特許第5960358号(P5960358)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5960358
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】電子蒸気供給装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20060101AFI20160719BHJP
   A61M 15/06 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   A24F47/00
   A61M15/06 A
【請求項の数】27
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-522060(P2015-522060)
(86)(22)【出願日】2013年7月15日
(65)【公表番号】特表2015-527884(P2015-527884A)
(43)【公表日】2015年9月24日
(86)【国際出願番号】EP2013064922
(87)【国際公開番号】WO2014012894
(87)【国際公開日】20140123
【審査請求日】2015年1月21日
(31)【優先権主張番号】1212599.3
(32)【優先日】2012年7月16日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】513305995
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ ホールディングス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103285
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 順之
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ロード、クリストファー
【審査官】 宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−029633(JP,A)
【文献】 特表2009−537119(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/079932(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第2022349(EP,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第2468116(EP,A1)
【文献】 独国特許出願公開第2653133(DE,A1)
【文献】 米国特許第5322075(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0306084(US,A1)
【文献】 米国特許第2057353(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0000638(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 47/00
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力電池と気化器とを含み、この気化器は加熱エレメントと該加熱エレメントを支持するように構成された加熱エレメント支持体とを含み、1つ以上の隙間が加熱エレメントと加熱エレメント支持体との間に設けられており、前記加熱エレメントは前記加熱エレメント支持体の支持外方面に位置し、前記1つ以上の隙間が加熱エレメントと支持外方面との間に設けられている電子蒸気供給装置。
【請求項2】
前記加熱エレメントと加熱エレメント支持体は、加熱ロッドを形成することを特徴とする請求項1記載の電子蒸気供給装置。
【請求項3】
前記加熱エレメント支持体は、硬質の支持体であることを特徴とする請求項1または2記載の電子蒸気供給装置。
【請求項4】
前記加熱エレメント支持体は多孔性であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の電子蒸気供給装置。
【請求項5】
前記加熱エレメント支持体は多孔性セラミック材を含むことを特徴とする請求項4記載の電子蒸気供給装置。
【請求項6】
前記加熱エレメントは加熱コイルであることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項
記載の電子蒸気供給装置。
【請求項7】
前記加熱コイルは加熱エレメント支持体の周りに螺旋状に巻かれていることを特徴とする請求項6記載の電子蒸気供給装置。
【請求項8】
コイルターンと加熱エレメント支持体との間に前記1つ以上の隙間があることを特徴とする請求項6または7記載の電子蒸気供給装置。
【請求項9】
前記気化器は、使用の際、負圧領域になるように構成されている気化キャビティーをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の電子蒸気供給装置。
【請求項10】
前記加熱エレメントの少なくとも一部は、気化キャビティーの内側にあることを特徴とする請求項9記載の電子蒸気供給装置。
【請求項11】
マウスピースセクションを含み、前記気化器はマウスピースセクションの一部であることを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項記載の電子蒸気供給装置。
【請求項12】
前記加熱エレメント支持体は長手方向に細長いものであることを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項記載の電子蒸気供給装置。
【請求項13】
前記加熱エレメント支持体はこれに沿って長手方向に延びた1つ以上の側部流路を有することを特徴とする請求項12記載の電子蒸気供給装置。
【請求項14】
前記加熱エレメント支持体は、これに沿って長手方向に延びた側部流路を2つ以上含み、これら側部流路は、加熱エレメント支持体の周りに実質的に均一に配分されていることを特徴とする請求項13記載の電子蒸気供給装置。
【請求項15】
前記加熱エレメント支持体は窪んだ表面を有することを特徴とする請求項12記載の電子蒸気供給装置。
【請求項16】
前記加熱エレメント支持体の断面形状は多角形であることを特徴とする請求項12記載の電子蒸気供給装置。
【請求項17】
前記多角形は幅の狭い矩形であることを特徴とする請求項16記載の電子蒸気供給装置。
【請求項18】
前記加熱エレメント支持体の断面形状は楕円形であることを特徴とする請求項12記載の電子蒸気供給装置。
【請求項19】
前記加熱エレメント支持体の断面形状は3つの円が重なって一緒になったものと等しいことを特徴とする請求項12記載の電子蒸気供給装置。
【請求項20】
前記加熱エレメント支持体の断面形状は十字形状であることを特徴とする請求項12記載の電子蒸気供給装置。
【請求項21】
前記十字形状は4本の腕部または8本の腕部を有することを特徴とする請求項20記載の電子蒸気供給装置。
【請求項22】
前記加熱エレメント支持体は平坦な基板であることを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項記載の電子蒸気供給装置。
【請求項23】
前記加熱エレメントは加熱エレメント支持体を通り抜けていることを特徴とする請求項22記載の電子蒸気供給装置。
【請求項24】
前記加熱エレメントは加熱エレメント支持体に包まれていることを特徴とする請求項22記載の電子蒸気供給装置。
【請求項25】
前記加熱エレメント支持体は穴を有する基板であることを特徴とする請求項22、23
または24記載の電子蒸気供給装置。
【請求項26】
さらに液体貯蔵部と、
液体を液体貯蔵部から液体を気化させるための加熱エレメントに吸い上げるように構成された吸い上げエレメントと、
加熱エレメントから気化された液体が通過する空気出口とを含み、
前記動力電池が前記加熱エレメントに動力を与えるためのものであることを特徴とする請求項1乃至25いずれか1項記載の電子蒸気供給装置。
【請求項27】
加熱エレメントと加熱エレメント支持体とを含み、
1つ以上の隙間が加熱エレメントと該加熱エレメントを支持するように構成された加熱エレメント支持体との間に設けられており、
前記加熱エレメントは前記加熱エレメント支持体の支持外方面に位置し、
前記1つ以上の隙間が加熱エレメントと支持外方面との間に設けられている、請求項1乃至26いずれか1項記載の電子蒸気供給装置に使用される気化器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は電子蒸気供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子紙巻きタバコなどの電子蒸気供給装置は、通常紙巻きタバコと同じサイズであり、マウスピースに吸引力を加えることによって液体貯蔵部からニコチンを含む蒸気をユーザーに吸引させることによって機能する。いくつかの電子蒸気供給装置は、ユーザーが吸い込みによる力を加えてヒーターコイルを加熱して、液体を気化させる際に作動する気流センサーを備えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ある実施態様では動力電池と気化器とを含む電子蒸気供給装置が提供され、この気化器は加熱エレメントと加熱エレメント支持体とを含み、隙間が加熱エレメントと加熱エレメント支持体との間に設けられている。加熱エレメントは加熱エレメント支持体の外側にあってもよい。さらに加熱エレメント支持体は支持外方面を有してもよく、隙間を加熱エレメントと支持外方面との間に設けてもよい。さらに加熱エレメントと加熱エレメント支持体は、加熱ロッドを形成してもよい。
【0004】
別の実施態様では加熱エレメントと加熱エレメント支持体とを含む蒸気供給装置に使用するための気化器が提供され、隙間が加熱エレメントと加熱エレメント支持体との間に設けられている。
【0005】
別の実施態様では液体貯蔵部と、液体を液体貯蔵部から液体を気化させるための加熱エレメントに吸い上げるように構成された吸い上げエレメントと、加熱エレメントによって製せられた気化された液体のための空気出口と、加熱エレメント支持体とを含む電子蒸気供給装置が提供され、隙間が加熱エレメントと加熱エレメント支持体との間に設けられている。
【0006】
電子蒸気供給装置は加熱エレメントに動力を供給するための動力電池を含んでもよい。
【0007】
本開示がより良好に理解されるようにそして例示的実施態様がいかにして実施されるかを示すために添付図面を参照して以下に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電子紙巻きタバコの側面斜視図である。
図2】垂直コイルを有する電子紙巻きタバコの略式断面図である。
図3】平行コイルを有する電子紙巻きタバコの略式断面図である。
図4】加熱エレメントコイルの側面斜視図である。
図5】窪んだ表面を有する円筒状の加熱エレメント支持体の側面斜視図である。
図6】加熱エレメントコイルと窪んだ表面を有する加熱エレメント支持体の側面斜視図である。
図7】溝を有する加熱エレメント支持体の側面斜視図である。
図8】加熱エレメントコイルと溝を有する加熱エレメント支持体の側面斜視図である。
図9図7の加熱エレメント支持体の端面図である。
図10図8の加熱エレメントコイルと支持体の端面図である。
図11】コイルと溝を有する加熱エレメント支持体の端面図である。
図12】コイルと環状の断面を有する加熱エレメント支持体の端面図である。
図13】コイルと楕円の断面を有する加熱エレメント支持体の端面図である。
図14】コイルと平坦な断面を有する加熱エレメント支持体の端面図である。
図15】コイルと4つの腕部がクロスした断面を有する加熱エレメント支持体の端面図である。
図16】コイルと8つの腕部がクロスした断面を有する加熱エレメント支持体の端面図である。
図17】コイルと八角形の断面を有する加熱エレメント支持体の端面図である。
図18】コイルと三角形の断面を有する加熱エレメント支持体の端面図である。
図19】コイルと正方形の断面を有する加熱エレメント支持体の端面図である。
図20】コイルと六角形の断面を有する加熱エレメント支持体の端面図である。
図21】コイルと五角形の断面を有する加熱エレメント支持体の端面図である。
図22】コイルと3つの円が一緒になった断面を有する加熱エレメント支持体の端面図である。
図23】加熱エレメント支持体基板と加熱エレメントの前面図である。
図24】加熱エレメント支持体とこれを通り抜ける加熱エレメントの前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ある実施態様において動力電池と気化器とを含む電子蒸気供給装置が提供され、気化器は加熱エレメントと加熱エレメント支持体とを含み、隙間が加熱エレメントと加熱エレメント支持体との間に設けられている。
【0010】
加熱エレメントと支持体を別個に有することによって、加熱エレメントを小さく構成することが可能になる。このことは小さい加熱エレメントは効率的に加熱されるので有利である。加熱エレメントと加熱エレメント支持体との間に隙間を設けることによって、液体を気化のために隙間領域に集め、貯蔵することができる。また隙間は液体を加熱エレメントに吸い上げる機能を果たすことができる。また加熱エレメントと支持体との間に隙間を設けることは、露出する加熱エレメントの表面積が大きくなることを意味し、これにより加熱および気化のための表面積を大きくすることができる。
【0011】
加熱エレメントは加熱エレメント支持体の外側にあってもよい。さらに加熱エレメント支持体は支持外方面を含んでもよく、隙間を加熱エレメントと支持外方面との間に設けてもよい。
【0012】
加熱エレメントと加熱エレメント支持体は加熱ロッドを形成してもよい。加熱エレメント支持体は、例えば硬質の支持体であってもよく、および/または加熱エレメント支持体は中実であってもよい。硬質または中実の支持体によりより脆弱であるが、より効率的な加熱エレメントを使用することができるという利点が得られる。この支持体と加熱エレメントを組み合わせることにより、より頑丈な加熱ロッドが得られる。
【0013】
加熱エレメント支持体は多孔性であってもよい。例えば、加熱エレメント支持体は多孔性セラミック材を含んでもよい。多孔性の支持体を用いることにより液体を多孔性の支持体に貯蔵することができる。従って液体を簡単に加熱エレメントによる気化のために支持体と接触する加熱エレメントに移行させることができる。また加熱エレメントと支持体との間の隙間によって液体を多孔性の支持体から加熱エレメント上にそして貯蔵のための多孔性の支持体の両方に吸い上げることが可能になる。
【0014】
加熱エレメントは加熱エレメント支持体の周りに形成することができる。例えば加熱エレメントは加熱コイルであってもよい。さらに加熱コイルは支持体の周りに螺旋状に巻かれてもよい。加熱コイルは、例えばワイヤーコイルであってもよい。コイルターンと加熱エレメント支持体との間に隙間があってもよい。コイルターンと加熱エレメント支持体との間に複数の隙間があってもよい。
【0015】
支持体に巻かれた加熱エレメントを有することによって頑丈な構造が得られる。また支持体はワイヤーが支持体に巻かれるようにすることでコイルの作製を容易にする。コイルターンと支持体との間に隙間を設けることによって、液体を隙間に吸い上げ、気化のために隙間に保持することができる。特に液体をコイルターンの間のスペースおよびコイルターンと支持体との間の隙間内に吸い上げることができる。
【0016】
気化器はさらに気化キャビティーを含んでもよく、これは使用の際負圧領域になるように構成されている。加熱エレメントの少なくとも一部は、気化キャビティーの内側にあってもよい。さらに電子蒸気供給装置はマウスピースセクションを含んでもよく、気化器はマウスピースセクションの一部であってもよい。
【0017】
特にユーザーが電子蒸気供給装置を介して吸入した際に負圧領域になる気化キャビティーに加熱エレメントを有することによって、液体は直接気化され、ユーザーによって吸入される。
【0018】
加熱エレメント支持体は長手方向に細長いものであってもよい。さらに加熱エレメント支持体はこれに沿って長手方向に延びた側部流路を有してもよい。これとは別にまたはこれに加えて加熱エレメント支持体は、これに沿って長手方向に延びた側部流路を2つ以上含んでもよい。さらに側部流路は、加熱エレメント支持体の周りに実質的に均一に配分されてもよい。
【0019】
支持体の流路は支持体と加熱エレメントとの間に自然に隙間を供する。特にこのような隙間は加熱エレメントが支持体に巻かれたコイルである場合に形成されやすい。従って流路は液体を吸い上げ、貯蔵するために必要な隙間を供する。また露出する加熱エレメントの領域は流路に沿って増加し、これはこの領域での気化の増加につながる。
【0020】
加熱エレメント支持体は非円筒状であってもよい。加熱エレメント支持体は円筒状ではないが、円筒状のようなものであってもよい。加熱エレメント支持体は非円形の断面を有してもよい。さらに加熱エレメント支持体は窪んだ表面を有してもよい。
【0021】
コイルは形成されるときはワイヤーの剛性によって自然に円筒状になるので、非円筒状の支持体はコイルと支持体との間に自然に隙間ができるという利点を有する。これらの隙間は吸い上げ、液体の貯蔵および気化の増加につながる。窪んだ表面を有する円筒状の支持体は、窪んだ領域で支持体とコイルとの間に隙間を供する。横断面は長尺の長さ方向に対して直角な断面である。
【0022】
加熱エレメント支持体の断面形状は多角形であってもよい。例えば、加熱エレメント支持体の断面形状は3つの辺、4つの辺、5つの辺、6つの辺または8つの辺を有してもよい。
【0023】
これとは別に加熱エレメント支持体の断面形状は幅の狭い矩形であってもよい。これとは別に加熱エレメント支持体の断面形状は楕円形であってもよい。これとは別に加熱エレメント支持体の断面形状は3つの円が重なって一緒になったものと等しいものでもよい。
【0024】
これとは別に加熱エレメント支持体の断面形状は十字形状であってもよい。加熱エレメント支持体の断面形状は、4本の腕部がクロスした形状、または8本の腕部がクロスした形状であってもよい。
【0025】
これらの支持体の種々の形状によって、支持体とこれに巻かれた加熱エレメントコイルとの間に自然に隙間が生じる。これらの隙間は吸い上げ、液体の貯蔵および気化の増加につながる。
【0026】
これとは別に加熱エレメント支持体は平坦な基板であってもよい。さらに加熱エレメントは加熱エレメント支持体の一表面上にあってもよい。さらに加熱エレメントは加熱エレメント支持体を通り抜けてもよい。加熱エレメントは加熱エレメント支持体に包まれてもよい。さらに加熱エレメント支持体は穴を有する基板であってもよい。
【0027】
別の実施態様では液体貯蔵部と、液体を液体貯蔵部から液体を気化させるための加熱エレメントに吸い上げるように構成された吸い上げエレメントと、気化された液体が通過する空気出口と、加熱エレメント支持体とを含む電子蒸気供給装置が提供され、隙間が加熱エレメントと加熱エレメント支持体との間に設けられている。電子蒸気供給装置は加熱エレメントに動力を供給するための動力電池を含んでもよい。
【0028】
図1を参照するとマウスピース2と胴体3とを含む電子紙巻きタバコ1の形状の電子蒸気供給装置1の実施態様が示されている。電子紙巻きタバコ1は円筒形状を有する従来の紙巻きタバコのような形状である。マウスピース2は空気出口4を有し、電子紙巻きタバコ1は、ユーザーが電子紙巻きタバコ1のマウスピース2を口に入れて、空気出口4を介して空気を引き込みながら吸入すると作動する。マウスピース2および胴体3は両方とも円筒状であり、互いに同軸に接続して従来の紙巻きタバコの形状になるように構成されている。
【0029】
図2図1の電子紙巻きタバコ1の一例を示している。胴体3はバッテリー装置5部分と気化器6部分を含む2つの着脱自在の部品を含み、マウスピース2は液体貯蔵部7を含む。電子紙巻きタバコ1は組み立てられた状態に示されており、着脱自在の部品2、5、6がマウスピース2、気化器6、バッテリー装置5の順番で接続される。液体は液体貯蔵部7から気化器6へと吸い上げられる。バッテリー装置5はバッテリー装置5と気化器6との相互電気接続を介して気化器6に電力を供給する。気化器6は吸い上げられた液体を気化させ、その蒸気が空気出口4を通って出る。液体は例えばニコチン溶液であってもよい。
【0030】
バッテリー装置5は、バッテリー装置ケーシング8と、動力電池9と、電気接触部10と制御回路11とを含む。
【0031】
バッテリー装置ケーシング8は、第1端部12で開口した中空の円筒である。例えば、バッテリー装置ケーシング8はプラスチックであってもよい。電気接触部10はケーシング8の第1端部12に位置し、動力電池9および制御回路11はケーシング8の空洞内に位置する。動力電池9は、例えばリチウム電池であってもよい。
【0032】
制御回路11は圧力センサー13とコントローラー14とを含み、動力電池9によって動力が供給される。コントローラー14は圧力センサー13とインターフェースを取り、動力電池9から気化器6への電力の供給を制御するように構成されている。
【0033】
気化器6は気化器ケーシング15と、電気接触部16と、加熱エレメント17と、吸い上げエレメント18と、気化キャビティー19と、加熱エレメント支持体20とを含む。
【0034】
気化器ケーシング15は空気入り口21を有する両端が開口した中空の円筒である。例えば気化器ケーシング15はアルミニウム合金で形成してもよい。空気入り口21は気化器ケーシング15の第1端部22で気化器ケーシング15に設けられた穴である。電気接触部16は気化器ケーシング15の第1端部22に位置している。
【0035】
気化器ケーシング15の第1端部22は、バッテリー装置ケーシング8の第1端部12取り外し自在に接続されていて、気化器の電気接触部16がバッテリー装置の電気接触部10に電気的に接続されている。例えば、装置1は気化器ケーシング15がねじ式接続によってバッテリー装置ケーシング8に接続するように構成してもよい。
【0036】
図4および6に例示するように加熱エレメント17は、一本のワイヤーで形成され、加熱エレメントコイル23および2本のリード線24を含む。例えば、加熱エレメントはニクロムで形成されてもよい。コイル23はワイヤーが軸Aを中心に螺旋に形成されるワイヤーの部分である。コイル23の両端でワイヤーはその螺旋形状から離れ、リード線24を供する。リード線24は電気接触部16に接続され、これにより動力電池9によって供される電力をコイル23に送るように構成されている。
【0037】
コイル23のワイヤーの直径は約0.12mmである。コイル23の長さは約25mmであり、内径は約1mmであり、螺旋ピッチは約420ミクロメートル。コイルの連続するターン間の空隙は従って約300ミクロメートルである。
【0038】
加熱エレメント17は気化器ケーシング15の第2端部25の方に位置し、コイル23の軸Aが気化器ケーシング15の円筒軸Bに直角になるように配向されている。加熱エレメント17は、従って電子紙巻きタバコ1の長手方向軸Cに対して直角である。さらに装置1は、ユーザーが装置で吸い込みを行うときに装置を流れる空気流に対してコイルの軸Aが実質的に直交するように構成されている。ユーザーによる装置1の使用については下記でより具体的に説明する。
【0039】
吸い上げエレメント18はマウスピース2の液体貯蔵部7と接触する気化器ケーシング15から延びている。吸い上げエレメント18は、マウスピース2の液体貯蔵部7から加熱エレメント17へと方向Wに液体を吸い上げるように構成されている。より具体的には吸い上げエレメント18は、コイル23の第1端部から延び、気化器ケーシング15の第2端部25を通過し、コイルの第2端部に戻る多孔性材料からなる弓状部を含む。例えば、多孔性材料はニッケル発泡体であってもよく、発砲体の多孔度は後述する吸い上げが生じるような多孔度である。
【0040】
気化キャビティー19は、液体が気化される気化器ケーシング15の空洞にある領域である。加熱エレメント17、加熱エレメント支持体20および吸い上げエレメント18の一部26は気化キャビティー19内に配置されている。
【0041】
加熱エレメント支持体20は、加熱エレメント17を支持し、加熱エレメント17による液体の気化を促すように構成されている。加熱エレメント支持体20は内方支持体であり、図5および6に例示されている。支持体20はセラミック材からなる硬質の筒である。支持体20は加熱エレメントコイル23の螺旋内に同軸に配置され、コイル23より僅かに長く、これにより支持体20の両端がコイル23の両端から突出している。円筒状支持体20の直径は螺旋の内径とほぼ同じである。その結果、コイル23のワイヤーは支持体20と実質的に接触し、これにより支持され、コイル23の形状の維持しやすくなる。加熱エレメントコイル23は、加熱エレメント支持体20の周りにコイル状に巻かれる、または支持体を包む。支持体20と加熱エレメント17のコイルとの組み合わせによって図5および6に例示するように加熱ロッド27を供する。加熱ロッドについては図5および6を参照して下記に詳しく説明する。
【0042】
支持体20の表面28は、液体の供給を良好にしながら、吸い上げエレメント18から気化のための加熱エレメント17に液体を吸い上げるルートを供給する。支持体20の表面28は吸い上げられた液体を加熱エレメント17の熱に晒す表面領域も提供する。
【0043】
マウスピース2はマウスピースケーシング29を含む。マウスピースケーシング29は、中空の円筒であり、第1端部30で開口し、ケーシングの第2端部31の穴である空気出口4を含む。マウスピースケーシングは、例えば、プラスチックで形成してもよい。
【0044】
液体貯蔵部7はマウスピースケーシング29の空洞内に配置されている。例えば、液体貯蔵部は発泡体を含んでもよく、発砲体は気化を意図する液体で満たされる。液体貯蔵部7の断面積は、マウスピースケーシングの空洞より小さく、これによりマウスピースケーシング29の第1端部30と空気出口4との間に空気経路32を形成する。
【0045】
マウスピースケーシング29の第1端部30は、気化器ケーシング15の第2端部25に取り外し自在に接続されており、これにより液体貯蔵部7は気化器6から突出した吸い上げエレメント18の部分33と接触する。
【0046】
液体は液体貯蔵部7から吸い上げエレメント18によって吸収され、吸い上げエレメント18を介してルートWに沿って吸い上げられる。その後液体は、吸い上げエレメント18から加熱エレメント17のコイル23上におよびコイルに沿って、そして支持体20上におよび支持体に沿って吸い上げられる。
【0047】
マウスピースケーシング29、気化器ケーシング15およびバッテリー装置ケーシング8の隣接する中空の内部によって形成された連続した内方キャビティー34が電子紙巻きタバコ1内に存在する。
【0048】
使用の際、ユーザーはマウスピース2の第2端部31で吸い込みを行う。これにより電子紙巻きタバコ1の内方キャビティー34内、特に空気出口4で空気圧の降下が生じる。
【0049】
内方キャビティー34内の圧力降下は圧力センサー13によって検知される。圧力センサーによる圧力降下の検知に応じて、コントローラー14は動力電池9から電気接触部10、16を介して加熱エレメント17に電力を供給する。加熱エレメント17のコイルは、従って熱くなる。コイル17が熱くなると、気化キャビティー19内の液体が気化される。より具体的には加熱エレメント17上の液体が気化され、加熱エレメント支持体20上の液体が気化され、加熱エレメント17の間近にある吸い上げエレメント18の部分26の液体も気化させてもよい。
【0050】
また内方キャビティー34内の圧力降下によって、電子紙巻きタバコ1の外側からの空気が空気入り口21から内方キャビティーを介してルートFに沿って空気出口4へと引き込まれる。空気がルートFに沿って引き込まれると、気化キャビティー19と空気経路32を通過する。気化された液体は、従って空気経路32に沿った空気の移動によって搬送され、空気出口4から出て、ユーザーに吸入される。
【0051】
気化された液体を含む空気が空気出口4に搬送されると、蒸気の一部は、濃縮し、空気流内に微細な液滴の懸濁液を製する。さらにマウスピース2でユーザーが吸い込みを行うと気化器6を通って移動する空気が吸い上げエレメント18、加熱エレメント17および/または加熱エレメント支持体20から微細な液滴を持ち上げることができる。出口を通過した空気は、従って微細な液滴と気化された液体のエアロゾルを含む。
【0052】
また気化キャビティー19内の圧力降下は、液体貯蔵部7から吸い上げエレメント18に沿って気化キャビティー19内への液体の吸い上げをさらに促進させる。
【0053】
図3図1の電子紙巻きタバコ1のさらなる例を示す。胴体3は単一の部品であり、ここではバッテリー装置50と称し、マウスピース2は液体貯蔵部51と気化器52とを含む。電子紙巻きタバコ1は組み立てられた状態に示されており、着脱自在の部品2、50が接続されている。液体は液体貯蔵部51から気化器52へと吸い上げられる。バッテリー装置50は、バッテリー装置50とマウスピース2との相互電気接続を介して気化器52に電力を供給する。気化器52は吸い上げられた液体を気化し、その蒸気は空気出口4から出る。液体は、例えばニコチン溶液であってもよい。
【0054】
バッテリー装置50は、バッテリー装置ケーシング53と、動力電池54と、電気接触部55と制御回路56とを含む。
【0055】
バッテリー装置ケーシング53は第1端部57で開口した中空の円筒である。例えば、バッテリー装置ケーシングはプラスチックであってもよい。電気接触部55はケーシング53の第1端部57に位置し、動力電池54および制御回路56はケーシング53の空洞内に位置している。動力電池54はリチウム電池であってもよい。
【0056】
制御回路56は、空気圧センサー58とコントローラー49とを含み、動力電池54によって動力が供給される。コントローラー49は、空気圧センサー58とインターフェースを取り、電気接触部55を介した動力電池54から気化器52への電力の供給を制御するように構成されている。
【0057】
マウスピース2はさらにマウスピースケーシング59と電気接触部60とを含む。マウスピースケーシング59は、第1端部61で開口し、ケーシング59の第2端部62の穴である空気出口4を有する中空の円筒である。またマウスピースケーシング59は、ケーシング59の第1端部61の近くに位置する穴である空気入り口63を含む。例えば、マウスピースケーシングはアルミニウムで形成してもよい。
【0058】
電気接触部60はケーシング59の第1端部に位置している。さらにマウスピースケーシング59の第1端部61は、バッテリー装置ケーシング53の第1端部57に取り外し自在に接続されていて、マウスピースの電気接触部60はバッテリー装置の電気接触部55と電気的に接続されるようになっている。例えば、装置1はマウスピースケーシング59がバッテリー装置ケーシング53にねじ止め接続によって接続するように構成してもよい。
【0059】
液体貯蔵部51は中空のマウスピースケーシング59内でケーシング59の第2端部62の方に配置されている。液体貯蔵部51は液体内に配置される多孔性材料からなる円筒状の管である。液体貯蔵部51の外周はマウスピースケーシング59の内周と合致する。中空の液体貯蔵部51は空気経路64を供する。例えば、液体貯蔵部51の多孔性材料は発泡体を含んでもよく、発砲体は気化される液体で実質的に満たされる。
【0060】
気化器52は加熱エレメント17と、吸い上げエレメント65と、加熱エレメント支持体20と気化キャビティー66とを含む。
【0061】
吸い上げエレメント65は多孔性材料からなる円柱管であり、マウスピースケーシング59内でケーシング59の第1端部61の方に配置されていて、液体貯蔵部51と当接するようになっている。吸い上げエレメント65の外周はマウスピースケーシング59の内周と合致する。吸い上げエレメント65は液体を方向Wにマウスピース2の液体貯蔵部51から加熱エレメント17に吸い上げるように構成されている。吸い上げエレメント65の多孔性材料は、例えば、ニッケル発泡体であってもよく、その発砲体の多孔度は、上述した吸い上げが生じるような多孔度である。液体Wが液体貯蔵部6から吸い上げエレメント65に吸い上げられると、液体を吸い上げエレメント65の多孔性材料に貯蔵することができる。従って、吸い上げエレメント65は液体貯蔵部51の延長部である。
【0062】
図4および6に例示するように加熱エレメント17は一本のワイヤーで形成され、加熱エレメントコイル23および2本のリード線24を含む。例えば、加熱エレメントはニクロムで形成されてもよい。コイル23はワイヤーが軸Aを中心に螺旋に形成されるワイヤーの部分である。コイル23の両端でワイヤーはその螺旋形状から離れ、リード線24を供する。リード線24は電気接触部16に接続され、これにより動力電池9によって供される電力をコイル23に送るように構成されている。
【0063】
コイル23のワイヤの直径は約0.12mmである。コイル23の長さは約25mmであり、内径は約1mmであり、螺旋ピッチは約420ミクロメートル。コイルの連続するターン間の空隙は従って約300ミクロメートルである。
【0064】
加熱エレメント17は吸い上げエレメント65の管の内側に位置し、コイル23の軸がマウスピースケーシング59の円筒軸Bに直角になるように配向されている。加熱エレメント17の軸Aは、従って電子紙巻きタバコ1の長手方向軸Cに対して直角である。さらに装置1は、ユーザーが装置で吸い込みを行うときに装置を流れる空気流Fに対してコイルの軸Aが実質的に直交するように構成されている。ユーザーによる装置1の使用については下記でより具体的に説明する。
【0065】
図3Aはコイル23でのマウスピース2の断面を示している。図3Aに例示するように吸い上げエレメント65の断面輪郭は、吸い上げエレメント65の内面65bの部分65aがコイル23と接触するように構成されている。これにより吸い上げエレメント65からコイル23に吸い上げられる液体のルートが設けられる。
【0066】
気化キャビティー66は液体が気化されるマウスピースケーシング59の空洞内のである。加熱エレメント17、加熱エレメント支持体20および 吸い上げエレメント65の一部67は気化キャビティー66内に配置されている。
【0067】
加熱エレメント支持体20は、加熱エレメント17を支持し、加熱エレメント17による液体の気化を促すように構成されている。加熱エレメント支持体は内方の支持体であり、図5および6に例示されている。支持体20はセラミック材からなる硬質の筒である。支持体20は、加熱エレメントコイル23の螺旋内に同軸に配置され、コイル23より僅かに大きくなっているので、支持体20の両端はコイル23の両端から突出している。円筒状支持体20の直径は螺旋の内径とほぼ同じである。その結果、コイル23のワイヤは支持体20と実質的に接触し、これにより支持され、コイル23の形状を維持しやすくなる。加熱エレメントコイル23は、加熱エレメント支持体20の周りにコイル状に巻かれる、または支持体を包む。支持体20と加熱エレメント17のコイルとの組み合わせによって図5および6に例示するように加熱ロッド27を供する。加熱ロッドについては図5および6を参照して下記にて詳しく説明する。
【0068】
支持体20の表面28は、液体の供給を良好にしながら、吸い上げエレメント18から気化のための加熱エレメント17に液体を吸い上げるルートを供給する。支持体20の表面28は吸い上げられた液体を加熱エレメント17の熱に晒す表面領域も提供する。
【0069】
マウスピースケーシング59およびバッテリー装置ケーシング53の隣接する中空の内部によって形成された連続した内方キャビティー68が電子紙巻きタバコ1内に存在する。
【0070】
使用の際、ユーザーはマウスピース59の第2端部62で吸い込みを行う。これにより電子紙巻きタバコ1の内方キャビティー68内、特に空気出口4で空気圧の降下が生じる。
【0071】
内方キャビティー68内の圧力降下は、圧力センサー58によって検知される。圧力センサーによる圧力降下の検知に応じて、コントローラー49は動力電池54から電気接触部55、60を介して加熱エレメント17に電力を供給する。加熱エレメント17のコイルは、従って熱くなる。コイル17が熱くなると、気化キャビティー66内の液体が気化される。より具体的には加熱エレメント17上の液体が気化され、加熱エレメント支持体20上の液体が気化され、加熱エレメント17の間近にある吸い上げエレメント65の部分67の液体も気化させてもよい。
【0072】
また内方キャビティー68内の圧力降下によって、電子紙巻きタバコ1の外側からの空気が空気入り口63から内方キャビティーを介してルートFに沿って空気出口4へと引き込まれる。空気がルートFに沿って引き込まれると、気化された液体を拾いながら気化キャビティー66そして空気経路64を通過する。気化された液体は、従って空気経路64に沿った空気の移動によって搬送され、空気出口4から出て、ユーザーに吸入される。
【0073】
気化された液体を含む空気が空気出口4に搬送されると、蒸気の一部は、濃縮し、空気流内に微細な液滴の懸濁液を製する。さらにマウスピース2でユーザーが吸い込みを行うと気化器52を通って移動する空気が吸い上げエレメント65、加熱エレメント17および/または加熱エレメント支持体20から微細な液滴を持ち上げることができる。出口を通過した空気は、従って微細な液滴と気化された液体のエアロゾルを含む。
【0074】
図5および6を参照すると、加熱エレメント支持体20の円周方向外面28に窪みが設けられていて、複数の窪み70または凹部が表面28に存在している。複数の窪み70が設けられていることを考慮すると、支持体20は実質的に円筒状である。
【0075】
加熱エレメント20とコイル23との間のコイル23が表面28の窪み70と重なるところで隙間80が形成されている。より具体的には、コイル23のワイヤーが表面28の窪み70上を通過するところで、隙間80がワイヤーが実質的にその螺旋形状を維持することによりワイヤーとワイヤーの真下の表面28の領域との間に設けられている。隙間80は、従って支持体20の表面28とコイル23のワイヤーとの間でコイルの軸Aから半径方向に配置されている。各隙間80でのワイヤーと表面28との間の距離は、10ミクロメートル〜500ミクロメートルの範囲内である。隙間80は、隙間80での毛管現象によって支持体20の長さ上およびこれに沿った液体の吸い上げを促進するように構成されている。
【0076】
円周面28の窪み70および/または隙間80は、気化する前に支持体20の表面28に液体が集まる領域を供し、これにより気化する前に貯蔵される液体用の領域を供する。また窪み70は、支持体20の表面積を大きくし、よって気化のためにコイル23に液体を晒すために支持体20によって供される表面積がさらに大きくなる。また窪み70は、これらの領域において気化する量を増加させるためにより多くのコイル23を露出させる。
【0077】
上述した実施態様に多くの変更例および変形例が可能である。例えば、図7〜24は加熱エレメント17と加熱エレメント支持体20の異なる構成を示している。それぞれの場合において、1つ以上の隙間80が支持体20の外面28とコイル23のワイヤの間に設けられている。これらの隙間80は既に説明した利点を供する。図7〜22はいかにして隙間80が支持体20の断面の輪郭において1つ以上の内方のずれ81によって供され、ずれの無い箇所の輪郭がコイル23の断面の内部輪郭となるかを示している。
【0078】
図7〜10は 加熱エレメント支持体20の異なる例を示している。図7および9は加熱エレメント支持体20単独を異なる角度から示している。図8および10は、支持体20に巻かれたコイル23を含む加熱ロッド29を異なる角度から示している。ここで加熱エレメント支持体20は実質的に円筒状であり、支持体20の外面28に支持体の長さに沿って延びた流路82または長手方向に延びた溝82を有する。各流路82は加熱エレメント支持体20の面に支持体20の長さに沿って延びた窪み70、81である。4つの流路82が加熱エレメント支持体20の円周に等間隔で配されている。
【0079】
図8および図10に示すようにコイル23が加熱エレメント支持体20に巻かれると、隙間80が経路82の箇所の支持体20の表面28と経路82と重なるコイル23の部分のワイヤとの間に設けられる。
【0080】
図11〜22それぞれは、コイル23が周囲に巻かれ、コイル23と加熱エレメント支持体20との間に支持体20の断面形状によって供される1つ以上の隙間80を有する長尺の加熱エレメント支持体20の例を示している。各例は以下に説明するように異なる断面形状を有する。断面とは支持体20の長手方向に対して直角の面である。
【0081】
図11に示す例では加熱エレメント支持体20は、その長さに沿って延びた1つの流路82を含む窪み70を有する実質的に円筒状である。従って加熱エレメント支持体20の断面形状は、流路82のために小さい凹み81を有する円形である。隙間80は、コイル23が流路82と重なる箇所に設けられている。
【0082】
図12に示す例では加熱エレメント支持体20は、大部分が円形の断面形状を有する。これは長手方向に延びた窪み70、81を有する他の円筒形状に対応し、加熱エレメント支持体20の長さに沿って延びた平坦な面を有する。コイル23が加熱エレメント支持体20の周りに巻かれているが、コイル23のワイヤーの剛性によりコイル23が加熱エレメント支持体20の平坦な領域での形状をたどることはない。従って隙間80が平坦な部分の領域において加熱エレメント支持体20とコイル23との間に設けられる。
【0083】
図13に示す例では加熱エレメント支持体20は、楕円形の断面形状を有する。コイル23は加熱エレメント支持体20の周りに巻かれているが、コイル23のワイヤーの剛性によりコイル23はこの楕円より、丸みを帯びた形状を形成し、これにより加熱エレメント支持体20とコイル23との間に隙間80が設けられる。
【0084】
図14に示す例では加熱エレメント支持体20は断面形状が平坦な矩形である平坦な棒である。コイル23は加熱エレメント支持体20の周りに巻かれているが、コイル23のワイヤーの剛性によりコイル23はその矩形より、丸みを帯びた形状を形成し、これにより加熱エレメント支持体20とコイル23との間に隙間80が設けられる。
【0085】
図15に示す例では加熱エレメント支持体20は、4本の腕部が交差した断面形状を有し、これらの腕部は均一な間隔をおいて配されている。コイル23は加熱エレメント支持体20の周りに巻かれており、隙間80が隣接する腕部部分とコイル23との間に設けられる。
【0086】
図16に示す例では加熱エレメント支持体20は、8本の腕部が交差した断面形状を有し、これら腕部は均一な間隔をおいて配されている。コイル23は加熱エレメント支持体20の周りに巻かれ、隙間80が隣接する腕部部分とコイル23との間に設けられる。
【0087】
図17〜21は、断面形状が多角形である加熱エレメント支持体20の例を示している。これらの例はそれぞれ辺の数が異なり、図17は八角形、図18は三角形、図19は正方形、図20は六角形、そして図21は五角形の断面形状を示している。コイル23は加熱エレメント支持体20の周りに巻かれ、断面形状の角に対応する支持体20の縁部で加熱エレメント支持体20と接触する。このようにしてより多くの辺を有する多角形は、コイル23と接触し、コイル23と加熱エレメント支持体20との間により多くの数の小さい隙間80を供する。これにより加熱エレメント支持体20とコイル23との間に最適量の接触および最適な隙間80の形成を供する断面形状の選択が可能になる。
【0088】
図22に示す例では加熱エレメント支持体20は、3つの円が重なって1つになった断面形状を有する。コイル23は加熱エレメント支持体20の周りに巻かれ、隙間80が隣接する円部分とコイル23との間に設けられている。
【0089】
各隙間80でのワイヤと表面28との間の距離は、上述したように10ミクロメートル〜500ミクロメートルの範囲内である。しかしながら、その他の大きさの隙間80も可能である。
【0090】
コイル23のワイヤの厚みは、上述したように約0.12mmである。しかしながら、その他の直径のワイヤーも使用可能である。例えば、コイル23のワイヤの直径は0.05mm〜0.2mmの範囲内であってもよい。さらにコイル23の長さは上述したように異なってもよい。例えば、コイル23の長さは20mm〜40mmの範囲内でもよい。
【0091】
コイル23の内径は上述したように異なってもよい。例えば、コイル23の内径は0.5mm〜2mmの範囲内でもよい。
【0092】
コイル23の螺旋ピッチは上述したように異なってもよい。例えば、ピッチは120ミクロメートル〜600ミクロメートルの間であってもよい。
【0093】
さらにコイルターン間の隙間の距離は約300と上記で説明したが、異なる隙間距離も可能である。例えば、隙間は20ミクロメートル〜500ミクロメートルの間であってもよい。
【0094】
隙間80の大きさは上述したように異なってもよい。
【0095】
流路82が加熱エレメント支持体20に設けられている場合、1つまたは4つ以外の数の流路を設けてもよい。
【0096】
流路82は円筒状の支持体20の表面28に沿った長手方向に延びた溝として説明した。しかしながら、流路82は、例えば、これとは別にまたは加えて円筒状の支持体20の表面28で支持体の軸を中心に螺旋状になった螺旋溝であってもよい。これとは別にまたは加えて流路82は支持体20の表面28の周囲に位置するリングであってもよい。
【0097】
いくつかの実施態様では支持体20は、コイル23の両端から突出するようにコイル23より僅かに長いと説明した。これとは別に支持体20はコイル23より短く、従ってコイルの境界内で全体が収まるようにしてもよい。
【0098】
加熱エレメント17はコイル23であることに限定されず、ジグザク形状などの別のワイヤー形状であってもよい。
【0099】
加熱ロッド29は長尺の加熱エレメント支持体20を含み、これにコイル23が巻かれ、多角形である支持体20の断面形状によりコイル23と加熱エレメント支持体20との間に設けられたいつ以上の隙間を有すると上述している。この場合、加熱エレメント支持体の断面形状20は、例えば3辺、4辺、5辺、6辺または8辺の多角形であってもよい。
【0100】
加熱エレメント支持体20は円筒状であればよく、円筒でなくてもよい。
【0101】
図23および24はさらに別の種類の加熱エレメント支持体20の例を示している。ここでもいずれの場合において、支持体20は支持体20と加熱エレメント17との間に自然に隙間80ができる形状になっている。これらの隙間80によって吸い上げ、液体の貯蔵および気化がしやすくなる。
【0102】
図23には加熱エレメント支持体20と加熱エレメント17が示されている。加熱エレメント支持体20は、実質的に平坦な基板であり、加熱エレメント17が基板の表面上にジグザク形状に配置されており、所定の基板の表面積に対して加熱エレメント17を最大限にしている。加熱エレメント支持体20は基板開口部83を有し、加熱エレメント17が基板開口部83と重なると、隙間80が加熱エレメント支持体20と加熱エレメント17との間に形成される。
【0103】
図24図23に示したものと類似する例を示している。加熱エレメント支持体20は、基板開口部83とジグザク状の加熱エレメント17を含む平坦な基板である。この例では基板開口部83は、ジグザク状の加熱エレメント17の転換点に位置し、加熱エレメント17のワイヤーは対応するターンの箇所で基板開口部83に出入りし、これにより加熱エレメント17が平坦な基板の両面に位置する。隙間80が基板開口部83が位置する所で加熱エレメント17と基板との間に設けられている。
【0104】
いくつかの実施態様では加熱エレメント支持体20を多孔性セラミックなどの多孔性材料から作製して支持体20内で液体が貯蔵されるようにしてもよい。
【0105】
ここでは電子紙巻きタバコ1である電子蒸気供給装置を説明した。しかしながら、他の種類の電子蒸気供給装置も可能である。
【0106】
電子紙巻きタバコ1は上述した部材の順番に限定されず、制御回路11、56が装置の先端に位置する、または液体貯蔵部7、51がマウスピース2ではなく、電子紙巻きタバコ1の胴体3に位置するなど他の順番も採用することができる。
【0107】
気化器6、52は電子紙巻きタバコ1の胴体3の一部を形成してもよい。
【0108】
加熱エレメント支持体20が基板である場合、加熱エレメント17は基板に巻かれてもよい。さらに 加熱エレメント17は加熱エレメント支持体20を出入りするように通過してもよい。
【0109】
圧力センサー13、58をここでは説明している。いくつかの実施態様では気流センサーをこれとは別にまたは加えてユーザーが装置1で吸い込みを行ったことを検知するために使用してもよい。
【0110】
ここでの気化キャビティー19、66についての記載を気化領域の記載として置き換えてもよい。
【0111】
図2の電子紙巻きタバコ1は、マウスピース2、気化器6およびバッテリー装置5といった3つの着脱自在の部品を含むものとして説明されている。これとは別に電子紙巻きタバコ1は、これらの部品2、6、5を1つの一体型ユニットとして組み合わせた構成としてもよい。言い換えれば マウスピース2、気化器6およびバッテリー装置5は着脱自在でなくてもよい。さらなる変形例としてマウスピース2と気化器6は、1つの一体型ユニットであってもよく、または気化器6およびバッテリー装置5は、1つの一体型ユニットであってもよい。
【0112】
図3の電子紙巻きタバコ1は、マウスピース2とバッテリー装置50を含む胴体といった2つの着脱自在の部品を含むものとして説明されている。これとは別に電子紙巻きタバコ1はこれらの部品2、50を1つの一体型ユニットとして組み合わせた構成としてもよい。言い換えればマウスピース2および胴体3は、着脱自在でなくてもよい。
【0113】
いくつかの例を示し、説明したが、当業者には当然のことながら種々の変形例および変更例が本発明の範囲から逸脱せずに可能である。
【0114】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、優れた電子蒸気供給装置、を提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
図1
図2
図3
図3A
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24