【文献】
溝口 匡人 他,OFDM無線LANシステム用シンボルタイミング検出回路の特性,電子情報通信学会1999年通信ソサイエティ大会講演論文集1,1999年 8月,p.296
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の直交周波数分割多重シンボルの前記シンボルインデックス間の位置を周期的にシフトする前記パイロットトーンを備える、前記直交周波数分割多重伝送を受信するステップは、Nの直交周波数分割多重シンボル毎にパイロットトーンをシフトさせるパイロットトーンを備える、直交周波数分割多重伝送を受信することを含む、
請求項1に記載の方法。
前記複数の直交周波数分割多重シンボルの前記シンボルインデックス間の位置を周期的にシフトする前記パイロットトーンを備える、前記直交周波数分割多重伝送を受信するステップは、
直交周波数分割多重シンボル毎にパイロットトーンをシフトさせるパイロットトーンを備える、直交周波数分割多重伝送を受信することを含む、
請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付の図面に示された新規な実施形態の詳細な説明である。
しかし、提案される詳細の量は、記載された実施形態の予想される変動を制限することを意図していない。逆に、特許請求の範囲および詳細な説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本教示の精神および範囲内に入るすべての修正、均等物、および代替物を包含しうる。
以下の詳細な説明は、当該分野における通常の知識を有する者に、このような実施形態が理解できるように設計されている。
【0008】
実施形態は、パケットの送信中に、直交周波数分割多重(OFDM)パケットの帯域幅にわたってシフトする既知のパイロットシンボルトーンを使用することができるので、受信機がパケット送信中にチャネルおよび位相情報を追跡することを可能になる。
したがって、パイロット情報は、それらのトーンに対するチャネル状態情報と、異なるトーンでのチャネル位相を追跡するための位相補正情報とのチャネル更新を計算するために使用することができる。
【0009】
実施形態は、チャネルと位相情報に基づいて、直交周波数分割多重(OFDM)パケットの送信においてN個のシンボル毎に位置をシフトするシフトパイロットトーンをどのように処理するかを決定する、パイロットロジックを含んでもよい。
多くの実施形態では、パイロットロジックは、シフトするパイロットトーンをどのように処理するかを決定するチャネルのための信号対雑音比(SNR)を決定することができる。
いくつかの実施形態では、パイロットロジックはチャネルを決定し、位相情報はパイロットトーンから、チャネル状態情報及び位相補正情報などを更新する。
いくつかの実施形態では、高SNRの状況において、ロジックは、位相追跡とイコライザ更新のパイロットトーンの位置から得られるチャネル推定値及び位相回転を使用してもよい。
さらなる実施形態では、低SNRの状況において、ロジックは、位相追跡のための位相回転を使用し、OFDM伝送中にイコライザを更新しないとすることができる。
いくつかの実施形態では、ロジックは、送信にドップラー効果の有無を判定し、及びアクセスポイントにNの選択を送信することができる、又はそうでなければ判定に応答して、アクセスポイントへシグナリングすることができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、パイロットトーンが同じ位置にある間のシンボルの数の点から、受信機がNの値を選択することが可能になる特徴を含んでもよい。
瞬間的なチャネル及び位相情報に基づいてNの値を選択する際、IEEE802.11ahシステムが低電力センサを含む使用事例を含むことを、考慮に入れるべきである。
まず、まれに追加的に情報を交換するこれらのデバイスは、典型的には非常に低い電力デバイスであるので、設計制約が「覚醒(awake)」の時間を最小限にしている。
よって、実施形態は、通信、セブレイヤがNの値の選択を要求するという要求、又は別の方法でのアクセスポイントの信号、のプリアンブル信号フィールドにビットを追加することができる。これらは、アクセスポイントに通知する肯定的な方法である。
ある実施形態では、代わりに、受信機品質測定の交換を介してアクセスポイントに通知することができる。
例えば、このような実施形態において、アクセスポイントは、受信機による判定としてNの値についての判定を行うのと同様の判定を行うように受信機の品質測定値を処理することができる。
いくつかの実施形態において、この判定は、受信機によって仮定されてもよいし、或いは、アクセスポイントが特定の機能と宣伝した場合に、受信機によって仮定されてもよい。
【0011】
多くの実施形態では、送信機は、Nシンボル毎にパイロットトーンの位置をシフトさせ、Nはシステムパラメータ、設定値、または固定値とすることができる。
このように、パイロットトーンの位置は、次の位置に移行する前、Nシンボルに対して一定のままである。
いくつかの実施形態において、その後、受信機は、チャネル推定値を作る、又は適切なアルゴリズムを用いて位相回転を決定するために、N個のパイロットシンボルを使用することができる。
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、1の値に固定されたNでシフトするパイロットを実装しうる、これは、シフトパイロットがシンボル毎にシフトし、Nのための固定値の実装は、送信機で単一の値が一定であるので、値を更新するための送信機と受信機との間の信号の通信(信号を出すこと:Signaling)の必要性を削除することができる。
なお、パイロットトーンの位置への参照は、パイロットトーンのサブキャリア(副搬送波)又は周波数を指す。
【0012】
様々な実施形態では、パイロットトーンのシフトを伴うチャネル更新に関連する異なる技術的な問題に対処するために設計されてもよい。
例えば、いくつかの実施形態は、
パイロット又はチャンネルと、シフトするパイロットトーンを処理することによって決定される位相情報とをどのように使用するのかを決定するような1つ以上の技術的な問題に対処するために設計されてもよい。
【0013】
前述のような別の技術的な問題は、1又は複数の異なる実施形態によって対処することができる。例えば、パイロット又はチャンネル、及びパイロットトーンを処理することによって判定される位相情報をどのように使用するかを解決する実施形態は、下記の1つ以上の異なる技術的方法によってそれを実施されうる。
技術的な方法は、SNRを判定するためにOFDM伝送を処理し; ドップラー成分の存在か不在かを判定するためにOFDM伝送を処理し; 受信機が移動するように見えるかどうか判定するために信号エネルギーを検出し; SNRが高いか低いかを判定するために、SNRと閾値とを比較し; イコライザを更新しないで位相補正情報を処理し; パイロットトーンからのチャネル状態情報と位相補正情報などの、チャネル、位相情報更新を判定し; 位相追跡及びイコライザの更新のためのチャネル及び位相情報を処理する、などを含む。
【0014】
いくつかの実施形態は、IEEE802.11-2012(下記文献で示された、電気通信及びシステム間の情報交換、地方及び都会のエリアのネットワーク、特定の要求、PARTIIである情報技術のためのIEEE規格)などの規格に応じて、無線LAN媒体アクセス制御(MAC)及び物理層(PHY)の仕様を動作するIEEE802.11ahや他のシステムなどの電気電子技術協会(IEEE)802.11ahシステムを実装する。
http://standards.ieee.org/getieee802/download/802LL-2012.pdf
【0015】
いくつかの実施形態は、センサ、メーター、コントロール機器、モニター、家電製品などと同様に、例えば、ルータ、スイッチ、サーバ、ワークステーション、ネットブック、携帯デバイス(ラップトップ、スマートフォン、タブレットなど)などの、アクセスポイント(APs)又は/及び局(STAs)のクライアント装置、のためのクライアント装置アクセスポイント(APs)を含む。
いくつかの実施形態は、例えば、屋内及び/又は屋外の「スマートな」グリッドとセンサ・サービスを提供することができる。
例えば、いくつかの実施形態では、特定の領域であってメーターの変電所へのサービスの利用を無線送信する範囲内の家庭の、電気、水道、ガス及び又は他の家庭用設備などの、センサからデータを収集する、計量ステーションを提供することができる。
さらなる実施形態は、落下検出、薬瓶監視、体重モニタリング、睡眠時無呼吸、血糖値、心拍リズム等の、医療関連の事象及びヘルスケア患者のためのバイタルサインを監視するための、在宅医療、診療所、または病院のセンサからデータを収集することができる。
このようなサービスのために設計の実施形態は、非常に低いデータレート及びIEEE802.1ln/acシステムにおいて提供される装置よりもはるかに低い(超低)電力消費を、一般的に必要とし得る。
【0016】
本明細書に記載される、ロジック、モジュール、デバイス、およびインタフェースは、ハードウェア及び/又はコードに実装される機能が実現されうる。
このハードウェア及び/又はコードは、機能を実現するように設計されたソフトウェア、ファームウェア、マイクロプロセッサ、状態機械、チップセット、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0017】
実施形態は、無線通信を容易にすることができる。いくつかの実施形態は、Bluetooth(登録商標)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線メトロポリタンエリアネットワーク(WMANs)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)、セルラーネットワーク、ネットワークでの通信、メッセージングシステム、及びスマートデバイス、のような低電力無線通信を含むことができるので、そのようなデバイス間の相互作用を容易にすることができる。
ある実施形態は、単一のアンテナを組み込むことができ、また別の実施形態では、複数のアンテナを採用してもよい。
1又は複数のアンテナは、プロセッサとラジオと結合されて、電波を送信及び/又は受信することができる。
例えば、多入力多出力(MIMO)は、送信機及び受信機の両方で複数のアンテナを介して信号を伝送する無線チャネルを使用することで、通信性能を向上させる。
【0018】
以下に説明する特定の実施形態のいくつかは、特定の構成を有する実施形態を参照するが、当業者は、本開示の実施形態は、同様の問題または問題のある他の構成で実施され得ることを有利には認識しうる。
【0019】
次に
図1を参照して、一実施形態として無線通信システム1000を示す。無線通信システム1000は、有線で及び無線でネットワーク1005へ接続できる無線通信装置1010を備えている。
無線通信装置1010は、ネットワーク1005を介して、複数の通信装置1030,1050,及び1055と無線通信することができる。無線通信装置1010は、アクセスポイントを含むことができる。
通信装置1030は、センサ、家電デバイス、パーソナルモバイル機器等の低電力の通信デバイスを含むことができる。
通信装置1050及び1055は、センサ、局(Station)、アクセスポイント、ハブ、スイッチ、ルータ、コンピュータ、ラップトップ、ネットブック、携帯電話、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistants)、または他の無線対応デバイスを含むことができる。
したがって、これらの通信装置は、携帯型であってもよいし、固定型であってもよい。例えば、通信装置1010は、家の近隣範囲内の水の消費のための計量変電所を含むことができる。
近隣範囲内の各家は、通信装置1030などのセンサを備えることができ、通信装置1030は、水検針メーターと一体化、又は結合することができる。
【0020】
例えば、通信装置1010が、通信装置1030のためにデータをバッファリングすることを、通信装置1030に通知する通信装置1030へパケットを送信する場合、通信装置1010は、フレーム1014を封入する(encapsulating)直交周波数分割多重(orthogonal frequency division multiplexing:OFDM)パケットを送信することができる。
トランシーバ(RX/TX)1020のOFDM1022は、通信のシンボルインデックス内で、Nシンボル毎に位置をシフトするパイロットトーンとともに伝送を生成することができる。
いくつかの実施形態では、通信装置1010は、Nの値の指示を、通信装置1030へ事前に伝送することができた。
そのような実施形態では、指示はフレーム内で伝送される、例えば、ヘッダーのフィールドは、Nを数える。さらなる実施形態では、Nの値は固定値であってもよい。そして、いくつかの実施形態では、Nの値は、1つの値に固定されるか、2つの値に固定されている
【0021】
通信装置1010は、一つ置きに、及び全てのN個のシンボル毎に、OFDMパケットの1つのシンボルを送信してもよく、OFDMパケット内のパイロットトーンの位置は、順次またはランダムに変更することができる。
ある実施形態では、例えば、パイロットトーンの位置は、1シンボルインデックス単位で、他のシンボルインデックスへ、又は、言い換えると、1つのサブキャリア(副搬送波)から隣接するサブキャリアへ、順次シフトすることができる。
他の実施形態では、パイロットトーンのサブキャリアの位置又は周波数は、時間領域の関数に基づいて、順次ではなく、ランダムにシフトすることができる。
【0022】
パイロットトーンのシフトは、時間の関数として、パイロットトーンが順次、異なるサブキャリアに割り当てられるプロセスである。多くの実施形態では、サブキャリアのサブセットのみが、パイロットトーン又はデータの目的(使用可能なサブキャリア)のために使用することができる。
例えば、パイロットトーンは、データサブキャリア上のみ、使用することができる(例えば、シンボル基準によって、シンボル上のパイロットトーンを介して容易に成功する)。
パイロットトーンは、ヌルの(0の)サブキャリア(例えば、DCサブキャリア及びガードサブキャリア)を回避することができる。
ある実施形態において、パイロットトーンは、ガード又はDCサブキャリアに隣接しているデータトーンを回避してもよい。また別の実施形態においては、パイロットトーンは、偶数データトーンのサブセット(例えば、すべての偶数番号のトーン)を回避してもよい。
【0023】
パイロットトーンとその位置決めは、符号化方式、パケット長などのチャネル条件に基づくことができる。
図1Aは、シンボル番号により境界を画定されたパイロットトーン位置のテーブル1100を示す。以下の説明は、一例として1MHzのシステムのためのものであるが、2、4、8、16MHzの帯域幅のための他の割り当ても存在する。
【0024】
テーブル1100は、通信装置1010から通信装置1030へ伝送される1〜13のシンボルの進行過程を示す。本実施形態における、シンボルの数は、データの数及びパイロットトーンの数、又は使用可能なサブキャリアの数に基づいて、選択され、シンボルインデックスに関連するパイロット位置のパターンは連続であって、13の後もの順次繰り返している。
特に、テーブル1100は、各シンボルの数のための2つのパイロットトーンを示している。
あるパイロットトーンは「−13」サブキャリアインデックス及び「−1」サブキャリアの間を移行し、他方のパイロットトーンは、「1」サブキャリアインデックス及び「13」サブキャリアインデックスの間を移行する。例えば、伝送される第1のシンボルは、シンボル「1」であり、2つのパイロットトーンを備え、一方のサブキャリアインデックスは「−8」に位置し、他方のサブキャリアインデックスは「6」に位置する。
次に伝送される第2のシンボルは、サブキャリアインデックスが「−9」と「5」であるパイロットトーンを備える、シンボル「2」である。次に伝送される第3のシンボルは、サブキャリアインデックスが「−10」と「4」であるパイロットトーンを備える、シンボル「3」である。このようにパイロットトーンはシフトし続け、サブキャリアインデックスが「−7」と「7」であるパイロットトーンを備えるシンボル「13」に到達する。
【0025】
テーブル1100に示すように、パイロットトーンは、時間の関数として、シフトされ、又は異なるトーン(サブキャリア)又は異なる周波数ビンへ割り当てられ、本明細書ではパイロットトーンの位置として呼ばれる。
パイロットトーンの位置におけるシフト間の時間は、テーブル1100において「N=1」であり、そしてパイロットトーンが全てのシンボル間の位置の間でシフトする。
また、テーブル1100は、その時間において、及び順次、一つのサブキャリアインデックスによって、変更するパイロットトーンを表している。
しかしながら、全ての実施形態が、時間の関数としてパイロットトーンのための位置を実装するのではなく、その結果パイロットトーンは、サブキャリア又は周波数を介して順次シフトする。
言い換えれば、パイロットトーンの位置は、全てのNシンボル{N=1,2,3,4,...,8,...}をシフトさせることができるが、周波数/位置におけるシフトは、サブキャリアのサブセット内において、順次というよりもむしろランダムであってよい。
パイロットトーンのシフトは、変調及び符号化方式(modulation and coding scheme:MCS)に基づいて、伝送又はパケット長の伝送(即ち、チャネル条件)で使用されることができる。
さらに、一つ以上のパイロットトーンが特定の場所を占有する時間の量は、変調及び符号化方式(MCS)に基づくことができ、MCSは、データレートと、トラフィックタイプに必要な堅牢性のレベルに基づいて選択することができる。パイロットトーンのセットが割り当てられた(指定された)後、テーブル1100によって表されたプロセスは、周期的であり、13よりも大きいシンボルの任意の数で繰り返されてもよい。
【0026】
通信装置1030は、通信装置1010からの伝送を受信するとともに、パイロット情報を備えるチャネル及び位相情報を、繰り返し、或いはある実施形態では継続的に、更新するために、パイロットトーンを処理することによって判定される、チャネルおよび位相情報を利用することができる。
通信装置1030は、チャネル及び位相情報(時にはパイロット情報と呼ぶ)を判定するために、及びOFDMパケットのために受信するデータ信号の処理を更新するチャネル及び位相情報を使用するために、パイロットトーンを受信し、処理する、パイロットロジック1043を実装することができる。
パイロットロジック1043は、チャネル及び位相情報をどのように使用するか判定することができる。特に、パイロットロジック1043は、OFDM伝送のプリアンブルのトレーニングシーケンスに基づいて、チャネルの初期測定を行うことができる。
トレーニングシーケンスは、パイロットロジック1043のイコライザを更新する加重値又は係数の計算を容易にすることができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、パイロットロジック1043は、通信装置1010が通信装置1030と通信しているチャネルが高い信号対雑音比(signal-to-noise ratio :SNR)であるか、低いSNRであるか判定する、信号対雑音比(SNR)情報を使用することができる。
チャネルが高SNRであると判定したことに対応して、通信装置1010からの通信装置1030へのOFDMパケットの伝送時の位相及びチャネルの変化を補償するために、位相追跡及びイコライザの両方を更新すべきかどうか、パイロットロジック1043が判定することができる。このような実施形態では、パイロットロジック1043は、パイロットトーンを等化するイコライザの重み等化関数における重み係数を更新するためのチャネル推定又はチャネル状態情報を決定する、チャネル推定を利用することができる。
【0028】
さらに別の実施形態では、パイロットロジック1043は、通信装置1010が通信装置1030と通信しているチャネルが低い信号対雑音比(SNR)であることを判定する、信号対雑音比(SNR)情報を使用することができる。
チャネルが低SNRであると判定したことに対応して、パイロットロジック1043は、通信装置1010からの通信装置1030へのOFDMパケットの伝送時の位相及びチャネルの変化を補償するために、位相追跡のみを更新すべきかどうか、パイロットロジック1043が判定することができる。言い換えれば、パイロットロジック1043は、低SNRであるという判定に基づいて、又は、わずかなドップラー効果を判定するなどのチャネル状態に基づいて、イコライザへのチャネル推定の更新を無効にすることを判定することができる。
このようなケースで、イコライザは、トレーニング・フィールドを処理することから本来獲得できるチャネルを用いて、等化を続ける。このような実施形態では、パイロットロジック1043は、受信したシンボルの位相を追跡するために、パイロットトーンの位相回転を処理する位相追跡を利用することができる。
【0029】
さらなる実施形態では、パイロットロジック1043は、シフトパイロットトーンのためのNの値を選択するために、通信装置1010と通信するオブションを備えることが可能であり、それはパイロットトーンが同じ場所に残っている間の間のシンボルの数である。
ある実施形態では、例えば、パイロットロジック1043は、アクセスポイントをシグナリングする(信号を出す:signaling)方法を有することができる。また、ある実施形態では、パイロットロジック1043は、受信品質の測定、交換に依存してもよい。
このような実施形態では、パイロットロジック1043は、ドップラー効果は、受信信号を弱めることがあるかどうかを判定することができる。例えば、チャネル及び位相情報が、ドップラー効果を備える信号の指示を提供するかどうかをパイロットロジック1043は、判定することができる。あるいは、通信装置1030が移動しているかどうか、パイロットロジック1043は、判定することができる。
例えば、パイロットロジック1043は、通信装置1030が移動しているかどうか、通信装置1010からの信号又は通信装置1030の他の部分からの指示などの信号からのエネルギーレベルの変化を示すエネルギー測定値に基づいて、パイロットロジック1043は、通信装置1030が移動しているかどうか、判定してもよい。
【0030】
ドップラー効果が受信信号を弱めることがあるという判定と、SNRが高いという判定とに対応して、ある実施形態におけるパイロットロジック1043は、通信装置1030が、Nが1に設定されること、即ち、パイロットトーンがシンボルごとにシフトすることを要求する、という指示を、通信装置1010へ提供する又は通知する。
一方、ドップラー効果が受信信号を全く弱めることがないという判定と、SNRが低いという判定に対応して、ある実施形態におけるパイロットロジック1043は、通信装置1030が、Nが2に設定されること、言い換えると、パイロットトーンがシンボルを一つ置きにシフトさせることを要求する、という指示を、通信装置1010へ提供する又は通知する。なお、いくつかの実施形態では、パイロットロジック1043は、通信装置1010に要求を通知する前に、Nが適切な数であるかどうかをチェックしてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、パイロットロジック1043は、チャネル推定と位相補正を判定するロジックを備えており、OFDMパケット及び、OFDMパケットを伝送するために使用されるチャネルにおける、サブキャリアの位相を補正する位相補正内のサブキャリアに割り当てられた重みを更新する。多くの実施形態では、パイロット・ロジック1043は、チャネル状態情報と、受信した全シンボルの位相補正情報を、連続的に更新する。
【0032】
本実施形態では、パイロットロジック1043は、テーブル1100に応じて、OFDMパケットの帯域幅にわたって分散されたパイロットトーンを備えるOFDMパケットを受信することができる。
【0033】
テーブル1100は、パイロットの1つのシンボルから、13シンボルの後の帯域幅全体をカバーする別のシンボルへの移動に基づく、1MHzのシステム(32トーンFFT、24データ及び各シンボルにおける2パイロットトーン)のためのパターンの一例を提供する。パターンは、パケット内の全てのシンボルをカバーするために周期的に繰り返される。
【0034】
図1Bは、通信装置1030に通信装置1010から伝送されたOFDMパケット1200の1つの実施形態を示す。OFDMモジュール1022は、
図1のトランシーバのようなトランシーバのために、32ポイントの、逆フーリエ変換に対応して、例えば2MHz、4MHz、8MHz、及び16MHzの異なる帯域幅ために異なるOFDMシンボルを生成し、1MHz帯域幅チャネルのためのOFDMパケットを生成する。
OFDMパケット1200は、サブキャリアと呼ばれる、「−16」から「15」のインデックス付きの32のトーンを含む。
この実施形態において、32のトーンは、24のデータトーン、5つのガードトーン、2つのパイロットトーン、及び1つの直流(DC)トーンを含む。4つの最低周波数のトーンは、フィルタの立ち上がり(ramp up)と立ち下がり(ramp down)のために提供されるガードトーンである。
インデックスゼロ周波数トーンはDCトーンであり、複雑さを軽減するために、直接変換受信機を設けられた受信機をより良好にするために、少なくとも部分的にゼロに(ヌル化)される。普通の実践に従って、DCは、周波数帯域の中央に最も近い位置にある2つのサブキャリアのいずれかであるように選択される。
そして、データとパイロット周波数トーンは、インデックス「−13」〜「−1」の間、及びインデックス「1」〜「13」の間に提供される。
【0035】
RF受信機は、OFDMモジュール1042を含んでおり、RF周波数で電磁エネルギーを受信し、そこからデジタルデータを抽出する。1MHz動作のために、OFDM1042は、
図1Bに示すOFDMシンボル1210のように、4個のデータトーン、5つのガードトーン、1つのDCトーンを含むOFDMシンボルを抽出することができる。
他の実施形態では、OFDMシンボルは、異なる数のデータトーン、パイロットトーン、及びガードトーンを、他の方法で符号化することができる。
【0036】
OFDMパケット1200は、OFDMシンボル1210、1220、1230、及び1240を含み、OFDMシンボルはテーブル1100に示されているパイロットトーンパターンに対応している。特に、OFDMシンボル1210〜1240は、各ガードトーンに対するドットを示しており、これらはエッジトーンと呼ばれる。
OFDMシンボル1210〜1240の中心の1つの点は、シンボルインデックス0として、DCトーンの位置を示すように設けられている。
データ/パイロットトーンは、左側のサブキャリアインデックス「−13」で開始される数で境界を画定され、「0」インデックスでのDCトーンの次のインデックス「―1」を通り、右側のガードトーンに隣接したインデックス「13」を介して、DCインデックス0に隣接するインデックス1へ継続する。
【0037】
OFDMシンボル1220は、テーブル1100内のOFDMシンボルインデックス6を示し、パイロットトーンはサブキャリアインデックス{−13,1}において太字の矢印である。
なお、OFDMシンボル1210は、DCトーン及びガードトーンに隣接するパイロットトーン{−1、13}を有する。
OFDMシンボル1230は、DCトーンおよびガードトーンに隣接するシンボルインデックスの位置に隣接する、パイロットトーン{−12,2}を有する。
そして、OFDMシンボル1240は、DCトーンおよびガードトーンに隣接するシンボルインデックス位置に隣接する、パイロットトーン{−2,12}を有する。
【0038】
さらなる実施形態では、通信装置1010は、データのオフロードを容易にすることができる。例えば、Wi−Fi、他の通信装置、携帯型ネットワーク、または計量ステーション及び/又は帯域幅の可用性を増加するもの等へのアクセス待ちで消費される電力消費量を低減する目的のためのもの等を介して通信するために、例えば、低電力センサである通信装置は、データ・オフロード・スキームを含むことができる。
上記計量ステーションなどのセンサからのデータを受信する通信装置は、データオフロード方式が含まれることで、ネットワーク1005の輻輳(混雑)を軽減する目的で、Wi−Fi、他の通信デバイス、携帯ネットワーク、等を介して通信することができる。
【0039】
ネットワーク1005は、ネットワークの数の相互接続を表すことができる。例えば、ネットワーク1005は、インターネット又はイントラネットのようにワイドエリアネットワークを結合することができ、一つ以上のハブ、ルータ、またはスイッチを介してローカルデバイスを有線または無線で相互接続させることができる。
本実施形態では、ネットワーク1005は、通信装置1010,1030,1050,及び1055を通信可能に結合する。
【0040】
通信装置1010,1030は、夫々、メモリ1011,1031と、メディアアクセス制御(MAC)サブレイヤロジック1018,1038と、及び物理層(PHY)ロジック1019,1039とを備える。
メモリ1011及び1031は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、バッファ、レジスタ、キャッシュ、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、及びソリッドステートドライブなどの記憶媒体を含むことができる。
メモリ1011及び1031は、フレーム及び/又はフレーム構造、又は割り当て(Assosiation)要求フレーム、割り当て応答フレーム、プローブ用フレーム、等の構造物の、1又複数のフレーム構造、又はそれらの一部を記憶することができる。
【0041】
MACサブレイヤロジック1018,1038は、通信装置1010、1030のデータリンク層のMACサブレイヤの機能を実装するロジックを含むことができる。
MACサブレイヤロジック1018,1038は、フレームを生成することができ、物理層ロジック1019,1039は、そのフレームに基づいて、物理層プロトコルデータユニット(physical layer protocol data units:PPDU)を生成することができる。
例えば、フレーム作成ソフト(Frame builder)は、フレーム1014,1034を生成することができる。
物理層ロジック1019,1039は、プリアンブルを備えるフレームを封入して、受信/送信チェーン(RX/TX)1020,1020で表される、トランシーバのような物理層デバイスを介して、送信するためにPPDUsを生成するようにする。
【0042】
通信装置1010,1030,1050,1055は、夫々、トランシーバ(RX/TX)1020,1040のような、トランシーバ(RX/TX)を含んでもよい。
多くの実施形態では、トランシーバ1020及び1040は、直交周波数分割多重(OFDM)を実装する。
OFDMは、複数のキャリア周波数上でデジタルデータを符号化する方法である。OFDMは、デジタルマルチキャリア変調方式として用いられる、周波数分割多重化方式である。
密集した直交サブキャリア信号は、多数のOFDMシンボルのデータを搬送するために使用される。
OFDMシンボルは、複数の平行なデータストリーム又はチャネルに分割されており、OFDMシンボルが、24つのデータサブキャリア、5つのガードサブキャリア、2つのパイロットサブキャリア、及び1つのDCサブキャリアなどの受信装置へ送信されることによって、OFDMシンボルは、複数の平行なデータストリーム又はチャネル、各サブキャリア及び各サブキャリアに符号化されたもの、に分割される。各サブキャリアは、同じ帯域幅で、従来のシングルキャリア変調方式に類似する総データレートを維持しながら、低いシンボルレートの変調方式で変調される。
【0043】
OFDMシステムは、データ、パイロット、ガード、およびゼロ化などの機能のために、複数のキャリア、又は「トーン」を使用する。
データトーンは、チャネルのうちの1つを介して送信機と受信機との間で情報を転送するのに用いられる。
パイロットトーンは、チャネルを維持するために用いられ、時間/周波数及びチャネル追跡についての情報を提供することができる。
そして、ガードトーンは、信号がスペクトルマスクに準拠させるのに役立たせられる。
直流成分(DC)のゼロ化(ヌル化)は、直接変換受信機の設計を単純化するのに用いられることができる。
マルチパス歪みに起因しうる、シンボル間干渉を回避するために、送信機のフロントエンドにおける短いトレーニングフィールド(STF)及び長いトレーニングフィールド(LTF)との間と同様に、すべてのOFDMシンボルの間などのシンボルの間に、ガードインターバルは、挿入される。
【0044】
各トランシーバ1020,1040は、RF送信機及びRF受信機を含む無線機1025,1045を含む。
RF送信機は、OFDMモジュール1022を含んでおり、電磁放射によるデータの送信のために、デジタルデータ、トーンで符号化されたOFDMシンボルを、サブキャリアと呼ばれるRF周波数上へ印加する。
本実施形態では、OFDMモジュール1022は、送信のために、トーンで符号化されたOFDMシンボルのようなデジタルデータを、サブキャリアへ印加することができる。OFDMモジュール1022は、情報信号を、アンテナ配列1024の要素に無線機1025,1045を介して印加される情報へ変換することができる。
【0045】
図1は、例えば、4つの空間ストリームを含む複数入力・複数出力(Multiple-Input, Multiple-Output :MIMO)システムを含む多くの異なる実施形態を示すことができる。
そして、1つ以上の通信装置1010,1030,1050,及び1055が、単一入力・単一出力(SISO)システム、単一入力・複数出力(SIMO)システム、及び複数入力・単一出力(MISO)システムを含む1つのアンテナを備える受信機/送信機を含んでいる、変性システムを、
図1は示すことができる
また、代わりに、
図1は、複数のアンテナを含み、マルチユーザーMIMO(MU−MIMO)動作が可能であってもよいトランシーバを示すことができる。
【0046】
アンテナアレイ1024は、個別に、別々に、励起可能なアンテナ素子のアレイである。アンテナアレイ1024の素子に印加される信号は、アンテナアレイ1024を一から四の空間チャネルへ放射させる。各空間チャネルはこのように形成されるので、情報を1つ以上の通信装置1030,1050,及び1055へ運ぶことができる。
同様に、通信装置1030は、通信装置1010へ信号を送受信する送受信機1040を含む。トランシーバ1040は、アンテナアレイ1044を含むことができる。
【0047】
図1Cは、パイロットロジック1043で実行されるプロセスのシミュレーション1300の実施形態を示している。
図1Cにおいて、グラフは、シンボル(N=1)毎にシフトさせるパイロットトーン、シンボルを一つ置きに(N=2)シフトさせるパイロットトーン、及び固定パイロットトーンを、受信する受信機のパケットエラー率(PER)性能を示す。これらのケースは、ドップラーが適用される動作と、位相追跡及びイコライゼーションの更新動作を伴うチャネル推定の両方が動作してドップラーが適用されない動作で実行される。
【0048】
シミュレーション研究において、パイロット静止時間Nを適切に選択し、適切な受信機アルゴリズムを判定することが行われてきた。このシミュレーションケースは、全てのシミュレーション減損及び−13.675ppmのキャリアオフセットを使用して、1500バイトのパケットを用いる、MCS11MHzのためのものだった。
【0049】
図1Cは、低SNRにおいて、「N=2」は、「N=1」よりも優れていることを示している。これは、チャネル推定が更新されることに起因して、低SNRにおいて、「N=1」及び「N=2」の両方が劣化することが判明した。
SNRが低いので、新しい推定値は、長いトレーニング・シーケンスにより得られたオリジナルのチャネル推定値よりも悪化した。そして、チャネルが変化しているドップラーでさえ、チャネル推定値を更新しないために、低SNRであると優れている。
これは、チャネル推定SNRにおける3デシベル(dB)改善があるため、低SNRにおいて、「N=2」は「N=1」よりも優れているという事実によってこれは明らかになった。
しかし、チャネル変化の追跡より良好になりうるので、高いSNRにおいては「N=1」の方が優れている。
もう一つの発見は、ドップラー無のチャネルにおいて非常の向上した性能の移動パイロットを利用することにより、帯域を通る追跡を実行することが可能になるので、周波数選択性チャネルのフェードへの妨害排除能力(immunity)が多くなる、ということである。このように、ドップラーの場合では、低SNR(例えば、6dB未満又は8dB未満)であっても、移動するパイロットは、有益であって、顕著なゲインを提供するため、この結果は、シフトするパイロットトーンが、位相追跡のために用いられるべきであることを意味する。
ドップラー有の場合では、高SNRの中間で(例えば、6dB又は8dBより大きい)で、チャネル推定と位相追跡の両方が、多大な有益性を提供するため、この結果は両方が利用されることを意味する。
ドップラー無しの場合は、傾斜(tipping)SNR値が、黒色の曲線が他の黒の曲線にぶつかる12dB程度である。
なお、実際に実装される閾値は受信機回路およびロジックに固有であり、「低SNR」と考えられるもの、「高SNR」と考えられるもの、の値が受信機の構成に応じて変えることができる。
【0050】
したがって、パイロットロジック1043は、環境及びSNRに基づいて、適切な受信機技術を決定するために実施されてもよい。
低SNRおよびドップラーを検出しないの場合、シフトパイロットトーンを用いて、位相追跡のみが更新される。(パイロットトーンのためにチャネルは推定し、したがって、イコライザは更新されずに、トレーニング・フィールド(LTF)から得られたチャネル推定値を使用しながら継続する)
高SNRの場合、チャネル推定/イコライザ及び位相追跡の両方がシフトパイロットトーン(移動中パイロットとも呼ばれる)に基づいて更新される。
【0051】
図2は、フレームを生成し、送信し、受信し、及び解釈又は復号化する、装置の実施形態を示す。この装置は、媒体アクセス制御(Medium Access Control:MAC)サブレイヤロジック201と物理層(PHY)ロジック250に結合されたトランシーバ200を含む。
MACサブレイヤロジック201はフレームを判定してもよく、物理層(PHY)ロジック250は、1又は複数のフレームを封入することによって、PDUを判定し、トランシーバ200を介して送信されるプリアンブルとともにMACプロトコルデータユニット(MPDU)を判定してもよい。
例えば、フレーム作成ソフトは、フレームが、フレームの機能を特定するための、管理フレーム、制御フレーム、又はデータフレームであるからどうかを特定する、タイプフィールドを含むフレームを生成することができる。
制御フレームは、送信要求又は送信許可、のフレームを含みうる。管理フレームは、ビーコン、プローブ応答、アソシエーション応答、及び再割り当て応答、のフレームタイプを含むことができる。データ型フレームは、送信データを送信するように設計されている。
【0052】
多くの実施形態では、MACサブレイヤロジック201は、フレームを生成するフレーム作成ソフト202を含むことができる。PHYロジック250は、データユニット作成ソフト203を含むことができる。データユニット作成ソフト203は、PPDUを生成するために、1又は複数のMPDUを封入するためのプリアンブルを決定することができる。多くの実施形態では、データユニット作成ソフト203は、宛先通信装置との相互作用を介して選択された通信パラメータに基づいて、プリアンブルを生成することができる。
プリアンブルは、ショート・トレーニングフィールド(STF)とロング・トレーニングフィールド(LTF)同様のトレーニングシーケンスを含むことができるので、受信装置への初期チャネルの更新を提供し、受信装置が、受信装置のイコライザによって実施される重み関数を更新することが可能になる。
【0053】
トランシーバ200は、受信機204と送信機206とを備えている。送信機206は、1又は複数のエンコーダ208、変調器210、OFDM212、及びDBF214を含むことができる。
送信機206のエンコーダ208は、MACサブレイヤロジック202からの送信に向けられたデータを、バイナリ畳み込み符号化(BCC)、及び/又は低密度奇偶性チェック符号化(LDPC)、などによって、符号化する。
変調器210はエンコーダ208からのデータを受信することができる。そして、変調器210は、正弦波の個別の振幅の対応するセット、正弦波の個別位相のセット、又は正弦波の周波数に対する個別周波数シフトのセットを介して、選択された周波数の正弦波に受信されたデータブロックを印加する。
【0054】
変調器209の出力は、直交周波数分割多重(OFDM)モジュール212へ供給される。OFDMモジュール212は、時空間ブロック符号化(STBC)モジュール211、デジタルビーム形成(DBF)モジュール214、反転高速フーリエ変換(IFFT)モジュール215を含むことができる。
STBCモジュール211は、1又は複数の空間ストリームに対応する変調器209からの配列点を受信し、空間ストリームを広げて、より多くの時空間ストリーム(一般的にデータストリームとも呼ばれる)にすることができる。
いくつかの実施形態では、STBC211は、例えば、空間ストリームの数が時空間ストリームの最大数がある状況で、空間ストリームを通過するように制御することができる。
別の実施形態は、STBCを省略することもできる。
【0055】
OFDMモジュール212は、OFDMシンボルとして形成される変調されたデータを直交複数のサブキャリア上へ印加する或いはマッピングするので、OFDMシンボルは、サブキャリア又はトーンとともに符号化される。OFDMモジュール212は、パイロットトーンが、Nシンボル毎に、データ/パイロットサブキャリア内の位置が変化する、シンボルを生成することができる。多くの実施形態では、OFDMモジュール212は、シンボルインデックスに沿って、パイロットトーンが位置を順次シフトするシンボルを生成することができる。
いくつかの実施形態では、パイロットトーンが、シンボル毎に、位置をシフトすることができる。一例として、
図1に示す通信装置1030は通信装置1010からの伝送に対応する時、RX/TXは、パイロットトーンがNシンボル毎にシフトする、OFDMシンボルに応答する。
ある実施形態では、Nの値は、通信装置1030によって提供Nの値と一致してもよい。
他の実施形態では、として、通信装置1030及び/又は通信装置1010のための固定値であってもよい。
そして、ある実施形態では、アクセスポイントとすることができる通信装置1010は、通信装置1030によって、通信装置1010へと提供されるNの値を使用することができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、OFDMシンボルは、デジタルビーム形成(DBF)モジュール214へ供給される。無線システムの効率及び容量を増強するために、デジタルビーム形成の技術は採用されうる。
一般的に、デジタルビーム形成は、アンテナ素子のアレイによって受信され、送信される信号を動作させる信号処理アルゴリズムを、利用する。
例えば、複数の空間チャネルが形成されてもよく、各空間チャネルは、複数のユーザー端末の各々との間で送受信される信号の電力を最大にするため、に独立して操縦されることができる。さらに、デジタルビーム形成は、マルチパスフェージング(multi-path fading)を最小にし、同一チャネル干渉を除去するために適用することができる。
【0057】
また、OFDMモジュール212は、OFDMシンボルに反転した個別のフーリエ変換(inverse discrete Fourier transform:IDFT)を実施する、反転フーリエ変換モジュールを含むことができる。本実施形態では、IDFTは、データに(反転第1フーリエ変換)IFFTを実行するIFFTモジュール215を含むことができる。1MHzの帯域幅動作のために、IFFTモジュール215は、データストリームにおいて32ポイント、逆FFTを実行する。
【0058】
OFDMモジュール212の出力は、より高い搬送周波数へとアップコンバートされてもよく、又はアップコンバートと一体的に実施されてもよい。
送信前に、はるかに高い周波数へ信号をシフトさせることは、実用的な寸法のアンテナアレイの使用を可能にする。すなわち、送信周波数が高いほど、アンテナをより小さくできる。
このように、アップコンバータは、波形の中心周波数と正弦波の周波数の和である搬送波(キャリア)周波数を備える信号を得るために、変調された波形に正弦波を掛ける。
【0059】
トランシーバ200は、アンテナアレイ218に接続されたデュプレクサ216を含んでもよい。したがって、この実施形態では、単一のアンテナアレイが送信と受信の両方に使用される。
送信時、信号は、デュプレクサ216を通り、アップコンバート情報伝達信号を備えるアンテナを駆動させる。送信の間、デュプレクサ216は、送信される信号が受信機204へ入ることを防ぐ。
受信時、アンテナアレイによって受信される情報担持信号204はデュプレクサ216を通って、アンテナアレイからの信号を提供する。そして、デュプレクサ216は、受信した信号が送信機206へ入ることを防ぐ。
従って、デュプレクサ216は、アンテナアレイ素子を交互に受信機204及び送信機206へと接続させる、スイッチとして動作する。
【0060】
アンテナアレイ218は、受信機のアンテナで受信することができる電磁エネルギーの時間変動、空間分布へ情報担持信号204を放射する。受信機は、受信した信号の情報を抽出することができる。
他の実施形態において、トランシーバ200は、アンテナアレイではなく1又は複数のアンテナを含むことができる。また、ある実施形態では、受信機204及び送信機206自体が、アンテナ又はアンテナアレイを含んでもよい。
【0061】
トランシーバ200は、受信し、復調し、情報担持通信信号を復調する、受信機204を備えることができる。通信信号は、例えば、Nシンボルずつシフトするパイロットトーンを備える、1MHzの搬送周波数上の32トーン階調(トーン)を含むことができる。例えば、ファームのIEEE802.11ahに準拠したデータ収集ステーションは、IEEE802.11ahに準拠した無線通信機器を統合した低電力センサからのデータを周期的に受信することができる。
センサは、一定期間低電力モードに入り、周期的にデータを収集し、センサによって収集されたデータを送信するために周期的に定期的にデータ収集ステーションと通信することができる。ある実施形態では、センサは、積極的に、データ収集ステーションとの通信を開始し、通信能力を示すデータを送信し、送信可(CTS)などに応答してデータ収集ステーションとのデータの通信を開始してもよい。
他の実施形態では、センサは、データ収集ステーションによる通信の開始に応答して、データ収集ステーションにデータを送信してもよい。
【0062】
受信機204は、高速フーリエ変換(FFT)モジュール219を備えている。FFTモジュール219は、時間ドメインから周波数ドメインへ通信信号を変換することができる。
【0063】
受信機204は、チャネル推定器252、位相追跡器254、バッファ256、及びイコライザ258を備えるパイロット・ロジック250を含みうる。
パイロットロジック250は、シフトするパイロットトーンとデータトーンを処理するように構成されうる。パイロットロジック250は、ハードコードされたロジックを備える、又はイコライザのアプリケーションや指示を実行するイコライザ258、チャネル推定器252、位相追跡器254を含みうる。
【0064】
直交周波数分割多重(OFDM)パケット送信におけるNシンボル毎に位置をシフトするパイロットトーンをどのように処理するか、チャネル及び位相情報に基づいて決定するためのロジックを、パイロットロジック250は含むことができる。
特に、パイロットロジック250は、チャネルの信号対雑音比(SNR)を決定し、等化を更新せずに位相追跡を実施するか、或いは位相追跡とOFDMパケットの受信中にイコライザによって利用されるチャネル推定の更新との両方を実施するか、を判定する。パイロットロジック250は、チャネルを決定し、位相情報は、パイロットトーンからのチャネル状態情報及び位相補正情報などを更新する。
例えば、チャネル推定器252によって決定されるSNRと、例えばレジスタに登録される、閾値SNRを比較することによって、SNRが高いことを判定する。そして、これに呼応して、パイロットロジック250は、チャネル推定器252によって決定されるチャネル推定と、位相追跡及びイコライザの更新のためのパイロットトーンを処理することにより位相追跡器254によって決定される位相回転と、を使用するかどうか判定する。
一方、パイロットロジック250が、SNRが低いと判断した場合、パイロットロジック250は、位相追跡のための位相回転を使用してもよいし、送信のプリアンブルにおけるトレーニングシーケンス後のOFDM送信中にイコライザを更新しなくてもよい。
【0065】
着信信号におけるパイロットトーンを処理することから決定され、更新される重み値に基づいて、重み関数を入力信号へ適用するため、パイロットロジック250は、フィルタ、遅延素子、及びタップ又は他のロジックを含みうる。
重み係数は、性能の特定のレベルを達成するために、パイロットトーンに基づいて調整される重み値であって、例えば、受信機での信号品質を最適化する。
ある実施形態では、時系列でOFDMパケット上のOFDMサブキャリアの各々を通ってパイロットトーンが回転しているため、(すなわち、イコライザ重み係数を更新するためにパイロットトーンを使用することによって)、パイロットロジック250は、経時的なチャネル変化を追跡することができる。
上述のように、傾きの推定及びサブキャリア追跡のための修正差(intercept)が維持できるように、パイロットトーンは、データサブキャリアのいくつかの数によって分離される。
パイロットトーンは、OFDMパケットの帯域全体のシンボルインデックスの位置を通ってシフトさせられるので、パイロットトーンが現在存在するサブキャリアのイコライザの重み係数も同様に更新することができる。
【0066】
受信機204は、パイロットトーンを受信して該パイロットトーンをベースバンド表現へ変換することができる。受信されたパイロットトーンはその後、無線チャネルのために更新されたチャネル推定値を(例えば、最小二乗方式を使用して)決定する、受信したシーケンスを使用するチャネル推定器252へ入力されてもよい。
チャネル推定器252は、送信されたパイロットトーンの、チャネル推定値を決定するために受信された信号と比較するための、先験的な知識を有していてもよい。その後、チャネル推定値は、イコライザ258へ送られうる。
【0067】
パイロットロジック250が高SNRと判定した状況において、受信データ信号のベースバンド表現はイコライザの入力へ送られることで、イコライザ258へ現在印加されている重み係数に応じて、重み関数によって指示された方法で信号がフィルタ処理される。イコライザ258は、任意タイプのイコライザ構造(例えば、横断フィルタ、最尤シーケンス推定(MLSE)、その他を含む)を備えることができる。
適切に構成された場合、イコライザ258は、受信された信号内の望ましくないチャネル効果(例えば、シンボル間干渉)を低減又は除去することができる。
【0068】
パイロットロジック250が、SNRが低いと判定又はSNRが高いと判定した状況において、パイロットトーンを備える受信されたデータ信号は、位相追跡器254の入力へ送られる。
キャリア位相のオフセット、あるいはアクセスポイントの送信機によって導出された搬送波の周波数と、受信機によって導出された搬送波の周波数との差は、搬送周波数オフセット補正後に残留誤差を引き起こす可能性がある。
サンプリング周波数オフセットとともに搬送周波数オフセット補正後であっても、信号における残留搬送波の周波数オフセットは、サブキャリアにおける位相回転をOFDMパケット内で増加させる。
累積位相増分は、一つのパケットで送信できるOFDMシンボルの数を制限することができるので、位相追跡器254は、連続的に追跡し、効果を補償することができる。
低SNRの場合、位相追跡器254は、位相補正情報を決定して実装するためにパイロットトーンを処理することができる。
【0069】
高SNRの場合、位相追跡器254は、イコライザ258へ印加される重み係数を追跡する、受信したパイロットトーンを使用することができる。システム動作中、位相追跡器254は、パイロットトーンの振幅及び位相に基づいて、重み係数を定期的に更新することができる。受信されたパイロットトーンに加えて、位相追跡又は位相補正処理に使用するためのフィードバックとして、イコライザ258の出力からデータを、位相追跡器254は受信することができる。
位相追跡器254は、チャネル推定器252によって決定される初期チャネル重みを使用して、共分散行列(C)の重み係数を決定することができる。
その後、位相追跡器254は、(チャネル変化率に関連する)定数bの値を決定し、共分散行列(b*C)を変化させる重み係数を算出してもよい。そして、共分散行列を変化させる重み係数の平方根が決定され、修正された最小平均二乗(LMS)アルゴリズム内で使用されることで、更新されたチャネルの重み係数を決定し、それがイコライザ258へ適用される。
【0070】
ある実施形態では、パイロットロジック250は、送信におけるドップラー効果の有無を判定することができ、それに応答して、アクセスポイントへのNの選択を送信できる。
例えば、ドップラー効果が受信信号を弱めると判定しSNRが高いと判定することに応答して、パイロットロジック250のいくつかの実施形態は、受信機204がN=1であることを要求するアクセスポイントへ信号を出すことができるので、パイロットトーンは、全てのシンボル後にシフトする。
しかし、パイロットロジック250が、ドップラー効果が受信信号を弱めずSNRが低いと判定する場合、パイロットロジック250のいくつかの実施形態は、受信機204が
N=2」であることを要求するアクセスポイントへ信号を出すことができるので、パイロットトーンは、一つ置きのシンボルの後にシフトする。
【0071】
受信機204は、さらにOFDMモジュール222、復調器224、デインターリーバ225、およびデコーダ226を含むことができる。イコライザ258はOFDMパケットの加重データ信号をOFDMモジュール222へ出力できる。OFDM222は、情報伝達通信信号が変調されているもの上への複数のサブキャリアから、OFDMシンボルとして信号情報を、抽出する。
例えば、OFDMシンボルは、24個のデータサブキャリア、2個のパイロットサブキャリア、5個のガードサブキャリア、及び1個のDCサブキャリア、に関連するデータを含んでもよい。
【0072】
OFDMモジュール222はDBFモジュール220、及びSTBCモジュール221を含むことができる。受信された信号は、イコライザから供給され、N個のアンテナ信号をL個の情報信号へ変換する、DBFモジュール220へ供給される。STBCモジュール221は、時空間ストリームを空間ストリームへとデータストリームを変換することができる。
一実施形態では、復調は、FFTの出力データに並行して実施される。別の実施形態では、別個の復調器224は、別々に復調を実施する。
【0073】
復調器224は、空間ストリームを復調する。復調は、空間ストリームからデータを抽出して、復調された空間ストリームを生成する処理である。
情報が受信した搬送波信号へ変調され、この情報が通信信号に含まれる送信ベクトル(TXVECTOR)に含まれることによる方法に、復調の方法は依存する。そして、例えば、変調がBPSKである場合に、復調は、バイナリシーケンスを位相情報に変換する位相検出を含む。復調は、情報のビットからなるシーケンスを、デインターリーバ225へ提供する。
【0074】
デインターリーバ225は、情報のビットからなるシーケンスをデインターリーブすることができる。例えば、デインターリーバ225は、メモリの列内のビットのシーケンス(順序)を記憶してもよいし、情報のビットをデインターリーブする行のメモリからのビットを削除したり、出力したり、してもよい。
デコーダ226は、復調器224からのデインターリーブされたデータをデコードし、デコードされた情報であるMPDUを、MACサブレイヤロジック202へ送信する。
【0075】
ここで、トランシーバが、
図2には示されていない多数の追加の機能を含んでもよいこと、及び受信機204及び送信機206は、1つのトランシーバとしてパッケージ化されているのではなく、個別のデバイスをすることができることは、当業者にとって理解できる。例えば、トランシーバの実施形態は、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、基準発振器、フィルタ処理回路、同期回路、インターリーバ及びデインターリーバを備えることができ、場合によっては複数の周波数変換段と、複数の増幅段、等を含んでいてもよい。
さらに、
図2に示す機能の一部は、統合されてもよい。例えば、デジタルビームフォーミングは、直交周波数分割多重化と統合することができる。
【0076】
MACサブレイヤロジック201は、1又は複数のMPDUに含まれるフレームまたはフレームの特定のタイプを決定するように、1又は複数のMPDUをデコードし、又は解析することができる。
【0077】
図3A、
図3Bは、ある実施形態における、パイロットトーンを処理するものであって、通信を生成し、送信し、受信し、解析し、解釈するフローチャートを示す。
図3Aに示すように、フローチャート300は、S302において、パケットの帯域を周期的に横切るように位置をシフトするパイロットトーンを備えるOFDMパケットを受信することから始まる。多くの実施形態では、OFDMパケットは、一度に1つのシンボルを受信することができ、パイロットトーンは、設定可能な、計算された又は固定の値とすることができるN個のシンボルごとに、新しい位置に、シフトされてもよい。このように、パイロットトーンの位置は、次の位置に移行する前のN個のシンボルのために一定のままであってもよい。
【0078】
受信機がOFDMパケットを受信し始めた後、受信機は、イコライザの重み係数を設定するためにOFDMパケットのプリアンブルを処理し、プリアンブルにおけるトレーニングシーケンスに基づいて、初期チャネル推定を実行することができる。
S305において、受信機は、SNRを決定し、決定したSNRを、SNRが低いSNRか、又は低いSNRでないか(高いSNRか)を判定する閾値SNRと、比較することができる。値が低SNRの範囲以内に降下しない場合は、多くの例示的な実施形態では、SNRは、高(又は中〜高)SNRである。いくつかの実施形態では、受信機のフロントエンドの構成に基づいて、低SNRとして適正なSNRの正確な範囲を決定することができる。他の実施形態では、値は標準化されている。
【0079】
S305において、ある実施形態の受信機は、ドップラー効果が着信信号(入力信号)に影響を与えるかどうかを決定することができる。他のもの(例えば、車両内の無線装置)に対してかなりの速度で相対移動している1の無線装置からの、或いは、2つの無線装置(例えば、車両がエリア内を移動する)の間の信号の経路の近傍で、かなりの速度で移動している相当な大きさの対象物からの、ドップラー効果によって、信号劣化が引き起こされることが有り得る。
例えば、受信機が移動する自動車内などに携帯された場合及び送信が大きなペイロード(payload)を搬送する場合、送信機へ向かう及び送信機から離れる移動量は、信号の処理に影響を与えるのに十分である。
【0080】
SNRを決定した後、S310において、受信機は、SNRが高SNRか又は低SNRかを判定することができる。
SNRが低SNRである場合、受信機は、シフトするパイロットトーンのための適切な処理が、位相補正情報を決定して該位相補正情報に基づいて信号の位相を追跡する目的で、パイロットトーンを処理することであるかを判定することができる(S320)。このような実施形態では、受信機は、アクセスポイントからの信号のプリアンブルのトレーニングシーケンスに基づいて、オリジナルのチャネル推定値で動作するイコライザを更新するのではなく、イコライザを放置することができる。
【0081】
受信機が信号内にドップラー成分を検出した場合、受信機は、同じ場所に留まっているシフトするパイロットトーンのためのN個のシンボルの現在の数の組み合わせが、受信機の最高の性能を引き出すことができるかどうか、判定する。例えば、受信機は、ドップラー成分がOFDM伝送に存在するかどうかを決定するために、OFDM伝送のOFDMシンボルを処理することができる。
ある実施形態では、SNRが低く「N=2」のときに受信機が最高の実施をするので、S325において、受信機は、パイロットトーンがシンボルを一つ置きにシフトさせるよう、アクセスポイントへ信号を送ることができる。
【0082】
一方、S310において、受信機が、SNRが高SNRであると判断する場合、受信機は、シフトするパイロットトーンの適切な処理が、チャネル推定と位相追跡の両方を含むことであると判定できるので、受信機は、キャリア周波数オフセット補正信号をチャネル推定器と位相追跡器とへ提供して、チャネル推定と位相追跡を実行する(S330)。
チャネル推定器は、チャネルを推定することができ、該チャネル推定をイコライザへ提供して、信号に適用される重み係数を更新するようにする。位相追跡器は、信号から決定された位相補正情報に基づいて、位相を追跡することができる。いくつかの実施形態では、位相追跡器はまた、イコライザへ位相補正情報を提供することができ、イコライザへ重み係数を更新するようにする。
【0083】
ある実施形態では、SNRが高く「N=1」のときに受信機が最高の実施をするので、アクセスポイントが後続のパケットを、Nシンボル毎にシフトするパイロットトーンを備える受信機へ送ることを示すように、受信機はアクセスポイントへの「N=1」のための優先度(選択、preference)を通信することができる(S335)。
【0084】
図3Bを参照して、フローチャート350は、
図2で示した受信機204のような受信局が、アンテナアレイ218のアンテナ素子などの1又は複数のアンテナ素子を介して、通信信号を受信することから開始する(S355)。
通信信号は、Nシンボルごとに新しい位置へシフトするパイロットトーンを含むことができる。従って、パイロットトーンの位置は、Nシンボルの間は一定のままで、その後、次の位置へ移行する。その後、受信機は、適切なアルゴリズムを用いてチャネル推定を行うように、N個のパイロットシンボルを使用することができる。
【0085】
受信機は、プリアンブルに記載された方法に従って、通信信号を1又は複数のMPDUへ変換することができる(S360)。
より具体的には、受信された信号は、1又は複数のアンテナから、等化及び位相補正のためのパイロットロジック250などのパイロットへ供給され、その後、DBF220などのDBFへ供給される。DBFは、信号を情報信号へ変換する。DBFの出力は、OFDM222などのOFDMへ供給される。
OFDMは、情報担持信号が変調される複数のサブキャリアから、信号情報を抽出する。その後、復調器224などの復調器は、例えば、BPSK、16−QAM、64−QAM、256−QAM、QPSK、又はSQPSKを介して、信号情報を復調する。
そして、デコーダ226などのデコーダは、例えば、BCCまたはLDPCを介して、復調器からの信号情報をデコードし、1又は複数のMPDUを抽出する(S360)。そして、(デコーダは)1又は複数のMPDUをMACサブレイヤロジック202などのMACサブレイヤロジックへ送信する(S365)。
【0086】
MACサブレイヤロジックは、各MPDUのフレームを解析し、解釈することができる。
例えば、MACサブレイヤロジックは、フレームタイプとサブタイプを決定するようにフレームを解析し、解釈することができる。
【0087】
以下の実施例は、実施形態に適切である。ある例では、下記方法を含む。方法は、複数の直交周波数分割多重シンボルのシンボルインデックス間の位置を周期的にシフトするパイロットトーンを備える、直交周波数分割多重伝送を受信するステップと、信号対雑音比が低いかどうかを決定するために、前記直交周波数分割多重伝送を処理するステップと、前記直交周波数分割多重伝送の前記処理に基づいてチャネル更新を実施するステップと、を含んでいる。ここで、前記チャネル更新は位相追跡を含み、前記信号対雑音比が低くない場合には、前記チャネル更新は前記位相追跡及びイコライザを更新することを含む。
【0088】
ある実施形態において、方法は、ドップラー効果が存在するかどうかを判定するために受信機が移動しているかどうかを判定するステップを、さらに有する。
ある実施形態において、方法は、アクセスポイントに対して、前記信号対雑音比が低い場合にはシンボルを一つ置きにシフトさせ、前記信号対雑音比が高い場合にはシンボル毎にシフトさせる、前記パイロットトーンのための優先度を示すように、信号を出すステップを、さらに有する。
多くの実施形態において、前記複数の直交周波数分割多重シンボルの前記シンボルインデックス間の位置を周期的にシフトする前記パイロットトーンを備える、前記直交周波数分割多重伝送を受信するステップは、N個の直交周波数分割多重シンボルごとにパイロットトーンをシフトさせるパイロットトーンを備える、直交周波数分割多重伝送を受信することを含む。
複数の実施形態において、前記複数の直交周波数分割多重シンボルの前記シンボルインデックス間の位置を周期的にシフトする前記パイロットトーンを備える、直交周波数分割多重伝送を受信するステップは、直交周波数分割多重シンボルごとにパイロットトーンをシフトさせるパイロットトーンを備える、直交周波数分割多重伝送を受信することを含む。
複数の実施形態において、前記直交周波数分割多重伝送を処理するステップは、ドップラー成分が前記直交周波数分割多重伝送に存在するかどうかを判定するOFDMシンボルを処理することを含む。
複数の実施形態において、前記直交周波数分割多重伝送を処理するステップは、長いトレーニングシーケンスに基づいてチャネル推定値を決定し、及び前記長いトレーニングシーケンスに基づいて、前記イコライザの初期係数を設定する、プリアンブルを処理すること、を含む。
そして、ある実施形態において、前記直交周波数分割多重伝送を処理するステップは、チャネル及び位相情報を判定するパイロットトーンを処理することを含み、前記チャネル及び前記位相情報は、チャネル状態情報及び位相補正情報を含む。
【0089】
他の例の実施形態では、装置を含む。装置は、下記パイロットロジック(ロジック)と直交周波数分割多重化とを有する。パイロットロジックは、複数の直交周波数分割多重シンボルのシンボルインデックス間の位置を周期的にシフトするパイロットトーンを備える、直交周波数分割多重伝送を受信し;信号対雑音比が低いかどうかを判定するために、前記直交周波数分割多重伝送を処理し;前記直交周波数分割多重伝送の前記処理に基づいてチャネル更新を実施する;ことに結び付けられるロジックあって、前記チャネル更新は位相追跡を含む。ここで、前記信号対雑音比が低くない場合には前記チャネル更新は、前記位相追跡及びイコライザを更新することを含む。直交周波数分割多重化は前記ロジックを伴う。
【0090】
ある実施形態において、直交周波数分割多重伝送(OFDM)を受信するパイロットロジックを伴うアンテナを、さらに有する。
ある実施形態において、前記パイロットロジックは、ドップラー成分が直交周波数分割多重伝送に存在するかどうかを判定するOFDMを処理するロジックを含む。
ある実施形態において、前記パイロットロジックは、アクセスポイントに対して、前記信号対雑音比が低い場合にはシンボルを一つ置きにシフトさせ、前記信号対雑音比が高い場合にはシンボル毎にシフトさせる、前記パイロットトーンのための優先度を示すようにと、信号を出すロジック、を含む。
複数ある実施形態において、前記パイロットロジックは、ドップラー成分が直交周波数分割多重伝送に存在するかどうかを判定するプリアンブルを処理するロジックを含む。
ある実施形態において、前記パイロットロジックは、チャネルのためのチャネル状態情報及び位相補正情報を判定するパイロットトーンを処理するロジックを含む。
ある実施形態において、前記パイロットロジックは、N個の直交周波数分割多重シンボルごとパイロットトーンをシフトさせるパイロットトーンを備える、直交周波数分割多重伝送を受信するロジックを含む。
そして、ある実施形態において、パイロットロジックは、前記直交周波数分割多重伝送を処理するステップは、長いトレーニングシーケンスに基づいてチャネル推定値を決定し、及び前記長いトレーニングシーケンスに基づいて、前記イコライザの初期係数を設定するプリアンブルを処理するロジックを含む。
【0091】
さらに別の実施形態はシステムを含む。システムは、メモリを伴う受信機と送信機とを有する。受信機は、複数の直交周波数分割多重シンボルのシンボルインデックス間の位置を周期的にシフトするパイロットトーンを備える、直交周波数分割多重伝送を受信し;信号対雑音比が低いかどうかを判定するために、前記直交周波数分割多重伝送を処理し;前記直交周波数分割多重伝送の前記処理に基づいてチャネル更新を実施する。ここで、前記チャネル更新は位相追跡を含み、前記信号対雑音比が低くない場合には前記チャネル更新は、前記位相追跡及びイコライザを更新することを含む。送信機は、位置を周期的にシフトするパイロットトーンを備える、第2の直交周波数分割多重伝送を送信する。
【0092】
ある実施形態において、システムは、直交周波数分割多重伝送を受信する前記受信機と、第2の直交周波数分割多重伝送を送信する前記送信機とに結合されたアンテナアレイ、をさらに有する。
ある実施形態において、前記受信機は、ドップラー成分が伝送における直交周波数分割多重に存在するかどうか、判定するプリアンブルを処理するロジックを含む。
ある実施形態において、前記受信器は、アクセスポイントに対して、前記信号対雑音比が低い場合にはシンボルを一つ置きにシフトさせ、前記信号対雑音比が高い場合にはシンボルごとにシフトさせる、前記パイロットトーンのための優先度を示すように、信号を出す、ロジックを含む。
ある実施形態において、前記受信機は、ドップラー成分が伝送における直交周波数分割多重に存在するかどうか、判定するOFDMシンボルを処理するロジックを備える。
ある実施形態において、前記受信機は、チャネルのためのチャネル状態情報及び位相補正情報を判定するパイロットトーンを処理するロジックを含む。
ある実施形態において、前記受信機は、N個の直交周波数分割多重シンボルごと毎にパイロットトーンをシフトさせるパイロットトーンを備える、直交周波数分割多重伝送を受信するロジックを含む。
そして、ある実施形態において、受信機は、前記直交周波数分割多重伝送を処理するステップは、長いトレーニングシーケンスに基づいてチャネル推定値を決定し、及び前記長いトレーニングシーケンスに基づいて、前記イコライザの初期係数を設定する、プリアンブルを処理するロジックを、を含む。
【0093】
以下の実施例は、さらなる実施形態に関連する。一例では、機械アクセス可能な製造物を含む。
機械アクセス可能な製造物は、シフトするパイロットトーンを備えるチャネル更新のための命令を備えるメディアを含み、命令は、アクセスポイントによって実行されたときに、アクセスポイントに下記動作を実行させる。
動作は、複数の直交周波数分割多重シンボルのシンボルインデックス間の位置を周期的にシフトするパイロットトーンを備える、直交周波数分割多重伝送を受信する動作と、信号対雑音比が低いかどうかを決定するために、前記直交周波数分割多重伝送を処理する動作と、前記直交周波数分割多重伝送の前記処理に基づいてチャネル更新を実施する動作と、を有する。ここで、前記チャネル更新は位相追跡を含み、前記信号対雑音比が低くない場合には、前記チャネル更新は前記位相追跡及びイコライザを更新することを含む。
【0094】
ある実施形態では、動作は、アクセスポイントに対して、前記信号対雑音比が低い場合にはシンボルを一つ置きにシフトさせ、前記信号対雑音比が高い場合にはシンボル毎にシフトさせる、前記パイロットトーンのための優先度を示すように、信号を出すことを、さらに有する、
ある実施形態において、前記複数の直交周波数分割多重シンボルの前記シンボルインデックス間の位置を周期的にシフトする前記パイロットトーンを備える、前記直交周波数分割多重伝送を受信する動作は、N個の直交周波数分割多重シンボルごとにパイロットトーンをシフトさせるパイロットトーンを備える、直交周波数分割多重伝送を受信することを含む。
多くの実施形態において、前記直交周波数分割多重伝送を処理する動作は、ドップラー効果が存在するかどうかを判定するために受信機が移動しているかどうかを判定するOFDMシンボルを処理すること、を含む。
複数の実施形態において、動作は、アンテナアレイを介して、直交周波数分割多重伝送(OFDM)を受信すること、をさらに有する。
複数の実施形態において、前記チャネル及び前記位相情報を判定するパイロットトーンを処理する動作は、チャネルのためのチャネル状態情報及び位相補正情報を判定することを含む。
複数の実施形態において、前記直交周波数分割多重伝送を処理する動作は、前記直交周波数分割多重伝送を処理するステップは、長いトレーニングシーケンスに基づいてチャネル推定値を決定し、及び前記長いトレーニングシーケンスに基づいて、前記イコライザの初期係数を設定する、プリアンブルを処理することを、を含む。
そして、ある実施形態において、前記複数の直交周波数分割多重シンボルの前記シンボルインデックス間の位置を周期的にシフトする前記パイロットトーンを備える、直交周波数分割多重伝送を受信する動作は、直交周波数分割多重シンボルごとにパイロットトーンをシフトさせるパイロットトーンを備える、直交周波数分割多重伝送を受信することを含む。
【0095】
ある実施形態では、上記及び特許請求の範囲に記載の特徴のいくつか又は全ては、1つの実施形態で実施することができる。例えば、どの代替物を実施するかを決定するロジック又は選択可能な優先度に沿って、1つの実施形態で、代替的な特徴を代替物として実施時されてもよい。
相互に排他的ではない特徴を備えるいくつかの実施形態はまた、一又は複数の特徴を活性化する又は不活性化するロジック又は選択可能な優先度を含むことができる。例えば、いくつかの特徴は、回路経路又はトランジスタを含むこと又は除去することにより、製造時に選択されてもよい。
さらなる特徴は、ロジック、又はディップスイッチなどの選択的な優先度(選択:preference)を介して、展開時や展開後に、選択されてもよい。このようなソフトウェアの優先度、eヒューズなどの選択可能な優先度を介して、ユーザーは、さらに別の特徴を選択することもできる。
【0096】
多くの実施形態は、1つ以上の有利な効果を奏することができる。例えば、いくつかの実施形態は、標準的なMACヘッダーのサイズに対して縮小したMACヘッダーのサイズを提供することができる。
さらなる実施形態は、より効率的な伝送のための小さいパケットサイズ、送信機と受信機の両方の側での通信のデータトラフィックの減少による低消費電力、よりトラフィックの衝突の減少、パケットの送受信の待ち時間の削減などの、1つ以上の有利な効果を奏することができる。
【0097】
別の実施形態は、
図1〜
図3Bを参照して説明した、システム、装置及び方法のためのプログラム製品として、実装される。
実施形態は、完全なハードウェア実施形態の形、1又は複数のプロセッサとメモリなどの汎用ハードウェアを介して実施されるソフトウェア実施形態の形、又は、特定用途のハードウェアとソフトウェアの両方を含む実施形態の形を取ることができる。
1つの実施形態では、ソフトウェア又はコードで実装されているが、ここに含むものは、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード、又は他のタイプの実行可能命令に限定されるものではない。
【0098】
さらに、実施形態は、コンピュータ、モバイルデバイス、または他の任意の命令実行システムによって、又はこれらに関連して使用されるプログラムコードを提供する機械アクセス可能、コンピュータ使用可能又はコンピュータ可読の媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品の形態を取ることができる。
この説明のために、機械アクセス可能、コンピュータ使用可能又はコンピュータ可読の媒体は、命令実行システム又は装置によって、又はこれらに関連して使用されるプログラムを含み、格納し、通信し、伝播し、搬送する、任意の装置又は製造品である。
【0099】
媒体は、電子、磁気、光学、電磁、又は半導体システムの媒体を含むことができる。機械アクセス可能、コンピュータ使用可能、又はコンピュータ可読の媒体の例としては、揮発性メモリおよび不揮発性メモリ等のメモリを含む。
メモリは、例えば、フラッシュメモリ、磁気テープ、取り外し可能コンピュータ・ディスケット、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、リジッド磁気ディスク、及び/又は光ディスクなどの半導体又は固体のメモリを含むことができる。光ディスクの一例として、コンパクトディスク・読み取り専用メモリ(CD−ROM)、コンパクトディスク・読み取り/書き込みメモリ(CD−R/W)、デジタルビデオディスク(DVD)読み取り専用メモリ(DVD−ROM)、DVD・ランダムアクセスメモリ(DVD−RAM)、DVDレコーダブルメモリ(DVD−R)、及びDVD−読み取り/書き込みメモリ(DVD−R/W)、を含みうる。
【0100】
命令実行システムは、メモリに直接またはシステムバスを介して間接的に結合される少なくとも1つのプロセッサを含むことができるプログラム・コードを格納及び/又は実行するのに適している。メモリは、コードの実際の実行中に適用されるローカル・メモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)のような大容量記憶装置、及び実行中の大容量記憶装置から取り出すべきコードの時間コードの数を減らすために少なくともいくつかのコードの一時的な記憶を提供するキャッシュメモリ、を含むことができる
【0101】
入力/出力又は入出力(I/O)装置(キーボード、ディスプレイ、ポインティングデバイスを含むが、これらに限定されない)は、直接又は介在するI/Oコントローラを介して、命令実行システムと結合することができる。
また、ネットワークアダプタは、命令実行システムと接続でき、命令実行システムを、他の介在するプライベート又は公衆ネットワークを介して、他の命令実行システム又は遠隔プリンターと接続させることを可能にする。
モデム、ブルートゥース(登録商標)、イーサネット(登録商標)、Wi−Fi及びWidiのアダプタ・カードは、ネットワークアダプタの現在利用可能なタイプのほんの一部に過ぎない。