
切断部材12は、図1及び図2に示すように、8本の切断刃21を有し、各切断刃21は、一端部において互いに接続され、互いに隣り合う切断刃21がなす中心角が同じになるように形成され、全体が円錐形状に形成されている。各切断刃21は、支持台13側の縁部に刃部が形成されている。8本の切断刃21が交わる頂点部には、位置決め突起25が支持台13に向けて突設されている。位置決め突起25は、針状に形成されている。位置決め突起25は、支持台13に支持された球状食品1を切断刃21で切断する前に、球状食品1のほぼ中心部に刺入され、球状食品1を位置決めする。
【0018】
以上のような切断部材12は、筒状のアダプタ26に取り付けられる。アダプタ26は、基端側が拡径するように形成されている。このアダプタ26には、複数種類の大きさの切断部材12を選択的に取り付け、切断対象となる球状食品1の種類に応じて切断部材12を交換することができる。アダプタ26には、その内側に、切断部材12が挿入され、拡径した基端側において、切断部材12がねじ等によって固定される。切断部材12が取り付けられたアダプタ26は、更に、フレーム11に取り付けられているカバー24の天板24aに固定される。アダプタ26は、切断部材12を囲むことで、切断された球状食品1が落下しないようにしている。また、アダプタ26の先端は、固定された切断部材12の頂点の高さとほぼ同じ、すなわち頂点がアダプタの先端より若干高いか、若干低いか、もしくは、同じ高さとされ、作業者の手が切断部材12に触れにくくしている。なお、カバー24には、作業者側の面に作業用の開口部24bが形成されており、開口部24bからは、作業者が手で支持台13に球状食品1を載置する作業が行われる。
【0019】
また、図2及び図3に示すように、支持台13は、球状食品1を支持する支持凹部31を有する。支持凹部31は、切断する球状食品1の大きさや形状に合わせて半球形状に形成されている。支持凹部31は、8個の支持片32によって構成されており、各支持片32は、円弧面を有した扇形状に形成されている。各支持片32には、支持脚33が連続して形成されている。各支持片32は、支持脚33が環状の固定部材36に固定される。各支持片32及び支持脚33との間は、切断刃21が進入し支持凹部31上から退避する溝34が設けられている。溝34が交わる中心部には、位置決め突起25が進入する挿通部35が貫通して形成されている。
【0020】
以上のように構成される支持台13は、昇降ベース15に互いに離間して2つ固定される。一方の切断ユニット14に対応した支持台13は、一方の切断ユニット14の直下において昇降ベース15に固定され、他方の切断ユニット14に対応した支持台13は、他方の切断ユニット14の直下において昇降ベース15に固定されている。
【0021】
昇降ベース15には、昇降機構16が接続されており、昇降機構16は、支持台13を切断ユニット14に対して近接離間させる。昇降機構16は、駆動源である例えば電磁シリンダによって構成されており、電磁シリンダを構成する油圧シリンダ又は空気圧シリンダによって、昇降ベース15を速度が一定値になるように上昇させる。また、電磁シリンダは、切断する球状食品1の硬さ等に応じてトルクが可変する。同じ球状食品1であっても、トマトとレモンでは硬さが大きく異なり、同じトルクでは、切断することができないからである。
【0022】
以上のような昇降機構16は、コントローラ17によって駆動が制御される。コントローラ17は、操作部18と接続されている。操作部18では、例えば、主電源のオンオフの他に、切断する球状食品の種類に応じて電磁シリンダのトルクや上昇速度を設定することができ、コントローラ17は、操作部18から入力された操作信号に応じて、電磁シリンダのトルクや速度を制御する。具体的に、コントローラ17は、昇降ベース15を速度が一定値になるように駆動源の出力を制御する。
【0023】
また、コントローラ17は、電磁シリンダの昇降動作を開始させる操作部となる非接触センサ19と接続されている。非接触センサ19は、例えばファイバセンサであり、2つの切断ユニット14の近傍にそれぞれ設けられている。各非接触センサ19は、作業者が対象物である手をかざしたこと検出すると、検出信号を発生し、検出信号をコントローラ17に入力する。これにより、コントローラ17は、電磁シリンダを駆動し、昇降ベース15の上昇を開始させる。具体的に、コントローラ17は、2つの非接触センサ19のそれぞれから検出信号が入力されたとき、電磁シリンダを駆動し、昇降ベース15の上昇を開始させる。また、コントローラ17は、各非接触センサ19の誤検出を防止するため、所定期間、例えば0.8秒以上検出信号が入力されたときに、昇降ベース15の上昇を開始させる。0.8秒より短い時間対象物を検出しても、応答しないようにすることで、作業者の意に反した誤動作を抑制する。また、所定期間、例えば3秒以上検出信号が入力され続けると、ブザー等の警告音を放音する。これにより、非接触センサ19に対象物が誤って被さっている等の異常な状態を作業者に知らせることができる。なお、警告の方法は、警告灯を点灯させてもよいし、モニタに警告表示をするようにしてもよい。
【0024】
更に、カバー24には、カバー24内に、作業者の手等の対象物が進入したことを検出する検出部20が接続されている。検出部20は、検出光を発光し反射した検出光を検出するセンサ本体20aと、センサ本体20aから発光された検出光を反射する反射部材20bとを備えている。センサ本体20aは、カバー24の操作用の開口部24bにおいて、2つの切断ユニット14の並び方向の一方の側にセンサ本体20aが配置され、反射部材20bは、2つの切断ユニット14の並び方向の他方の側であってセンサ本体20aと対向する位置に配置される。センサ本体20aは、作業者の手等の対象物が開口部24bよりカバー24内に進入し検出光が遮断されると、検出光の遮断を検出し、検出信号を発生しコントローラ17に出力する。コントローラ17は、電磁シリンダが駆動している最中に、検出信号が入力されると、直ちに、電磁シリンダの動作を停止する。
【0025】
次に、以上のように構成されたカッティング装置10の作用について説明する。
図1に示すように、球状食品1を支持台13に載置する作業を行うときには、支持台13が降下した初期位置に位置しており、切断部材12と支持台13との間が離間している。そして、支持凹部31には、作業者によってほぼ同時に、球状食品1が載置される。支持凹部31は、半球形状に形成されているので、球状食品1を安定して支持することができる。支持凹部31に球状食品1が載置されると、次いで、非接触センサ19に作業者の手がかざされることによって、昇降機構16がオンとなり、昇降ベース15の上昇を開始する。昇降機構は、一定速度で、支持台13を上昇させる。すると、図4に示すように、支持凹部31に載置された球状食品1には、ほぼ中央部に、切断部材12の位置決め突起25が刺入され、支持凹部31内で位置決めがされる。次いで、図5に示すように、位置決めされた球状食品1は、切断刃21によって切断が開始される。切断刃21が球状食品1内に進入して行くに連れて、切断刃21は、支持台13の溝34に逃げ、位置決め突起25は、挿通部35に進入して逃げる。これにより、切断刃21は、球状食品1を貫通する。そして、支持台13は、切断部材12の上側で停止する。この状態で、作業者は、支持凹部31よりくし切りされた球状食品1を取り出す。この際、支持台13は、作業者が無理な姿勢にならずに、取り出し作業を行うことができる高さが好ましい。例えば、支持凹部31の高さは、例えば1000〜1200mmであり、好ましくは1100mm程度である。この後、支持台13は、切断部材12と離間した初期位置まで降下する。
【0026】
以上のようなカッティング装置10によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)カッティング装置10は、昇降機構16によって昇降され自動化されているので、手作業で球状食品1を切断する場合と比べて、球状食品1の切断作業の作業効率を向上させることができる。
(2)切断部材12で切断するにあたって、切断部材12は、切断刃21で球状食品1を切断する前に位置決め突起25で球状食品1を位置決めする。これにより、球状食品1は、位置決めされた安定した状態でくし切りされ、均等な大きさにくし切りされ、また、切断箇所で、切断刃21の荷重が集中して球状食品1が潰れてしまうことが抑制される。
(3)切断部材12と支持台13で構成される切断ユニット14が2つ設けられていることで、1つのカッティング装置10が2つの球状食品1を別々に切断することが可能である。このため、1つのカッティング装置10における処理の効率を高めることが可能である。作業者は、片手又は両手を使って、それぞれの支持凹部31に球状食品1を載置する作業をほぼ同時に行うことができる。また、両手を使って切断された球状食品1を2つの支持凹部31からほぼ同時に取り出すことができる。
(4)2つの切断ユニット14の間隔は、作業性の良い間隔に設定されているので、作業者の無駄な動作を省くことができる。
(5)2つの切断ユニット14は、単一の昇降機構16によって昇降されるので、それぞれの切断ユニット14に昇降機構を設けた場合と比べて、構成を簡素化することができる。
(6)昇降機構16は、球状食品の1の種類に応じて、例えばトマトであるかレモンであるかに応じて、最適な速度とトルクで切断することができる。アダプタ26に、切断対象に適した切断部材12を取り付けることができる。
(7)支持台13の昇降動作の制御を非接触センサ19を用いて行うことができ、接触型のスイッチを用いて支持台13の昇降動作を行う場合より、衛生的に切断作業を行うことができる。また、2つの非接触センサ19から同時に検出信号が入力されたときに、昇降ベース15の上昇を開始させるようにし、一方の非接触センサ19に触れただけでは、昇降ベース15が昇降しないようにしている。これにより、昇降機構16の作業者の意に反した誤動作の発生を抑制できる。
(8)支持台13が相対的に低い初期位置で球状食品1を支持凹部31に載置するようにし、切断後のばらけやすい球状食品1を相対的に高い位置で支持凹部31から取り出すようにしている。したがって、作業者は、作業中特に注意の必要な切断後の球状食品1を支持凹部31から取り出す作業を、楽な姿勢で行うことができる。
(9)検出部20が設けられているので、例えば昇降機構16の動作中に、誤ってカバー24内に作業者の手が入ってしまったときにも、電磁シリンダの動作を直ちに停止することができ、安全性を高めることができる。
(10)支持台13は、球状食品1の切断を終了したとき、切断部材12の上側で停止する。したがって、切断された球状食品1の取り出し作業の際に、手が誤って切断刃21に触れることを抑制することができる。
【0027】
なお、上記カッティング装置10は、以下のように変更してもよい。
・昇降機構16の動作は、接触型のスイッチを用いて行うようにしてもよい。
・非接触センサ19は、1つでもよいし、3つ以上であってもよい。非接触センサ19が複数の場合、コントローラ17は、複数の非接触センサ19から同時に検出信号が入力されることが好ましい。これにより、電磁シリンダを駆動し、昇降ベース15の上昇を開始させる動作の誤動作を抑制できる。勿論、非接触センサ19が複数の場合において、非接触センサ19から同時に検出信号が入力されなくてもよい
昇降機構は、電磁シリンダを用いなくてもよい。また、速度調整やトルク調整が行うことができないものであってもよい。また、駆動源には、モータを用いてもよい。
・切断ユニット14は、それぞれに昇降機構16を備えていてもよい。この場合において、切断ユニット14の数は、1つでもよいし、3つ以上であってもよい。また、単一の昇降機構である場合にも、リンク機構を介して異なるタイミングで複数の切断ユニット14が昇降する構成としてもよい。
・単一の昇降機構16で昇降される切断ユニット14の数は、1つでもよいし、3つ以上であってもよい。
・放射状に配される切断刃21の数は、特に限定されるものではない。
・切断対象となる球状食品1は、トマトやレモン以外であってもよく、例えば、メロンやグレープフルーツ等であってもよい。また、球状以外の形状の食品であってもよい。
【符号の説明】
【0028】
1…球状食品、10…カッティング装置、11…フレーム、12…切断部材、13…支持台、14…切断ユニット、15…昇降ベース、16…昇降機構、17…コントローラ、18…操作部、19…非接触センサ、20…検出部、20a…センサ本体、20b…反射部材、21…切断刃、24…カバー、24a…天板、25…位置決め突起、26…筒体、31…支持凹部、32…支持片、33…支持脚、34…溝、35…挿通部、36…固定部材。
【要約】
【課題】食品の個体間における切断結果のばらつきを抑えることを可能にしたカッティング装置を提供する。
【解決手段】球状食品を切断する複数の切断刃21が放射状に配置された切断部材12と、切断部材12の下方において球状食品を支持する支持台13であって、切断刃21が進入、および、退避することを可能にした溝34を有する支持台13と、溝34に切断刃21が進入するように支持台13を切断部材12に対して上昇させ、かつ、溝34から切断刃21が後退するように支持台13を切断部材12に対して下降させる昇降機構とを備える。切断部材12において各切断刃21が交わる部位には、支持台13に向けて位置決め突起25が突設されている。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5