(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成を説明する。
図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
【0018】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
【0019】
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
【0020】
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
【0021】
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
【0022】
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
【0023】
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bが設けられているが、遊技機は、1つの特別図柄表示器つのみを備えていてもよい。
【0024】
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
【0025】
この実施の形態では、特別図柄の停止図柄(表示結果)として、「1」〜「8」の8種類がある。「1」〜「8」の特別図柄のうち、「7」が確変大当り図柄に、「3」が非確変大当り図柄(通常大当り図柄)に、その他がはずれ図柄に対応する。
【0026】
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに、大当り(確変大当りまたは通常大当り)の図柄(「7」または「3」)が停止表示された場合には、特別可変入賞球装置20における開閉板が、所定期間(たとえば、29秒間)または所定個数(たとえば、10個)の入賞が発生するまでの期間、開放状態になって、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが開始される。ラウンド数は例えば15である。
【0027】
確変大当りになった場合には、遊技状態を確変状態(高確率状態)に移行させるとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。なお、確変状態に移行した後、次の非確変大当り(大当り遊技後に確変状態にはしない大当りすなわち通常大当り)が発生するまで確変状態が維持される。
【0028】
通常大当りは、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行されず、時短状態にのみ移行される大当りである。そして、時短状態に移行した後、特別図柄および飾り図柄の変動表示の実行を所定回数(例えば、100回)終了するまで時短状態が維持される。なお、この実施の形態では、時短状態に移行した後、所定回数の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する。
【0029】
遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行させる。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態である時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
【0030】
例えば、高ベース状態では可変入賞球装置15が開状態である時間を延長するとともに開放回数を増やす(開放延長状態ともいう)が、開放延長状態にするのでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。可変入賞球装置15は、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)になると、所定回数、所定時間だけ開状態になるが、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態になる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)になる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
【0031】
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りになる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりになる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態になる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)になる。
【0032】
また、特別図柄や飾り図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や飾り図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や飾り図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
【0033】
さらに、上記の全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
【0034】
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した装飾用(演出用)の演出図柄(飾り図柄)の可変表示が行われる。よって、演出表示装置9は、飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9の表示画面には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの飾り図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
【0035】
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)になる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
【0036】
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として飾り図柄の変動表示が使用されるが、演出表示装置9で行われる演出は、飾り図柄の変動表示に限られず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。
【0037】
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
【0038】
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
【0039】
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
【0040】
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
【0041】
第1特別図柄表示器8aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
【0042】
第2特別図柄表示器8bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
【0043】
また、演出表示装置9の表示画面における下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
【0044】
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような飾り図柄の組み合わせが停止表示される。
【0045】
なお、この実施の形態では、後述するように、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、受信した変動パターンコマンドで特定される変動時間に従って飾り図柄の変動表示が制御される。よって、変動パターンコマンドにもとづいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と飾り図柄の変動表示とは、同期して実行される。同期するとは、変更開始タイミングおよび変動終了タイミングが略同じであることを意味する。
【0046】
また、
図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域である大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
【0047】
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
【0048】
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
【0049】
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
【0050】
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
【0051】
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
【0052】
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
【0053】
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、
図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
【0054】
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータは、遊技の進行状態を示すデータに相当する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
【0055】
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
【0056】
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新する乱数発生機能を有する。そして、読出される数値データが乱数値として使用される。
【0057】
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
【0058】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
【0059】
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
【0060】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
【0061】
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
【0062】
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
【0063】
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
【0064】
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、
図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
【0065】
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および飾り図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
【0066】
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
【0067】
なお、演出表示装置9として、液晶表示装置が用いられている。液晶表示装置はバックライト91(液晶表示パネルの背面に設置されているものに限られず、側面に設置されているものも含む概念)を含む。
【0068】
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
【0069】
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
【0070】
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。
図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、
図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
【0071】
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
【0072】
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に電流を供給する。
【0073】
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
【0074】
次に、遊技機の動作について説明する。
図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0075】
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
【0076】
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
【0077】
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
【0078】
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0079】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
【0080】
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
【0081】
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
【0082】
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
【0083】
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
【0084】
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
【0085】
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
【0086】
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
【0087】
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンの種別を決定するための乱数や変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0088】
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される飾り図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
【0089】
タイマ割込が発生すると、CPU56は、
図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0090】
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
【0091】
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
【0092】
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
【0093】
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
【0094】
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
【0095】
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0096】
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0097】
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
【0098】
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
【0099】
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
【0100】
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
【0101】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0102】
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
【0103】
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」になる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
【0104】
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、飾り図柄が揃って停止表示される。
【0105】
図6は、あらかじめ用意された飾り図柄の変動パターンを示す説明図である。
図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、
図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。「擬似連」は、全ての図柄表示エリアにおいて飾り図柄を仮停止表示させた後、全ての図柄表示エリアにおいて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回行う変動パターンである。
【0106】
リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれになる飾り図柄を仮停止させた後に飾り図柄の可変表示を再度実行することである。
【0107】
また、
図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4の変動パターンが用意されている。
図6に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。
【0108】
なお、この実施の形態では、
図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である。)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
【0109】
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りの種類(通常大当り、確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2:変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3:変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5:ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
【0110】
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
【0111】
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
【0112】
なお、この実施の形態では、後述するように、確変大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、通常大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7とに種別分けされている。
【0113】
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
【0114】
図8は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、
図8の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、
図8の右欄に記載されている各数値が設定されている。
図8に記載されている数値が大当り判定値である。
【0115】
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が
図8に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当りまたは確変大当り)にすることに決定する。なお、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
【0116】
図9は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。
図9に示す大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「確変大当り」と「非確変大当り」(通常大当り)とのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
【0117】
なお、この実施の形態では所定の乱数を用いて大当りの種別を決定するが、所定の乱数を用いて特別図柄の停止図柄を決定し、決定された特別図柄の種別に応じて大当りの種別が決まるようにしてもよい。一例として、大当り図柄を決定する場合の大当り図柄判定テーブルを設け、大当り図柄のそれぞれに対応する判定値を設定する。CPU56は、所定の乱数と大当り図柄判定テーブルとを用いて、大当り図柄を決定する。そして、大当り種別を、決定された大当り図柄に応じた種別にする。
【0118】
なお、所定の乱数を用いて特別図柄の停止図柄を決定し、決定された特別図柄の種別に応じて大当りの種別を決定する場合に、ある図柄(1つでもよいし複数でもよい)については、そのときの遊技状態に応じて、大当り遊技の終了後に時短状態に移行させる場合があったり、時短状態に移行させない場合があったりしてもよい。
【0119】
図10(A),(B)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
【0120】
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
【0121】
例えば、大当り種別が「通常大当り」である場合に用いられる
図10(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「確変大当り」である場合に用いられる
図10(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
【0122】
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
【0123】
なお、
図10(A),(B)に示すように、この実施の形態では、通常大当りまたは確変大当りである場合に、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行される。
【0124】
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。この場合、通常大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aおよび確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bの両方において、スーパーリーチかつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチかつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割り当てられる。
【0125】
図11(A)〜(C)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cを示す説明図である。
図11(A)には、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aが示されている。また、
図11(B)には、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが示されている。また、
図11(C)には、遊技状態が確変状態または時短状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが示されている。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
【0126】
なお、
図11に示す例では、遊技状態が確変状態または時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、異なるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B,135Cが用いられるが、確変状態または時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、
図11(C)に示す例では、1つの確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが用いられるが、確変/時短状態用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
【0127】
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルが用いられるが、はずれ変動パターン種別判定テーブルの分け方は、
図11に示された例に限られない。例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。一例として、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、合算保留記憶数のそれぞれの値に応じたはずれ変動パターン種別判定テーブルが設けられていてもよい。
【0128】
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じて、複数のはずれ変動パターン種別判定テーブルが用いられるが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
【0129】
また、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合には、
図11(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが用いられ、合算保留記憶数が0〜2(3以下)である場合には、
図11(A)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aが用いられる。
図11に示すように、合算保留記憶数が3以上である場合には、合算保留記憶数が0〜2である場合に比較して、リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ)になる割合が小さい。また、合算保留記憶数が3以上である場合には、
図11(B)に示すように、非リーチCA2−2の変動パターン種別が選択されて短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−2が選択されうるので、合算保留記憶数が多くなるに従って平均的な変動時間を短くすることによって、可変表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いる場合、すなわち、第1特別図柄の変動の開始時には、第1保留記憶数に応じて、複数のうちからはずれ変動パターン種別判定テーブルを選択し、第2特別図柄の変動の開始時には、第2保留記憶数に応じて、複数のうちからはずれ変動パターン種別判定テーブルを選択するにも、保留記憶数が多いほど、変動時間が短い変動パターンが選択されやすいように、はずれ変動パターン種別判定テーブルを構成する。
【0130】
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
【0131】
また、
図11(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数に関わらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行される。すなわち、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)において、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)に関わらず、共通の判定値(
図11(A),(B)に示す例では1〜79)が割り当てられるている。なお、「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わず、可変表示結果が大当りとならない場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
【0132】
なお、この実施の形態では、いずれの遊技状態でも、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルが用いられるが、確変状態、時短状態、通常状態に応じて、異なる大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
【0133】
図12は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137Aを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137Aは、可変表示結果を「大当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
【0134】
当り変動パターン判定テーブル137Aには、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、飾り図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)が設定されている。
【0135】
図13は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
【0136】
図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
図14に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、
図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
【0137】
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果指定コマンドという。
【0138】
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
【0139】
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
【0140】
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
【0141】
コマンド95XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。この実施の形態では、後述する入賞時判定処理(
図22参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値と一致する場合には変動パターン種別を認識できるとともに、表示結果が大当りになるか否かも認識できる。
【0142】
なお、この実施の形態では、入賞時判定結果指定コマンドは、第1保留記憶数または第2保留記憶数が1増加したことも示す。すなわち、入賞時判定結果指定コマンドは、保留数増加指定コマンドと兼用されている。ただし、保留数増加指定コマンドを、入賞時判定結果指定コマンドと別個に送信するようにしてもよい。その場合には、入賞時判定結果指定コマンドは、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを意味しない。
【0143】
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
【0144】
コマンドA001〜A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンドおよび大当り開始指定2指定コマンドがある。
【0145】
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
【0146】
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。
【0147】
コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
【0148】
図15および
図16は、入賞時判定結果指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。
図15および
図16に示すように、この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14のいずれに始動入賞したときに入賞時判定を行ったかと、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や飾り図柄の表示結果がいずれの表示結果になるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、入賞時判定結果指定コマンドが送信される。
【0149】
入賞時判定処理において、大当りになると判定された場合には、大当りの種類に応じた入賞時判定結果指定コマンド(
図15に示す入賞時判定結果1指定コマンド〜入賞時判定結果2指定コマンド、
図16に示す入賞時判定結果21指定コマンド〜入賞時判定結果22指定コマンドのいずれか)が送信される。
【0150】
また、第1始動入賞口13への始動入賞時に、遊技状態が通常状態で、はずれになると判定した場合、入賞時判定処理において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79であるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79である場合には、CPU56は、EXTデータに「03(H)」を設定した入賞時判定結果3指定コマンドを送信する。この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数に関わらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別(擬似連演出を伴うことがないはずれ変動パターンの集まり)が共通に割り当てられているのであるから(
図11参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定結果8指定コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1になることを認識することができる。
【0151】
また、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜89である場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した入賞時判定結果4指定コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が90〜99である場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した入賞時判定結果5指定コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が100〜169である場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した入賞時判定結果6指定コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が170〜199である場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した入賞時判定結果7指定コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が200〜214である場合には、EXTデータに「08(H)」を設定した入賞時判定結果8指定コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が215〜229である場合には、EXTデータに「09(H)」を設定した入賞時判定結果9指定コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が230〜251である場合には、EXTデータに「0A(H)」を設定した入賞時判定結果10指定コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定結果15指定コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
【0152】
また、第1始動入賞口13への始動入賞時に、遊技状態が確変状態または時短状態(確変状態/時短状態)で、はずれになると判定した場合には、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219である場合(すなわち、非リーチCA2−3の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「0B(H)」を設定した入賞時判定結果11指定コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が220〜251である場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「0C(H)」を設定した入賞時判定結果12指定コマンドを送信する。
【0153】
なお、遊技状態が確変状態や時短状態である場合にも、判定値230〜251の範囲にスーパーCA2−7の変動パターン種別を割り当てるようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態に関わらず、スーパーCA2−7の変動パターン種別に対して共通の判定値が割り当てられるようにすることができる。
【0154】
例えば、第2始動入賞口14への始動入賞時には、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞時の場合と同様の判定処理によって、入賞時判定結果21指定コマンド〜入賞時判定結果32指定コマンドのいずれかのコマンドを送信する。
【0155】
以下、入賞時判定結果1指定コマンド〜入賞時判定結果12指定コマンドを第1入賞時判定結果指定コマンドといい、入賞時判定結果21指定コマンド〜入賞時判定結果32指定コマンドを第2入賞時判定結果指定コマンドということがある。
【0156】
なお、始動入賞時に入賞時判定を行ったときと実際に変動表示を開始するときとでは必ずしも合算保留記憶数が同じであるとは限らないのであるから、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターン種別が実際に変動表示で用いられる変動パターン種別と一致しない場合も生じうる。しかし、この実施の形態では、少なくとも非リーチCA2−1およびスーパーCA2−7の変動パターン種別については、合算保留記憶数に関わらず共通の判定値が割り当てられているのであるから(
図11参照)、入賞時判定結果と実際に実行される変動表示の変動パターン種別とで不整合が生じない。この実施の形態では、少なくとも非リーチCA2−1およびスーパーCA2−7の変動パターン種別(非リーチCA2−2および非リーチCA2−3の変動パターン種別を含めてもよい。)になると入賞時判定された変動表示に対して予告演出が実行される。また、この実施の形態では、変動パターン種別を特定不能であることに相当する入賞時判定結果指定コマンド(具体的には、保留数が変わると変動パターン種別が変わってしまうことになる判定値範囲に対応する入賞時判定結果指定コマンド:入賞時判定結果4指定コマンド〜入賞時判定結果9指定コマンド、および入賞時判定結果24指定コマンド〜入賞時判定結果29指定コマンド)が送信されるが、変動パターン種別を特定不能であることを示す入賞時判定結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。その場合には、CPU56は、入賞時判定処理において、合算保留記憶数に応じて、変動パターン種別が非リーチになるのか、ノーマルリーチになるのかを判定する。また、CPU56は、予告演出の対象になる変動パターン種別になると判定したときにのみ入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。
【0157】
また、この実施の形態では、第1始動入賞口13への始動入賞時と第2始動入賞口14への始動入賞時とで共通のMODEデータが「95(H)」である入賞時判定結果指定コマンドを送信するが、第1始動入賞口13への始動入賞時と第2始動入賞口14への始動入賞時とで入賞時判定結果指定コマンドのMODEデータを異ならせてもよい。例えば、第1始動入賞口13への始動入賞時には、MODEデータが「95(H)」である入賞時結果指定コマンドを送信し、第2始動入賞口14への始動入賞時には、MODEデータが「96(H)」である入賞時結果指定コマンドを送信する。その場合に、第1始動入賞口13への始動入賞時であるか第2始動入賞口14への始動入賞時であるかに関わらず、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や飾り図柄の表示結果がいずれの表示結果になるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、共通のEXTデータを含む入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。
【0158】
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、
図14〜
図16に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
【0159】
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
【0160】
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
【0161】
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
【0162】
図17および
図18は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていない場合には、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
【0163】
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
【0164】
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
【0165】
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
【0166】
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
【0167】
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
【0168】
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
【0169】
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
【0170】
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
【0171】
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
【0172】
図19は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
図20は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
【0173】
図19を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS211A)。第1保留記憶数が上限値に達している場合には、処理を終了する。
【0174】
第1保留記憶数が上限値に達していない場合には、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213A)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(
図21参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS214A)。なお、ステップS214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
【0175】
図21は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。
図21に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
【0176】
次いで、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時判定処理を実行する(ステップS217A)。そして、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS218A)。
【0177】
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
【0178】
なお、この実施の形態において、大当り遊技状態(特定遊技状態)とは、大当りを開始することが報知されてから、所定数のラウンド(15ラウンド)にわたって大入賞口が開放する制御が行われ、最終ラウンドの大入賞口の開放を終了して大当りを終了することが報知されるまでの状態である。具体的には、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305)から大当り終了処理(ステップS307)までの処理が実行されている状態である。
【0179】
次に、
図20を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS211B)。第2保留記憶数が上限値に達している場合には、処理を終了する。
【0180】
第2保留記憶数が上限値に達していない場合には、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213B)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(
図21参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS214B)。なお、ステップS214Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。また、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。また、大当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数以外の乱数について、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納される乱数の種類を、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納される乱数の種類と異ならせてもよい。例えば、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったときには、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納しない。そのように制御する場合には、第2保留記憶バッファとして要求されるメモリ領域が削減される。
【0181】
次いで、CPU56は、入賞時判定処理を実行する(ステップS217B)。そして、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS218B)。
【0182】
図22は、ステップS217A,S217Bの入賞時判定処理を示すフローチャートである。
【0183】
この実施の形態では、特別図柄および飾り図柄の変動を開始するタイミングで、特別図柄通常処理において大当りとするか否かを決定したり、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングでも、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、
図22に示す入賞時判定処理を実行することによって、あらかじめ変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になるかを確認する。すなわち、飾り図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動パターン種別を判定し、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって大当りやスーパーリーチになることを予告する予告演出を実行する。
【0184】
入賞時判定処理では、CPU56は、まず、ステップS214A,S214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と
図8の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。ステップS220で大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しないことを確認した場合には、CPU56は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。確変フラグがセットされている場合には、ステップS214A,S214Bの処理で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と
図8の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。なお、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(
図24におけるステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。
【0185】
大当り判定用乱数(ランダムR)がいずれかの大当り判定値と一致する場合には、CPU56は、ステップS214A,S214Bで抽出し保留記憶バッファに保存した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当たりの種別を判定する(ステップS224)。ステップS224では、CPU56は、
図9に示す大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別が「確変大当り」または「非確変大当り」(通常大当り)になるかを判定する。そして、ステップS230に移行する。
【0186】
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しない場合には、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS226)。この実施の形態では、CPU56は、ステップS226において、遊技状態が確変状態または時短状態であるか否か(具体的には、時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にステップS226で確変状態や時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS226で確変状態や時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。すなわち、始動入賞時にステップS226の処理で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(
図24におけるステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。
【0187】
そして、CPU56は、ステップS226の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(ステップS227)。CPU56は、閾値より大きいか否かを判定することによって、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定し、
図15〜
図16に示す入賞時判定結果指定コマンドに設定するEXTデータの値を決定する。
【0188】
例えば、CPU56は、遊技状態が確変状態または時短状態であると判定した場合には閾値219を設定する。この場合、CPU56は、ステップS228の処理で、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値219以下であるか否か判定し、閾値219以下である場合(すなわち、1〜219である場合)には第1始動入賞口13に始動入賞した場合であれば入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「0B(H)」を設定すると判定し、第2始動入賞口14に始動入賞した場合であれば入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「2B(H)」を設定すると判定する(
図15,
図16参照)。また、閾値219以下でない場合(すなわち、220〜251である場合)には第1始動入賞口13に始動入賞した場合であれば入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「0C(H)」を設定すると判定し、第2始動入賞口14に始動入賞した場合であれば入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「2C(H)」を設定すると判定する(
図15,
図16参照)。
【0189】
また、例えば、CPU56は、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、合算保留記憶数にかかわらず、閾値79、89、99、169、199、214および229を設定する。この場合、CPU56は、ステップS228の処理で、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には第1始動入賞口13に始動入賞した場合であれば入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定し、第2始動入賞口14に始動入賞した場合であれば入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「23(H)」を設定すると判定する(
図15,
図16参照)。また、閾値89以下である場合(すなわち、80〜89である場合)には第1始動入賞口13に始動入賞した場合であれば入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「04(H)」を設定すると判定し、第2始動入賞口14に始動入賞した場合であれば入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「24(H)」を設定すると判定する(
図15,
図16参照)。また、閾値99以下である場合(すなわち、90〜99である場合)には第1始動入賞口13に始動入賞した場合であれば入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「05(H)」を設定すると判定し、第2始動入賞口14に始動入賞した場合であれば入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「25(H)」を設定すると判定する(
図15,
図16参照)。また、閾値169以下である場合(すなわち、100〜169である場合)には第1始動入賞口13に始動入賞した場合であれば入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「06(H)」を設定すると判定し、第2始動入賞口14に始動入賞した場合であれば入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「26(H)」を設定すると判定する(
図15,
図16参照)。また、閾値199以下である場合(すなわち、170〜199である場合)には第1始動入賞口13に始動入賞した場合であれば入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「07(H)」を設定すると判定し、第2始動入賞口14に始動入賞した場合であれば入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「27(H)」を設定すると判定する(
図15,
図16参照)。また、閾値214以下である場合(すなわち、200〜214である場合)には第1始動入賞口13に始動入賞した場合であれば入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「08(H)」を設定すると判定し、第2始動入賞口14に始動入賞した場合であれば入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「28(H)」を設定すると判定する(
図15,
図16参照)。また、閾値229以下である場合(すなわち、215〜229である場合)には第1始動入賞口13に始動入賞した場合であれば入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「09(H)」を設定すると判定し、第2始動入賞口14に始動入賞した場合であれば入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「29(H)」を設定すると判定する(
図15,
図16参照)。また、閾値229以下でない場合(すなわち、230〜251である場合)には第1始動入賞口13に始動入賞した場合であれば入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「0A(H)」を設定すると判定し、第2始動入賞口14に始動入賞した場合であれば入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして「2A(H)」を設定すると判定する(
図15,
図16参照)。
【0190】
なお、始動入賞時にステップS226の処理で確変状態や時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。従って、始動入賞時にステップS226の処理で確変状態や時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。よって、ステップS226の処理で判定される遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(
図24におけるステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。
【0191】
そして、CPU56は、ステップS224,S228の判定結果に応じたEXTデータを入賞時判定結果指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。ステップS230では、CPU56は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14のいずれに始動入賞したときに入賞時判定を行ったかと、ステップS224,S228の判定結果とに応じて、
図15および
図16に示す「01(H)」〜「0C(H)」、「21(H)」〜「2C(H)」のいずれかの値を入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
【0192】
図23および
図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。
【0193】
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
【0194】
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
【0195】
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
【0196】
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
【0197】
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
【0198】
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
【0199】
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
【0200】
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
【0201】
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(
図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
【0202】
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りになる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における
図8の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における
図8の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が
図8に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
【0203】
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
【0204】
ステップS61で、大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しないことを確認した場合には、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(ステップS62)。そして、CPU56は、大当り種別判定テーブル(
図8参照)を用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「確変大当り」または「非確変大当り」(通常大当り))を大当りの種別に決定する(ステップS63)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。
【0205】
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS64)。例えば、大当り種別が「非確変大当り」(通常大当り)である場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」である場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。
【0206】
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS65)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、大当り図柄以外のいずれかの図柄をはずれ図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、特別図柄の停止図柄を決定する。すなわち、大当り種別を「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、「非確変大当り」(通常大当り)に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
【0207】
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
【0208】
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS66)。
【0209】
図25は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132B(
図10(A),(B)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS102に移行する。
【0210】
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、大当りとすることに決定された場合(具体的には、大当り遊技を終了とき)にセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされている場合には(ステップS95のY)、CPU56は、ステップS99に移行する。
【0211】
時短フラグがセットされていない場合には、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(
図11(A)参照)を選択する(ステップS97)。そして、ステップS102に移行する。
【0212】
合算保留記憶数が3以上である場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(
図11(B)参照)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS102に移行する。
【0213】
時短フラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(
図11(C)参照)を選択する(ステップS99)。そして、ステップS102に移行する。
【0214】
この実施の形態では、ステップS95〜S99の処理が実行されることによって、合算保留記憶数が3以上である場合には、
図11(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)には、
図11(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、ステップS102の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS105の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(
図13参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(
図11(C)参照)と、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(
図11(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
【0215】
なお、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS95で時短フラグがセットされていると判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(
図11(A)参照)を選択するようにしてもよい。
【0216】
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97,S98またはS99の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
【0217】
次いで、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A(
図12参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(
図13参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
【0218】
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS107)。
【0219】
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
【0220】
なお、はずれと決定されている場合において、変動パターン種別を直接決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS95〜S99,S102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(
図11に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(
図11に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
【0221】
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
【0222】
図26は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果3指定のいずれかの演出制御コマンド(
図14参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS111)。セットされていない場合には、ステップS113に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別に応じて、
図14に示す表示結果2指定コマンド〜表示結果3指定コマンドのうちのいずれかを送信する制御を行う(ステップS112)。
【0223】
ステップS113では、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う。
【0224】
そして、CPU56は、特別図柄保留記憶表示器の点灯個数を1減らす(ステップS114)。なお、ステップS114の処理では、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1特別図柄保留記憶表示器18aの点灯個数を1減らし、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2特別図柄保留記憶表示器18bの点灯個数を1減らす。また、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS115)。ステップS115では、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS116)。
【0225】
図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS127)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS128)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS129)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
【0226】
図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当りまた確変大当りであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
【0227】
また、大入賞口制御タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS137)。
【0228】
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS141)。セットされている場合には、ステップS146に移行する。確変フラグがセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS142)。セットされていない場合には、ステップS146に移行する時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態をともなわず、時短状態にのみ制御されている場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS143)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS144)、時短フラグをリセットする(ステップS145)。
【0229】
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS146)。
【0230】
図29は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
【0231】
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していない場合には処理を終了する。
【0232】
大当り終了表示時間を経過している場合には、CPU56は、大当りの種別が確変大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS64の処理で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。確変大当りでなければ(すなわち、通常大当りであれば)、CPU56は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば、100)をセットする(ステップS167)。そして、ステップS169に移行する。
【0233】
確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS168)。そして、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS169)。
【0234】
なお、この実施の形態では、時短フラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされている場合には、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。また、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、時短フラグがセットされている場合には、時短フラグがセットされていない場合に比べて、普通図柄の変動表示結果を当りにするか否かの抽選における当り確率(当りに決定する割合)を高くする。
【0235】
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS170)。
【0236】
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100が演出表示装置9において実行する表示演出を説明する。
図30〜
図36は、表示演出を説明するための説明図である。
【0237】
表示装置において立体視を可能にする方式として種々の方式があるが、左目用画像と右目用画像とを複合する方式が広く用いられている。表示装置が液晶表示装置である場合、そのような方式を用いるときには、左目用画像を表示する際に表示画面における全画素を視認可能にするのではなく、一部を遮光する。また、右目用画像を表示する際にも表示画面における全画素を視認可能にするのではなく、一部を遮光する。
【0238】
よって、立体視画像が表示されているときには、平面視画像が表示されているときに比べて、輝度が低下する。
【0239】
図30に示す例は、主としてキャラクタ画像9aを使用する演出であるが、
図30に示すように演出表示装置9の表示画面に背景画像が平面視画像として表示されている状態から、平面視画像としての背景画像の輝度をやや低下させた後に(
図30(B)参照)、立体視画像を表示する(
図30(C)参照)。
図30(C)には、立体視画像としてのキャラクタ画像9aが例示されている。なお、低下した背景画像の輝度(遊技者に視認される輝度)は、立体視画像の輝度(遊技者に視認される輝度)と同程度になることが好ましい。
【0240】
以下、立体視画像を表示する前に平面視画像の輝度を低下させることをウォーミングアップ#1という。ウォーミングアップ#1が実行されることによって、輝度が低い立体視画像を遊技者が視認する前に、同程度の輝度の平面視画像が表示されるので、立体視画像が表示されたときに遊技者に与えられる違和感が低減する。
【0241】
また、
図30に示す例では、平面視のものから立体視のものに変更する過程であるウォーミングアップにおいて、表示される立体視画像としてのキャラクタ画像9aの数を徐々に増やす(
図30(C)〜(F)参照)。従って、表示画面において、立体視画像が表示される領域が徐々に広くなる。そして、最終的に、立体視画像としてのキャラクタ画像9aが大きく表示される(
図30(G)参照)。すなわち、表示画面において、立体視画像が表示される領域のサイズが最も大きくなる。なお、最終的に立体視画像が表示される領域のサイズは、表示画面全体であってもよい。
【0242】
以下、立体視画像が表示される領域を徐々に広げる(具体例では、立体視画像としてのキャラクタ画像の数を増やす。)ことをウォーミングアップ#2という。ウォーミングアップ#2が実行されることによって、広い表示領域において立体視画像が突然表示されることが防止され、立体視画像が表示されたときに遊技者に与えられる違和感が低減する。
【0243】
さらに、
図30に示す例では、立体視画像が表示される領域のサイズが最も大きくなったときに、演出表示装置9の表示画面の外縁近傍9Sにおける立体視画像を半透明にする(
図30(G)参照)。外縁近傍9Sにおける立体視画像を半透明にすることによって、画枠の存在によって立体感が損なわれる額縁効果を低減して、安定して視認可能な立体視表示を行うことができる。外縁近傍9Sは、画枠に相当する部分(表示画面の外周)の内側の四角形の枠状の領域である。例えば、画枠(外周)を構成する四辺の各々から「所定長」(例えば、数cm)内側までの枠状領域、または、画枠(外周)を構成する四辺の各々から「所定%」(例えば、10%:100%は、枠状領域の横方向のサイズ(幅)を規定する場合には表示画面の幅に相当し、枠状領域の縦方向のサイズ(幅)を規定する場合には表示画面の高さに相当)内側までの枠状領域であるが、「所定長」および「所定%」は、立体感が損なわれない程度に額縁効果を低減できるような値に適宜(例えば、使用する液晶表示装置の特性やサイズ等に応じて)決定される。
【0244】
なお、
図30に示す例では、最初に立体視画像としてのキャラクタ画像9aが表示されたときから(
図30(C)参照)、表示画面の外縁近傍における立体視画像を半透明にする。しかし、そのような表示制御を行ってもよいが、少なくとも、立体視画像が表示される領域のサイズを最も大きくしたときに、表示画面の外縁近傍における立体視画像を半透明にすればよい。
【0245】
なお、
図30には、ウォーミングアップ#2の実行中に、キャラクタ画像9aとは異なる立体視画像としてのキャラクタ画像9bが表示画面に表示される例が示されている(
図30(D)参照)。
図30(D)に例示するように、この実施の形態では、表示される立体視画像の数を徐々に増やしていく過程において、複数の立体視画像(キャラクタ画像9aおよびキャラクタ画像9b)を用いて立体視画像の数を増やすので、ウォーミングアップ中でも、実行される演出を単調でないものにすることができる。
【0246】
図31は、ウォーミングアップの他の例を示す説明図である。
図31に示す例では、演出表示装置9の表示画面に表示される立体視画像としてのキャラクタ画像9aのサイズを、最終的表示される立体視画像(
図31(C)参照)のサイズになるまで、徐々に大きくする(
図31(A),(B)参照)。
【0247】
以下、表示される立体視画像のサイズを徐々に大きくすることをウォーミングアップ#3という。ウォーミングアップ#3が実行されることによって、広い表示領域において立体視画像が突然表示されることが防止され、立体視画像が表示されたときに遊技者に与えられる違和感が低減する。
【0248】
なお、
図30に示す例でも、立体視画像としてのキャラクタ画像9aのサイズは、徐々に大きくされている。
【0249】
図32は、ウォーミングアップのさらに他の例を示す説明図である。
図32に示す例では、演出表示装置9の表示画面に表示される立体視画像としてのキャラクタ画像9aの深度を、最終的表示される立体視画像(
図32(C)参照)の深度になるまで、徐々に深くする(
図32(A),(B)参照)。なお、
図32において、F1,F2,F3は深度を示し、F1<F2<F3である。また、F1,F2,F3で示されている部分は、深度の程度を容易に把握できるようにするために示されているにすぎず、表示画面に表示されているわけではない。
【0250】
以下、表示される立体視画像の深度を徐々に深くすることをウォーミングアップ#4という。ウォーミングアップ#4が実行されることによって、奥行きがある立体視画像が突然表示されることが防止され、立体視画像が表示されたときに遊技者に与えられる違和感が低減する。
【0251】
図33は、ウォーミングアップ#1の制御例を説明するための説明図である。
図33に示す例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、立体視画像(3D)を表示する前に(期間t1)、平面視画像(2D)を表示しているときにバックライト91の輝度を徐々に低下させる。バックライトがLEDであれば、LEDに供給される電流値を徐々に低下させる。
【0252】
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、立体視画像(3D)を表示しているときに、バックライト91の輝度を、平面視画像(2D)を表示しているときよりも高くする。そのような制御を行うことによって、遊技者に視認される立体視画像(3D)の表示の明るさを、直前に表示されていた平面視画像(2D)の明るさに近づけることができる。
【0253】
なお、
図33に示す例では、立体視画像(3D)を表示している状態から平面視画像(2D)を表示する状態(立体視画像(3D)を表示しない状態)に移行すると、平面視画像(2D)を表示しているときに、期間t2においてバックライト91の輝度を徐々に上昇させる。そのような制御を行うことによって、立体視画像(3D)を表示している状態から平面視画像(2D)を表示する状態に移行するときの遊技者に視認される画面の明るさの変化の程度を小さくすることができ、演出表示装置9において実行されている演出が見づらくなることが防止される。
【0254】
図34は、ウォーミングアップ#1の制御例の他の例を説明するための説明図である。
図34に示す例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、立体視画像(3D)を表示する前に(期間t1)、平面視画像(2D)を表示しているときに、データ値を小さくすることによって、表示データの輝度を低下させる。
【0255】
なお、
図34に示す例では、R,G,Bのそれぞれのデータについて、255が表示データにおける最大輝度である。上述したように、立体視画像が表示されているときには平面視画像が表示されているときに比べて輝度が低下するが、表示データにおいて、立体視画像のデータ値の最大値を「256」とし、平面視画像のデータ値の最大値を「200」とすることによって、遊技者が視認する立体視画像の明るさを平面視画像の明るさに近づけることができる。この例では、「256」および「200」を使用するが、それらの値は一例である。
【0256】
また、
図34に示す例でも、立体視画像(3D)を表示している状態から平面視画像(2D)を表示する状態(立体視画像(3D)を表示しない状態)に移行すると、平面視画像(2D)を表示しているときに(期間t2)、データ値を大きくすることによって、表示データの輝度を上昇させる。
【0257】
なお、
図34には、それぞれの区間における表示に用いる最大輝度(表示データの最大値)が示されている。最大輝度が「200」である場合を例にすると、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ROMにあらかじめ記憶されている表示データの値が「255」であれば、演出表示装置(液晶表示装置)9に対して、値が「200」の表示データが出力されるように表示データの値を変換する演算を行う。また、例えば、ROMにあらかじめ記憶されている表示データの値が「100」であれば、最も簡単には、値が「100×(200/256)」の表示データが出力されるように表示データの値を変換する演算を行う。
【0258】
ただし、表示装置の特性によって表示データの値と視認される輝度とは正比例しないので、実際には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示装置の特性を考慮したデータ値の変換の演算を行う。すなわち、γ補正に従った演算を行って、表示データの値を変換する。
【0259】
また、
図34には、表示データの輝度を低下または上昇させる期間t1,t2において最大輝度が同じであるように示されているが、
図33に示す例と同様に、最大輝度を徐々に低下または上昇させる(具体的には、最大輝度のデータ値を徐々に小さくするか、または大きくする。)ことが好ましい。
【0260】
図34に例示したように演出制御用マイクロコンピュータ100が演算によって表示の明るさを制御する場合も、
図33に示されたようなバックライト91を制御する場合の効果と同様に効果を得ることができる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100が
図34に例示されたような制御を行う場合には、バックライト91の制御に関するハードウェア構成を複雑にせずに済む。
【0261】
逆に、
図33に例示されたようなバックライト91の制御を行う場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100のプログラムを増やさずに済む。よって、ハードウェアを複雑にしたくない場合(例えば、回路構成等において複雑にする余裕がない場合)には、演出制御用マイクロコンピュータ100が演算によって表示の明るさを制御する方法を採用し、演出制御用マイクロコンピュータ100のプログラム量を増やしたくない場合(例えば、使用可能なプログラム容量に制約がある場合)には、バックライト91を制御する方法を採用すればよい。
【0262】
なお、この例では、表示データにおいて立体視画像のデータ値の最大値を一例として「256」とし平面視画像のデータ値の最大値を一例として「200」とするが、平面視画像のデータ値の最大値も「256」にしてもよい。その場合には、遊技者が視認する立体視画像の明るさと平面視画像の明るさとの差が大きくなるが、
図34に示すように、平面視画像(2D)を表示する状態(立体視画像(3D)を表示しない状態)から立体視画像(3D)を表示している状態に移行するときに徐々に輝度を変えることによって、遊技者に与えられる違和感を低減することができる。
【0263】
また、この例では、演出表示装置9の表示画面全体において明るさが変わることになるが、表示画面の一部の領域において立体視画像が表示される場合には、当該領域においてのみ、上記のように平面視画像の輝度と立体視画像の輝度とを制御する(例えば、立体視画像を表示している状態に移行するときに平面視画像の輝度を低くする。)ようにしてもよい。また、γ補正に従う表示データの変換についても、立体視画像が表示される領域のみにおいて実行するようにしてもよい。また、左目用画像を表示する際に表示画面における一部を遮光し右目用画像を表示する際にも表示画面における一部を遮光することによって立体視を実現する場合に、遮光が行われる領域を立体視画像が表示される領域のみに限ってもよい。さらに、バックライトが照射される領域(表示画面における領域)を分割できるのであれば、立体視画像が表示される領域のみについで、
図33に例示されたような制御を行ってもよい。
【0264】
図35は、表示演出の他の例を示す説明図である。
図35に例示する表示演出は、基本的には
図30に示す表示演出と同じであるが、表示画面において、最終的な立体視画像としてのキャラクタ画像9aが表示されたときに(
図35(G)参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、キャラクタ画像9aを左右(または、上下もしくは上下左右)に揺れるように表示する。すなわち、キャラクタ画像9aを揺れ表示する。さらに、
図35(G)に示すように、表示画面において、キャラクタ画像9a以外の背景画像等の表示領域(平面視画像の表示領域)の輝度を低下させる。
【0265】
立体視画像を揺れ表示することによって、立体視画像が強調されるので、立体視画像に遊技者をより惹きつけることができる。
【0266】
なお、
図35に示す表示演出では、最終的な最終的な立体視画像表示されたときに立体視画像が揺れ表示されるが、ウォーミングアップ#2の実行中にも(
図35(C)〜(F)参照)、キャラクタ画像9a,9bを揺れ表示するようにしてもよい。また、最終的な最終的な立体視画像が表示されたときに背景画像等の輝度が低下されるが、ウォーミングアップ#2の実行中にも、キャラクタ画像9a,9b以外の背景画像等の表示領域(平面視画像の表示領域)の輝度を低下させるようにしてもよい。
【0267】
また、
図35に示す表示演出において、
図35(C)〜
図35(G)に示す状態において、背景画像も立体視画像としてもよい。
【0268】
図36は、ウォーミングアップのさらに他の例を示す説明図である。
図36に示す例では、演出表示装置9の表示画面に表示される立体視画像としてのキャラクタ画像9aの表示位置を徐々に変化させる(
図36(A)〜(C)参照)。平面視画像から立体視画像に切り替える際に、演出表示装置9における表示画面において立体視画像の表示位置を徐々に変化させることによって、平面視画像から立体視画像に切り替える表示制御を行うときでも多彩な演出を行うことが可能になる。つまり、キャラクタ画像9aの位置変化によって、キャラクタ画像9aを用いた多彩な演出を実行可能になる。
【0269】
以下、表示画面において立体視画像の表示位置を徐々に変化させることをウォーミングアップ#5という。ウォーミングアップ#5が実行されることによって、ある期間に亘って遊技者を立体視画像に慣れさせることができるので遊技者に与えられる違和感が低減する。
【0270】
この実施の形態では、立体視画像(3D)を表示している状態から平面視画像(2D)を表示する状態に移行するときに、ウォーミングアップ#1〜#5を実行する。
(1)ウォーミングアップ#1:立体視画像を表示する前に平面視画像の輝度を低下させる。
(2)ウォーミングアップ#2:立体視画像が表示される領域を徐々に広げる(具体例では、立体視画像としてのキャラクタ画像の数を増やす。)。
(3)ウォーミングアップ#3:表示される立体視画像のサイズを徐々に大きくする。
(4)ウォーミングアップ#4:表示される立体視画像の深度を徐々に深くする。
(5)ウォーミングアップ#5:表示画面において立体視画像の表示位置を徐々に変化させる。
【0271】
ウォーミングアップ#1〜#5が実行されることによって、平面視画像から立体視画像への切替のときに遊技者に与えられる違和感を低減したり、立体視画像を用いた演出を多彩な演出にすることができる。また、ウォーミングアップ#4を実行する場合には、立体視画像を表示しているときに立体感が損なわれないようにすることができる。
【0273】
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ウォーミングアップ#1〜#5の全てを実行してもよいし、ウォーミングアップ#1〜#5のうちのいずれか1つ以上のウォーミングアップを実行してもよい。
【0274】
一例として、演出制御用マイクロコンピュータ100は、
図30,
図31,
図32,
図35,
図36に示された演出を「擬似連」の演出における各々の変動(初回変動と、仮停止表示後の変動)において使用する。
図6に示されたように、この実施の形態では、「擬似連」の演出において再変動回数は、1〜3回のいずれかである。初回変動(1回目の仮停止表示前の変動)も含めると、変動回数は、2〜4回のいずれかである。
【0275】
演出制御用マイクロコンピュータ100は、
図30に示された表示演出を使用する場合、再変動回数が3回の擬似連変動を行うときには、例えば、初回変動において
図30(C)または
図35(C)に例示された演出を行い、1回目の再変動において
図30(D)または
図35(D)に例示された演出を行い、2回目の再変動において
図30(E)または
図35(E)に例示された演出を行い、3回目の再変動において
図30(F)または
図35(F)に例示された演出を行った後、
図30(G)または
図35(G)に例示されたような最終的な立体視画像を表示する。
【0276】
図30または
図35に示された表示演出を使用する場合、再変動回数が2回の擬似連変動を行うときには、例えば、初回変動において
図30(C)または
図35(C)に例示された演出を行い、1回目の再変動において
図30(D)または
図35(D)に例示された演出を行い、2回目の再変動において
図30(E)または
図35(E)に例示された演出を行うが、
図30(G)または
図35(G)に例示されたような最終的な立体視画像を表示しない。
【0277】
図30または
図35に示された表示演出を使用する場合、再変動回数が1回の擬似連変動を行うときには、例えば、初回変動において
図30(C)または
図35(C)に例示された演出を行い、1回目の再変動において
図30(D)または
図35(D)に例示された演出を行うが、
図30(G)または
図35(G)に例示されたような最終的な立体視画像を表示しない。
【0278】
なお、上記の例は一例であって、再変動回数が1回または2回と少ない場合には、各々の再変動時に実行する演出を、上記の例とは変えてもよい。いずれにせよ、最終的な立体視画像が表示されるのは再変動回数が3回の擬似連変動が行われるときだけである。すなわち、再変動回数が1回または2回の擬似連変動が行われるときには、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば立体視画像を表示する領域を徐々に変化させるが、すなわちウォーミングアップを行うが、最終的に立体視画像を表示しない。そのような表示制御を実行することによって、立体視画像を表示する領域が徐々に変化しても必ずしも最終的な立体視画像が表示されることにはならないので、立体視画像を用いた演出の効果を向上させることができる。
【0279】
図31に示された表示演出を使用する場合、再変動回数が3回の擬似連変動を行うときには、例えば、初回変動において
図31(A)に例示されたサイズよりも小さいキャラクタ画像9aを表示する演出を行い、1回目の再変動において
図31(A)に例示された演出を行い、2回目の再変動において
図31(B)に例示された演出を行い、3回目の再変動において
図31(C)に例示された演出を行う。
【0280】
図31に示された表示演出を使用する場合、再変動回数が2回の擬似連変動を行うときには、例えば、初回変動において
図31(A)に例示されたサイズよりも小さいキャラクタ画像9aを表示する演出を行い、1回目の再変動において
図31(A)に例示された演出を行い、2回目の再変動において
図31(B)に例示された演出を行う。
【0281】
図31に示された表示演出を使用する場合、再変動回数が1回の擬似連変動を行うときには、例えば、初回変動において
図31(A)に例示されたサイズよりも小さいキャラクタ画像9aを表示する演出を行い、1回目の再変動において
図31(A)に例示された演出を行う。すなわち、再変動回数が1回または2回の擬似連変動が行われるときには、演出制御用マイクロコンピュータ100は、立体視画像のサイズを徐々に大きくするが、すなわちウォーミングアップを行うが、
図31(C)に示された態様の最終的な立体視画像を表示しない。
【0282】
図32に例示された演出を使用する場合にも、
図31に例示された演出において再変動回数が進むに従って立体視画像のサイズが徐々に大きくなるのと同様に、再変動回数が進むに従って深度が深くなる立体視画像(具体的には、キャラクタ画像9a)を使用する。
図36に例示された演出を使用する場合には、再変動回数が進むに従って立体視画像(具体的には、キャラクタ画像9a)の表示位置を異ならせる。
【0283】
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、
図30,
図31,
図32,
図35,
図36に示された演出を、ステップアップ予告演出における各段階の演出として使用してもよい。ステップアップ予告演出は、1回の飾り図柄の変動(可変表示)中にあたかじめ定められた順番に従って、あらかじめ定められたタイミングで予告演出(第1段階から複数段階までの予告演出)を1回または複数回変化(発展)させることによって大当りになる可能性等ことを段階的に遊技者に報知する予告演出である。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップアップ予告演出を実行するときに、大当りになる場合(飾り図柄の停止図柄が大当り図柄になる場合)にははずれになる場合(飾り図柄の停止図柄が大当り図柄にならない場合)よりも高い割合であらかじめ定められた段階目まで演出を行う。一例として、ステップアップ予告演出におけるあらかじめ定められた段階目を4段階目とする。演出制御用マイクロコンピュータ100は、予告演出(この例では、ステップアップ予告演出)を実行するか否か決定する処理を実行し、予告演出を実行することの決定した場合には、乱数を用いた抽選によってステップアップ予告演出における最終段階目を決定する。その際、大当りになる場合には、はずれになる場合に比べて、最終段階目が4段階目(あらかじめ定められた段階目)に当選する割合が高くなるように判定値が設定されたデータテーブル(複数種類の最終段階目(例えば、2,3,4)のそれぞれに対応する判定値が設定されている。)における判定値に一致するものを最終段階目として決定する。なお、最終段階目の演出は、
図30に示す演出例では、
図30(G)に示された演出に相当する。
【0284】
図30,
図31,
図32,
図35,
図36に示された演出をステップアップ予告演出における各段階における演出として使用する場合、各段階の演出として、例えば、上記の「擬似連」における各再変動時の演出に相当する演出を用いればよい。
【0285】
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、
図30,
図31,
図32,
図35,
図36に示された演出を、複数回の飾り図柄の変動(可変表示)に亘って実行される予告演出(以下、連続予告という)として使用してもよい。
【0286】
図30,
図31,
図32,
図35,
図36に示された演出を連続予告のとして使用する場合、各回の演出として、例えば、上記の「擬似連」における各再変動時の演出に相当する演出を用いればよい。
【0287】
次に、演出制御手段の動作を説明する。
図37は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS702)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS702に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS704)、ステップS705〜S706の演出制御処理を実行する。
【0288】
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS705)。
【0289】
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御等の演出制御を実行する。その後、ステップS702に移行する。
【0290】
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファ(RAMに形成されている。)に保存されている。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。コマンド解析処理では、演出制御用CPU101が、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(
図14参照)であるのか解析する。
【0291】
図38〜
図40は、コマンド解析処理(ステップS705)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
【0292】
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
【0293】
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
【0294】
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS618A)。また、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果8指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618B)。
【0295】
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
【0296】
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
【0297】
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
【0298】
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている飾り図柄の初期表示が含まれる。
【0299】
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS634)。
【0300】
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。
【0301】
受信した演出制御コマンドが第1入賞時判定結果指定コマンド(入賞時判定結果1指定コマンド〜入賞時判定結果12指定コマンドのいずれか)であれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、受信した第1入賞時判定結果指定コマンドに応じた入賞時判定結果を第1入賞時判定結果記憶バッファに保存する(ステップS652)。そして、第1入賞時判定結果指定コマンドを受信したことを示す第1入賞時判定結果指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS653)。また、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1加算する(ステップS654)。さらに、演出制御用CPU101は、更新後の第1保留記憶数に従って、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を更新する(ステップS655)。すなわち、表示される画像(例えば、丸印)の数を1増やす。
【0302】
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS656)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数の値を1減算する(ステップS657)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第1保留記憶数に従って、第1保留記憶数表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を更新する(ステップS658)。すなわち、第1保留記憶数表示部18cに表示されている画像(例えば、丸印)の数を1減らす。具体的には、表示されている画像のうち例えば最左の画像が消去され、他の画像が左側に移動される。
【0303】
受信した演出制御コマンドが第2入賞時判定結果指定コマンド(入賞時判定結果21指定コマンド〜入賞時判定結果32指定コマンドのいずれか)であれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、受信した第2入賞時判定結果指定コマンドに応じた入賞時判定結果を第2入賞時判定結果記憶バッファに保存する(ステップS662)。そして、第2入賞時判定結果指定コマンドを受信したことを示す第2入賞時判定結果指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS663)。また、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1加算する(ステップS664)。さらに、演出制御用CPU101は、更新後の第2保留記憶数に従って、第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示を更新する(ステップS665)。すなわち、表示される画像(例えば、丸印)の数を1増やす。
【0304】
なお、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示の色(例えば、赤色)を、第1保留記憶数表示部18cにおける第1保留記憶数の表示の色(例えば、青色)と異ならせる。
【0305】
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS666)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数の値を1減算する(ステップS667)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第2保留記憶数に従って、第2保留記憶数表示部18dにおける第2保留記憶数の表示を更新する(ステップS668)。すなわち、第2保留記憶数表示部18dに表示されている画像(例えば、丸印)の数を1減らす。具体的には、表示されている画像のうち例えば最左の画像が消去され、他の画像が左側に移動される。
【0306】
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS691)。そして、ステップS611に移行する。
【0307】
図41は、入賞時判定結果を保存する領域(入賞時判定結果記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。
図41に示すように、この実施の形態では、第1始動入賞口13への始動入賞時の入賞時判定結果(入賞時判定結果1指定コマンド〜入賞時判定結果12指定コマンドによる。)を保存する第1入賞時判定結果記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞時の入賞時判定結果(入賞時判定結果21指定コマンド〜入賞時判定結果32指定コマンドによる。)を保存する第2入賞時判定結果記憶バッファとが用意されている。第1入賞時判定結果記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2入賞時判定結果記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1入賞時判定結果記憶バッファおよび第2入賞時判定結果記憶バッファには、受信した入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータが記憶される。なお、第1入賞時判定結果記憶バッファおよび第2入賞時判定結果記憶バッファは、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMに形成されている。
【0308】
演出制御用CPU101は、ステップS652の処理で、入賞時判定結果を
図41に示す第1入賞時判定結果記憶バッファに保存し、ステップS662の処理で、入賞時判定結果を
図41に示す第2入賞時判定結果記憶バッファに保存する。
【0309】
図42は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。
図42に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、予告演出決定用乱数SR2、予告タイプ選択用乱数SR3を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
【0310】
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3は、飾り図柄の可変表示結果となる停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、飾り図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの飾り図柄のことである。なお、飾り図柄の大当り図柄の組合せは、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
【0311】
図43は、
図37に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、飾り図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。
【0312】
なお、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。その場合に、いずれの演出制御プロセス処理により飾り図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
【0313】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信している場合には、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
【0314】
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
【0315】
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
【0316】
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
【0317】
大当り表示処理(ステップS804):大当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
【0318】
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。また、大当り中演出実行フラグがセットされている場合には、予告演出を実行する。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
【0319】
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
【0320】
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
【0321】
図44は、
図43に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされている場合には、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
【0322】
図45は、
図43に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、いずれかの予告演出実行中フラグ(受信した第1入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて実行される予告演出である第1予告演出を実行していることを示す第1予告演出実行中フラグと、受信した第2入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて実行される予告演出である第2予告演出を実行していることを示す第2予告演出実行中フラグとのうちのいずれか)がセットされているか否か確認する(ステップS820)。
【0323】
予告演出実行中フラグ(第1予告演出実行中フラグまたは第2予告演出実行中フラグ)は、ステップS6021の処理で(
図50参照)、予告演出を実行することに決定されたときにセットされる。従って、既に予告演出を実行中である場合(予告演出を実行することに決定されておりが予告演出が開始されていないときも含む。)には、予告演出の決定処理を重ねて実行しないように制御される。
【0324】
いずれの予告演出実行中フラグもセットされていない場合には、予告演出決定処理を実行する(ステップS821)。そして、ステップS825Bに移行する。
【0325】
また、第1予告演出実行中フラグがセットされている場合には(ステップS822)、第2図柄変動開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS823)。すなわち、これから開始する飾り図柄の可変表示が第2特別図柄の可変表示に対応するものか否か確認する。
【0326】
第2図柄変動開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第2特別図柄の可変表示の表示結果が大当りであるときには(ステップS823B)、第1予告演出実行中フラグをリセットするとともに、予告種類を示す予告種類指定フラグの内容と変動回数カウンタ(予告演出の対象である可変表示、または予告演出の対象である表示結果が導出表示されることになる可変表示までに実行される可変表示(予告演出の対象である可変表示、または予告演出の対象である表示結果が導出表示されることになる可変表示も含まれる)の回数を示すカウンタ)をリセットする(ステップS823C)。そして、ステップS825Bに移行する。また、第2特別図柄の可変表示の表示結果が大当りでないときには、第1予告演出実行中フラグをリセットするとともに、予告中止フラグをセットする(ステップS824,S825)。
【0327】
なお、この実施の形態では、第1予告演出を実行しているときに第2始動入賞が生じて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるときには、第1予告演出を中止する。その後、第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるときに、第1予告演出が再開されるように制御する。そのような制御を行うために、演出制御用CPU101は、ステップS822〜S825の処理を実行する。
【0328】
次いで、演出制御用CPU101は入賞時判定結果記憶バッファ(第1入賞時判定結果記憶バッファまたは第2入賞時判定結果記憶バッファ)に記憶されている1つ目の入賞時判定結果(今回実行する変動表示に対応する入賞時判定結果)を削除し、入賞時判定結果記憶バッファ(第1入賞時判定結果記憶バッファまたは第2入賞時判定結果記憶バッファ)の内容をシフトする(ステップS825B)。また、RAMの変動パターンコマンド格納領域から、受信した変動パターンコマンドを読み出す(ステップS826)。そして、演出制御用CPU101は、読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)にもとづいて、飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS827)。
【0329】
図46は、飾り図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。
図46に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として、3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った飾り図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った飾り図柄の組合せを決定する。そして、はずれの場合には、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。
【0330】
そして、演出制御用CPU101は、決定した飾り図柄の停止図柄を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納する。
【0331】
なお、演出制御用CPU101は、停止図柄を決定するための乱数(
図42に示すSR1−1,1−2,1−3)を抽出し、飾り図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、飾り図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する飾り図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
【0332】
また、飾り図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
【0333】
また、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブル(予告演出を実行することに決定されている場合には、予告種類にも応じたプロセステーブル)を選択する(ステップS828)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS829)。
【0334】
図47は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行う。
【0335】
図47に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。また、予告演出を実行する場合には、予告演出の種類に応じて用意されている。
【0336】
図48は、プロセステーブルの内容に従って実行される演出を説明するための説明図である。
図48に示すように、演出制御用CPU101は、プロセステーブルにおけるプロセスデータ(演出制御実行データ)に従って演出制御を実行する。すなわち、プロセスタイマ設定値に設定されたタイマ値に応じた時間が経過すると、プロセステーブルにおける次の演出制御実行データに従って、演出表示装置9やLED等の発光体を制御する処理を繰り返すことによって、1回の飾り図柄の変動中の背景等の演出が実現される。
【0337】
なお、この実施の形態では、飾り図柄の変動に関わる画像データは、プロセステーブルには設定されていない。飾り図柄の変動自体は、演出制御用CPU101によって、プロセステーブルを使用せずに直接制御される。
【0338】
演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS830)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
【0339】
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
【0340】
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS831)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(ステップS832)。
【0341】
なお、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU101は、所定時間が経過する毎に左中右の飾り図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、VDP109がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置9に出力し、演出表示装置9が信号に応じた画像を表示することによって飾り図柄の変動が実現される。
【0342】
また、演出制御用CPU101は、画像データをVRAMの所定領域に書き込む場合に、実際には、例えば、Vブランク割込にもとづくVブランク割込処理で画像データをVRAMに書き込む制御を行う。従って、演出制御用CPU101は、RAMの所定領域にVRAMに書き込むデータを一時保存し、Vブランク割込処理でRAMの所定領域のデータをVRAMに書き込む制御を行う。Vブランク割込は、演出表示装置9に供給される垂直同期信号の周期と同周期でVDP109が発生する割込である。例えば、演出表示装置9の画面変更周波数(フレーム周波数)が30Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は33.3msであり、フレーム周波数が60Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は16.7msである。この例では、Vブランク割込処理でVRAMにデータを書き込むが、他の処理において、VRAMにデータを書き込むようにしてもよい。他の処理は、例えば、演出制御用が内蔵するタイマにもとづくタイマ割込や、飾り図柄変動中処理である。なお、他の処理においてVRAMにデータを書き込む処理を実行する場合には、例えば定期的に、実行周期とVブランク割込の周期との同期を取るための処理を実行することが好ましい。
【0343】
その後、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS833)。
【0344】
図49および
図50は、予告演出決定処理を示すフローチャートである。予告演出決定処理において、演出制御用CPU101は、遊技状態が高ベース状態(時短状態)であるか否か確認する(ステップS6001)。高ベース状態であれば、ステップS6002に移行する。
【0345】
なお、演出制御用CPU101は、確変大当り(受信した表示結果指定コマンドで特定可能である。)の発生や通常大当り(受信した表示結果指定コマンドで特定可能である。)にもとづく遊技が終了した後の変動回数に応じて、遊技状態が高ベース状態であるか否か判定できるが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技状態を指定する遊技状態指定コマンド(高ベース状態指定コマンドまたは低ベース状態指定コマンド)を送信し、演出制御用CPU101は、受信した遊技状態指定コマンドにもとづいて遊技状態が高ベース状態であるか否か判定するようにしてもよい。
【0346】
高ベース状態でない場合には、すなわち低ベース状態である場合には、演出制御用CPU101は、予告中止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS6009A)。予告中止フラグは、第1予告演出を実行しているときに第2始動入賞が生じて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるときに、第1予告演出を中止するためにセットされる(
図45におけるステップS825参照)。予告中止フラグがセットされていない場合には、ステップS6010に移行する。予告中止フラグがセットされている場合には、第1図柄変動開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS6009B)。すなわち、これから開始する飾り図柄の可変表示が第1特別図柄の可変表示に対応するものか否か確認する。第1図柄変動開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、ステップS6015に移行する。
【0347】
ステップS6010では、演出制御用CPU101は、第1入賞時判定結果指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS6010)。第1入賞時判定結果指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、処理を終了する。第1入賞時判定結果指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1入賞時判定結果指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS6011)。そして、演出制御用CPU101は、第1入賞時判定結果記憶バッファが記憶する入賞時判定結果を全て抽出する(ステップS6013)。
【0348】
なお、この実施の形態では、ステップS6013の処理で入賞時判定結果記憶バッファが記憶する入賞時判定結果を全て抽出し、以下のステップS6014の処理で判定対象になった変動表示が開始されるまでの各変動表示について全て「非リーチはずれ」になることを条件に予告演出を実行可能にする。そのように構成することによって、予告演出の途中でリーチ演出が割り込むことにより予告演出の連続性が損なわれる事態を防止する。なお、判定対象になった変動表示が開始されるまでの各変動表示にリーチが含まれる場合であっても、予告演出を実行可能にしてもよい。その場合には、ステップS6013の処理で、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する入賞時判定結果を全て抽出する必要はなく、最先の入賞時判定結果のみを抽出すればよい。
【0349】
なお、「最先の入賞時判定結果」とは、その入賞時判定結果に対応する保留記憶のうち、最も早く、それにもとづく可変表示が実行されることになる入賞時判定結果のことである。
【0350】
次いで、演出制御用CPU101は、抽出した入賞時判定結果のうちに、入賞時判定結果が「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「大当り」を示す判定結果が1つでもあるか否かを確認する(ステップS6014)。
【0351】
そして、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果が「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「大当り」を示す判定結果があると判定したことを条件に(ステップS6014)、ステップS6006の処理で、予告演出を実行するか否か決定する。すなわち、この実施の形態では、ステップS6013,S6014の処理が実行されることによって、「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「大当り」になる変動表示が存在する場合に、ステップS6006以降の処理で予告演出に関する決定処理が実行される。
【0352】
具体的には、演出制御用CPU101は、ステップS6014の処理において、抽出した入賞時判定結果について変動パターン種別が必ず非リーチになることを示す値(具体的には、EXTデータが「03(H)」:
図15参照)、必ずスーパーリーチになることを示す値(具体的には、EXTデータが「0A(H)」:
図15参照)、または大当りになることを示す値(具体的には、EXTデータが「01(H)」〜「02(H)」:
図15参照)であるか否かを判定する。なお、判定対象に、EXTデータが「04(H)」,「05(H)」を示す値(入賞時判定結果4コマンド、入賞時判定結果5コマンドを受信した場合)を含めてもよい。
【0353】
また、演出制御用CPU101は、「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「大当り」であると判定した場合には、抽出した各入賞時判定結果にもとづいて、その判定結果の変動表示が開始されるまでの各変動表示においてリーチが実行されるか否かも判定する(ステップS6014B)。そして、各変動表示においてリーチが実行されないと判定した場合に(すなわち、その判定結果の変動表示が開始されるまでの各変動表示について全て「非リーチはずれ」と判定されている場合に)、ステップS6006に移行する。
【0354】
なお、予告演出と「擬似連」の演出とが同時に実行されて表示演出がわかりづらくなることを防止するために、入賞時判定結果のうちに「擬似連」を伴う変動パターンが実行される可能性がある場合には、予告演出を実行しないようにしてもよい。
【0355】
ステップS6015では、演出制御用CPU101は、予告中止フラグをリセットする。そして、第1予告演出実行中フラグをセットする(ステップS6019)。
【0356】
ステップS6019の処理が実行されることによって、中止された第1予告演出が再開される。
【0357】
ステップS6002では、演出制御用CPU101は、第2入賞時判定結果指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。第2入賞時判定結果指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、処理を終了する。第2入賞時判定結果指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第2入賞時判定結果指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS6003)。そして、第2入賞時判定結果記憶バッファが記憶する入賞時判定結果を全て抽出する(ステップS6004)。
【0358】
次いで、演出制御用CPU101は、抽出した入賞時判定結果のうちに、入賞時判定結果が「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「大当り」を示す判定結果が1つでもあるか否かを確認する(ステップS6005)。
【0359】
そして、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果が「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「大当り」を示す判定結果があると判定したことを条件に(ステップS6005)、ステップS6006の処理で、予告演出を実行するか否か決定する。すなわち、この実施の形態では、ステップS6004,S6005の処理が実行されることによって、「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「大当り」になる変動表示が存在する場合に、ステップS6006以降の処理で予告演出に関する決定処理が実行される。
【0360】
具体的には、演出制御用CPU101は、ステップS6005の処理において、抽出した入賞時判定結果について変動パターン種別が必ず非リーチになることを示す値(具体的には、EXTデータが「23(H)」:
図16参照)、必ずスーパーリーチになることを示す値(具体的には、EXTデータが「2A(H)」:
図16参照)、または大当りになることを示す値(具体的には、EXTデータが「21(H)」〜「22(H)」:
図16参照)であるか否かを判定する。なお、判定対象に、EXTデータが「24(H)」,「25(H)」を示す値(入賞時判定結果24コマンド、入賞時判定結果25コマンドを受信した場合)を含めてもよい。
【0361】
また、全ての入賞時判定結果を判定するのではなく、抽出した入賞時判定結果のうち最先の入賞時判定結果について判定を行い、「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「大当り」になる変動表示である場合に、ステップS6006以降の処理で予告演出を実行するか否かを決定するようにしてもよい。また、大当りに限らず「スーパーリーチ」である場合に、ステップS6006に移行して予告演出の判定を行うようにしてもよい。
【0362】
ステップS6006では、演出制御用CPU101は、予告演出決定用乱数の値を抽出し、「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「大当り」である入賞時判定結果と、予告演出決定用乱数の値と、保留記憶数とにもとづいて、予告演出を実行するか否かを決定する。
【0363】
なお、予告演出決定用乱数の値を抽出し、「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「大当り」である入賞時判定結果が複数存在する場合には、そのうちの最先の入賞時判定結果(最も早く可変表示を開始させることになる保留記憶に対応する入賞時判定結果)に対応する保留記憶にもとづく可変表示または表示結果(可変表示の表示結果)を予告演出による予告の対象にする。
【0364】
また、演出制御用CPU101は、「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」または「大当り」であると判定した場合には、抽出した各入賞時判定結果にもとづいて、その判定結果の変動表示が開始されるまでの各変動表示においてリーチが実行されるか否かも判定する(ステップS6005B)。そして、各変動表示においてリーチが実行されないと判定した場合に(すなわち、その判定結果の変動表示が開始されるまでの各変動表示について全て「非リーチはずれ」と判定されている場合に)、ステップS6006に移行し、予告演出を決定するための処理を実行する。すなわち、予告演出の実行中においてリーチ演出が実行されてしまったのでは、予告演出の連続性が損なわれて、予告演出による演出効果を十分に高めることができない可能性がある。そこで、この実施の形態では、判定対象となる変動表示が開始されるまでの各変動表示においてリーチも実行されないことを条件に予告演出を実行する場合があるように制御する。
【0365】
図51および
図52は、ステップS6006の処理で使用される予告決定テーブルを示す説明図である。なお、
図51および
図52には、リーチするか否か不明である場合、すなわち、変動パターン種別を特定不能である場合、具体的には、保留数が変わると変動パターン種別が変わってしまうことになる判定値範囲に対応する入賞時判定結果指定コマンド(入賞時判定結果4指定コマンド〜入賞時判定結果9、入賞時判定結果11指定コマンド、入賞時判定結果12指定コマンド、および入賞時判定結果24指定コマンド〜入賞時判定結果29、入賞時判定結果31指定コマンド、入賞時判定結果32指定コマンド指定コマンド)を受信した場合に相当する「はずれ(リーチあり/なし」も示されているが、その場合には、予告演出を実行しない。
【0366】
図51および
図52に示すように、この実施の形態では、保留記憶数および遊技状態に応じて、異なる予告決定テーブルが用意されている。すなわち、予告決定テーブルとして、保留記憶数=2の場合に使用される予告決定テーブル(
図51(A)参照)、保留記憶数=3の場合に使用される予告決定テーブル(
図51(B)参照)、保留記憶数=4の場合に使用される予告決定テーブル(
図52(C)参照)、および確変・時短時(高ベース時)に使用される予告決定テーブルとがある。
【0367】
各予告決定テーブルには、判定対象になる入賞時判定結果に対応する判定値(予告演出を「実行する」に対応する判定値)が設定されている。なお、「実行しない」に対応する判定値は、予告決定テーブルに設定されている必要はない。
【0368】
演出制御用CPU101は、ステップS6006の処理で、予告演出決定用乱数の値が判定値(予告演出を「実行する」に対応する判定値)のいずれかに一致すると、予告演出を実行することに決定する。
【0369】
なお、遊技状態が高ベース状態であるときには、演出制御用CPU101は、
図52(D)に示す確変・時短時(高ベース時)の予告決定テーブルを使用する。また、低ベース状態であるときには、そのときの保留記憶数に応じて、
図51(A)に示す予告決定テーブル、
図51(B)に示す予告決定テーブル、または
図52(C)に示す予告決定テーブルを使用する。
【0370】
各予告決定テーブルにおいて、特徴的なことは、非リーチはずれ(はずれ(リーチなし))に対応する判定値(予告演出を「実行する」に対応する判定値)の数よりも、スーパーリーチはずれ(はずれ(スーパーリーチ))に対応する判定値(予告演出を「実行する」に対応する判定値)の数が多いことである。また、スーパーリーチはずれ(はずれ(スーパーリーチ))に対応する判定値(予告演出を「実行する」に対応する判定値)の数よりも、大当りに対応する判定値(予告演出を「実行する」に対応する判定値)の数が多いことである。
【0371】
また、通常大当りに対応する判定値(予告演出を「実行する」に対応する判定値)の数よりも、確変大当りに対応する判定値(予告演出を「実行する」に対応する判定値)の数が多い。
【0372】
なお、この実施の形態では、判定対象の入賞時判定結果に対応する保留記憶がはずれの保留記憶(非リーチはずれやスーパーリーチはずれに決定されることになる保留記憶)に対応する入賞時判定結果についても予告演出が実行されることがあるが、はずれの場合には、予告演出を実行しないようにしてもよい。
【0373】
演出制御用CPU101は、予告演出を実行することに決定した場合には(ステップS6007)、予告タイプ選択用乱数を抽出し、抽出した予告タイプ選択用乱数を用いて、予告種類を選択する(ステップS6008)。
【0374】
図53は、ステップS6008の処理で使用される予告タイプ選択テーブルを示す説明図である。
【0375】
図53に示す例では、予告種類として予告種類A、予告種類B、予告種類C、予告種類Dの4種類がある。この実施の形態では、予告種類A、予告種類B、予告種類C、予告種類Dの予告演出として連続予告の演出を実行する。また、
図30および
図35に例示された演出を実行する場合を例にする。
【0376】
予告種類Aの演出は、連続予告の最終回(最終回の飾り図柄の変動中)以外においてウォーミングアップを行うが、最終回では平面視画像のキャラクタ画像9aを最終的に表示する演出である。すなわち、基本的には
図30に例示された演出であるが、最終的に平面視画像のキャラクタ画像9aを表示する。
【0377】
予告種類Bの演出は、連続予告の最終回(最終回の飾り図柄の変動中)以外においてウォーミングアップを行い、最終回では立体視画像のキャラクタ画像9aを最終的に表示する演出である。すなわち、
図30に例示された演出である。
【0378】
予告種類Cの演出は、連続予告の最終回(最終回の飾り図柄の変動中)以外においてウォーミングアップを行い、かつ、最終回の直前の飾り図柄の変動中に演出表示装置9の表示画面の背景画像を立体視表示(3D表示)し、最終回では立体視画像のキャラクタ画像9aを最終的に表示する演出である。すなわち、基本的には
図30に例示された演出であるが、最終的に立体視画像のキャラクタ画像9aが表示される(
図30(G)参照)直前に背景画像が3D表示される演出である。
【0379】
予告種類Dの演出は、連続予告の最終回(最終回の飾り図柄の変動中)以外においてウォーミングアップを行い、最終回では立体視画像のキャラクタ画像9aを最終的に表示するとともに、キャラクタ画像9aを揺れ表示する演出である。すなわち、
図35に例示された演出である。なお、
図35(G)に示す例では、キャラクタ画像9aを揺れ表示するときに背景画像等の輝度を低下させるが、キャラクタ画像9aの揺れ表示のみを行ってもよい。また、キャラクタ画像9aの揺れ表示を行わず、背景画像等の輝度の低下のみを行ってもよい。
【0380】
また、予告種類Dの演出を実行するときに、
図35(C)〜
図35(G)に示す状態において背景画像も立体視画像として表示するようにしてもよい。その場合には、予告種類Dの演出は大当りになる場合に選択されやすい(
図53に示す例では、一例として、大当りになる場合にのみ選択される。)ので、入賞時判定の判定結果が大当りである場合には、演出表示装置9において、立体視画像がより出現しやすくなる。
【0381】
この実施の形態では、予告演出として、
図30および
図35に例示された演出を使用した連続予告を実行するが、
図31、
図32または
図36に例示された演出を使用してもよい。
【0382】
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、予告種類をA,B,C,Dのいずれかに決定するが、より多くの種類から予告種類を選択するようにしてもよい。その場合、まず、予告種別選択用乱数を用いて予告種別を決定し、さらに、予告種類選択用乱数を用いて予告種類を選択するようにしてもよい。例えば、予告種別を予告種別a,b,c,dのいずれかに決定し、予告種別aに決定した場合には、予告種類選択用乱数を用いて、予告種類をa1,a2,a3のいずれかに決定する。また、予告種別bに決定した場合には、予告種類選択用乱数を用いて、予告種類をb1,b2,b3のいずれかに決定する。また、予告種別cに決定した場合には、予告種類選択用乱数を用いて、予告種類をc1,c2,c3のいずれかに決定する。また、予告種別dに決定した場合には、予告種類選択用乱数を用いて、予告種類をd1,d2,d3のいずれかに決定する。
【0383】
すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、予告演出態様の種別を複数種別の中から選択する第1段階演出態様選択手段と、第1段階演出態様選択手段が選択した種別に属する複数種類の予告演出態様の中から予告演出態様を選択する第2段階演出態様選択手段とを含むように構成されていてもよい。そのように構成されている場合には、第1段階演出態様選択手段によって決定される種別の振り分けを変更せずに、第2段階演出態様選択手段によって選択される種類の振り分けを変更するだけで、予告演出態様を選択するための設定を変更することができる。
【0384】
演出制御用CPU101は、ステップS6008の処理で選択した予告種類に応じた予告種類選択フラグをセットする(ステップS6021)。演出制御用CPU101は、ステップS6021の処理では、例えば、予告種類として予告種類Aが選択されている場合にはRAMにおける1バイトの予告種類選択フラグの領域に「01」をセットし、予告種類として予告種類Bが選択されている場合にはRAMにおける1バイトの予告種類選択フラグの領域に「02」をセットし、予告種類として予告種類Cが選択されている場合にはRAMにおける1バイトの予告種類選択フラグの領域に「03」をセットし、予告種類として予告種類Dが選択されている場合にはRAMにおける1バイトの予告種類選択フラグの領域に「04」をセットする。
【0385】
そして、予告演出の実行を決定したことを示す予告演出実行中フラグ(予告演出の実行中にもセットされているので、予告演出の実行中であることも示すことになる。)をセットする(ステップS6022)。演出制御用CPU101は、ステップS6022の処理では、低ベース状態では、第1予告演出実行中フラグをセットする。また、高ベース状態では、第2予告演出実行中フラグをセットする。
【0386】
さらに、演出制御用CPU101は、予告対象の保留記憶(ステップS6006の処理で判定の対象にした入賞時判定結果に対応する保留記憶)にもとづく特別図柄および飾り図柄の可変表示(変動)が開始されるまでに実行される変動の回数を変動回数カウンタにセットする(ステップS6023)。なお、変動回数カウンタにセットされる変動の回数は、予告対象の保留記憶にもとづく変動も含んだ回数である。
【0387】
なお、この実施の形態では、予告演出として入賞時判定結果にもとづく連続予告を実行するが、一般的な予告演出(例えば、識別情報の変動開始時に、表示結果にもとづいて予告演出を実行するか否か決定し、決定結果に応じて実行する通常の予告演出)を実行してもよい。
【0388】
通常の予告演出を実行する場合、予告演出をステップアップ予告演出としてもよい。ステップアップ予告演出として、
図30,
図31,
図32,
図35,
図36に示された演出をステップアップ予告演出における各段階における演出として使用する場合、各段階の演出として、上述したように、「擬似連」における各再変動時の演出に相当する演出(上記の連続予告の各回の演出に相当する演出である。)を用いればよい。
【0389】
図54は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。
【0390】
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS841)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS842)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS843)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS844)。
【0391】
なお、この実施の形態では、予告演出を実行する場合には、ステップS828(
図45参照)の処理で予告種類に応じたプロセステーブルが選択され、予告種類にも応じたプロセステーブルに設定されているデータに従って制御が実行されることによって予告演出が実現されている。
【0392】
プロセステーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに格納されているが、予告演出(連続予告)中にウォーミングアップ#1(立体視画像を表示する前に平面視画像の輝度を低下させる。)を実行する場合には、平面視画像の輝度を低下させるタイミングにおいて、演出制御用CPU101は、
図30(B)や
図35(B)に例示された平面視画像(輝度が低下した背景画像)のデータ(CGROMに格納されている。)をCGROMから読み出す指示(指令)をVDP109に出力する。そして、VDP109が、CGROMから読み出したデータにもとづいて背景画像の表示データを作成して、演出表示装置9に出力する。
【0393】
なお、演出制御用CPU101は、バックライト91を制御することによって、平面視画像の輝度を立体視画像の輝度に近づけるようにしてもよい(
図33参照)。そのような制御を行う場合には、輝度を低下させた平面視画像をCGROMに格納しておかなくてもよい。
【0394】
また、演出制御用CPU101は、背景画像の画像データの値(表示データの値)を変更する(小さくする)ことによって平面視画像の輝度を立体視画像の輝度に近づけるようにしてもよい(
図34参照)。そのような制御を行う場合には、輝度を低下させた平面視画像をCGROMに格納しておかなくてもよく、かつ、バックライト91の制御に関するハードウェア量(例えば、電流制御に必要な回路)を増やさなくて済む。
【0395】
また、VDP109は、表示画面の画像を作成するときに、縁部についてαブレンド処理を行うことができる。αブレンド処理とは、画像データにおける縁部分のα値を1.0よりも低い値にして合成処理を施すことである。縁部をαブレンド処理することによって、縁部が半透明化された画像を作成することができる。
【0396】
演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面の外縁近傍9Sにおける立体視画像を半透明にすべきタイミングにおいて(
図30(G),
図35(G)参照)、VDP109に対して、縁部についてαブレンド処理を行うことを指令する。
【0397】
VDP109は、その指令に応じて、表示画面の外縁近傍9Sにおける立体視画像を半透明にした画面データを演出表示装置9に出力する。
【0398】
なお、ここでは、
図30または
図35に例示された演出を使用する予告演出を例にして説明を行ったが、「擬似連」の演出を伴う変動パターンによって飾り図柄の変動(可変表示)が実行されるときにも、ステップS828(
図45参照)の処理で変動パターンに応じて選択されたプロセステーブルに設定されているデータに従って制御が実行されることによって
図30または
図35に例示された演出による「擬似連」の演出が実現される。
【0399】
変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS845)、演出制御用CPU101は、左中右の飾り図柄の次表示画面(前回の飾り図柄の表示切替時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS846)。そのようにして、演出制御装置9において、飾り図柄の変動制御が実現される。VDP109は、所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出制御装置9において、飾り図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像および飾り図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値(例えば、30msに相当する値)を再セットする(ステップS847)。
【0400】
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS851)。変動時間タイマがタイムアウトしているときには、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS853)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS852)、演出制御用CPU101は、ステップS53の処理を実行する。
【0401】
以上に説明したように、この実施の形態では、「擬似連」演出、ステップアップ予告演出および連続予告演出を実行するときに、立体視画像を用いた演出を実行するが、上記のウォーミングアップ#1〜#5を行うので、平面視画像から立体視画像への切替のときに遊技者に与えられる違和感を低減したり、立体視画像を用いた「擬似連」演出、ステップアップ予告演出および連続予告演出を多彩な演出にすることができる。また、ウォーミングアップ#4を実行する場合には、立体視画像を表示しているときに立体感が損なわれないようにすることができる。
【0402】
なお、この実施の形態では、立体視画像を用いた演出として、「擬似連」演出、ステップアップ予告演出および連続予告演出を例にしたが、立体視画像を用いた演出はそれらに限定されない。遊技状態を遊技者に報知したり、特別図柄および飾り図柄の変動中に実行される他の演出において使用したり、大当り遊技中の演出において使用したりすることもできる。
【0403】
また、この実施の形態では、立体視画像(例えば、キャラクタ画像9a)の画像データはあらかじめCGROM等に格納されているが、深度が異なる立体視画像(
図32参照)や、サイズが異なる立体視画像(
図31参照)のそれぞれについても、あらかじめCGROM等に格納されている。
【0404】
また、この実施の形態では、入賞時判定処理において判定対象になった保留記憶(具体的には、数値データとしての乱数の値)にもとづく変動中(可変表示中)にも予告演出が実行されるが、その保留記憶の1つ前の保留記憶にもとづく変動まで予告演出が実行され、判定対象になった保留記憶にもとづく変動中には予告演出を実行しないようにしてもよい。
【0405】
また、この実施の形態では、高ベース状態(確変状態や時短状態)である場合には、第1始動入賞口13に始動入賞したことにもとづく入賞時判定の実行を制限するように制御する(
図49参照)。高ベース状態中に第1特別図柄の可変表示の表示結果が大当りになる可能性を認識できないようにすることによって、大当りになると判定された第1特別図柄の可変表示をストックした状態で第2特別図柄の可変表示を連続して実行されることを防止し、遊技者の射幸心を過度に刺激することを防止することができる。
【0406】
また、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器が設けられているが、1つの特別図柄表示器が設けられている遊技機についても、この実施の形態を適用することができる。
【0407】
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、
図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
【0408】
また、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板に搭載されている制御手段が、予告演出決定処理を実行したり停止図柄の決定処理(
図45におけるステップS821等参照)を実行し、決定結果を特定可能なコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信したコマンドにもとづいて、予告演出や図柄の変動表示(特に、停止図柄の導出表示)を実行するようにしてもよい。
【0409】
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロットマシンを適用することも可能である。
【0410】
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが 本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に本発明を適用することができる。