(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5960435
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】モジュラー音声処理装置、及びそれに使用可能な評価/テスト装置
(51)【国際特許分類】
H04R 25/00 20060101AFI20160719BHJP
【FI】
H04R25/00 M
H04R25/00 A
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-554151(P2011-554151)
(86)(22)【出願日】2010年3月10日
(65)【公表番号】特表2012-520615(P2012-520615A)
(43)【公表日】2012年9月6日
(86)【国際出願番号】US2010026826
(87)【国際公開番号】WO2010104950
(87)【国際公開日】20100916
【審査請求日】2013年1月28日
【審判番号】不服2015-185(P2015-185/J1)
【審判請求日】2015年1月5日
(31)【優先権主張番号】61/159,287
(32)【優先日】2009年3月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/721,167
(32)【優先日】2010年3月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511311897
【氏名又は名称】コンバージョン サウンド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バスアス、スタブロス
(72)【発明者】
【氏名】ハンニバル、スティーブン、シー
【合議体】
【審判長】
森川 幸俊
【審判官】
酒井 朋広
【審判官】
関谷 隆一
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−511301(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/045254(WO,A1)
【文献】
特開平06−70398(JP,A)
【文献】
特表2004−534410(JP,A)
【文献】
特表2003−519938(JP,A)
【文献】
特開昭62−151100(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/010716(WO,A2)
【文献】
特開2002−223500(JP,A)
【文献】
特開2002−159096(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
その場での修理のために、部品を機械的にスナップ式に装着・脱着可能な、モジュラー装置を備えるモジュラー音声処理装置であって、
前記モジュラー装置は、
成形されたイヤモールドと、
前記イヤモールドによって担持されたレシーバモジュールと、
マイクロホンモジュールと、
充電式バッテリーモジュールと、
前記レシーバ及び前記マイクロホンに接続された電子機器モジュールと
を備え、
前記電子機器モジュールは、入力される音声信号を処理するデジタル信号処理回路と、比較的短距離用の無線送受信機とを備え、前記送受信機は、別の場所に位置する互換性のある送受信機からの信号を受信可能であり、
少なくとも2つの前記モジュールを調節可能な長さを有する接続で電気的に互いに接続する、調節可能な長さを有する接続を有する「長さ調節・係止」チューブを備える、
モジュラー音声処理装置。
【請求項2】
前記マイクロホンモジュールと少なくとも1つの他のモジュールを調節可能な長さを有する接続で互いに接続する「長さ調節・係止」チューブを備える請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ソーラー発電電源や、ユーザによって発電する電源に対応するバッテリー充電器を備える請求項1に記載の装置。
【請求項4】
電話型装置、オーディオ型プレーヤ、別の場所に位置するマイクロホン、コンピュータ、及び携帯情報端末のうち少なくとも1つを備える種類のものから選択される無線遠隔装置を備え、前記無線遠隔装置は短距離送受信機を介して前記電子機器モジュールと通信し、非常に限られた訓練を受けた個々人が調整プロセス、微調整プロセス、又は聴力障害テスト方法を実行する前記遠隔装置を使用可能であり、前記聴力障害テスト方法は、テスト中雑音の多い周囲環境の補正を含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記電子機器モジュールは、音声の個人用動的マッピング、ノイズリダクション、フィードバック除去、指向性、直接電話/オーディオモード、及び非線形周波数マッピングのうち少なくとも1つのための回路部を備える請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記電子機器モジュールは、前記装置を外耳道に接続することによるヒアリング挿入損失を少なくとも補正するための回路部を備える請求項1に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つの追加マイクロホンを前記電子機器モジュールに有する請求項1に記載の装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置で使用可能な評価/テスト装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジングによって担持される無線送受信機と、
前記ハウジングによって担持されるとともに前記送受信機に接続されたデジタル信号処理回路部であって、テスト中雑音の多い周囲環境の補正を含む聴力障害テスト方法、及び個人用増幅エミュレーションのうち少なくとも1つを実行する回路部と、
前記回路部に接続された、各耳用の第1及び第2マイクロホンと、
前記回路部に接続された、各耳用の第1及び第2評価/テスト受信機と
を備え、
前記回路部は、携帯情報端末、コンピュータ、及び携帯型電話のうち少なくとも1つを含む種類から選択される制御モジュールと無線通信可能である評価/テスト装置。
【請求項9】
前記制御モジュールは、聴力障害テストエキスパートシステム、テスト中雑音の多い周囲環境の補正のためのシステム、装着・調整エキスパートシステム、増幅エミュレーションシステム、修理システム、及びローカル患者データベースのうち少なくとも1つを実装するための、コンピュータ読取可能媒体に予め保存された実行可能な命令を備える請求項8に記載の装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置で使用可能な評価/テスト装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジングによって担持される無線送受信機と、
前記ハウジングによって担持されるとともに前記送受信機に接続された、前記モジュラー装置の前記電子機器モジュールから離れたデジタル信号処理回路部であって、聴力障害テストプロトコル、環境モニタリング、及び個人用増幅エミュレーションのうち少なくとも1つを実行する回路部と、
前記回路部に接続された第1及び第2マイクロホンと、
前記回路部に接続された第1及び第2評価/テスト受信機と
を備え、前記回路部は、携帯情報端末(PDA)、コンピュータ、及び携帯型電話のうち少なくとも1つを含む種類から選択される制御モジュールと無線通信可能であり、少なくとも1つの評価/テスト受信機が、前記マイクロホンモジュールに音響的に接続され、前記マイクロホンのうち1つが、前記レシーバモジュールに音響的に接続され、前記制御モジュールは、テストの実行、又は前記接続可能なモジュールのその場での修理が可能である評価/テスト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2009年3月11日に出願された「On−Site−Custom Fitted Hearing Equalizer Optimized For Personal Hearing Needs and Preferences and for Insertion Loss Compensation」
(個人的なヒアリングの要求及び嗜好のために、及び挿入損失補正のために、最適化された、その場での適した挿入損失補正)という名称の、米国仮出願第61/159,287号の出願日の利益を主張する。米国仮出願第61/159,287号は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本発明は、携帯情報端末やコンピュータ等に無線接続されて使用、初期調整、及び構成可能な補聴器等の、モジュラー型充電式音声処理装置に関する。より詳細には、本発明は、カスタマイズ可能な無線ヘッドセットとして実現可能な、そのような装置に関する。
【背景技術】
【0003】
現在のヘッドセットは、非カスタムの、又はセミカスタムの外耳道アダプタを介して、携帯電話や音楽プレーヤに無線又は有線接続されるため、保持性が悪く、またサウンドレベルや周波数レスポンスが不安定である。より長時間ヘッドセットを装着し続ける人々が増えており、そうした人々は、(外部装置や携帯電話等と通信)使用していない時でもそれを装着したままにする傾向がある。そうした装置のうち、音がマイクロホンからヘッドセットのスピーカ/レシーバへと伝達されるパススルーモードを有しているものは非常に少ない。
【0004】
物理的な装着がきつい場合、パススルーモードが利用できないと、ヘッドセットは耳栓として働くことになる。その結果、外耳道壁に加わる圧力及び閉塞された外耳道の圧迫感の両方による不快感に加え、ユーザの周辺環境との連絡が低下する。
【0005】
装着が緩い場合、装置は周辺環境音に対する耳栓としては働かないが、再調整や再配置が絶えず必要になるため、この場合も不快である。より重要な点として、音が直接耳に入るため、ノイズリダクションや指向性といった信号強調処理アルゴリズムの効果が非常に低下してしまう。マイクロホンからの音がユニットのスピーカ/レシーバに伝達されるパススルーモードで装置を使用している場合、緩い物理的装着(大量の空気)によって高レベルでの増幅/イコライゼーションが不可能になり、エコー/フィードバック除去処理の効果が低下してしまう。
【0006】
現在のヘッドセットでは、装着の緩さを補正するために低周波数を過度に増幅するが、装着のばらつきに適合するように低周波数を調節することはできない。閉塞した外耳道の少ない容量に適した、周波数レスポンスを拡大した小型のレシーバ/スピーカは、特に非聴覚障害者であるユーザに対して、実際通りのパススルーモードのために、拡大された周波数レスポンスを送出するには、良好に密着して装着されなければならない。
【0007】
さらに、現在のヘッドセット装置は、(全体の音量以外の)イコライゼーションの方法も聴覚補正の手段やツールも提供していない。現在のヘッドセットに使用されているレシーバ/スピーカは、聴覚障害を有するユーザに対して適していない。何故なら、それらは、低周波数を過度に増幅して、障害が通常現れる高域周波数を遮蔽するとともに、低周波数を拡張しているためである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】本発明の、通常動作モードである一実施例の2つの構成の様々な態様を例示する一連の図を示す。
【
図1B】本発明の、通常動作モードである一実施例の2つの構成の様々な態様を例示する一連の図を示す。
【
図1C】本発明の、通常動作モードである一実施例の2つの構成の様々な態様を例示する一連の図を示す。
【
図2】本発明の、通常動作モードである一実施例のブロック図を示す。
【
図3】本発明の、微調整動作モードである第2実施例のブロック図を示す。
【
図4】本発明の、テスト及び増幅エミュレーションモードである第3実施例のブロック図を示す。
【
図5】本発明の、修理モードである他の実施例のブロック図を示す。
【
図6A】本発明の一態様を用いた、耳への接続方法の態様を示す。
【
図6B】本発明の一態様を用いた、耳への接続方法の態様を示す。
【
図6C】本発明の一態様を用いた、耳への接続方法の態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施例は、多くの異なる形態をとり得るが、その具体的な実施例を図に示し、以下に詳細に説明する。なお、本開示は、本発明の原理を例示したものであるとともにそれを実施するための最良の形態として考えられるべきであり、本発明を例示の具体的な実施例に限定することを意図したものではないことを理解されたい。
【0010】
本発明の実施例には、外部装置から音を受信している間やパススルー/トランスペアレントモードで動作している時の両方において、スピーチ強調処理を完全に利用することを可能にする外耳道内の良好で快適な保持性及び十分な減衰性を有するカスタムフィット・ヒアリング装置が含まれる。
【0011】
他の態様には、カスタムモールドを作成するための、すぐにその場で行える処理を含む。この処理は、ユーザによって、又は、発展途上世界のようなある市場におけるわずかな訓練しか受けていない助手の助けを借りて、容易に行うことができる。
【0012】
一貫して、容易に、且つ迅速に行うことのできる、ユーザのニーズに基づくイコライゼーション設定の検出。機器を調整/プログラムするための、インタラクティブなパラメータ調節手続き。装置を最適化/カスタマイズする際により柔軟性を加える、任意の無線遠隔装置(PDA、携帯電話、又はコンピュータ)。これらの手続きが、ユーザによって、又はある市場におけるわずかな訓練しか受けていない助手の助けを借りて、自身の手によって行うことができる。
【0013】
図1Aに示すモジュラー装置(電子機器、バッテリー、レシーバ、及びイヤモールドのそれぞれ別個のモジュールが示されており、これらのモジュールは、耳全体に亘って、耳甲介前方及び外耳道内部に、調節可能な長さを有する接続を有して分散配置されている)によって、調整、修理又は点検をその場で容易に行うことが可能になり、製品の使用期間や寿命を延長できる。任意の無線遠隔装置(PDA、携帯電話、又はコンピュータ)で実装される、洗練された補聴検出及び修理プロセス。モジュール方式は、発展途上市場において装置が成功するために非常に重要である。
【0014】
ソーラー発電電源や、ハンドクランク発電機といったユーザによって発電する電源、並びに従来の電源に対応する充電式バッテリー及び充電器。
【0015】
本発明の他の態様には以下が含まれる。
・その場でカスタマイズ(
図6A〜6B)又はセミカスタマイズ(
図6C)可能なモールド。これによって、快適な保持性を可能にし、環境による音の乱れに対する十分な減衰性を提供し、また、通信又はパススルーモードを実行している際に耳に入る音を制御するための信号強調処理(ノイズリダクション、指向性、イコライゼーション)を可能にする。
・カスタムイヤモールドによる安定した配置からくる、一貫し且つ予測可能なイコライゼーション及び増幅。
・環境的又は個人的な物理的制限に基づく難聴を(イコライゼーション及び信号強調によって)克服することによる、ユーザによる認識努力の軽減。
・外耳道を覆うモールドを有することによってもたらされる減衰性を考慮に入れた(音がユニットのマイクロホンから入る)トランスペアレント/パススルーモード。
・携帯電話や、普通の電話用の無線アダプタ、mp3プレーヤ、TV音声無線アダプタ、コンピュータ等といった多くの装置に対して音を無線により通信・受信/送信する。
・リスニング環境を考慮に入れ、それにより、音の明瞭性を向上させたり、難しい環境における(通常の又は聴覚障害を有する)ユーザによる認識努力を軽減したりといった調整を行う。
・本装置のイコライゼーションは、好適なイコライゼーション/増幅レベルを正しく設定する、自身による(又は第三者の支援を受けた)ヒアリング評価による。
・ヒアリング及び嗜好評価が、本装置を装着した個人のヒアリング/嗜好レベルを判断するアルゴリズムを介して音を発生させることによって実現される。装着者は、ヒアリング装置又は他の携帯装置(携帯電話、PDA、自身のパーソナルコンピュータ等)であってもよい音発生装置からの信号に応じることによって、いつ音が聞こえたかを示す。
・ヒアリング評価プログラムは、環境音レベルを監視して、環境が特定の個人のヒアリングの制限の評価に適しているかどうかを判断する。
・本ヒアリング装置は、マイクロホンからの信号(環境音)や、(携帯電話、MP3プレーヤ、コンピュータ、PDA等の遠隔装置によって生成された信号といった)内部アンテナを介した外部信号を拾うことが可能である。
・本装置は、環境に基づき、その設定を自動で又は手動で調節することができる。
・本装置は、適切なキューサウンド(合図音)の助けで、そのイコライゼーションパラメータのユーザによる調整を可能にする。
・本装置は、過去の調整履歴に基づき、そのデフォルト設定を自動的に調節する。
・本ヒアリング装置は、入力信号特性に基づき作動されるアルゴリズムを含む。
・本ヒアリング装置は、入力信号を自動的にスイッチすることができる。
・本ヒアリング装置は、両耳を個別に評価して両耳に使用することができる。
・本ヒアリング装置は、両耳に装着したとき、入力に関して、互いに独立して又は共同で動作することができる。
・その場での修理を可能にするモジュラー装置。部品はスナップ式で装置に対して装着・脱着することができる。任意の遠隔装置(PDA、携帯電話、コンピュータ)が、各モジュールのための診断テストを生成し、交換/必要な修理を指示する。
【0016】
本発明のさらに他の態様において、既製の比較的安価な携帯情報端末(PDA)を、及びファジー理論タイプのエキスパートシステムやソフトウェアを含めて、個々人が、非常に限られた訓練のみで使用して、ヒアリングを正確に測定したり、テスト中雑音の多い周囲環境を補正したり、経過観察のために基礎疾患を検出したりすることができる。同じPDAを、それぞれのヒアリング装置の調整、微調整、又はその場での修理を行うために使用することもできる。
【0017】
本発明のさらに他の態様において、ユーザは、ダウンロードした音楽を気軽に聴くことから、ローカルに生成された音声の受信を向上することに至る、個々人の特定の要求に合うように、装置を調節することができる。調節は、装置に対するローカル制御を介して直接、又は、ユーザが携帯しうるプログラムされたPDAを介して、行うことができる。
【0018】
充電式バッテリーを提供することができる。公共のエネルギー供給が利用できない場所では、ハンドクランク発電機を充電のために使用することができる。
【0019】
本発明のさらなる態様において、標準的な予め形成された膨張式バルーンを使用して、非常に低コストのカスタムイヤモールドを提供することができる。バルーンは、例えば、関連の電子装置パッケージに接続するために、サウンドチューブのような挿入具や、あるいは取り外し可能な形状を有して、ユーザの耳に挿入することができる。バルーンには、硬化させるとユーザの外耳道に対応するシリコーンを充填することができる。そして、硬化させたシリコーンの形状は、ユーザの耳から取り外して、電子機器パッケージに取り付けることができる。
【0020】
本発明のさらなる態様において、外耳道の周囲及び長さの両方に関して幅広いサイズの耳に収容可能な、非常に抵コストのセミカスタムイヤモールドを選択することもできる。
【0021】
本発明の他の実施例を使用して、聴力障害を評価するための様々な種類のテストを行うことができる。この代替の実施例は、ローカルのプログラムされたPDAで使用することもできる。別体のマイクロホン、音声出力装置、及びレシーバをそれぞれの耳に使用することができる。
【実施例1】
【0022】
図1Aは、本発明に係る通常動作モードである実施例の2つの構成(10及び11)を示す。イヤモジュール12A又は12Dが、レシーバモジュール12Cに接続され、レシーバモジュール12Cは、
電子機器モジュール/無線モジュール12
Bに接続される。電子機器モジュールは、耳の前方(構成10)又は耳の後方(構成11)のいずれかに配置されるものとすることができる。構成10において、電子機器モジュール12Bは、「長さ調節・係止」チューブ
15(図1B)を介して、耳の後方のマイクロホンモジュール14Aと接続されている。同構成において、磁性式又は機械式の「スナップ式」バッテリーモジュール14Bが、マイクロホンモジュール14Aと接続される。構成11において、取り外し可能な「スナップ式」バッテリーモジュールが、電子機器モジュール12Bに直接接続されている。図
1Cは、ユーザの耳に接続された構成10及び11を示す。
【0023】
図2は、構成10及び11における、本実施例の一実施形態のブロック図を示し、ここで構成10及び11は、無線接続された携帯電話22Aや、無線接続されたMP3音楽プレーヤ22B、又は別の場所に位置する無線接続されたマイクロホン22Cと共に使用することができるスタンドアロン型のヒアリング装置20として構成されている。
【0024】
装置20はまた、充電式バッテリーモジュール14Bと、ユニット12Bで担持することのできるユーザ音声入力マイクロホンモジュール22bと、これもユニット12Bで担持することのできるレシーバモジュール12Cとを備えていてもよく、これによってユーザの外耳道に音声出力を入力する。ユニット12Bは、デジタル処理回路部12bとともに、短距離無線送受信機12a、例えば、BLUETOOTH方式送受信機を備えることもできる。デジタル処理回路部12bは、スピーチ処理、ノイズリダクション、フィードバック除去、及び他の機能を実行して、マイクロホン14Aを介した又は装置22A,22B,及び22Cのいずれかからのローカルな音声入力に対するユーザのヒアリング体験(エクスペリエンス)を改善することができる。
【0025】
バッテリーモジュール14Bは、手動で操作可能なバッテリー充電器16、例えば、ハンドクランプ発電機を用いて充電することができる。
【実施例2】
【0026】
図3は、携帯情報端末、携帯型電話、又はコンピュータ30の一つに無線接続された、実施例10のような実施例を含む他の実施形態のブロック図を示す。
図3の実施形態において、ユニット30を介して、ユニット20を選択的に調整・微調整したり、聴力障害テストを実行したり、増幅エミュレーションを実装したりすることができる。ユニット30はまた、送受信機12aと互換性のある短距離無線送受信機30aを備えることもできる。
【実施例3】
【0027】
図4は、ユニット10,11,又は20と共に使用するための制御パラメータを形成するために使用可能なテスト/評価ユニット40のブロック図を示す。ユニット40は、1つ以上のプログラムされたプロセッサ及びデジタル信号処理ソフトウェア44を備えることができる電子機器モジュール42を備える。ユニット40に接続された、左右の音声入力/出力マイクロホン46a,b及び電話型電話出力オーディオ装置47a,bが、評価を受ける人物からの音声を受信、又は当該人物へ音声を送信する。ローカルの短距離無線送受信機42a、例えば、BLUETOOTH方式の装置を電子機器パッケージ及びソフトウェア44に接続して、無線制御ユニット30との通信を行うことができる。
【0028】
ユニット30は、互換性のある送受信機30aを有するプログラムされたPDA、携帯型電話、又は、コンピュータとして実装することができる。ソフトウェアによって実装される機能には、聴力障害テストエキスパートシステム、装着/調節プログラミングエキスパートシステム、増幅エミュレーションシステム、オンサイト修理システム、並びにローカル患者データベースのうち1つ以上が、全て制限なく含まれる。
【0029】
図5は、テスト/評価ユニット40と組み合わせて修理モードを実装したユニット10,11,及び20のブロック図を示す。
図5の組み合わせを用いて、他の機能を制限なく設けることができることは理解されよう。
【0030】
図6A及び6Bは、イヤモールド12Aを製造する方法の一例を示す。
図6Aに示すように、バルーンを用意する。
図6Bに示すように、バルーンを、任意の内部挿入具によりユーザの外耳道に挿入する。
図6Bに示すように、バルーンには速硬化シリコーンが充填される。シリコーンが硬化すると、モールドをユーザの耳から取り外して、
図1Aに示すように、対応する電子機器パッケージに取り付けることができる。
【0031】
図7Aは、構成10の充電式バッテリー14Bを、「スナップ式」磁性接続器を使用して充電器ユニット16に接続する方法の一例を示す。
【0032】
図7Bは、評価−テスト装置/メダリオンユニット40のケーブル長を調節する方法の一例を示す。
【0033】
上記説明から、数多くの変形例及び変更例を、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく実現することができることは分かるであろう。本明細書に示した具体的な装置に関していかなる限定も意図及び示唆されるものではないことは理解されよう。特許請求の範囲に含まれる全てのそのような変更例が、添付の請求項によって包含されることは勿論である。