特許第5960455号(P5960455)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5960455
(24)【登録日】2016年7月1日
(45)【発行日】2016年8月2日
(54)【発明の名称】住宅設備機器の管理システム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20160719BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20160719BHJP
   H02J 3/14 20060101ALI20160719BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20160719BHJP
【FI】
   H04Q9/00 301A
   H02J13/00 311T
   H02J3/14 130
   H02J3/32
   H04Q9/00 301D
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-56498(P2012-56498)
(22)【出願日】2012年3月13日
(65)【公開番号】特開2013-192016(P2013-192016A)
(43)【公開日】2013年9月26日
【審査請求日】2015年2月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(72)【発明者】
【氏名】八重樫 賢博
(72)【発明者】
【氏名】星子 直樹
【審査官】 山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−084658(JP,A)
【文献】 特開2001−069578(JP,A)
【文献】 特開2004−096294(JP,A)
【文献】 特開2011−019363(JP,A)
【文献】 特開2011−200015(JP,A)
【文献】 特開平11−313441(JP,A)
【文献】 特開2002−369385(JP,A)
【文献】 特開2009−130974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00− 7/12
7/34− 7/36
13/00
H03J 9/00− 9/06
H04M 1/00
1/24− 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00− 7/16
11/00−11/10
99/00
H04Q 9/00− 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅に設けられ、給電部からの電力供給により運転される複数の設備機器と、
前記各設備機器の運転を制御する制御手段と、
を備える住宅設備機器の管理システムであって、
前記給電部における供給電力を算出する電力算出手段と、
前記電力算出手段により算出した供給電力が所定の電力上限値に達する場合に、前記複数の設備機器についてあらかじめ定められた運転の優先順位に基づいて、前記複数の設備機器のうちいずれかの設備機器の運転を制限する制限手段と、
前記各設備機器の使用状況と住人の行動との少なくともいずれかに関する情報に基づいて、前記優先順位について変更の要否を判定する変更要否判定手段と、
前記変更要否判定手段により変更要と判定された場合に、前記優先順位について設定変更を実施する設定変更手段と、
を備えており、
さらに、前記住宅において当該住宅の住人のうち誰が在宅しているかを判定する在宅判定手段を備え、
前記変更要否判定手段は、前記在宅判定手段による在宅判定結果に基づいて、前記優先順位について変更の要否を判定することを特徴とする住宅設備機器の管理システム。
【請求項2】
前記複数の設備機器は前記住宅に設けられた空調設備を含み、その空調設備は住人不在の状況での運転が許容されるものであり、
前記変更要否判定手段は、前記在宅判定手段による在宅判定結果に基づいて、前記空調設備の前記優先順位について変更の要否を判定することを特徴とする請求項1に記載の住宅設備機器の管理システム。
【請求項3】
各住人の帰宅及び外出を検出する住人検出手段を備え、
前記在宅判定手段は、前記住人検出手段による検出結果に基づいて、住人のうち誰が在宅しているかを判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の住宅設備機器の管理システム。
【請求項4】
前記複数の設備機器として、電動車両に搭載された蓄電装置を、前記給電部からの供給電力により充電する充電設備が含まれており、
前記電動車両の使用予定を判定する使用予定判定手段を備え、
前記変更要否判定手段は、前記使用予定判定手段による車両使用予定の判定結果に基づいて、前記優先順位について変更の要否を判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の住宅設備機器の管理システム。
【請求項5】
前記複数の設備機器として、前記充電設備に加えて、前記給電部からの供給電力により水を加熱するとともに、該加熱により生成された温水を貯湯タンクに蓄える温水設備が含まれており、
前記設定変更手段は、前記変更要否判定手段において車両使用予定の判定結果に基づき前記優先順位の変更を要すると判定された場合に、前記充電設備と前記温水設備とに定められた相互の優先順位について入替を実施することを特徴とする請求項4に記載の住宅設備機器の管理システム。
【請求項6】
1日が複数の時間帯に分割され、その時間帯ごとに各設備機器の優先順位が定められており、
前記制限手段は、前記時間帯ごとに、前記優先順位に基づいていずれかの設備機器の運転を制限し、
前記設定変更手段は、前記時間帯ごとの前記優先順位について個々に設定変更を実施することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の住宅設備機器の管理システム。
【請求項7】
複数の住宅に各々設けられたホームサーバと、これら各ホームサーバとの間で情報通信が可能になっている管理サーバとを有する住宅設備機器の管理システムであって、
前記管理サーバには、前記住宅ごとに前記優先順位に関する運転優先順位データがデフォルトデータとして登録されており、
前記ホームサーバは、前記制限手段と、前記変更要否判定手段と、前記設定変更手段とを具備しており、前記管理サーバから前記運転優先順位データを受信し、
前記設定変更手段は、前記運転優先順位データにて規定された前記優先順位に対して設定変更を実施することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の住宅設備機器の管理システム。
【請求項8】
複数の住宅に各々設けられたホームサーバと、これら各ホームサーバとの間で情報通信が可能になっている管理サーバとを有する住宅設備機器の管理システムであって、
前記管理サーバは、住人により携帯される携帯電話端末との間で通信可能となっており、
前記管理サーバは、前記携帯電話端末からの要求に応じて、前記各設備機器について運転の制御内容を前記住宅側に通知する機能と、前記各設備機器の運転状態の情報を前記住宅側から受信するとともにその受信情報を前記携帯電話端末に通知する機能とを備えていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の住宅設備機器の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅設備機器の管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅では、一般に複数の設備機器が設置されており、これらの設備機器がそれぞれ必要に応じて運転されることに伴い電力が消費される。ここで、例えば商用電力の供給により各設備機器が運転される場合には、住宅での電力使用量の合計である全使用電力が契約電力(最大需用電力)により制約を受ける。また、商用電力以外の電力(太陽光発電電力等)を用いる場合であっても、使用可能な電力について制約を受けることは同様である。
【0003】
住宅での過多な電力使用を規制する技術として、住宅の設備機器ごとに電力使用を制限する技術が提案されている。例えば特許文献1の蓄電制御装置では、車両に搭載された蓄電手段の蓄電に関して、契約電力に基づく最大使用許容電流値から、蓄電手段以外の機器に給電される給電電流値を減算し、その減算値を上限とする範囲内の電流で、蓄電手段に蓄電を行うようにしている。また、機器としてヒートポンプ装置を備え、蓄電手段の蓄電をヒートポンプ装置の運転よりも優先する場合に、蓄電手段の蓄電を開始する際にヒートポンプ装置の運転を禁止し、蓄電手段の蓄電が完了した後にヒートポンプ装置の運転禁止を解除するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−199957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、住宅に設けられる各設備機器について運転の優先順位があらかじめ定められている場合には、住人による都度の使用状況や使用ニーズが日ごとに変わったとしても、それに応じた制御ができず、住人による設備機器の使い勝手が損なわれるおそれがあった。つまり、住宅での実際の生活においては、住宅における各設備機器の使用状況や使用ニーズは日ごとに変わり、例えば、設備機器の昨日の使用状況と今日の使用状況とが、同一時刻であっても相違することがあると考えられる。そのため、住人が本来使用したい設備機器について意に反して使用の制限が生じてしまうなど、各設備機器の使い勝手が損なわれるおそれがあった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、住宅に設けられた各設備機器について住人による使い勝手を向上させるようにしつつ、これら各設備機器の運転を好適に制御することができる住宅設備機器の管理システムを提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。
【0008】
第1の発明は、
住宅に設けられ、給電部からの電力供給により運転される複数の設備機器と、
前記各設備機器の運転を制御する制御手段と、
を備える住宅設備機器の管理システムであって、
前記給電部における供給電力を算出する電力算出手段と、
前記電力算出手段により算出した供給電力が所定の電力上限値に達する場合に、前記複数の設備機器についてあらかじめ定められた運転の優先順位に基づいて、前記複数の設備機器のうちいずれかの設備機器の運転を制限する制限手段と、
前記各設備機器の使用状況と住人の行動との少なくともいずれかに関する情報に基づいて、前記優先順位について変更の要否を判定する変更要否判定手段と、
前記変更要否判定手段により変更要と判定された場合に、前記優先順位について設定変更を実施する設定変更手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
住宅では一般に、複数の設備機器がそれぞれ必要に応じて運転される場合に、給電部からの供給電力(全使用電力P)が所定値(例えば商用電力の場合、契約電力である最大需要電力)に達すると、ブレーカの遮断等により各設備機器への電力供給が遮断される。この点において、上記構成によれば、給電部の供給電力が所定の電力上限値に達する場合に、あらかじめ定めておいた優先順位に基づいていずれかの設備機器の運転が制限される。そのため、所定の電力上限値を超えないように供給電力を規制することが可能となり、過剰な電力供給に伴いブレーカの遮断が意図せず生じる等の不都合を抑制できる。
【0010】
また、上記構成では、各設備機器の使用状況及び住人の行動に応じて、優先順位の設定変更が可能になっている。そのため、住宅における各設備機器の実際の使用に際し、各設備機器の使用状況や住人の行動(該行動に伴う設備機器の使用ニーズを含む)が例えば日ごとに変わっても、それを反映しつつ、住人による使い勝手を向上させることが可能となる。これにより、各設備機器の運転を好適に制御することが可能となる。
【0011】
第2の発明は、前記住宅において当該住宅の住人のうち誰が在宅しているかを判定する在宅判定手段を備え、前記変更要否判定手段は、前記在宅判定手段による在宅判定結果に基づいて、前記優先順位について変更の要否を判定することを特徴とする。
【0012】
住宅において、実際にどの設備機器が使用されるか(運転されるか)は、在宅の住人が誰なのかに応じて左右される。逆に言えば、誰が不在であるかに応じて左右される。この点、誰が在宅しているかの判定結果に基づいて、優先順位について変更の要否が判定されることにより、各住人の住宅の実状況に即して、各設備機器の運転を好適に制御できる。なお、在宅判定手段による在宅判定結果は、住人の行動に関する情報に相当する。
【0013】
第3の発明は、各住人の帰宅及び外出を検出する住人検出手段を備え、前記在宅判定手段は、前記住人検出手段による検出結果に基づいて、住人のうち誰が在宅しているかを判定することを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、住人が住宅に帰宅すること、及び住宅から外出することに基づいて、各住人が在宅しているか不在であるかを判定できる。この場合、これらの帰宅や外出が検出された時点で前記優先順位の変更を実施できる。
【0015】
在宅判定手段(住人検出手段)として、以下の構成が考えられる。例えば、各住人がそれぞれ携帯する電子キーや携帯電話等の携帯装置、又は住宅の玄関等の出入口で人の出入りを監視する監視装置(電子錠装置等)に、住人ごとのID(住人ID)を認証するID認証機能を付与しておき、住宅においてその住人IDに基づいて、住人の誰が在宅なのかを判定する構成を用いるとよい。又は、住人が携帯する携帯装置や、住人が使用する自動車に位置検出機能を付加しておき、その位置検出機能から把握される住人位置により、住人の帰宅/外出、並びに住人の在宅/不在を判定することも可能である。
【0016】
第4の発明は、前記複数の設備機器として、電動車両に搭載された蓄電装置を、前記給電部からの供給電力により充電する充電設備が含まれており、前記電動車両の使用予定を判定する使用予定判定手段を備え、前記変更要否判定手段は、前記使用予定判定手段による車両使用予定の判定結果に基づいて、前記優先順位について変更の要否を判定することを特徴とする。
【0017】
車両充電用の充電設備を備える住宅では、その充電設備が使用されるか否かに応じて、給電部からの供給電力の量が大きく変動する。すなわち、住宅における実際の電力余裕度が大きく変動する。この点、車両使用予定を判定した判定結果に基づいて、優先順位について変更の要否が判定されることにより、実際の電力余裕度に相応させつつ、各設備機器の運転を好適に制御できる。
【0018】
なお、充電設備は、電動車両の使用の程度に応じて使用される(運転される)。この場合、使用予定判定手段による判定結果(電動車両の使用予定)は、設備機器(充電設備)の使用状況に関する情報に相当する。
【0019】
使用予定判定手段として、例えば、電動車両についての使用スケジュールをあらかじめ登録しておき、その使用スケジュールに基づいて電動車両の使用予定を判定する構成を用いるとよい。又は、電動車両について過去の使用履歴を逐次記憶しておき、その使用履歴に基づく予測により、電動車両の使用予定を判定する構成を用いるとよい。例えば、電動車両の使用履歴から、現時点以降(例えば翌日)に電動車両が使用されないことを予測したり、現時点以降(例えば翌日)に電動車両が使用されるとしてもその走行距離が僅かであることを予測したりするとよい。
【0020】
第5の発明は、前記複数の設備機器として、前記充電設備に加えて、前記給電部からの供給電力により水を加熱するとともに、該加熱により生成された温水を貯湯タンクに蓄える温水設備が含まれており、前記設定変更手段は、前記変更要否判定手段において車両使用予定の判定結果に基づき前記優先順位の変更を要すると判定された場合に、前記充電設備と前記温水設備とに定められた相互の優先順位について入替を実施することを特徴とする。
【0021】
充電設備及び温水設備は、住宅の各設備機器の中でも電力消費量が大きく、これら設備の両方を備える住宅では、その両設備が同時期に運転されることで、給電部からの供給電力が一気に増加して電力遮断が生じることが懸念される。また、これら両設備の同時使用を想定すると、契約電力(最大需要電力)として大電力の契約が必要になり、住人の負担が増加するという不都合が生じる。したがって、その両設備について相互の優先順位を定めておくことが望ましい。
【0022】
この点、上記構成によれば、充電設備及び温水設備の相互の優先順位を定めておき、かつその相互の優先順位について適宜の相互入替が可能であるため、同時使用により供給電力が電力上限値を超えてしまう、又は契約電力の大電力化が強いられるといった不都合を抑制しつつ、都度の設備使用ニーズに応じて設備機器の運転を好適に制御することができる。
【0023】
第6の発明は、1日が複数の時間帯に分割され、その時間帯ごとに各設備機器の優先順位が定められており、前記制限手段は、前記時間帯ごとに、前記優先順位に基づいていずれかの設備機器の運転を制限し、前記設定変更手段は、前記時間帯ごとの前記優先順位について個々に設定変更を実施することを特徴とする。
【0024】
住宅に設けられる複数の設備機器には、使用される時間帯が異なるものが含まれる。そのため、各設備機器の運転の優先順位が変更される場合に、その優先順位の変更が時間帯に無関係に実施されることは望ましくない。この点、上記構成によれば、時間帯ごとの優先順位が個々に設定変更されるため、複数の設備機器について使用の時間帯が相違することを加味しつつ、設備機器の運転制御を好適に実施できる。
【0025】
第7の発明は、複数の住宅に各々設けられたホームサーバと、これら各ホームサーバとの間で情報通信が可能になっている管理サーバとを有する住宅設備機器の管理システムであって、前記管理サーバには、前記住宅ごとに前記優先順位に関する運転優先順位データがデフォルトデータとして登録されており、前記ホームサーバは、前記制限手段と、前記変更要否判定手段と、前記設定変更手段とを具備しており、前記管理サーバから前記運転優先順位データを受信し、前記設定変更手段は、前記運転優先順位データにて規定された前記優先順位に対して設定変更を実施することを特徴とする。
【0026】
上記構成によれば、管理サーバでは、デフォルトデータとして運転優先順位データが登録されており、ホームサーバは、必要に応じて管理サーバから運転優先順位データ(デフォルトデータ)を受信し、当該データを用いて設備機器の運転を制限する(制限手段)。また、ホームサーバは、優先順位について変更の要否を判定し(変更要否判定手段)、変更要と判定された場合に、優先順位の設定変更を実施する(設定変更手段)。
【0027】
上記構成では、運転優先順位データ(デフォルトデータ)が管理サーバ側で管理されるため、住宅ごとの個別の事情による設定変更ではなく、複数の住宅について一様の設定変更が実施される場合、すなわち例えば季節ごとに又は地域別に運転優先順位データ(デフォルトデータ)が変更される場合に、その変更を一斉に実施できる。したがって、管理上有利であると考えられる。
【0028】
なお、ホームサーバにおいて住宅ごとの優先順位の設定変更が実施された場合には、その設定変更を管理サーバ側に送信し、その送信データに基づいて、管理サーバに登録されている運転優先順位データ(デフォルトデータ)を更新するようにしてもよい。
【0029】
第8の発明は、複数の住宅に各々設けられたホームサーバと、これら各ホームサーバとの間で情報通信が可能になっている管理サーバとを有する住宅設備機器の管理システムであって、前記管理サーバは、住人により携帯される携帯電話端末との間で通信可能となっており、前記管理サーバは、前記携帯電話端末からの要求に応じて、前記各設備機器について運転の制御内容を前記住宅側に通知する機能と、前記各設備機器の運転状態の情報を前記住宅側から受信するとともにその受信情報を前記携帯電話端末に通知する機能とを備えていることを特徴とする。
【0030】
上記構成によれば、携帯電話端末から管理サーバへの情報送信、及びその逆の管理サーバから携帯電話端末への情報送信がいずれも可能となっている。ゆえに、住人が外出先に出かけていたとしても、各設備機器の運転の制御や各設備機器の運転状態の監視を、その住人が任意のタイミングで実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】実施形態における管理システムの概要を示す構成図。
図2】時間帯ごとの各設備の運転優先順位について一例を示す図。
図3】管理サーバにより実行される優先順位設定処理を示すフローチャート。
図4】ホームサーバにより実行される設備機器制御処理を示すフローチャート。
図5】ホームサーバにより実行される制御処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、複数の住宅と管理センタとを含む情報通信網を構築し、これら複数の住宅と管理センタとで相互に情報の受け渡しを可能としている。そして、この情報通信網を利用して、各住宅に設置された複数の設備機器の運転を好適に制御するものとしている。図1は、本実施形態における管理システムの概要を示す構成図である。
【0033】
図1に示すように、住宅10には分電盤11が設けられており、その分電盤11には、引き込み線H1を介してAC100Vの商用電力が供給される。分電盤11は、住宅10での電力使用量の合計である全使用電力が契約電力(最大需用電力)を超えると開閉スイッチが遮断されて電力の供給を自動で停止させるアンペアブレーカ(電流制限器)12や、漏電が生じた場合に電力の供給を停止させる漏電遮断器(安全装置)13を有している。そして、分電盤11に、電気配線15を介して各種の設備機器が接続されている。なお、分電盤11として、複数に分岐された回路配線ごとに回路遮断器を有する構成であってもよい。
【0034】
電気配線15には、分電盤11から各設備機器に供給される電力の量を監視する電力監視装置16が設けられている。電力監視装置16は、例えば周知の電力量計を有するものである。電力監視装置16は無線通信部を備えており、この無線通信部により所定のサンプリングタイミングごと(例えば30秒ごと)に全使用電力(分電盤11の供給電力)が外部に送信されるようになっている。
【0035】
設備機器として具体的には、複数の照明設備21と、複数の空調設備22と、電子錠設備23と、給湯設備24と、充電設備25とが設けられている。これら各設備21〜25は、分電盤11からの電力の供給により適宜運転されるようになっている。
【0036】
照明設備21は、屋内の各部屋や屋外玄関部等にそれぞれ設けられている。例えば、住宅10の居間には照明設備21−1が設けられ、父母の寝室には照明設備21−2が設けられ、子供部屋には照明設備21−3が設けられ、屋外の玄関アプローチには照明設備21−4が設けられている。
【0037】
空調設備22は、屋内の各部屋にそれぞれ設けられている。例えば、住宅10の居間には空調設備22−1が設けられ、父母の寝室には空調設備22−2が設けられ、子供部屋には空調設備22−3が設けられている。
【0038】
電子錠設備23は、例えば玄関戸に設けられ、住人等のユーザが所持する電子キーからの無線信号の受信に応じて、玄関戸を施錠及び解錠のいずれかの状態にするものとなっている。電子キーはユーザがそれぞれ所持し、電子キーから送信される無線信号には、ユーザごと(住人ごと)に付与された個別のIDコード(識別情報)が含まれている。電子錠設備23は、ユーザが電子キーを持って玄関周囲の所定エリア内に入ると、ユーザ個別のIDコードを含む所定の無線信号を受信する。そして、電子錠設備23は、IDコードを認証し、それがあらかじめ登録された登録コードに一致すれば、玄関戸を解錠する。また、電子錠設備23は、電子キーを持ったユーザが玄関から離れて所定エリア外に出ると、玄関戸を施錠する。なお、ID認証機能を、電子キーに内蔵されたコントローラ側に付与しておくことも可能である。
【0039】
上記の照明設備21、空調設備22及び電子錠設備23は、いずれもHA対応機器であり、日本電気工業会規格に適合するHA端子(JEM−A端子)を利用して、遠隔操作や運転状態の監視がなされるものとなっている。本実施形態では、HA端子を含んで無線式の通信部21a,22a,23aが設けられており、この通信部21a〜23aにより、各設備21〜23の遠隔操作信号が受信されるとともに、運転状態の監視結果の情報を含む運転監視信号が外部に送信される。
【0040】
給湯設備24は、ヒートポンプ式給湯設備として構成されており、ヒートポンプユニットU1と貯湯タンクユニットU2とを有している。ヒートポンプユニットU1は、例えば電力の供給によりCO2冷媒サイクルを稼動させて水熱交換器での水加熱を行うものであり、ヒートポンプユニットU1の加熱により生成された温水が貯湯タンクユニットU2に蓄えられる。そして、貯湯タンクユニットU2に蓄えられた温水がキッチン、洗面所、浴室等で使用される。なお、その温水を床暖房に利用することも可能である。また、給湯設備24は、割安な夜間電力を用いて夜間時間帯に湯を沸かす深夜電気温水器でもある。
【0041】
給湯設備24には、当該設備24の運転(湯沸かし)に関して遠隔操作信号を受信するとともに、運転状態の監視信号を外部に送信する無線式の通信部24aが設けられている。なお、監視信号には、ヒートポンプユニットU1において湯沸かしが実施されていることを示す信号に加え、貯湯タンクユニットU2において温水の量や温度を示す信号が含まれる。
【0042】
充電設備25は、住宅敷地内の駐車場スペースに設けられ、PHV(プラグインハイブリッド)自動車や電気自動車等の電動車両Cに搭載された蓄電池BTを充電するための設備である。充電設備25は充電ケーブル25bを有しており、充電ケーブル25bが電動車両Cの入電部(コネクタ部)に接続されると、充電ケーブル25bを通じて充電設備25から電動車両Cへの充電が実施される。
【0043】
充電設備25には、当該設備25の運転(車両充電)に関して遠隔操作信号を受信するとともに、運転状態の監視信号を外部に送信する無線式の通信部25aが設けられている。なお、監視信号には、電動車両Cへの充電が実施されていることを示す信号に加え、電動車両Cに対して充電ケーブル25bが接続されていることを示す信号が含まれる。
【0044】
また、住宅10には、住宅10内に構築される住宅内ネットワークと、管理センタ30を中心として構築される管理ネットワークとを相互に接続するホームゲートウェイ装置27が設けられている。このホームゲートウェイ装置27は通信中継機器であり、通信線H2を介して管理センタ30に接続されている。ホームゲートウェイ装置27は、上記の電力監視装置16や各通信部21a〜25aとの間で無線での信号送受信が可能になっている。
【0045】
ホームゲートウェイ装置27には、LANケーブルによりホームサーバ28が接続されている。ホームサーバ28は、CPUや各種メモリ等からなるマイコン(マイクロコンピュータ)を有する演算装置であり、上記の各設備21〜25を制御対象としてその運転状態を制御する(制御手段に相当)。この場合、ホームサーバ28から出力される制御指令は、ホームゲートウェイ装置27から各設備21〜25の通信部21a〜25aに送信され、この制御指令を受けて各設備21〜25が運転される。
【0046】
上記の各設備21〜25は、各通信部21a〜25aを通じて入力される制御指令(遠隔操作信号)により運転状態が制御されることに加え、各設備21〜25にそれぞれ設けられた操作盤(図示略)をユーザが手動操作することにより、運転状態がそれぞれ操作されるものとなっている。
【0047】
また本実施形態では、住宅ごとのユーザが所有する携帯電話端末29を利用して各設備21〜25の運転状態を操作することが可能になっている。携帯電話端末29は、パソコン及びPDA(携帯情報端末)の各機能を有する多機能携帯電話(いわゆるスマートフォン)であり、各設備21〜25の制御に関する所定のアプリケーションソフトウェアが携帯電話端末29に導入(インストール)されることで、携帯電話端末29による各設備21〜25の運転制御が可能となっている。
【0048】
その他、住宅10には、電気機器として各種の家電機器26が接続されている。この家電機器26には、テレビ、電気炊飯器、食器洗い乾燥機、ドライヤ、電気ヒータ等の電気製品が含まれる。家電機器26には、上記の各設備21〜25と同様、電気配線15を介して商用電力が供給され、その電力供給により家電機器26が動作する。ただし、家電機器26は、各設備21〜23とは異なり、HA対応機器ではなく(HA端子を有しておらず)、住宅内ネットワークによる遠隔操作や状態監視が実施できないようになっている。
【0049】
管理センタ30は、複数の住宅10に通信線H2を介してそれぞれ接続されている。管理センタ30には管理サーバ31が設けられている。管理サーバ31は、複数の住宅10の各ホームサーバ28との間で相互に情報通信が可能になっている。例えば、管理サーバ31は、所定地域内に存在する複数の住宅を管理対象としてこれら各住宅に接続されている。又は、管理サーバ31は、特定のハウスメーカ及び建築工務店で構築された複数の住宅や、特定のホームゲートウェイ装置及びホームサーバが設置された住宅を管理対象としてこれら各住宅に接続されている。
【0050】
また、管理センタ30は、住宅10ごとの各ユーザが所有する携帯電話端末29の電話網を利用して携帯電話端末29から各種の情報を受信するとともに、その受信情報に基づいて、住宅10ごとの各設備21〜25について運転制御等を実施する。具体的には、外出先で住人が携帯電話端末29を操作し、各設備21〜25に関する情報が管理サーバ31に対して送信されると、管理サーバ31では電話網を用いてその送信情報を受信する。このとき、携帯電話端末29から、いずれかの設備機器(例えば空調設備22や給湯設備24)の運転を制御する指令を受信すれば、管理サーバ31は、ホームゲートウェイ装置27を介して該当の設備機器の運転を制御する。又は、携帯電話端末29から、いずれかの設備機器の運転状態を取得する指令を受信すれば、管理サーバ31は、ホームゲートウェイ装置27を介して設備機器の運転状態を受信し、それを携帯電話端末29に返送する。この場合、住人は、外出先でも照明設備21や空調設備22の運転状態(電源のオン/オフ等)を操作できる。また、外出先においてそれら各設備21,22の運転状態や電子錠設備23の施解錠状態を容易に確認できる。
【0051】
さらに、管理センタ30は、住宅10ごとの各設備21〜25において運転状態の変更が生じた場合に、その変更の都度、運転情報等をホームゲートウェイ装置27を介して受信するとともに、ホームゲートウェイ装置27(各住宅10)からの受信情報を、電話網を利用して携帯電話端末29に対して送信する。具体的には、例えば住人の誰かが住宅10に帰宅したことに伴い電子錠設備23が解錠されると、その解錠情報が直ちにホームゲートウェイ装置27から管理サーバ31に送信される。そして、管理サーバ31は、解錠情報を住人の携帯電話端末29に電話網を使って送信する。このとき、住人が外出先にいたとしても、その住人に対して、住宅10における玄関の施解錠情報を通知することができる。住宅10において空調設備22の運転切替等が実施された場合も同様である。
【0052】
ところで、電力会社等との契約により商用電力が供給される住宅10では、契約電力の範囲内で使用電力が制限される。この場合、住宅10において想定よりも多くの設備機器が同時使用されると、意図せず供給電力の停止が生じる(ブレーカが落ちる)ことが懸念される。特に、上記のとおり給湯設備24や充電設備25を備える場合には、これらの設備24,25が同時に運転されることで、上記懸念が高まることとなる。
【0053】
なお、給湯設備24の湯沸かし運転や充電設備25による車両充電は、基本的に所定の夜間時間帯(夜23時〜朝7時)に実施されるが、この夜間時間帯であっても、これ以外の設備機器や家電機器が同時使用されれば、やはり全使用電力が制限値に到達することが考えられる。
【0054】
そこで本実施形態では、住宅10での各設備21〜25の運転(使用)に関して優先順位をあらかじめ定めておき、住宅10での全使用電力が許容値(電力上限値)、例えば「契約電力−α」の電力値を超える場合に、運転優先順位に従って、運転中(使用中)の設備機器のいずれかについて運転を停止させる。そしてこれにより、住宅10での全使用電力が、所定の制限値以下(契約電力以下)に制限されるようにしている。
【0055】
どの設備機器を優先して運転するかは、1日の時間帯によって相違する。そこで、運転優先順位を設定する上では、1日の時間帯を加味するようにしている。図2には、時間帯ごとの各設備21〜25の運転優先順位について一例を示す。ここでは、説明の便宜上、居間、寝室及び子供部屋の各空調設備22−1〜22−3、給湯設備24及び充電設備25を対象にして運転優先順位を説明する。ただし、照明設備21と電子錠設備23とを加えた全設備について運転優先順位を定めておくことも可能である。照明設備21と電子錠設備23とは、住人の意思に無関係に電源オフ(運転停止)されるのが望ましくないため、運転優先順位が最上位に定められているとよい。なお、図2では、優先順位を1位〜5位で示している。23時〜7時は、割安な夜間電力を使用できる時間帯である。
【0056】
「時間帯A」は7時〜10時の時間帯であり、この時間帯Aでは、各空調設備22−1〜22−3の運転を、給湯設備24や充電設備25の運転よりも優先している。この場合、仮に全使用電力が契約電力を超えると、その時点で運転中である設備(設備22−1〜22−3,24,25)のうち優先順位の低い設備について運転が停止される。
【0057】
「時間帯B」は10時〜16時の時間帯であり、この時間帯Bでは、住人が学校や職場に出かけているため、住宅10内における電力消費が減ると考えられる。そのため、優先順位が設定されていない。
【0058】
「時間帯C」は16時〜21時の時間帯、「時間帯D」は21時〜23時の時間帯である。これらの時間帯C,Dでは、時間帯Aと同様、各空調設備22−1〜22−3の運転を、給湯設備24や充電設備25の運転よりも優先している。なお、時間帯A,C,Dにおいて、空調設備22−1〜22−3のうちどの空調設備の運転優先順位を上位にするかは、任意に定められればよいが、例えば住人が在室している可能性が高い部屋の空調設備ほど優先上位にするとよい。
【0059】
「時間帯E」は23時〜1時の時間帯であり、この時間帯Eでは、各住人が就寝する部屋(寝室及び子供部屋)の空調設備22−2,22−3について運転優先順位を高くしている。
【0060】
「時間帯F」は1時〜4時の時間帯、「時間帯G」は4時〜7時の時間帯である。これらの時間帯F,Gでは、給湯設備24や充電設備25の運転を、各空調設備22−1〜22−3の運転よりも優先している。ここで特に、給湯設備24による湯沸かしは、湯冷めを防止する観点からして住人の起床時刻に合わせて実施されるのが望ましく、例えば7時が起床時刻であれば、7時ちょうど又は7時直前に湯沸かし完了となるように運転されるとよい。そのため、時間帯Gでは、給湯設備24の運転優先順位を最上位としている。これに対し、電動車両Cの充電は、車両使用者(例えば父親)の出勤時刻までに充電完了することが必須であるが、その出勤時刻までに充電完了していれば、夜間時間帯(23時〜7時)のどの時間に充電が実施されていてもよい。そのため、時間帯G以外の時間帯、ここでは時間帯Fで充電設備25の運転優先順位を最上位としている。
【0061】
なお、上記の各時間帯では、設備21〜25以外に、家電機器26が住人の都合に応じて使用され、その家電機器26の使用によって、全使用電力が契約電力を超えることが起こりえると考えられる。この場合にもやはり、全使用電力が契約電力を超えることに伴い、その時点で運転中である設備(設備21〜25)のうち優先順位の低い設備について運転が停止されることとなる。
【0062】
住人が学校や職場に出かける平日と、学校や職場が休みとなる土日とでは、昼間時間帯に在宅している住人の数が異なり、どの設備がどの時間帯に使用されるかの状況が異なる。ゆえに、平日と土日とで、運転優先順位を相違させるようにしてもよい。この場合、平日用の運転優先順位データと、休日用の運転優先順位データとを用意しておく。
【0063】
上記の運転優先順位に関する情報は、運転優先順位データとして管理サーバ31に登録されている。そして、ホームサーバ28が、管理サーバ31の運転優先順位データを必要に応じて受け取るとともに、そのデータを参照して各設備21〜25の運転状態を制御する。
【0064】
また本実施形態では、各住人の行動や各設備21〜25の使用状況に関する情報を取得し、その情報に基づいて、各設備21〜25の運転優先順位について設定変更を適宜実施するようにしている。つまり、上記のとおり設定された運転優先順位に基づいて各設備21〜25の運転状態を制御しつつ、各住人の行動に基づく各設備21〜25の使用ニーズや、各設備21〜25の使用状況(各設備21〜25の運転履歴)に基づいて、運転優先順位の低い設備機器について優先順位を上位に変更する必要性、又はその逆に運転優先順位の高い設備機器について優先順位を下位に変更する必要性が生じたと判断されたら、運転優先順位の変更処理を実施する。
【0065】
具体的には以下の構成が考えられる。
【0066】
住宅10において住人のうち誰が帰宅したかを判定し、その帰宅判定結果(換言すると、帰宅判定結果に基づく在宅/不在の判定結果)に基づいて、運転優先順位について変更の要否を判定する。そして、変更を要すると判定された場合に、運転優先順位の設定変更を実施する。ここで、住宅10においてどの住人が帰宅したのか、どの住人が外出したのかは、玄関戸の電子錠設備23で認証されるIDコードから判定可能である。この場合、電子錠設備23や電子キーによるID認証機能が住人検出手段に相当する。なお、電子錠設備23でID認証されなくても、住宅10内に、コード認証式又は生体情報認証式などの住人認証装置が設けられれば、住人ごとに帰宅/外出(在宅/不在)の判定が可能である。
【0067】
この場合、例えば、子供が帰宅したと判定されれば、運転優先順位の変更を要するとして、子供部屋の空調設備22−3について運転優先順位を上げることとする。また、子供が外出したと判定されれば、運転優先順位の変更を要するとして、子供部屋の空調設備22−3について運転優先順位を下げることとする。これにより、例えば、図2の時間帯A,C,Dにおいて、子供が外出した(不在である)と判定されると、給湯設備24や充電設備25の運転が子供部屋の空調設備22−3の運転よりも優先される。つまり、仮に子供の留守中に子供部屋の空調設備22−3が運転されていても、他の機器による電力消費量が増えると、空調設備22−3について他より先に運転停止がなされることとなる。各住人について帰宅や外出が検出された時点で、各設備機器の運転優先順位の変更が実施される構成であるとよい。
【0068】
なお、電子キーのIDから子供が帰宅した又は外出したと判定されると、親の携帯電話端末29に子供が帰宅した又は外出したこと、及び運転優先順位が変更されたことが通知されるとよい。
【0069】
また、電動車両Cの使用予定を判定し、その判定結果に基づいて、運転優先順位について変更の要否を判定する。そして、変更を要すると判定された場合に、運転優先順位の設定変更を実施する。ここで、電動車両Cを主に使用する住人(例えば父親)が不在であること、すなわち翌日に電動車両Cが使用されないことが判定されれば、住宅10に電動車両Cが駐車されていても、電動車両Cの充電は不要である。この場合、運転優先順位の変更を要するとして、充電設備25について運転優先順位を下げることとする。これにより、例えば、図2の時間帯F,Gにおいて、充電設備25の運転よりもそれ以外の機器の運転が優先される。
【0070】
また、充電設備25に電動車両Cが接続されているものの、すなわち充電準備が整っているものの、過去の充電設備25による充電の実施履歴からして、日ごとの充電量が少量(あらかじめ定めた所定量以下)であれば、運転優先順位の変更を要するとして、時間帯E〜Gにおける充電設備25の運転優先順位を下位に下げる。この場合、充電設備25による電動車両Cの充電よりも、各空調設備22の運転等が優先されることとなる。
【0071】
なお、電動車両Cの使用予定は、ホームサーバ28において事前に登録された使用スケジュールに基づいて判定される構成でもよい。また、電動車両Cについて過去の使用履歴を逐次記憶しておき、その使用履歴に基づく予測により、電動車両Cの使用予定を判定する構成であってもよい。例えば、電動車両Cの使用履歴から、現時点以降(例えば翌日)に電動車両Cが使用されないことを予測したり、現時点以降(例えば翌日)に電動車両Cが使用されるとしてもその走行距離が僅かであることを予測したりするとよい。
【0072】
充電設備25に関して充電の履歴情報は、日ごとの車両充電が実施される都度、充電設備25からホームサーバ28への送信情報に基づいて記憶されるとよい。この場合、充電設備25からホームサーバ28に対して、充電電力量の情報や充電実施時間の情報が送信される。
【0073】
また本実施形態では、ホームサーバ28が、上記のとおり運転優先順位に基づいて各設備21〜25の運転を制御することに加え、住人の行動予定や行動の実状に基づいて各設備21〜25の運転を自動制御するようにしている。
【0074】
例えば空調設備22−1〜22−3の自動制御として、住人の帰宅時刻を予測し、その帰宅時刻以前に空調設備22の運転が開始されるようプレ空調制御を実施する。この場合、帰宅予定者が誰であるかに応じて、空調設備22−1〜22−3のいずれかの運転を開始するとよい。住人の帰宅時刻の予測は、住人自身が設定したスケジュール情報を参照することで実施されるとよい。又は、住人が所持する電子キーや携帯電話端末29に付加された位置検出機能(GPS機能)を用いて、住人の帰宅時刻が予測されるとよい。電動車両Cに位置検出機能(GPS機能)が付与されている場合には、電動車両Cの走行位置により住人の帰宅時刻が予測されてもよい。かかる場合、住人が住宅10に着く以前に、住宅10内を暖めておく、又は冷やしておくことが可能となる。
【0075】
また、照明設備21の自動制御として、あらかじめ定めた所定時刻なると、玄関アプローチの照明設備21−4を点灯運転する。なお、防犯対策として、住人が不在であっても所定時刻になったら屋内の照明設備21のいずれかを点灯運転させ、あたかも住人が在宅であるような擬装演出を行うようにすることも可能である。
【0076】
さらに、充電設備25の自動制御として、早朝における電動車両Cの使用時刻、又は電動車両Cを利用しての出勤時刻を予測し、その車両使用時刻(出勤時刻)までに車両充電が完了しているように充電設備25による充電を実施させる。例えば、朝5時に住宅10から出勤する場合、その出勤時刻の朝5時までに車両充電が完了しているように充電設備25による充電を自動制御する。
【0077】
図3は、管理サーバ31により実行される優先順位設定処理を示すフローチャートである。この処理は、いずれかの住宅10のホームサーバ28や、住人の所持する携帯電話端末29から設定要求が送信されてきたことをトリガとして管理サーバ31により実施される。
【0078】
図3において、ステップS11では、運転優先順位データが未登録であるか否か、すなわち今回が初回登録であるか否かを判定する。YESならステップS12に進み、運転優先順位データの初回登録を実施する。
【0079】
このとき、管理サーバ31では、各住宅10の間取りと、各住宅10に設置可能な設備機器と、各住宅10の家族構成とのそれぞれの想定データを組み合わせてなる複数の設定パターンがあらかじめ定められており、その設定パターンごとに運転優先順位の基礎データが定められている。そして、管理サーバ31は、初回登録に際して、住宅10から実際の間取りデータ、設備機器の設置データ、家族構成データを受信し、それら各データと運転優先順位の基礎データとに基づいて、住宅10ごとに運転優先順位データ(デフォルトデータ)を決定する。そして、この運転優先順位データを、住宅10ごとに設けられた記憶装置のフォルダに記憶する。
【0080】
また、ステップS11がNOである場合、ステップS13に進む。ステップS13では、住宅10から運転優先順位データの設定変更が要求されているか否かを判定する。そして、YESならステップS14に進み、運転優先順位データ(デフォルトデータ)の設定変更処理を実施する。例えば、先に登録されている運転優先順位データ(デフォルトデータ)に基づく設備機器制御の内容に対して、住宅10側が変更を要望する場合には、その要望に応えるかたちで運転優先順位データが変更される。このとき、先に登録されている運転優先順位データに上書きして新たな運転優先順位データが登録される。
【0081】
なお、ホームサーバ28では、操作メニューとして、運転優先順位データの変更手続が用意されており、住人がその変更手続を実施することに伴い、管理サーバ31において運転優先順位データ(デフォルトデータ)の変更が実施される。
【0082】
次に、ホームサーバ28により実行される設備機器制御について説明する。図4は、ホームサーバ28による設備機器制御処理を示すフローチャートである。本処理はホームサーバ28により所定の時間周期で繰り返し実施される。
【0083】
図4において、ステップS21では、運転優先順位データを管理サーバ31から受信するタイミングになったか否かを判定する。例えば、ホームサーバ28では、基本的に1日に1回の頻度で運転優先順位データを受信するようにしており、所定時刻(例えば朝7時)になると、運転優先順位データを管理サーバ31から受信する。なお、1日に複数回の頻度で運転優先順位データが受信される構成や、数日に1回の頻度で運転優先順位データが受信される構成であってもよい。
【0084】
また、平日用データとして1つの運転優先順位データが定められ、土日用データとして1つの運転優先順位データが定められている場合には、例えば、日曜日の夜23時に平日用の運転優先順位データを受信し、金曜日の夜23時に土日用の運転優先順位データを受信するようにしてもよい。
【0085】
ステップS21がYESの場合、ステップS22に進み、NOの場合、ステップS24に進む。
【0086】
ステップS22では、運転優先順位データの送信を管理サーバ31に対して指令する。続くステップS23では、管理サーバ31から受信した運転優先順位データ(デフォルトデータ)を読み込み、ホームサーバ28の所定の記憶エリアに書き込む。
【0087】
その後、ステップS24では、各設備21〜25のいずれかについて自動制御を実施するタイミングであるか否かを判定する。そして、ステップS24がYESであれば、ステップS25に進み、該当する設備機器について自動制御を実施する。
【0088】
ここで、各設備21〜25のいずれかについては自動制御のスケジュールがあらかじめ定められており、今現在がその制御実行のタイミングであれば、ステップS24がYESとなる。そして、ホームサーバ28が、今回制御対象となる設備機器について制御指令を出力する。この場合、ホームゲートウェイ装置27から各設備21〜25の通信部21a〜25aへの指令信号によりいずれかの設備機器の自動制御が実施される。
【0089】
例えば、住人の帰宅時刻に合わせて空調設備22の運転開始時刻が定められている場合には、その運転開始時刻になることに伴い空調設備22の運転が開始される。また、玄関アプローチの照明設備21−4について点灯時刻が定められている場合には、その点灯時刻になることに伴い照明設備21−4が点灯される。
【0090】
その後、ステップS26では、各設備21〜25の使用状況と住人の行動との少なくともいずれかに関する情報に基づいて、運転優先順位について変更の要否を判定する(変更要否判定手段に相当)。そして、運転優先順位の変更を要すると判定されれば、ステップS27に進んで、運転優先順位を変更する変更処理を実施し(設定変更手段に相当)、その後本処理を終了する。また、変更不要と判定されれば、本処理をそのまま終了する。ステップS26,S27では、以下のごとく変更要否の判定及び変更処理を実施する。
【0091】
・子供が不在である場合(帰宅予定時刻に帰宅していない場合)に、運転優先順位の変更を要すると判定し、子供部屋の空調設備22−3について運転優先順位を下げる。例えば図2の時間帯A,C,Dにおいて、給湯設備24や充電設備25の運転が、子供部屋の空調設備22−3の運転よりも優先されるように、運転優先順位を変更する。
【0092】
・電動車両Cを主に使用する住人が不在である場合(翌日に電動車両Cを使用しない場合)に、運転優先順位の変更を要すると判定し、充電設備25について運転優先順位を下げる。例えば図2の時間帯F,Gにおいて、充電設備25の運転(車両充電)よりもそれ以外の機器の運転が優先されるように、運転優先順位を変更する。
【0093】
・過去の充電設備25による充電の実施履歴からして、日ごとの充電量が少量(あらかじめ定めた所定量以下)であれば、運転優先順位の変更を要すると判定し、充電設備25について運転優先順位を下げる。例えば図2の時間帯E〜Gにおいて、充電設備25の運転(車両充電)よりもそれ以外の機器の運転が優先されるように、運転優先順位を変更する。
【0094】
特に、給湯設備24と充電設備25との各優先順位に関しては以下のように変更処理が実施されるとよい。つまり、給湯設備24及び充電設備25は、住宅10の各設備機器の中でも電力消費量が大きく、これら設備24,25の両方を備える住宅10では、その両設備24,25が同時期に運転されることで、分電盤11からの供給電力が一気に増加して電力遮断が生じることが懸念される。また、これら両設備24,25の同時使用を想定すると、契約電力(最大需要電力)として大電力の契約が必要になり、住人の負担が増加するという不都合が生じる。
【0095】
したがって、その両設備24,25について相互の運転優先順位が定められている(例えば図2参照)。そしてかかる構成において、電動車両Cの使用予定に基づき運転優先順位の変更を実施する場合に、充電設備25の優先順位と給湯設備24の優先順位とについて相互の入替を実施する。例えば、給湯設備24が優先下位、充電設備25が優先上位である場合に、翌日に電動車両Cの使用予定が無ければ、給湯設備24と充電設備25との相互の運転優先順位を逆にし、給湯設備24を優先上位、充電設備25を優先下位とする。
【0096】
なお、運転優先順位の変更処理が実施された場合、その変更の都度、変更の内容をホームサーバ28から管理サーバ31側に送信するようにしてもよい。この場合、管理サーバ31では、その変更履歴を記憶する、又は変更後の運転優先順位データを新たなデフォルトデータとして登録する。
【0097】
以上のように、ホームサーバ28は、設備機器制御と運転優先順位の変更とを実施する。また、ホームサーバ28は、上記図4の処理と並行して、所定の時間周期で図5に示す制御処理を実施する。図5は、例えば数秒〜数10秒の周期で処理が起動され、これにより常時の電力監視が実施されるようになっている。
【0098】
図5において、ステップS31では、住宅10における今現在の全使用電力Pを算出する(算出手段に相当)。全使用電力Pは、電力監視装置16による電力の監視結果に基づいて算出される。その後、ステップS32では、今現在の全使用電力Pが、あらかじめ定めた許容値K以上であるか否かを判定する。許容値Kは、住宅10ごとの契約電力に基づいて定められる電力上限値であり、例えば「契約電力−α」である。そして、全使用電力P≧許容値Kであれば、ステップS33に進み、全使用電力P<許容値Kであれば、そのまま本処理を終了する。
【0099】
ステップS33では、運転優先順位データ(デフォルトデータ)又は図4のステップS27で設定変更された変更後の運転優先順位データを用いて、今現在運転中である各設備機器のうち優先順位の低いものについて運転を停止させる(制限手段に相当)。すなわち、運転優先順位データから、現在時刻に該当する時間帯での各設備21〜25の運転優先順位を読み出し、その優先順位に基づいていずれかの設備機器の運転を停止させる。
【0100】
なお、運転優先順位に基づいて設備機器の運転が強制停止された場合、その強制停止された設備機器を記憶しておき、使用電力に余裕が生じた時点で、運転を自動で再開させるようにするとよい。例えば、「許容値K−全使用電力P」が所定値以上になった時点で、それ以前に強制停止された設備機器の運転を再開させる。
【0101】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0102】
住宅10において全使用電力Pが許容値K(所定の電力上限値)に達する場合に、各設備21〜25についてあらかじめ定められた運転の優先順位に基づいて、いずれかの設備の運転を制限するようにした。これにより、許容値Kを超えないように全使用電力Pを規制することが可能となり、過剰な電力供給に伴いブレーカの遮断が意図せず生じる等の不都合を抑制できる。
【0103】
また、各設備21〜25の使用状況や住人の行動に応じて運転優先順位の変更の要否を判定し、変更要と判定された場合に、運転優先順位について設定変更を実施するようにした。これにより、住宅10における各設備21〜25の実際の使用に際し、各設備21〜25の使用状況や使用ニーズが例えば日ごとに変わっても、それを反映しつつ、住人による使い勝手を向上させることが可能となる。これにより、各設備21〜25の運転を好適に制御することが可能となる。
【0104】
1日の複数の時間帯ごとに各設備21〜25の優先順位を定めておき、その時間帯ごとの優先順位に基づいていずれかの設備の運転を制限するようにした。また、時間帯ごとの優先順位について個々に設定変更を実施するようにした。これにより、各設備21〜25について使用の時間帯が相違することを加味しつつ、各設備21〜25の運転制御を好適に実施できる。
【0105】
住宅10において住人のうち誰が在宅しているかの判定結果(すなわち、誰が外出中であり、誰が帰宅したかの判定結果)に基づいて、運転優先順位について変更の要否を判定し、変更要と判定された場合に、運転優先順位について設定変更を実施する構成とした。この場合、実際にどの設備機器が使用されるか(運転されるか)が、在宅の住人が誰なのかに応じて左右されることを考慮しつつ、各住人の住宅の実状況に即して、各設備21〜25の運転を好適に制御できる。
【0106】
電動車両Cの使用予定を判定した結果に基づいて、運転優先順位について変更の要否を判定し、変更要と判定された場合に、運転優先順位について設定変更を実施する構成とした。この場合、充電設備25による車両充電が実施されるか否かに応じて住宅10での電力余裕度が大きく変動することを考慮しつつ、各設備21〜25の運転を好適に制御できる。
【0107】
電動車両Cの使用予定に基づき運転優先順位の変更を実施する場合に、充電設備25と給湯設備24との優先順位を相互に入れ替える構成とした。これにより、給湯設備24と充電設備25との同時使用により全使用電力Pが契約電力を超えてしまう、又は契約電力の大電力化が強いられるといった不都合を抑制しつつ、都度の設備使用ニーズに応じて各設備21〜25の運転を好適に制御することができる。
【0108】
管理サーバ31にデフォルトデータとして運転優先順位データを登録しておき、ホームサーバ28が、必要に応じて管理サーバ31から運転優先順位データ(デフォルトデータ)を受信し、当該データを用いて各設備21〜25の運転の制御を実施する構成とした。かかる構成では、運転優先順位データ(デフォルトデータ)が管理サーバ31側で管理されるため、住宅10ごとの個別の事情による設定変更ではなく、複数の住宅10について一様の設定変更が実施される場合、すなわち例えば季節ごとに又は地域別に運転優先順位データ(デフォルトデータ)が変更される場合に、その変更を一斉に実施できる。したがって、管理上有利であると考えられる。
【0109】
例えば、夏場の所定期間において、空調設備22の運転優先順位を高めるべく管理サーバ31が運転優先順位データを変更する場合に、複数の住宅10について一様の設定変更が可能となる。また、電力需要の増加等を抑えるべく電力会社から各住宅10への電力供給を制限する事態が生じた場合に、管理サーバ31によって、複数の住宅10について一様の設定変更が可能となる。
【0110】
管理サーバ31を、住人により携帯される携帯電話端末29との間で通信可能とした。そして、管理サーバ31が、携帯電話端末29からの要求に応じて、各設備21〜25について運転の制御内容を住宅10側に通知する機能と、各設備21〜25の運転状態の情報を住宅10側から受信するとともにその受信情報を携帯電話端末29に通知する機能とを備える構成とした。かかる構成によれば、携帯電話端末29から管理サーバ31への情報送信、及びその逆の管理サーバ31から携帯電話端末29への情報送信がいずれも可能となっている。ゆえに、住人が外出先に出かけていたとしても、各設備21〜25の運転の制御や各設備21〜25の運転状態の監視を、その住人が任意のタイミングで実施できる。
【0111】
[他の実施形態]
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
【0112】
・割安な夜間電力が供給される夜間時間帯(夜23時〜朝7時の時間帯)において、その時間帯を通じて給湯設備24及び充電設備25の運転優先順位を、給湯設備24の運転優先順位を上位に、充電設備25の運転優先順位を下位にしておく。そして、その両者の運転優先順位について、都度の変更要否の判定結果に基づいて互いの入替を実施する構成としてもよい。
【0113】
例えば、電動車両について翌日の走行予測距離に応じて、運転優先順位の入替を行う。この場合、翌日の走行予測距離が所定距離よりも大きければ、変更要と判断し、充電設備25の運転優先順位を上位に、給湯設備24の運転優先順位を下位に変更する。又は、電動車両について利用開始の時刻に応じて、運転優先順位の入替を行う。この場合、利用開始の時刻が通常よりも早ければ、変更要と判断し、充電設備25の運転優先順位を上位に、給湯設備24の運転優先順位を下位に変更する。
【0114】
上記とは逆に、夜間時間帯(夜23時〜朝7時の時間帯)において、その時間帯を通じて給湯設備24を優先下位に、充電設備25を順位上位にしておいてもよい。そして、その両者の運転優先順位について、都度の変更要否の判定結果に基づいて互いの入替を実施する。
【0115】
・住宅10に設置される各設備機器についてその種類と設置数は任意である。例えば、給湯設備24と充電設備25とに関しては両設備のうち一方のみを有する構成であってもよい。
【0116】
・上記実施形態では、住宅10の全使用電力Pが許容値Kを上回る場合に、各設備21〜25のうち運転優先順位の低い設備の運転を強制的に停止させる構成としたが、これを変更し、同じく住宅10の全使用電力Pが許容値Kを上回る場合に、各設備21〜25のうち運転優先順位の低い設備について運転負荷を減らすことで電力消費量を減らす構成としてもよい。例えば、空調設備22について運転優先順位が低い場合には、その空調設備22の運転を停止させるのではなく、空調の暖房温度を下げたり(又は冷房温度を上げたり)、空調風量を少なくしたりする。又は、充電設備25について運転優先順位が低い場合には、車両充電を停止させるのではなく、電動車両Cに対する充電負荷を減らす(時間当たりの充電量を減らす)ようにする。
【0117】
・住宅10に、自然エネルギにより発電する自然エネルギ発電装置を設け、その自然エネルギ発電装置の発電電力を各設備21〜25や家電機器26に供給する構成としてもよい。自然エネルギ発電装置としては、太陽光発電を実施する太陽光発電装置や風力発電を実施する風力発電装置などが考えられる。住宅10では、給電部としての分電盤11によって、商用電力に加えて自然エネルギ発電電力が各設備21〜25や家電機器26に供給される。この場合、商用電力についての契約電力(最大需要電力)と、都度の自然エネルギ発電電力との和により、電力上限値が決定されるとよい。
【0118】
・上記実施形態では、住宅10ごとにホームサーバ28を設け、そのホームサーバ28により各設備21〜25の運転を制御する構成としたが、これを変更し、これまで説明したホームサーバ28の機能を管理サーバ31内に持たせることで、管理サーバ31により各設備21〜25の運転を制御する構成としてもよい。またこの場合、管理サーバ31が、運転優先順位に基づいて各設備21〜25の運転を制御することとして、管理サーバ31により制限手段、変更要否判定手段及び設定変更手段が構成されるようにしてもよい。
【0119】
・上記実施形態では、各設備21〜25に通信部21a〜25aを設け、この通信部21a〜25aとホームゲートウェイ装置27とで無線通信を行う構成としたが、その通信の方式は任意であり、LANケーブルにより各設備21〜25とホームゲートウェイ装置27とを接続して住宅10内の通信を実施する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0120】
10…住宅、11…分電盤(給電部)、21…照明設備、22…空調設備、23…電子錠設備、24…給湯設備(温水設備)、25…充電設備、21a〜25a…通信部、28…ホームサーバ(制御手段、電力算出手段、制限手段、変更要否判定手段、設定変更手段、在宅判定手段、使用予定判定手段)、29…携帯電話端末、30…管理センタ、31…管理サーバ、C…電動車両、BT…蓄電池(蓄電装置)。
図1
図2
図3
図4
図5